JP3243292B2 - 多層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方法 - Google Patents
多層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方法Info
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Description
フェライト磁性層の形成に用いる多層セラミック部品用
フェライト磁性塗料に関する。
の複合積層部品、積層混成集積回路素子などの各種多層
セラミック部品は、体積が小さいことや、堅牢性および
信頼性が高いことなどから、各種電子機器に多用されて
いる。
や誘電体材料等と有機ビヒクルとを混合したペーストを
用いて、印刷法やシート法などにより作製される。例え
ば、チップインダクタ部品やLC複合部品は、通常、内
部導体用ペーストと磁性層用ペースト、あるいはさら
に、誘電体層用ペーストと内部電極層用ペーストとを厚
膜技術によって積層一体化した後、焼成し、得られた焼
結体表面に外部電極用ペーストを印刷ないし転写した
後、焼成することにより製造される。
層には、磁気特性に優れた各種フェライトが用いられて
おり、このようなフェライト磁性層は、磁性層用ペース
トとしてフェライト磁性塗料を用いて形成されている。
次のようにして調製されている。まず、フェライトの構
成成分となる各化合物の粉末等を含む出発原料粉末を湿
式混合し、これを乾燥した後、仮焼し、仮焼体を得る。
次いで、粉砕用溶媒として水を用い、ボールミルなどに
より仮焼体を湿式粉砕し、スプレードライヤーなどによ
り乾燥してフェライト材料粉末を得る。さらに、有機溶
剤にバインダーを溶解した有機ビヒクルや有機溶剤、分
散剤、可塑剤を混合して分散し、必要に応じて濃度や粘
度の調整を行った後、濾過して塗料とする。
イト材料粉末は、湿式粉砕後の乾燥においてスプレード
ライヤー等による熱風での強制乾燥を行うため、乾燥時
の雰囲気が還元状態になったり、あるいは、湿式粉砕時
にボールミルおよびメディアから混入してくる非常に細
かい鉄が還元状態にあり、そのまま用いて塗料化する
と、このような還元状態に起因するためか、調製直後は
問題とはならないが、1日程度の経時により塗料として
の流動性が失われてゼリー状となり、印刷あるいは成型
が困難になる。
るなどの必要があり、生産性の上からは好ましくない。
安定性に優れ、調製後の保存によるゲル化を防止するこ
とができ、適正な粘性を保つことができ、印刷性、成型
性に優れた多層セラミック部品用フェライト磁性塗料を
提供することにある。
(1)〜(6)の構成によって達成される。 (1) フェライトの構成成分となる各化合物を含む原
料から得られた仮焼体を湿式粉砕した後乾燥してフェラ
イト材料粉体を得、このフェライト材料粉体と有機ビヒ
クルとを混合して多層セラミック部品用フェライト磁性
塗料を得るに際し、前記フェライト材料粉体を、乾燥後
酸化処理し、この酸化処理の後有機ビヒクルと混合し、
前記酸化処理は、80〜400℃の温度にて、酸素分圧
比15%以上の酸素雰囲気でフェライト材料粉体の少な
くとも表面を酸化させる処理である多層セラミック部品
用フェライト磁性塗料の製造方法。 (2) 前記酸化処理を酸素分圧比20〜100%の酸
素雰囲気中で、80〜350℃の温度で0.3時間以上
行う上記(1)の多層セラミック部品用フェライト磁性
塗料の製造方法。 (3) 前記酸化処理の後のフェライト材料粉体は、熱
重量測定において、150〜300℃の温度での重量増
加が0.05%未満である上記(1)または(2)の多
層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方法。 (4) さらに、前記フェライトの構成成分とは異なる
酸化物および/またはガラスが添加されている上記
(1)ないし(3)のいずれかの多層セラミック部品用
フェライト磁性塗料の製造方法。 (5) 前記フェライトは、Ni、CuおよびZnの2
種または3種を含む上記(1)ないし(4)のいずれか
の多層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方
法。 (6) フェライト磁性層と内部導体とを積層して構成
されるインダクタ部を有する多層セラミック部品のフェ
ライト磁性層を形成するのに用いる上記(1)ないし
(5)のいずれかの多層セラミック部品用フェライト磁
性塗料の製造方法。
に説明する。
用いるフェライト材料粉体は、フェライトの構成成分と
なる所定の化合物を含む原料粉末等から仮焼体を得、こ
れを湿式粉砕して乾燥した後、さらに酸化処理されたも
