JP2002113503A - 金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御方法 - Google Patents
金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御方法Info
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- JP2002113503A JP2002113503A JP2000309100A JP2000309100A JP2002113503A JP 2002113503 A JP2002113503 A JP 2002113503A JP 2000309100 A JP2000309100 A JP 2000309100A JP 2000309100 A JP2000309100 A JP 2000309100A JP 2002113503 A JP2002113503 A JP 2002113503A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、特別な設備の導入を行うこと
なく、金属帯同士のシーム溶接部を調質圧延する際のワ
ークロールのキズの発生を軽減し、表面品質の良好な金
属帯を得ることができる金属帯の連続式調質圧延におけ
る溶接継手部通過時の荷重制御方法を提供することにあ
る。 【解決手段】金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通過
する際に、前記ミルのベンダー設定荷重Ｂp(ton)をミル
設定荷重Ｍp(ton)およびワークロール重量ＷＲＷ(ton)
に対して下式（１）および（２）を満たすように制御す
ることを特徴とする金属帯の連続式調質圧延における溶
接継手部通過時の荷重制御方法。 −１０≦Ｍp―Ｂp≦２０…（１） Ｂp≧ＷＲＷ …（２）
なく、金属帯同士のシーム溶接部を調質圧延する際のワ
ークロールのキズの発生を軽減し、表面品質の良好な金
属帯を得ることができる金属帯の連続式調質圧延におけ
る溶接継手部通過時の荷重制御方法を提供することにあ
る。 【解決手段】金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通過
する際に、前記ミルのベンダー設定荷重Ｂp(ton)をミル
設定荷重Ｍp(ton)およびワークロール重量ＷＲＷ(ton)
に対して下式（１）および（２）を満たすように制御す
ることを特徴とする金属帯の連続式調質圧延における溶
接継手部通過時の荷重制御方法。 −１０≦Ｍp―Ｂp≦２０…（１） Ｂp≧ＷＲＷ …（２）
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯の調質圧延
方法に関し、特に連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛メッキ
ラインでの金属帯の溶接継手部であるシーム溶接部の調
質圧延時に、ワークロールにキズが入るのを防止するた
めの荷重制御方法に関するものである。
方法に関し、特に連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛メッキ
ラインでの金属帯の溶接継手部であるシーム溶接部の調
質圧延時に、ワークロールにキズが入るのを防止するた
めの荷重制御方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、冷延鋼板をはじめとする金属帯
を連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインなどの連
続ラインに通板させる場合には、ライン入側で金属帯同
士がシーム溶接で接続され、焼鈍後に材質調整、形状矯
正、表面粗さ調整等を目的として、軽圧下での調質圧延
が行われる。この調質圧延ミルを金属帯のシーム溶接部
が通過する際に、ワークロールにキズが入り、そのキズ
が金属帯に転写され表面品質を損なう場合がある。
を連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインなどの連
続ラインに通板させる場合には、ライン入側で金属帯同
士がシーム溶接で接続され、焼鈍後に材質調整、形状矯
正、表面粗さ調整等を目的として、軽圧下での調質圧延
が行われる。この調質圧延ミルを金属帯のシーム溶接部
が通過する際に、ワークロールにキズが入り、そのキズ
が金属帯に転写され表面品質を損なう場合がある。
【０００３】通常はワークロール保護を目的として、シ
ーム溶接部が調質圧延ミルを通過する際に圧延荷重を軽
減する方法がとられているが、圧延荷重の低下とともに
ワークロールとバックアップロールとの接触圧力も低下
