JPH07111406A - マイクロ波用非可逆回路素子及びその製造方法 - Google Patents
マイクロ波用非可逆回路素子及びその製造方法Info
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- JPH07111406A JPH07111406A JP5254491A JP25449193A JPH07111406A JP H07111406 A JPH07111406 A JP H07111406A JP 5254491 A JP5254491 A JP 5254491A JP 25449193 A JP25449193 A JP 25449193A JP H07111406 A JPH07111406 A JP H07111406A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 煩雑な手作業による組み立て工程を省略する
ことができ、小型化が容易であり、かつ渦電極損失や特
性変動のばらつきの低減を果たし得るマイクロ波用非可
逆回路素子を提供する。 【構成】 セラミック積層・一体焼成技術により構成さ
れた焼結体13内に、非磁性体材料よりなる第1の層1
3aと、マイクロ波用磁性体材料よりなる第2の層13
b,13bとを構成し、第1の層13a内に互いの間が
非磁性体材料層により電気的に絶縁されており、かつ互
いに交叉するように配置された複数の中心電極8〜10
を設けてなる、マイクロ波用非可逆回路素子14。
ことができ、小型化が容易であり、かつ渦電極損失や特
性変動のばらつきの低減を果たし得るマイクロ波用非可
逆回路素子を提供する。 【構成】 セラミック積層・一体焼成技術により構成さ
れた焼結体13内に、非磁性体材料よりなる第1の層1
3aと、マイクロ波用磁性体材料よりなる第2の層13
b,13bとを構成し、第1の層13a内に互いの間が
非磁性体材料層により電気的に絶縁されており、かつ互
いに交叉するように配置された複数の中心電極8〜10
を設けてなる、マイクロ波用非可逆回路素子14。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばサーキュレータ
ーやアイソレーター用として用いられるマイクロ波用非
可逆回路素子に関し、特に、電気絶縁性の非磁性体材
料、マイクロ波用磁性体材料及び複数の中心電極材料積
層し、一体焼成することにより得られた焼結体を用いて
構成されたマイクロ波用非可逆回路素子に関する。
ーやアイソレーター用として用いられるマイクロ波用非
可逆回路素子に関し、特に、電気絶縁性の非磁性体材
料、マイクロ波用磁性体材料及び複数の中心電極材料積
層し、一体焼成することにより得られた焼結体を用いて
構成されたマイクロ波用非可逆回路素子に関する。
【0002】なお、本発明のマイクロ波用非可逆回路素
子は、0.5〜3GHz程度の周波数帯で用いられるも
のである。
子は、0.5〜3GHz程度の周波数帯で用いられるも
のである。
【0003】
【従来の技術】近年、移動体通信等においては、高周波
機器の小型化及び汎用化が進行しており、使用される非
可逆回路素子においても小型化及び低コスト化が強く求
められている。
機器の小型化及び汎用化が進行しており、使用される非
可逆回路素子においても小型化及び低コスト化が強く求
められている。
【0004】上記非可逆回路素子としては、例えば、電
気的に絶縁された状態で、かつ交叉するように配置され
た複数の中心電極と、該複数の中心電極の上部及び下部
にマイクロ波用磁性体を配置し、さらに永久磁石により
直流磁界が上記複数の中心電極が交叉している部分に印
加されるように構成されている素子、いわゆる集中定数
型の非可逆回路素子があり、例えば、集中定数型サーキ
ュレーターやアイソレーター等が挙げられる。
気的に絶縁された状態で、かつ交叉するように配置され
た複数の中心電極と、該複数の中心電極の上部及び下部
にマイクロ波用磁性体を配置し、さらに永久磁石により
直流磁界が上記複数の中心電極が交叉している部分に印
加されるように構成されている素子、いわゆる集中定数
型の非可逆回路素子があり、例えば、集中定数型サーキ
ュレーターやアイソレーター等が挙げられる。
【0005】図4は、従来のマイクロ波用非可逆回路素
子の組み立て工程の一例を説明するための斜視図であ
る。マイクロ波用非可逆回路素子の組み立てに際して
は、まず、円板状のマイクロ波用磁性体23a上に、金
属箔、例えばCu箔よりなる中心電極24aが配置され
る。
子の組み立て工程の一例を説明するための斜視図であ
る。マイクロ波用非可逆回路素子の組み立てに際して
は、まず、円板状のマイクロ波用磁性体23a上に、金
属箔、例えばCu箔よりなる中心電極24aが配置され
る。
【0006】中心電極24aは、マイクロ波用磁性体2
3aの上面の中心を通り径方向に延び、さらにマイクロ
波用磁性体23aの側面に至る形状とされている。次
に、上記中心電極24a上に絶縁性材料よりなる絶縁膜
25aが配置され、その上に中心電極24aと交叉する
ように他の中心電極24bが配置される。さらに、上記
中心電極24b上に絶縁膜25b、中心電極24c、絶
縁膜25cと順に積層され、マイクロ波用磁性体23b
を上部から積層する。
3aの上面の中心を通り径方向に延び、さらにマイクロ
波用磁性体23aの側面に至る形状とされている。次
に、上記中心電極24a上に絶縁性材料よりなる絶縁膜
25aが配置され、その上に中心電極24aと交叉する
ように他の中心電極24bが配置される。さらに、上記
中心電極24b上に絶縁膜25b、中心電極24c、絶
縁膜25cと順に積層され、マイクロ波用磁性体23b
を上部から積層する。
【0007】また、上記のようにして組み立てられるマ
イクロ波用非可逆回路素子は、図5に分解斜視図で示す
ように、永久磁石及び永久磁石を保持しているヨーク等
と組み合わされて、サーキュレーターやアイソレーター
として構成されていた。
イクロ波用非可逆回路素子は、図5に分解斜視図で示す
ように、永久磁石及び永久磁石を保持しているヨーク等
と組み合わされて、サーキュレーターやアイソレーター
として構成されていた。
【0008】すなわち、矩形のアルミナ等の絶縁性材料
よりなる基板31には、中央に上記マイクロ波用非可逆
