JPH05326242A - フェライト焼結体、チップインダクタ部品、複合積層部品および磁心 - Google Patents

フェライト焼結体、チップインダクタ部品、複合積層部品および磁心

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JPH05326242A
JPH05326242A JP4148517A JP14851792A JPH05326242A JP H05326242 A JPH05326242 A JP H05326242A JP 4148517 A JP4148517 A JP 4148517A JP 14851792 A JP14851792 A JP 14851792A JP H05326242 A JPH05326242 A JP H05326242A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 原料段階におけるNi−Cu−Zn系、Ni
−Cu系、Ni−Zn系あるいはCu−Zn系のフェラ
イトに、PがP換算で8〜90ppm の範囲内で添加され
ているフェライト焼結体である。また、フェライト磁性
層と内部導体とを積層して構成されるインダクタ部を有
するチップインダクタ部品であって、前記フェライト磁
性層が上記フェライト焼結体で構成されているチップイ
ンダクタ部品、およびこのチップインダクタ部品を少な
くとも有する複合積層部品である、さらに、この焼結体
から構成されている磁心である。 【効果】 磁心および積層型チップインダクタにおける
μi、LおよびQの高い値に保持され、また磁心のパワ
ーロスの値も小さく維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種磁性材料として用
いられるフェライト焼結体、この焼結体を磁性材料とし
て用いるチップインダクタ、LC複合部品等の複合積層
部品および磁心に関する。
【0002】
【従来の技術】各種フェライトが、その優れた磁気特性
から各種磁心材料や複合積層部品として用いられてい
る。
【0003】積層LC複合部品は、セラミック誘電体層
と内部電極層とを積層して構成されるコンデンサチップ
体と、フェライト磁性層と内部導体とを積層して構成さ
れるインダクタチップ体とを一体的に形成したものであ
る。
【0004】このような複合積層部品は、体積が小さい
こと、堅牢性および信頼性が高いことなどから、各種電
子機器に多用されている。
【0005】これらの部品、例えばLC複合部品は、通
常、内部導体用ペースト、磁性層用ペースト、誘電体層
用ペーストおよび内部電極層用ペーストを厚膜技術によ
って積層一体化した後、焼成し、得られた焼結体表面に
外部電極用ペーストを印刷ないし転写した後、焼成する
ことにより製造される。この場合、磁性層に用いられる
磁性材料としては、低温焼成が可能であることからNi
−Cu−Zn系フェライトやNi−Zn系フェライトが
一般に用いられている。
【0006】しかし、チップインダクタの磁性材料とし
て、Ni−Cu−Zn系等のフェライトを用いる場合、
その原料としての酸化ニッケルや酸化鉄の種類、すなわ
ちそれらが高純度であるか否か、特に不純物P25
どの程度含有されているかに応じて、インダクタンスL
やQが大いに影響されることが判明した。このような傾
向は上記原料を磁心に用いた場合にも現れた。
【0007】本発明者らはこのような現象につき検討を
行なったところ、フェライト原料中に含まれるPの含有
量を特定範囲に制御することにより、磁心やチップイン
ダクタにおけるμi、LおよびQの特性を維持または向
上させることができることを突き止めた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ライト焼結体におけるフェライト中のPの含有量を所定
範囲内に設定して、μi、LおよびQを高い値に保持す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明によって達成される。 (1)Ni、CuおよびZnの2種または3種を含むフ
ェライト焼結体であって、原料段階におけるフェライト
にPがP換算で8〜90ppm の範囲内で添加されている
ことを特徴とするフェライト焼結体。
【0010】(2)フェライトの組成がFe23 :4
0〜52mol%、NiO:0〜50mol%、Cu
O:0〜20mol%およびZnO:0〜50mol%
