JPH08257601A - 表面性状の優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法 - Google Patents

表面性状の優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法

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JPH08257601A
JPH08257601A JP6648395A JP6648395A JPH08257601A JP H08257601 A JPH08257601 A JP H08257601A JP 6648395 A JP6648395 A JP 6648395A JP 6648395 A JP6648395 A JP 6648395A JP H08257601 A JPH08257601 A JP H08257601A
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cold
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Toshimasa Tomokiyo
寿雅 友清
Hide Uchida
秀 内田
Hiroyasu Yamamoto
普康 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、小径ワークロールを有するゼンジ
ミアミル等のリバースミルや大径ロールを有する冷間タ
ンデムミル等において、生産性を低下させずに表面光沢
の優れたステンレス冷延鋼帯を製造する方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 表面に直径100〜200μm、深さ4〜7
μm、ピッチ200〜250μmの凹みを有したワーク
ロールをタンデムミルの場合には、第1スタンドに使用
し、リバース又はゼンジミアミルの場合には、第1パス
に使用して、圧下率5〜25%の圧延を行うことで、従
来方法によって製造したステンレス冷延鋼帯に比較し
て、著しく優れたステンレス冷延鋼帯の製造が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた表面光沢を有す
るステンレス冷延鋼帯を安定して製造する方法にある。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス鋼帯は、熱延鋼帯を中
間焼鈍・酸洗して、酸洗された表面のまま、ゼンジミア
ミル等の小径ワークロールを有するリバース冷間圧延機
において、圧延潤滑油を供給した冷間圧延(以下、冷間
圧延と省略する)を行った後、仕上焼鈍・酸洗あるいは
仕上光輝焼鈍し、さらに仕上調質圧延を行い製造してい
る。また、近年では生産性のために、大径のワークロー
ルを具備した冷間タンデムミルを用いる製造が行われて
いる。上記工程により製造されたステンレス冷延鋼帯
は、製造後の表面のまま製品として使用されることも多
いため、仕上調質圧延後の製品に優れた表面光沢が要求
される。
【0003】従来の表面光沢を有するステンレス冷延鋼
帯の製造方法は、たとえば特開昭60−227904号
公報、特開昭61−49705号公報等に記載される、
冷間圧延に使用するワークロールの径やロール表面の粗
さを工夫する方法、特開昭59−107027号公報に
記載される中間焼鈍・酸洗後にグラインダー研磨を行う
方法等が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の方法は、
ステンレス熱延鋼帯を中間焼鈍・酸洗した後、冷間圧延
を行うため、中間焼鈍・酸洗によって生じた鋼帯の表面
の凹凸が冷間圧延によって消失しない場合もあり、中心
線平均粗さRa0.1μm以下を要求されるステンレス
冷延鋼帯の表面光沢としては十分ではないという問題が
ある。
【0005】上記の問題は小径ワークロールを用いるゼ
ンジミアミル等でも生じる問題であるが、前述の大径ロ
ールの冷間タンデムミルを用いたステレンス鋼帯を製造
する方法では、特に表面光沢の低下が顕著であった。こ
のため、冷間タンデムミルを用いたステンレス鋼帯の製
造は、鋼帯表面の光沢を問題にしない製品の製造に限ら
れており、表面光沢の優れたステンレス冷延鋼帯の冷間
タンデムミルでの製造が望まれていた。
【0006】冷間タンデムミルによる表面光沢の優れた
ステンレス冷延鋼帯の製造方法として、特開昭61−4
9701号公報には、大径ワークロールを備えた冷間タ
ンデムミルで冷間圧延し、その後小径ワークロールを備
えた圧延機で冷間圧延する方法が提案されている。この