回路素子が収納される貫通孔31aが形成されている。
基板31の上面には、容量取り出し用の電極32,3
2,32が導電膜を印刷することにより形成されてい
る。
よりなる基板31には、中央に上記マイクロ波用非可逆
回路素子が収納される貫通孔31aが形成されている。
基板31の上面には、容量取り出し用の電極32,3
2,32が導電膜を印刷することにより形成されてい
る。
【0009】他方、基板31の下面には、上記容量取り
出し用の電極32,32と基板31を介して表裏対向す
るようにアース電極が形成されている。また、このアー
ス電極に、下方に図示されているアース板33がはんだ
付けにより接合され、基板31とアース板33とが一体
化されている。アース板33は、金属板よりなり、中央
に貫通孔33aを有し、かつ該貫通孔33aに臨む部分
に立ち上がり片33b,33bを有する。立ち上がり片
33b,33bは、基板31とアース板33とを上記の
ように接合した状態で、基板31の貫通孔31aを通り
上方に突出されている。そして、組み立て後の要部を示
す図6から明らかなように上記突出片33bは、前述し
たマイクロ波用非可逆回路素子の中心電極24a〜24
cの一端にはんだ付け等により接続される。なお、図6
では上述した絶縁膜25a〜25cは省略してある。ま
た、図6の参照番号37は、基板31の下面に形成され
たアース電極を示す。上記容量取り出し用電極32,3
2と、基板31と、基板31の裏面に形成されたアース
電極37とによりインピーダンス整合用の容量が構成さ
れている。
出し用の電極32,32と基板31を介して表裏対向す
るようにアース電極が形成されている。また、このアー
ス電極に、下方に図示されているアース板33がはんだ
付けにより接合され、基板31とアース板33とが一体
化されている。アース板33は、金属板よりなり、中央
に貫通孔33aを有し、かつ該貫通孔33aに臨む部分
に立ち上がり片33b,33bを有する。立ち上がり片
33b,33bは、基板31とアース板33とを上記の
ように接合した状態で、基板31の貫通孔31aを通り
上方に突出されている。そして、組み立て後の要部を示
す図6から明らかなように上記突出片33bは、前述し
たマイクロ波用非可逆回路素子の中心電極24a〜24
cの一端にはんだ付け等により接続される。なお、図6
では上述した絶縁膜25a〜25cは省略してある。ま
た、図6の参照番号37は、基板31の下面に形成され
たアース電極を示す。上記容量取り出し用電極32,3
2と、基板31と、基板31の裏面に形成されたアース
電極37とによりインピーダンス整合用の容量が構成さ
れている。
【0010】他方、マイクロ波用非可逆回路素子の中心
電極24a〜24cの他端は、例えば図6に1の中心電
極24cのみを代表して示すように、基板31の上面に
形成された容量取り出し用の電極32に電気的に接続さ
れている。同様に、他の中心電極24a,24bの他端
も、他の容量取り出し用電極に電気的に接続されてい
る。
電極24a〜24cの他端は、例えば図6に1の中心電
極24cのみを代表して示すように、基板31の上面に
形成された容量取り出し用の電極32に電気的に接続さ
れている。同様に、他の中心電極24a,24bの他端
も、他の容量取り出し用電極に電気的に接続されてい
る。
【0011】図5に戻り、上記基板31とアース板33
とを積層し、貫通孔31a,33a内にマイクロ波用非
可逆回路素子を組み込み、上下からヨーク34,35で
挟持することにより、マイクロ波用非可逆回路装置が構
成される。ヨーク34の下面には、永久磁石36が固定
されている。ヨーク34,35は金属材料よりなり、一
対の対向端縁が相手側に向かって折り曲げられており、
該折り曲げられた部分を利用して両者が半田等によりあ
るいは機械的な係合により固定されるように構成されて
いる。
とを積層し、貫通孔31a,33a内にマイクロ波用非
可逆回路素子を組み込み、上下からヨーク34,35で
挟持することにより、マイクロ波用非可逆回路装置が構
成される。ヨーク34の下面には、永久磁石36が固定
されている。ヨーク34,35は金属材料よりなり、一
対の対向端縁が相手側に向かって折り曲げられており、
該折り曲げられた部分を利用して両者が半田等によりあ
るいは機械的な係合により固定されるように構成されて
いる。
【0012】上記のように、従来のマイクロ波用非可逆
回路素子では、図4に示した構造を組み立てる際に煩雑
な手作業が強いられていただけでなく、直流磁界を印加
するための永久磁石やアース電極等の接続に際しても、
はんだ付けや煩雑な手作業が強いられていた。
回路素子では、図4に示した構造を組み立てる際に煩雑
な手作業が強いられていただけでなく、直流磁界を印加
するための永久磁石やアース電極等の接続に際しても、
はんだ付けや煩雑な手作業が強いられていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
マイクロ波用非可逆回路素子では、複数の中心電極及び
マイクロ波用磁性体を設けてなる主要部が、煩雑な手作
業により組み立てられており、かつ非常に多くの部品を
必要としていた。その結果、製造コストが高くつくとい
う問題があった。
マイクロ波用非可逆回路素子では、複数の中心電極及び
マイクロ波用磁性体を設けてなる主要部が、煩雑な手作
業により組み立てられており、かつ非常に多くの部品を
必要としていた。その結果、製造コストが高くつくとい
う問題があった。
【0014】そこで、上記のような問題を解消するため
に、マイクロ波用非可逆回路素子の要部を、複数枚の磁
性体グリーンシートと中心電極とを積層して一体焼成す
ることにより得られた焼結体で構成してなるマイクロ波
用非可逆回路素子が提案されている(特願平4−208
963号) この未だ公知ではない、一体焼成型の焼結体を用いて構
成されたマイクロ波用非可逆回路素子の製造方法を、図
7を参照して説明する。
に、マイクロ波用非可逆回路素子の要部を、複数枚の磁
性体グリーンシートと中心電極とを積層して一体焼成す
ることにより得られた焼結体で構成してなるマイクロ波
用非可逆回路素子が提案されている(特願平4−208
963号) この未だ公知ではない、一体焼成型の焼結体を用いて構
成されたマイクロ波用非可逆回路素子の製造方法を、図
