JPH05331642A - マルチチャンバ式スパッタリング装置 - Google Patents

マルチチャンバ式スパッタリング装置

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JPH05331642A
JPH05331642A JP14043892A JP14043892A JPH05331642A JP H05331642 A JPH05331642 A JP H05331642A JP 14043892 A JP14043892 A JP 14043892A JP 14043892 A JP14043892 A JP 14043892A JP H05331642 A JPH05331642 A JP H05331642A
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JP
Japan
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vacuum chamber
substrate
chamber
vacuum
sputtering apparatus
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Withdrawn
Application number
JP14043892A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsunori Oka
光宣 岡
Shinichi Kaneko
真一 金子
Fumihiko Sawase
文彦 沢瀬
Norimoto Matsuda
紀元 松田
Michio Sunakawa
道夫 砂川
Shiro Takigawa
志朗 滝川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Shin Meiva Industry Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成膜成分の混入を可及的に防止しつつ、上記
ゲート弁を省略して生産能率の向上を図る。 【構成】 搬送手段2を収容する円筒状の第1真空チャ
ンバ1の上に、複数のプロセス部5〜16が設けられた
第2真空チャンバ3を重ね、両者を無端の環状スリット
4により連通する。この環状スリットを貫通して第2真
空チャンバ側に搬送手段の各アーム20の先端部の基板
保持具21を突出させる。上記各プロセス部を周方向に
等間隔に配置するとともに、この各プロセス部と同数の
アームを放射方向に等間隔に配置する。各プロセス部を
仕切り壁27a〜27hで仕切り、この仕切り壁に基板
26を保持した基板保持具が通過できる必要かつ最小限
の大きさのスリット28を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板を大気にさらすこ
となく、その基板に対する複数の成膜プロセスを連続し
て行なうためのマルチチャンバ式スパッタリング装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のスパッタリング装置
として、図11または図12に示すようなものが知られ
ている(例えば、特開昭57−41369号公報、特開
昭58−77239号公報、もしくは実用真空技術総
覧,1990.11,株式会社産業技術サービスセンター発
行,637 頁参照)。
【0003】図11に示すスパッタリング装置では、真
空チャンバ内において、例えば、加熱室、下地膜室、機
能膜室および保護膜室などの真空状態で成膜処理を行な
う複数のプロセス室a,a,…が間に開閉可能なゲート
弁bをそれぞれ介して密閉された状態で接続されて一直
線状に配置されている。そして、基板cはロード室dで
1枚ごとに搬送手段である台車fに載せられて各プロセ
ス室aを搬送された後、アンロード室eで台車fから取
出される。
【0004】また、図12に示すスパッタリング装置で
は、ゲート弁b,b,…によって開閉可能に密閉された
複数のプロセス室a,a,…が中央の真空チャンバhの
円周に沿って配置されており、上記真空チャンバh内に
各プロセス室aから隣接する他のプロセス室aに基板を
搬送する搬送手段である搬送アームiが設けられてい
る。そして、基板cはロード室dに取込まれて上記搬送
アームiにより各プロセス室aを順次移送された後、上
記アンロード室eから取出されるようになっており、上
記搬送アームiは基板cの搬送に際して半径方向の搬送
と周方向の搬送との二方向の搬送を繰り返す。
【0005】図11および図12に示すスパッタリング
装置のいずれの場合においても、上記各プロセス室aは
開閉可能な密閉手段としての各ゲート弁bによって互い
に独立したチャンバを構成するようになっている。そし
て、上記ゲート弁bを閉じて密閉状態にした一のプロセ
ス室aで基板に成膜処理が行なわれ、その成膜処理後、
上記ゲート弁bを開いて上記基板cを隣接する他のプロ
セス室a内に搬送し、再び上記ゲート弁bを閉じてその
プロセス室aでの成膜処理が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
マルチチャンバ式スパッタリング装置において、一のプ
ロセス室aから他のプロセス室aへ搬送する際に、その
都度、ゲート弁bの開閉を行なう必要があるため、その
開閉に要する時間の分、一つの成膜処理の所要時間であ
るタクトタイムが増加する。このため、生産能率を向上
させる上での障害となっている。しかも、上記ゲート弁
bなどの密閉手段は定期的な保守点検を必要とするもの
が多く、その保守点検に要する時間が生産能率をさらに
低下させる要因となっている。
【0007】また、上記プロセス室aの数が増加する
程、ゲート弁bの数も増加するため、スパッタリング装
置の構造が複雑化する上に、その開閉作動ために多大な
動力が必要になるという不都合がある。
【0008】その一方、上記ゲート弁bは、各プロセス
室a間での汚染を防止する目的で設けられているもので
あるため、単に省略するだけでは他の弊害を招くことに
