JP2000273631A - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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JP2000273631A
JP2000273631A JP11079641A JP7964199A JP2000273631A JP 2000273631 A JP2000273631 A JP 2000273631A JP 11079641 A JP11079641 A JP 11079641A JP 7964199 A JP7964199 A JP 7964199A JP 2000273631 A JP2000273631 A JP 2000273631A
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film
film forming
chamber
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forming
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JP11079641A
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English (en)
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Kiyoshi Takao
潔 高尾
Hiroshi Ikeda
浩 池田
Tadashi Watanabe
正 渡邊
Nobuyoshi Toyohara
延好 豊原
Takeshi Kawamata
健 川俣
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜を行う成膜室内の真空度を保ったままで
成膜材料の交換を行う。 【解決手段】 成膜室2内に設けられたカソード3,4
上に載置された成膜材料7,8をスパッタリングして基
板11上に薄膜を形成する。成膜室2の真空度を維持し
ながら、カソード3,4上に載置された使用済みの板状
の成膜材料7,8を取り外し、新たな板状の成膜材料
7,8を載置して交換する交換手段21,22を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】本発明は、成膜室内にセットした成膜材
料をスパッタリングして基板上に薄膜を形成するスパッ
タリング装置に関する。
【0002】基板の表面に薄膜を形成するためには、磁
界を用いたマグネトロンスパッタリング法やイオンビー
ムを用いたイオンビームスパッタリング法などのスパッ
タリングが従来よりなされている。このスパッタリング
を用いることにより、基板を加熱することなく、その表
面に密着性の優れた薄膜を形成できるため、プラスチッ
ク等の耐熱性の低い材料を基板とすることができると共
に、成膜中の監視を行う必要がないため、装置の自動化
が容易となる効果がある。
【0003】かかるスパッタリングでは、基板の表面に
形成する薄膜の材料として成膜材料(ターゲット)が用
いられるが、この成膜材料は板状に形成されているのが
通常である。この板状の成膜材料は薄膜の形成を繰り返
すと、その一部が局所的に消耗して基板における膜質が
低下するため、新しい成膜材料と交換する必要が生じ
る。また、1台のスパッタリング装置によって、基板に
異なる種類の薄膜を形成する場合にも、成膜材料を交換
する必要が生じる。この成膜材料の交換をするには、成
膜室を大気に開放して行わねばならず、このため装置の
稼働効率が低下する要因となっている。
【0004】特開平5−39567号公報には、このよ
うな板状の成膜材料を交換するための従来の構造が記載
されている。この構造は、隔壁によって仕切られた予備
室を成膜室に連結し、成膜室内には第1の電極に固定さ
れた第1の板状の成膜材料を設ける一方、予備室内に第
2の電極に固定された第2の板状の成膜材料を配置する
ものである。そして、消耗した第1の成膜材料と第1の
電極とを、第2の成膜材料と第2の電極とに置き換える
ものであり、これにより、成膜室の真空を破ることなく
板状の成膜材料の交換が可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる特開平5−39