7を参照して説明する。
【0015】まず、マイクロ波用磁性体粉末とポリビニ
ルアルコール系有機バインダとを含むスラリーを用意す
る。次に、上記スラリーをドクターブレード法により成
形し、矩形形状に打ち抜くことにより、複数枚の磁性体
グリーンシートを用意する。
ルアルコール系有機バインダとを含むスラリーを用意す
る。次に、上記スラリーをドクターブレード法により成
形し、矩形形状に打ち抜くことにより、複数枚の磁性体
グリーンシートを用意する。
【0016】図7に示すように、上記のようにして用意
した複数枚の磁性体グリーンシート41〜53のうち、
磁性体グリーンシート46〜48の上面に、金属粉末及
び有機溶剤を含有する中心電極用ペーストをスクリーン
印刷することにより、中心電極54〜56を形成する。
した複数枚の磁性体グリーンシート41〜53のうち、
磁性体グリーンシート46〜48の上面に、金属粉末及
び有機溶剤を含有する中心電極用ペーストをスクリーン
印刷することにより、中心電極54〜56を形成する。
【0017】次に、上記磁性体グリーンシート41〜5
3を、図7に示す向きのまま積層し、厚み方向に加圧す
ることにより未焼成の積層体を得る。なお、上記中心電
極54〜56は、この積層体において、それぞれ、対向
2面に両端が露出されており、かつ中心電極54〜56
は積層体の上方から見た場合に、それぞれが、120度
の角度を成すように配置されている。従って、積層体内
において、中心電極54〜56は、磁性体グリーンシー
ト層を隔てて配置されており、かつ積層体の中心部にお
いて交叉するように構成されている。
3を、図7に示す向きのまま積層し、厚み方向に加圧す
ることにより未焼成の積層体を得る。なお、上記中心電
極54〜56は、この積層体において、それぞれ、対向
2面に両端が露出されており、かつ中心電極54〜56
は積層体の上方から見た場合に、それぞれが、120度
の角度を成すように配置されている。従って、積層体内
において、中心電極54〜56は、磁性体グリーンシー
ト層を隔てて配置されており、かつ積層体の中心部にお
いて交叉するように構成されている。
【0018】次に、上記積層体を1300〜1500℃
の温度で焼成し、該焼結体の外側面を研磨し、中心電極
54〜56の両端を確実に露出させ、中心電極54〜5
6の両端に、それぞれ、外部電極を形成する。
の温度で焼成し、該焼結体の外側面を研磨し、中心電極
54〜56の両端を確実に露出させ、中心電極54〜5
6の両端に、それぞれ、外部電極を形成する。
【0019】しかる後、得られた焼結体の上面及び下面
にアース電極を形成し、中心電極54〜56の各一端に
接続された外部電極に電気的に接続し、中心電極54〜
56の一端を接地する。
にアース電極を形成し、中心電極54〜56の各一端に
接続された外部電極に電気的に接続し、中心電極54〜
56の一端を接地する。
【0020】他方、中心電極54〜56の他端には、必
要に応じて、整合回路用の容量コンデンサを接続する。
また、上記焼結体の上部及び下部に永久磁石を配置し、
かつ金属ヨークにより永久磁石を挟持することにより、
磁気閉磁回路を形成するとともに、中心電極54〜56
に直流磁界を印加するように構成する。
要に応じて、整合回路用の容量コンデンサを接続する。
また、上記焼結体の上部及び下部に永久磁石を配置し、
かつ金属ヨークにより永久磁石を挟持することにより、
磁気閉磁回路を形成するとともに、中心電極54〜56
に直流磁界を印加するように構成する。
【0021】上記のように、一体焼成型の焼結体を用い
たマイクロ波用非可逆回路素子では、中心電極54〜5
6を含む主要部分が上記焼結体により構成され、該焼結
体は周知の積層セラミック電子部品の製造方法を利用す
ることにより得られる。従って、マイクロ波用非可逆回
路素子の要部の組み立て工程を簡略化することができ、
部品点数を低減することができる。
たマイクロ波用非可逆回路素子では、中心電極54〜5
6を含む主要部分が上記焼結体により構成され、該焼結
体は周知の積層セラミック電子部品の製造方法を利用す
ることにより得られる。従って、マイクロ波用非可逆回
路素子の要部の組み立て工程を簡略化することができ、
部品点数を低減することができる。
【0022】しかしながら、一体焼結体型の磁性体を用
いた上記非可逆回路素子では、磁性体内に中心電極54
〜56が配置される。従って、渦電流により電流損失が
比較的大きくなるという決定があった。一般に、渦電流
による損失係数は、次の式で表される。
いた上記非可逆回路素子では、磁性体内に中心電極54
〜56が配置される。従って、渦電流により電流損失が
比較的大きくなるという決定があった。一般に、渦電流
による損失係数は、次の式で表される。
【0023】
【数1】
【0024】なお、上記式において、μ´は、透磁率の
実数部を示し、μ″は、損失を示す透磁率の虚数部を示
す。また、μi は磁性体の透磁率を、tは磁芯の厚さ
を、cは形状に依存する定数であり、ρは比抵抗を、f
は周波数を示す。
実数部を示し、μ″は、損失を示す透磁率の虚数部を示
す。また、μi は磁性体の透磁率を、tは磁芯の厚さ
を、cは形状に依存する定数であり、ρは比抵抗を、f
は周波数を示す。
【0025】式(1)から明らかなように、透磁率μi
が大きくなると、渦電流損失が大きくなる。また、μ″
で示される磁気損失は、アイソレータの挿入損失に影響
し、該μ″はアイソレータや動作周波数や直流印加磁場
により異なるため、アイソレータの設計を難しくしてい
た。
が大きくなると、渦電流損失が大きくなる。また、μ″
で示される磁気損失は、アイソレータの挿入損失に影響
し、該μ″はアイソレータや動作周波数や直流印加磁場
により異なるため、アイソレータの設計を難しくしてい
た。
【0026】よって、本発明の目的は、部品点数の低減
及び製造工程の簡略化を図り得るだけでなく、渦電流損
失を小さくすることができ、かつ信頼性に優れた小型の
マイクロ波用非可逆回路素子を提供することにある。
及び製造工程の簡略化を図り得るだけでなく、渦電流損
失を小さくすることができ、かつ信頼性に優れた小型の
マイクロ波用非可逆回路素子を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、互いに電気的に絶縁されており、かつ交叉するよう
