JP3675269B2 - 圧延用ロールの研磨方法および圧延用ロール - Google Patents

圧延用ロールの研磨方法および圧延用ロール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高光沢の金属板を圧延する際に使用する圧延用ロールおよびその研磨方法であって、ロールの円周方向に対し一方に傾斜した研磨目と他方に傾斜した研磨目との両方に傾斜した断続的な研磨目(以下、クロス研磨目という。)を圧延用ロールの周面に付与した圧延用ロールおよびその研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の圧延後の金属板表面には、オイルピットと呼ばれる深さ数μm程度のミクロ欠陥と、スクラッチと呼ばれるロールの研磨目の転写に起因する深さ1μm程度のミクロ欠陥が存在し、表面光沢を低下させる原因となっている。
そこで、高光沢の金属板を製造するために、圧延の際に金属板表面の凹凸を平滑化するとともに、上記オイルピットやスクラッチと呼ばれるミクロ欠陥の発生を抑制する圧延方法が種々提案されており、その一つとして、特殊な研磨目を圧延用ロールに付与して表面粗さの小さい平滑な表面を有する高光沢金属板を圧延することが提案されている。
【0003】
例えば特開平8−267109号公報には、ラッピングフィルムで研磨した、周方向に対して30°以上傾斜するクロス研磨目を有する圧延用ロールを用いて、冷延鋼板を圧延することにより、光沢に優れた金属板を得ることが開示されている。
また、特開平5−253604号公報には通常のロールグラインダーを用いてワークロールの回転速度と砥石の送り速度とを制御することによりスパイラルマーク状の研削跡を付与する方法が示されている。
【0004】
また特開平7−265912号公報には、図14に示すように円盤状(カップ状を含む)砥石20の一端Pをロール表面に接触させて、砥石20を回転させつつロール軸方向に相対的に移動させて、図15に示すようにロール10の円周方向に対して一方に傾斜した研磨目を付与する圧延用ロールの表面研磨方法が開示されている。
しかしながら、上記の特開平8−267109号公報に開示されているクロス研磨目の研磨方法は、ラッピングフィルムをロール周面に押しつけてロール軸方向に微振動を与えながらラッピングフィルムをロール軸方向に移動させるので、高精度な制御が必要で制御が複雑であるという問題やラッピングフィルムの砥粒が不揃いである上に微振動を行うので圧延用ロールの周面には、研磨ムラ(外観上の研磨模様やロール表面粗さのムラ)が発生しやすく、圧延用ロールを用いて圧延した金属板には、光沢ムラが生じるという問題があった。
【0005】
また特開平5−253604号公報に開示の従来技術による研磨方法では、例えば30°の傾斜した研磨目を付与する場合を想定すると、砥石をロール外周速度の0.68倍という高速でロール軸方向に移動させるので、「たたき」と呼ばれる研磨不良が発生しやすく、顕著な研磨ムラが発生するという問題があった。また、この圧延用ロールを用いて圧延した金属板には、光沢ムラが鮮明に転写して、その金属板は製品にならないという問題があった。
【0006】
また特開平7−265912号公報に開示されている研磨方法では、円周方向に対して片側に傾斜した片側傾斜研磨目しかロール周面に付与できず、この圧延用ロールを用いて圧延した場合には、蛇行が生じるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、これらの問題を解決するため、特願平11-283951 号において、ロール法線に対して0を超え砥石の外径の1/2 未満の範囲で砥石回転軸をオフセットし、かつロール法線に対して砥石回転軸を平行とした中空円盤状砥石を配置し、砥石の研磨面を、ロール軸方向に研磨面を半分に分割が可能な分割可能線の両側で圧延用ロールに接触させ、簡単にかつ効率的に、研磨ムラのない均一なクロス研磨目を付与する方法を提案した。
【0008】
この特願平11-283951 号に記載されている研磨方法においては、ロールと砥石との接触面における砥石の周速度ベクトルの方向に幅があるので、図3(b)に示すように、一方に傾斜する研磨目の傾斜角度αおよび他方に傾斜する研磨目の傾斜角度βには多少のばらつきが生じ、ロール1の周速度が砥石の周速度に対して比較的小さい場合(ロール周速/砥石周速<6%)には、図3(a)に示すように、傾斜角度αの最大値と傾斜角度βの最大値および傾斜角度αの最小値と傾斜角度βの最小値とがそれぞれほぼ同じである。ロール1の周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合(ロール周速/砥石周速>10%)には、傾斜角度αと傾斜角度βとの違いが顕著になる。
【0009】
