JPH10135065A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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JPH10135065A
JPH10135065A JP29039496A JP29039496A JPH10135065A JP H10135065 A JPH10135065 A JP H10135065A JP 29039496 A JP29039496 A JP 29039496A JP 29039496 A JP29039496 A JP 29039496A JP H10135065 A JPH10135065 A JP H10135065A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有効電極面積を大きくすることができるととも
に、静電容量の温度変化率を小さくすることができる積
層セラミックコンデンサを提供する。 【解決手段】誘電体層1と内部電極層2とを交互に積層
してなるコンデンサ本体3の両端に一対の外部電極4を
設けてなり、内部電極層2の一端が外部電極4に電気的
に接続され、他端が外部電極4と電気的に絶縁された積
層セラミックコンデンサであって、内部電極層2を、外
部電極4に電気的に接続される側に形成された貴金属か
らなる外部電極接続部2aと、外部電極4と電気的に絶
縁される側に形成された卑金属からなる外部電極非接続
部2bとから構成するとともに、外部電極非接続部2b
の外部電極4側の端部が酸化され、外部電極4と電気的
に絶縁されている積層セラミックコンデンサである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体層と、金属
を含有する内部電極層とを交互に積層してなる積層セラ
ミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来技術】従来、積層セラミックコンデンサとして
は、誘電体層と、1種類の内部電極層とを交互に積層
し、該積層体の両端面に内部電極層の一端を露出させ、
該露出部分に外部電極を形成した構造を有している。
【0003】このような積層セラミックコンデンサの一
般的な製造方法は、例えば、誘電体セラミック粉末を有
機バインダーに分散させたセラミックスラリーをシート
状に成形してセラミックグリーンシートを作製し、スク
リーン印刷法などにより、このセラミックグリーンシー
トの上に内部電極用の導電ペーストを塗布し、内部電極
パターンを印刷する。
【0004】次に、この内部電極パターンが印刷された
セラミックグリーンシートを積層し、さらにその上下に
内部電極パターンが印刷されていないセラミックグリー
ンシートを複数枚積層する。こうして得られた積層体を
内部電極が積層体の両端面に露出するようにチップ状に
切断し、これを焼成する。
【0005】そして、焼結された積層体の内部電極が露
出した部分を研磨し、その端面に内部電極の一端を露出
させ、この端面に外部電極用の導電ペーストを塗布し、
これを焼き付けて外部電極を形成し、積層セラミックコ
ンデンサを作製していた。
【0006】また、他の積層セラミックコンデンサの製
造方法として、セラミックの積層体を焼成する前に、そ
の両端部に予め外部電極となる導電ペーストを焼き付け
る製造方法もある。
【0007】さらに、積層体を得る方法も、セラミック
グリーンシートを使用する、いわゆるシート積層法の他
に、セラミックペーストと内部電極となる導電ペースト
とを交互に印刷していく、いわゆる印刷法も採用されて
いる。
【0008】ところで、従来の積層セラミックコンデン
サにおける内部電極は、例えば、ニッケル、銀、銅、パ
ラジウム等の金属を含む単一種類から構成されており、
図4および図5に示すように、誘電体層1の上面に形成
された内部電極層2の一端は一層おきに外部電極4と所
定間隔を置いて離間して形成され、即ち、内部電極層2
の一端はマージン領域10により外部電極4から電気的
に絶縁されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おいては、内部電極層2となる導電ペーストを外部電極
