JP3467840B2 - 非可逆回路素子 - Google Patents

非可逆回路素子

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JP3467840B2 JP14494694A JP14494694A JP3467840B2 JP 3467840 B2 JP3467840 B2 JP 3467840B2 JP 14494694 A JP14494694 A JP 14494694A JP 14494694 A JP14494694 A JP 14494694A JP 3467840 B2 JP3467840 B2 JP 3467840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、VHF、UHF、SH
F帯域で採用される非可逆回路素子、例えばサーキュレ
ータやアイソレータに関し、特に、小型化、軽量化並び
に部品コストの低減が可能な構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アイソレータやサーキュレータ
などの非可逆回路素子は、信号を伝送方向にのみ通過さ
せ、逆方向への伝送を阻止する機能を有しており、携帯
電話あるいは自動車電話などの移動通信機器の送信回路
部に不可欠な部品である。このような用途において、非
可逆回路素子は部品の小型化、軽量化が要求されてい
る。また、需要を喚起するために、部品の低価格化が要
求されている。このような要求に応えるために、誘電体
基板に中心電極、整合回路用電極などを集約配置した構
造を有する非可逆回路素子が提案されている。このよう
な構造を有するサーキュレータの一例が図8及び図9に
示されている。図9は、サーキュレータの断面構造を示
し、図8は主に誘電体基板の構成を示している。従来の
サーキュレータ100は、金属製ヨーク101内部に誘
電体基板107〜109、フェライト104及び磁石1
06を配置している。フェライト104は、接地板10
5を介在してヨーク104の底面に接続されている。誘
電体基板107〜109は、基板上に形成された中心電
極102がフェライト104に対面する位置に配置され
ている。さらに、磁石106は、中心電極102に対向
するようにヨーク101の内部上面に貼着されている。
そして、この磁石106は、フェライト104に直流磁
界を印加する。
【0003】図8に示すように、中心電極102、容量
電極110及びアース電極111は、3つの誘電体基板
107〜109の積層体中に形成されている。この積層
基板は次のような工程により製造されている。まず、セ
ラミックグリーンシートを焼成して各々の基板107〜
109を形成した後、各基板107〜109の一方の主
面に中心電極102、容量電極110及びアース電極1
11をパターン形成し、他方の主面にアース電極112
をパターン形成し焼き付け処理を行う。そして、電極が
形成された各誘電体基板107〜109を積層して圧着
する。さらに、各アース電極111、112同士をスル
ーホール電極113を用いて接続する。なお、各容量電
極110には入出力端子と接続される外部電極114が
形成されている。この積層構造において、容量電極11
0、各誘電体基板107〜109及びアース電極112
によって整合用容量が構成される。
【0004】この従来のサーキュレータは、互いに交差
する3つの中心電極102の周囲に整合用容量を構成す
ることにより、部品全体の小型化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構造は、整合用容量の容量値確保の面から小型化
が制約されるという問題がある。すなわち、整合用容量
の容量値は、容量電極110とアース電極112との対
向面積によって規定される。このため、必要とされる容
量値が大きくなれば、容量電極110の電極面積を大き
くしなければならない。従って、各誘電体基板107〜
109の基板面積が増大し、結果として部品全体が大型
化する。言い換えれば、要求される容量値によって部品
の大きさが制約される。
【0006】また、従来の構造では、セラミックグリー
ンシートを焼成する工程と、パターン化された各電極を
基板上に焼き付ける工程の2回の焼成工程を必要とする
ため、製造コストが高くなるという問題もあった。また
製造コストの面からは、磁石106、フェライト104
などを個別にヨーク101内に位置決めし、固定するな
どの煩雑な組み立て作業も製造コスト増加の要因となっ
ていた。
【0007】本発明の目的は、部品の小型化が可能な非
可逆回路素子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の広い局