のであり、この酸化処理の後有機ビヒクルと混合され
る。
て、その結合はフェライト結晶中の鉄空格子点が活性中
心になって樹脂等の吸着性を増し、安定な状態を保ち、
厚膜形成に適した粘性の塗料となると考えられるが、本
発明では、酸化処理を行うことにより、湿式粉砕後の乾
燥によって還元状態にあったフェライト材料粉体表面が
酸化されて安定な状態となるため、十分な活性中心が得
られ、適正な粘性の塗料となる。また、樹脂等との吸着
状態も安定していると考えられることから、経時による
粘性の変化が少なく、本発明の効果を奏する。
法では、塗料の調製直後においては問題とはならない
が、経時において塗料の粘度が高くなったり、ゼリー状
になったりして、塗料としての適正な粘性が得られず、
印刷、成型を良好に行うことができなくなる。このよう
な粘性変化は、1日程度で生じはじめる。
燥時の還元的雰囲気により、あるいは湿式粉砕時に混入
してくる還元状態の鉄により、還元状態になっているた
めと考えられ、フェライト材料粉体の表面が還元状態で
あると、その活性点が減少し、樹脂中の官能基によるフ
ェライト粉体表面への吸着があまり行われず、経時とと
もに吸着に関与できなかったフリーの樹脂が磁性塗料中
で重合あるいは絡まりあって、塗料の粘度が高くなった
り、ゼリー状になったりして、厚膜形成用塗料としての
粘度性状が悪くなるためと考えられる。
態は熱分析の結果によって確認することができる。
(TG)の結果において重量の増加が見られないのに対
し、従来のものでは約150℃〜300℃の温度にかけ
て0.05〜0.5%程度の重量の増加が見られる。こ
れは、従来のものでは、フェライト材料粉体の表面が還
元状態であるために、温度の上昇とともに酸化されて安
定な状態へと変化し、そのときの酸化による重量の増加
が生じたためと考えられる。
のフェライト材料粉体のTGの測定結果において、重量
増加が0.05%未満、好ましくは0〜0.045%の
ものをいうものとする。
料粉体の少なくとも表面を酸化状態とすることができる
処理であれば特に制限はないが、通常、酸素分圧比15
%以上、好ましくは20%以上の酸素雰囲気中でフェラ
イト材料粉体表面を酸化させることが好ましい。酸素分
圧比が小さすぎると還元が生じてしまい、逆効果とな
る。
ましくは20〜400℃とすることが好ましい。温度が
低くなりすぎると酸化が生じにくくなり、酸化に要する
時間が長くなって効率的でない。また、温度が高くなり
すぎると、後の焼成工程において目的とする焼結体が得
られない。
に依存するが、0.3時間以上、好ましくは0.5時間
以上とすることが好ましい。保持時間が短すぎると十分
に酸化せず、効果が得られない。
圧比20〜100%、好ましくは22〜100%、温度
80〜350℃、好ましくは95〜350℃、保持時間
0.3時間以上、好ましくは0.5時間以上、さらに好
ましくは0.8時間以上、特に好ましくは0.8〜15
時間の条件とすることが好ましい。
ことにより空気雰囲気中(酸素分圧比22%)で行うこ
とができ、操作が容易である。
熱処理炉を用いて行うことができる。
制限はなく、目的に応じて選択することができる。
uおよびZnの2種または3種を含むフェライトが挙げ
られる。
−Zn系、Ni−Cu系、Ni−Zn系、Cu−Zn系
のいずれかであれば、それ以外に特に制限はなく、目的
に応じて種々の組成のものを選択すればよいが、焼結体
として、例えば、Fe2 O3:40〜52mol%、特に4
5〜50mol%、NiO:0〜50mol%、特に3〜40mo
l%、CuO:0〜20mol%、特に5〜15mol%およびZ
nO:0〜50mol%、特に6〜33mol%の組成範囲内で
あることが好ましい。
以下含有されていてもよく、またCa、Si、Bi、
V、Pb等が1wt% 程度以下含有されていてもよい。
化物やガラスが添加されていてもよい。
させる目的では、B2 O3 や、SiO2 :0.1〜15
重量%、好ましくは3〜12重量%、B2 O3 :10〜
40重量%、好ましくは20〜35重量%、PbO:
0.1〜40重量%、好ましくは3〜20重量%、Zn
O:20〜70重量%、好ましくは45〜65重量%お
よびAl2 O3 :0〜6重量%のSiO2 −B2 O3 −
PbO−ZnO系のガラスが好ましい。また、添加量
は、原料段階のフェライト成分に対して、B2 O3の場
合50ppm 以上1000ppm 未満、SiO2 −B2 O3
−PbO−ZnO−Al2 O3 系のガラスが好ましい。
これらの添加量は、原料段階のフェライト成分に対し
て、B2 O3 の場合50ppm 以上1000ppm 未満、S
iO2 −B2 O3 −PbO−ZnO−Al2 O3 系のガ
ラスの場合250〜4000ppm であることが好まし
