JP2001198608A - 圧延用ロールの研磨方法および圧延用ロール - Google Patents

圧延用ロールの研磨方法および圧延用ロール

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JP2001198608A JP2000004467A JP2000004467A JP2001198608A JP 2001198608 A JP2001198608 A JP 2001198608A JP 2000004467 A JP2000004467 A JP 2000004467A JP 2000004467 A JP2000004467 A JP 2000004467A JP 2001198608 A JP2001198608 A JP 2001198608A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に且つ効率的に、ロールの周速度が砥石
の周速度に対して比較的大きい場合でも、研磨目の傾斜
角度αが5°以上85°以下の目標傾斜角度を含む均一な
クロス研磨目をロールに付与できる圧延用ロールの研磨
方法を提供する。 【解決手段】 一方に傾斜した研磨目の傾斜角度と他方
に傾斜した研磨目の傾斜角度との両方の目標傾斜角度を
5°以上、85°以下の範囲とし、中空円盤状砥石とロ
ールとの接触面における砥石の周速度ベクトルの円周方
向に対する傾斜角度が目標傾斜角度を含むように中空円
盤状砥石の砥石回転軸のオフセット量を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高光沢の金属板を
圧延する際に使用する圧延用ロールおよびその研磨方法
であって、ロールの円周方向に対し一方に傾斜した研磨
目と他方に傾斜した研磨目との両方に傾斜した断続的な
研磨目(以下、クロス研磨目という。)を圧延用ロール
の周面に付与した圧延用ロールおよびその研磨方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】通常の圧延後の金属板表面には、オイル
ピットと呼ばれる深さ数μm程度のミクロ欠陥と、スク
ラッチと呼ばれるロールの研磨目の転写に起因する深さ
1μm程度のミクロ欠陥が存在し、表面光沢を低下させ
る原因となっている。そこで、高光沢の金属板を製造す
るために、圧延の際に金属板表面の凹凸を平滑化すると
ともに、上記オイルピットやスクラッチと呼ばれるミク
ロ欠陥の発生を抑制する圧延方法が種々提案されてお
り、その一つとして、特殊な研磨目を圧延用ロールに付
与して表面粗さの小さい平滑な表面を有する高光沢金属
板を圧延することが提案されている。
【0003】例えば特開平8−267109号公報には、ラッ
ピングフィルムで研磨した、周方向に対して30°以上傾
斜するクロス研磨目を有する圧延用ロールを用いて、冷
延鋼板を圧延することにより、光沢に優れた金属板を得
ることが開示されている。また、特開平5−253604号公
報には通常のロールグラインダーを用いてワークロール
の回転速度と砥石の送り速度とを制御することによりス
パイラルマーク状の研削跡を付与する方法が示されてい
る。
【0004】また特開平7−265912号公報には、図14に
示すように円盤状(カップ状を含む)砥石20の一端Pを
ロール表面に接触させて、砥石20を回転させつつロール
軸方向に相対的に移動させて、図15に示すようにロール
10の円周方向に対して一方に傾斜した研磨目を付与する
圧延用ロールの表面研磨方法が開示されている。しかし
ながら、上記の特開平8−267109号公報に開示されてい
るクロス研磨目の研磨方法は、ラッピングフィルムをロ
ール周面に押しつけてロール軸方向に微振動を与えなが
らラッピングフィルムをロール軸方向に移動させるの
で、高精度な制御が必要で制御が複雑であるという問題
やラッピングフィルムの砥粒が不揃いである上に微振動
を行うので圧延用ロールの周面には、研磨ムラ(外観上
の研磨模様やロール表面粗さのムラ)が発生しやすく、
圧延用ロールを用いて圧延した金属板には、光沢ムラが
生じるという問題があった。
【0005】また特開平5−253604号公報に開示の従来
技術による研磨方法では、例えば30°の傾斜した研磨目
を付与する場合を想定すると、砥石をロール外周速度の
0.68倍という高速でロール軸方向に移動させるので、
「たたき」と呼ばれる研磨不良が発生しやすく、顕著な
研磨ムラが発生するという問題があった。また、この圧
延用ロールを用いて圧延した金属板には、光沢ムラが鮮
明に転写して、その金属板は製品にならないという問題
があった。
【0006】また特開平7−265912号公報に開示されて
いる研磨方法では、円周方向に対して片側に傾斜した片
側傾斜研磨目しかロール周面に付与できず、この圧延用
ロールを用いて圧延した場合には、蛇行が生じるという
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、これらの問題を解決するため、特願平11-283951 号
において、ロール法線に対して0を超え砥石の外径の1/
2 未満の範囲で砥石回転軸をオフセットし、かつロール
