JPH11283821A - 非可逆回路素子 - Google Patents

非可逆回路素子

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JPH11283821A
JPH11283821A JP10102170A JP10217098A JPH11283821A JP H11283821 A JPH11283821 A JP H11283821A JP 10102170 A JP10102170 A JP 10102170A JP 10217098 A JP10217098 A JP 10217098A JP H11283821 A JPH11283821 A JP H11283821A
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JP
Japan
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magnetic
average particle
magnet
oxide
particle size
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10102170A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Suzuki
和明 鈴木
Shusuke Ohata
秀典 大波多
Takahide Kurahashi
孝秀 倉橋
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Publication of JPH11283821A publication Critical patent/JPH11283821A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides
    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
    • H01F1/346[(TO4) 3] with T= Si, Al, Fe, Ga

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Non-Reversible Transmitting Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化可能で温度特性に優れた非可逆回路素
子を提供する。 【解決手段】 本発明の非可逆回路素子は、磁気回転子
が、(YX1-X)3(FeY1-Y)5+ZO12(ただし、RはCa、B
i、Gdおよび希土類元素の1種以上を表し、MはAl、V、
Co、In、Zr、Sn、Ga、Mn、Si、GeおよびTiの1種以上を
表す。)と表したとき、 X=1〜0.2 Y=1〜0.6 Z=−0.005〜0.005 である酸化物磁性材料を含み、 外部磁石が残留磁束密
度の温度係数が−0.15%/℃以上0%/℃未満の磁石で
あり、 容量部がPbAZrBO3と表したとき、 A/B=0.98〜1.1 である酸化物を主組成とする非可逆回路素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集中定数型アイソ
レータ、サーキュレータ等の非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話に代表される移動体通信の普及
に伴い、これらの通信機器に搭載される電子部品の小型
化が求められている。しかし、通信機の入出力部分に搭
載されるアイソレータ、サーキュレータは、パワーアン
プと並び、小型化の進展が他の電子部品より遅れてい
る。
【0003】従来のアイソレータ、サーキュレータの基
本構造を図1に示す。非可逆性をもたらす磁気回転子1
の上には、この磁気回転子1に直流磁界を印加するため
の外部磁石2が取り付けられており、この下には、容量
基板としてコンデンサ3が取り付けられている。さら
に、外部磁石2に接して全体を取り囲むようにヨーク4
が設けられている。