4と所定間隔をおいて印刷し、印刷パターンを制御する
ことによりマージン領域10を確保していたため、印刷
精度の低下による外部電極4との短絡を予防するため
に、大きなマージン領域10を形成する必要があり、つ
まり、外部電極4と内部電極層2の一端との間隔を大き
くとる必要があり、有効電極面積が小さく、従って静電
容量が小さくなるという問題があった。
【0010】本発明は、有効電極面積を大きくすること
ができ、これにより静電容量を大きくすることができる
積層セラミックコンデンサを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
について鋭意検討した結果、積層セラミックコンデンサ
の内部電極を、異なる金属を主成分とする複数種類の内
部電極層ペーストを用いて形成し、内部電極層の外部電
極に接する部分を一層おきに内部電極を構成する金属の
酸化物によって電気的に絶縁すると、マージン領域を小
さくして有効電極面積を大きくすることができることを
見出し、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の積層セラミックコンデンサ
は、誘電体層と内部電極層とを交互に積層してなるコン
デンサ本体の両端に一対の外部電極を設けてなり、前記
内部電極層の一端が前記外部電極に電気的に接続され、
他端が前記外部電極と電気的に絶縁された積層セラミッ
クコンデンサであって、前記内部電極層を、前記外部電
極に電気的に接続される側に形成された貴金属からなる
外部電極接続部と、前記外部電極と電気的に絶縁される
側に形成された卑金属からなる外部電極非接続部とから
構成するとともに、前記外部電極非接続部の外部電極側
の端部が酸化され、前記外部電極と電気的に絶縁されて
いるものである。ここで、外部電極接続部はパラジウム
を主成分とし、外部電極非接続部はニッケルを主成分と
することが望ましい。
【0013】また、本発明の積層セラミックコンデンサ
は、誘電体層と内部電極層とを交互に積層してなるコン
デンサ本体の両端に一対の外部電極を設けてなり、前記
内部電極層の一端が前記外部電極に電気的に接続され、
他端が前記外部電極と電気的に絶縁された積層セラミッ
クコンデンサであって、前記内部電極層が卑金属からな
る内部電極層と貴金属からなる内部電極層により形成さ
れるとともに、前記卑金属からなる内部電極層を一対の
外部電極を接続するように形成し、外部電極側の一端部
を酸化して前記外部電極と電気的に絶縁し、かつ前記貴
金属からなる内部電極層の一端を前記外部電極と所定隔
を置いて形成し、前記外部電極と電気的に絶縁するもの
である。ここで、貴金属からなる内部電極層はパラジウ
ムを主成分とし、卑金属からなる内部電極層はニッケル
を主成分とすることが望ましい。
【0014】
【作用】本発明の積層セラミックコンデンサは、一層の
内部電極を、酸化されにくい貴金属からなる外部電極接
続部と、酸化されやすい卑金属からなる外部電極非接続
部とから構成し、外部電極非接続部の外部電極側の端部
を酸化し、外部電極と電気的に絶縁したので、印刷パタ
ーンの制御によってマージン領域を形成した従来の積層
セラミックコンデンサよりも有効電極面積を大きくする
ことができ、静電容量を大きくすることができる。
【0015】また、例えばニッケルを含有する外部電極
非接続部と、パラジウムを含有する外部電極接続部を用
いることにより、ニッケルからなる内部電極層のみで形
成されたコンデンサよりも内部電極の焼成時における収
縮率が小さくなり、内部電極層と交互に形成される誘電
体層に発生する内部応力が緩和され、コンデンサの温度
に対する静電容量の変化を小さくすることができる。
【0016】また、複数の内部電極層を、酸化されやす
い卑金属からなる内部電極層と、酸化されにくい貴金属
からなる内部電極層とから構成し、酸化されやすい卑金
属からなる内部電極層の場合には両端を外部電極まで延
設し、外部電極側の一端部を酸化して外部電極と電気的
に絶縁し、酸化されにくい貴金属からなる内部電極層の
場合には一端を外部電極と所定隔を置いて形成し、外部
