JPH11186815A - 高周波回路部品 - Google Patents

高周波回路部品

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JPH11186815A
JPH11186815A JP10228819A JP22881998A JPH11186815A JP H11186815 A JPH11186815 A JP H11186815A JP 10228819 A JP10228819 A JP 10228819A JP 22881998 A JP22881998 A JP 22881998A JP H11186815 A JPH11186815 A JP H11186815A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中心導体材料として良導体であるAgまたは
Agを主成分とした導電材料を用いて同時焼成を可能と
し、低損失な高周波回路部品を得る。 【解決手段】 互いに絶縁状態で、かつ交差状に配置さ
れた複数の中心導体と、該中心導体付近に位置するマイ
クロ波用磁性体と、該マイクロ波用磁性体に直流磁界を
印加する永久磁石とが一体焼成された高周波回路部品で
あって、前記中心導体がAg又はAgを主体とする低電
気抵抗材料である高周波回路部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、サーキュレータ、
アイソレータなどの高周波回路部品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、サーキュレータ、アイソレータな
どの非可逆回路素子は、互いに絶縁状態で、かつ交差す
るように配置される中心導体、その中心導体に密接して
配置されるマイクロ波用磁性体、そのマイクロ波用磁性
体に直流磁界を印加する磁石とを主要構成部品としてい
る。そして、これらは別々の部品として製造され、組み
合わされて製造されている。
【0003】従来のサーキュレータ、アイソレータに用
いられている磁石は、マグネトプランバイト型六方晶系
フェライト磁石であった。このマグネトプランバイト型
六方晶系フェライト磁石は、混合し、仮焼した原料粉末
と、有機バインダとを混合し、粉砕し、プレス成形しな
がら磁場を印加して配向し、焼成して得られていた。そ
して、その焼成温度は、1200〜1450℃と高温で
あった。
【0004】この非可逆回路素子は、携帯電話などの移
動体通信機器等に使用され、小型化、低価格化の要求が
強い。そこで、上記のように各部品を別々に製造するの
ではなく、マイクロ波用磁性体、中心導体、及び磁石を
一体焼成することが提案されている。例えば、特開平6
−204723号公報、特開平7−312509号公報
参照。この特開平7−312509号公報によれば、マ
イクロ波用磁性体としてCa−V−Fe系ガーネット、
中心導体としてパラジウムまたは白金粉末と有機溶剤を
混合したペースト、永久磁石としてBaO・6Fe2O
3、又はSrO・6Fe2O3で表されるマグネトプラ
ンバイト型六方晶系のものを用い、1000〜1450
℃で同時焼成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、高温
(少なくとも1000℃以上)で焼成されるため、導体
材料としては、その高温で焼成可能な材料に限られてい
た。この焼成可能な導体としてはパラジウム・白金など
が主に使用される。しかし、このパラジウム・白金は、
高価であるため高コストになり、比較的電気抵抗率が高
いため、特に低電気抵抗率の導体材料が使用される高周
波回路部品においては、その導体抵抗のため実用的な低
損失部品が得られないという問題点があった。
【0006】本発明は、中心導体材料として良導体であ
るAgまたはAgを主成分とした導電材料を用いて同時
焼成を可能とし、低損失な高周波回路部品を得ること目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いに絶縁状
態で、かつ交差状に配置された複数の中心導体と、該中
心導体付近に位置するマイクロ波用磁性体と、該マイク
ロ波用磁性体に直流磁界を印加する永久磁石とが一体焼
成された高周波回路部品であって、前記中心導体がAg
又はAgを主体とする低電気抵抗材料であることを特徴
とする高周波回路部品である。この焼成温度は、100
0℃未満であることが好ましく、更に950℃以下であ