面によれば、非可逆回路素子は、複数の誘電体層を積層
、一体焼成により形成されており、上面において上下
に連続するようにかつ同軸に設けられた第1,第2凹部
を有する多層基板と、前記多層基板中に形成され、かつ
互いに電気的に絶縁されており、さらに交差するように
形成された複数の中心電極と、前記多層基板中に積層さ
れ、かつ前記中心電極毎に接続される複数の容量部を有
する整合用容量とを備え前記整合用容量の容量部は、
前記誘電体層と前記誘電体層の上下主表面に互いに対向
して形成された一対の容量用電極とから構成されてお
り、一つの前記中心電極に接続された複数の前記容量部
は、互いに並列に接続されており、前記中心電極に対向
するように、前記第1凹部に挿入された磁性体と、前記
磁性体に直流磁界を印加するために、前記第2凹部に挿
入された磁石とをさらに備える
【0009】このような構成によれば、整合用容量は、
多層基板中に積層される容量部の積層数を適宜設定する
ことによって必要な容量値を確保することができる。こ
のため、多層基板の平面領域内の面積を増大させること
なく整合用容量の容量値を増大することができる。この
結果、非可逆回路素子の平面的な大きさを縮小し、部品
の小型化を図ることができる。
【0010】
【0011】層基板は一度の焼成工程により一体的に
形成される。従って、前述した従来の非可逆回路素子に
比較して焼成工程が減少し、製造コストが低下する。
【0012】
【0013】性体は、多層基板の第1部に装着する
ことにより中心電極との相対位置が自動的に設定され
る。従って、煩雑な位置決め工程が省略され、製造コス
トの低減を図ることができる。
【0014】さらに、本発明の非可逆回路素子は、磁
石を中心電極に対向する位置に保持するための第2
多層基板に形成されており、磁石はこの第2部に保
持される。
【0015】このような構成により、磁石を第2部に
装着することにより、磁石と中心電極との位置関係が自
動的に設定される。従って、煩雑な位置決め工程が省略
され、製造コストの低減を図ることができる。
【0016】なお、本発明における上記複数の中心電極
は、多層基板内において、異なる高さ位置に形成されて
いてもよい。この場合には、一体焼成技術を用いて多層
基板を得るにあたり、異なる誘電体層表面に、前記複数
の中心電極を形成しておけばよい。
【0017】また、前記中心電極は、基板内の1つの誘
電体層の一面に配置された第1中心電極部と、他面に配
置された第2中心電極部と、該誘電体層に形成されてお
り、かつ第1,第2中心電極部を電気的に接続するスル
ーホール導電部とを有するように構成してもよい。この
場合には、多層基板を一体焼成技術により得るにあた
り、1つの誘電体層に上記スルーホール導電部を形成
し、該誘電体層の上面及び下面に第1,第2の中心電極
部を形成してもよく、あるいは、スルーホール導電部が
形成された誘電体層の一面に第1中心電極部を形成し、
該誘電体層の他面に接触される他の誘電体層の一面に第
2中心電極部を形成してもよい。
【0018】
【実施例の説明】以下、本発明の非可逆回路素子の実施
例を図面を参照しつつ説明することにより、本発明を明
らかにする。
【0019】第1の実施例 本発明の第1の実施例による集中定数型のサーキュレー
タの構造が図1ないし図4に示されている。図1を参照
して、サーキュレータ1は、多層基板3と下ヨーク2及
び上ヨーク6とを有している。下ヨーク2及び上ヨーク
6は磁性体金属からなり、上下方向から多層基板3を包
み込むような箱型形状を有している。
【0020】多層基板3は、上ヨーク6側の上部に、フ
ェライト4を挿入するための第1凹部26と永久磁石5
を受け入れるための第2凹部25とを有し、下ヨーク2
側の両端部には凸部7、7が形成されている。この凸部
7、7は、入出力端子及びアース端子となる外部電極8
a〜8c、9a〜9cを外部に露出させるように上ヨー
ク6と下ヨーク2との間から突出している。そして、サ
ーキュレータ1が基板上に実装された場合、この外部電
極8a〜8c、9a〜9cは回路基板の電極ラインに接
続される。
【0021】フェライト4は、多層基板3中の第2凹部
26内に装着される。また、永久磁石5は、接地板27
を介在してフェライト4の上部の第2凹部25内に装着
される。
【0022】多層基板3は、図3及び図4に示すよう
に、多数の誘電体層を一体焼成して形成された焼結体で
あり、この焼結体の内部に各電極が埋設されている。こ
こでは、説明の便宜上、焼結前の各誘電体層毎に参照番
号を付して各部の構成を説明する。まず、図4を参照し
て、多層基板3は主に6つの層L1〜L6に識別され
る。第1層L1は、永久磁石5を受け入れるための第2
凹部25を有しており、例えば2枚の第1誘電体シート