に配置された複数の中心電極と、前記複数の中心電極の
交叉部分近傍に配置されたマイクロ波用磁性体とを有
し、前記交叉部分に直流磁界が印加されるように構成さ
れたマイクロ波用非可逆回路素子であって、絶縁性の非
磁性体材料よりなる第1の層と、前記第1の層を挟持す
るように積層されておりかつマイクロ波用磁性体材料よ
りなる第2の層とを有する焼結体と、前記第1の層内に
おいて、非磁性体材料層を隔てて互いの間が電気的に絶
縁されており、かつ互いに交叉するように配置された複
数の中心電極とを備えることを特徴とする、マイクロ波
用非可逆回路素子である。
は、互いに電気的に絶縁されており、かつ交叉するよう
に配置された複数の中心電極と、前記複数の中心電極の
交叉部分近傍に配置されたマイクロ波用磁性体とを有
し、前記交叉部分に直流磁界が印加されるように構成さ
れたマイクロ波用非可逆回路素子であって、絶縁性の非
磁性体材料よりなる第1の層と、前記第1の層を挟持す
るように積層されておりかつマイクロ波用磁性体材料よ
りなる第2の層とを有する焼結体と、前記第1の層内に
おいて、非磁性体材料層を隔てて互いの間が電気的に絶
縁されており、かつ互いに交叉するように配置された複
数の中心電極とを備えることを特徴とする、マイクロ波
用非可逆回路素子である。
【0028】また、請求項2,3に記載の発明は、それ
ぞれ、上記請求項1に記載の発明にかかるマイクロ波用
非可逆回路素子の製造方法であり、請求項2に記載の発
明は、中心電極が一方主面に形成された非磁性体材料グ
リーンシートを、複数の中心電極同士が交叉するように
複数枚積層し、上下にそれぞれ少なくとも1枚のマイク
ロ波用磁性体材料グリーンシートを積層して積層体を得
る工程と、前記積層体を焼成して焼結体を得る工程とを
備える、請求項1に記載のマイクロ波用非可逆回路素子
の製造方法であり、請求項3に記載の発明は、マイクロ
波用磁性体ペーストを印刷する工程と、前記マイクロ波
用磁性体ペースト上に非磁性体ペーストと、中心電極用
ペーストとを交互に印刷する工程と、前記中心電極用ペ
ースト及び非磁性体ペーストを印刷した後、非磁性体ペ
ースト上にマイクロ波用磁性体ペーストを印刷する工程
と、前記各ペーストを印刷することにより得られた積層
体を焼成し、焼結体を得る工程とを備える、請求項1に
記載のマイクロ波用非可逆回路素子の製造方法である。
ぞれ、上記請求項1に記載の発明にかかるマイクロ波用
非可逆回路素子の製造方法であり、請求項2に記載の発
明は、中心電極が一方主面に形成された非磁性体材料グ
リーンシートを、複数の中心電極同士が交叉するように
複数枚積層し、上下にそれぞれ少なくとも1枚のマイク
ロ波用磁性体材料グリーンシートを積層して積層体を得
る工程と、前記積層体を焼成して焼結体を得る工程とを
備える、請求項1に記載のマイクロ波用非可逆回路素子
の製造方法であり、請求項3に記載の発明は、マイクロ
波用磁性体ペーストを印刷する工程と、前記マイクロ波
用磁性体ペースト上に非磁性体ペーストと、中心電極用
ペーストとを交互に印刷する工程と、前記中心電極用ペ
ースト及び非磁性体ペーストを印刷した後、非磁性体ペ
ースト上にマイクロ波用磁性体ペーストを印刷する工程
と、前記各ペーストを印刷することにより得られた積層
体を焼成し、焼結体を得る工程とを備える、請求項1に
記載のマイクロ波用非可逆回路素子の製造方法である。
【0029】本発明のマイクロ波用非可逆回路素子で
は、上記焼結体内に複数の中心電極が配置されており、
従って、請求項2または3に記載のように、積層セラミ
ック電子部品の製造方法を利用することにより効率良く
製造することができる。
は、上記焼結体内に複数の中心電極が配置されており、
従って、請求項2または3に記載のように、積層セラミ
ック電子部品の製造方法を利用することにより効率良く
製造することができる。
【0030】また、上記複数の中心電極は、互いに電気
的に絶縁された状態で、上記焼結体の第1の層内すなわ
ち、非磁性体層内に配置されている。よって、第2の層
すなわちマイクロ波用磁性体層と中心電極が、上記絶縁
性の非磁性体材料よりなる第1の層を隔てて配置されて
いるため、渦電流損失が低減され、かつ例えばアイソレ
ータとして用いた場合の動作周波数や直流印加磁場によ
る磁気損失のばらつきが低減される。
的に絶縁された状態で、上記焼結体の第1の層内すなわ
ち、非磁性体層内に配置されている。よって、第2の層
すなわちマイクロ波用磁性体層と中心電極が、上記絶縁
性の非磁性体材料よりなる第1の層を隔てて配置されて
いるため、渦電流損失が低減され、かつ例えばアイソレ
ータとして用いた場合の動作周波数や直流印加磁場によ
る磁気損失のばらつきが低減される。
【0031】また、請求項2,3に記載の発明は、上記
のように一体焼成型の焼結体を得る工程を用いるため、
請求項1に記載の発明のマイクロ波用非可逆回路素子の
主要部を構成するのに必要な部品点数を低減することが
でき、かつ製造工程を簡略化することができる。しか
も、複数の中心電極は、グリーンシート上に印刷等によ
り形成されたり、あるいは中心電極用ペーストを印刷す
ることにより構成されるので、小型化を図った場合で
も、中心電極を正確にかつ容易に形成することができ
る。
のように一体焼成型の焼結体を得る工程を用いるため、
請求項1に記載の発明のマイクロ波用非可逆回路素子の
主要部を構成するのに必要な部品点数を低減することが
でき、かつ製造工程を簡略化することができる。しか
も、複数の中心電極は、グリーンシート上に印刷等によ
り形成されたり、あるいは中心電極用ペーストを印刷す
ることにより構成されるので、小型化を図った場合で
も、中心電極を正確にかつ容易に形成することができ
る。
【0032】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ本発明の非限
定的な実施例を説明することにより、本発明の非可逆回
路素子を明らかにする。
定的な実施例を説明することにより、本発明の非可逆回
路素子を明らかにする。
【0033】第1の実施例 まず、酸化イットリウム(Y2 O3 )及び酸化鉄(Fe
2 O3 )を主成分とするマイクロ波用磁性体粉末と、ポ
リビニルアルコール系有機バインダとを有機溶剤中に分