なる。すなわち、各プロセス室aで成膜成分が異なる場
合、上記各ゲート弁bを単に省略して各プロセス室a間
を完全に開放状態にすると、一のプロセス室a内の一の
成膜成分が他のプロセス室a内の他の成膜成分に無制限
に混入し、そのプロセス室aで成膜された膜が予定した
性能を発揮しなくなるおそれが生じる。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、成膜成分の混
入を可及的に防止しつつ、上記ゲート弁を省略して生産
能率の向上を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、真空チャンバと、この真空
チャンバ内に設けられて基板を搬送する搬送手段と、上
記真空チャンバ内の上記基板の搬送方向に配設されて基
板への成膜処理を行なう複数のプロセス部とを備えるも
のである。そして、上記複数のプロセス部を少なくとも
異なる種類ごとに仕切り壁により仕切り、この各仕切り
壁に上記基板の搬送方向への通過に要する必要かつ最小
限の大きさに絞られた貫通開口部を形成する構成とする
ものである。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、複数のプロセス部を円周方向に等間隔に配
置し、搬送手段を上記プロセス部と同数のアームであっ
て、旋回により基板を上記複数プロセス部に沿って搬送
するアームを備えるものとする。そして、この各アーム
を真空チャンバの中央部に位置付けられた旋回中心から
放射方向に延ばしかつ上記複数のプロセス部の各位置に
対応して等間隔に配置する構成とするものである。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、搬送手段が収容される円筒状の第1真空チ
ャンバと、この第1真空チャンバに同心状に結合されて
複数のプロセス部が形成される円環状の第2真空チャン
バと、上記第1および第2の真空チャンバを互いに連通
する無端の環状スリットとを備えるものである。そし
て、上記搬送手段の各アームの先端部を、上記環状スリ
ットを貫通して上記第2真空チャンバ側に突出させ、上
記環状スリットの開口幅を上記各アームの先端部の移動
に要する必要かつ最小限の幅に設定する構成とするもの
である。
【0013】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の発明において、搬送手段が収容される円環状の第1
真空チャンバと、この第1真空チャンバに同心状に結合
されて複数のプロセス部が形成される円環状の第2真空
チャンバと、上記第1および第2の真空チャンバを互い
に連通する無端の環状スリットとを備えるものである。
そして、上記搬送手段を、上記環状スリットを貫通して
上記第2真空チャンバ側に突出した状態で上記環状スリ
ットに沿って基板を上記各プロセス部に搬送する複数の
基板保持具を備えるものとし、この各基板保持具を上記
各プロセス部と同数でかつ各プロセス部と同じ間隔に位
置付ける。また、上記環状スリットの開口幅を上記各基
板保持具の移動に要する必要かつ最小限の幅に設定する
構成とするものである。
【0014】さらに、請求項5記載の発明は、請求項4
記載の発明において、搬送手段を、基板保持具を磁力に
より移動させる電磁駆動手段を備えるものとする。そし
て、この電磁駆動手段を、上記基板保持具と第1真空チ
ャンバを構成する壁部との間に介装されて上記基板保持
具の搬送方向に配列された複数の電磁石を備える構成と
するものである。
【0015】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
各プロセス部間を仕切るために、従来のスパッタリング
装置におけるゲート弁の代わりに、所定の大きさに絞っ
た貫通開口部を有する仕切り壁を用いている。このた
め、基板の各プロセス部間の搬送に際して、従来のスパ
ッタリング装置におけるゲート弁の開閉操作を行なう必
要がなく、上記ゲート弁の開閉操作に要する時間分、タ
クトタイムが短縮化されて、生産能率の向上が図られ
る。しかも、従来のスパッタリング装置に付設されてい
た多数のゲート弁が省略されるため、装置の構造の簡略
化および省力化が図られる。さらに、それらの保守点検
に要していた時間が不要になるため生産能率の向上が図
られる。そして、各プロセス部の間は仕切り壁により仕
切られている上に、その仕切り壁に形成された貫通開口
部は、上記各プロセス部の断面積より極めて小さい大き
さに絞られているため、この貫通開口部を通ろうとする
各プロセス部間のガスの流動が抑制される。従って、各
プロセス部内で異なる種類の成膜処理を行なう場合で
も、各成膜成分を含んだ2種類のガスの互いの混入防止
が可及的に図られる。
【0016】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、各アームに基板を保持さ
せて旋回させることにより、すべてのプロセス部で同時
に成膜処理が行なわれて流れ生産が可能になり、各プロ
セス部を円周上に配置する場合での生産能率の向上が図
られる。
【0017】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明による作用に加えて、各アームを周方向に
移動させるだけで各基板が1つの円軌跡に沿って搬送さ
れ、これにより、すべてのプロセス部への搬送が行われ
る。このため、従来のスパッタリング装置の如くアーム
を半径方向および周方向の2方向に移動させる必要がな
く、アームの半径方向移動に要していた時間が省略可能
になる。しかも、環状スリットにより第2真空チャンバ
側の各プロセス部から第1真空チャンバ側へのガスの流
動が制限される。
【0018】また、請求項4記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、第1および第2の
両真空チャンバの双方が円環状であるため、内周側に空
間が形成される。このため、この空間を利用して各プロ
セス部の保守点検作業もしくは成膜用ターゲットの交換
作業などを行うことが可能になり、それらの作業が容易