い。
るに際し、フェライトの構成成分となる所定の化合物を
含む原料粉末等から仮焼体を得るが、以下の工程に従
う。
O、ZnO、CuO、Fe2 O3 等の各種粉末を、所定
量ボールミル等により湿式混合する。こうして湿式混合
したものを、通常スプレードライヤーにより乾燥し、そ
の後仮焼する。仮焼条件は特に限定されず、通常の条件
から適宜選択すればよいが、例えば700〜800℃に
て2〜10時間仮焼すればよい。
通常ボールミルで粉体粒径0.01〜0.5μm 程度の
粒径となるまで湿式粉砕し、スプレードライヤーにより
乾燥する。
を行ってフェライト材料粉体を得、有機ビヒクルと混合
して磁性塗料を得る。
粒径は、上記の湿式粉砕後の粒径と同じである。
フェライトとするときには、ガラス等は仮焼後に添加
し、仮焼体とともに湿式粉砕することが好ましい。ガラ
ス等を仮焼前に添加すると、その成分が蒸発しやすくな
り、添加の実効が得られにくくなる。
溶剤にバインダーを溶解させたものである。
く、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニル
ブチラール、アクリル、フェノール、ウレタン、ポリエ
ステル、ロジン、マレイン酸、メラミン、尿素樹脂等の
各種樹脂の1種以上を用いることができる。
(エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノー
ル、テルピノール等)、ケトン系(アセトン等)、セロ
ソルブ系(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、
エステル系(酢酸メチル、酢酸エチル等)、エーテル系
(エチルエーテル、ブチルカルビトール等)などを用い
ることができ、1種のみを用いても2種以上を併用して
もよい。
は、通常、有機ビヒクルとして添加するが、バインダー
と溶剤とを別々に添加してもよい。
剤の含有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、
バインダーは1〜5wt% 程度、溶剤は10〜50wt% 程
度とすればよい。さらに、磁性塗料中には、フタル酸エ
ステル系、リン酸エステル系、脂肪酸エステル系、グリ
コール誘導体系等の可塑剤、脂肪酸アミド系、有機リン
酸エステル系、カルボン酸系等の分散剤を含有させても
よい。これらの総含有量は10wt% 以下であることが好
ましい。
ール等を用いて混練するなどして塗料化すればよい。混
練時間は、ボールミルの場合、1〜15時間程度とし、
3本ロールの場合、3パス程度する。
の調製直後の初期粘度はシート用の場合、15〜35po
ise 、好ましくは15〜30poise の範囲であり、1ケ
月以上、特に1〜5ケ月の経時によっても15〜60po
ise 、好ましくは15〜40poise 、さらに好ましくは
15〜35poise 、特に好ましくは15〜30poiseの
範囲にあり、十分使用に適するものである。また、印刷
用の場合は、初期粘度が150〜200poise の範囲で
あり、1ケ月以上、特に1〜5ケ月の経時によっても1
50〜200poise の範囲にあり、十分使用に適する。
セラミック部品の好適実施例である積層LC複合部品を
図1に示す。
ック誘電体層21と内部電極層25とを積層して構成さ
れるコンデンサチップ体2と、フェライト磁性層31と
内部導体35とを積層して構成されるインダクタチップ
体3とを一体化したものであり、表面に外部電極51を
有する。
31は、本発明のフェライト磁性塗料を用いて形成され
たものである。この場合、Ni−Cu−Zn系、Ni−
Cu系、Ni−Zn系あるいはCu−Zn系のフェライ
トを用いる。この他、Co、Mn等が全体の5wt% 程度
以下含有されていてもよく、またCa、Si、Bi、
V、Pb等が1wt% 程度以下含有されているものであっ
てもよい。
導電材料は、インダクタとして実用的なQを得るために
は抵抗率の小さいことが必要であるので、Agを主体と
する導電材料を用いることが好ましい。この際、銀の含
有量が90重量%以上のもの、特に純度99.9重量%
以上の純銀を用いることが好ましい。このように、特に
純銀を用いることにより比抵抗をきわめて小さくするこ
とができる。
は、従来公知の構造とすればよく、外形は通常ほぼ直方
体状の形状とする。そして図1に示されるように、内部
導体35は磁性層31内にて通常スパイラル状に配置さ
れて内部巻線を構成し、その両端部は各外部電極51、
51に接続されている。
ーン、すなわち閉磁路形状は種々のパターンとすること
ができ、またその巻数も用途に応じ適宜選択すればよ
い。また、インダクタチップ体3の各部寸法等には制限
はなく、用途に応じ適宜選択すればよい。