散し、スラリーを得る。本実施例では、マイクロ波用磁
性体粉末として、上記酸化イットリウム及び酸化鉄を主
成分とするものを用いたが、これに代えて、マンガンマ
グネシウムフェライト、ニッケル亜鉛フェライト、カル
シウムバナジウムガーネット等の適宜の磁性体材料粉末
を用いることができる。
2 O3 )を主成分とするマイクロ波用磁性体粉末と、ポ
リビニルアルコール系有機バインダとを有機溶剤中に分
散し、スラリーを得る。本実施例では、マイクロ波用磁
性体粉末として、上記酸化イットリウム及び酸化鉄を主
成分とするものを用いたが、これに代えて、マンガンマ
グネシウムフェライト、ニッケル亜鉛フェライト、カル
シウムバナジウムガーネット等の適宜の磁性体材料粉末
を用いることができる。
【0034】次に、上記のようにして得たマイクロ波用
磁性体スラリーを例えばドクターブレード法により成形
し、数10μmの均一な厚みのマイクロ波磁性体グリー
ンシートを成形し、例えば40mm×20mm程度の寸
法を有する矩形形状に打ち抜く。
磁性体スラリーを例えばドクターブレード法により成形
し、数10μmの均一な厚みのマイクロ波磁性体グリー
ンシートを成形し、例えば40mm×20mm程度の寸
法を有する矩形形状に打ち抜く。
【0035】他方、酸化アルミニウム(Al2 O3 )
と、酸化珪素(SiO2 )を主成分とする非磁性体粉末
をポリビニルアルコール系バインダとともに有機溶剤中
に分散し、第2のスラリーを用意する。第2のスラリー
は、非磁性体グリーンシートを得るために用意するもの
であるが、後述するように、磁性体材料と非磁性体材料
とを一体焼成するため、非磁性体材料としては、用いる
磁性体材料粉末と同時焼成可能な組成のものを用いるこ
とが必要である。
と、酸化珪素(SiO2 )を主成分とする非磁性体粉末
をポリビニルアルコール系バインダとともに有機溶剤中
に分散し、第2のスラリーを用意する。第2のスラリー
は、非磁性体グリーンシートを得るために用意するもの
であるが、後述するように、磁性体材料と非磁性体材料
とを一体焼成するため、非磁性体材料としては、用いる
磁性体材料粉末と同時焼成可能な組成のものを用いるこ
とが必要である。
【0036】上記第2のスラリーを、例えばドクターブ
レード法により数10μmの均一な厚みのグリーンシー
トに成形し、例えば40mm×20mmの矩形形状に打
ち抜く。
レード法により数10μmの均一な厚みのグリーンシー
トに成形し、例えば40mm×20mmの矩形形状に打
ち抜く。
【0037】上記のようにして用意した矩形形状の磁性
体グリーンシート及び非磁性体グリーンシートを複数枚
用意し、以下のように積層し、積層体を得る。すなわ
ち、図1に示すように、非磁性体グリーンシート3,
4,5の上面に、それぞれ、パラジウムまたは白金粉末
と有機溶剤とを混合してなる中心電極用ペーストをスク
リーン印刷し、中心電極8,9,10を形成する。中心
電極8,9,10は、後で得られる積層体を上方から見
た際に、上下の中心電極同士が120度の角度をなすよ
うに配置されている。
体グリーンシート及び非磁性体グリーンシートを複数枚
用意し、以下のように積層し、積層体を得る。すなわ
ち、図1に示すように、非磁性体グリーンシート3,
4,5の上面に、それぞれ、パラジウムまたは白金粉末
と有機溶剤とを混合してなる中心電極用ペーストをスク
リーン印刷し、中心電極8,9,10を形成する。中心
電極8,9,10は、後で得られる積層体を上方から見
た際に、上下の中心電極同士が120度の角度をなすよ
うに配置されている。
【0038】上記中心電極8〜10が印刷された非磁性
体グリーンシート3〜5の上下に、それぞれ、中心電極
の印刷されていない複数枚の非磁性体グリーンシート2
a,2b及び6a,6bを積層し、さらに、上下に、中
心電極が印刷されていないマイクロ波用磁性体グリーン
シート1a〜1e及び7a〜7eを積層する。得られた
積層体を厚み方向に加圧し、それによって未焼成の積層
体を得る。
体グリーンシート3〜5の上下に、それぞれ、中心電極
の印刷されていない複数枚の非磁性体グリーンシート2
a,2b及び6a,6bを積層し、さらに、上下に、中
心電極が印刷されていないマイクロ波用磁性体グリーン
シート1a〜1e及び7a〜7eを積層する。得られた
積層体を厚み方向に加圧し、それによって未焼成の積層
体を得る。
【0039】なお、図1においては、複数枚の非磁性体
グリーンシート2a,2b及び5,6a,6bを、中心
電極8〜10の印刷されている非磁性体グリーンシート
3〜5の上下に配置したが、1枚の非磁性体グリーンシ
ートを上下に配置してもよい。また、中心電極10は、
非磁性体グリーンシート5の上面に形成されているた
め、非磁性体グリーンシート5の下面には、非磁性体グ
リーンシートを配置せずともよい。
グリーンシート2a,2b及び5,6a,6bを、中心
電極8〜10の印刷されている非磁性体グリーンシート
3〜5の上下に配置したが、1枚の非磁性体グリーンシ
ートを上下に配置してもよい。また、中心電極10は、
非磁性体グリーンシート5の上面に形成されているた
め、非磁性体グリーンシート5の下面には、非磁性体グ
リーンシートを配置せずともよい。
【0040】さらに、本実施例では、非磁性体グリーン
シート2a〜6bと、マイクロ波用磁性体グリーンシー
ト1a〜1e,7a〜7eの厚みが等しいように図示さ
れているが、それぞれのグリーンシートの厚みは異なら
せてもよい。
シート2a〜6bと、マイクロ波用磁性体グリーンシー
ト1a〜1e,7a〜7eの厚みが等しいように図示さ
れているが、それぞれのグリーンシートの厚みは異なら
せてもよい。
【0041】次に、上記中心電極8〜10が交叉してい
る部分を中心点として平面形状が約10mmの直径を有
する円板状に積層体を打ち抜く。このようにして、図2
に示す積層体チップ11を得ることができる。積層体チ
ップ11内においては、中心電極8〜10が、中心部分
で交叉するように、ただし上記非磁性体グリーンシート
3,4を介して互いの間が電気的に絶縁されている状態
で配置されている。
る部分を中心点として平面形状が約10mmの直径を有
する円板状に積層体を打ち抜く。このようにして、図2
に示す積層体チップ11を得ることができる。積層体チ