電極と電気的に絶縁することによっても、印刷パターン
の制御によってマージン領域を形成した従来の積層セラ
ミックコンデンサよりも有効電極面積を大きくすること
ができ、静電容量を大きくすることができる。
【0017】また、この場合には、有効電極面積の向上
という点においては、上記の例よりも効果は小さくもの
の、コンデンサの温度に対する静電容量の変化を抑制す
る効果が大きい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の積層セラミックコンデン
サは、図1に示すように、誘電体層1と内部電極層2と
を交互に積層してなるコンデンサ本体3の両端に一対の
外部電極4を設けてなり、内部電極層2の一端が一対の
外部電極4に交互に電気的に接続され、他端が一対の外
部電極4と交互に絶縁されて構成されている。
【0019】そして、一層の内部電極層2が、図2に示
すように、酸化されにくい貴金属からなる外部電極接続
部2aと、酸化されやすい卑金属からなる外部電極非接
続部2bとから構成され、外部電極非接続部2bの外部
電極4側の端部が酸化され、外部電極4と電気的に絶縁
されている。
【0020】即ち、外部電極接続部2aは、外部電極4
に電気的に接続される側に形成され、外部電極非接続部
2bは、外部電極4と電気的に絶縁される側に形成され
ており、外部電極非接続部2bの外部電極4側の端部は
酸化されて酸化部7が形成されている。この酸化部7を
介して外部電極非接続部2bが外部電極4と接続されて
いる。また、外部電極接続部2aと外部電極非接続部2
bにより形成される内部電極2は、一対の外部電極4間
を接続するように形成されている。
【0021】内部電極層に用いられる金属としては、ニ
ッケル、銀、銅、パラジウム等があるが、これらのうち
でも、安価であるという理由から、外部電極非接続部2
bとしてニッケルが、外部電極接続部2aとしてパラジ
ウムを用いることが望ましい。外部電極非接続部2bと
してニッケルを用いる場合には、酸化部7はNiOとな
っている。また、内部電極層中には、金属を主成分とす
るものであれば良く、金属の他に金属の酸化物やガラス
等を含有していても良いが、金属のみからなる場合が最
も望ましい。尚、外部電極は金や銅等を用いることがで
きる。
【0022】上記した本発明の積層セラミックコンデン
サは以下のようにして製造される。
【0023】例えば、先ず、誘電体層となるグリーンシ
ートを作製する。グリーンシートは、例えば、チタン酸
バリウムを主成分とし、酸化イットリウム、炭酸マンガ
ン及び酸化マグネシウムを加えた誘電体粉末に、水及び
分散剤を加え、ボールミルにて混合粉砕した後、有機バ
インダーを混合し、得られたスラリーを所定厚みのテー
プ状に成形することにより得られる。
【0024】誘電体層の材料としては、チタン酸バリウ
ムを主成分とし、この主成分100モル部に対して、酸
化マグネシウムを0.5〜8モル部、炭酸マンガンを
0.05〜0.5モル部、酸化イットリウムを0.3〜
4モル部添加含有したものを用いることが誘電率などの
特性を向上するという点から望ましい。
【0025】次に、内部電極となる導体ペーストを、例
えば、ニッケル粉末に有機可塑剤を加えたペースト、及
びパラジウム粉末に有機可塑剤を加えたペーストを作製
する。
【0026】そして、上記グリーンシートの上面に、例
えば、スクリーン印刷法によりニッケルの導体ペースト
と、パラジウムの導体ペーストを塗布し、このようにニ
ッケルの導体ペーストとパラジウムの導体ペーストが塗
布されたグリーンシートを複数積層する。
【0027】この後、積層成形体を所定寸法に切断し、
積層セラミックコンデンサを作製した場合には、図2に
示すように、一層の誘電体層の上面の内部電極は、下半
分にニッケル電極(外部電極非接続部)、上半分にパラ
ジウム電極(外部電極接続部)を形成して構成し、上記
誘電体層の下面の内部電極は、下半分にパラジウム電極
(外部電極接続部)、上半分にニッケル電極(外部電極
非接続部)を形成して構成されるような未焼成の積層成
形体を作製する。つまり、内部電極の両端(外部電極非
接続部の一端および外部電極接続部の他端)は積層成形
体の両端面に露出している。