になる。従って、これらの作業に要する時間の短縮化が
図られ、生産能率の向上に寄与する。また、第1真空チ
ャンバを円環状にすることにより、同じ外径の円筒状に
する場合と比べて、第1真空チャンバの容積が著しく小
さくなり、真空ポンプの作動における省力化、または、
装置の起動に要する時間の短縮化が図られる。
【0019】さらに、請求項5記載の発明によれば、上
記請求項4記載の発明による作用に加えて、電磁駆動手
段を用いることにより搬送手段の小型化が図られ、第1
真空チャンバの円環状への変換が容易に達成される。
【0020】される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0022】図1および図2は、本発明の第1実施例に
係るマルチチャンバスパッタリング装置を示す。同図に
おいて、1は円筒状の第1真空チャンバであり、この第
1真空チャンバ1の内部には中心軸X回りに旋回する搬
送手段2が収容されている。3は円環状の第2真空チャ
ンバであり、この第2真空チャンバ3は、上記第1真空
チャンバ1の中心軸Xと同軸位置でかつ第1真空チャン
バ1の外周部上面位置に固定されており、上記中心軸X
を中心とする無端の環状スリット4を介して上記第1真
空チャンバ1と連通されている。そして、上記第2真空
チャンバ3の周囲には12個のプロセス部5〜16が等
間隔に配設されている。
【0023】上記第1真空チャンバ1は図示しないフレ
ームにより水平に支持されており、下面に複数(図例で
は4つ)の真空ポンプ17,17,…が接続されてい
る。各真空ポンプ17は上記中心軸Xを中心とする周方
向に等間隔でかつ第2真空チャンバ3寄りの各位置に配
置されており、上記第1および第2真空チャンバ1,3
の双方を所定の真空状態に保持するようになっている。
【0024】上記搬送手段2は、上記第1真空チャンバ
1の中心軸Xに沿って配置されかつ旋回可能に支持され
た旋回軸体18と、この旋回軸体18を旋回駆動する駆
動モータ19と、上記旋回軸体18の周囲から上記第1
真空チャンバ1の空間に放射方向に延ばされた12本の
アーム20,20,…と、この各アーム20の先端部か
ら上方に突出して上記環状スリット4を通して第2真空
チャンバ3内に配置された12個の基板保持具21,2
1,…とからなる。
【0025】上記旋回軸体18の下端は上記第1真空チ
ャンバ1を貫通して外部に突出されており、上記第1真
空チャンバ1の外部に配設された上記駆動モータ19に
接続されている。また、上記旋回軸体18の貫通部周囲
は磁気シール22によって真空状態にシールされてい
る。そして、上記駆動モータ19は上記旋回軸体18を
所定の1タクトタイム経過ごとに中心軸Xに対して時計
方向に30度ずつ回転駆動するようになっている。
【0026】上記各アーム20は、上記中心軸Xを中心
として周方向に30度の内角を隔てて等間隔に配置され
ており、タクトタイム経過ごとに上記駆動モータ19に
よって各基板保持具21が上記プロセス部5〜16の各
位置で停止した状態から隣接する他のプロセス部6〜1
6,5まで旋回移動するようになっている。なお、図1
中23は互いに隣接する2本のアーム20,20の間を
連結する補強部材である。
【0027】上記各基板保持具21は、上記各アーム2
0の先端部を構成するものであり、図3および図4に詳
細を示すように、上記各アーム20の先端部から上方に
突出して固定された板状の本体24と、この本体24の
上縁部に固定された複数(図例では3つ)の保持爪2
5,25,…とから構成されている。上記本体24は、
上記環状スリット4の幅方向中央位置の円周線に対して
接線方向に向けて配置され、上記環状スリット4の相対
向面と非接触状態で上記環状スリット4に沿って移動可
能になっている。また、上記本体24の上縁部は基板2
6と対応する円弧状に形成され、この円弧状の上縁部に
沿って3つの保持爪25,25,…が配置されている。
上記各保持爪25は薄板片により形成されており、上方
に開口して上記基板26の周端縁を挟み込む略U字状の
溝が形成されている。そして、この各保持爪25により
上記基板26が上記接線方向に向いて鉛直姿勢で保持さ
れて上記第2真空チャンバ3内を時計方向に搬送される
ようになっている。また、上記の薄板片からなる各保持
爪25で保持することにより高温に加熱された上記基板
26から熱を逃がさないように断熱が図られている。
【0028】上記環状スリット4の開口幅は、上記各基
板保持具21がこの環状スリット4を構成する相対向端
面に接触しないで上記第2真空チャンバ3内を旋回移動
することができる必要かつ最小限の寸法に設定されてい
る。すなわち、上記板状の本体24の板厚に対応する極
めて狭い幅に設定されている。
【0029】上記プロセス部5〜16は、基板26を第
2真空チャンバ3内の基板保持具21に移載するロード
部5と、その基板26を加熱する加熱部6と、その基板
26に下地膜を成膜する第1および第2の下地膜生成部
7,8と、その基板26に例えば磁気記録媒体となる機
能膜を成膜する機能膜生成部9と、その基板26を冷却
する冷却部10と、その基板26に保護膜を成膜する第
1〜第4の保護膜生成部11〜14と、予備部15と、
アンロード部16とからなる。上記プロセス部5〜16
の内、上記2つの下地膜生成部7,8、機能膜生成部9
および4つの保護膜生成部11〜14によって基板26
に実際に成膜処理を行なうプロセス部が構成され、他の
ロード部5、加熱部6、冷却部10およびアンロード部
16によって上記成膜処理に付随する処理を行なうプロ
セス部が構成される。また、上記予備部15は、成膜処
理に伴う各プロセスが変更された場合の予備として用い
る他、保護膜生成後の冷却部として用いてもよい。
【0030】上記第2真空チャンバ3は、上記基板26
の搬送方向に配設された4対の仕切り壁27a〜27h
によって8つのゾーン3a〜3hに区画されている。す
なわち、上記基板26の搬送方向に対して上記アンロー
ド部16の後側位置の仕切り壁27aと上記ロード部5
の前側位置の仕切り壁27bとによって移載ゾーン3a
が、上記仕切り壁27bと上記第1下地膜生成部7の後
側位置の仕切り壁27cとによって加熱ゾーン3bが、