【0004】通常、磁気回転子11としてはYIG(イ
ットリウム鉄ガーネット)系のもの、具体的にはY3
512を基本組成とし、これに各種元素を添加した置
換型ガーネットフェライトが用いられる。また、外部磁
界印加用磁石12としてはフェライト磁石が、容量部分
のコンデンサ13としては誘電率温度特性が0近傍の高
周波用セラミックまたはガラスエポキシ樹脂等を用いた
コンデンサが用いられている。YIGは飽和磁化Msの
温度特性が−7〜−0.1%/℃と大きいので、残留磁束
密度Brの温度特性が大きいフェライト磁石を外部磁石
に用いることでキャンセルして、アイソレータ、サーキ
ュレータ素子全体としての温度係数を0に近くなるよう
にしていた。
【0005】これらアイソレータ、サーキュレータ等の
非可逆回路素子を小型化する方法としては、より高性能
な磁石を用いて、必要な磁界を維持しつつ、磁石を小型
化する方法が考えられる。従来用いられてきたフェライ
ト磁石は比較的弱い磁石で、より強力な磁力を有する磁
石としてはネオジウム・鉄・ボロン系磁石、サマリウム
・鉄・窒素系磁石、サマリウム・コバルト系磁石等があ
る。しかしながら、これらの磁石はフェライト磁石より
も温度特性がフラットであるため、YIGの大きな温度特
性を磁石の温度特性でキャンセルすることができず、こ
のため、アイソレータ、サーキュレータ素子全体として
の温度特性をフラットにすることができない。
【0006】また、アイソレータ・サーキュレータを小
型化するためには、誘電率の大きい誘電体材料を用い
て、容量部分を形成するコンデンサを小型化する方法が
考えられる。しかし、従来の高周波用誘電体よりも誘電
率の大きいPbZrO3は、誘電率の温度特性が大きく、YI
G、フェライト磁石と組み合わせた場合、温度係数を整
合することができず、素子の温度係数が大きくなるの
で、従来は容量部分にPbZrO3を使用できなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小型
化可能で温度特性に優れた非可逆回路素子を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の本発明により達成される。
【0009】(1) 磁気回転子が、(YX1-X)3(FeY
1-Y)5+ZO12 (ただし、RはCa、Bi、Gdおよび希土類元素の1種以上
を表し、MはAl、V、Co、In、Zr、Sn、Ga、Mn、Si、Ge
およびTiの1種以上を表す。)と表したとき、 X=1〜0.2 Y=1〜0.6 Z=−0.005〜0.005 である酸化物磁性材料を含み、外部磁石が残留磁束密度
の温度係数が−0.15%/℃以上0%/℃未満の磁石であ
り、容量部がPbAZrBO3と表したとき、 A/B=0.98〜1.1 である酸化物を主組成とする非可逆回路素子。 (2) 前記外部磁石の25℃での残留磁束密度が5kG
以上である上記(1)の非可逆回路素子。 (3) 前記外部磁石がSmCo5系、Sm2Co17系、Nd2Fe14B
系、Nd2Fe14C系、Sm(Fe11Ti)系、Sm2Fe17N2.5系、Sm2Fe
17C2.2系、Nd(Fe11Ti)N0.8系、Nd2Fe14BとFe3Bの微細複
合材料、SmFe7N2とFeの微細複合材料またはNd2Fe14BとF
eの微細複合材料のいずれかを主組成とする希土類磁石
である上記(1)または(2)の非可逆回路素子。 (4) 前記外部磁石がSm2Co17系、Nd2Fe14B系のいず
れかを主組成とする希土類磁石である上記(1)〜
(3)のいずれかの非可逆回路素子。
【0010】
【作用】本発明の非可逆回路素子は、外部磁界印加用磁
石に温度係数が−0.15%/℃以上0%/℃未満の磁石、
容量部にPbZrO3を組み合わせることで、温度係数が整合
し、温度による帯域特性の周波数シフトを防ぐことがで
きる。本発明の非可逆回路素子は、極めて高い温度安定
性が得られ、従来のものよりも温度特性に優れている。
【0011】また、これにより、フェライト磁石より残
留磁束密度が大きい希土類磁石を外部磁石に使用できる
ため、従来よりも小さい外部磁石で必要な磁界を得ら