【0028】次に、酸素分圧3×10-8〜3×10-3
a、温度1150〜1300℃で0.5〜3時間焼成
し、この後、酸素分圧1×10-2〜2×104 Pa、温
度800〜1100℃で1〜5時間熱処理を行う。
【0029】この後、外部電極接続部の他端を焼結体の
表面に露出させるため、焼結体表面を研磨する。そし
て、酸素分圧1×10-2〜2×104 Pa、温度900
〜1150℃で1〜5時間熱処理することにより、焼結
体表面に露出したニッケル電極(外部電極非接続部)の
端部を酸化させる。
【0030】次に、銅粉末に有機可塑剤を加えたペース
トを作製し、このペーストを、前記内部電極層と交互に
電気的に接続するように焼結体の一方に焼き付けて積層
セラミックコンデンサを作製する。外部電極は銅により
形成しても良いし、金により形成しても良い。
【0031】以上のように構成された積層セラミックコ
ンデンサでは、外部電極非接続部を酸化することにより
完全に外部電極と絶縁することができるため、印刷パタ
ーンの制御によってマージン領域を形成した従来の積層
セラミックコンデンサよりも有効電極面積を大きくする
ことができ、静電容量を大きくすることができる。つま
り、内部電極となる導電ペーストを外部電極と所定間隔
をおいて離間することなく、内部電極を酸化することに
より外部電極と絶縁するため、容量を発生する内部電極
面積を大幅に向上できる。また、従来のように印刷パタ
ーンを制御する必要がないため、従来のような印刷精度
の低下による外部電極との短絡を防止できる。
【0032】また、例えばニッケルを含有する外部電極
非接続部と、パラジウムを含有する外部電極接続部を用
いることにより、ニッケルからなる内部電極層のみで形
成されたコンデンサよりも内部電極の焼成時における収
縮率が小さくなり、内部電極層と交互に形成される誘電
体層に発生する内部応力が緩和され、コンデンサの温度
に対する静電容量の変化を小さくすることができる。
【0033】尚、上記例では、パラジウム電極(外部電
極接続部)とニッケル電極(外部電極非接続部)の組み
合わせからなる内部電極を形成したが、本発明は上記例
に限定されるものではない。
【0034】また、本発明の他の態様では、図3に示す
ように、内部電極層が酸化されやすい卑金属からなる内
部電極層5と、酸化されにくい貴金属からなる内部電極
層6により構成され、これらの内部電極層5、6は交互
に積層されている。
【0035】そして、酸化されやすい卑金属からなる内
部電極層5の場合には一対の外部電極を接続するように
形成され、外部電極4側の一端部を酸化して外部電極4
と電気的に絶縁されている。また、酸化されにくい貴金
属からなる内部電極層6の場合には一端が外部電極4と
所定隔を置いて形成され、外部電極4と電気的に絶縁さ
れている。
【0036】つまり、誘電体層1の上面には、酸化され
やすい卑金属からなる内部電極層5が一対の外部電極を
接続するように全域亘って形成されており、その一端部
は酸化されて酸化部7が形成され、誘電体層1の下面に
は、酸化されにくい貴金属からなる内部電極層6の他端
が、外部電極4と所定間隔をおいて形成され、これによ
り貴金属からなる内部電極層6の他端が外部電極4と電
気的に絶縁されている。
【0037】この態様の積層型セラミックコンデンサ
は、上記した方法とほぼ同様に作製することができ、ほ
ぼ同様の効果を有することができる。さらに、この場合
には、コンデンサの温度に対する静電容量の変化をさら
に小さくすることができる。
【0038】この態様の積層セラミックコンデンサで
は、外部電極として卑金属からなる内部電極と電気的に
接続される側の外部電極4aとして、卑金属からなる内
部電極の酸化を防止し、電気的導通を確保する目的か
ら、金からなる外部電極4aを形成する必要がある。貴
金属からなる内部電極と電気的に接続される側の外部電
極4bとしては、金や銅等の外部電極が用いられる。ま
た、金からなる外部電極4aの表面に銅を積層しても良
い。
【0039】
【実施例】
実施例1 先ず、チタン酸バリウムを主成分とし、この主成分10
0モル部に対して、酸化イットリウムを1モル部、酸化
マグネシウムを2モル部、酸化マンガンを0.1モル部
