JP2021146392A - 金属板の圧延方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、走行中にワークロールの開放を行う際に、金属板に軽微な疵も発生させることのない調質圧延方法及び冷間圧延方法を提供する。【解決手段】金属板の圧延方法において、前記金属板が圧延機の圧延スタンドを走行中に、前記圧延スタンドのワークロールを開放するにあたり、前記ワークロールの両端のベンダ荷重を調整するベンダ荷重調整工程と、圧延スタンド荷重を解除して前記ワークロールを開放する圧延スタンド荷重解除工程と、を備えることを特徴とし、さらに、前記ベンダ荷重調整工程の前に、前記ベンダ荷重を解除するベンダ荷重解除工程と、前記圧延スタンド荷重を下げる圧延スタンド荷重低下工程と、を備えることを特徴とする金属板の圧延方法。【選択図】図1
Description
本発明は、鋼板などの金属板の圧延方法に関し、特に、バックアップロールを備える圧延機において、走行中にワークロールの開放を行う金属板の圧延方法に関するものである。
鋼板から冷間圧延工程、焼鈍工程そして調質圧延工程などによって、冷延鋼板や表面処理鋼板を製造する方法として、連続焼鈍ラインや連続亜鉛めっきラインなどの連続ラインを用いて製造するのが近年の主流である。このような連続ラインでは、ライン入側で鋼板の先行材と後行材とをナローラップシーム溶接で接続し、鋼板を製造ラインへ連続的に供給できるようにしている。
一方、上記の連続ラインでは、焼鈍後の鋼板の材質調整や平坦度調整を目的として、調質圧延をインラインで行う場合も多い。ところが、ナローラップシーム溶接された部分は、先行材と後行材とが重ね合わされているため、定常部の板厚の1.2〜1.8倍程度の板厚となっている。このように板厚が局所的に厚い部分を調質圧延機で圧延すると、局部的に大荷重が加わり、調質圧延機のワークロール表面に疵が入ることが知られている。
そして、このワークロール表面の疵は、その後に調質圧延する鋼板に転写され、鋼板の表面品質上の問題となる。
そこで、このワークロール表面疵の発生を防止する方法として、溶接部が圧延機を通過(以下、ミル通過ともいう。)する際に、予め調質圧延機のワークロール間を開放(以下、ミル開放ともいう。)する方法が知られている。一般的には、溶接部のミル通過前に圧延速度を減速して調質圧延機を停止し、その後にミル開放し、通板して溶接部をミル通過させ、その後再び調質圧延機のワークロール間を閉めて調質圧延を再開する。この方法によれば、溶接部がワークロールと接触することはなく、前述の疵がワークロール表面に生じることは全くない。
ところが、調質圧延機を荷重をかけた状態、つまりミル開放していない状態で停止した場合、ストップマークと呼ばれる前述の疵と同じような形態の疵が発生してしまう。この原因は定かではないが、調質圧延機の入側と出側の鋼板の張力には少なからず差があるのが通常であるため、圧延停止状態からミル開放すると、張力差によって鋼板が圧延機の入側又は出側に動き、その際にワークロールと鋼板とが擦れて、ワークロール表面に疵が付くものと考えられる。
これに対し、特許文献1および2には、調質圧延機を停止し、その後にミル開放する際のワークロールの表面の疵を防止するために、調質圧延機が停止するよりも前、すなわちワークロールを低速で回転しながらミル開放(以下、走間開放ともいう。)する方法が開示されている。
しかし、ワークロールを走間開放した際においても、これらの従来の方法ではワークロールに軽微なこすれ疵が発生し、調質圧延を再開した際には、鋼板にそのこすれ疵が転写されて、スリップマークと呼ばれる疵が生じるという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決した金属板の圧延方法、特に、走行中にワークロールの開放を行う際に、金属板に軽微な疵(スリップマーク)も発生させることのない調質圧延方法及び冷間圧延方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、前述の微小なこすれ疵が発生してしまう原因が、ミル開放後、駆動力を失って回転停止するワークロールとバックアップロールの慣性モーメントに差があるため、ワークロールとバックアップロールが擦れることに拠るものであることに思い至り、さらに詳細に検討した結果、ワークロール開放時に上側のワークロールに適切なベンダ荷重を負荷することで、ワークロールとバックアップロールの擦れが軽減されることを見出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