たとえば、図5に示すように、砥石の幅が狭くロール1の周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合(数分の1から数倍)には、一方に傾斜する研磨目の傾斜角度αが0°に近づき、他方に傾斜する研磨目の傾斜角度βが90°に近づく場合もある。
しかしながら、特願平11-283951 号に記載されている研磨方法においては、砥石回転軸のオフセット量Xを0を超え砥石の外径の1/2 未満の範囲内で設定していたので、ロールの周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合やオフセット量Xの設定値が小さかったり、もしくは大きかったりした場合には、図5に示した一方に傾斜する研磨目の傾斜角度αが5°未満となったり、もしくは図5に示した他方に傾斜する研磨目の傾斜角度βが85°を超えたりすることがあり、このロールで圧延された金属板の表面光沢の向上が十分でないという問題があった。
【0010】
そこで本発明の目的は、上記問題点を解消することにあり、簡単に且つ効率的に、ロールの周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合でも、研磨目の傾斜角度αおよびβの両方が5°以上85°以下の目標傾斜角度を含む均一なクロス研磨目をロールに付与できる圧延用ロールの研磨方法、および光沢ムラのない高光沢金属板を得ることができる、安定圧延が可能な圧延用ロールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、中空円盤状砥石の研磨面を圧延用ロールのロール軸方向に半分に分割が可能な分割可能線の両側で前記研磨面を前記圧延用ロールに接触させ、前記中空円盤状砥石を回転させつつ回転させた前記圧延用ロールのロール軸方向に相対的に移動させ、前記圧延用ロールの円周方向に対し一方に傾斜した研磨目と他方に傾斜した研磨目とからなるクロス研磨目を前記圧延用ロールに付与する方法であって、
前記一方に傾斜した研磨目の傾斜角度と他方に傾斜した研磨目の傾斜角度とを前記圧延用ロールの円周方向に対して非対称とした上で、
研磨目の目標傾斜角度を5°以上、85°以下の所定値とし、該所定値は前記分割可能線の両側の接触面における、砥石の周速度ベクトルとロールの周速度ベクトルとの和ベクトルの、円周方向に対する傾斜角度が5°以上、85°以下となるように決められ、両側の接触面の外周位置および内周位置における砥石の周速度ベクトルとロール周速度ベクトルとの和ベクトル円周方向に対する傾斜角度が、前記目標傾斜角度を含むように砥石回転軸のオフセット量を0を超え前記中空円盤状砥石の内径の 1/2 未満の範囲で設定して研磨することを特徴とする圧延用ロールの研磨方法である。
【0012】
上記オフセット量Xは、前記砥石の外径をD、内径をd、前記目標傾斜角度をλaim すると、下記式(1)を満たす
d/2×sin(λaim ) ≦X≦D/2×sin(λaim ) ………(1)
請求項記載の本発明は、前記目標傾斜角度を前記中空円盤状砥石の外周速度と前記圧延用ロールの周速度との比の値に応じて補正することを特徴とする請求項1に記載の発明である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の圧延用ロールの研磨方法は、以下に詳細に説明する基本の研磨方法および好ましい研磨方法において、適切にオフセット量を設定し、表面光沢の向上効果が十分なクロス研磨目を付与するものであり、また、本発明の圧延用ロールは、本発明の圧延用ロールの研磨方法でクロス研磨目を付与されたもので、金属板を安定圧延でき、光沢ムラのない高光沢金属板を得ることができるものである。
【0015】
先ず、本発明の基本の研磨方法について、図1〜図3を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の基本の研磨方法を説明する砥石の配置図と砥石の断面図であり、図1(a)は部分正面図、図1(b)は部分平面図、図1(c)は、図1(b)のA−A断面図であり、図1(d)は砥石の寸法を示す断面図である。また、図2は、砥石とロールとの接触面における砥石の周速度ベクトルの方向を示す部分平面図であり、図3は、本発明の基本の研磨方法で付与したクロス研磨目の傾斜角度を示すロール表面の概略図である。
【0016】
ここで、1は圧延用ロール(ロール)、1Aはロール軸、1Bはロールの回転方向、1Nはロール法線であり、Xはオフセット量、2は中空円盤状砥石(砥石)、2Aは砥石回転軸、Dは砥石の外径、dは砥石の内径、2Bは砥石の回転方向、2Cは砥石の移動方向である。また、3L、3Rは砥石とロールとの接触面であり、θ1 、θ2 はそれぞれ砥石とロールとの接触面における砥石の外周の速度ベクトルおよび内周の速度ベクトルの方向であり、α、βはそれぞれ、一方に傾斜する研磨目の傾斜角度および他方に傾斜する研磨目の傾斜角度である。ただし、本発明の研磨方法においては、ロールの回転方向、砥石の回転方向および砥石の移動方向は、図2に示す方向に限定されない。