567号公報の構造では、板状の成膜材料を電極に固定
した状態で交換する構造となっている。しかしながら、
電極にはスパッタリング用電力を供給するための配線や
電極冷却用の冷却水の配管などの付帯部材が設けられて
いる。このため、板状の成膜材料を電極に固定した状態
で交換するには、成膜室内の電力供給用配線や冷却用配
管などの付帯部材も同時に移動可能とする必要がある。
これにより、装置が複雑化するばかりでなく、成膜室内
での水漏れ、漏電等に対する対策も高度に要求される問
題を有している。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、カソード上に載置されたスパッタリ
ングに使用する板状の成膜材料を、成膜室の真空を破る
ことなく、しかも簡単な構造で交換することができ、こ
れにより生産効率の高いスパッタリング装置を供給する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、成膜室内に設けられたカソード
上に載置された成膜材料をスパッタリングして基板上に
薄膜を形成するスパッタリング装置において、前記成膜
室の真空度を維持しながら、前記カソード上に載置され
た使用済みの成膜材料を取り外し、新たな成膜材料を載
置して交換する交換手段を備えていることを特徴とす
る。
【0008】この発明では、交換手段が使用済みの成膜
材料をカソードから取り外すと共に、新たな成膜材料を
カソードに載置して交換するが、この交換を成膜室の真
空度を維持した状態で行う。従って、成膜材料の交換時
に成膜室を大気に開放する必要がなく、成膜室の真空を
破る必要がなくなる。これにより、生産効率を向上させ
ることができる。又、交換手段は成膜材料だけを交換す
るため、電極や電極に付帯している付帯部材を交換する
必要がなく、簡単な構造での交換が可能となると共に、
水漏れ対策や漏電対策が不要となる。
【0009】請求項2の発明は、成膜室内に設けられた
カソード上に載置された成膜材料をスパッタリングして
基板上に薄膜を形成するスパッタリング装置において、
前記成膜室の真空度を維持しながら、前記カソード上に
載置された使用済みの板状の成膜材料を取り外し、新た
な板状の成膜材料を載置して交換する交換手段を備えて
いることを特徴とする。
【0010】この発明においても、請求項1と同様に作
用することができるが、板状の成膜材料を用いるため、
板状の成膜材料の交換を迅速に行うことができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項2記載の発明で
あって、前記新たな板状の成膜材料を積層状態で収容す
るストッカーと、前記使用済みの板状の成膜材料を収容
するストッカーが前記成膜室内に設けられていることを
特徴とする。
【0012】この発明では、板状の成膜材料を成膜室内
のストッカーに積層して収容可能としたので、成膜室を
大型化させることなく、成膜室内に一度に収容する板状
の成膜材料の数が飛躍的に増大する。従って、生産効率
を大幅に向上させることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1〜図4は本
発明の実施の形態1を示し、図1はスパッタリング装置
1の縦断面図、図2はその平面からの断面図、図3は成
膜材料を交換する機構部分の断面図、図4は成膜材料を
交換する状態の斜視図である。
【0014】図1に示すように、スパッタリング装置1
は成膜時に内部が真空状態となる成膜室2を備えてい
る。成膜室2の内部下方には複数のマグネットからなる
磁界発生部を固定した箱状の2個のマグネトロンカソー
ド3,4(以下、カソード)が配置されている。2個の
カソード3,4は成膜室2の中心軸2Aを挟んだ対称位
置に配置されるものである。
【0015】一方、成膜室2の外にはカソード3,4に
スパッタリング電力を供給する直流電源9が配置されて
いる。直流電源9の負電極は切り替えスイッチ10を介
して、2個のカソード3,4の内の任意の一方と電気的
に接続される一方、その正電極はアースされている。
又、直流電源9の負電極と接続されていない他方のカソ
ード3,4は切り替えスイッチ10を介してアースに接
続されている。
【0016】カソード3,4の上部には、銅製のバッキ
ングプレート5,6がそれぞれ固定されている。このバ
ッキングプレート5,6は、不図示の冷却水供給源から