である上記(1)のフェライト焼結体。
【0011】(3)フェライト磁性層と内部導体とを積
層して構成されるインダクタ部を有するチップインダク
タ部品であって、前記フェライト磁性層が上記(1)の
フェライト焼結体で構成されていることを特徴とするチ
ップインダクタ部品。
【0012】(4)フェライト磁性層と内部導体とを積
層して構成されるチップインダクタ部を少なくとも有す
る複合積層部品であって、前記フェライト磁性層が上記
(1)のフェライト焼結体で構成されていることを特徴
とする複合積層部品。
【0013】(5)上記(1)のフェライト焼結体で構
成されていることを特徴とする磁心。
【0014】
【作用】本発明のフェライト焼結体は、原料となるフェ
ライト成分中のP成分の含有量がP換算で8〜90ppm
、好ましくは10〜80ppm であることを必要とす
る。このP成分の含有量が90ppm を超えている場合に
は、μiやLの顕著な低下を来たすことになる。一方、
Pの含有量が8ppm 未満でもμi、LおよびQの低下を
招くこととなり、好ましくない。なお、P成分は、一般
にP25 として混入される。このようなフェライト焼
結体を用いたフェライトチップインダクタ部品を少なく
とも有する複合積層部品は、優れた性能を有し、電子部
品として多くの用途を有し得るものである。なお、磁性
層中のPは、磁性層を分離し、これを粉砕したのち、こ
れを蛍光X線分析して算出すればよい。
【0015】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明の複合積層部品の好適実施例である
積層LC複合部品を図1に示す。
【0016】図1に示される本発明の一例LC複合部品
1は、セラミック誘電体層21と内部電極層25とを積
層して構成されるコンデンサチップ体2と、フェライト
磁性層31と内部導体35とを積層して構成されるイン
ダクタチップ体3とを一体化したものであり、表面に外
部電極51を有する。
【0017】インダクタチップ体3のフェライト磁性層
31の材質としては、Ni−Cu−Zn系フェライト等
のNi、Cu、Znの2種または3種を主成分とするフ
ェライトを用いる。
【0018】また、本発明で用いるフェライトは、Ni
−Cu−Zn、Ni−Cu、Ni−Zn、Cu−Znの
いずれかであれば、それ以外に特に制限はなく、目的に
応じて種々の組成のものを選択すればよいが、Fe2
3 :40〜52mol%、特に45〜50mol%、N
iO:0〜50mol%、CuO:0〜20mol%、
特に5〜20mol%およびZnO:0〜50mol
%、特に0〜35mol%であることが好ましい。
【0019】この他、Co、Mn等が全体の5wt% 程度
以下含有されていてもよく、またCa、Si、Bi、
V、Pb等が1wt% 程度以下含有されていてもよい。
【0020】本発明において、内部導体35を構成する
導電材は、インダクタとして実用的なQを得るためには
抵抗率の小さいことが必要であるので、Agを主体とす
る導電材を用いることが好ましい。この際、銀の含有量
が90重量%以上のもの、特に純度99.9重量%以上
の純銀を用いることが好ましい。このように、特に純銀
を用いることにより比抵抗をきわめて小さくすることが
できる。
【0021】LC複合部品1のインダクタチップ体3
は、従来公知の構造とすればよく、外形は通常ほぼ直方
体状の形状とする。そして図1に示されるように、内部
導体35は磁性層31内にて通常スパイラル状に配置さ
れて内部巻線を構成し、その両端部は各外部電極51、
51に接続されている。このような場合、内部導体35
の巻線パターン、すなわち閉磁路形状は種々のパターン
とすることができ、またその巻数も用途に応じ適宜選択
すればよい。また、インダクタチップ体3の各部寸法等
には制限はなく、用途に応じ適宜選択すればよい。
【0022】なお、内部導体35の厚さは、通常5〜3
0μm 程度、巻線ピッチは通常10〜400μm 程度、
巻数は通常1.5〜50.5ターン程度とされる。ま
た、磁性層31のベース厚は通常100〜500μm 程
度、内部導体35、35間の磁性層厚は通常10〜10
0μm 程度とする。
【0023】コンデンサチップ体2のセラミック誘電体
層21には特に制限がなく種々の誘電体材料を用いてよ
いが、焼成温度が低いことから、酸化チタン系誘電体を
用いることが好ましい。また、その他、チタン酸系複合
酸化物、ジルコン酸系複合酸化物、あるいはこれらの混
合物を用いることもできる。また、焼成温度を低下させ