12から構成される。第1誘電体シート12の中央部に
は、永久磁石5を受け入れることができる大きさの孔1
2aが形成されている。
【0023】第2層L2は、フェライト4を受け入れる
ための第1凹部26が形成されており、例えば2枚の第
2誘電体シート13によって構成されている。第2誘電
体シート13は、その中央部にフェライト4を挿入する
ことができる大きさの孔13aを有している。
【0024】第3層L3は、主に整合用容量を形成する
ためのものであり、アース電極14aが形成された第3
誘電体シート14と容量電極15a〜15cが形成され
た第4誘電体シート15とが交互に複数組積層されてい
る。アース電極14aは、第3誘電体シート14の中央
部を除くほぼ全面に形成されており、第3誘電体シート
14の一方側側縁に外部導出部14bを、また他方側の
側縁に2つの外部導出部14bを有している。なお、こ
れらの外部導出14bは、それぞれ外部電極8b、9
a、9cに接続されるものである。
【0025】容量電極15a〜15cは、第4誘電体シ
ート15表面上に、互いに120度の間隔を持って均等
に配置されている。そして、1つの容量電極、例えば1
5aと、1つの誘電体シート14あるいは15と、1つ
のアース電極14aの組み合わせによって1つの容量部
が構成される。この第3層L3には、このような容量部
が多数積層されている。そして、この容量部の積層数
は、必要とされる整合用容量の容量値に応じて設定され
る。
【0026】また、第4層L4は、中心電極16aが形
成された3枚の第5誘電体シート16から構成される。
なお、この第5誘電体シート16は上記の容量部を構成
する誘電体シートを兼用している。各中心電極16a
は、第5誘電体シート16表面上の中央部に平行に延び
る2本の線路を有している。3枚の第5誘電体シート1
6〜16に形成された中心電極16aの各々は、互いに
120度の角度を持って互いに交差した状態で各誘電体
シート上に配置されている。また、各中心電極16aの
一端には、上記の1つの容量部を構成する1つの容量電
極16bが接続して形成されている。また、中心電極1
6aの他端はアース電極16cに接続されている。
【0027】各容量電極16bには、各々外部導出電極
16dが形成されている。この各導出電極16dは、そ
れぞれ外部電極8a、8c、9bに接続される。また、
各アース電極16cに形成された外部導出部16eは、
それぞれ外部電極8b、9a、9cに接続される。
【0028】第5層L5は、アース電極14aが形成さ
れた第4誘電体シート14が複数枚積層されている。最
下部の第4誘電体シート14は、アース電極14aが下
方に向かうように積層されている。
【0029】第6層L6は、2つの凸部7、7を構成す
る部分であり、複数の帯状セラミックシート23、24
が積層されている。各セラミックシート23、24の外
側面には、各々外部電極8a〜8c及び9a〜9cに対
応する電極8a´〜8c´、9a´〜9c´が形成され
ている。
【0030】上記の構成において、第3層L3に形成さ
れた複数の容量電極15a、16bはスルーホール電極
20を介して積層方向に接続されている。また、同様に
容量電極15b、16b及び容量電極15c、16bは
それぞれスルーホール電極20、20を介して積層方向
に接続されている。さらに、複数のアース電極14aは
スルーホール電極21を介して積層方向に接続されてい
る。このような接続により、第3層L3に構成された各
容量部は各中心電極16a毎に並列に接続され、各整合
用容量を構成する。
【0031】また、第6層L6に形成された電極8a、
8c、9bは、それぞれ容量電極16d〜16dに接続
されている。上記のような構成を有する多層基板3は、
次のようにして製造される。まず、誘電体セラミック粉
末と有機バインダ等とを混合したスラリーから、例えば
押し出し成形によって可撓性を有するセラミックグリー
ンシートを形成し、所定の寸法に切断する。次に、厚さ
数十μm程度の矩形板状のセラミックグリーンシートの
表面に、Cu、Pd、Pt、Ag等の電極を印刷あるい
は蒸着法などを用いてパターン形成する。そして、各誘
電体シートを図3あるいは図4に示す順に積層して圧着
した後、積層体を高温焼成して形成する。なお、凸部
7、7を構成するセラミックシート23、24も同時に
焼成される。これにより、誘電体シートと各電極とが一
体焼成された多層基板3が形成される。
【0032】なお、永久磁石5及びフェライト4を挿入
するための第1及び第2凹部25、26は、セラミック
グリーンシートに予め形成した後焼成してもよく、また
一体焼成された多層基板3の上面を切削加工して形成し
てもよい。
【0033】このように構成されたサーキュレータ1