ることが好ましい。
【0008】また本発明は、互いに絶縁状態で、かつ交
差状に配置された複数の中心導体と、該中心導体付近に
位置するマイクロ波用磁性体と、該マイクロ波用磁性体
に直流磁界を印加する永久磁石とが1000℃未満の温
度で一体焼成されていることを特徴とする高周波回路部
品である。この中心導体は、Ag又はAgを主体とする
低電気抵抗材料であることが好ましく、また焼成温度は
950℃以下であることが好ましい。
【0009】また本発明は、互いに絶縁状態で、かつ交
差状に配置された複数の中心導体と、該中心導体付近に
位置するマイクロ波用磁性体と、該マイクロ波用磁性体
に直流磁界を印加する永久磁石とが一体焼成された高周
波回路部品であって、前記中心導体が抵抗率ρ≦3×1
−6Ω・cmの低電気抵抗材料であることを特徴とす
る高周波回路部品である。この焼成温度は、1000℃
未満であることが好ましく、更に950℃以下であるこ
とが好ましい。また、この中心導体は、Ag又はAgを
主体とする低電気抵抗材料であることが好ましい。
【0010】また本発明は、前記中心導体は、前記マイ
クロ波用磁性体中に埋設された状態であることを特徴と
する高周波回路部品である。
【0011】また本発明は、前記高周波回路部品を磁性
金属ケースに収納して、アイソレータ又はサーキュレー
タなどの非可逆回路素子を構成するものである。
【0012】また本発明は、前記永久磁石は、(Sr
1−x―yBaPb)O・nFe 、ただし0
≦x≦1.0、0≦y≦0.2、5.4≦n≦6.2を
主成分とし、副成分としてBiを3〜10wt%
含有する高周波回路部品である。
【00010】また本発明は、前記永久磁石は、(Sr
1−x―yBaPb)O・nFe 、ただし0
≦x≦1.0、0≦y≦0.2、5.4≦n≦6.2を
主成分とし、副成分としてLiO1/2、及び、RO
(RはBaO、SrO、CaOのうち少なくとも一種)
を、5モル%以上80モル%以下含有する硼珪酸ガラス
材料を5〜15wt%含有する高周波回路部品である。
【0013】本発明では、低電気抵抗材料としては、A
gを用いれば良く。このAgに対して、Pd、Pt、A
uなどの貴金属を5%程度以下含有していてもAg単体
に近い抵抗率ρ≦3×10−6Ω・cmの低電気抵抗材
料を得る事が出来るためこのように調整された導電材料
を用いても良い。また、低電気抵抗材料とは、抵抗率ρ
≦3×10−6Ω・cmの導電材料であれば良い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、Ag又はAgを主体と
する低電気抵抗材料を用いることができるために、10
00℃未満、好ましくは950℃以下、更に好ましくは
900℃程度で焼成可能な低温焼成磁石組成物を得るこ
とが必要である。このため、種々検討した結果、(Sr
1−x―yBaPb)O・nFe、ただし0
≦x≦1.0、0≦y≦0.2、5.4≦n≦6.2を
主成分とする磁石組成物に、副成分としてBi
3〜10wt%含有すること、又は副成分としてLiO
1/2、及び、RO(RはBaO、SrO、CaOのう
ち少なくとも一種)を、5モル%以上80モル%以下含
有する硼珪酸ガラス材料を5〜15wt%含有すること
によって、1000℃以下の温度で焼成可能である低温
焼成磁石組成物を得ることができた。この材料から所望
の焼成温度に適した材料を選択することにより、本発明
の高周波回路部品を構成することが出来たものである。
【0015】これにより、本発明は、互いに絶縁状態
で、かつ交差状に配置された複数の中心導体と、該中心
導体付近に位置するマイクロ波用磁性体と、該マイクロ
波用磁性体に直流磁界を印加する永久磁石とが一体焼成
された高周波回路部品であって、前記中心導体としてA
g又はAgを主体とする低電気抵抗材料を用いることが
でき、又前記中心導体として抵抗率ρ≦3×10−6Ω
・cmの低電気抵抗材料を用いることができ、低損失な
高周波回路部品を得ることができたものである。
【0016】また本発明は、互いに絶縁状態で、かつ交
差状に配置された複数の中心導体と、該中心導体付近に
位置するマイクロ波用磁性体と、該マイクロ波用磁性体
に直流磁界を印加する永久磁石とを1000℃未満の温
度で一体焼成することができたものである。
【0017】また本発明の中心導体は、前記マイクロ波
用磁性体中に埋設された状態で構成することができ、
又、前記マイクロ波用磁性体層とは別の層に配置するこ