0μm 程度、巻線ピッチは通常10〜400μm 程度、
巻数は通常1.5〜50.5ターン程度とされる。ま
た、磁性層31のベース厚は通常100〜500μm 程
度、内部導体35、35間の磁性層厚は通常10〜10
0μm 程度とする。
層21には特に制限がなく種々の誘電体材料を用いてよ
いが、焼成温度が低いことから、酸化チタン系誘電体を
用いることが好ましい。また、その他、チタン酸系複合
酸化物、ジルコン酸系複合酸化物、あるいはこれらの混
合物を用いることもできる。また、焼成温度を低下させ
るために、ホウケイ酸ガラス等のガラスを含有させても
よい。
に応じNiO、CuO、Mn3 O4、Al2 O3、Mg
O、SiO2 等、特にCuOを含むTiO2 等が、チタ
ン酸系複合酸化物としては、BaTiO3 、SrTiO
3、CaTiO3 、MgTiO3やこれらの混合物等が、
ジルコン酸系複合酸化物としては、BaZrO3 、Sr
ZrO3 、CaZrO3 、MgZrO3 やこれらの混合
物等が挙げられる。
る導電材料に特に制限はなく、Ag、Pt、Pd、A
u、Cu、Niや、例えばAg−Pd合金など、これら
を1種以上含有する合金等から選択すればよいが、特に
Ag、Ag−Pd合金などのAg合金等が好適である。
は、従来公知の構造とすればよく、外形は通常ほぼ直方
体状の形状とする。そして図1に示されるように、内部
電極層25の一端は外部電極51に接続されている。
に制限はなく、用途等に応じ適宜選択すればよい。な
お、誘電体層21の積層数は目的に応じて定めればよい
が、通常1〜100程度である。また、誘電体層21の
一層あたりの厚さは、通常20〜150μm 程度であ
り、内部電極層25の一層あたりの厚さは、通常5〜3
0μm 程度である。
51を構成する導電材料に特に制限はなく、例えば、A
g、Pt、Pd、Au、Cu、NiやAg−Pd合金な
どのこれらを1種以上含有する合金等から選択すればよ
いが、特にAg、Ag−Pd合金などのAg合金等が好
適である。また、外部電極51の形状や寸法等には特に
制限がなく、目的や用途等に応じて適宜決定すればよい
が、厚さは、通常100〜2500μm 程度である。
特に制限がなく、目的や用途等に応じて適宜選択すれば
よいが、通常(1.6〜10.0mm)×(0.8〜1
5.0mm)×(1.0〜5.0mm)程度である。
ェライト磁性塗料等のペーストを用い、通常の印刷法や
シート法により製造することができる。
製する場合、前記のように酸化処理したフェライト材料
粉末を用いているので、印刷法によるときは印刷性に優
れる。また、シート法によるときは磁性層用のシートフ
ィルムの性状が良好となる。
実体顕微鏡等により観察することができる。例えば、印
刷性については、磁性塗料を印刷して乾燥したものを観
察すると、印刷膜にピンホールや凹凸がないなど、良好
な膜質のものが得られる。また、シートフィルムについ
ても同様のことがいえ、さらにこの場合には平坦で均一
の厚さのものを得ることができる。
性塗料のほかに、セラミック誘電体層用ペーストが用い
られるが、その構成に特に制限はなく、上記したような
フェライト誘電体層の組成に応じて各種誘電体材料ある
いは焼成により誘電体となる原料粉末を選択し、各種バ
インダーおよび溶剤と混練して調製すればよい。
よびチタン酸系複合酸化物等を構成する酸化物を用いれ
ばよく、対応する酸化物誘電体の組成に応じ、Ti、B
a、Sr、Ca、Zr等の酸化物を用いればよい。また
これらは焼成により酸化物になる化合物、例えば炭酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機金属化合物等を
用いてもよい。
0.1〜5μm 程度のものが用いられる。
ていてもよい。
種ガラスや酸化物を含有させてもよい。
ト、および外部電極用ペーストは、それぞれ、上記した
各種導電性金属、合金、あるいは焼成後に上記した導電
材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等
と、上記した各種バインダーおよび溶剤とを混練して作
製する。
溶剤の含有量に特に制限はなく、通常の含有量、例え
ば、バインダーは1〜5wt% 程度、溶剤は10〜50wt
% 程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に
応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択
される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有
量は、10wt% 以下であることが好ましい。
えば、まず、磁性層用ペ−ストである本発明の磁性塗料