上記仕切り壁27cと上記第2下地膜生成部8の前側位
置の仕切り壁27dとによって下地膜生成ゾーン3c
が、また、上記仕切り壁27dと上記機能膜生成部9の
後側位置の仕切り壁27eとによって遷移ゾーン3dが
それぞれ区画形成されている。そして、上記仕切り壁2
7eと上記機能膜生成部9の前側位置の仕切り壁27f
とによって機能膜生成ゾーン3eが、上記仕切り壁27
fと第1保護膜生成部11の後側位置の仕切り壁27g
とによって冷却ゾーン3fが、上記仕切り壁27gと上
記第4保護膜生成部14の前側位置の仕切り壁27hと
によって保護膜生成ゾーン3gが、また、上記仕切り壁
27hと上記仕切り壁27aとによって予備ゾーン3h
がそれぞれ区画形成されている。これらの各ゾーン3a
〜3hによって成膜処理のためのマルチチャンバが構成
されている。
【0031】そして、上記各仕切り壁27a〜27hに
は、図4に詳細を示すように、上記各ゾーン3a〜3h
間を連通する貫通開口部であるスリット28が上記環状
スリット4に連続してそれぞれ形成されている。この各
スリット28の開口幅および開口高さは、基板26を保
持した状態の上記各基板保持具21が上記各ゾーン3a
〜3h間を旋回移動するに際して、その各基板26およ
び各基板保持具21の上部が各スリット28を構成する
仕切り壁27a〜27hの相対向端面に接触しないで通
過することができる必要かつ最小限の寸法にそれぞれ設
定されている。すなわち、基板26の板厚および板状の
基板保持具1の厚みに対応する極めて狭い幅に設定され
ている。
【0032】次に、上記各プロセス部5〜16について
詳細に説明する。
【0033】上記ロード部5は、第2真空チャンバ3の
外周側位置に取付けられたロードカセット室29と、こ
のロードカセット室29に相対向して上記第2真空チャ
ンバ3の内周側位置に取付けられたロードロボット室3
0とから構成されている。両室29,30は、共に、上
記第2真空チャンバ3の側が開口されて第2真空チャン
バ3と互いに連通されている。上記ロードカセット室2
9は外部から成膜処理前の複数の基板26,26,…を
載置した図示しないカセットが搬入可能になっており、
また、上記ロードロボット室30にはロードロボット3
0aが内部に収容されている。このロードロボット30
aは1タクトタイム経過ごとに上記カセットから基板2
6を1枚ずつ取り出して上記第2真空チャンバ3内に位
置設定された基板保持具21に移載するようになってい
る。
【0034】上記加熱部6は、図5に詳細を示すよう
に、第2真空チャンバ3を構成する内外周壁の相対向す
る各位置に形成された一対の開口部31,31を覆う一
対のガラス板32,32と、この各ガラス板32を覆う
ように内外周壁に取付けられた一対の箱体33,33
と、この各箱体33の内部に配設された複数のヒータ3
4,34,…とから構成されている。上記各箱体33と
各ガラス板32とに仕切られて加熱チャンバが形成され
ている。上記各ヒータ34の背後には反射板35が付設
され、この各反射板35により上記各ヒータ34から背
後に発せられた熱線を反射させて上記各ガラス板32を
介して基板26の側に向けるようになっている。なお、
同図中、36,36は第2真空チャンバ3を構成するハ
ウジングと第1真空チャンバ1を構成するハウジングと
の間をシールする一対のOリングであり、また、37,
37は上記各ガラス板32と上記第2真空チャンバ3の
ハウジングとの間をシールする一対のOリングである。
【0035】上記2つの下地膜生成部7,8、機能膜生
成部9もしくは保護膜生成部11〜14は、図6に詳細
を示すように、上記第2真空チャンバ3の内外周壁の相
対向する各開口部31を覆うようにそれぞれ絶縁シール
39を介して半径方向両側から相対向して取付けられた
カソード(陰極)となる一対の箱体38,38と、基板
26を挟んで両側の上記各開口部31の内周囲に取付け
られた一対のアノード(陽極)部材40,40と、上記
各箱体38側でそれぞれバッキングプレート41により
保持された一対のターゲット42,42と、上記各箱体
38内にそれぞれ収容された一対の電磁石群43,43
とから構成されている。上記各電磁石群43はヨーク4
4、複数のコイル45,45,…および図示しないコイ
ル電源からなり、また、上記各箱体38には図示しない
スパッタ電源が接続されている。さらに上記各生成ゾー
ン3c,3e,3gには不活性ガスを導入するガス導入
系46が接続されている。なお、上記下地膜生成部7,
8、機能膜生成部9もしくは保護膜生成部11〜14で
は、各成膜成分に応じて異なるターゲット42が取付け
られている。
【0036】そして、上記各生成部7〜9,11〜14
は、上記各電磁石群43の励磁により上記各ターゲット
42の上に円弧状の磁力線を発生させるとともに、スパ
ッタ電源の印加によりプラズマを発生させ、そのプラズ
マ中の不活性ガスイオンを上記各ターゲット42に衝突
させることにより、上記各ターゲット42の金属成分を
スパッタリングさせて上記基板26の表面に成膜するよ
うになっている。
【0037】なお、この実施例では、下地膜、機能膜お
よび保護膜をそれぞれ所定の膜厚に成膜するための各処
理時間がほぼ2:1:4の関係にあることから、最も短
い機能膜の成膜処理時間を1タクトタイムとし、このタ
クトタイムを基準に各膜を所定の膜厚に成膜するため
に、上記下地膜部7,8を2つに、機能膜部9を1つ
に、および保護膜部11〜14を4つにそれぞれ定めて
いる。
【0038】また、上記アンロード部16は、上記ロー
ド部5と同様に、第2真空チャンバ3を挟んで外周側位
置に取付けられたアンロードカセット室47と、内周側
位置に取付けられたアンロードロボット室48とから構
成されている。上記アンロードカセット室47は成膜処
理後の複数の基板26,26,…を載置した図示しない
カセットが搬出可能になっており、また、上記アンロー
ドロボット室48にはアンロードロボット48aが内部
に収容されている。このアンロードロボット48aは1
タクトタイム経過ごとに上記基板保持具21から基板2
6を上記カセットに移載するようになっている。