ともできる。
【0018】また、本発明のマイクロ波用磁性体として
は、例えば、特開昭51−18894号公報によれば、
Biで置換したCa−V−In系が開示されてい
る。また、特開昭51−53300号公報にBi
が焼結温度を低くする効果があることが記載されてい
る。従って、特開昭51−18894号公報では、10
50〜1200℃で焼成を行っているが、Bi
置換量を調整することにより、1000℃未満の温度で
焼成可能であり、Ag又はAgを主体とする低電気抵抗
材料との一体焼成が可能な材料を得ることができる。
【0019】実施例1 本発明に係る低温焼結磁石材料の実施例について説明す
る。出発原料として、純度99.5%以上のSrC
、BaCO、PbO、Fe、Bi
BO、SiO、CaCO、LiCOの粉
末を使用した。まず、主成分の磁石材料仮焼き粉末は、
所定の組成になるように計量した出発原料を、ボールミ
ルに純水と共に投入して混合し、取出した混合スラリー
は100℃から120℃の温度で蒸発乾燥した後、アル
ミナケース中で1000℃から1250℃の温度で仮焼
きを行い、得られた仮焼物をライカイ機で粗粉砕して得
た。また、副成分として添加するガラス材料は、所定の
組成になるように計量した出発原料を、ボールミルに純
水と共に投入して混合し、取出した混合スラリーは10
0℃から120℃の温度で蒸発乾燥した後、アルミナケ
ース中で700℃から850℃の温度で仮焼きを行い、
この仮焼物を再度ボールミルで粉砕してガラス原料粉末
を得た。
【0020】このようにして得られた磁石材料の仮焼き
粉末と、副成分として添加する添加物原料粉末、または
ガラス原料粉末を、所定量計量し、φ2からφ5の小径
のボールを用いたボールミルで、平均粒径が1μm以下
となるまで微粉砕を行い低温焼結磁石材料の原料粉末を
得た。この原料粉末をφ6の円柱金型中で2ton/c
m2の圧力で1軸加圧成形した後、電気炉にて、850℃
から1250℃の各温度で4時間持続して焼成した。焼
成した試料は、寸法重量法で密度を測定し、組成の異な
る各試料で得られる最高の密度に対し、その密度の95
%以上の密度が得られた温度を焼結温度とした。但し、
本発明の範囲外の比較例で1000℃以下の温度で焼結
しなかった試料についてはこの限りではない。また、そ
の焼結温度で焼成した円柱状試料の両面に銀ペーストを
塗布し比抵抗を測定した。また、同試料を円盤状に切断
してM−Hカーブを測定し、BrとHcの積を求めて磁
石の性能の評価を行った。
【0021】その結果を表1に実施例として示す。表1
において*印を付けた試料は、本発明の範囲外の実施例
である。表1において副成分の組成の欄にA〜Lの記号
があるが、これは表2の添加物A〜Lに対応し、添加物
の成分を表2に示している。
【0022】
【表1】cm2の圧力で1軸加圧成形した後、電気炉に
て、850℃から1250℃の各温度で4時間持続して
焼成した。焼成した試料は、寸法重量法で密度を測定
し、組成の異なる各試料で得られる最高の密度に対し、
その密度の95%以上の密度が得られた温度を焼結温度
とした。但し、本発明の範囲外の比較例で1000℃以
下の温度で焼結しなかった試料についてはこの限りでは
ない。また、その焼結温度で焼成した円柱状試料の両面
に銀ペーストを塗布し比抵抗を測定した。また、同試料
を円盤状に切断してM−Hカーブを測定し、BrとHc
の積を求めて磁石の性能の評価を行った。
【0021】その結果を表1に実施例として示す。表1
において*印を付けた試料は、本発明の範囲外の実施例
である。表1において副成分の組成の欄にA〜Lの記号
があるが、これは表2の添加物A〜Lに対応し、添加物
の成分を表2に示している。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1より明らかなように、本発明に係る低
温焼結磁石材料では、BiOを3wt%以上添加含
有する事により、1000℃以下の低温でも緻密化し、
特に5wt%以上添加する事により900℃でも焼結可
能となった。しかしながら、本発明の範囲外の組成実施
例である試料No.15、11、14でBi添加
量が3wt%以下となると1000℃以下で焼結する事
が困難となり、15wt%以上となると磁石の性能を示
すBr、iHc値が低下し、磁石の性能が低下し有用な
磁石材料とはならない。
【0025】主成分である磁石材料(Sr1−x―y
Pb)O・nFe、ただし0≦x≦1.