れ、外部磁界印加用磁石の小型化も可能となる。さら
に、PbZr03は従来の誘電材料よりも高誘電率であるた
め、容量部分の小型化をも可能となる。これにより、非
可逆回路素子を小型化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の非可逆回路素子は、磁気
回転子が(YX1-X)3(FeY1-Y)5+ZO12で表される酸化物
磁性材料であり、外部磁石が残留磁束密度の温度係数が
−0.15%/℃以上0%/℃未満の磁石であり、容量部が
PbAZrBO3で表される酸化物(以下、PZ)を主組成とす
る。
【0013】ただし、(YX1-X)3(FeY1-Y)5+ZO12と表
したとき、 R=Ca、Bi、Gd、Re(希土類元素) X=1〜0.2、好ましくは1〜0.1 M=Al、V、Co、In、Zr、Sn、Ga、Mn、Si、Ge、Ti Y=1〜0.6、好ましくは1〜0.3 Z=−0.005〜0.005 であり、PbAZrBO3と表したとき、 A/B=0.98〜1.1、好ましくは1〜1.05 である。
【0014】本発明の非可逆回路素子は、従来のものと
同様、磁気回転子には、YIG(イットリウム鉄ガーネ
ット)系のもの、具体的にはY3Fe512を基本組成と
し、これに各種元素を添加した置換型ガーネットフェラ
イトを用いる。置換型ガーネットフェライトの組成を 式 (YX1-X)3(FeY1-Y)5+ZO12 で表わしたとき、Yを置換する元素Rは、Ca、Bi、Gdお
よびRe(希土類元素)の少なくとも1種である。また、Fe
を置換する元素Mは、Al、V、Co、In、Zr、Sn、Ga、M
n、Si、Ge、Tiの少なくとも1種である。そして、Xは
1〜0.2、好ましくは1〜0.1であり、Yは1〜
0.6、好ましくは1〜0.3である。なお、特性改善
のための微量添加剤であるRe(希土類元素)およびCo、M
n、Siの上記式における原子比は、通常、0.2以下で
ある。また、(置換元素を含むY):(置換元素を含む
Fe):Oは、化学量論組成比である3:5:12から
偏倚していてもよく、Zは−0.005〜0.005で
ある。
【0015】YIGの平均グレイン径は0.5〜10μ
m、特に1〜4μmが好ましい。
【0016】YIGの飽和磁化Msは、0.025〜
0.2Wb/m2、好ましくは0.075〜0.18Wb/m2
ある。そして、その温度特性は−7〜−0.1%/℃であ
る。例えば、Y2O3:Fe2O3:Al2O3=6:9:1のYIG
のMsは1.2kGで、その温度特性は−0.2%/℃あ
る。Y2O3:Fe2O3:V2O5:CaCO3=11:23:2:8の
YIGのMsは1.3kGで、その温度特性は−0.12
%/℃ある。
【0017】磁気回転子の厚みは、通常、0.3〜1.
0mm程度とする。
【0018】本発明の非可逆回路素子は、このYIGの大
きな温度特性を容量部のPZの温度特性でキャンセル
し、外部磁石には残留磁束密度の温度係数が−0.15
%/℃以上0%/℃未満の磁石を用いる。このような構成と
することで、非可逆回路素子の共振周波数の温度特性は
−0.05〜0.05%/℃、好ましくは−0.02〜
0.02%/℃とすることができ、従来のものよりも良好
な温度安定性が得られる。
【0019】本発明の非可逆回路素子に用いる外部磁石
は、残留磁束密度Brの温度係数が−0.15%/℃以上
0%/℃未満、好ましくは−0.12%/℃以上0%/℃未満
の磁石である。
【0020】外部磁石の25℃でのBrは、5kG以上、
特に8kG以上が好ましい。従来用いられているフェライ
ト磁石よりも保磁力が大きい磁石を用いることにより、
より小さい外部磁石で必要な磁界を得られるので、素子
を小型化することができる。
【0021】外部磁石の厚みは0.7mm以下、好ましく
は0.5mm以下とすることができる。
【0022】このような磁石としては希土類磁石があ
り、SmCo5、Sm2Co17、Nd2Fe14B、Nd2Fe14C、Sm(Fe11T
i)、Sm2Fe17N2.5、Sm2Fe17C2.2、Nd(Fe11Ti)N0.8を主組