し、ワークロールとバックアップロールとの間のスリッ
プが発生したり、ワークロールの自重が金属帯にかかる
ため、実質的に荷重をゼロにできないなどの問題があっ
た。
ーム溶接部が調質圧延ミルを通過する際に圧延荷重を軽
減する方法がとられているが、圧延荷重の低下とともに
ワークロールとバックアップロールとの接触圧力も低下
し、ワークロールとバックアップロールとの間のスリッ
プが発生したり、ワークロールの自重が金属帯にかかる
ため、実質的に荷重をゼロにできないなどの問題があっ
た。
【０００４】シーム溶接部が調質圧延ミルを通過する際
に圧延荷重を軽減しなくても済むようにするため特公昭
６３−１３７９号、特開平９−１９７７３号、特開平９
−１２２９３０号では、金属帯同士を溶接する際に加圧
ロールを用いて、溶接部厚さを板厚の１３０％程度に減
厚する方法が提案されている。
に圧延荷重を軽減しなくても済むようにするため特公昭
６３−１３７９号、特開平９−１９７７３号、特開平９
−１２２９３０号では、金属帯同士を溶接する際に加圧
ロールを用いて、溶接部厚さを板厚の１３０％程度に減
厚する方法が提案されている。
【０００５】しかし、溶接部厚さを板厚の１３０％程度
に減厚するには、溶接機に特別な装置を設置する必要が
あるので設備的、コスト的に不利であった。さらに板厚
の薄いものでは溶接部厚さを板厚の１３０％程度に減厚
することは困難であった。
に減厚するには、溶接機に特別な装置を設置する必要が
あるので設備的、コスト的に不利であった。さらに板厚
の薄いものでは溶接部厚さを板厚の１３０％程度に減厚
することは困難であった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特別
な設備の導入を行うことなく、金属帯同士のシーム溶接
部を調質圧延する際のワークロールのキズの発生を軽減
し、表面品質の良好な金属帯を得ることができる金属帯
の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御
方法を提供することにある。
な設備の導入を行うことなく、金属帯同士のシーム溶接
部を調質圧延する際のワークロールのキズの発生を軽減
し、表面品質の良好な金属帯を得ることができる金属帯
の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御
方法を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者はシーム溶接部
が調質圧延ミルを通過する際に金属帯に付与される荷重
に着目し、シーム溶接部が通過する際に圧延荷重に反発
する力をワークロールに付与する方法を考え出した。す
なわち、図２に示すように形状制御を目的として使用さ
れるベンダーの設定荷重を、定常部を圧延する通常調圧
時ではミル設定荷重に比してかなり低く設定しているの
に対し、シーム溶接部通過時ではミル設定荷重に比して
前記定常部を圧延する通常調圧時の（ベンダー設定荷
重）／（ミル設定荷重）の比率よりもかなり高くにベン
ダー設定荷重を設定して、ミルのワークロールを押上
げ、実質的にシーム溶接部とワークロールが接しない状
態とし、シーム溶接部から受けるワークロールの損傷を
最小限に抑えつつ、圧延するというものである。そし
て、具体的にはミル設定荷重Ｍp(ton)とベンダー設定荷
重Ｂp(ton)との差が最終的に２０ton以下、より好まし
くは１０ton以下となるように制御することで、シーム
溶接部によるワークロールへのキズは生じないことを見
出した。ここで、設定荷重とは事前に設定しておく荷重
のことである。
が調質圧延ミルを通過する際に金属帯に付与される荷重
に着目し、シーム溶接部が通過する際に圧延荷重に反発
する力をワークロールに付与する方法を考え出した。す
なわち、図２に示すように形状制御を目的として使用さ
れるベンダーの設定荷重を、定常部を圧延する通常調圧
時ではミル設定荷重に比してかなり低く設定しているの
に対し、シーム溶接部通過時ではミル設定荷重に比して
前記定常部を圧延する通常調圧時の（ベンダー設定荷
重）／（ミル設定荷重）の比率よりもかなり高くにベン
ダー設定荷重を設定して、ミルのワークロールを押上
げ、実質的にシーム溶接部とワークロールが接しない状
態とし、シーム溶接部から受けるワークロールの損傷を
最小限に抑えつつ、圧延するというものである。そし
て、具体的にはミル設定荷重Ｍp(ton)とベンダー設定荷
重Ｂp(ton)との差が最終的に２０ton以下、より好まし
くは１０ton以下となるように制御することで、シーム
溶接部によるワークロールへのキズは生じないことを見
出した。ここで、設定荷重とは事前に設定しておく荷重
のことである。
【０００８】また、上記方法に加えて、ミル設定荷重を