供給される冷却水を循環させるための空間を内部に有し
ている。又、バッキングプレート5,6の上部は平面状
に形成されており、その上には成膜材料7,8がそれぞ
れ載置可能となっている。それぞれのカソード3,4に
対しては、異なる種類の成膜材料7,8が用いられてお
り、これにより多層薄膜の形成を行うことが可能となっ
ている。
【0017】成膜材料7は図4に示すように、略円盤状
の板状に成形されており、その外周面の上部には、鍔部
7Aがそれぞれ形成されている。この鍔部7Aは成膜材
料7,8を搬送する際に係止される係止部分となるもの
である。なお、図4では成膜材料7だけを示している
が、成膜材料8にも同様な鍔部8A(図示省略)が形成
されている。
【0018】成膜室2内の上部であって2個のカソード
3,4と対向する位置には、薄膜を形成する対象となる
基板11を着脱自在に支持する基板ホルダー12が固定
されている。また、成膜室2の側壁上部には、遮蔽手段
としてのゲートバルブ23を介して、成膜前および成膜
後の基板11を一時的に保管するための予備室である取
り出し室24が設けられている。
【0019】さらに、この取り出し室24の側壁であっ
てゲートバルブ23が設けられた面と反対の面には、取
り出し室24内に基板11を出し入れするための扉25
が設けられている。このように成膜室2と取り出し室2
4との間にゲートバルブ23を設けることにより、これ
らの間を必要に応じて遮蔽することができる。さらに、
成膜室2と取り出し室24とを各々独立に真空排気する
ため、これらの室2,24は電磁バルブ53を有した管
路54を介して真空ポンプ55と接続されている。な
お、成膜室2の側壁には、図2に示すように、成膜材料
7,8を出し入れするための扉26が開閉自在に設けら
れている。
【0020】成膜室2の内部には、図2及び図3で示す
ように供給用ストッカー13,14及び排出用ストッカ
ー15、16が配置されている。これらのストッカー1
3,14,15,16及び上述したカソード3,4(す
なわち、バッキングプレート5,6)は図2に示すよう
に、成膜室2の中心軸2Aを中心とした半径Rの円の円
周上に配置されるものである。
【0021】供給用ストッカー13,14は新たな成膜
材料7,8をそれぞれ積層状態で収容するものであり、
排出用ストッカー15,16は成膜に使用された使用済
みの成膜材料7,8をそれぞれ積層状態で収容するもの
である。この場合、供給用ストッカー13及び排出用ス
トッカー15は一方のバッキングプレート5の両側に配
置されており、供給用ストッカー13内の新たな成膜材
料7がバッキングプレート5に供給され、使用済みの成
膜材料7がバッキングプレート5から排出用ストッカー
15に収納される。これに対し、供給用ストッカー14
及び排出用ストッカー16は他方のバッキングプレート
6の両側に配置されており、供給用ストッカー14内の
新たな成膜材料8がバッキングプレート6に供給され、
使用済みの成膜材料8がバッキングプレート6から排出
用ストッカー16に収納される。
【0022】供給用ストッカー13,14及び排出用ス
トッカー15,16には、成膜材料7,8をそれぞれの
ストッカーの内部で上下動させる駆動手段17,19が
設けられている。すなわち供給用ストッカー13の駆動
手段17は、図3に示すように、成膜室2の底壁から供
給用ストッカー13の内部に挿入されたシリンダからな
り、排出用ストッカー15の駆動手段19は成膜室2の
底壁から排出用ストッカー15の内部に挿入されたシリ
ンダからなっている。図示を省略するが、供給用ストッ
カー14及び排出用ストッカー16にも同様な駆動手段
17,19が設けられるものである。
【0023】さらに、成膜室2内の中心部分には、成膜
材料7,8を搬送する搬送機構21が設けられている。
搬送機構21は図2及び図3に示すように、成膜室2の
中心軸2Aに設けられるものであり、旋回作動及び上下
作動が可能な搬送アーム22を備えている。図示を省略
するが、旋回作動を行う部材としては、例えば、回転角
度の制御が可能なサーボモータを用いることができ、上
下作動を行う部材としては、例えば油圧或いは空圧のシ
リンダを用いることができる。そして、このシリンダの
シリンダロッドに搬送アーム22を取り付けることによ
り、搬送アーム22が旋回運動及び上下運動を行うこと
ができる。なお、シリンダとモータの組み付け順序は替