成とするものが好ましく用いられる。また、Nd2Fe14B+F
e3Bという微細複合材料、SmFe7N2+Feという微細複合材
料、Nd2Fe14B+Feという微細複合材料も好ましく用いら
れる。Nd2Fe14B+Fe3Bは、Fe3Bが20〜70vol%である
ことが好ましい。SmFe7N2+Feは、Feが10〜50vol%で
あることが好ましい。Nd2Fe14B+Feは、Feが20〜70v
ol%であることが好ましい。外部磁石としては、Sm2Co17
系、Nd2Fe14B系が特に好ましい。なお、これらは化学量
論組成から多少偏倚していてもよい。
【0023】上記の磁石の残留磁束密度とその温度係数
を表1に示す。また、Nd2Fe14B磁石とフェライト磁石の
残留磁束密度の温度変化を図2に示す。上記の磁石は、
フェライト磁石よりもBrが大きく、その温度係数は0
に近い。
【0024】
【表1】
【0025】本発明の非可逆回路素子の容量部には、P
Zを用いる。PZをPbAZrBO3と表したとき、A/Bは
0.98〜1.1、好ましくは1〜1.05である。A
/Bがこれより大きいと、焼結不良が発生し、良好な容
量基板が得られない。これより小さいと、Q値が低下
し、容量基板としての損失が増大する。酸素量は化学量
論組成から偏倚していてもよい。なお、Bは0.9〜
1.1である。
【0026】PbZrO3の比誘電率の温度係数は2160pp
m/℃で、従来用いられているガラスセラミックス(−1
2ppm/℃)やBaNd2Ti5O14(−110ppm/℃)等よりも
大きいので、YIGの温度特性を整合して素子全体として
の温度係数を0に近くすることができる。これによっ
て、外部磁石に上記のものの使用が可能になり、素子の
小型化が図れる。容量部の比誘電率の温度係数は140
0〜2400ppm/℃、特に1600〜2200ppm/℃で
あることが好ましい。
【0027】しかも、PbZrO3の比誘電率は約140で、
従来用いられているガラスセラミックス(比誘電率1
0.7)やBaNd2Ti5O14(比誘電率90)等よりも大き
いので、容量部分を小型化することができ、さらに素子
の小型化が可能である。容量部の比誘電率は100以
上、特に120以上であることが好ましい。
【0028】容量部の厚みは、通常、0.25〜0.6
mm、好ましくは0.3〜0.5mmである。また、その大
きさは、通常、縦7mm以下、好ましくは5mm以下、横7
mm、好ましくは5mm以下である。
【0029】容量部のPZの高周波特性はQ値が高いほ
ど好ましく、このため、酸化セリウム、酸化テルビウ
ム、酸化ジスプロシウム、酸化ガドリニウム、酸化テル
ル等を添加して高周波特性を改善することが好ましい。
添加量は、PZに対して10mol%以下、特に5mol%以
下が好ましい。これを超えると、誘電率が小さくなって
くる。これらは1種を用いても、2種以上を併用しても
かまわない。
【0030】また、PZは機械的強度が低いため、機械
的強度向上のためガラス、B2O3等の焼結助剤を添加して
もよい。ガラスとしては、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラ
ス、亜鉛ケイ酸ガラス、亜鉛ホウケイ酸ガラス等が挙げ
られる。その添加量は2wt%以下、特に1wt%以下が好
ましい。これを超えると、誘電率が小さくなってくる。
【0031】PZの平均グレイン径は1〜20μm、特
に2〜10μmが好ましい。平均グレイン径がこれより
大きいと、強度が低くなる傾向がある。これより小さい
と、グリーンシートを形成しにくくなる。
【0032】次に、容量基板の製造方法を説明する。
【0033】酸化鉛、酸化ジルコニウム等の酸化物を原
料に用い、これらの粉末を秤量し、ボールミル等を用い
て10〜24時間粉砕する。原料には、焼成により酸化
物に変わりうる化合物、例えば、炭酸塩、水酸化物、シ
ュウ酸塩、硝酸塩等を用いてもかまわない。原料の平均
粒径は0.5〜10μm程度が好ましい。
【0034】そして、900〜1100℃で1〜2時間
仮焼する。
【0035】この仮焼粉末に、好ましくはPVA(ポリビ