るために、ホウケイ酸ガラス等のガラスを含有させても
よい。
【0024】具体的には、酸化チタン系としては、必要
に応じNiO、CuO、Mn34、Al23、Mg
O、SiO2 等、特にCuOを含むTiO2 等が、チタ
ン酸系複合酸化物としては、BaTiO3 、SrTiO
3、CaTiO3 、MgTiO3やこれらの混合物等が、
ジルコン酸系複合酸化物としては、BaZrO3 、Sr
ZrO3 、CaZrO3 、MgZrO3 やこれらの混合
物等が挙げられる。
【0025】本発明において、内部電極層25を構成す
る導電材に特に制限はなく、Ag、Pt、Pd、Au、
Cu、Niや、例えばAg−Pd合金など、これらを1
種以上含有する合金等から選択すればよいが、特にA
g、Ag−Pd合金などのAg合金等が好適である。
【0026】LC複合部品1のコンデンサチップ体2
は、従来公知の構造とすればよく、外形は通常ほぼ直方
体状の形状とする。そして図1に示されるように、内部
電極層25の一端は外部電極51に接続されている。コ
ンデンサチップ体2の各部寸法等には特に制限はなく、
用途等に応じ適宜選択すればよい。
【0027】なお、誘電体層21の積層数は目的に応じ
て定めればよいが、通常1〜100程度である。また、
誘電体層21の一層あたりの厚さは、通常20〜150
μm程度であり、内部電極層25の一層あたりの厚さ
は、通常5〜30μm 程度である。
【0028】本発明のLC複合部品1の外部電極51を
構成する導電材に特に制限はなく、例えば、Ag、P
t、Pd、Au、Cu、NiやAg−Pd合金などのこ
れらを1種以上含有する合金等から選択すればよいが、
特にAg、Ag−Pd合金などのAg合金等が好適であ
る。また、外部電極51の形状や寸法等には特に制限が
なく、目的や用途等に応じて適宜決定すればよいが、厚
さは、通常100〜2500μm 程度である。
【0029】本発明のLC複合部品1の寸法には特に制
限がなく、目的や用途等に応じて適宜選択すればよい
が、通常(1.6〜10.0mm)×(0.8〜15.0
mm)×(1.0〜5.0mm)程度である。
【0030】本発明の複合積層部品は、前述したLC複
合部品に限定されるものではなく、前述した構成を一部
に有するものであれば、この他各種の複合積層部品であ
ってもよい。本発明のLC複合部品1等の複合積層部品
は、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法により製
造することができる。
【0031】フェライト磁性層用ペーストは、次のよう
にして作製する。まず、フェライトの原料粉末、例えば
NiO、ZnO、CuO、Fe23 等の各種粉末を、
所定量ボールミル等により湿式混合する。この際、本発
明の範囲に設定された所定量のP25 を同時に添加し
て一緒に混合する。用いる原料粉末の粒径は0.1〜1
0μm 程度とする。また、原料粉末のPは、前記の化学
分析によって容易に測定することができる。
【0032】こうして湿式混合したものを、通常スプレ
ードライヤーにより乾燥し、その後仮焼する。これを通
常は、ボールミルで粉体粒径0.01〜0.5μm 程度
の粒径となるまで湿式粉砕し、スプレードライヤーによ
り乾燥する。
【0033】得られたフェライト粉末を、エチルセルロ
ース等のバインダと、テルピネオール、ブチルカルビト
ール等の溶剤と混練してペースト化する。
【0034】なお、磁性層用ペースト中には、必要に応
じて各種ガラスや酸化物を含有させることができる。
【0035】セラミック誘電体層用ペーストの構成に特
に制限はなく、上記したようなフェライト誘電体層の組
成に応じて各種誘電体材料あるいは焼成により誘電体と
なる原料粉末を選択し、各種バインダおよび溶剤と混練
して調製すればよい。
【0036】原料粉末としては、通常、酸化チタン系お
よびチタン酸系複合酸化物等を構成する酸化物を用いれ
ばよく、対応する酸化物誘電体の組成に応じ、Ti、B
a、Sr、Ca、Zr等の酸化物を用いればよい。また
これらは焼成により酸化物になる化合物、例えば炭酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機金属化合物等を
用いてもよい。これらの原料粉末は、通常、平均粒子径
0.1〜5μm 程度のものが用いられる。また、必要に
応じ、各種ガラスが含有されていてもよい。また、焼結
助剤等として、必要に応じて各種ガラスや酸化物を含有
させてもよい。