〔1〕金属板の圧延方法において、前記金属板が圧延機の圧延スタンドを走行中に、前記圧延スタンドのワークロールを開放するにあたり、
前記ワークロールの両端のベンダ荷重を調整するベンダ荷重調整工程と、
圧延スタンド荷重を解除して前記ワークロールを開放する圧延スタンド荷重解除工程と、
を備えることを特徴とする金属板の圧延方法。
〔2〕〔1〕における前記ベンダ荷重調整工程において、前記ベンダ荷重を前記ワークロールを支えるために必要な最小荷重以上かつ該最小荷重の2倍以下までに調整することを特徴とする金属板の圧延方法。
〔3〕〔1〕又は〔2〕において、前記ベンダ荷重調整工程の前に、
前記ベンダ荷重を解除するベンダ荷重解除工程と、
前記圧延スタンド荷重を下げる圧延スタンド荷重低下工程と、
を備えることを特徴とする金属板の圧延方法。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれか一つにおける前記圧延スタンド荷重低下工程において、前記圧延スタンド荷重を圧延時の半分以下かつ前記ワークロールが開放しない荷重まで下げることを特徴とする金属板の圧延方法。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれか一つにおいて、同一圧延ライン内に前記圧延スタンドが複数存在する場合に、前記ワークロールを同時に開放することを特徴とする金属板の圧延方法。
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれか一つの圧延方法が、金属板の冷間圧延方法または調質圧延方法であることを特徴とする金属板の圧延方法。
〔7〕〔6〕の金属板の圧延方法を用いることを特徴とする金属板の製造方法。
〔1〕金属板の圧延方法において、前記金属板が圧延機の圧延スタンドを走行中に、前記圧延スタンドのワークロールを開放するにあたり、
前記ワークロールの両端のベンダ荷重を調整するベンダ荷重調整工程と、
圧延スタンド荷重を解除して前記ワークロールを開放する圧延スタンド荷重解除工程と、
を備えることを特徴とする金属板の圧延方法。
〔2〕〔1〕における前記ベンダ荷重調整工程において、前記ベンダ荷重を前記ワークロールを支えるために必要な最小荷重以上かつ該最小荷重の2倍以下までに調整することを特徴とする金属板の圧延方法。
〔3〕〔1〕又は〔2〕において、前記ベンダ荷重調整工程の前に、
前記ベンダ荷重を解除するベンダ荷重解除工程と、
前記圧延スタンド荷重を下げる圧延スタンド荷重低下工程と、
を備えることを特徴とする金属板の圧延方法。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれか一つにおける前記圧延スタンド荷重低下工程において、前記圧延スタンド荷重を圧延時の半分以下かつ前記ワークロールが開放しない荷重まで下げることを特徴とする金属板の圧延方法。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれか一つにおいて、同一圧延ライン内に前記圧延スタンドが複数存在する場合に、前記ワークロールを同時に開放することを特徴とする金属板の圧延方法。
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれか一つの圧延方法が、金属板の冷間圧延方法または調質圧延方法であることを特徴とする金属板の圧延方法。
〔7〕〔6〕の金属板の圧延方法を用いることを特徴とする金属板の製造方法。
本発明によれば、調質圧延機における走間開放時のこすれ疵の発生を防止することができ、調質圧延終了又は中断後においてもワークロールの再使用ができるようになった。また、従来は走間開放によりワークロールに疵が入ることを避けるため、焼鈍パターン変更時に用いるダミーである通板材も圧延を行っていたが、本発明により前記通板材を無理に調質圧延する必要がなくなり、通板材の寿命延長という効果がもたらされた。
また、本発明は、前述の鋼板の調質圧延方法に限らず、冷間圧延方法全般にも適用することができ、さらには、鋼板に限らず、合金板、アルミ板、銅板など他の金属板の圧延方法にも適用することができる。
以下、本発明に係る実施形態について、鋼板の調質圧延方法を例に、まず圧延方法の第1の実施形態(第1の圧延方法)について説明する。