方法により、冷間圧延後のステンレス冷延鋼帯の表面光
沢は改善されたが、大径ワークロールを備えた冷間タン
デムミルによる圧延の後、小径ロールを備えた圧延機に
よる圧延を行うため、小径ロールによる圧延時の速度が
低速度であり、本来の目的である生産性向上のために実
施する大径ロールによる冷間タンデムミルによるステン
レス冷延鋼帯製造の効果が小さくなるという問題があ
る。
【0007】上記問題を解決し、生産性を低下させずに
表面光沢の優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法とし
て、特開平1−122603号公報には、中間焼鈍・酸
洗後の鋼板に対して、圧下率が5%を超える無潤滑圧延
の予備処理を施し、その後、ワークロール粗度を工夫し
て冷間圧延を行う方法が提案されている。この方法によ
り、生産性を低下させずに表面光沢の優れたステンレス
鋼板が得られるようになったが、予備処理として実施す
る無潤滑圧延において、中間焼鈍・酸洗後の鋼板の表面
凹凸が大きい、すなわち表面粗度が大きな場合には、表
面凹凸を平滑化させるため圧下率を大きくする必要が生
じてくる。圧下率を大きくすると焼付きが発生しやすく
なる。また、無潤滑圧延であるため圧延ロールの摩耗量
も、通常の潤滑油を使用する圧延に比べると多くなると
いう問題が生じる。また、中間焼鈍・酸洗後に無潤滑圧
延を施すための圧延機を設置する必要が生じるため、製
造ラインは長くなり、結果としてコスト高を招く問題が
ある。
【0008】本発明は、小径ワークロールを有するゼン
ジミアミル等のリバースミルや大径ロールを有する冷間
タンデムミル等において、生産性を低下させず、かつコ
ストの増大をも防止して、表面光沢の優れたステンレス
冷延鋼帯を製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、ステンレス熱延鋼帯の中間焼鈍・酸洗後、表
面に規則的な凹みを有するワークロールにより、タンデ
ムミルの場合には第1スタンド、リバース又はゼンジミ
アミルの場合には第1パスにおいて圧延(第1パス圧
延)を施すことにより、鋼帯表面の状態を均一な表面状
態とし、次パス以降の中間パス圧延および最終パス圧延
ではワークロールの表面粗度を適正化することで、熱延
鋼帯の中間焼鈍・酸洗後の表面凹凸の影響をなくすと同
時に、圧延によって生成する新生面の表面粗度を小さく
する効果を利用し、表面光沢の優れたステンレス冷延鋼
帯を製造することを特徴とする。
【0010】すなわち、本発明の要旨とするところは、
(1) ステンレス熱延鋼帯を中間焼鈍・酸洗し、引き続き
冷間圧延を施すにあたり、表面に直径100〜200μ
m、深さ4〜7μm、ピッチ200〜250μmの凹み
を有するワークロールにより、圧下率5〜25%で第1
パスの圧延を行い、次いで、中心線平均粗さRa0.2
〜0.4μmのワークロールにより中間パス圧延を行
い、さらに、中心線平均粗さRa0.1μm以下のワー
クロールにより最終パス圧延を行うことを特徴とする表
面性状の優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法であり、
(2) 中間パス圧延および最終パス圧延において使用する
ワークロールが、ロール表面にクロムメッキしたワーク
ロールであることを特徴とする前記 (1)項に記載の表面
性状の優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法であり、
(3) 中間パス圧延および最終パス圧延において使用する
ワークロールが、3価のクロムをマトリックスとして、
その中にSiC,ZrB2 ,Si3 4 ,Cr3 2
4 C,CBN,ダイヤモンドのうちの少なくとも一つ
を分散させた複合メッキのワークロールであることを特
徴とする前記 (1)項に記載の表面性状の優れたステンレ
ス冷延鋼帯の製造方法にある。
【0011】
【作用】以下、表面性状の優れたステンレス冷延鋼帯の
製造方法について詳細に説明する。一般に、ステンレス
冷延鋼帯の表面光沢は鋼帯の表面状態に依存し、鋼帯の
表面光沢を良好にするには、鋼帯表面の表面粗さを低減
させればよいことが知られている。冷間圧延後の鋼帯表
面の大部分は冷間圧延時に生成した新生面であり、冷間
圧延時に生成される新生面の表面粗度を小さくすれば鋼
帯の表面光沢は改善される。しかし、冷間圧延後の鋼帯
表面には、冷間圧延より生成した新生面と同時に冷間圧
延前の中間焼鈍・酸洗後の表面凹凸が残存し、表面光沢
を低下させる原因になっている。このため、この中間焼
鈍・酸洗後の表面凹凸を冷間圧延中になくすことが、表
面光沢の改善には重要である。