【0039】次に、上記構成のスパッタリング装置によ
る成膜処理および効果について説明する。
【0040】まず、準備段階で、成膜処理前の複数の基
板26,26…がカセットに載置された状態でロードカ
セット室29に供給されており、1番目のタクトタイム
の間にロードロボット30aにより上記ロードカセット
室29のカセットから1枚の基板26が第2真空チャン
バ3内の基板保持具21に移載される。
【0041】上記タクトタイム経過後、2番目のタクト
タイムに入り、駆動モータ19が駆動されて各アーム2
0が中心軸Xに対して図1の時計方向に30度旋回移動
することにより、上記ロード部5で取込まれた基板26
が仕切り壁27bのスリット28を通って加熱ゾーン3
b内の加熱部6に搬送される。そして、その基板26
は、上記加熱部6で成膜処理に適した所定温度まで昇温
される。これと同時に、上記ロード部5の基板保持具2
1に上記ロードロボット30aにより新たな基板26が
取込まれる。
【0042】上記タクトタイムの経過後、3番目のタク
トタイムに入り、再び上記駆動モータ19が駆動されて
各アーム20は上記時計方向に30度旋回移動される。
これにより、加熱された基板26は仕切り壁27cのス
リット28を通って下地膜生成ゾーン3c内の第1下地
膜生成部7に、ロード部5で取込まれた基板26は仕切
り壁27bのスリット28を通って加熱ゾーン3b内の
加熱部6にそれぞれ搬送される。そして、上記下地膜生
成部7の基板26に1回目の下地膜の成膜処理が行なわ
れ、上記加熱部6の基板26が加熱処理され、および、
ロード部5で新たな基板26が基板保持具21に取込ま
れる。
【0043】4番目のタクトタイムでは、各基板26が
駆動モータ19の駆動により、順次搬送方向前側の各プ
ロセス部8,7,6に仕切り壁27b,27cの各スリ
ット28を通って搬送される。そして、先頭の基板26
は、第2下地膜生成部8において、第1下地膜生成部7
で成膜された下地膜の上にさらに2回目の下地膜の成膜
が行われて、これら2回の下地膜の生成により所定膜厚
にされる。また、2番目の基板26は上記第1下地膜生
成部7で1回目の下地膜の成膜処理が行なわれ、3番目
の基板26が加熱部6で加熱処理されるとともに、ロー
ド部5で新たな基板26が基板保持具21に取込まれ
る。
【0044】5番目のタクトタイムでは、上記各基板2
6がさらに搬送方向前側の各プロセス部9,8,7,6
に搬送されて、各プロセス部9,8,7,6での処理が
行われるとともに、ロッド部5で新たな基板26の取り
込みが行われる。この際、先頭の基板26は仕切り壁2
7dのスリット28を通って遷移ゾーン3dに入り、さ
らに仕切り壁27eのスリット28を通って機能膜生成
ゾーン3eに入り、機能膜生成部9に至る。そして、上
記先頭の基板26は、機能膜生成部9で機能膜の成膜処
理が行われた後、6番目のタクトタイムで仕切り壁27
fのスリット28を通って冷却ゾーン3fに入り、冷却
部10で冷却処理が行われる。
【0045】以後、同様に、上記先頭の基板26はタク
トタイムごとに搬送方向前側の各プロセス部11〜15
に搬送されて、第1〜第4保護膜生成部11〜14で4
回の保護膜生成が行われて所定膜厚まで成膜される。そ
して、12番目のタクトタイムで、上記先頭の基板26
はアンロード部16に至り、ここでアンロードロボット
48aによりアンロードカセット室47のカセットに移
載される。この12番目のタクトタイムの経過後、上記
アンロード部16の空の基板保持具21がロード部5ま
で搬送されて、ここで、その空の基板保持具21に新た
な基板26の取り込みが行われる。そして、以後、同様
に繰り返されて、上記アンロードカセット室47に成膜
処理後の基板26が連続的に取り出される。
【0046】この第1実施例のスパッタリング装置の場
合、前記の構成の如く、第2真空チャンバ3内におい
て、各プロセス部5〜16を独立した密閉構造とするの
ではなく、プロセスの種類ごとに仕切り壁27a〜27
hにより仕切って各ゾーン3a〜3hを区画形成して各
ゾーン3a〜3h内に各プロセス部5〜16を配設して
おり、しかも、各仕切り壁27a〜27hに基板26の
通過に必要かつ最小限の大きさのスリット28をそれぞ
れ形成する構成としている。
【0047】このため、上記基板26の各プロセス部5
〜16間の搬送に際して、図11および図12に示す従
来のスパッタリング装置におけるゲート弁bなどの密閉
手段の開閉操作を行なう必要がなく、上記ゲート弁bの
開閉操作に要する時間分、タクトタイムを短縮すること
ができ、生産能率の向上を図ることができる。しかも、
従来のスパッタリング装置に付設されていた多数のゲー
ト弁b,b,…を省略することができ、装置の構造の簡
略化および省力化を図ることができる上に、それらの保
守点検に要していた時間が不要になるため生産能率の向
上をさらに促進させることができる。
【0048】また、搬送手段2を収容する第1真空チャ
ンバ1と上記第2真空チャンバ3との間に基板保持具2
1が移動するに必要かつ最小限の環状スリット4を形成
する構成としているため、複数のプロセス部5〜16を
円周上に配置しても、基板保持具21を周方向の1方向
のみに移動することにより基板26を上記各プロセス部
5〜16に連続的に搬送することができる。このため、
図12に示す従来のスパッタリング装置における搬送ア
ームiを半径方向および周方向の2方向に移動可能に構
成する必要がないため、搬送手段2の構造の簡略化およ
び省力化を図ることができる。しかも、タクトタイムの
内の搬送時間を上記半径方向の搬送を省略できる分短縮
することができ、生産能率のより一層の向上を図ること
ができる。
【0049】さらに、下地膜生成ゾーン3cと機能膜生
成ゾーン3eとの間は、2つの仕切り壁27d,27e
により仕切られている上に、極めて狭い幅のスリット2
8により連通されているだけであるため、各ゾーン3
c,3e内の各成膜成分を含んだ2種類のガスの互いの
混入を可及的に防止することができる。すなわち、下地
膜生成ゾーン3c内のガスは上記仕切り壁27dのスリ
ット28によりその下地膜生成ゾーン3c内の流路が絞
られて機能膜生成ゾーン3e側への流動が制限され、ま