通常、圧延時は、ワークロール及びバックアップロールには圧延荷重(以下、圧延スタンド荷重ともいう。)が負荷されている。同時に、板クラウンを減少させるため、ワークロールの両端には、ベンダ荷重と呼ばれる荷重が負荷されている。このベンダ荷重の方向は、圧延スタンド荷重とは逆方向である。
まず、圧延時において、ワークロールの開放に先立ち、必要に応じて鋼板の搬送速度を下げる。この搬送速度は、20mpm〜100mpmが好ましい。この範囲内であれば、開放にかかる時間を小さくでき、開放中の未調圧部分の長さを適度に小さくすることが可能である。
そして、適切な搬送速度とした後に、本発明に係る第1の圧延方法においては、ベンダ荷重を適切な荷重となるように調整するベンダ荷重調整工程に進む。
ベンダ荷重の調整の程度は、次の工程(圧延スタンド荷重解除工程)において、圧延スタンド荷重を解除し、即ち荷重をゼロとした時に、圧延スタンド荷重に対しベンダ荷重が大きくなりすぎないように、圧延のワークロールを支えるために必要な荷重に調整するものであり、鋼板幅方向の荷重バランスが悪くなって鋼板の絞りが発生することを防ぐためである。
このベンダ荷重は、前記ワークロールを支えるために必要な最小荷重以上かつ該最小荷重の2倍以下までにすることが好ましい。ここで、ワークロールを支えるために必要な最小荷重とは、ワークロールの重量により変化するものであるが、一般的なブリキ用鋼板用の調質圧延機であれば、80kN〜120kN程度である。
また、ベンダ荷重調整の最大値としては、前記ワークロールを支えるために必要な最小荷重の2倍である。2倍以下であれば、開放後の圧延ロールとバックアップロール間のスリップを最小限に抑えることができる。
したがって、具体的なベンダ荷重の調整量は、使用するワークロールの重量によって異なるものであるが、通常のブリキ用鋼板の調質圧延機の一例としては、80kN〜240kNの範囲とすることが好ましい。
上記のベンダ荷重調整工程の後に、圧延スタンド荷重を解除し、即ち荷重をゼロにして、ワークロールを開放する圧延スタンド荷重解除工程を行う。
以上の2つの工程からなる圧延方法によって、疵の発生のない優れた鋼板が得られる圧延方法を提供することができる。この2工程からなる圧延方法(第1の圧延方法)は、圧延スタンドが1基の場合に適応するのが好ましい方法である。
次に、圧延方法の第2の実施形態(第2の圧延方法)について説明する。
この第2の圧延方法は、前述の第1の圧延方法の2工程の前に、まずベンダ荷重を解除し(ベンダ荷重解除工程)、続いて圧延スタンド荷重を下げる(圧延スタンド荷重低下工程)ことを行うものである。
この第2の圧延方法は、前述の第1の圧延方法の2工程の前に、まずベンダ荷重を解除し(ベンダ荷重解除工程)、続いて圧延スタンド荷重を下げる(圧延スタンド荷重低下工程)ことを行うものである。
このベンダ荷重解除工程は、ベンダ荷重が負荷されていない、つまり荷重をゼロにする工程である。それに続いて、圧延スタンド荷重低下工程を行う。この時の圧延スタンド荷重は、圧延時の半分以下であり、かつワークロールが開放しない程度まで下げることが好ましい。ここで、圧延時の半分以下の荷重とは、圧延時の荷重の一例を5000kN〜10000kNとすると、半分の荷重の2500kN〜5000kNより低い値となる。また、ワークロールが開放しない程度の荷重とは、ワークロールが鋼板を押さえるのに必要な最小荷重のことであり、一例としては、500kN〜1000kNである。したがって、通常の鋼板の調質圧延の一例としては、500kN〜5000kNの範囲とすることが好ましい。
この圧延スタンド荷重低下工程の後に、ベンダ荷重調整工程を行う。このベンダ荷重は、ワークロールを支えるために必要な最小荷重以上であって、かつその最小荷重の2倍以下までの荷重に負荷をかけることによって調整することが好ましい。
この時の荷重は、ワークロール開放後に鋼板とワークロールが接触しないように、ワークロールを持ち上げつつ、ワークロールとバックアップロール間のスリップを最小限に抑えるために負荷するものである。ベンダ荷重が上側のワークロールを支えるために必要な最小荷重とは、通常の圧延条件では、一例として90kN程度の荷重である。そして、この最小荷重の2倍以下であれば、開放後の圧延ロールとバックアップロール間のスリップを最小限に抑えることができる。ベンダ荷重は上側ワークロールを支えるために必要な最小荷重以上であれば、小さいほど好ましい。したがって、この工程でベンダ荷重を負荷するのは、具体的な一例としては、90kN〜180kNの範囲とするのが好ましい。