添加した誘電体粉末に、水及び分散剤を加え、ZrO2
ボールを用いたボールミルにて混合粉砕した後、有機バ
インダーを混合し、得られたスラリーを厚み13μmの
テープ状に成形した。
【0040】一方内部電極として、ニッケル粉末に有機
可塑剤を加えたペースト、及びパラジウム粉末に有機可
塑剤を加えたペーストを用意し、各々上記テープ上にス
クリーン印刷法にて形成し、このテープを、チップ形状
に切断した場合には図1および図2に示す構造となるよ
うに積層し、積層成形体を作製した。
【0041】得られた積層成形体を所定形状に切断し、
酸素分圧1×10-6Pa、温度1260℃で2時間焼成
し、次に、酸素分圧1×10-1Pa、温度900℃で1
時間熱処理を行った。次に、焼結体表面を研磨し、内部
電極を露出させた。
【0042】この後、酸素分圧1×102 Pa、温度1
000℃で3時間熱処理することにより、焼結体表面に
露出したニッケル電極(外部電極非接続部)の端部を酸
化させた。
【0043】この焼結体の両端に、銅ペーストを塗布
し、800℃で焼き付け、内部電極と電気的に接続する
外部電極を形成した。
【0044】このようにして、図2に示すように、一層
の誘電体層の上面の内部電極は、下半分にニッケル電極
(外部電極非接続部)、上半分にパラジウム電極(外部
電極接続部)を形成して構成し、上記誘電体層の下面の
内部電極は、下半分にパラジウム電極(外部電極接続
部)、上半分にニッケル電極(外部電極非接続部)を形
成して構成した。
【0045】このコンデンサは、誘電体層厚み9μm、
有効誘電体層数100層、外形寸法2mm×1.2mm
×1.2mmであった。
【0046】比較のため、上記実施例と同様の誘電体材
料を用い、内部電極材料としてニッケルを用い、誘電体
層にニッケルからなる内部電極を外部電極と所定間隔を
おいて形成し、内部電極パターンの制御により外部電極
と絶縁した、図4、図5に示す従来の積層セラミックコ
ンデンサを作製した。尚、外部電極はCuにより構成し
た。このコンデンサは、誘電体層厚み9μm、有効誘電
体層数100層、外形寸法2mm×1.2mm×1.2
mmであり、有効電極面積0.78mm2 であった。
【0047】次にこれらの試料を、LCRメーター42
84Aを用いて、周波数1.0kHz、入力信号レベル
1.0Vrmsにて+25℃における静電容量を測定し
た。
【0048】この結果、内部電極としてニッケルのみを
用いた比較例の場合、静電容量は0.5μFであったの
に対して、内部電極層の外部電極に接する部分を一層お
きに内部電極を構成する金属の酸化物によって電気的に
絶縁した本発明の場合、静電容量は0.6μFであっ
た。従って、本発明のコンデンサでは、有効電極面積を
向上し、静電容量の向上できることが判る。
【0049】また、LCRメーター4284Aを用い
て、周波数1.0kHz、入力信号レベル1.0Vrm
sにて+25℃と+125℃での静電容量を測定し、+
25℃の静電容量に対する+125℃の静電容量の変化
率を算出したところ−13%であった。一方、比較例の
場合には、静電容量の変化率は、+125℃で−20%
であった。
【0050】実施例2 実施例1と同様の誘電体材料および内部電極材料を用
い、図3に示すように、ニッケル及びパラジウムからな
る内部電極が各々一層おきに交互に配置され、ニッケル
からなる内部電極の場合には外部電極側の端部が酸化さ
れ、パラジウムからなる内部電極の場合には外部電極側
の先端が外部電極と所定間隔をおいて離間され、外部電
極と絶縁された積層セラミックコンデンサを作製した。
【0051】尚、ニッケルからなる内部電極が電気的に
導通する外部電極を、スパッタ法を用いて金からなる外
部電極を形成し、酸素分圧1×101 Pa、温度100
0℃で1時間熱処理を行い、ニッケルからなる内部電極
の焼結体表面に露出した端部を酸化させた。また、金か
らなる外部電極の形成されていない側に、銅ペーストを
800℃で焼き付け、内部電極と電気的に接続する外部
電極を形成した。
【0052】このコンデンサは、誘電体層厚み9μm、
有効誘電体層数100層、外形寸法2mm×1.2mm
×1.2mmであった。