【0012】さらに、この中間焼鈍・酸洗後の鋼板の表
面凹凸には冷間圧延に使用される潤滑油が溜まり、潤滑
油は冷間圧延中に圧延ロールと鋼帯の間に封じ込められ
る。圧延に使用される潤滑油は空気等に比べて圧縮され
にくいため、鋼帯の凹凸は冷間圧延後も残存してしま
う。従って、冷間圧延後の鋼帯の表面光沢を改善するに
は、中間焼鈍・酸洗後の凹凸を冷間圧延の初期になくす
必要がある。
【0013】このため、本発明による方法では、冷間圧
延において、表面に直径100〜200μm、深さ4〜
7μm、ピッチ200〜250μmの凹みを有したワー
クロールにより、圧下率5〜25%で第1パス圧延を行
うもので、たとえばこのワークロールをタンデムミルの
場合には、第1スタンドに使用し、リバース又はゼンジ
ミアミルの場合には、第1パスに使用して、圧下率5〜
25%で第1パス圧延を行い、中間焼鈍・酸洗後の鋼帯
表面の凹凸を消失させ、均一な表面状態を有する鋼帯と
する。
【0014】また、上記ワークロールを使用することに
より、通常の冷間圧延と同様に潤滑油を供給しても、ワ
ークロールと鋼帯の間に封じ込められる潤滑油はロール
に設けた凹みにより、容易に排出されるため、鋼帯表面
に存在する凹凸に溜まった潤滑油も排出され、中間焼鈍
・酸洗で発生した鋼帯表面の凹凸は消失する。このた
め、ワークロールの凹部は鋼帯表面の均一化およびワー
クロールと鋼帯の間に導入された潤滑油の排出する効果
を保持するため、直径100〜200μm、深さ4〜7
μm、ピッチ200〜250μmが必要となる。
【0015】直径とピッチは上記範囲内で適宜決定すれ
ばよい。直径が100μmより小さくなったり、ピッチ
が250μmよりも大きくなると、ロール表面の凹み部
の量が減少するため、相対的に平滑なロール表面が大き
くなり、潤滑油の排出が十分でなく、鋼帯表面の凹凸の
消失ができない恐れがある。また、直径が200μmよ
り大きくなったり、ピッチが250μmより小さくなる
と、ロール表面の凹み部の間隔が小さくなりすぎ、ロー
ルそのものの作製が困難になり、凹み部の形成が不能に
なる。
【0016】さらに、深さが4μm以下では鋼板表面の
十分な均一化ができない。深さが7μm以上になると圧
延中に凹み部のエッジでロールの破損が生じる恐れがあ
る。また、圧下率が5%以下になると、ロール表面の転
写が十分でないため、鋼帯表面の凹凸部は消失しない。
さらに、圧下率25%以上になると鋼板表面の凹凸は消
失するが、ロール表面への転写が大きくなりすぎ、鋼帯
表面の凸部の高さが大きくなり、最終パス圧延後までロ
ールの転写の痕が残存してしまうこともある。このた
め、冷間圧延後に鋼帯の表面光沢を良好にするには圧下
率が5〜25%が適切である。
【0017】さらに、このロールを2パス目以降に使用
すると1パスで板表面に形成された均一な表面状態が再
び不均一な凹凸状態となるため、このロールの使用は第
1パスのみとする。上記ワークロールの材質としては、
一般にステンレスの冷間圧延に用いられている鍛鋼ロー
ルあるいは鍛鋼ロールに通常の電気メッキ法によりクロ
ムメッキを施したロールを用いることができる。これ
に、電解エッチング等により、上述の凹みを設ければよ
い。
【0018】次に、それ以降の中間パスにおいては、中
心線平均粗さRa0.2〜0.4μmのワークロールを
使用して圧延し、第1パス圧延によって生成した、鋼板
表面の均一な凸部を平滑化する。ここで、中心線平均粗
さRaが0.2μm未満では、前述したロールと鋼板と
の間に潤滑油が封じ込められ排出されにくいため、再び
鋼帯表面に凹凸を発生させる。また、中心線平均粗さR
aが0.4μm超では、潤滑油は十分排出されるが、表
面粗度の粗いロール表面状態が、鋼板表面に転写され、
最終パス圧延後も粗いロール表面性状が残存する。この
ため、ワークロールの中心線平均粗さRaを0.2〜
0.4μmとする。
【0019】さらに、最終パスでは、中心線平均粗さR
a0.1μm以下のワークロールを使用して圧延する。
このように表面粗度の小さいロール表面状態の転写によ
り、高光沢の冷間圧延鋼帯が得られる。最終パス圧延で
用いるワークロールの中心線平均粗さRaが0.1μm
超になると表面粗度の粗いロール表面状態が、鋼板表面
に転写されるため、十分な光沢度は得られなくなる。な
お、ワークロールの表面粗度が小さいため、ワークロー
ルと鋼帯との間での潤滑油が封じ込められて、鋼帯表面
の凹凸を発生させることが考えられるが、通常最終パス
圧延では鋼帯の形状制御の観点から圧下率を低くするた
め、鋼板表面の凹凸の生成はほとんど、鋼帯表面の光沢
には問題とならない程度のものである。
【0020】また、中間パス圧延および最終パス圧延に
使用するワークロールの材質は従来から冷間圧延に使用