【0017】
本発明に用いる中空円盤状砥石2は、図1(a)、図1(b)、図1(c)に示すように砥石回転軸2Aに対して中空円形状の研磨面が直交するように設けられている砥石であり、中空円盤状砥石2の内径より内側は研磨面が中空とされている。本発明で中空円盤状砥石2を相対的に移動させるというのは、圧延用ロール1を一定位置で回転させておいて、回転する中空円盤状砥石2をロール軸1A方向に動かすか若しくは、中空円盤状砥石2を一定位置で回転させておいて、回転する圧延用ロール1をロール軸1A方向に動かすか或いは、両者を併用して動かすことである。
【0018】
本発明における基本の研磨方法は、図1(a)、図1(b)、図1(c)に示すように中空円盤状砥石2の研磨面をロール周面に向けて配置するとともに、砥石回転軸2Aを通るロール軸に直交する面内のロール法線1Nに対して、砥石回転軸2AをXだけずらせて配置している。
そして、図2に示すように、砥石回転軸2Aを通るロール軸1A直交する面の両側3L、3Rで研磨面とロール周面とを接触させることができ、中空円盤状砥石2を砥石回転軸2Aの廻りに回転駆動させつつ回転させた圧延用ロール1のロール軸1A方向に少なくとも1回、相対的に移動させることを特徴とするものである。
【0019】
さらに詳細に基本の研磨方法について説明すると、図1に示すように中空円盤状砥石2の研磨面を周面に向けて配置し、砥石回転軸2Aを通るロール軸1Aに直交する面内のロール法線1Nに対して砥石回転軸2Aを距離X(オフセット量ともいう。)だけ平行にずらせて配置している。
本発明におけるオフセットとは、図1(b)、図1(c)に示すように、砥石2の回転軸2Aをロール法線1Nに一致させた位置からロール軸1Aと直交する方向に平行移動させることである。また、本発明におけるロール法線1Nとは、図1(b)、図1(c)に示すように、ロール軸1Aを通り、圧延用ロール1の周面に垂直なものであり、ロール軸1A方向のロール周面に沿って定める。
【0020】
本発明においては、砥石2を最初にロール1に接触させるときのロール法線1Nは、ロール1のバレル端部におけるものとするのが、砥石2をロール軸1A方向に1回移動させただけでクロス研磨目を付与できるので望ましいが、本発明は、これに限定されない。本発明においては、砥石2を最初にロール1に接触させるときのロール法線1Nとして、バレル中央部におけるものでもよく、この場合には、砥石2をバレルの一端部に向けて移動させ、バレル中央部と一端部間にクロス研磨目を付与した後、バレル中央部と他端部間にクロス研磨目を付与することもできる。
【0021】
本発明の基本の研磨方法においては、オフセット量Xは、0を超え、中空円盤状砥石2の外径の1/2 未満の値とする。
そこで、基本の研磨方法では、図2に示すように、研磨面とロール周面とを、砥石回転軸2Aを通るロール軸1Aに直交する面の両側3L、3Rで接触させて研磨することができるのである。この両側の接触面3L、3Rにおける中空円盤状砥石2の周速度ベクトルの方向は、図2に示すように、圧延用ロール1の円周方向を挟んで互いに反対方向に傾斜している。ただし、圧延用ロール1の円周方向は、図2に示すロールの回転方向1Bに平行である。
【0022】
図2においては、一方の接触面3Lの外周縁から内周縁までの間における中空円盤状砥石2の周速度ベクトルの方向は、図面で右上向きに傾斜し、他方の接触部3Rの外周縁から内周縁までの間における中空円盤状砥石2の周速度の方向は、図面で右下向きに傾斜している。このため、中空円盤状砥石2を回転させながら少なくとも1回ロール軸方向に移動させるだけで、図3(a)または図3(b)に示す円周方向を挟んで両側に傾斜している研磨目をロール周面に付与でき、また中空円盤状砥石2を用いているので均一なクロス研磨目がロール周面に簡単に付与できるのである。
【0023】
以上説明した基本の研磨方法においては、図2に示すように、砥石2を2Cで示すロール軸1A方向に相対的に移動させる際には、砥石2の回転軸2Aを接触面3L、3Rにほぼ直交するように砥石2をロール1に押しつけていた。
そこで、図4(a)に示すように、砥石2の移動方向2Cの前方における接触面3Lで付与された研磨目が後方の接触面3Rにおいて研磨され、クロス研磨目の内、前方の接触面3Lで付与された研磨目の深さが浅くなってしまっていることに気がついた。なお、図4(a)は、本発明の基本の研磨方法における砥石とロールとの接触面を示す図2のB−B部分断面図である。図4(a)中の2Dは、中空円形状の研磨面をロール軸1A方向に半分に分けることが可能な分割可能線であり、図4(a)に示した断面図においては、分割可能線2Dと交わるロール法線1Nは、接触面3L、3Rとほぼ直交する。