えても良いものである。かかる搬送アーム22の先端に
は、図4に示すように成膜材料7,8の鍔部7A,8A
を下から支えるU字状の係止部22Aが形成されてい
る。
【0024】このような搬送機構21は、成膜材料7,
8を一枚ずつ供給用ストッカー13,14内からバッキ
ングプレート5、6上へ、また更にバッキングプレート
5、6上から排出用ストッカー15、16内へ移動させ
る交換手段として機能するものである。
【0025】次に、このスパッタリング装置1を用いて
基板11上に薄膜を形成する方法を説明する。
【0026】まず、成膜室2の扉26を開け、1個もし
くは2個以上の成膜材料7,8を収容した供給用ストッ
カー13、14と、空の排出用ストッカー15,16と
を成膜室2内にセットする。次に、扉26とゲートバル
ブ23を閉じて成膜室2内を真空ポンプ55によりスパ
ッタリングが可能な真空度になるまで排気する。この排
気動作と同時に、最初の成膜材料7,8をバッキングプ
レート5,6上に供給する動作を行う。
【0027】この供給動作は、まず駆動手段17により
供給用ストッカー13内に積層された成膜材料7を上動
させて、最上段の成膜材料7を図3に示すように取り出
し高さになるように位置させる。次に、搬送機構21の
搬送アーム22を図2の矢印Aで示す時計回りに旋回さ
せ、搬送アーム22先端の係止部22Aを最上段の成膜
材料7の鍔部7Aの下に挿入する。そして、搬送機構2
1により搬送アーム22を上昇させ、最上段の成膜材料
7を係止部22Aに係止状態で載せて持ち上げる(図3
の鎖線で示した状態)。この状態で搬送アーム22を再
度、時計回りに旋回させ、バッキングプレート5上で停
止させる(図1の鎖線で示した状態)。そして、搬送機
構21により搬送アーム22を下降させ、成膜材料7を
バッキングプレート5上に載置した後(図1の実線で示
した状態)、搬送アーム22を図2の矢印Bで示す反時
計回りに旋回させ、バッキングプレート5上から退避さ
せる。成膜材料8についても、同様の動作を行う。
【0028】次に、成膜する基板11を基板ホルダー1
2に取り付けるための搬入は、まず、取り出し室24の
扉25を開き、この取り出し室24の供給アーム(図示
省略)に新しい基板11をセットする。そして、扉25
を閉じ、真空ポンプ55により取り出し室24内を排気
する。
【0029】この排気によって取り出し室24の真空度
が成膜室2内の真空度と略等しくなったとき、ゲートバ
ルブ23を開き、供給アームによって基板11を図1の
矢印a方向に搬送して基板ホルダー12に取り付ける。
その後、供給アームを取り出し室24内に戻してゲート
バルブ23を閉じる。
【0030】以上によって成膜準備が完了し、成膜準備
の完了後に成膜作業を開始する。まず、切り替えスイッ
チ10により、カソード3を直流電源9の負電極と接続
する一方、カソード4をアースに接続する(図1の実線
で示した状態)。そして、カソード3にスパッタリング
電力を所定時間供給し、基板11に対して1層目の成膜
作業を行う。
【0031】次に、切り替えスイッチ10を切り替え
て、カソード4を負電極と接続する一方、カソード3を
アースと接続する(図1の破線で示した状態)。そし
て、カソード4にスパッタリング電力を所定時間供給
し、基板11に2層目の成膜作業を行う。以下、同じ作
業を数回繰り返し行い、所望の多層薄膜を基板11に形
成する。
【0032】この成膜作業と並行して、次に成膜する基
板11を準備するために、取り出し室24内を一旦、不
図示のリーク弁を介してリークして大気圧に戻し、扉2
5を開けて新たな基板11を取り出し室24内に入れた
後、扉25を閉め、再度取り出し室24の真空排気を行
う。
【0033】上述した1枚の基板11に対する成膜作業
を終了すると、ゲートバルブ23を開いて、供給アーム
により成膜済みの基板11を基板ホルダー12から取り
外して取り出し室24に戻すとともに、新たな基板11
を図1の矢印aで示すように搬送して基板ホルダー12
に取り付け、ゲートバルブ23を閉じ、2枚目以降の基
板11に対する成膜作業を繰り返す。
【0034】以上の作動によって数十枚の基板の成膜作
業を繰り返して行う。この成膜作業によって成膜材料
7,8が局部的に減少、すなわち薄くなり、最終的には
穴が開き、その結果、均質な薄膜を形成することができ
なくなる。この段階で成膜材料7,8の交換を行う。