そして、上記のベンダ荷重調整工程の後に、圧延スタンド荷重を解除し、即ち荷重をゼロにして、ワークロールを開放する圧延スタンド荷重解除工程を行う。
以上の4つの工程からなる圧延方法によって、鋼板を止めなくても圧延される鋼板に軽微な疵も生じさせることなく、連続的な圧延を行うことができる。
ここで、第2の圧延方法を第1の圧延方法と比較すると、第1の圧延方法が、ベンダ荷重調整工程+圧延スタンド荷重解除工程からなるものに対し、第2の圧延方法は、ベンダ荷重解除工程+圧延スタンド荷重低下工程+ベンダ荷重調整工程+圧延スタンド荷重解除工程からなるものである。すなわち、第1の方法のように、ワークロールを開放(圧延スタンド荷重解除)するために、単純にベンダ荷重を適切な荷重に調整する(圧延時から下げる)というのではなく、一旦、ベンダ荷重を解除(ゼロに)し、圧延スタンド荷重をワークロールが開放しない程度まで下げた後、ベンダ荷重を適切な量に調整(荷重をかける)してから圧延スタンド荷重を解除してワークロールを開放するものである。このように、圧延スタンド荷重をいわば2段階に調整するのは、複数スタンドの場合において、圧延荷重の異なる圧延スタンドの荷重を揃えるためであり、それによって、複数スタンドを同時に開放することができる優れた圧延方法である。
さらに、複数の圧延スタンドにおいて、全圧延スタンドのワークロールの開放を前述の4つの工程からなる方法により行うことで、開放のタイミングが異なることによって荷重バランスが崩れて鋼板の絞りが発生し、絞り部分がワークロールを傷つけることを、防止することができる。また、圧延スタンド開放による張力の変動による鋼板のスリップを抑制することができる。
次に、前述した本発明の圧延方法における圧延スタンド荷重とベンダ荷重の条件以外の圧延条件について、以下に説明する。
まず、金属板の成分材質については、特に限定されるものではなく、一般的な冷延鋼板であるSPCC材やその他の鋼板あるいは他の金属材料の板を使用することができる。金属板の厚さ(板厚)も特に限定されるものではないが、調質圧延を施す必要のある薄鋼板(板厚3mm未満など)や極薄鋼板(板厚1mm未満など)に用いるのに適している。金属板の板幅も特に限定はされない。金属板の圧延速度についても特に限定されるものではないが、前述した搬送速度に記載したように、20mpm〜80mpmで圧延するのが好ましい。また、圧延時の張力についても特に限定されるものではない。冷間圧延時や調質圧延時で一般的に用いられる張力である50kN/mm2〜200kN/mm2とするのが好ましい。
ここで、複数の圧延スタンドを有する調質圧延ラインを例に、図1の本発明に係る実施態様の一つである調質圧延機の一例を示す概略図に基づいて説明する。
図1に示す調質圧延機1は、圧延スタンド2基(1a、1b)を備えており、各圧延スタンドは、ワークロール2及びバックアップロール3がそれぞれ上下に1段ずつ合計4段の4段式圧延スタンドである。また、各圧延スタンドの入側及び出側には、鋼板Sを上方に押し上げて鋼板の反りや板形状の調整等を行う補助ロール4(4a、4b)を備えている。さらに、この調質圧延機1の入側には、入側の鋼板Sに張力を付与する入側テンションロール5を備え、また出側には、出側の鋼板Sに張力を付与する出側テンションロール6を備えている。
なお、本発明に係る調質圧延機1は、図1の態様に限定されるものではなく、圧延スタンドも2基に限定されず、1基であっても良く、3基以上であっても良い。またロールの段数も2段式や6段式であっても良い。さらに、これらの調質圧延機は、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきライン等の連続ラインに組み込まれていても良いし、単独の調質圧延ラインであっても良い。また、本発明は、少なくともワークロールとバックアップロールを有する圧延スタンドを用いる冷間圧延ラインにも適用することができる。
図1において、入側テンションロール5を通過して所定の張力を付与された鋼板Sは、圧延スタンド1a及び1bにより順次所定の調質圧延を施される。そして、圧延スタンド1bの出側の鋼板Sは、出側テンションロール6により所定の張力を付与されている。また、各圧延スタンドの入側及び出側の鋼板Sは、各圧延スタンドの入側及び出側に設けられた補助ロール4により適切な高さへ押し上げられることにより、絞りの発生を防ぎ、また反りや板形状が調整されている。このようにして、連続的に供給される鋼板Sは、調質圧延機1により、連続的に調質圧延を施される。