0、0≦y<0.2、5.4≦n≦6.2 は、六方晶
系ストロンチウムフェライトに限らず、SrOの一部ま
たはすべてをBaO、又は、一部をPbOで置換しても
同じように低温焼結の磁石材料を得る事が出来る。しか
しながら、本発明の範囲外の組成実施例である試料N
o.10では、SrOをモル比で20%以上PbOで置
換すると磁石の性能を示すBr、iHc値が低下し、磁
石の性能が低下し有用な磁石材料とはならない。さら
に、本発明の範囲外の組成実施例である試料No.1、
5では、主成分に占めるFeの含有量nは、5.
4≦n≦6.2の範囲外のため、磁石の性能を示すB
r、iHc値が低下し、磁石の性能が低下し有用な磁石
材料とはならない。
【0026】さらに、本発明に係る低温焼結磁石材料
は、50MΩcm以上の高抵抗を得る事が可能のため、高
周波信号線路に隣接して構成されることになる一体積層
型の電子部品に適用した場合に、低損失の電子部品を得
る事が可能となる材料である。
【0027】また表1より明らかなように、本発明に係
る低温焼結磁石材料では、副成分がLiO1/2、及
び、RO(RはBaO、SrO、CaOのうち少なくと
も一種)を、5モル%以上80モル%以下含有する硼珪
酸ガラス材料を5〜15wt%含有する事により、10
00℃以下の低温でも緻密化し、焼結可能となった。し
かしながら、本発明の範囲外の組成実施例である試料N
o.18、23、24、25、26、27では、共に1
000℃の焼結温度では緻密な焼結体を得る事は出来な
かった。
【0028】さらに、本発明の副成分であるガラス材料
の添加量が3〜15wt%の範囲から外れる本発明の範
囲外の組成実施例である試料No.28では、1000
℃の焼結温度では緻密な焼結体を得る事は出来ず、同じ
く試料No.31では、磁石の性能を示すBr、iHc
値が低下し、磁石の性能が低下し有用な磁石材料とはな
らない。
【0029】さらに、本発明の低温焼結磁石材料は、1
00MΩcm以上の高抵抗を得る事が可能のため、高周波
信号線路に隣接して構成されることになる一体積層型の
電子部品に適用した場合に、低損失の電子部品を得る事
が可能となる材料である。
【0030】焼結体の結晶の方向をそろえ配向させる事
によりフェライト磁石の性能は向上するが、本発明の磁
石材料においても、従来のフェライト磁石材料と同じよ
うに配向させる事により高性能化を計る事が出来る。
【0031】実施例2 (Sr1−x―yBaPb)O・nFe、た
だしx=0、y=0、n=5.7を主成分とし、副成分
として、Biを5wt%含有する磁石材料粉末と
有機バインダ及び有機溶剤などをボールミル中で混練し
て液状のスラリーを作成し、そのスラリーを用いドクタ
ーブレード法で厚さ100μm程度の磁石材料用のグリ
ーンシートを作成した。この磁石用のグリーンシートは
900℃程度で焼成可能なものである。
【0032】次に出発原料として、純度99.5%以上
のY,Bi,CaCO ,Fe,I
,Vの粉末を(Y1.2Bi1.0Ca
0. )(Fe4.5In0.10.4)O12の組
成となるように計量し、ボールミルに純粋とともに投入
して混合し、取り出した混合スラリーは100℃〜12
0℃の温度で蒸発乾燥した後、アルミナケース中で70
0℃〜850℃の温度で仮焼きを行い、得られた仮焼物
を再度ボールミルで粉砕し、取り出したスラリーは10
0℃〜120℃の温度で蒸発乾燥し平均竜径1μm以下
のマイクロ波用磁性体材料粉末を得た。このマイクロ波
用磁性体材料粉末と有機バインダと有機溶剤などをボー
ルミル中で混練して液状のスラリーを作成し、そのスラ
リーを用いドクターブレード法で厚さ100μm程度の