法線に対して砥石回転軸を平行とした中空円盤状砥石を
配置し、砥石の研磨面を、ロール軸方向に研磨面を半分
に分割が可能な分割可能線の両側で圧延用ロールに接触
させ、簡単にかつ効率的に、研磨ムラのない均一なクロ
ス研磨目を付与する方法を提案した。
【0008】この特願平11-283951 号に記載されている
研磨方法においては、ロールと砥石との接触面における
砥石の周速度ベクトルの方向に幅があるので、図3
(b)に示すように、一方に傾斜する研磨目の傾斜角度
αおよび他方に傾斜する研磨目の傾斜角度βには多少の
ばらつきが生じ、ロール1の周速度が砥石の周速度に対
して比較的小さい場合(ロール周速/砥石周速<6%)
には、図3(a)に示すように、傾斜角度αの最大値と
傾斜角度βの最大値および傾斜角度αの最小値と傾斜角
度βの最小値とがそれぞれほぼ同じである。ロール1の
周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合(ロー
ル周速/砥石周速>10%)には、傾斜角度αと傾斜角度
βとの違いが顕著になる。
【0009】たとえば、図5に示すように、砥石の幅が
狭くロール1の周速度が砥石の周速度に対して比較的大
きい場合(数分の1から数倍)には、一方に傾斜する研
磨目の傾斜角度αが0°に近づき、他方に傾斜する研磨
目の傾斜角度βが90°に近づく場合もある。しかしなが
ら、特願平11-283951 号に記載されている研磨方法にお
いては、砥石回転軸のオフセット量Xを0を超え砥石の
外径の1/2 未満の範囲内で設定していたので、ロールの
周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合やオフ
セット量Xの設定値が小さかったり、もしくは大きかっ
たりした場合には、図5に示した一方に傾斜する研磨目
の傾斜角度αが5°未満となったり、もしくは図5に示
した他方に傾斜する研磨目の傾斜角度βが85°を超えた
りすることがあり、このロールで圧延された金属板の表
面光沢の向上が十分でないという問題があった。
【0010】そこで本発明の目的は、上記問題点を解消
することにあり、簡単に且つ効率的に、ロールの周速度
が砥石の周速度に対して比較的大きい場合でも、研磨目
の傾斜角度αが5°以上85°以下の目標傾斜角度を含む
均一なクロス研磨目をロールに付与できる圧延用ロール
の研磨方法、および光沢ムラのない高光沢金属板を得る
ことができる、安定圧延が可能な圧延用ロールを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、中空円盤状砥石の研磨面を圧延用ロールのロール軸
方向に半分に分割が可能な分割可能線の両側で前記研磨
面を前記圧延用ロールに接触させ、前記中空円盤状砥石
を回転させつつ回転させた前記圧延用ロールのロール軸
方向に相対的に移動させ、前記圧延用ロールの円周方向
に対し一方に傾斜した研磨目と他方に傾斜した研磨目と
からなるクロス研磨目を前記圧延用ロールに付与する方
法であって、前記一方に傾斜した研磨目の傾斜角度と他
方に傾斜した研磨目の傾斜角度との両方の目標傾斜角度
を5°以上、85°以下の範囲とし、前記中空円盤状砥
石と前記圧延用ロールとの接触面における前記中空円盤
状砥石の周速度ベクトルの前記円周方向に対する傾斜角
度が前記目標傾斜角度を含むように前記中空円盤状砥石
の砥石回転軸のオフセット量を設定することを特徴とす
る圧延用ロールの研磨方法である。
【0012】請求項2記載の本発明は、前記中空円盤状
砥石の外径をD、前記中空円盤状砥石の内径をd、前記
目標傾斜角度をλaim とし、前記中空円盤状砥石のオフ
セット量Xを下記式の範囲内で、かつ0を超え前記中空
円盤状砥石の内径の1/2 未満とすることを特徴とする請
求項1に記載の発明である。 d/2×sin(λaim ) ≦X≦D/2×sin(λaim ) ………(1) 請求項3記載の本発明は、前記目標傾斜角度を前記中空
円盤状砥石の外周速度と前記圧延用ロールの周速度との
比の値に応じて補正することを特徴とする請求項1また
は請求項2に記載の発明である。
【0013】請求項4記載の本発明は、請求項1から請
求項3のいずれかに記載の圧延用ロールの研磨方法で前
記クロス研磨目を付与された圧延用ロールである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の圧延用ロールの研磨方法
は、以下に詳細に説明する基本の研磨方法および好まし
い研磨方法において、適切にオフセット量を設定し、表
面光沢の向上効果が十分なクロス研磨目を付与するもの
であり、また、本発明の圧延用ロールは、本発明の圧延
用ロールの研磨方法でクロス研磨目を付与されたもの
で、金属板を安定圧延でき、光沢ムラのない高光沢金属
板を得ることができるものである。
【0015】先ず、本発明の基本の研磨方法について、
図1〜図3を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の
基本の研磨方法を説明する砥石の配置図と砥石の断面図
であり、図1(a)は部分正面図、図1(b)は部分平
面図、図1(c)は、図1(b)のA−A断面図であ
り、図1(d)は砥石の寸法を示す断面図である。ま