【0024】
そこで、本発明の好ましい研磨方法においては、砥石2が弾性変形により両側の接触面3L、3Rにおいて接触維持できる範囲で、図4(b)に示すように、砥石2の相対的な移動方向2Cに向け、分割可能線2Dと交わるロール法線1Nに対してγ傾斜させるようにしている。なお、図4(b)は、本発明の好ましい研磨方法における砥石回転軸2Aの傾斜角度を示す図2のC−C部分断面図であり、分割可能線2Dと交わるロール法線1Nは、接触面3L、3Rとほぼ直交する。
【0025】
本発明の好ましい研磨方法における砥石2の回転軸2Aは、図4(b)に示すように、砥石2の移動方向2Cに向け、分割可能線2Dと交わるロールの法線1Nに対してγ傾斜させるようにしているので、接触面3L、3Rの内、先にロール周面を研磨する前方の接触面3Lにおける押しつけ圧を、後でロール周面を研磨する後方の接触面3Rにおける押しつけ圧より大きくできる。そして、前方の接触面3Lにおける押しつけ圧を、圧延ロール1の材質、砥石の粒度や砥石の材質等によって定まる所定の範囲内で後方の接触面3Rにおける押しつけ圧より大きくすることにより、接触面3Lで付与する研磨目の深さを深くできたので、後方の接触面3Rで研磨された後において、前方の接触面3Lで付与した研磨目の深さを、後方の接触面3Rで付与する研磨目の深さにほぼ等しくできるのである。
【0026】
なお、回転軸2Aの傾斜角度γは、砥石2の弾性変形により接触面3L、3Rにおいて砥石2が接触維持可能な範囲内で、クロス研磨目の深さが同程度となるように調整すればよい。ただし、砥石2の移動方向2Cは、砥石2を図4(a)、図4(b)に示す方向に移動する場合および圧延ロール1を2Cと反対方向に移動する相対的な移動の場合の両方を表すものとする。
【0027】
以上説明した本発明の基本の研磨方法および好ましい研磨方法においては、図1に示したように、砥石回転軸2Aのオフセット量Xをロール法線1Nに対して0を超え砥石2の外径Dの1/2 未満の範囲とし、かつ砥石回転軸2Aをロール法線1Nに対して平行として砥石2を配置しているので、研磨面をロール軸1A方向に半分に分けることが可能な分割可能線2Dの両側で砥石2をロール1に接触させることができ、砥石2を回転させつつ回転させたロール1のロール軸方向に相対的に移動させているので、研磨ムラのない均一なクロス研磨目を簡単に付与できるのである。
【0028】
以上説明した本発明の研磨方法に対して、中空円盤状砥石2の砥石研磨面をロール周面に向けて配置しても、砥石回転軸2Aとロールの法線1Nとを一致(オフセット量: X=0)させて、砥石研磨面とロール周面とを接触させた場合には、接触部3L、3Rにおける中空円盤状砥石2の周速度の方向が、圧延用ロール1の円周方向に対してほとんど傾斜していないので、研磨目の傾斜角度の平均値が5°未満となり、光沢向上の効果が不十分となるのである。
【0029】
また、中空円盤状砥石2の砥石研磨面をロール周面に向けて配置しても、オフセット量Xを中空円盤状砥石2の外径の1/2 にして、砥石研磨面とロール周面とを接触させた場合には、砥石研磨面とロール周面との接触部における中空円盤状砥石2の周速度の方向がロール軸1Aにほぼ平行となり、研磨目の傾斜角度の平均値が 85 °を超えるので、光沢向上の効果が不十分となるのである。
【0030】
ここで、図2に示した本発明の基本の研磨方法において、ロールの周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合における接触面3L、3Rでの速度ベクトルを図6に示す。
ただし、図6(a)は、接触面3Lにおける速度ベクトル、図6(b)は、接触面3Rでの速度ベクトル、図6(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを同一座標軸上に示したものであって、ロールの回転方向および砥石の回転方向は、それぞれ図2に示した1B、2Bとしている。VG1、VG2は、それぞれ砥石の外周速度、内周速度、VR はロールの周速度であり、α、βはそれぞれ、接触面3L、3Rにおける、砥石の周速度VG1、VG2のベクトルとロールの周速度VR のベクトルとの和ベクトルの円周方向に対する傾斜角度であり、α、βの添字の1、2は、それぞれ砥石の外周および内周に相当する。
【0031】
なお、本発明の基本の研磨方法においては、砥石の移動速度は、砥石の周速度VG1、VG2に比較してかなり小さいので、接触面3L、3Rでの速度ベクトルとして省略可能であり、図示していない。