【0035】成膜材料7,8の交換作業は、一旦成膜作
業を中止して行う。この交換作業は成膜室2内を真空状
態に保ったままで、すなわち成膜室を大気に開放するこ
となく行うものである。まず、搬送機構21により、搬
送アーム22を図2の矢印Aで示す時計方向に旋回さ
せ、搬送アーム22の係止部22Aをバッキングプレー
ト5上の成膜材料7の鍔部7Aの下に挿入する。次に、
搬送機構21により搬送アーム22を上昇させ、成膜材
料7を係止部22Aに載せて持ち上げる。
【0036】そして、再度、搬送アーム22を時計回り
に旋回させ、排出用ストッカー15上で停止させる。搬
送機構21により搬送アーム22を下降させ、成膜材料
7を排出用ストッカー15内に積層された使用済み成膜
材料7の最上段に載置し、その後、図1の矢印Bで示す
反時計回りに旋回させ、排出用ストッカー15上から搬
送アーム22を退避させる。搬送アーム22が退避した
後、排出用ストッカー15の駆動機構19により、排出
用ストッカー15内の積層された使用済み成膜材料7を
下降させる。
【0037】成膜材料8に対しては、同様の動作によっ
てバッキングプレート6から使用済みの成膜材料8を排
出用ストッカー16に収容する。これらによって、バッ
キングプレート5,6上のそれぞれの使用済み成膜材料
7,8を排出させる。
【0038】次いで、上述と同様な作動によって新しい
成膜材料7,8をバッキングプレート5,6上に供給す
る。これにより成膜材料7,8の交換作業を完了し、新
たな成膜材料7,8を使用した成膜を行う。
【0039】このような実施の形態によれば、成膜材料
7,8の交換の都度に成膜室2を大気圧まで戻す必要が
ないので、短時間で成膜材料7,8を交換できる。また
使用前後の成膜材料を供給用ストッカー13,14及び
排出用ストッカー15,16に積層して保管するため、
成膜室の限られた空間内に数多くの成膜材料を保管でき
る。さらに、成膜材料を搬送機構21の搬送アーム22
によって一旦持ち上げてから搬送するため、搬送時に成
膜材料が機構部材や他の成膜材料と擦れて、破損や発塵
することなく交換を行うことができる。また、この実施
の形態では、2種類の成膜材料を1基の搬送機構21で
搬送可能としているため、安価で、信頼性が高く、生産
性の高いスパッタリング装置とすることができる。
【0040】なお、この実施の形態では、2種類の成膜
材料7,8を2つのカソード5,6の上に載置して成膜
しているが、成膜室内に1つのカソードを備える場合に
は、1種類の成膜材料を供給ストッカーから供給すると
共に、使用済みの成膜材料を排出用ストッカーに排出し
ても良い。又、成膜室内に3以上のカソードを備える場
合には、その数のカソードに対応した供給用ストッカー
及び排出用ストッカーを設けることにより、成膜が可能
となる。
【0041】さらに、成膜材料として板状のものを使用
し、この板状の成膜材料の上部側面に鍔部を形成して交
換を行っているが、下部側面に鍔部を有した容器を用
い、この容器内に板状の成膜材料を充填しても良く、顆
粒状あるいは粒子状や塊状の成膜材料を充填しても良
い。
【0042】(実施の形態2)図5及び図6は本発明の
実施の形態2を示し、図5はスパッタリング装置の断面
図、図6はその平面からの断面図であり、実施の形態1
と同一の部材には同一の符号を付してある。
【0043】スパッタリング装置31における成膜室3
2は平面円形となっており、その内部には、複数のマグ
ネットからなる磁界発生部を固定した箱状の2個のカソ
ード3,4がその中心軸32Aを挟んで対称に配置され
ており、各カソード3,4の上部には、銅製のバッキン
グプレート5,6が固定されている。又、成膜室32の
側壁には、成膜材料の搬入を行う扉39が設けられてい
る。
【0044】成膜室32の外には、カソード3及びカソ
ード4のそれぞれにスパッタリング電力を供給する直流
電源9及び高周波電源33が独立状に配置されている。
直流電源9はその負電極がカソード3と電気的に接続さ
れ、正電極がアースされている。又、高周波電源33の
一方の電極はカソード4と電気的に接続され、他方の電
極はアースされている。
【0045】成膜室32の上面の中央部分には、遮蔽手
段としてのゲートバルブ34を介して副室35が連通さ
れている。この副室35には、薄膜が形成される基板1
1を着脱自在に支持する基板ホルダー12が固定されて
いる。また、副室35の側壁には、副室35内に対して