た、図2は、砥石とロールとの接触面における砥石の周
速度ベクトルの方向を示す部分平面図であり、図3は、
本発明の基本の研磨方法で付与したクロス研磨目の傾斜
角度を示すロール表面の概略図である。
【0016】ここで、1は圧延用ロール(ロール)、1A
はロール軸、1Bはロールの回転方向、1Nはロール法線で
あり、Xはオフセット量、2は中空円盤状砥石(砥
石)、2Aは砥石回転軸、Dは砥石の外径、dは砥石の内
径、2Bは砥石の回転方向、2Cは砥石の移動方向である。
また、3L、3Rは砥石とロールとの接触面であり、θ1
θ 2 はそれぞれ砥石とロールとの接触面における砥石の
外周の速度ベクトルおよび内周の速度ベクトルの方向で
あり、α、βはそれぞれ、一方に傾斜する研磨目の傾斜
角度および他方に傾斜する研磨目の傾斜角度である。た
だし、本発明の研磨方法においては、ロールの回転方
向、砥石の回転方向および砥石の移動方向は、図2に示
す方向に限定されない。
【0017】本発明に用いる中空円盤状砥石2は、図1
(a)、図1(b)、図1(c)に示すように砥石回転
軸2Aに対して中空円形状の研磨面が直交するように設け
られている砥石であり、中空円盤状砥石2の内径より内
側は研磨面が中空とされている。本発明で中空円盤状砥
石2を相対的に移動させるというのは、圧延用ロール1
を一定位置で回転させておいて、回転する中空円盤状砥
石2をロール軸1A方向に動かすか若しくは、中空円盤状
砥石2を一定位置で回転させておいて、回転する圧延用
ロール1をロール軸1A方向に動かすか或いは、両者を併
用して動かすことである。
【0018】本発明における基本の研磨方法は、図1
(a)、図1(b)、図1(c)に示すように中空円盤
状砥石2の研磨面をロール周面に向けて配置するととも
に、砥石回転軸2Aを通るロール軸に直交する面内のロー
ル法線1Nに対して、砥石回転軸2AをXだけずらせて配置
している。そして、図2に示すように、砥石回転軸2Aを
通るロール軸1A直交する面の両側3L、3Rで研磨面とロー
ル周面とを接触させることができ、中空円盤状砥石2を
砥石回転軸2Aの廻りに回転駆動させつつ回転させた圧延
用ロール1のロール軸1A方向に少なくとも1回、相対的
に移動させることを特徴とするものである。
【0019】さらに詳細に基本の研磨方法について説明
すると、図1に示すように中空円盤状砥石2の研磨面を
周面に向けて配置し、砥石回転軸2Aを通るロール軸1Aに
直交する面内のロール法線1Nに対して砥石回転軸2Aを距
離X(オフセット量ともいう。)だけ平行にずらせて配
置している。本発明におけるオフセットとは、図1
(b)、図1(c)に示すように、砥石2の回転軸2Aを
ロール法線1Nに一致させた位置からロール軸1Aと直交す
る方向に平行移動させることである。また、本発明にお
けるロール法線1Nとは、図1(b)、図1(c)に示す
ように、ロール軸1Aを通り、圧延用ロール1の周面に垂
直なものであり、ロール軸1A方向のロール周面に沿って
定める。
【0020】本発明においては、砥石2を最初にロール
1に接触させるときのロール法線1Nは、ロール1のバレ
ル端部におけるものとするのが、砥石2をロール軸1A方
向に1回移動させただけでクロス研磨目を付与できるの
で望ましいが、本発明は、これに限定されない。本発明
においては、砥石2を最初にロール1に接触させるとき
のロール法線1Nとして、バレル中央部におけるものでも
よく、この場合には、砥石2をバレルの一端部に向けて
移動させ、バレル中央部と一端部間にクロス研磨目を付
与した後、バレル中央部と他端部間にクロス研磨目を付
与することもできる。
【0021】本発明の基本の研磨方法においては、オフ
セット量Xは、0を超え、中空円盤状砥石2の外径の1/
2 未満の値とする。そこで、基本の研磨方法では、図2
に示すように、研磨面とロール周面とを、砥石回転軸2A
を通るロール軸1Aに直交する面の両側3L、3Rで接触させ
て研磨することができるのである。この両側の接触面3
L、3Rにおける中空円盤状砥石2の周速度ベクトルの方
向は、図2に示すように、圧延用ロール1の円周方向を
挟んで互いに反対方向に傾斜している。ただし、圧延用
ロール1の円周方向は、図2に示すロールの回転方向1B
に平行である。
【0022】図2においては、一方の接触面3Lの外周縁
から内周縁までの間における中空円盤状砥石2の周速度
ベクトルの方向は、図面で右上向きに傾斜し、他方の接
触部3Rの外周縁から内周縁までの間における中空円盤状
砥石2の周速度の方向は、図面で右下向きに傾斜してい
る。このため、中空円盤状砥石2を回転させながら少な
くとも1回ロール軸方向に移動させるだけで、図3
(a)または図3(b)に示す円周方向を挟んで両側に
傾斜している研磨目をロール周面に付与でき、また中空
円盤状砥石2を用いているので均一なクロス研磨目がロ
ール周面に簡単に付与できるのである。
【0023】以上説明した基本の研磨方法においては、
図2に示すように、砥石2を2Cで示すロール軸1A方向に
相対的に移動させる際には、砥石2の回転軸2Aを接触面
3L、3Rにほぼ直交するように砥石2をロール1に押しつ
けていた。そこで、図4(a)に示すように、砥石2の