本発明の基本の研磨方法においては、図6(a)、図6(b)、図6(c)からわかるように、ロール1の周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合には、接触面3Lでは、和ベクトルの傾斜角度α1 、α2 がそれぞれ、VG1、VG2のベクトルの傾斜角度θ1 、θ2 より小さくなり、接触面3Rでは、和ベクトルの傾斜角度β1 、β2 がそれぞれ、VG1、VG2のベクトルの傾斜角度θ1 、θ2 より大きくなっている。
【0032】
そして、本発明の基本の研磨方法においては、図6(c)に示す速度ベクトルと同じ傾斜角度の研磨目が付与されているので、ロール1には、一方に傾斜角度α1 、α2 の範囲で傾斜した研磨目と他方に傾斜角度β1 、β2 の範囲で傾斜した研磨目が付与され、ロール1の周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合には、研磨目の傾斜角度α1 、α2 は、研磨目の傾斜角度β1 、β2 より大きくなるから、図5に示したようなクロス研磨目が付与される場合があったのである。
【0033】
ここで、本発明の基本の研磨方法においては、0を超え砥石の外径の1/2 未満の範囲で砥石回転軸2Aのオフセット量を設定し、砥石回転軸のオフセット量Xを設定するための目標傾斜角度λaim を定めていなかったので、ロール1の周速度VR が砥石の周速度に対して比較的大きい場合には、一方に傾斜する研磨目の傾斜角度α1 、α2 の内、小さいほうの傾斜角度α1 が5°未満となったり、他方に傾斜する研磨目の傾斜角度β1 、β2 の内、大きいほうの傾斜角度β2 が85°を超えることがあったのである。
【0034】
たとえば、本発明の基本の研磨方法においては、図7(a)、図7(b)、図7(c)に示すように、オフセット量Xを設定し、ロール1にクロス研磨目を付与する場合があったので、図8、図9、図10に示すとおり、傾斜角度α1 が5°未満となったり、傾斜角度β2 が85°を超えることがあった。
ここで、図7(a)は、0を超え砥石の内径の1/2 未満で、かつ接触面3L、3Rにおける砥石の速度ベクトルの傾斜角度θ2 が85°以上となるように、オフセット量Xを設定した場合であり、図7(b)は、砥石の内径の1/2 以上、砥石の外径の1/2 未満でオフセット量Xを設定した場合であり、また、図7(c)は、0を超え砥石の内径の1/2 未満で、かつ接触面3L、3Rにおける砥石の速度ベクトルの傾斜角度θ1 が5°以下となるように、オフセット量Xを設定した場合である。
【0035】
また、図8、図9、図10は、それぞれ図7(a)、図7(b)、図7(c)における接触面3L、3Rでの速度ベクトルである。
そこで、本発明の研磨方法においては、、ロール1で圧延された金属板の表面光沢向上効果を十分にするために、目標傾斜角度λaim を5°以上85°以下の所定値とし、図2に示した砥石の周速度ベクトルの傾斜角度がθ1 、θ2 が目標傾斜角度λaim を含むように砥石回転軸のオフセット量Xを設定するようにしたので、ロール1に付与される研磨目の傾斜角度を5°以上、85°以下にできたのである。
【0036】
なお、本発明に用いる目標傾斜角度λaim の所定値は、予め、ロール1の周速度、砥石の回転速度、オフセット量X、砥石の内径および砥石の外径から、5°以上85°以下の範囲内で、ロール材質や砥粒材質に応じて研磨ムラの出にくいように、また、所望の光沢向上効果およびその持続性が得られるように定めればよい。
【0037】
本発明の研磨方法においては、図11に示すように、オフセット量Xと、砥石2の周速度ベクトルの傾斜角度θ1 、θ2 との間には、(2)式、(3)式で表される幾何学的関係があるので、オフセット量X上述した式(1)を満たす
【0038】
なお、図12は、砥石の外径Dを125mm 、砥石の内径dを45mmとし、目標傾斜角度λaim を30°として示したグラフである。
X=d/2×sin(θ2 ) ……………………(2)
X=D/2×sin(θ1 ) ……………………(3)
ただし、Dは砥石の外径、dは砥石の内径である。
【0039】
また、本発明の研磨方法において、目標傾斜角度λaim を砥石2の外周速度とロール1の周速度の比の値に応じて補正する理由は、ロール1に付与される研磨目の傾斜角度が、砥石2の外周速度とロール1の周速度の比の値によって変化するためである。
また、オフセット量Xを砥石の内径dの1/2 未満とする理由は、図9(b)、図9(c)に示したように、オフセット量Xが内径dの1/2 を超えた場合には、他方の接触面3Rにおける和ベクトルが90°を超えること、およびオフセット量Xを砥石の内径dの1/2 以上とした場合には、図13(a)、図13(b)に示すように、砥石回転軸2Aの中心から、半径でd/2以上の範囲の研磨面がロール1と接触せず、研磨面の摩耗が不均一となって、クロス研磨目が不均一となりやすいからである。
【0040】
このため、本発明の研磨方法においては、オフセット量Xを砥石の内径dの1/2 未満とする。