１２０ton以下とすることで、ワークロールのベンディ
ングによって生じるワークロールの中央とシーム溶接部
との接触をも防止でき、ワークロールへのキズが完全に
防止できることがわかった。
１２０ton以下とすることで、ワークロールのベンディ
ングによって生じるワークロールの中央とシーム溶接部
との接触をも防止でき、ワークロールへのキズが完全に
防止できることがわかった。
【０００９】本発明の金属帯の連続式調質圧延における
溶接継手部通過時の荷重制御方法は以上のような知見に
基づきなされたもので、以下のような特徴を有する。
溶接継手部通過時の荷重制御方法は以上のような知見に
基づきなされたもので、以下のような特徴を有する。
【００１０】（１）金属帯の溶接継手部が調質圧延ミル
を通過する際に、前記ミルのベンダー設定荷重Ｂp(ton)
をミル設定荷重Ｍp(ton)およびワークロール重量ＷＲＷ
(ton)に対して下式およびを満たすように制御する
ことを特徴とする金属帯の連続式調質圧延における溶接
継手部通過時の荷重制御方法。 −１０≦Ｍp―Ｂp≦２０… Ｂp≧ＷＲＷ … （２）金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通過する際
に、前記ミルのベンダー設定荷重Ｂp(ton)をミル設定荷
重Ｍp(ton)およびワークロール重量ＷＲＷ(ton)に対し
て下式およびを満たすように制御することを特徴と
する金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時
の荷重制御方法。 −１０≦Ｍp―Ｂp≦１０… Ｂp≧ＷＲＷ … （３）金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通過する際
に、前記ミルのミル設定荷重Ｍp(ton)を下式を満たす
ように制御することを特徴とする上記（１）または
（２）に記載の金属帯の連続式調質圧延における溶接継
手部通過時の荷重制御方法。 Ｍp≦１２０ …
を通過する際に、前記ミルのベンダー設定荷重Ｂp(ton)
をミル設定荷重Ｍp(ton)およびワークロール重量ＷＲＷ
(ton)に対して下式およびを満たすように制御する
ことを特徴とする金属帯の連続式調質圧延における溶接
継手部通過時の荷重制御方法。 −１０≦Ｍp―Ｂp≦２０… Ｂp≧ＷＲＷ … （２）金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通過する際
に、前記ミルのベンダー設定荷重Ｂp(ton)をミル設定荷
重Ｍp(ton)およびワークロール重量ＷＲＷ(ton)に対し
て下式およびを満たすように制御することを特徴と
する金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時
の荷重制御方法。 −１０≦Ｍp―Ｂp≦１０… Ｂp≧ＷＲＷ … （３）金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通過する際
に、前記ミルのミル設定荷重Ｍp(ton)を下式を満たす
ように制御することを特徴とする上記（１）または
（２）に記載の金属帯の連続式調質圧延における溶接継
手部通過時の荷重制御方法。 Ｍp≦１２０ …
【００１１】
【発明の実施の形態】図１は本発明の金属帯の連続式調
質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御方法の実施
に供される調質圧延ミル１の一実施形態を示す正面図で
あり、この調質圧延ミル１は、ミル設定荷重５が下バッ
クアップロール４ｂから付与され、ワークロール３ａ、
３ｂにはミル設定荷重５に反発する形でベンダー設定荷
重６が付与できる形態の一般的な４Ｈｉの調質圧延ミル
１である。本調質圧延ミル１では上バックアップロール
４ａの自重は油圧によって保持されている。ここで、
ａ、ｂはそれぞれ金属帯２に対して上、下の位置にある
ことを示す。
質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御方法の実施
に供される調質圧延ミル１の一実施形態を示す正面図で
あり、この調質圧延ミル１は、ミル設定荷重５が下バッ
クアップロール４ｂから付与され、ワークロール３ａ、
３ｂにはミル設定荷重５に反発する形でベンダー設定荷
重６が付与できる形態の一般的な４Ｈｉの調質圧延ミル
１である。本調質圧延ミル１では上バックアップロール
４ａの自重は油圧によって保持されている。ここで、
ａ、ｂはそれぞれ金属帯２に対して上、下の位置にある
ことを示す。
【００１２】図２は図１に示す調質圧延ミル１を用いた
金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷
重制御方法の一実施形態（ミル設定荷重Ｍpとベンダー
設定荷重Ｂpの制御例）を示すものであり、この実施形
態ではシーム溶接部が調質圧延ミル１を通過する前後約
１ｍで、ミル設定荷重５とベンダー設定荷重６を所定の
値に制御できるようになっている。図２に示すように形
状制御を目的として使用されるベンダーの設定荷重６
を、定常部を圧延する通常調圧時ではミル設定荷重５に
比してかなり低く設定しているのに対し、シーム溶接部
通過時ではミル設定荷重５に比して前記定常部を圧延す
る通常調圧時の（ベンダー設定荷重）／（ミル設定荷
重）の比率よりもかなり高くにベンダー設定荷重を設定
している。
金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷
重制御方法の一実施形態（ミル設定荷重Ｍpとベンダー
設定荷重Ｂpの制御例）を示すものであり、この実施形
態ではシーム溶接部が調質圧延ミル１を通過する前後約
１ｍで、ミル設定荷重５とベンダー設定荷重６を所定の
値に制御できるようになっている。図２に示すように形
状制御を目的として使用されるベンダーの設定荷重６
を、定常部を圧延する通常調圧時ではミル設定荷重５に
比してかなり低く設定しているのに対し、シーム溶接部
通過時ではミル設定荷重５に比して前記定常部を圧延す
る通常調圧時の（ベンダー設定荷重）／（ミル設定荷
重）の比率よりもかなり高くにベンダー設定荷重を設定
している。
【００１３】つまり本発明では、シーム溶接部通過時に
ベンダー設定荷重Ｂp(ton)をミル設定荷重Ｍp(ton) お
よびワークロール重量ＷＲＷ(ton)に対して −１０≦Ｍp―Ｂp≦２０… Ｂp≧ＷＲＷ … を満たすように荷重制御を行う。この荷重制御を導入す
ることで、金属帯２とワークロール３ａ、３ｂとの接触
荷重は式より２０ton以下となる。
ベンダー設定荷重Ｂp(ton)をミル設定荷重Ｍp(ton) お
よびワークロール重量ＷＲＷ(ton)に対して −１０≦Ｍp―Ｂp≦２０… Ｂp≧ＷＲＷ … を満たすように荷重制御を行う。この荷重制御を導入す
ることで、金属帯２とワークロール３ａ、３ｂとの接触
荷重は式より２０ton以下となる。
【００１４】接触荷重が２０ton以下である場合、接触
線から受けるワークロール３ａ、３ｂの損傷はほとんど
なく、金属帯２に転写されるキズの程度も通常品質レベ
ルを満たす。ベンダー設定荷重Ｂpがワークロール重量
ＷＲＷより小さい場合は、上ワークロール３ａと上バッ
クアップロール４ａとの間にスリップが発生しワークロ
ール３ａ、３ｂに別のキズが生じる可能性が有るので、
ベンダー設定荷重Ｂpはワークロール重量ＷＲＷ以上に
設定する。
線から受けるワークロール３ａ、３ｂの損傷はほとんど
なく、金属帯２に転写されるキズの程度も通常品質レベ
ルを満たす。ベンダー設定荷重Ｂpがワークロール重量
ＷＲＷより小さい場合は、上ワークロール３ａと上バッ
クアップロール４ａとの間にスリップが発生しワークロ
ール３ａ、３ｂに別のキズが生じる可能性が有るので、
ベンダー設定荷重Ｂpはワークロール重量ＷＲＷ以上に
設定する。
【００１５】さらに高級表面品質レベルを満たすために
は、 −１０≦Ｍp―Ｂp≦１０… Ｂp≧ＷＲＷ … を満たすように荷重制御を行う。この荷重制御を導入す
ることで、金属帯２とワークロール３ａ、３ｂとの接触
荷重は式より１０ton以下となり、キズの程度もさら
に軽減される。と同様にベンダー設定荷重Ｂpがワー
クロール重量ＷＲＷより小さい場合は、上ワークロール
３ａと上バックアップロール４ａとの間にスリップが発
生しワークロール３ａ、３ｂに別のキズが生じる可能性
が有るので、ベンダー設定荷重Ｂpはワークロール重量
ＷＲＷ以上に設定する。
は、 −１０≦Ｍp―Ｂp≦１０… Ｂp≧ＷＲＷ … を満たすように荷重制御を行う。この荷重制御を導入す
ることで、金属帯２とワークロール３ａ、３ｂとの接触
荷重は式より１０ton以下となり、キズの程度もさら
に軽減される。と同様にベンダー設定荷重Ｂpがワー
クロール重量ＷＲＷより小さい場合は、上ワークロール
３ａと上バックアップロール４ａとの間にスリップが発
生しワークロール３ａ、３ｂに別のキズが生じる可能性
が有るので、ベンダー設定荷重Ｂpはワークロール重量
ＷＲＷ以上に設定する。
【００１６】さらに、 Ｍp≦１２０ … のようにミル設定荷重を１２０ton以下にすること
で、ワークロール３ａ、３ｂのベンディングによってワ
ークロール中央部分に入るキズを抑制できる。
で、ワークロール３ａ、３ｂのベンディングによってワ
ークロール中央部分に入るキズを抑制できる。
【００１７】なおここで、ミル設定荷重Ｍpとベンダー
設定荷重Ｂpの差が−１０tonより小さい場合にはミルが
オープン状態となり、連続的に調圧を行うことが困難と
なる。