移動方向2Cの前方における接触面3Lで付与された研磨目
が後方の接触面3Rにおいて研磨され、クロス研磨目の
内、前方の接触面3Lで付与された研磨目の深さが浅くな
ってしまっていることに気がついた。なお、図4(a)
は、本発明の基本の研磨方法における砥石とロールとの
接触面を示す図2のB−B部分断面図である。図4
(a)中の2Dは、中空円形状の研磨面をロール軸1A方向
に半分に分けることが可能な分割可能線であり、図4
(a)に示した断面図においては、分割可能線2Dと交わ
るロール法線1Nは、接触面3L、3Rとほぼ直交する。
【0024】そこで、本発明の好ましい研磨方法におい
ては、砥石2が弾性変形により両側の接触面3L、3Rにお
いて接触維持できる範囲で、図4(b)に示すように、
砥石2の相対的な移動方向2Cに向け、分割可能線2Dと交
わるロール法線1Nに対してγ傾斜させるようにしてい
る。なお、図4(b)は、本発明の好ましい研磨方法に
おける砥石回転軸2Aの傾斜角度を示す図2のC−C部分
断面図であり、分割可能線2Dと交わるロール法線1Nは、
接触面3L、3Rとほぼ直交する。
【0025】本発明の好ましい研磨方法における砥石2
の回転軸2Aは、図4(b)に示すように、砥石2の移動
方向2Cに向け、分割可能線2Dと交わるロールの法線1Nに
対してγ傾斜させるようにしているので、接触面3L、3R
の内、先にロール周面を研磨する前方の接触面3Lにおけ
る押しつけ圧を、後でロール周面を研磨する後方の接触
面3Rにおける押しつけ圧より大きくする。そして、前方
の接触面3Lにおける押しつけ圧を、圧延ロール1の材
質、砥石の粒度や砥石の材質等によって定まる所定の範
囲内で後方の接触面3Rにおける押しつけ圧より大きくす
ることにより、接触面3Lで付与する研磨目の深さを深く
できたので、後方の接触面3Rで研磨された後において、
前方の接触面3Lで付与した研磨目の深さを、後方の接触
面3Rで付与する研磨目の深さにほぼ等しくできるのであ
る。
【0026】なお、回転軸2Aの傾斜角度γは、砥石2の
弾性変形により接触面3L、3Rにおいて砥石2が接触維持
可能な範囲内で、かつクロス研磨目の深さが同程度とな
るように調整すればよい。ただし、砥石2の移動方向2C
は、砥石2を図4(a)、図4(b)に示す方向に移動
する場合および圧延ロール1を2Cと反対方向に移動する
相対的な移動の場合の両方を表すものとする。
【0027】以上説明した本発明の基本の研磨方法およ
び好ましい研磨方法においては、図1に示したように、
砥石回転軸2Aのオフセット量Xをロール法線1Nに対して
0を超え砥石2の外径Dの1/2 未満の範囲とし、かつ砥
石回転軸2Aをロール法線1Nに対して平行として砥石2を
配置しているので、研磨面をロール軸1A方向に半分に分
けることが可能な分割可能線2Dの両側で砥石2をロール
1に接触させることができ、砥石2を回転させつつ回転
させたロール1のロール軸方向に相対的に移動させてい
るので、研磨ムラのない均一なクロス研磨目を簡単に付
与できるのである。
【0028】以上説明した本発明の研磨方法に対して、
中空円盤状砥石2の砥石研磨面をロール周面に向けて配
置しても、砥石回転軸2Aとロールの法線1Nとを一致(オ
フセット量: X=0)させて、砥石研磨面とロール周面
とを接触させた場合には、接触部3L、3Rにおける中空円
盤状砥石2の周速度の方向が、圧延用ロール1の円周方
向に対してほとんど傾斜していないので、研磨目の傾斜
角度の平均値が5°未満となり、光沢向上の効果が不十
分となるのである。
【0029】また、中空円盤状砥石2の砥石研磨面をロ
ール周面に向けて配置しても、オフセット量Xを中空円
盤状砥石2の外径の1/2 にして、砥石研磨面とロール周
面とを接触させた場合には、砥石研磨面とロール周面と
の接触部における中空円盤状砥石2の周速度の方向がロ
ール軸1Aにほぼ平行となり、研磨目の傾斜角度の平均値
が 85 °を超えるので、光沢向上の効果が不十分となる
のである。
【0030】ここで、図2に示した本発明の基本の研磨
方法において、ロールの周速度が砥石の周速度に対して
比較的大きい場合における接触面3L、3Rでの速度ベクト
ルを図6に示す。ただし、図6(a)は、接触面3Lにお
ける速度ベクトル、図6(b)は、接触面3Rでの速度ベ
クトル、図6(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトル
を同一座標軸上に示したものであって、ロールの回転方
向および砥石の回転方向は、それぞれ図2に示した1B、
2Bとしている。VG1、VG2は、それぞれ砥石の外周速
度、内周速度、VR はロールの周速度であり、α、βは
それぞれ、接触面3L、3Rにおける、砥石の周速度VG1
G2のベクトルとロールの周速度VR のベクトルとの和
ベクトルの円周方向に対する傾斜角度であり、α、βの
添字の1、2は、それぞれ砥石の外周および内周に相当
する。
【0031】なお、本発明の基本の研磨方法において
は、砥石の移動速度は、砥石の周速度VG1、VG2に比較
してかなり小さいので、接触面3L、3Rでの速度ベクトル
として省略可能であり、図示していない。本発明の基本
の研磨方法においては、図6(a)、図6(b)、図6