そして本発明の研磨方法によれば、砥石のロール軸方向の移動速度は砥石の周速度に比較して小さく、例えば1mm/sec程度とすることが出来、「たたき」と呼ばれる研磨不良が発生しないのである。
【0041】
また本発明に用いる中空円盤状砥石の粒度の番手は、目標のロール粗度に応じて適宜決めればよい。鏡面仕上げより粗い砥石の番手を用いてもよい。
また本発明の研磨方法においては、研磨時間と研磨コストの制約の範囲内で、中空円盤状砥石をロール軸方向に複数回移動させて、さらに研磨ムラのない均一なクロス研磨目を付与してもよく、複数回移動させて研磨する場合においては、少なくとも最後の研磨で砥石回転軸を砥石の移動方向に向けてロール法線に対して傾斜させてもよい。
【0042】
次いで、上記で説明した本発明の研磨方法でクロス研磨目を付与した圧延用ロールについて説明する。
本発明の研磨方法によれば、研磨ムラのないクロス研磨目を付与できるので、圧延材を安定圧延でき、表面光沢の向上効果が十分な光沢ムラのない高光沢金属板を得ることができる。
【0043】
また、以下の理由によって、蛇行することなく金属板を圧延でき、光沢ムラのない高光沢の金属板を得ることができると考えられる。
▲1▼クロス研磨目を有する圧延用ロールは、研磨目が圧延方向に対して両側に傾斜しているので、金属板を幅方向に移動させるスラスト力を小さくでき、金属板を蛇行させずに安定して圧延できる。▲2▼クロス研磨目を有する圧延用ロールは、研磨目が圧延方向に対して両側に傾斜し且つ断続的であるので、ロールバイト内での表面近傍の剪断変形を大きくできて金属板表面の平滑化効果が大きく、且つオイルピットやスクラッチと呼ばれるミクロ欠陥の発生を抑制できるので、金属板表面を平滑化でき、高光沢金属板を得ることができる。▲3▼研磨ムラのない均一な研磨目の圧延用ロールで圧延を施すので、光沢ムラのない金属板を得ることができる。
【0044】
【実施例】
〔実施例1〕
直径600mm 、セミハイス鋼製の上下1対の圧延用ロール5セットを表1−1、表1−2に示すとおり研磨し、この圧延用ロールと補強ロールを備えた4段形式の5スタンドの冷間タンデム圧延機を用いて、熱間圧延・焼鈍・酸洗を施した素材厚4.0mm のSUS 430 フェライト系ステンレス鋼を1.5mm 厚に、圧延速度200mpmで、第5スタンドの圧延長さで10km圧延した。圧延油は20cSt (40℃)の鉱物系圧延油を5%のエマルジョン状態で供給した。
【0045】
なお、発明例としては、外径Dを125mm とし、砥石の内径dを45mmとした砥石を用い、表1−2に示すように、目標傾斜角度、砥石回転数およびロール回転数を変化させるとともに、オフセット量Xを式(1)を満足するように設定し、かつ砥石回転軸をロール法線に平行にして取付け、砥石移動速度60mm/minでロール軸方向に2回移動(1往復)し、クロス研磨目を付与した。
【0046】
一方、従来のラッピング研磨では、ロール回転速度18rpm 、微振動数5Hz、ロール軸方向移動速度60mm/minでラッピング研磨し、ラッピング研磨目の円周方向に対する傾斜角度θを75°とした。また従来のスパイラル研磨では、ロール回転速度0.3rpm、砥石幅360mm 、砥石移動速度360mm/min で研磨し、スパイラル研磨目の円周方向に対する傾斜角度θを30°とした。従来の片側傾斜研磨では、中空円盤状砥石(外径105mm 、砥石幅10mm)をオフセット量20mmで取付け、ロール回転数18rpm 、砥石回転数750rpm、砥石移動速度60mm/minで研磨し、片側傾斜研磨目の円周方向に対する傾斜角度θを約30°とした。
【0047】
発明例および従来例ともに砥粒の粗さを調節して、ロール軸方向のロール粗度をRa=0.2 μmとした。
この冷間タンデム圧延した鋼板に、同一条件で焼鈍・酸洗・調質圧延を施した後、光沢度(G S 20°)を測定した。
光沢度の結果を表1−1に合わせて示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003675269
【0049】
【表2】
Figure 0003675269
【0050】
発明例の研磨方法では、目標傾斜角度を5°以上85゜以下とし、オフセット量Xを(1)式を満足するように設定したので、接触面における速度ベクトルの傾斜角度を表1−2に示すようにでき、ロールの周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合でも、簡単に且つ効率的に、研磨目の傾斜角度αが5°以上85°以下の目標傾斜角度を含む均一なクロス研磨目をロールに付与できた。また、発明例では、中空円盤状砥石をロール軸方向に2回移動させたので、ロール表面を中空円盤状砥石が28回〜30回通過し、クロス研磨目が不均一となることもなかった。そして発明例のロールでは、表1−2に示すように、安定圧延が可能であり、光沢ムラのない高光沢金属板を得ることができた。