設定荷重Ｂpの差が−１０tonより小さい場合にはミルが
オープン状態となり、連続的に調圧を行うことが困難と
なる。
【００１８】
【実施例】板厚０．８ｍｍの冷延鋼板コイルを連続焼鈍
ラインの入側で溶接し、そのシーム溶接部が調質圧延ミ
ル１を通過する際に、ミル設定荷重Ｍp(ton)とベンダー
設定荷重Ｂp(ton)を表１に示すＮｏ．１〜２８の条件に
制御した。ここでワークロールの重量ＷＲＷ(ton)は３
０tonである。そして、ワークロール３ａ、３ｂに転写
されたキズが金属帯に転写された程度を以下の４段階で
評価した。 なし：金属帯へのキズの転写が全くない Ａ級：かすかに見えるキズで高級表面品質の合格レベル Ｂ級：通常表面品質では合格であるが，高級表面品質で
は不合格 Ｃ級：通常表面品質でも不合格
ラインの入側で溶接し、そのシーム溶接部が調質圧延ミ
ル１を通過する際に、ミル設定荷重Ｍp(ton)とベンダー
設定荷重Ｂp(ton)を表１に示すＮｏ．１〜２８の条件に
制御した。ここでワークロールの重量ＷＲＷ(ton)は３
０tonである。そして、ワークロール３ａ、３ｂに転写
されたキズが金属帯に転写された程度を以下の４段階で
評価した。 なし：金属帯へのキズの転写が全くない Ａ級：かすかに見えるキズで高級表面品質の合格レベル Ｂ級：通常表面品質では合格であるが，高級表面品質で
は不合格 Ｃ級：通常表面品質でも不合格
【００１９】
【表１】
【００２０】その結果を図３に示す。同図によれば、ベ
ンダー設定荷重Ｂp(ton)をワークロールの重量ＷＲＷ(t
on)である３０ton以上に付与し、ベンダー設定荷重Ｂp
(ton)がミル設定荷重Ｍp(ton)に対して−１０≦Ｍp―Ｂ
p≦２０の場合にキズの程度はＢ級品質レベルを満た
し、−１０≦Ｍp―Ｂp≦１０の場合にキズの程度はＡ級
品質レベルを満たすことがわかった。さらに、ミル設定
荷重Ｍp(ton)が１２０tonを超えた場合には、ベンダー
設定荷重Ｂp(ton)を増加しても板幅中央にかすかにワー
クロールのキズが転写されることがわかった。これは、
ミル設定荷重Ｍp(ton)が高い場合にはベンダー設定荷重
Ｂp(ton)を高くしても、ワークロールのベンディングに
よってワークロール中央とシーム溶接部が接するために
ワークロールの中央部分にキズが入るためであると考え
られた。
ンダー設定荷重Ｂp(ton)をワークロールの重量ＷＲＷ(t
on)である３０ton以上に付与し、ベンダー設定荷重Ｂp
(ton)がミル設定荷重Ｍp(ton)に対して−１０≦Ｍp―Ｂ
p≦２０の場合にキズの程度はＢ級品質レベルを満た
し、−１０≦Ｍp―Ｂp≦１０の場合にキズの程度はＡ級
品質レベルを満たすことがわかった。さらに、ミル設定
荷重Ｍp(ton)が１２０tonを超えた場合には、ベンダー
設定荷重Ｂp(ton)を増加しても板幅中央にかすかにワー
クロールのキズが転写されることがわかった。これは、
ミル設定荷重Ｍp(ton)が高い場合にはベンダー設定荷重
Ｂp(ton)を高くしても、ワークロールのベンディングに
よってワークロール中央とシーム溶接部が接するために
ワークロールの中央部分にキズが入るためであると考え
られた。
【００２１】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば特
別な設備の導入を行うことなく、形状制御を目的として
使用されるベンダーの設定荷重を、定常部を圧延する通
常調圧時ではミル設定荷重に比してかなり低く設定して
いるのに対し、シーム溶接部通過時ではミル設定荷重に
比して前記定常部を圧延する通常調圧時の（ベンダー設
定荷重）／（ミル設定荷重）の比率よりもかなり高くに
ベンダー設定荷重を設定してシーム溶接部を調質圧延す
ることで、ワークロールへのキズを軽減し、表面品質の
良好な金属帯を提供することができる。
別な設備の導入を行うことなく、形状制御を目的として
使用されるベンダーの設定荷重を、定常部を圧延する通
常調圧時ではミル設定荷重に比してかなり低く設定して
いるのに対し、シーム溶接部通過時ではミル設定荷重に
比して前記定常部を圧延する通常調圧時の（ベンダー設
定荷重）／（ミル設定荷重）の比率よりもかなり高くに
ベンダー設定荷重を設定してシーム溶接部を調質圧延す
ることで、ワークロールへのキズを軽減し、表面品質の
良好な金属帯を提供することができる。
【図１】本発明の金属帯の連続式調質圧延における溶接
継手部通過時の荷重制御方法の実施に供される調質圧延
ミルの一実施形態を示す正面図
継手部通過時の荷重制御方法の実施に供される調質圧延
ミルの一実施形態を示す正面図
【図２】本発明の金属帯の連続式調質圧延における溶接
継手部通過時の荷重制御方法の一実施形態（ミル設定荷
重Ｍpとベンダー設定荷重Ｂpの制御例）
継手部通過時の荷重制御方法の一実施形態（ミル設定荷