ップ11内においては、中心電極8〜10が、中心部分
で交叉するように、ただし上記非磁性体グリーンシート
3,4を介して互いの間が電気的に絶縁されている状態
で配置されている。
【0042】次に、図2に示した積層体チップ11を1
300〜1500℃程度の温度で焼成し、焼結体13を
得る(図3)。さらに、得られた焼結体13の側面を研
磨し、中心電極8〜10を側面に確実に露出させる。し
かる後、図3に示すように、上記中心電極が露出されて
いる部分に複数の外部電極12a〜12fを形成する。
外部電極12a〜12fの形成は、ガラスフリット含有
導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより、あるい
は蒸着、めっきもしくはスパッタリング等の適宜の方法
により行い得る。
300〜1500℃程度の温度で焼成し、焼結体13を
得る(図3)。さらに、得られた焼結体13の側面を研
磨し、中心電極8〜10を側面に確実に露出させる。し
かる後、図3に示すように、上記中心電極が露出されて
いる部分に複数の外部電極12a〜12fを形成する。
外部電極12a〜12fの形成は、ガラスフリット含有
導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより、あるい
は蒸着、めっきもしくはスパッタリング等の適宜の方法
により行い得る。
【0043】さらに、焼結体13の上面及び下面よりも
小さな面積のアース電極(図示されず)を形成し、該ア
ース電極を外部電極12a〜12fのうち、中心電極8
〜10の一端に接続されている外部電極、外部電極12
a,12c,12eに電気的に接続し、中心電極8〜1
0の一端側を接地する。また、残りの外部電極12b,
12d,12fに、必要に応じてインピーダンス整合回
路を構成するためのコンデンサを接続する。
小さな面積のアース電極(図示されず)を形成し、該ア
ース電極を外部電極12a〜12fのうち、中心電極8
〜10の一端に接続されている外部電極、外部電極12
a,12c,12eに電気的に接続し、中心電極8〜1
0の一端側を接地する。また、残りの外部電極12b,
12d,12fに、必要に応じてインピーダンス整合回
路を構成するためのコンデンサを接続する。
【0044】さらに、焼結体13の上部及び下部に永久
磁石を配置し、該永久磁石により中心電極8〜10に直
流磁界を印加し得るように構成する。また、常法に従っ
て、上記永久磁石を金属ヨークにより挟持することによ
り、磁気閉磁回路を形成すれば、マイクロ波用非可逆回
路装置を構成することができる。
磁石を配置し、該永久磁石により中心電極8〜10に直
流磁界を印加し得るように構成する。また、常法に従っ
て、上記永久磁石を金属ヨークにより挟持することによ
り、磁気閉磁回路を形成すれば、マイクロ波用非可逆回
路装置を構成することができる。
【0045】なお、上記インピーダンス整合回路を構成
するためのコンデンサについては、焼結体13内に構成
してもよく、焼結体13外に構成してもよい。本実施例
で得られるマイクロ波用非可逆回路素子14では、中心
電極8〜10が、焼結体13の第1の層13a内に配置
されており、かつ非磁性体材料層を隔てて互いの間が絶
縁されている。しかも、中心電極8〜10は、磁性体グ
リーンシート1a〜1e及び7a〜7eで焼き付けられ
て構成されている第2の層13bとは、非磁性体材料層
を介して隔てられている。従って、渦電流損失を効果的
に低減することができる。また、上記複数の中心電極8
〜10は、非磁性体グリーンシート3〜5上にスクリー
ン印刷により形成されるため、小型化を図った場合で
も、容易にかつ高精度に中心電極8〜10を形成するこ
とができる。また、上記のように、本実施例の製造方法
は、セラミック積層電子部品の製造方法を利用して行わ
れるため、煩雑な手作業による組み立て作業を省略する
ことができる。
するためのコンデンサについては、焼結体13内に構成
してもよく、焼結体13外に構成してもよい。本実施例
で得られるマイクロ波用非可逆回路素子14では、中心
電極8〜10が、焼結体13の第1の層13a内に配置
されており、かつ非磁性体材料層を隔てて互いの間が絶
縁されている。しかも、中心電極8〜10は、磁性体グ
リーンシート1a〜1e及び7a〜7eで焼き付けられ
て構成されている第2の層13bとは、非磁性体材料層
を介して隔てられている。従って、渦電流損失を効果的
に低減することができる。また、上記複数の中心電極8
〜10は、非磁性体グリーンシート3〜5上にスクリー
ン印刷により形成されるため、小型化を図った場合で
も、容易にかつ高精度に中心電極8〜10を形成するこ
とができる。また、上記のように、本実施例の製造方法
は、セラミック積層電子部品の製造方法を利用して行わ
れるため、煩雑な手作業による組み立て作業を省略する
ことができる。
【0046】なお、中心電極8〜10は、非磁性体グリ
ーンシート3〜5上に電極用ペーストをスクリーン印刷
する方法に限らず、例えばグラビア転写等よって形成さ
れていもよい。また、磁性体グリーンシート1a〜1
e,7a〜7e及び非磁性体グリーンシート2a〜6b
の成形は、ドクターブレード法に限らず、押出成形等に
より行ってもよい。
ーンシート3〜5上に電極用ペーストをスクリーン印刷
する方法に限らず、例えばグラビア転写等よって形成さ
れていもよい。また、磁性体グリーンシート1a〜1
e,7a〜7e及び非磁性体グリーンシート2a〜6b
の成形は、ドクターブレード法に限らず、押出成形等に
より行ってもよい。
【0047】第2の実施例 第1の実施例で用意したマイクロ波用磁性体粉末をポリ
ビニルアルコール系バインダ及び有機溶剤と混合し、マ
イクロ波用磁性体ペーストを得る。同様に、第1の実施
例で用いた非磁性体粉末をポリビニルアルコール系バイ
ンダ及び有機溶剤と混合し、非磁性体用ペーストを得
る。
ビニルアルコール系バインダ及び有機溶剤と混合し、マ
イクロ波用磁性体ペーストを得る。同様に、第1の実施
例で用いた非磁性体粉末をポリビニルアルコール系バイ
ンダ及び有機溶剤と混合し、非磁性体用ペーストを得
る。
【0048】上記マイクロ波用磁性体ペーストを、ポリ
エステルフィルムからなる基材上に塗布し、乾燥させ、
この工程を複数回繰り返すことにより、マイクロ波用磁