は、組立工程において、まず、多層基板3の第1及び第
2凹部25、26内にフェライト4、接地板27及び永
久磁石5を挿入した後、下ヨーク2及び上ヨーク6を組
み立てることにより完成する。そして、フェライト4及
び永久磁石5は、予め形成された第1及び第2凹部2
5、26によって中心電極16aに対面する所定の位置
に自動的に位置決めされる。そして、永久磁石5はフェ
ライト4に対して直流磁界を印加する。
【0034】本実施例のサーキュレータ1は、以下のよ
うな特徴を有する。 (1)整合用容量は、多層基板3の第3層L3中に積層
された複数の容量部を並列接続することによって構成さ
れる。従って、必要とされる容量値が増大した場合に
は、容量部の積層数を増大させることによって対応でき
る。この場合、容量部を構成する各誘電体シートは、そ
の厚さが数十μm程度であるため、積層数が増大しても
多層基板3全体の厚みが増大する割合は極めて小さい。
従って、容量部を構成する容量電極15a、16bの平
面面積を低減効果の方が部品の小型化に大きく寄与す
る。
【0035】(2)多層基板3は複数のセラミックグリ
ーンシート表面上に所定の電極をパターン形成した後、
一体焼成して製造される。従って、前述した従来例にお
いて、2度の焼成工程を必要とするものに比べ、焼成工
程を減少することができ、製造コストを低減することが
可能となる。
【0036】(3)フェライト4及び永久磁石5は、多
層基板3の上面に予め形成された第1及び第2凹部2
5、26に挿入するだけで位置決めされる。このため
に、従来例において必要とされたフェライトあるいは永
久磁石の位置決め工程を実質上省略することができ、組
み立て工程が簡略化される。これによっても製造コスト
を低減することが可能となる。
【0037】(4)フェライト4を受け入れる第1凹部
26と永久磁石5を受け入れる第2凹部25とが多層基
板3の上面に同軸上に連続して形成されている。このた
め、永久磁石5とフェライト4とが近接配置される。一
般に、永久磁石5の磁界は外側に向かって広がるような
形状を有するため、磁石とフェライトとの距離が離れる
程磁束が疎になり、近づけば近づくほど磁束は密にな
る。このため、永久磁石5とフェライト4との距離が近
接した本実施例の構成では磁束が密になり、従来例に比
べて磁力の弱い永久磁石5を用いても同等の作用を果た
すことができる。
【0038】第2の実施例 第2の実施例によるサーキュレータは、第1の実施例に
比べて、フェライト4及び永久磁石5の配置状態が異な
っている。すなわち、図5及び図6に示すように、この
サーキュレータ50は、多層基板53の中心電極(図示
せず)に対面する上面及び下面に各々永久磁石5を受け
入れるための第2凹部55、55とフェライト4を受け
入れるための第1凹部56、56とを形成している。そ
して、各第2凹部55内には永久磁石5、5が装着さ
れ、第1凹部56内には接地板27を介在してフェライ
ト4、4が装着されている。このような構成により、多
層基板53内の各中心電極は、一対のフェライト4によ
って上下方向から挟持され、かつ一対の永久磁石5によ
り上下両面からバイアス磁界が印加されるように構成さ
れている。このような構成によれば、特に第1の実施例
のサーキュレータと比較して、挿入損失をより低減でき
る効果が得られる。また、第1の実施例で説明した効果
も同様に得ることができる。
【0039】なお、上記第1及び第2の実施例では、非
可逆回路素子としてサーキュレータを例に説明したが、
本発明の構成はアイソレータに適用することも可能であ
る。アイソレータに適用する場合には、3つの中心電極
16aの何れか1つの導出電極16dに終端抵抗を接続
することによって実現される。
【0040】さらに、上記実施例においては、多層基板
3中に形成された各容量電極、アース電極同士はスルー
ホール電極を介して接続されたが、スルーホール電極の
代わりに、誘電体シートの側面に電極を形成して各電極
間を接続するように構成してもよい。
【0041】変形例 第2の実施例では、複数の中心電極は、異なる誘電体層
上に形成されていたが、本発明における複数の中心電極
は、同一の誘電体シートを用いて形成することも可能で
ある。このような変形例を、図7を参照して説明する。
【0042】図7の誘電体シート61は、図3に示した
3枚の第5誘電体シート16に代えて用いられる構造に
相当する。誘電体シート61の上面中央領域には、第1
中心電極部62a〜67aが形成されている。この6本
の第1中心電極部62a〜67aは、互いに平行に延び
る一対の第1中心電極部を1つのグループとして、3つ
のグループに分類される。例えば、第1中心電極部62
aと第1中心電極部63aとが、1つのグループを構成