および内部導体用ペ−ストをPET等の基板上に積層印
刷する。
性塗料や誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを
形成し、この上に内部導体用ペーストや内部電極層用ペ
ーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップ
を形成してもよい。この場合、磁性層に隣接する誘電体
層は直接印刷すればよい。
ップに印刷ないし転写し、磁性層用ペーストである本発
明の磁性塗料、内部導体用ペースト、誘電体層用ペース
ト、内部電極層用ペーストおよび外部電極用ペーストを
同時焼成する。
部電極用ペーストを印刷して焼成することもできる。
0〜900℃とすることが好ましい。また、焼成時間
は、0.05〜5時間、特に0.1〜3時間とすること
が好まい。焼成は、酸素分圧比1〜100の雰囲気で行
う。
は、通常500〜700℃程度、焼成時間は、通常10
分〜3時間程度であり、焼成は通常、空気中で行う。
り酸素を過剰に含む雰囲気中で熱処理を行うことが好ま
しい。
って、Cu、Zn等の金属やCu2O、Zn2 O等の抵
抗が低い酸化物の形で析出した物や析出していた物をC
uO、ZnO等の抵抗が高く実害のない酸化物の形で析
出させることができる。このため部品の回路抵抗がより
一層向上する。
最後の焼成後に行うことが好ましい。
付けるための焼成とを同時に行う場合は、この焼成の時
およびこの焼成の後、チップ体の焼成後に外部電極を焼
き付けるための焼成を行う場合は、外部電極を焼き付け
る時や外部電極を焼き付けた後に所定の熱処理を行うこ
とが好ましい。なお、後者のように2度焼成を行う場合
は、場合によっては、さらにチップ体の焼成時やチップ
体の焼成後に熱処理を行なってもよい。
00%、より好ましくは50〜100%、特に好ましく
は100%が好ましい。酸素分圧比が小さくなると、C
u、Zn、Cu2 O、ZnO等の析出を抑制する能力が
低下する。
は、通常、焼成時や外部電極の焼き付け時に同時に行わ
れるため、熱処理温度や保持時間等の諸条件は、焼成条
件や外部電極焼き付け条件と同様であるが、熱処理のみ
を単独で行う場合、熱処理温度は、550〜900℃、
特に650〜800℃、保持時間は0.5〜2時間、特
に1〜1.5時間とすることが好ましい。
1のLC複合部品に限定されるものではなく、本発明の
フェライト磁性塗料を用いて形成した磁性層を有するも
のであれば、いずれであってもよい。
C複合部品に準じて同様に作製することができる。
の多層セラミック部品は、外部電極に半田付等を行うこ
とにより、プリント基板上等に実装され、各種電子機器
等に使用される。
をさらに詳細に説明する。
6.3モル%、CuO:8.5モル%およびZnO:2
5.9モル%となるように原料を混合した。原料の混合
は、ボールミルを用いて湿式混合により行い、ついで、
この湿式混合物をスプレードライヤーにより乾燥し、7
00℃にて仮焼した。この仮焼材に、SiO2 :10重
量%、B2 O3 :25重量%、PbO:5重量%、Zn
O:59.5重量%およびAl2 O3 :0.5重量%の
組成を有するガラスを0〜5000ppm の範囲で添加
し、これをボールミルにて湿式粉砕した後スプレードラ
イヤーで乾燥し、最終平均粒径0.1〜0.3μm の粉
体No. 1を作製した。
%、22%(空気中)、50%、100%とし、温度、
時間を表1〜表10に示すようにかえて恒温槽あるいは
熱処理炉を用いて酸化処理した。酸素分圧比10%の条
件のものを粉体No. 101〜No. 117、酸素分圧比2
0%の条件のものを粉体No. 201〜No. 217、空気
中の条件のものを粉体No. 301〜No. 317、酸素分
圧比50%の条件のものを粉体No. 401〜No. 41
7、酸素分圧比100%の条件のものを粉体No.501
〜No. 517とする。
量部に対して下記の割合で各成分を添加し、ボールミル
にて12時間混練し、磁性塗料を作製した。 フェライト磁性粉体 100重量部 トルエン 42重量部 エタノール 30重量部 ポリビニルブチラール 2重量部 エチルセルロース 2重量部 可塑剤(DBP) 4重量部 分散剤(オレイン酸) 1重量部
ブチラールは、このもの15重量部をトルエン60重量
部、エタノール40重量部中に溶解して、またエチルセ
ルロースは、このもの15重量部を、トルエン60重量
部、エタノール40重量部に溶解して、各々、有機ビヒ
クルとして添加した。
た粉体に応じて磁性塗料No. 1、101〜117、20
1〜217、301〜317、401〜417、501
〜517とする。これらの各塗料の25℃における初期