【0051】
これに対して従来例のラッピング研磨目およびスパイラル研磨目の圧延用ロールには研磨ムラがあり、圧延された鋼板にも光沢ムラが生じており、製品は格落ちとなった。特に圧延距離が長くなるに従って光沢ムラが顕著になった。また片側傾斜研磨目の圧延用ロールでは、鋼板が蛇行し圧延を行えなかった。
〔実施例2〕
直径80mm、冷間ダイス鋼製の1対の圧延用ロールを表2−1、表2−2に示すとおり研磨し、この1対の圧延用ロールと、2本の中間ロールおよび3本の補強ロールを上下に備えた12段クラスタ型冷間圧延機を用いて、熱間圧延・焼鈍・酸洗を施した素材厚3.0mm のSUS 304 オーステナイト系ステンレス鋼板を0.25mmに、9パス(各パスの圧延速度200mpm)で圧延した。圧延油として粘度3cSt (40℃)の鉱物油をニートで供給した。
【0052】
なお、発明例としては、外径Dを125mm とし、砥石の内径dを105mm とした砥石を用い、表2−2に示すように、目標傾斜角度を設定し、砥石回転速度を変化させるとともに、オフセット量Xを式(1)を満足するように変え、かつ砥石回転軸をロール法線に平行にして取付け、ロール回転速度20 rpm、砥石移動速度60mm/minでロール軸方向に1回移動し、クロス研磨目を付与した。
【0053】
一方従来のラッピング研磨では、ロール回転速度2.5rpm、微振動数8.5Hz 、ロール軸方向移動速度60mm/minで研磨して、ラッピング研磨目の円周方向に対する傾斜角度θを80゜とした。また従来のスパイラル研磨では、ロール回転速度1rpm 、砥石幅260 mm、砥石移動速度250 mm/minで研磨し、スパイラル研磨目の円周方向に対する傾斜角度θを45°とした。従来の片側傾斜研磨では、中空円盤状砥石(外径125 mm、砥石幅10mm)をオフセット量30mmで取付け、ロール回転数20rpm 、砥石回転数40rpm 、砥石移動速度60mm/minで研磨して、片側傾斜研磨の円周方向に対する傾斜角度θを45゜とした。
【0054】
本発明例および従来例ともに砥粒の粗さを調節して、ロール軸方向のロール粗度をRa=0.05μmとした。
この12段クラスタ型冷間圧延機で圧延した鋼板に、同一条件で焼鈍・酸洗・調質圧延・バフ研磨1パスを施した後、光沢度(GS20゜) を測定した。
光沢度の結果を表2−1に合わせて示す。
【0055】
【表3】
Figure 0003675269
【0056】
【表4】
Figure 0003675269
【0057】
発明例の研磨方法では、目標傾斜角度を5°以上85゜以下とし、オフセット量Xを(1)式を満足するように設定したので、接触面における速度ベクトルの傾斜角度を表2−2に示すようにでき、ロールの周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合でも、簡単に且つ効率的に、研磨目の傾斜角度αが5°以上85°以下の目標傾斜角度を含む均一なクロス研磨目をロールに付与できた。
また、発明例のロールでは、安定圧延が可能であり、光沢ムラのない高光沢金属板を得ることができた。
【0058】
これに対して従来例のラッピング研磨目およびスパイラル研磨目の圧延用ロールには研磨ムラがあり、圧延された鋼板にも光沢ムラが生じていたので格落ちになった。また片側傾斜研磨目の圧延用ロールでは、鋼板が蛇行して安定した圧延を行えなかった。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の研磨方法によれば、砥石を少なくとも1回ロール軸方向に相対的に移動させただけでも、簡単に且つ効率的に、ロールの周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合でも、研磨目の傾斜角度αおよびβの両方が5°以上85°以下の目標傾斜角度を含む均一なクロス研磨目をロールに付与できる。
【0060】
また、本発明の圧延用ロールによれば、安定圧延が可能であり、光沢ムラのない高光沢金属板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の基本の研磨方法を説明する砥石の配置図および砥石の断面図であり、図1(a)は部分正面図、図1(b)は部分平面図、図1(c)は図1(b)のA−A断面図である。また、図1(d)は砥石の寸法を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明における基本の研磨方法の原理を説明する部分平面図である。
【図3】図3(a)、図3(b)は、本発明の基本の研磨方法で付与した一例のクロス研磨目の傾斜角度を示すロール表面の概略図である。
【図4】図4(a)は、本発明の基本の研磨方法における砥石とロールとの接触面の位置を示す図2のB−B部分断面図であり、図4(b)は、好ましい研磨方法における砥石回転軸の傾斜角度を示す図2のC−C部分断面図である。