しており、1つのグループを構成している一方の第1中
心電極部62aが、他方の第1中心電極部63aに比べ
てその長さが長くされている。
【0043】また、各グループを構成している一対の第
1中心電極部は、中心側が欠落した扇型形状の電極部6
8〜70に電気的に接続されている。また、誘電体シー
ト61には、スルーホール導電部71〜73が形成され
ている。スルーホール導電部71〜73は、貫通孔に導
電性材料を充填することにより形成されている。電極部
68〜70は、スルーホール導電部71〜73により誘
電体シート61の下面に引出されている。
【0044】さらに、上記複数本の第1中心電極部62
a〜67aの先端には、それぞれ、スルーホール導電部
74が形成されている。他方、図7において、下面の電
極形状を明らかにするために、下方に投影して下面の電
極形状を示す。誘電体シート61の下面では、中央に、
第2中心電極部62b〜67bが形成されている。第2
中心電極部62b〜67bは、それぞれ、前述したスル
ーホール導電部74を介して、対応する第1中心電極部
に電気的に接続されている。例えば、第2中心電極部6
2bは、スルーホール導電部74を介して上面側の第1
中心電極部62aと電気的に接続され、それによって一
本の中心電極を構成している。他の第1,第2の中心電
極部も、同様に、スルーホール導電部を介して電気的に
接続され、それぞれ中心電極を構成している。
【0045】従って、図7に示した変形例では、各中心
電極が、1つの誘電体シート61の上面及び下面を利用
して構成されており、かつ誘電体シート61の中央領域
で交差される複数の中心電極のいずれもが、単一の誘電
体シート61の上面及び下面を利用して構成されてい
る。すなわち、複数の中心電極間は、多層基板内の誘電
体層を介して隔てられていない。
【0046】なお、図7において、第2中心電極部62
b〜67bのスルーホール導電部74に接続される先端
部分と反対側の部分は、周囲に形成されたアース電極7
7に電気的に接続されている。また、アース電極77で
は、中央領域に向かって開かれた複数の切欠部78が形
成されている。各切欠部78は、電極部68〜70に電
気的に接続されているスルーホール導電部71〜73
と、アース電極77との電気的接続を防止するために設
けられている。スルーホール導電部71〜73は、図3
に示したスルーホール導電部20に電気的に接続され
る。他方、アース電極77は、破線の円で示すように、
下方に配置されたスルーホール導電部21(図3参照)
に電気的に接続される。
【0047】図7においては、1枚の誘電体シート61
の上面及び下面に上記電極構造が設けられていたが、誘
電体シート61の下面側の電極構造は、誘電体シート6
1の下面に配置される他の誘電体シートの上面に形成さ
れていてもよい。すなわち、本変形例における電極構造
は、スルーホール導電部で接続され得る限り、複数枚の
誘電体シートに分離して形成されてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、整合容
量が、多層基板中に積層された容量部の積層数を適宜定
めることにより確保され得るため、多層基板の平面形状
を増大させることなく、整合容量の容量値を高めること
ができる。その結果、非可逆回路素子の小型化を促進す
ることが可能となる。また、多層基板を、複数の誘電体
を一体焼成して形成した構造の場合には、多層基板が一
度の焼成工程により得られるため、従来の非可逆回路素
子に比べて製造工程を簡略化することができ、コストを
低減することが可能となる。
【0049】また、磁性体を中心電極に対向する位置に
保持するために、第1凹部が多層基板に形成されている
ので、磁性体の中心電極に対する位置決めを容易に行う
ことができ、その点から製造コストの低減を図り得る。
【0050】同様に、磁石を保持するために、多層基板
に第2凹部が形成されているので、磁石と中心電極との
位置決めを容易に果たすことができるため、製造コスト
の低減を図ることができる。
【0051】さらに、上記第1,第2の凹部により、多
層基板の厚みを増大させることなく、上記磁性体及び磁
石を収納することができるため、非可逆回路素子の厚み
方向寸法を小さくすることができ、非可逆回路素子の小
型化をより一層促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるサーキュレータの構成を
示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すサーキュレータの構造を示す断面図
である。
【図3】第1実施例のサーキュレータの多層基板の構成
を示す分解斜視図である。
【図4】図3に示す多層基板の構成を説明するための説