粘度、7日経過したときの粘度、30日経過したときの
粘度を測定した。
いた磁性塗料No. 1は、25℃における初期粘度が25
poise と問題のないレベルにあったが、25℃で1日経
過した段階でゲル化してしまった。この磁性塗料No. 1
についても、上記と同条件下で粘度を測定した。この結
果を表11に示す。
処理雰囲気中の酸素分圧比、処理温度、処理時間を選択
して、乾燥後のフェライト磁性粉体を処理することによ
って経時による磁性塗料のゲル化を防止できることがわ
かる。
体表面が酸化された状態であるためと考えられる。
用いた粉体No. 1と、磁性塗料No.308に用いた粉体N
o. 308とについて、熱分析を行った。
2に、粉体No. 308の測定結果を図3に、それぞれ示
す。TG、DTAともに、昇温速度3℃/分、50cc/
分の空気雰囲気として測定したものである。
りゲル化する磁性塗料No. 1の粉体No. 1では、TG曲
線において、150℃〜300℃の温度で、0.1%の
重量増加がみられる(図2)のに対し、ゲル化しない磁
性塗料No. 308の粉体No.308では重量増加はみら
れない(図3)。これは、粉体No. 1では粉体表面が還
元状態にあるため、加熱により酸化されて形成された酸
化物による重量増加が起こるためと考えられ、これに対
し、粉体No. 308ではすでに酸化処理によって表面酸
化が生じないため重量増加は起こらないからと考えられ
る。
性塗料、ゲル化しない磁性塗料に応じて、その構成フェ
ライト磁性粉体において、同様の傾向を示した。
と内部導体用ペーストとを用いて、シート法により積層
型チップインダクタAを製造した。
0.8μm のAg100重量部に対し、エチルセルロー
ス2.5重量部およびテルピネオール40重量部を加
え、三本ロールにて混練することにより調製した。
月経時後のゲル化した磁性塗料No.1を用いて同様に積
層型チップインダクタBを製造した。
フィルム(100μm )の作製を支障なく行うことがで
きたが、インダクタBではシートフィルムの作製が困難
をきわめた。
視あるいは実体顕微鏡により観察したところ、インダク
タA用では平坦で均一な厚さの良好なフィルムが得られ
たが、インダクタB用ではフィルムの作製自体が困難で
あり、凹凸が存在し、ピンホールやクラック等も見られ
た。
周波数1MHz におけるμi、L、Qを調べたところ、イ
ンダクタAでは良好な特性を示したが、インダクタBで
は特性が劣り、また乾燥クラックが原因と思われるクラ
ックが見られ、使用上問題があると考えられた。
ケ月経時させて用いても、1ケ月経時させたものと同等
であった。
り、積層型チップインダクタを製造した。
準じて調製し、1ケ月経時後のものを用いた。すなわ
ち、本発明の粉体No. 308あるいは粉体No. 1を含有
させるほかは、下記の構成とし、3本ロールで混練する
ものとした。 フェライト磁性粉体 110重量部 有機ビヒクル 52重量部 テルピノール 31重量部
ース8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解し
て調製したものである。本発明の粉体No. 308を含有
する磁性塗料の初期粘度は180poise であり、1ケ月
経時後においても183poise であった。また、粉体N
o. 1を含有する磁性塗料の初期粘度は本発明のものと
同等であったが、1ケ月経時後はゲル化した。
含有する磁性塗料を用いたものをインダクタC、粉体N
o. 1を含有する磁性塗料を用いたものをインダクタD
とする。
308を含有する磁性塗料を用いているため、1ケ月後
においても適正な粘性を有し、印刷性が良好であり、支
障なく、その製造を行うことができた。
有する磁性塗料はゲル化しており、印刷が困難であり、
その製造も困難をきわめた。
0℃で30分間乾燥して実体顕微鏡で観察したところ、
粉体No. 308を含有する磁性塗料では印刷面に凹凸が
なく良好な状態であったが、粉体No. 1を含有するゲル
化した磁性塗料では印刷面に凹凸が存在した。また、ゲ
ル化した磁性塗料を用いたグリーンチップにはクラック
が見られた。
例1と同様に、特性を調べたところ、インダクタCでは
良好な特性を示したが、インダクタDでは特性が劣り、
使用上問題があると考えられた。
料を25℃で5ケ月経時させて用いても、1ケ月経時さ
せたものと同等であった。
体を用いる他は同様にして各種磁性塗料を調製し、実施
例1と同条件で粘度を測定したところ、酸化処理の条件
に応じて実施例1と同等の結果を示した。
存によるゲル化を防止することができ、適正な粘性を保
つことができる。この結果、印刷性、成型性に優れたも
のとなる。
例であるLC複合部品が示される断面図である。
析の結果を示すグラフである。