た、機能膜生成ゾーン3e内のガスは上記仕切り壁27
eのスリット28によりその機能膜生成ゾーン3e内の
流路が絞られて下地膜生成ゾーン3c側への流動が制限
されるからである。また、環状スリット4についても同
様のことがいえるため、上記環状スリット4および第1
真空チャンバ1を介しての各ゾーン3c,3e間のガス
の混入も可及的に防止することができる。しかも、この
場合、上記各ゾーン3c,3eの間には遷移ゾーン3d
が介在されて平衡室としての作用を果たす上に、真空ポ
ンプ17によりこれらの各ゾーン3c,3d,3e内が
環状スリット4を通して真空引きされているため、上記
各ガスの混入をより効果的に防止することができる。
【0050】また、保護膜ゾーン3gと機能膜ゾーン3
eとの間においても、上記下地膜生成ゾーン3cと機能
膜ゾーン3eとの間と同様に、互いのガスの混入を可及
的に防止することができる。すなわち、両ゾーン3g,
3e内の各ガスは二つの仕切り壁27g,27fの各ス
リット28により互いの側への流動が制限され、しか
も、両ゾーン3g,3e間には冷却ゾーン3fが介在さ
れているからである。
【0051】図7および図8は本発明の第2実施例に係
るスパッタリング装置を示し、51は第1真空チャン
バ、52はこの第1真空チャンバ51内に収容された搬
送手段、53a〜53fは上記第1真空チャンバ51の
下面の所定位置に接続された6つの真空ポンプである。
【0052】上記第1真空チャンバ51は、第2真空チ
ャンバ3と同様に、円環状に形成されており、上記第2
真空チャンバ3の下側に同心状に重ねられて取付けられ
ている。そして、上記両真空チャンバ51,3は基板保
持具21aが第2真空チャンバ3に沿って移動可能な極
めて狭い幅の環状スリット4を通して連通されている。
【0053】上記搬送手段52は、上記第1真空チャン
バ51を構成するハウジングの底壁51aの内面に取付
けられた無端の環状ガイドレール54と、このガイドレ
ール54に案内されて周方向に移動する12個の基板保
持具21a,21a,…と、この各基板保持具21aを
上記周方向に移動させる電磁駆動手段55とから構成さ
れている。
【0054】上記ガイドレール54は、上記底壁51a
の内外周側の各位置から上方に突出する一対の環状規制
部材56,56と、この両規制部材56,56により上
記第1真空チャンバ51の半径方向軸の回りに回転可能
に支持された多数のローラ57,57,…とからなり、
上記各基板保持具21aは上記両規制部材56,56に
より半径方向の移動を規制された状態で上記各ローラ5
7の上を所定の円軌跡に沿って移動、案内されるように
なっている。すなわち、各基板保持具21aを、その板
状本体24が環状スリット4を構成する相対向端面と非
接触状態で移動、案内するようになっている。
【0055】上記各基板保持具21aは、上記第2真空
チャンバ3の周方向に等間隔に配設された12個のプロ
セス部5〜16と対応する各位置に等間隔に配置されて
おり、上記電磁駆動手段55により互いの間隔を一定に
保った状態で移動されるようになっている。
【0056】上記電磁駆動手段55は、上記各基板保持
具21aの下面に取付けられた複数の永久磁石58,5
8,…と、上記第1真空チャンバ51を構成する底壁5
1aの外面に第1真空チャンバ51の全周にわたって所
定間隔で取付けられた多数の電磁石59,59,…と、
上記第1真空チャンバ51を構成する両側壁51b,5
1bの外面に第1真空チャンバ51の全周にわたって所
定間隔で取付けられた多数の電磁石60,60,…と、
上記各電磁石59,60に電流を流す図示しない制御系
とからなる。
【0057】上記各永久磁石58は、各基板保持具21
aの搬送方向に対して互いに所定間隔を隔てて、かつ、
磁極を同一方向に向けて配列されている。また、上記各
電磁石59,60はタクトタイムごとに上記制御系から
の電流によりN極とS極とが順次切換えられて上記各永
久磁石58を吸引、反発することにより、上記各基板保
持具21aを環状スリット4に沿って隣接する他のプロ
セス部6〜16,5まで搬送し、かつ、その位置で上記
基板保持具21aを位置固定するようになっている。
【0058】また、上記真空ポンプ53a〜53fは第
1真空チャンバ51および環状スリット4を介した第2
真空チャンバ3のそれぞれを所定の真空状態に保持する
ようになっている。そして、上記真空ポンプ53aが第
2真空チャンバ3の移載ゾーン3aの中央位置と対応す
る位置に、真空ポンプ53bが仕切り壁27cの加熱ゾ
ーン3b側位置と対応する位置に、真空ポンプ53cが
仕切り壁27dの遷移ゾーン3d側位置と対応する位置
に、真空ポンプ53dが仕切り壁27gの冷却ゾーン3
f側位置と対応する位置に、真空ポンプ53eが保護膜
生成ゾーン3gの中央位置と対応する位置に、真空ポン
プ53fが仕切り壁27hの予備ゾーン3h側位置と対
応する位置にそれぞれ配置されている。
【0059】なお、上記スパッタリング装置のその他の
構成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材
には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0060】そして、上記第2実施例の場合、搬送手段
52の駆動を電磁駆動手段55により行ない第1実施例
における駆動モータ19や各アーム20を省略している
ため、第1真空チャンバ51を円環状にすることがで
き、両真空チャンバ51,3の内周側に空間を形成する
ことができる。このため、この空間を利用して上記各プ
ロセス部5〜16の内周側に設置された部分の保守点検
作業を容易かつ迅速に行うことができる。すなわち、成
膜を行なう各プロセス部7〜9,11〜14の内周側の
部分における各ターゲット42の交換、カソードである
各箱体38の修理交換もしくは加熱部6の保守点検作業
を、外周側からのみならず、内周側からも行うことがで
き、これらの作業を容易に行うことができるものであ
る。従って、これらの保守点検作業に要する時間の短縮
化を図ることができ、生産全体の能率の向上を図ること
ができる。