マイクロ波用磁性体材料用のグリーンシートを作成し
た。このマイクロ波用磁性体のグリーンシートは900
℃程度で焼結可能なものを使用した。
【0033】この2種類のグリーンシ−トを同時に積層
した、一実施例の積層の構成を図1に示す。前記マイク
ロ波用磁性体シ−ト122、123、124にスル−ホ
−ルを形成しAgペーストを用いて中心導体131、1
32、133を印刷形成し、導体の印刷されていないシ
−ト121と共に積層した。これにより、マイクロ波用
磁性体シ−ト内部に互いに交叉する3つの中心導体13
1、132、133を構成した。このマイクロ波用磁性
体のグリーンシートの積層体に更に磁石のグリーンシー
ト111、112、113を積層し、圧着した。図1で
は、1素子分を示しているが、実際に製造する場合は、
複数個分を形成可能なグリーンシートを用意し、そこへ
複数個分の導体パターンを印刷し、複数個分の圧着体を
得る。そして、その複数個分の圧着体を各素子のチップ
形状に切断し、900℃で一体焼結させた。さらに表面
に、Agおよびガラスフリットを含むぺ−ストを用いて
外部電極を印刷・焼付けし、電極表面にめっきによりN
i膜およびはんだ膜を形成し、高周波回路部品積層体を
構成した。
【0034】この高周波回路部品積層体を裏面から見た
斜視図を図2に示す。20は高周波回路部品積層体を示
す。21、24は整合コンデンサおよび外部I/O端子
と接続するための外部電極であり、21は積層体内部の
中心導体131と接続されており、24は133と接続
されている。23は整合コンデンサと接続するための外
部電極であり積層体内部の中心導体132と接続されて
いる。アイソレ−タを構成する場合はこの端子に抵抗を
接続する。サ−キュレ−タを構成する場合はこの端子を
外部I/O端子と接続する。22は外部ア−ス端子と接
続するための外部電極であり積層体内部の中心導体13
1、132、133の一端と接続されている。
【0035】この高周波回路部品積層体を用いて構成し
た集中定数型アイソレ−タの分解斜視図を図3に示す。
高周波回路部品積層体20は上ヨ−ク311と下ヨ−ク
316の中に収納され磁石の磁界がマイクロ波用磁性体
の層に均一にかかるように配置されている。この上ヨー
ク311と下ヨーク316は、金属製のケースであり、
磁気回路を構成するとともに、内部を保護している。
【0036】この高周波回路部品積層体の外部電極24
は整合コンデンサ312と外部I/O端子318に接続
されている。外部電極21は整合コンデンサ314と外
部I/O端子319に接続されている。外部電極23は
整合コンデンサ313とチップ抵抗315に接続されて
いる。外部電極22は下ヨ−ク316に接続され、さら
に下ヨ−ク316はア−ス板320に接続され、外部ア
−ス端子321に接続されている。整合コンデンサ31
2、313、314とチップ抵抗315の裏面はア−ス
板320に接続され外部ア−ス電極321と接続されい
る。本発明の磁石シ−トを用いた高周波回路部品積層体
でアイソレ−タを構成することにより、従来よりも部品
点数を削減でき、組立工数削減により、安価なアイソレ
−タの提供が可能となった。
【0037】さらに、本発明の磁石シ−トを用いること
により、ヨ−クを除くすべての部品を1チップに納めて
アイソレ−タを構成することも可能である。実施例を以
下に述べる。上記実施例と同様の磁石シ−トとマイクロ
波用磁性体シ−トの2種類を同時に積層した、シ−トの
構成を図4に示す。
【0038】マイクロ波用磁性体シ−ト423〜428
にAgペーストを用いて内部導電体パターン431〜4
36を印刷形成し、導体の印刷されていないシ−ト42