基板11を出し入れするための扉36が設けられてい
る。このように成膜室32と副室35との間にゲートバ
ルブ34を設けることにより、それらの間を必要に応じ
て遮蔽することができる。従って、各室32及び35を
電磁バルブ53を有した管路54を介して真空ポンプ5
5と接続することにより、成膜室32と副室35とを各
々独立に真空排気することが可能な構造となっている。
【0046】成膜室32内の中央部分であって、2個の
カソード3、4の中間には、成膜材料の交換を行う交換
手段としての材料交換機構37が設けられている。材料
交換機構37は、実施の形態1と同様な回転動作を行う
回転手段及び上下動手段(図示省略)を備えている。そ
して、この材料交換機構37にはこれらの手段を介して
円盤38が取り付けられており、円盤38は成膜室32
の中心軸32Aを中心として回転及び上下動を行うこと
ができる。
【0047】又、円盤38には、中心軸32Aからカソ
ード3,4の中心までの距離Rを半径とした円周上に、
等間隔に複数の収容穴38Aが厚さ方向に貫通してい
る。各収容穴38Aには円盤形状となっている板状の成
膜材料40A、40Bが収容される。この場合、収容穴
38Aの下面部分の径は、成膜材料40A、40Bのよ
りも小さな径となっており、これにより、収容した成膜
材料の落下が防止されている。
【0048】このスパッタリング装置31を用いて基板
11上に薄膜を形成するには、まず、成膜室32の扉3
9を開け、円盤38の収容穴38Aに1枚ずつ、2種類
の成膜材料40A,40Bを落とし込みによってセット
する。このとき、中心軸32Aを挟んだ対称の位置とな
るように2種類の成膜材料40A,40Bをそれぞれセ
ットする。
【0049】次に、扉39とゲートバルブ34を閉じて
成膜室32内を真空ポンプ55によりスパッタリングが
可能な真空度になるまで排気する。この排気動作と同時
に、最初の成膜材料40A,40Bをバッキングプレー
ト5,6上に載置する動作を行う。
【0050】この動作は、材料交換機構37によって円
盤38を回転させ、所定の成膜材料40A,40Bがバ
ッキングプレート5,6上に達したところで回転を停止
させ、その後、円盤38を下降させて成膜材料40A,
40Bをバッキングプレート5,6上に載置する。この
とき、円盤38は成膜材料40A,40Bおよびバッキ
ングプレート5,6とは、なんら接触しておらず、電気
的に絶縁されている。
【0051】次に、副室35の扉36を開き、内部の基
板ホルダー12に新しい基板11をセットする。このセ
ットの後、扉36を閉じ、真空ポンプ55により副室3
5内を排気し、副室35の真空度が成膜室32内の真空
度とほぼ等しくなった時点で、ゲートバルブ34を開
く。これにより成膜の準備が完了し、基板11に対して
成膜を行う。
【0052】成膜は一方のカソード3に直流電源9から
スパッタリング電力を所定時間供給し、基板11に1層
目の成膜を行う。次に、他方のカソード4に高周波電源
33からスパッタリング電力を所定時間供給し、基板1
1に2層目の成模作業を行う。以下、同じ作業を数回繰
り返すことによって所望の多層薄膜を基板11に形成す
る。
【0053】この成膜を数十枚の基板11に対して繰り
返して行うと、成膜材料40A,40Bが局部的に減少
して薄くなり、最終的には穴が開いて、均質な薄膜を形
成することができなくなる。この時点で成膜材料40
A、40Bの交換を行う。
【0054】成膜材料40A,40Bの交換作業は、成
膜作業を一旦中止して行うが、成膜室32内を所定の真
空度に保ったままで行う。まず、材料交換機構37によ
り円盤38を上昇させ、バッキングプレート5,6上の
使用済み成膜材料40A,40Bを持ち上げる。次に、
材料交換機構37により円盤38を回転させ、次の成膜
材料40A,40Bをバッキングプレート5,6上に搬
送する。この回転停止後、円盤38を下降させ、新しい
成膜材料40A,40Bをバッキングプレート5,6に
載置する。これによって新たな成膜材料40A,40B
への交換作業を完了する。
【0055】このような実施の形態によれば、円盤38
の同一円周上に成膜材料40A、40Bを並べてあるた
め、円盤38の1回の回転で一度に2個の成膜材料を交
換できる。このため、成膜材料の交換を迅速に行うこと
ができる。
【0056】なお、この実施の形態では2種類の成膜材
料のみを使用したが、1度に3種類以上の成膜材料を設