【0061】また、第1真空チャンバ51の容積を第1
実施例の場合と比べて著しく小さくすることができるた
め、その分、用いる真空ポンプ53a〜53fの能力を
小さくすることができ、省力化を図ることができる。ま
た、例えばスパッタリング装置の起動時、あるいはター
ゲット42の交換後スパッタリング装置の運転を再開さ
せるなどの場合、所定の真空状態までに立ち上げるまで
の時間を短縮することができ、この点からも生産全体の
能率のより一層の向上を図ることができる。
【0062】なお、本第2実施例においても、従来のス
パッタリング装置におけるゲート弁b,b,…を省略す
ることによる生産能率の向上、異種プロセス部間でのガ
スの混入防止などという効果を、第1実施例と同様に得
ることができる。この場合、本第2実施例は、上記各真
空ポンプ53a〜53fが成膜処理を行なう各ゾーン3
c,3e,3gの前後などに配置されているため、上記
混入防止をより効果的に図ることができるものである。
【0063】なお、本発明は上記第1および第2実施例
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。すなわち、上記第1および第2実施例
では、円環状の第2真空チャンバ3を用いて各プロセス
部5〜16を円周上に配置しているが、これに限らず、
例えば各プロセス部を一直線状に配置してもよい。この
場合においても、ゲート弁の省略による生産能率の向上
を図ることができる。
【0064】上記第1および第2実施例では、基板26
を鉛直姿勢で各プロセス部5〜16に搬送させて、各プ
ロセス部5〜16を第2真空チャンバ3の内外周の各位
置に配設しているが、これに限らず、例えば上記基板2
6を水平姿勢で搬送させてもよい。この場合、第1およ
び第2真空チャンバを内外周位置に配置するとともに、
各プロセス部を上下位置に配置すればよい。
【0065】上記第1および第2実施例では、仕切り壁
27a〜27hにより各ゾーン3a〜3hに区画形成し
ているが、これに限らず、例えば各プロセス部5〜16
ごとに仕切り壁を設けてもよい。
【0066】上記第1実施例では、12のプロセス部5
〜16を配設して12本のアーム20,20…を設けて
いるが、これに限らず、プロセス部の数を増減した場
合、そのプロセス部と同数となるようにアームの数を増
減すればよい。
【0067】上記第1実施例では、搬送手段2としてプ
ロセス部と同数のアーム20,20,…を備えるように
構成しているが、これに限らず、例えば1本以上のアー
ムを備えるように構成してもよい。
【0068】また、上記第2実施例では、基板保持具2
1aを各ローラ57に接触した状態で移動させるように
構成しているが、これに限らず、例えば上記各ローラ5
7を省略して上記基板保持具21aを浮上させた状態で
移動させるように構成してもよい。この場合、各電磁石
59の磁極を各永久磁石58の磁極と同期させて変化さ
せればよい。
【0069】さらに、第2実施例では、第1および第2
真空チャンバ51,3に分けて構成しているが、これに
限らず、1つの円環状の真空チャンバにより構成しても
よい。この場合、搬送手段52の搬送方向の投影面積を
十分に小さいものにして、スリット28の拡大を十分に
抑制すればよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるマルチチャンバ式スパッタリング装置によれ
ば、各プロセス部間を、従来のスパッタリング装置にお
けるゲート弁の代わりに、所定の大きさに絞った貫通開
口部を有する仕切り壁を用いて仕切っているため、基板
の各プロセス部間の搬送に際して、従来のスパッタリン
グ装置におけるゲート弁の開閉操作を省略することがで
きる。これにより、上記ゲート弁の開閉操作に要する時
間分、タクトタイムを短縮することができ、生産能率の
向上を図ることができる。しかも、従来のスパッタリン
グ装置に付設されていた多数のゲート弁を省略すること
ができ、装置の構造の簡略化および省力化を図ることが
できる上に、それらの保守点検に要していた時間が不要
になるため生産能率の向上を図ることができる。
【0071】しかも、各プロセス部の間を連通する貫通
開口部は、極めて小さい大きさに絞られているため、各
プロセス部間のガスの流動を抑制することができ、各プ
ロセス部内で異なる種類の成膜処理を行なう場合でも、
各成膜成分を含んだ2種類のガスの互いの混入を可及的
に防止することができる。
【0072】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、各アームに基板を保
持させて旋回させることにより、すべてのプロセス部で
同時に成膜処理を行うことができるため流れ生産方式で
基板の連続生産を行うことができ、生産能率をより向上
させることができる。
【0073】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明による効果に加えて、各基板を1つの円軌
跡に沿って搬送するだけで各プロセス部間への移動を行
うことができるため、従来のスパッタリング装置の如く
アームを半径方向および周方向の2方向に移動させる必
要がなく、搬送手段の構成の簡略化および省力化を図る
ことができる上に、アームの半径方向移動を省略できる
分、タクトタイムを短縮することができ、生産能率の向
上を図ることができる。しかも、環状スリットにより第
2真空チャンバ側の各プロセス部から第1真空チャンバ
側へのガスの流動を抑制することができ、そのガスの混
入防止を可及的に図ることができる。
【0074】また、請求項4記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明による効果に加えて、第1および第
2の両真空チャンバの内周側に空間を形成することがで
きるため、この空間を利用して各プロセス部の保守点検
作業もしくは成膜用ターゲットの交換作業などを容易に
行うことができる。従って、これらの保守点検作業など
に要する時間の短縮化を図ることができ、生産全体の能
率の向上に寄与することができる。
【0075】また、第1真空チャンバを円環状にするこ