性体層を形成する。
エステルフィルムからなる基材上に塗布し、乾燥させ、
この工程を複数回繰り返すことにより、マイクロ波用磁
性体層を形成する。
【0049】次に、マイクロ波用磁性体層の上面に、非
磁性体ペーストを塗布し、乾燥し、非磁性体層を形成す
る。該非磁性体層上に、パラジウムまたは白金粉末及び
有機溶剤を含む中心電極用ペーストを印刷し、中心電極
を形成する。さらに、上記非磁性体層の形成及び中心電
極形成工程を繰り返し、ただし中心電極用ペーストの印
刷方向は、例えば図1に示した中心電極8〜10を構成
するように、下方の中心電極と約120度の角度をなす
ように印刷する。
磁性体ペーストを塗布し、乾燥し、非磁性体層を形成す
る。該非磁性体層上に、パラジウムまたは白金粉末及び
有機溶剤を含む中心電極用ペーストを印刷し、中心電極
を形成する。さらに、上記非磁性体層の形成及び中心電
極形成工程を繰り返し、ただし中心電極用ペーストの印
刷方向は、例えば図1に示した中心電極8〜10を構成
するように、下方の中心電極と約120度の角度をなす
ように印刷する。
【0050】次に、最上部の中心電極上に、さらに、非
磁性体ペーストを塗布し、乾燥する工程を適宜の回数行
い、複数の中心電極を複数の非磁性体層で挟持した構造
を得る。
磁性体ペーストを塗布し、乾燥する工程を適宜の回数行
い、複数の中心電極を複数の非磁性体層で挟持した構造
を得る。
【0051】さらに、上記のようにして得られた構造の
両面に、マイクロ波用磁性体ペーストを塗布し、乾燥す
る工程を複数回繰り返し、積層体を得る。上記のように
して得られた積層体を、複数の中心電極が交叉する点を
中心として、約10mmの直径を有する円板状に打ち抜
き、積層体チップを得る。この積層体チップの構造は、
図2に示した積層体チップ11と同様である。
両面に、マイクロ波用磁性体ペーストを塗布し、乾燥す
る工程を複数回繰り返し、積層体を得る。上記のように
して得られた積層体を、複数の中心電極が交叉する点を
中心として、約10mmの直径を有する円板状に打ち抜
き、積層体チップを得る。この積層体チップの構造は、
図2に示した積層体チップ11と同様である。
【0052】しかる後、第1の実施例と同様に、積層体
チップ11を用い、1300〜1500℃の温度で該積
層体チップ焼成して焼結体を得る。このようにして、図
3に示した焼結体13と同様の焼結体を得ることができ
る。以後の工程については、第1の実施例と同様にして
行うことができ、第1の実施例と同様にマイクロ波用非
可逆回路素子を構成することができる。
チップ11を用い、1300〜1500℃の温度で該積
層体チップ焼成して焼結体を得る。このようにして、図
3に示した焼結体13と同様の焼結体を得ることができ
る。以後の工程については、第1の実施例と同様にして
行うことができ、第1の実施例と同様にマイクロ波用非
可逆回路素子を構成することができる。
【0053】上記のように、第2の実施例では、非磁性
体ペースト及びマイクロ波用磁性体ペーストを中心電極
ペーストとともに印刷し、乾燥させる工程を繰り返すこ
とにより上記積層体が得られる。従って、第1の実施例
と同様に、中心電極及びマイクロ波用磁性体を含む高周
波非可逆回路素子の主要部を構成するに際し、煩雑な手
作業による組み立て工程を省略することができ、かつ小
型化を図った場合でも複数の中心電極を正確にかつ容易
に形成することができる。
体ペースト及びマイクロ波用磁性体ペーストを中心電極
ペーストとともに印刷し、乾燥させる工程を繰り返すこ
とにより上記積層体が得られる。従って、第1の実施例
と同様に、中心電極及びマイクロ波用磁性体を含む高周
波非可逆回路素子の主要部を構成するに際し、煩雑な手
作業による組み立て工程を省略することができ、かつ小
型化を図った場合でも複数の中心電極を正確にかつ容易
に形成することができる。
【0054】なお、第2の実施例においてもマイクロ波
用磁性体材料及び非磁性体材料については第1の実施例
と同様のものを用いることができる。
用磁性体材料及び非磁性体材料については第1の実施例
と同様のものを用いることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明のマイクロ波用非可逆回路素子に
よれば、複数の中心電極が絶縁性の非磁性体材料よりな
る第1の層内に配置されており、かつ該非磁性体材料層
によりマイクロ波用磁性体材料よりなる第2の層と隔て
られている。従って、図7を参照して説明したマイクロ
波用非可逆回路素子に比べて渦電流損失を効果的に低減
することができ、磁気損失のばらつきの変動も低減する
ことができる。よって、マイクロ波用非可逆回路素子の
特性のばらつきの低減及び信頼性の向上を図ることが可
能となる。
よれば、複数の中心電極が絶縁性の非磁性体材料よりな
る第1の層内に配置されており、かつ該非磁性体材料層
によりマイクロ波用磁性体材料よりなる第2の層と隔て
られている。従って、図7を参照して説明したマイクロ
波用非可逆回路素子に比べて渦電流損失を効果的に低減
することができ、磁気損失のばらつきの変動も低減する
ことができる。よって、マイクロ波用非可逆回路素子の
特性のばらつきの低減及び信頼性の向上を図ることが可
能となる。
【0056】また、請求項1に記載の発明のマイクロ波
用非可逆回路素子は、請求項2,3に記載の製造方法に
従って製造することができ、すなわち従来より周知の積
層セラミック電子部品の製造方法を用いて製造すること
ができる。従って、部品点数の低減及び製造工程の簡略
化を図ることができ、マイクロ波用非可逆回路素子の製
造コストを低減することができる。
用非可逆回路素子は、請求項2,3に記載の製造方法に
従って製造することができ、すなわち従来より周知の積
層セラミック電子部品の製造方法を用いて製造すること
ができる。従って、部品点数の低減及び製造工程の簡略
化を図ることができ、マイクロ波用非可逆回路素子の製
造コストを低減することができる。
【0057】また、複数の中心電極が、上記のように、
グリーンシート上への印刷等により、あるいは中心電極
用ペーストの印刷により形成されるため、小型化を図っ
た場合でも、正確に複数の中心電極を形成することがで
きる。よって、小型で、特性の安定なマイクロ波用非可