【0037】内部導体用ペースト、内部電極層用ペース
ト、および外部電極用ペーストは、それぞれ、上記した
各種導電性金属、合金、あるいは焼成後に上記した導電
材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等
と、上記した各種バインダおよび溶剤とを混練して作製
する。
【0038】上記した各ペースト中のバインダおよび溶
剤の含有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、
バインダは1〜5wt% 程度、溶剤は10〜50wt% 程度
とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて
各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される
添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、
10wt% 以下であることが好ましい。
【0039】LC複合部品1を製造するに際しては、例
えば、まず、磁性層用ペ−ストおよび内部導体用ペ−ス
トをPET等の基板上に積層印刷する。
【0040】なお、磁性層用ペーストや誘電体層用ペー
ストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部導
体用ペーストや内部電極層用ペーストを印刷した後、こ
れらを積層してグリーンチップを形成してもよい。この
場合、磁性層に隣接する誘電体層は直接印刷すればよ
い。
【0041】次いで、外部電極用ペーストをグリーンチ
ップに印刷ないし転写し、磁性層用ペースト、内部導体
用ペースト、誘電体層用ペースト、内部電極層用ペース
トおよび外部電極用ペーストを同時焼成する。また、先
にチップ体を焼成し、その後に外部電極用ペーストを印
刷して焼成することもできる。
【0042】焼成温度は、800〜930℃、特に85
0〜900℃とすることが好ましい。また、焼成時間
は、0.05〜5時間、特に0.1〜3時間とすること
が好ましい。焼成は、PO2 =1〜100%で行なう。
また、外部電極焼き付けのための焼成温度は、通常50
0〜700℃程度、焼成時間は、通常10分〜3時間程
度であり、焼成は通常、空気中で行なう。
【0043】本発明では、焼成時および焼成後、大気よ
り酸素を過剰に含む雰囲気中で熱処理を行なうことが好
ましい。酸素過剰雰囲気中で熱処理を行なうことによっ
て、Cu、Zn等の金属やCu2 O、Zn2 O等の抵抗
が低い酸化物の形で析出した物や析出していた物をCu
O、ZnO等の抵抗が高く実害のない酸化物の形で析出
させることができる。このため部品の回路抵抗がより一
層向上する。また、前記熱処理は、最後の焼成時および
最後の焼成後に行なうことが好ましい。
【0044】例えば、チップ体の焼成と外部電極を焼き
付けるための焼成とを同時に行う場合は、この焼成の時
およびこの焼成の後、チップ体の焼成後に外部電極を焼
き付けるための焼成を行なう場合は、外部電極を焼き付
ける時や外部電極を焼き付けた後に所定の熱処理を行な
うことが好ましい。なお、後者のように2度焼成を行な
う場合は、場合によっては、さらにチップ体の焼成時や
チップ体の焼成後に熱処理を行なってもよい。
【0045】熱処理雰囲気中の酸素分圧比は、20〜1
00%、より好ましくは50〜100%、特に好ましく
は100%が好ましい。前記範囲未満では、Cu、Z
n、Cu2 O、Zn2 O等の析出を抑制する能力が低下
する。
【0046】このような酸素過剰雰囲気中での熱処理
は、通常、焼成時や外部電極の焼き付け時に同時に行わ
れるため、熱処理温度や保持時間等の諸条件は、焼成条
件や外部電極焼き付け条件と同様であるが、熱処理のみ
を単独で行う場合、熱処理温度は、550〜900℃、
特に、650〜800℃、保持時間は0.5〜2時間、
特に1〜1.5時間とすることが好ましい。
【0047】なお、LC複合部品以外の複合積層部品の
場合も前記のとおり作製すればよい。このようにして製
造されたLC複合部品等の本発明の複合積層部品は、外
部電極に半田付等を行なうことにより、プリント基板上
等に実装され、各種電子機器等に使用される。
【0048】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0049】下記の各ペーストを調製した。 (磁性体層用ペースト)最終組成でFe23 :49.