1、422と共に積層した。これにより、マイクロ波用
磁性体シ−ト内部に互いに交叉する3つの中心導体43
4、435、436を構成し、3組の整合容量用コンデ
ンサを、431と433の間、432と433の間、4
35と433の間で構成した。このマイクロ波用磁性体
のグリーンシートの積層体に更に磁石のグリーンシート
411、412、413を積層し、圧着した。そして、
チップ形状に切断し、900℃で一体焼結させた。さら
に表面に、Agおよびガラスフリットを含むぺ−ストを
用いて外部電極を印刷・焼付けし、RuOを主成分とす
る抵抗膜およびカバ−ガラス膜を印刷・焼付けした。電
極表面にめっきによりNi膜およびはんだ膜を形成し、
高周波回路部品積層体を構成した。
【0039】この高周波回路部品積層体を裏面から見た
斜視図を図5に示す。50はこの高周波回路部品積層体
を示す。51、53は外部I/O端子であり、51は積
層体内部の内部電極431および中心導体436と接続
されており、53は内部電極432、中心導体434と
接続されている。52、54は外部ア−ス端子であり、
52は積層体内部の中心導体434およびア−スパタ−
ン433と接続されており、54は中心導体436、ア
ースパターン433と接続されている。55は下ヨ−ク
と接続しア−スをとるための外部電極である。56は積
層体内部の中心導体435とア−スパタ−ン433およ
びア−スにつながる外部電極55に接続されている。5
7は積層体内部の中心導体435と接続されており、積
層体表面に形成した厚膜抵抗58に接続されている。こ
れは、アイソレ−タに用いる場合の構成であるが、サ−
キュレ−タに用いる場合は、厚膜抵抗58を付けないで
外部電極57をI/O端子として使用する。
【0040】この高周波回路部品積層体を用いて構成し
た集中定数型アイソレ−タの分解斜視図を図6に示す。
高周波回路部品積層体50は上ヨ−ク61と下ヨ−ク6
2の中に収納され磁石の磁界がマイクロ波用磁性体に均
一にかかるように配置されている。51は外部I/O端
子であり、52は外部ア−ス端子である。本発明の磁石
シ−トを用いた高周波回路部品積層体でアイソレ−タを
構成することにより、ヨ−クを除く部品の全てを1チッ
プに収めることが可能となり、従来よりも一層の小型化
が可能となると共に、組立工数削減により、安価なアイ
ソレ−タの提供が可能となった。
【0041】本発明によれば、1000℃以下で焼成可
能な磁石を得ることができる。これにより、製造コスト
の低減が可能であるとともに、Ag導体との同時焼成が
可能となる。そして、中心導体とマイクロ波磁性体と永
久磁石とを一体焼成する高周波部品において、低電気抵
抗材料を用いることにより、低損失な高周波回路部品を
得ることができる。しかも、積層一体化により製造コス
ト、部品コストを低減させることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、Ag又はAgを主体と
する低電気抵抗材料との同時焼成が可能となる。これに
より、永久磁石と中心導体とマイクロ波磁性体との一体
焼成する高周波部品において、低損失な高周波部品を得
ることが可能となり、それら複合体を一体化した高周波
回路部品の製造が可能となり、製造コスト、部品コスト
を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施例の高周波回路部品積層
体のシ−ト構成図である。
【図2】 本発明に係る一実施例の高周波回路部品積層
体を裏面から見た斜視図である。
【図3】 本発明に係る一実施例のアイソレ−タの分解
斜視図である。
【図4】 本発明に係る別の実施例の高周波回路部品積