(c)からわかるように、ロール1の周速度が砥石の周
速度に対して比較的大きい場合には、接触面3Lでは、和
ベクトルの傾斜角度α1 、α2 がそれぞれ、VG1、VG2
のベクトルの傾斜角度θ1 、θ2 より小さくなり、接触
面3Rでは、和ベクトルの傾斜角度β1 、β2 がそれぞ
れ、VG1、VG2のベクトルの傾斜角度θ1 、θ2 より大
きくなっている。
【0032】そして、本発明の基本の研磨方法において
は、図6(c)に示す速度ベクトルと同じ傾斜角度の研
磨目が付与されているので、ロール1には、一方に傾斜
角度α1 、α2 の範囲で傾斜した研磨目と他方に傾斜角
度β1 、β2 の範囲で傾斜した研磨目が付与され、ロー
ル1の周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合
には、研磨目の傾斜角度α1 、α2 は、研磨目の傾斜角
度β1 、β2 より大きくなるから、図5に示したような
クロス研磨目が付与される場合があったのである。
【0033】ここで、本発明の基本の研磨方法において
は、0を超え砥石の外径の1/2 未満の範囲で砥石回転軸
2Aのオフセット量を設定し、砥石回転軸のオフセット量
Xを設定するための目標傾斜角度λaim を定めていなか
ったので、ロール1の周速度VR が砥石の周速度に対し
て比較的大きい場合には、一方に傾斜する研磨目の傾斜
角度α1 、α2 の内、小さいほうの傾斜角度α1 が5°
未満となったり、他方に傾斜する研磨目の傾斜角度
β1 、β2 の内、大きいほうの傾斜角度β2 が85°を超
えることがあったのである。
【0034】たとえば、本発明の基本の研磨方法におい
ては、図7(a)、図7(b)、図7(c)に示すよう
に、オフセット量Xを設定し、ロール1にクロス研磨目
を付与する場合があったので、図8、図9、図10に示す
とおり、傾斜角度α1 が5°未満となったり、傾斜角度
β2 が85°を超えることがあった。ここで、図7(a)
は、0を超え砥石の内径の1/2 未満で、かつ接触面3L、
3Rにおける砥石の速度ベクトルの傾斜角度θ2 が85°以
上となるように、オフセット量Xを設定した場合であ
り、図7(b)は、砥石の内径の1/2 以上、砥石の外径
の1/2 未満でオフセット量Xを設定した場合であり、ま
た、図7(c)は、0を超え砥石の内径の1/2 未満で、
かつ接触面3L、3Rにおける砥石の速度ベクトルの傾斜角
度θ1 が5°以下となるように、オフセット量Xを設定
した場合である。
【0035】また、図8、図9、図10は、それぞれ図7
(a)、図7(b)、図7(c)における接触面3L、3R
での速度ベクトルである。そこで、本発明の研磨方法に
おいては、、ロール1で圧延された金属板の表面光沢向
上効果を十分にするために、目標傾斜角度λaim を5°
以上85°以下の所定値とし、図2に示した砥石の周速度
ベクトルの傾斜角度がθ1 、θ2 が目標傾斜角度λaim
を含むように砥石回転軸のオフセット量Xを設定するよ
うにしたので、ロール1に付与される研磨目の傾斜角度
を5°以上、85°以下にできたのである。
【0036】なお、本発明に用いる目標傾斜角度λaim
の所定値は、予め、ロール1の周速度、砥石の回転速
度、オフセット量X、砥石の内径および砥石の外径か
ら、5°以上85°以下の範囲内で、ロール材質や砥粒材
質に応じて研磨ムラの出にくいように、また、所望の光
沢向上効果およびその持続性が得られるように定めれば
よい。
【0037】本発明の研磨方法においては、図11に示す
ように、オフセット量Xと、砥石2の周速度ベクトルの
傾斜角度θ1 、θ2 との間には、(2)式、(3)式で
表される幾何学的関係があるので、式(2)、式(3)
の関係をグラフとして示した図12から、砥石2とロール
1との接触面における砥石2の周速度ベクトルの傾斜角
度θが目標傾斜角度λaim を含むように砥石回転軸2Aの
オフセット量Xを設定するには、オフセット量Xを上述
した式(1)の範囲内とすればよいことがわかる。
【0038】なお、図12は、砥石の外径Dを125mm 、砥
石の内径dを45mmとし、目標傾斜角度λaim を30°とし
て示したグラフである。 X=d/2×sin(θ2 ) ……………………(2) X=D/2×sin(θ1 ) ……………………(3) ただし、Dは砥石の外径、dは砥石の内径である。
【0039】また、本発明の研磨方法において、目標傾
斜角度λaim を砥石2の外周速度とロール1の周速度の
比の値に応じて補正する理由は、ロール1に付与される
研磨目の傾斜角度が、砥石2の外周速度とロール1の周
速度の比の値によって変化するためである。また、オフ
セット量Xを砥石の内径dの1/2 未満とする理由は、図
9(b)、図9(c)に示したように、オフセット量X
が内径dの1/2 を超えた場合には、他方の接触面3Rにお
ける和ベクトルが90°を超えること、およびオフセット
量Xを砥石の内径dの1/2 以上とした場合には、図13
(a)、図13(b)に示すように、砥石回転軸2Aの中心
から、半径でd/2以上Sの範囲の研磨面がロール1と接
触せず、研磨面の摩耗が不均一となって、クロス研磨目
が不均一となりやすいからである。