0モル%、NiO:7.5モル%、CuO:13.2モ
ル%およびZnO:30.3モル%となるように原料を
混合し、同時にこれにP25 を0〜390ppm(P
として0〜170ppm)の範囲で添加した。これら
は、ボールミルを用いて湿式混合し、ついで、この湿式
混合物をスプレードライヤーにより乾燥し、700℃に
て仮焼し、顆粒として、これをボールミルにて湿式粉砕
したのちスプレードライヤーで乾燥し、最終平均粒径
0.1〜0.3μm のNi−Cu−Znフェライト原料
粉末とした。
【0050】次いで、この原料粉末100重量部に対
し、エチルセルロース3.84重量部およびテルピネオ
ール78重量部を加え、三本ロールにて混練し、ペース
トとした。
【0051】(内部導体用ペースト)平均粒径0.8μ
m のAg100重量部に対し、エチルセルロース2.5
重量部およびテルピネオール40重量部を加え、三本ロ
ールにて混練し、ペーストとした。
【0052】このようにして作製された磁性層用ペース
トと内部導体用ペーストとを印刷積層し、印刷積層法に
より、表1に示すようなPの含有量の異なる種々の積層
積層型チップインダクタを製造した。
【0053】この場合、焼成温度は870℃、焼成時間
は2時間とし、焼成雰囲気は大気中とした。
【0054】得られた積層型チップインダクタの寸法
は、4.5mm×3.2mm×1.1mm、巻数9.5ターン
とした。
【0055】また、試験用に上記フェライト原料粉末を
使用して、同様の焼成条件にてトロイダルコアを製造し
た。このトロイダルコアの外径は11.1mm、内径は
5.1mm、厚みは2.4mm、巻数は20ターン、線径は
0.35mmとした。
【0056】これら積層型チップインダクタおよびトロ
イダルコアについて、測定周波数400kHzの条件に
てμi、L(μH)およびQを求めた。また、トロイダ
ルコアについては、このパワーロスを周波数480kH
z、磁束密度20mTの条件にて測定した。得られた結
果を表1に併記する。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示す結果から分かるように、Pの添
加量が本発明の範囲内のときは無添加もしくは過剰の場
合と比較して、積層型チップインダクタのLQ積および
トロイダルコアのμiQ積が向上している。また、Pの
添加量が本発明の範囲内のときはトロイダルコアのパワ
ーロスの値も小さくなっており、特にPの添加量が40
ppmのときは無添加の場合と比較して30%も向上し
ている。よって、このことから、P成分量を特定範囲内
に規制する本発明の効果が明らかである。
【0059】
【発明の効果】本発明のフェライト焼結体は、フェライ
ト中のPの含有量を所定範囲内に設定したことにより、
これを磁心や積層型チップインダクタに使用した場合に
は、μi、インダクタンスLおよびQが高い値に保持さ
れ、また磁心のパワーロスの値も小さく維持することが
できる。従って、このようなセラミックインダクタ部品
を少なくとも有する複合積層部品はその性能に優れ、各
種電子機器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合積層部品の好適実施例であるLC
複合部品が示される断面図である。
【符号の説明】
1 LC複合部品 2 コンデンサチップ体 21 セラミック誘電体層 25 内部電極 3 インダクタチップ体 31 フェライト磁性層 35 内部導体 51 外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/30 Z H01F 17/00 D 7129−5E 41/02 D 8019−5E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni、CuおよびZnの2種または3種
    を含むフェライト焼結体であって、原料段階におけるフ
    ェライトにPがP換算で8〜90ppm の範囲内で添加さ
    れていることを特徴とするフェライト焼結体。
  2. 【請求項2】 フェライトの組成がFe23 :40〜
    52mol%、NiO:0〜50mol%、CuO:0
    〜20mol%およびZnO:0〜50mol%である
    請求項1のフェライト焼結体。
  3. 【請求項3】 フェライト磁性層と内部導体とを積層し
    て構成されるインダクタ部を有するチップインダクタ部
    品であって、 前記フェライト磁性層が請求項1のフェライト焼結体で
    構成されていることを特徴とするチップインダクタ部
    品。
  4. 【請求項4】 フェライト磁性層と内部導体とを積層し
    て構成されるチップインダクタ部を少なくとも有する複
    合積層部品であって、 前記フェライト磁性層が請求項1のフェライト焼結体で
    構成されていることを特徴とする複合積層部品。
  5. 【請求項5】 請求項1のフェライト焼結体で構成され
    ていることを特徴とする磁心。
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