置することも可能であり、これにより多種多様な多層薄
膜を形成できる。また、2個のカソード3,4に対し
て、直流電源と高周波電源とからスパッタリング電力を
交互に供給したが、1個のカソード、すなわちどちらか
一方の電源を使用し、1層の成膜終了の度に、違う種類
の成膜材料に交換して多層薄膜を形成することも可能で
ある。これにより、多層薄膜の膜種に合わせて、成膜材
料およびスパッタリング電源の種類を任意に選ぶことが
できるため、極めて自由度が高くなり、多品種少量生産
に対応することが可能となる。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、成膜材料の交
換を成膜室の真空度を維持した状態で行うため、成膜材
料の交換時に成膜室を大気に開放する必要がなく、生産
効率を向上させることができる。又、交換手段は成膜材
料だけを交換するため、電極や電極に付帯している付帯
部材を交換する必要がなく、簡単な構造での交換が可能
となると共に、水漏れ対策や漏電対策が不要となる。
【0058】請求項2の発明によれば、板状の成膜材料
の交換を迅速に、しかも簡単に行うことができる
【0059】請求項3の発明によれば、板状の成膜材料
を成膜室内のストッカーに積層状に収容するため、成膜
室を大型化させることなく、成膜室内に収容する板状の
成膜材料の数が飛躍的に増大し、生産効率を大幅に向上
させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のスパッタリング装置の
断面図である。
【図2】成膜室の平面からの断面図である。
【図3】交換手段を示す図2におけるF−F線断面図で
ある。
【図4】交換手段の作用を説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2のスパッタリング装置の
断面図である。
【図6】実施の形態2の成膜室の平面からの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 31 スパッタリング装置 2 32 成膜室 7 8 40A 40B成膜材料 13 14 供給用ストッカー 15 16 排出用ストッカー 21 搬送機構 37 材料交換機構
フロントページの続き (72)発明者 渡邊 正 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 豊原 延好 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 川俣 健 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BB02 CA05 DA02 DC12 DC16 DC21 DC25 DC39 JA01 KA01 KA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜室内に設けられたカソード上に載置
    された成膜材料をスパッタリングして基板上に薄膜を形
    成するスパッタリング装置において、 前記成膜室の真空度を維持しながら、前記カソード上に
    載置された使用済みの成膜材料を取り外し、新たな成膜
    材料を載置して交換する交換手段を備えていることを特
    徴とするスパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 成膜室内に設けられたカソード上に載置
    された成膜材料をスパッタリングして基板上に薄膜を形
    成するスパッタリング装置において、 前記成膜室の真空度を維持しながら、前記カソード上に
    載置された使用済みの板状の成膜材料を取り外し、新た
    な板状の成膜材料を載置して交換する交換手段を備えて
    いることを特徴とするスパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 前記新たな板状の成膜材料を積層状態で
    収容するストッカーと、前記使用済みの板状の成膜材料
    を収容するストッカーが前記成膜室内に設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載のスパッタリング装置。
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