分析の結果を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 フェライトの構成成分となる各化合物を
含む原料から得られた仮焼体を湿式粉砕した後乾燥して
フェライト材料粉体を得、このフェライト材料粉体と有
機ビヒクルとを混合して多層セラミック部品用フェライ
ト磁性塗料を得るに際し、 前記フェライト材料粉体を、乾燥後酸化処理し、この酸
化処理の後有機ビヒクルと混合し、 前記酸化処理は、80〜400℃の温度にて、酸素分圧
比15%以上の酸素雰囲気でフェライト材料粉体の少な
くとも表面を酸化させる処理である多層セラミック部品
用フェライト磁性塗料の製造方法。 - 【請求項2】 前記酸化処理を酸素分圧比20〜100
%の酸素雰囲気中で、80〜350℃の温度で0.3時
間以上行う請求項1の多層セラミック部品用フェライト
磁性塗料の製造方法。 - 【請求項3】 前記酸化処理の後のフェライト材料粉体
は、熱重量測定において、150〜300℃の温度での
重量増加が0.05%未満である請求項1または2の多
層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方法。 - 【請求項4】 さらに、前記フェライトの構成成分とは
異なる酸化物および/またはガラスが添加されている請
求項1ないし3のいずれかの多層セラミック部品用フェ
ライト磁性塗料の製造方法。 - 【請求項5】 前記フェライトは、Ni、CuおよびZ
nの2種または3種を含む請求項1ないし4のいずれか
の多層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方
法。 - 【請求項6】 フェライト磁性層と内部導体とを積層し
て構成されるインダクタ部を有する多層セラミック部品
のフェライト磁性層を形成するのに用いる請求項1ない
し5のいずれかの多層セラミック部品用フェライト磁性
塗料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21218292A JP3243292B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 多層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21218292A JP3243292B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 多層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0636921A JPH0636921A (ja) | 1994-02-10 |
JP3243292B2 true JP3243292B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=16618280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21218292A Expired - Lifetime JP3243292B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 多層セラミック部品用フェライト磁性塗料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3243292B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008288332A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Tdk Corp | フェライトペースト、及び積層型セラミック部品の製造方法。 |
KR101105651B1 (ko) | 2007-12-07 | 2012-01-18 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 적층형 전자 부품 |
KR101319646B1 (ko) * | 2010-10-29 | 2013-10-17 | 삼성전기주식회사 | 엔아이제트엔씨유계 페라이트 조성물, 및 이를 이용한 적층형 칩 부품 |
-
1992
- 1992-07-16 JP JP21218292A patent/JP3243292B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0636921A (ja) | 1994-02-10 |
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