重Ｍpとベンダー設定荷重Ｂpの制御例）
【図３】本発明の金属帯の連続式調質圧延における溶接
継手部通過時の荷重制御方法の一実施形態におけるシー
ム溶接部通過制御値とキズの関係を示す図
継手部通過時の荷重制御方法の一実施形態におけるシー
ム溶接部通過制御値とキズの関係を示す図
１ 調質圧延ミル ２ 金属帯 ３ａ、３ｂ ワークロール ４ａ、４ｂ バックアップロール ５ ミル設定荷重 ６ ベンダー設定荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山野 義夫 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 Ｆターム(参考） 4E002 AD06 BB09 BC06 CA01 CB09 4E024 AA01 AA20 CC02 DD02 DD12
Claims (3)
- 【請求項１】 金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通
過する際に、前記ミルのベンダー設定荷重Ｂp(ton)をミ
ル設定荷重Ｍp(ton)およびワークロール重量ＷＲＷ(to
n)に対して下式（１）および（２）を満たすように制御
することを特徴とする金属帯の連続式調質圧延における
溶接継手部通過時の荷重制御方法。 −１０≦Ｍp―Ｂp≦２０…（１） Ｂp≧ＷＲＷ …（２） - 【請求項２】 金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通
過する際に、前記ミルのベンダー設定荷重Ｂp(ton)をミ
ル設定荷重Ｍp(ton)およびワークロール重量ＷＲＷ(to
n)に対して下式（３）および（４）を満たすように制御
することを特徴とする金属帯の連続式調質圧延における
溶接継手部通過時の荷重制御方法。 −１０≦Ｍp―Ｂp≦１０…（３） Ｂp≧ＷＲＷ …（４） - 【請求項３】 金属帯の溶接継手部が調質圧延ミルを通
過する際に、前記ミルのミル設定荷重Ｍp(ton)を下式
（５）を満たすように制御することを特徴とする請求項
１または２に記載の金属帯の連続式調質圧延における溶
接継手部通過時の荷重制御方法。 Ｍp≦１２０ …（５）
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000309100A JP2002113503A (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000309100A JP2002113503A (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002113503A true JP2002113503A (ja) | 2002-04-16 |
Family
ID=18789315
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000309100A Pending JP2002113503A (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 金属帯の連続式調質圧延における溶接継手部通過時の荷重制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002113503A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107812787A (zh) * | 2017-11-14 | 2018-03-20 | 东北大学 | 一种控制轧机轧制成品钢材的方法和装置 |
| CN109954753A (zh) * | 2019-03-07 | 2019-07-02 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 减少酸连轧张力拉矫机快开断带的方法 |
| CN110125190A (zh) * | 2019-05-24 | 2019-08-16 | 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 | 一种防止带钢轧制边裂的方法及装置 |
| JP2021146392A (ja) * | 2020-03-23 | 2021-09-27 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 金属板の圧延方法 |
-
2000
- 2000-10-10 JP JP2000309100A patent/JP2002113503A/ja active Pending
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