【0040】このため、本発明の研磨方法においては、
オフセット量Xを砥石の内径dの1/2 未満とする。そし
て本発明の研磨方法によれば、砥石のロール軸方向の移
動速度は砥石の周速度に比較して小さく、例えば1mm/s
ec程度とすることが出来、「たたき」と呼ばれる研磨不
良が発生しないのである。
【0041】また本発明に用いる中空円盤状砥石の粒度
の番手は、目標のロール粗度に応じて適宜決めればよ
い。鏡面仕上げより粗い砥石の番手を用いてもよい。ま
た本発明の研磨方法においては、研磨時間と研磨コスト
の制約の範囲内で、中空円盤状砥石をロール軸方向に複
数回移動させて、さらに研磨ムラのない均一なクロス研
磨目を付与してもよく、複数回移動させて研磨する場合
においては、少なくとも最後の研磨で砥石回転軸を砥石
の移動方向に向けてロール法線に対して傾斜させてもよ
い。
【0042】次いで、上記で説明した本発明の研磨方法
でクロス研磨目を付与した圧延用ロールについて説明す
る。本発明の研磨方法によれば、研磨ムラのないクロス
研磨目を付与できるので、圧延材を安定圧延でき、表面
光沢の向上効果が十分な光沢ムラのない高光沢金属板を
得ることができる。
【0043】また、以下の理由によって、蛇行すること
なく金属板を圧延でき、光沢ムラのない高光沢の金属板
を得ることができると考えられる。クロス研磨目を有
する圧延用ロールは、研磨目が圧延方向に対して両側に
傾斜しているので、金属板を幅方向に移動させるスラス
ト力を小さくでき、金属板を蛇行させずに安定して圧延
できる。クロス研磨目を有する圧延用ロールは、研磨
目が圧延方向に対して両側に傾斜し且つ断続的であるの
で、ロールバイト内での表面近傍の剪断変形を大きくで
きて金属板表面の平滑化効果が大きく、且つオイルピッ
トやスクラッチと呼ばれるミクロ欠陥の発生を抑制でき
るので、金属板表面を平滑化でき、高光沢金属板を得る
ことができる。研磨ムラのない均一な研磨目の圧延用
ロールで圧延を施すので、光沢ムラのない金属板を得る
ことができる。
【0044】
【実施例】〔実施例1〕直径600mm 、セミハイス鋼製の
上下1対の圧延用ロール5セットを表1−1、表1−2
に示すとおり研磨し、この圧延用ロールと補強ロールを
備えた4段形式の5スタンドの冷間タンデム圧延機を用
いて、熱間圧延・焼鈍・酸洗を施した素材厚4.0mm のSU
S 430 フェライト系ステンレス鋼を1.5mm 厚に、圧延速
度200mpmで、第5スタンドの圧延長さで10km圧延した。
圧延油は20cSt (40℃)の鉱物系圧延油を5%のエマル
ジョン状態で供給した。
【0045】なお、発明例としては、外径Dを125mm と
し、砥石の内径dを45mmとした砥石を用い、表1−2に
示すように、目標傾斜角度、砥石回転数およびロール回
転数を変化させるとともに、オフセット量Xを式(1)
を満足するように設定し、かつ砥石回転軸をロール法線
に平行にして取付け、砥石移動速度60mm/minでロール軸
方向に2回移動(1往復)し、クロス研磨目を付与し
た。
【0046】一方、従来のラッピング研磨では、ロール
回転速度18rpm 、微振動数5Hz、ロール軸方向移動速度
60mm/minでラッピング研磨し、ラッピング研磨目の円周
方向に対する傾斜角度θを75°とした。また従来のスパ
イラル研磨では、ロール回転速度0.3rpm、砥石幅360mm
、砥石移動速度360mm/min で研磨し、スパイラル研磨
目の円周方向に対する傾斜角度θを30°とした。従来の
片側傾斜研磨では、中空円盤状砥石(外径105mm 、砥石
幅10mm)をオフセット量20mmで取付け、ロール回転数18
mpm 、砥石回転数750rpm、砥石移動速度60mm/minで研磨
し、片側傾斜研磨目の円周方向に対する傾斜角度θを約
30°とした。
【0047】発明例および従来例ともに砥粒の粗さを調
節して、ロール軸方向のロール粗度をRa=0.2 μmとし
た。この冷間タンデム圧延した鋼板に、同一条件で焼鈍
・酸洗・調質圧延を施した後、光沢度(G S 20°)を測
定した。光沢度の結果を表1−1に合わせて示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】発明例の研磨方法では、目標傾斜角度を5
°以上85゜以下とし、オフセット量Xを(1)式を満足
するように設定したので、接触面における速度ベクトル
の傾斜角度を表1−2に示すようにでき、ロールの周速
度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合でも、簡単
に且つ効率的に、研磨目の傾斜角度αが5°以上85°以
下の目標傾斜角度を含む均一なクロス研磨目をロールに
付与できた。また、発明例では、中空円盤状砥石をロー
ル軸方向に2回移動させたので、ロール表面を中空円盤
状砥石が28回〜30回通過し、クロス研磨目が不均一とな
ることもなかった。そして発明例のロールでは、表1−
2に示すように、安定圧延が可能であり、光沢ムラのな
い高光沢金属板を得ることができた。
【0051】これに対して従来例のラッピング研磨目お
よびスパイラル研磨目の圧延用ロールには研磨ムラがあ
り、圧延された鋼板にも光沢ムラが生じており、製品は