逆回路素子を容易に得ることが可能となる。
グリーンシート上への印刷等により、あるいは中心電極
用ペーストの印刷により形成されるため、小型化を図っ
た場合でも、正確に複数の中心電極を形成することがで
きる。よって、小型で、特性の安定なマイクロ波用非可
逆回路素子を容易に得ることが可能となる。
【図1】本発明の一実施例のマイクロ波用非可逆回路素
子を得るのに用いられるグリーンシート及びその上に形
成される電極形状を説明するための分解斜視図。
子を得るのに用いられるグリーンシート及びその上に形
成される電極形状を説明するための分解斜視図。
【図2】積層体生チップを説明するための斜視図。
【図3】(a)及び(b)は、実施例のマイクロ波用非
可逆回路素子の外観を示す斜視図及び断面図。
可逆回路素子の外観を示す斜視図及び断面図。
【図4】従来のマイクロ波用非可逆回路素子を組み立て
る工程を説明するための斜視図。
る工程を説明するための斜視図。
【図5】従来のマイクロ波用非可逆回路素子を組み立て
る工程を説明するための分解斜視図。
る工程を説明するための分解斜視図。
【図6】従来のマイクロ波用非可逆回路素子の主要部を
示す断面図。
示す断面図。
【図7】未だ公知ではない先行技術のマイクロ波用非可
逆回路素子を製造する工程を説明するための分解斜視
図。
逆回路素子を製造する工程を説明するための分解斜視
図。
8〜10…中心電極 13…焼結体 13a…絶縁性の非磁性体の材料からなる第1の層 13b…マイクロ波用磁性体材料よりなる第2の層 14…マイクロ波用非可逆回路素子
Claims (3)
- 【請求項1】 互いに電気的に絶縁されており、かつ交
叉するように配置された複数の中心電極と、前記複数の
中心電極の交叉部分近傍に配置されたマイクロ波用磁性
体とを有し、前記交叉部分に直流磁界が印加されるよう
に構成されたマイクロ波用非可逆回路素子であって、 絶縁性の非磁性体材料よりなる第1の層と、前記第1の
層を挟持するように積層されておりかつマイクロ波用磁
性体材料よりなる第2の層とを有する焼結体と、 前記第1の層内において、非磁性体材料層を隔てて互い
の間が電気的に絶縁されており、かつ互いに交叉するよ
うに配置された複数の中心電極とを備えることを特徴と
する、マイクロ波用非可逆回路素子。 - 【請求項2】 中心電極が一方主面に形成された非磁性
体材料グリーンシートを、複数の中心電極同士が交叉す
るように複数枚積層し、上下にそれぞれ少なくとも1枚
のマイクロ波用磁性体材料グリーンシートを積層して積
層体を得る工程と、 前記積層体を焼成して焼結体を得る工程とを備える、請
求項1に記載のマイクロ波用非可逆回路素子の製造方
法。 - 【請求項3】 マイクロ波用磁性体ペーストを印刷する
工程と、 前記マイクロ波用磁性体ペースト上に非磁性体ペースト
と、中心電極用ペーストとを交互に印刷する工程と、 前記中心電極用ペースト及び非磁性体ペーストを印刷し
た後、非磁性体ペースト上にマイクロ波用磁性体ペース
トを印刷する工程と、 前記各ペーストを印刷することにより得られた積層体を
焼成し、焼結体を得る工程とを備える、請求項1に記載
のマイクロ波用非可逆回路素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5254491A JPH07111406A (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | マイクロ波用非可逆回路素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5254491A JPH07111406A (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | マイクロ波用非可逆回路素子及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07111406A true JPH07111406A (ja) | 1995-04-25 |
Family
ID=17265796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5254491A Pending JPH07111406A (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | マイクロ波用非可逆回路素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07111406A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5709811A (en) * | 1995-04-11 | 1998-01-20 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic material for microwave and high-frequency circuit component using the same |
EP0821426A1 (en) | 1996-07-26 | 1998-01-28 | Hitachi Metals, Ltd. | Non-reciprocal circuit element |
-
1993
- 1993-10-12 JP JP5254491A patent/JPH07111406A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5709811A (en) * | 1995-04-11 | 1998-01-20 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic material for microwave and high-frequency circuit component using the same |
EP0821426A1 (en) | 1996-07-26 | 1998-01-28 | Hitachi Metals, Ltd. | Non-reciprocal circuit element |
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