【0053】次に、実施例1と同様にして静電容量を測
定したところ、0.54μFであった。また、LCRメ
ーター4284Aを用いて、周波数1.0kHz、入力
信号レベル1.0Vrmsにて+25℃と+125℃で
の静電容量を測定し、+25℃の静電容量に対する+1
25℃の静電容量の変化率を算出したところ−12%で
あった。
【0054】
【発明の効果】本発明の積層型セラミックコンデンサで
は、内部電極と外部電極とを、内部電極を酸化させるこ
とにより絶縁することができるため、印刷パターンの制
御によってマージン領域を形成した従来の積層セラミッ
クコンデンサよりも有効電極面積を大きくすることがで
き、静電容量を大きくすることができる。また、静電容
量の温度変化率を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミックコンデンサを示す断面
図である。
【図2】内部電極の構成を説明するための説明図であ
る。
【図3】本発明の他の実施例の内部電極の構成を説明す
るための説明図である。
【図4】従来の積層セラミックコンデンサを示す断面図
である。
【図5】従来の内部電極の構成を説明するための説明図
である。
【符号の説明】 1・・・誘電体層 2・・・内部電極層 2a・・・外部電極接続部 2b・・・外部電極非接続部 3・・・コンデンサ本体 4、4a、4b・・・外部電極 5・・・卑金属からなる内部電極層 6・・・貴金属からなる内部電極層 7・・・酸化部 10・・・マージン領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体層と内部電極層とを交互に積層して
    なるコンデンサ本体の両端に一対の外部電極を設けてな
    り、前記内部電極層の一端が前記外部電極に電気的に接
    続され、他端が前記外部電極と電気的に絶縁された積層
    セラミックコンデンサであって、前記内部電極層を、前
    記外部電極に電気的に接続される側に形成された貴金属
    からなる外部電極接続部と、前記外部電極と電気的に絶
    縁される側に形成された卑金属からなる外部電極非接続
    部とから構成するとともに、前記外部電極非接続部の外
    部電極側の端部が酸化され、前記外部電極と電気的に絶
    縁されていることを特徴とする積層セラミックコンデン
    サ。
  2. 【請求項2】外部電極接続部がパラジウムを主成分と
    し、外部電極非接続部がニッケルを主成分とすることを
    特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】誘電体層と内部電極層とを交互に積層して
    なるコンデンサ本体の両端に一対の外部電極を設けてな
    り、前記内部電極層の一端が前記外部電極に電気的に接
    続され、他端が前記外部電極と電気的に絶縁された積層
    セラミックコンデンサであって、前記内部電極層が卑金
    属からなる内部電極層と貴金属からなる内部電極層によ
    り形成されるとともに、前記卑金属からなる内部電極層
    を一対の外部電極を接続するように形成し、外部電極側
    の一端部を酸化して前記外部電極と電気的に絶縁し、か
    つ前記貴金属からなる内部電極層の一端を前記外部電極
    と所定隔を置いて形成し、前記外部電極と電気的に絶縁
    することを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  4. 【請求項4】貴金属からなる内部電極層はパラジウムを
    主成分とし、卑金属からなる内部電極層はニッケルを主
    成分とすることを特徴とする請求項3記載の積層セラミ
    ックコンデンサ。
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JP2014183305A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 積層セラミック電子部品及びこの製造方法
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