格落ちとなった。特に圧延距離が長くなるに従って光沢
ムラが顕著になった。また片側傾斜研磨目の圧延用ロー
ルでは、鋼板が蛇行し圧延を行えなかった。 〔実施例2〕直径80mm、冷間ダイス鋼製の1対の圧延用
ロールを表2−1、表2−2に示すとおり研磨し、この
1対の圧延用ロールと、2本の中間ロールおよび3本の
補強ロールを上下に備えた12段クラスタ型冷間圧延機を
用いて、熱間圧延・焼鈍・酸洗を施した素材厚3.0mm の
SUS 304 オーステナイト系ステンレス鋼板を0.25mmに、
9パス(各パスの圧延速度200mpm)で圧延した。圧延油
として粘度3cSt (40℃)の鉱物油をニートで供給し
た。
【0052】なお、発明例としては、外径Dを125mm と
し、砥石の内径dを105mm とした砥石を用い、表2−2
に示すように、目標傾斜角度を設定し、砥石回転速度を
変化させるとともに、オフセット量Xを式(1)を満足
するように変え、かつ砥石回転軸をロール法線に平行に
して取付け、ロール回転速度20 rpm、砥石移動速度60mm
/minでロール軸方向に1回移動し、クロス研磨目を付与
した。
【0053】一方従来のラッピング研磨では、ロール回
転速度2.5rpm、微振動数8.5Hz 、ロール軸方向移動速度
60mm/minで研磨して、ラッピング研磨目の円周方向に対
する傾斜角度θを80゜とした。また従来のスパイラル研
磨では、ロール回転速度1rpm 、砥石幅260 mm、砥石移
動速度250 mm/minで研磨し、スパイラル研磨目の円周方
向に対する傾斜角度θを45°とした。従来の片側傾斜研
磨では、中空円盤状砥石(外径125 mm、砥石幅10mm)を
オフセット量30mmで取付け、ロール回転数20mpm 、砥石
回転数40rpm 、砥石移動速度60mm/minで研磨して、片側
傾斜研磨の円周方向に対する傾斜角度θを45゜とした。
【0054】本発明例および従来例ともに砥粒の粗さを
調節して、ロール軸方向のロール粗度をRa=0.05μmと
した。この12段クラスタ型冷間圧延機で圧延した鋼板
に、同一条件で焼鈍・酸洗・調質圧延・バフ研磨1パス
を施した後、光沢度(GS20゜) を測定した。光沢度の結
果を表2−1に合わせて示す。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】発明例の研磨方法では、目標傾斜角度を5
°以上85゜以下とし、オフセット量Xを(1)式を満足
するように設定したので、接触面における速度ベクトル
の傾斜角度を表2−2に示すようにでき、ロールの周速
度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合でも、簡単
に且つ効率的に、研磨目の傾斜角度αが5°以上85°以
下の目標傾斜角度を含む均一なクロス研磨目をロールに
付与できた。また、発明例のロールでは、安定圧延が可
能であり、光沢ムラのない高光沢金属板を得ることがで
きた。
【0058】これに対して従来例のラッピング研磨目お
よびスパイラル研磨目の圧延用ロールには研磨ムラがあ
り、圧延された鋼板にも光沢ムラが生じていたので格落
ちになった。また片側傾斜研磨目の圧延用ロールでは、
鋼板が蛇行して安定した圧延を行えなかった。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の研磨方法
によれば、砥石を少なくとも1回ロール軸方向に相対的
に移動させただけでも、簡単に且つ効率的に、ロールの
周速度が砥石の周速度に対して比較的大きい場合でも、
研磨目の傾斜角度αが5°以上85°以下の目標傾斜角度
を含む均一なクロス研磨目をロールに付与できる。
【0060】また、本発明の圧延用ロールによれば、安
定圧延が可能であり、光沢ムラのない高光沢金属板を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の基本の研磨方法を説明する砥
石の配置図および砥石の断面図であり、図1(a)は部
分正面図、図1(b)は部分平面図、図1(c)は図1
(b)のA−A断面図である。また、図1(d)は砥石
の寸法を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明における基本の研磨方法の原理
を説明する部分平面図である。
【図3】図3(a)、図3(b)は、本発明の基本の研
磨方法で付与した一例のクロス研磨目の傾斜角度を示す
ロール表面の概略図である。
【図4】図4(a)は、本発明の基本の研磨方法におけ
る砥石とロールとの接触面の位置を示す図2のB−B部
分断面図であり、図4(b)は、好ましい研磨方法にお
ける砥石回転軸の傾斜角度を示す図2のC−C部分断面
図である。
【図5】図5は、本発明の基本の研磨方法で付与したロ
ールの周速度が比較的大きい場合でのクロス研磨目の傾
斜角度を示すロール表面の概略図である。
【図6】図6は、本発明の基本の研磨方法における、接
触面3L、3Rでの速度ベクトルを示すグラフであり、図6
(a)は、接触面3Lにおける速度ベクトル、図6(b)
は、接触面3Rでの速度ベクトル、図6(c)は、接触面
3L、3Rでの速度ベクトルを同一座標軸上に示したもので
ある。