とにより、同じ外径の円筒状に構成する場合と比べて、
第1真空チャンバの容積を著しく小さくすることができ
るため、真空ポンプの作動における省力化、または、装
置の起動に要する時間の短縮化を図ることができる。従
って、運転開始時、または成膜用ターゲットの交換後の
運転再開などに要する時間の短縮化を図ることができ、
生産全体の能率のより一層の向上を図ることができる。
【0076】さらに、請求項5記載の発明によれば、電
磁駆動手段を用いることにより、上記請求項4記載の発
明による効果を容易かつ確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面構成図である。
【図2】図1のほぼ中央に沿った縦断面図である。
【図3】図2のA−A線における一部省略拡大断面図で
ある。
【図4】図1の部分拡大図である。
【図5】図1のB−B線における拡大断面図である。
【図6】図1のC−C線における拡大断面図である。
【図7】第2実施例の図1相当図である。
【図8】第2実施例の図2相当図である。
【図9】図8の一部省略拡大図
【図10】図8のD−D線における拡大断面図である。
【図11】従来のスパッタリング装置を示す平面構成図
である
【図12】従来の他のスパッタリング装置を示す平面構
成図である。
【符号の説明】
1,51 第1真空チャンバ 2,52 搬送手段 3 第2真空チャンバ 4 環状スリット 5 ロード部(プロセス部) 6 加熱部(プロセス部) 7 第1下地膜生成部(プロセス部) 8 第2下地膜生成部(プロセス部) 9 機能膜生成部(プロセス部) 10 冷却部(プロセス部) 11 第1保護膜生成部(プロセス部) 12 第2保護膜生成部(プロセス部) 13 第3保護膜生成部(プロセス部) 14 第4保護膜生成部(プロセス部) 15 予備部(プロセス部) 16 アンロード部(プロセス部) 20 アーム 21 基板保持具(アームの先端部) 21a 基板保持具 27a〜27h 仕切り壁 28 スリット(貫通開口部) 51a 底壁(第1真空チャンバを構成する壁部) 51b 側壁(第1真空チャンバを構成する壁部) 55 電磁駆動手段 59,60 電磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢瀬 文彦 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 松田 紀元 兵庫県西宮市田近野町6番107号 新明和 工業株式会社開発技術本部内 (72)発明者 砂川 道夫 兵庫県西宮市田近野町6番107号 新明和 工業株式会社開発技術本部内 (72)発明者 滝川 志朗 兵庫県宝塚市新明和町1番1号 新明和工 業株式会社産業機械事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバと、 この真空チャンバ内に設けられて基板を搬送する搬送手
    段と、 上記真空チャンバ内の上記基板の搬送方向に配設されて
    基板への成膜処理を行なう複数のプロセス部とを備えて
    おり、 上記複数のプロセス部は少なくとも異なる種類ごとに仕
    切り壁により仕切られており、この各仕切り壁には上記
    基板の搬送方向への通過に要する必要かつ最小限の大き
    さに絞られた貫通開口部が形成されていることを特徴と
    するマルチチャンバ式スパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 複数のプロセス部が円周方向に等間隔に
    配置されており、 搬送手段が上記プロセス部と同数のアームであって、旋
    回により基板を上記複数プロセス部に沿って搬送するア
    ームを備えており、 この各アームは真空チャンバの中央部に位置付けられた
    旋回中心から放射方向に延ばされかつ上記複数のプロセ
    ス部の各位置に対応して等間隔に配置されている請求項
    1記載のマルチチャンバ式スパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 搬送手段が収容される円筒状の第1真空
    チャンバと、この第1真空チャンバに同心状に結合され
    て複数のプロセス部が形成される円環状の第2真空チャ
    ンバと、上記第1および第2の真空チャンバを互いに連
    通する無端の環状スリットとを備えており、 上記搬送手段の各アームの先端部が上記環状スリットを
    貫通して上記第2真空チャンバ側に突出されており、上
    記環状スリットの開口幅が上記各アームの先端部の移動
    に要する必要かつ最小限の幅に設定されている請求項2
    記載のマルチチャンバ式スパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 搬送手段が収容される円環状の第1真空
    チャンバと、この第1真空チャンバに同心状に結合され
    て複数のプロセス部が形成される円環状の第2真空チャ
    ンバと、上記第1および第2の真空チャンバを互いに連
    通する無端の環状スリットとを備えており、 上記搬送手段は、上記環状スリットを貫通して上記第2
    真空チャンバ側に突出した状態で上記環状スリットに沿
    って基板を上記各プロセス部に搬送する複数の基板保持
    具を備え、この各基板保持具が上記各プロセス部と同数
    でかつ各プロセス部と同じ間隔に位置付けられており、
    上記環状スリットの開口幅が上記各基板保持具の移動に
    要する必要かつ最小限の幅に設定されている請求項1記
    載のマルチチャンバ式スパッタリング装置。
  5. 【請求項5】 搬送手段が、基板保持具を磁力により移
    動させる電磁駆動手段を備えており、この電磁駆動手段
    は上記基板保持具と第1真空チャンバを構成する壁部と
    の間に介装されて上記基板保持具の搬送方向に配列され
    た複数の電磁石を備えている請求項4記載のマルチチャ
    ンバ式スパッタリング装置。
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