されている鍛鋼、クロム鋼、ダイス鋼、ハイス等の材質
でロール表面を所定の粗度に研削して使用すればよい。
【0021】このように、第1パス圧延、中間パス圧延
そして最終パス圧延において、所定の表面粗度のワーク
ロールを使用することで表面性状の優れたステンレス冷
延鋼帯が得られる。これに対して、第1パス圧延を中間
パス圧延で用いる表面粗度のワークロールで行い、その
後、中間パス圧延、最終パス圧延を行うと中間焼鈍・酸
洗後の凹凸が最終パス圧延まで残存する。また、第1パ
ス圧延を表面に直径100〜200μm、深さ4〜7μ
m、ピッチ200〜250μmの凹みを有したワークロ
ールで行い、中間パス圧延、最終パス圧延を最終パス圧
延で使用する中心線平均粗さRa0.1μm以下のワー
クロールで行うと、ロールと鋼板との間に封じ込められ
た潤滑油が排出されないため、再び鋼帯表面に凹凸を発
生させ、良好な表面性状を得ることはできない。あるい
はまた、第1パス圧延を表面に直径100〜200μ
m、深さ4〜7μm、ピッチ200〜250μmの凹み
を有したワークロールで行い、中間パス圧延、最終パス
圧延を中間パス圧延で使用する中心線平均粗さRa0.
2〜0.4μmのワークロールで行うと、最終パス圧延
後にも表面粗度の粗いロール表面状態が、鋼板表面に転
写されるため、十分な光沢度は得られない。
【0022】ところで、中間パス圧延および最終パス圧
延において使用する上記ワークロールとしてロール表面
にクロムメッキしたワークロールを使用することが好ま
しい。この場合、上記の鍛鋼、クロム鋼、ダイス鋼、ハ
イス等の材質のワークロールで圧延された場合に比べ
て、クロムメッキしたワークロールの耐摩耗性が優れて
いるため、ワークロールの初期の表面粗度が長距離の圧
延後も維持されるので板表面の光沢は良好になる。ロー
ル母材は鍛鋼、クロム鋼等が用いられる。メッキの組成
は使用するメッキ浴組成によって決定されるが、一般的
に広く用いられているサージャント浴から得られる6価
のクロムメッキあるいはシュウ酸浴から得られる3価の
クロムメッキでよい。メッキ厚は1μm未満ではメッキ
の摩耗が速く、50μmを超えるとメッキが剥離しやす
くなるので、1〜50μm程度が好ましい。メッキ方法
として電解法および無電解法があるが、メッキ作業の高
能率化を考慮すると電解法が望ましい。
【0023】あるいはさらに、中間パス圧延および最終
パス圧延において使用するワークロールとして、上記の
クロムをマトリックスとして、その中にSiC,ZrB
2 ,Si3 4 ,Cr3 2 ,B4 C,CBN,ダイヤ
モンドのうちの少なくとも一つを分散させた複合メッキ
のワークロールを使用しても、上述のロール表面にクロ
ムメッキを施したワークロールを使用する場合と同様に
光沢の良好な板表面が得られる。
【0024】ロール母材は鍛鋼、クロム鋼等が用いられ
る。また、マトリックスとしてのクロムは、添加したS
iC,ZrB2 ,Si3 4 ,Cr3 2 ,B4 C,C
BN,ダイヤモンドがメッキ浴中で均一に分散し均一な
複合メッキを得られやすい点で3価のクロムとすること
が望ましい。
【0025】メッキ厚は1μm未満ではメッキの摩耗が
速く、50μmを超えるとメッキが剥離しやすくなるの
で、1〜50μm程度が好ましい。また、クロムのマト
リックスの中に分散させる粒子として、SiC,ZrB
2 ,Si3 4 ,Cr3 2,B4 C,CBN,ダイヤ
モンド等の高硬質の材料を選定する。この硬質の材料の
添加により、圧延後の板表面の良好な光沢が達成される
とともにワークロールの摩耗量も減少する。特に、メッ
キ浴中の均一分散性やロールの摩耗さらに、圧延後の板
表面の光沢度を同時に最も満足させる粒子としては、S
iCが好ましい。
【0026】圧延された板の表面光沢を十分に確保し、
かつメッキの耐摩耗性と耐剥離性とを確保するには、分
散させる粒子の平均粒径は0.1〜20μm程度である
ことが望ましい。平均粒径が小さすぎると耐摩耗性がな
く、逆に大きすぎると光沢が確保されず、メッキも剥離
しやすくなる。同様に、光沢を十分確保し、かつメッキ
の耐摩耗性と耐剥離性とを確保するためには、分散させ
る粒子の添加量は0.1〜20wt%程度が適当である。
添加量が少なすぎると耐摩耗性がなく、大きすぎると光
沢が低下しメッキも剥離しやすくなる。メッキ方法とし
て電解法および無電解法があるが、メッキ作業の高能率
化および分散させる粒子の効率的な析出を考慮すると電
解法が望ましい。
【0027】クロムメッキを施したワークロールおよび
クロムをマトリックスとして、その中にSiC,ZrB
2 ,Si3 4 ,Cr3 2 ,B4 C,CBN,ダイヤ
モンドのうちの少なくとも一つを分散させた複合メッキ