【図7】図7(a)、図7(b)、図7(c)は、本発
明の基本の研磨方法における、他のオフセット量におけ
る接触面3L、3Rでの速度ベクトルを示す平面図である。
【図8】図8は、図7(a)に示した速度ベクトルを示
すグラフであり、図8(a)は、接触面3Lにおける速度
ベクトル、図8(b)は、接触面3Rでの速度ベクトル、
図8(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを同一座
標軸上に示したものである。
【図9】図9は、図7(b)に示した速度ベクトルを示
すグラフであり、図9(a)は、接触面3Lにおける速度
ベクトル、図9(b)は、接触面3Rでの速度ベクトル、
図9(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを同一座
標軸上に示したものである。
【図10】図10は、図7(c)に示した速度ベクトルを
示すグラフであり、図10(a)は、接触面3Lにおける速
度ベクトル、図10(b)は、接触面3Rでの速度ベクト
ル、図10(c)は、接触面3L、3Rでの速度ベクトルを同
一座標軸上に示したものである。
【図11】図11は、本発明の基本の研磨方法におけるオ
フセット量Xと、接触面3L、3Rでの、砥石2の周速度ベ
クトルの傾斜角度θ1 、θ2 との幾何学的関係を示す平
面図である。
【図12】図12は、本発明の研磨方法におけるオフセッ
ト量Xの設定範囲の一例を示すグラフである。
【図13】図13(a)は、本発明の範囲を外れた場合に
おける砥石の研磨面の摩耗状態を示す底面図であり、図
13(b)は、図13(a)の正面図である。
【図14】従来例の研磨方法を説明する図であり、図14
(a)は砥石の配置を示す正面図、図14(b)は同じく
砥石の配置を示す平面図である。
【図15】図11は、従来例の研磨方法で付与したロール
研磨目を示すロール表面の概略図である。
【符号の説明】
1 圧延用ロール(ロール) 1A ロール軸 1B ロールの回転方向 1N ロール法線 2 中空円盤状砥石(砥石) 2A 砥石回転軸 2B 砥石の回転方向 2C 砥石の移動方向 2D 砥石の研磨面の分割可能線 3L、3R 砥石とロールとの接触面 X オフセット量 θ1 、θ2 砥石とロールとの接触面での砥石の外周お
よび内周の速度ベクトルの傾斜角度 α、β クロス研磨目の一方および他方の傾斜角度 λaim 目標傾斜角度 VG1、VG2 砥石の外周速度、内周速度 VR ロールの周速度 D 砥石の外径 d 砥石の内径
フロントページの続き (72)発明者 剣持 一仁 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 永井 肇 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 砂盛 泰理 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E016 AA03 FA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空円盤状砥石の研磨面を圧延用ロール
    のロール軸方向に半分に分割が可能な分割可能線の両側
    で前記研磨面を前記圧延用ロールに接触させ、前記中空
    円盤状砥石を回転させつつ回転させた前記圧延用ロール
    のロール軸方向に相対的に移動させ、前記圧延用ロール
    の円周方向に対し一方に傾斜した研磨目と他方に傾斜し
    た研磨目とからなるクロス研磨目を前記圧延用ロールに
    付与する方法であって、前記一方に傾斜した研磨目の傾
    斜角度と他方に傾斜した研磨目の傾斜角度との両方の目
    標傾斜角度を5°以上、85°以下の範囲とし、前記中
    空円盤状砥石と前記圧延用ロールとの接触面における前
    記中空円盤状砥石の周速度ベクトルの前記円周方向に対
    する傾斜角度が前記目標傾斜角度を含むように前記中空
    円盤状砥石の砥石回転軸のオフセット量を設定すること
    を特徴とする圧延用ロールの研磨方法。
  2. 【請求項2】 前記中空円盤状砥石の外径をD、前記中
    空円盤状砥石の内径をd、前記目標傾斜角度をλaim
    し、前記中空円盤状砥石のオフセット量Xを下記式の範
    囲内で、かつ0を超え前記中空円盤状砥石の内径の1/2
    未満とすることを特徴とする請求項1に記載の圧延用ロ
    ールの研磨方法。 記 d/2×sin(λaim ) ≦X≦D/2×sin(λaim )
  3. 【請求項3】前記目標傾斜角度を前記中空円盤状砥石の
    外周速度と前記圧延用ロールの周速度との比の値に応じ
    て補正することを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の圧延用ロールの研磨方法。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    圧延用ロールの研磨方法で前記クロス研磨目を付与され
    た圧延用ロール。
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