層体のシ−ト構成図である。
【図5】 本発明に係る別の実施例の高周波回路部品積
層体を裏面から見た斜視図である。
【図6】 本発明に係る別の実施例のアイソレ−タの分
解斜視図である。
【符号の説明】
111、112、113、411、412、413 磁
石グリ−ンシ−ト 121、122、123、124、421、422、4
23、424、425、426、427、428 マイ
クロ波用磁性体グリ−ンシ−ト 131、132、133、434、435、436 中
心導体 431、432、433 内部電極 20、50 高周波回路部品積層体 21、22、23、24、55、56、57 外部電極 51、53 外部電極・I/O端子 52、54 外部電極・ア−ス端子 58 厚膜抵抗 311、61 上ヨ−ク 312、313、314 コンデンサ 315 チップ抵抗 316、62 下ヨ−ク 317 樹脂ケ−ス 318、319 I/O端子 320 ア−ス板 321 ア−ス端子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに絶縁状態で、かつ交差状に配置さ
    れた複数の中心導体と、該中心導体付近に位置するマイ
    クロ波用磁性体と、該マイクロ波用磁性体に直流磁界を
    印加する永久磁石とが一体焼成された高周波回路部品で
    あって、前記中心導体がAg又はAgを主体とする低電
    気抵抗材料であることを特徴とする高周波回路部品。
  2. 【請求項2】 互いに絶縁状態で、かつ交差状に配置さ
    れた複数の中心導体と、該中心導体付近に位置するマイ
    クロ波用磁性体と、該マイクロ波用磁性体に直流磁界を
    印加する永久磁石とが1000℃未満の温度で一体焼成
    されていることを特徴とする高周波回路部品。
  3. 【請求項3】 互いに絶縁状態で、かつ交差状に配置さ
    れた複数の中心導体と、該中心導体付近に位置するマイ
    クロ波用磁性体と、該マイクロ波用磁性体に直流磁界を
    印加する永久磁石とが一体焼成された高周波回路部品で
    あって、前記中心導体が抵抗率ρ≦3×10−6Ω・c
    mの低電気抵抗材料であることを特徴とする高周波回路
    部品。
  4. 【請求項4】 前記中心導体は、前記マイクロ波用磁性
    体中に埋設された状態であることを特徴とする請求項
    1、2又は3に記載の高周波回路部品。
  5. 【請求項5】 前記高周波回路部品を磁性金属ケースに
    収納して、非可逆回路素子を構成することを特徴とする
    請求項1、2又は3に記載の高周波回路部品。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石は、(Sr1−x―yBa
    Pb)O・nFe、ただし0≦x≦1.0、
    0≦y≦0.2、5.4≦n≦6.2を主成分とし、副
    成分としてBiを3〜10wt%含有することを
    特徴とする請求項1、2又は3に記載の高周波回路部
    品。
  7. 【請求項7】 前記永久磁石は、(Sr1−x―yBa
    Pb)O・nFe、ただし0≦x≦1.0、
    0≦y≦0.2、5.4≦n≦6.2を主成分とし、副
    成分としてLiO1/2、及び、RO(RはBaO、S
    rO、CaOのうち少なくとも一種)を、5モル%以上
    80モル%以下含有する硼珪酸ガラス材料を5〜15w
    t%含有することを特徴とする請求項1、2又は3に記
    載の高周波回路部品。
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