明図である。
【図5】本発明の第2実施例によるサーキュレータの構
成を示す分解斜視図である。
【図6】第2実施例のサーキュレータの構造を示す断面
図である。
【図7】本発明の変形例のサーキュレータの要部を説明
するための斜視図である。
【図8】従来のサーキュレータの積層基板の構成を示す
分解斜視図である。
【図9】従来のサーキュレータの構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,50…サーキュレータ(非可逆回路素子) 2,53…多層基板 4…フェライト 5…永久磁石 12〜16…誘電体シート 16a…中心電極 15a〜15c,16b…容量電極(整合回路用電極) 25,55…第2凹部 26,56…第1凹部 61…誘電体シート 62a〜67a…第1中心電極部 62b〜67b…第2中心電極部 74…スルーホール導電部
フロントページの続き (72)発明者 児堂 義一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 松井 博志 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 小川 圭二 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平4−345201(JP,A) 特開 平4−172702(JP,A) 特開 昭53−129561(JP,A) 実開 平4−25302(JP,U) 実開 平4−103004(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/383 H01P 1/36 H01P 11/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層し、一体焼成によ
    り形成されており、上面において上下に連続するように
    かつ同軸に設けられた第1,第2凹部を有する多層基板
    と、 前記多層基板中に形成され、かつ互いに電気的に絶縁さ
    れており、さらに交差するように形成された複数の中心
    電極と、 前記多層基板中に積層され、かつ前記中心電極毎に接続
    される複数の容量部を有する整合用容量とを備え前記
    整合用容量の容量部は、前記誘電体層と前記誘電体層の
    上下主表面に互いに対向して形成された一対の容量用電
    極とから構成されており、 一つの前記中心電極に接続された複数の前記容量部は、
    互いに並列に接続されており、 前記中心電極に対向するように、前記第1凹部に挿入さ
    れた磁性体と、 前記磁性体に直流磁界を印加するために、前記第2凹部
    に挿入された磁石とをさらに備えた、非可逆回路素子。
  2. 【請求項2】 前記整合用容量は、前記多層基板の厚み
    方向において前記中心電極と重ならない位置に形成され
    ている、請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 【請求項3】 前記整合用容量は、前記中心電極が形成
    された前記誘電体層の前記中心電極と異なる位置に構成
    された前記容量部を有する、請求項に記載の非可逆回
    路素子。
  4. 【請求項4】 前記整合用容量は、前記多層基板中の前
    記中心電極が形成された前記誘電体層と異なる前記誘電
    体層に構成された前記容量部を有する、請求項に記載
    の非可逆回路素子。
  5. 【請求項5】 前記整合用容量は、前記中心電極が形成
    された前記誘電体層より、積層方向の上方及び/または
    下方に位置する前記誘電体層に構成された前記容量部を
    有する、請求項に記載の非可逆回路素子。
  6. 【請求項6】 前記第1及び前記第2凹部は、前記多層
    基板の上面及び下面の両方に形成されている、請求項
    〜5のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  7. 【請求項7】 前記複数の中心電極が、多層基板内にお
    いて異なる高さ位置に形成されている、請求項1〜6の
    いずれかに記載の非可逆回路素子。
  8. 【請求項8】 前記中心電極が、一つの誘電体層の一面
    に配置された第1中心電極部と、他面に配置された第2
    中心電極部と、前記一つの誘電体層に形成されており、
    かつ第1,第2中心電極部を電気的に接続するスルーホ
    ール導電部とを有する、請求項1〜7のいずれかに記載
    の非可逆回路素子。
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