【図5】図5は、本発明の基本の研磨方法で付与したロールの周速度が比較的大きい場合でのクロス研磨目の傾斜角度を示すロール表面の概略図である。
【図6】図6は、本発明の基本の研磨方法における、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを示すグラフであり、図6(a)は、接触面3Lにおける速度ベクトル、図6(b)は、接触面3Rでの速度ベクトル、図6(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを同一座標軸上に示したものである。
【図7】図7(a)、図7(b)、図7(c)は、本発明の基本の研磨方法における、他のオフセット量における接触面3L、3Rでの速度ベクトルを示す平面図である。
【図8】図8は、図7(a)に示した速度ベクトルを示すグラフであり、図8(a)は、接触面3Lにおける速度ベクトル、図8(b)は、接触面3Rでの速度ベクトル、図8(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを同一座標軸上に示したものである。
【図9】図9は、図7(b)に示した速度ベクトルを示すグラフであり、図9(a)は、接触面3Lにおける速度ベクトル、図9(b)は、接触面3Rでの速度ベクトル、図9(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを同一座標軸上に示したものである。
【図10】図10は、図7(c)に示した速度ベクトルを示すグラフであり、図10(a)は、接触面3Lにおける速度ベクトル、図10(b)は、接触面3Rでの速度ベクトル、図10(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを同一座標軸上に示したものである。
【図11】図11は、本発明の基本の研磨方法におけるオフセット量Xと、接触面3L、3Rでの、砥石2の周速度ベクトルの傾斜角度θ1 、θ2 との幾何学的関係を示す平面図である。
【図12】図12は、本発明の研磨方法におけるオフセット量Xの設定範囲の一例を示すグラフである。
【図13】図13(a)は、本発明の範囲を外れた場合における砥石の研磨面の摩耗状態を示す底面図であり、図13(b)は、図13(a)の正面図である。
【図14】従来例の研磨方法を説明する図であり、図14(a)は砥石の配置を示す正面図、図14(b)は同じく砥石の配置を示す平面図である。
【図15】図11は、従来例の研磨方法で付与したロール研磨目を示すロール表面の概略図である。
【符号の説明】
1 圧延用ロール(ロール)
1A ロール軸
1B ロールの回転方向
1N ロール法線
2 中空円盤状砥石(砥石)
2A 砥石回転軸
2B 砥石の回転方向
2C 砥石の移動方向
2D 砥石の研磨面の分割可能線
3L、3R 砥石とロールとの接触面
X オフセット量
θ1 、θ2 砥石とロールとの接触面での砥石の外周および内周の速度ベクトルの傾斜角度
α、β クロス研磨目の一方および他方の傾斜角度
λaim 目標傾斜角度
G1、VG2 砥石の外周速度、内周速度
R ロールの周速度
D 砥石の外径
d 砥石の内径

Claims (2)

  1. 中空円盤状砥石の研磨面を圧延用ロールのロール軸方向に半分に分割が可能な分割可能線の両側で前記研磨面を前記圧延用ロールに接触させ、前記中空円盤状砥石を回転させつつ回転させた前記圧延用ロールのロール軸方向に相対的に移動させ、前記圧延用ロールの円周方向に対し一方に傾斜した研磨目と他方に傾斜した研磨目とからなるクロス研磨目を前記圧延用ロールに付与する方法であって、
    前記一方に傾斜した研磨目の傾斜角度と他方に傾斜した研磨目の傾斜角度とを前記圧延用ロールの円周方向に対して非対称とした上で、
    研磨目の目標傾斜角度を5°以上、85°以下の所定値とし、該所定値は前記分割可能線の両側の接触面における、砥石の周速度ベクトルとロールの周速度ベクトルとの和ベクトルの、円周方向に対する傾斜角度が5°以上、85°以下となるように決められ、両側の接触面の外周位置および内周位置における砥石の周速度ベクトルとロールの周速度ベクトルとの和ベクトルの、円周方向に対する傾斜角度が前記目標傾斜角度を含むように砥石回転軸のオフセット量を0を超え前記中空円盤状砥石の内径の1/2 未満の範囲で設定して研磨することを特徴とする圧延用ロールの研磨方法。
  2. 前記目標傾斜角度を前記中空円盤状砥石の外周速度と前記圧延用ロールの周速度との比の値に応じて補正することを特徴とする請求項1に記載の圧延用ロールの研磨方法。
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