のワークロールがいずれのワークロールについても、上
述したロール粗度とするために、メッキ後、研削等によ
り表面粗さを調整して使用する。
【0028】図1には同一の圧延条件で各種ワークロー
ルでステンレスの冷間圧延を行った時の圧延後の板表面
の光沢度と圧下率との関係を示したものである。同一圧
下率では鍛鋼ロールに比較して、クロムメッキロールで
圧延した方が板表面の光沢は良好となる。これは、圧延
後の板表面に存在する凹凸が鍛鋼ロールで圧延した場合
よりも減少する効果が一因となっている。
【0029】
【実施例】本発明に従って、熱延後に中間焼鈍・酸洗し
たSUS430(フェライト系ステンレス)鋼帯に、表
1に例として示したワークロール条件で、冷間圧延を実
施し、タンデム圧延では仕上焼鈍・酸洗、ゼンジミアミ
ルによる圧延では仕上光輝焼鈍して、それぞれ調質圧延
を行った。各圧延鋼帯の表面光沢の目視判定結果を表1
にまとめて示す。なお、目視判定は、光沢の良好な順に
A〜Dの5段階評価とした。表1より、本発明で製造し
たステンレス冷延鋼帯は従来の方法で製造した場合に比
べて著しく良好な表面光沢を有している。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように本発明に
よって、表面に直径100〜200μm、深さ4〜7μ
m、ピッチ200〜250μmの凹みを有したワークロ
ールをタンデムミルの場合には、第1スタンドに使用
し、リバース又はゼンジミアミルの場合は、第1パスに
使用して、圧下率5〜25%の圧延を行うことで、従来
方法によって製造したステンレス冷延鋼帯に比較して、
著しく優れたステンレス冷延鋼帯の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧下率による板表面の光沢度の変化を示す図で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス熱延鋼帯を中間焼鈍・酸洗
    し、引き続き冷間圧延を施すにあたり、表面に直径10
    0〜200μm、深さ4〜7μm、ピッチ200〜25
    0μmの凹みを有するワークロールにより、圧下率5〜
    25%で第1パスの圧延を行い、次いで、中心線平均粗
    さRa0.2〜0.4μmのワークロールにより中間パ
    ス圧延を行い、さらに、中心線平均粗さRa0.1μm
    以下のワークロールにより最終パス圧延を行うことを特
    徴とする表面性状の優れたステンレス冷延鋼帯の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 中間パス圧延および最終パス圧延におい
    て使用するワークロールが、ロール表面にクロムメッキ
    したワークロールであることを特徴とする請求項1に記
    載の表面性状の優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法。
  3. 【請求項3】 中間パス圧延および最終パス圧延におい
    て使用するワークロールが、3価のクロムをマトリック
    スとして、その中にSiC,ZrB2 ,Si3 4 ,C
    3 2 ,B4 C,CBN,ダイヤモンドのうちの少な
    くとも一つを分散させた複合メッキのワークロールであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の表面性状の優れた
    ステンレス冷延鋼帯の製造方法。
JP6648395A 1995-03-24 1995-03-24 表面性状の優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法 Withdrawn JPH08257601A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7470327B2 (en) * 2003-10-02 2008-12-30 Fujifilm Corporation Coating rod and producing method therefor
US7988366B2 (en) * 2005-07-21 2011-08-02 Ntn Corporation Retainer for rolling bearing and rolling bearing
CN113416827A (zh) * 2021-05-31 2021-09-21 北京首钢股份有限公司 延伸率高且涂装性能优良的热镀锌if钢及其制备方法

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