通常、圧延時は、前述したように、ワークロール2およびバックアップロール3には圧延スタンド荷重が負荷されている。同時に、ワークロール2の両端には、圧延スタンド荷重とは逆方向のベンダ荷重が負荷されている。
なお、ベンダ荷重の制御は、油圧シリンダー機構や電磁弁、圧力計などを用いて、行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
図1に示す4段式圧延スタンド2基(1a、1b)を有する調質圧延機1を用いて、板厚0.20mm、板幅950mmのブリキ用鋼板に、伸長率2.0%の調質圧延を施した後、ワークロール2の走間開放を行った。開放手順は前述した第2の圧延方法の4つの工程に従い、ワークロール2のベンダ荷重は、表1に示す通り設定し、各10〜60回の実施で圧延再開後の鋼板表面へのスリップマークの発生率を調査した。なお、本実施例で用いた調質圧延機1におけるワークロール2を支えるために必要な最小のベンダ荷重は、計算上91kNであった。
スリップマークの発生は、次の表面検査方法により判定した。
〔表面検査方法〕
表面検査は、圧延再開後の鋼板を切り出して、目視で傷の有無を検査することで実施した。
評価方法は、スリップマークの発生率(実施した回のうち、スリップマークが発生した比率)が、0%であれば合格(○)とし、それ以外を不合格(×)とした。
〔表面検査方法〕
表面検査は、圧延再開後の鋼板を切り出して、目視で傷の有無を検査することで実施した。
評価方法は、スリップマークの発生率(実施した回のうち、スリップマークが発生した比率)が、0%であれば合格(○)とし、それ以外を不合格(×)とした。
表1の実施例は、ワークロール開放時のベンダ荷重が140kNで、ワークロールを支えるために必要な最小荷重91kNの2倍以下(比が1.53)であったために、スリップマークが発生することがなく、合格となった。しかしながら、比較例1〜3は、いずれもワークロール開放時のベンダ荷重がワークロールを支えるために必要な最小荷重の2倍を超えていたため、スリップマークが発生し、不合格となった。
1 調質圧延機
1a 第1圧延スタンド
1b 第2圧延スタンド
2 ワークロール
3 バックアップロール
4(4a、4b) 補助ロール
5 入側テンションロール
6 出側テンションロール
S 鋼板
1a 第1圧延スタンド
1b 第2圧延スタンド
2 ワークロール
3 バックアップロール
4(4a、4b) 補助ロール
5 入側テンションロール
6 出側テンションロール
S 鋼板
Claims (7)
- 金属板の圧延方法において、前記金属板が圧延機の圧延スタンドを走行中に、前記圧延スタンドのワークロールを開放するにあたり、
前記ワークロールの両端のベンダ荷重を調整するベンダ荷重調整工程と、
圧延スタンド荷重を解除して前記ワークロールを開放する圧延スタンド荷重解除工程と、
を備えることを特徴とする金属板の圧延方法。 - 前記ベンダ荷重調整工程において、前記ベンダ荷重を前記ワークロールを支えるために必要な最小荷重以上かつ該最小荷重の2倍以下までに調整することを特徴とする請求項1に記載の金属板の圧延方法。
- 前記ベンダ荷重調整工程の前に、
前記ベンダ荷重を解除するベンダ荷重解除工程と、
前記圧延スタンド荷重を下げる圧延スタンド荷重低下工程と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属板の圧延方法。 - 前記圧延スタンド荷重低下工程において、前記圧延スタンド荷重を圧延時の半分以下かつ前記ワークロールが開放しない荷重まで下げることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金属板の圧延方法。
- 同一圧延ライン内に前記圧延スタンドが複数存在する場合に、前記ワークロールを同時に開放することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の金属板の圧延方法。
- 前記の圧延方法が、金属板の冷間圧延方法または調質圧延方法であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属板の圧延方法。
- 請求項6に記載の金属板の圧延方法を用いることを特徴とする金属板の製造方法。
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2020
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