ニルアルコール)水溶液等を1〜10wt%添加し、造粒
する。加える水溶液の濃度は5〜12wt%が好ましい。
【0036】この顆粒を1t/cm2程度でプレスし、こう鉢
に入れ鉛の蒸散を抑制しつつ、1200〜1350℃で
1〜3時間焼成する。
【0037】この焼成体を機械研磨等で所定の厚みにま
で研磨し、好ましくは銀ペーストで外部電極を印刷・焼
き付けして、容量基板が得られる。あるいは、厚膜法で
銀ペーストと同時焼成してもよい。
【0038】次に、本発明の磁気回転子の製造方法を説
明する。
【0039】磁気回転子には(YX1-X)3(FeY1-Y)5+ZO
12の酸化物磁性材料を用いる。
【0040】磁気回転子は、酸化イットリウム、酸化鉄
等の金属酸化物を原料に用い、これらの粉末を秤量し、
混合する。原料には、焼成により酸化物に変わりうる化
合物、例えば、炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩
等を用いてもかまわない。原料の平均粒径は0.5〜1
0μm程度が好ましい。
【0041】そして、この混合粉末を1100〜130
0℃で1〜3時間仮焼する。
【0042】この仮焼粉末をボールミル等で粉砕し、好
ましくは平均粒径1〜10μm程度する。
【0043】次に、この仮焼粉末にビヒクルを加え、磁
性体スラリーを作製する。
【0044】ビヒクルとしては、アクリル系有機バイン
ダー、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、メタ
クリル樹脂、ブチルメタアクリレート等のバインダ、イ
ソプロピルアルコール、トルエン、メチルエチルケト
ン、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカル
ビトールアセテート、アセテート、アルコール、キシレ
ン等の溶剤、その他各種分散剤、活性剤、可塑剤等が挙
げられ、これらのうち任意のものが目的に応じて適宜選
択される。ビヒクルの添加量は、酸化物に対し、30〜
45wt%程度とすることが好ましい。
【0045】また、磁性体スラリー中に、銀を添加して
もよい。磁性体中の銀の含有量は、10wt%以下、特に
5wt%以下、更に3wt%以下、更に特には1wt%以下で
あることが好ましい。銀の添加は粒状で行うことが好ま
しい。なお、焼成後、銀は、通常粒界に存在する。
【0046】この磁性体スラリーをドクターブレード法
等により、グリーンシートに成形する。
【0047】次に、導電ペーストについて説明する。
【0048】導電材料は銀を主成分とするものであり、
銀単体のほか、銀に、銅、金、パラジウム、白金等の銀
に固溶する金属を混合したものでもよい。いずれの金属
を加える場合も導電材料中の銀の含有量は70モル%以
上とする。その理由は、混合物量が30モル%を越える
と、合金の抵抗率が銀の抵抗率に比べて増加するからで
ある。さらに好ましくは、製造コストの増加を抑えるた
め、混合量は5モル%以下(銀の含有量が95モル%以
上)とすることが好ましい。
【0049】金属酸化物としてはGa酸化物(Ga
23)、La酸化物(La23)、Pr酸化物(Pr6
11)、Sm酸化物(Sm23)、Eu酸化物(Eu2
3)、Gd酸化物(Gd23)、Dy酸化物(Dy2
3)、Er酸化物(Er23)、Tm酸化物(Tm
23)およびYb酸化物(Yb23)のいずれか一種以
上が選択される。その理由は、これら金属酸化物はセラ
ミック素体と反応し素体中に拡散するからである。この
とき、金属酸化物の導電材料100重量部に対する含有
量が0.1重量部未満であると界面に十分な反応相が生
成されず、銀の濡れ性が悪くなる。また20重量部を越
えると金属酸化物が拡散しきれなくなり、内部導体に金
属酸化物が残留し、導体抵抗が大きくなる。このため、
金属酸化物の含有量は導電材料100重量部に対して
0.1〜20重量部であることが好ましい。導電材料の
粒径は特に限定されないが、導体をスクリーン印刷法で
形成する場合は、平均粒径を0.1〜20μmとするこ
とが好ましい。また、金属酸化物の平均粒径も、同様な
理由で0.1〜20μmとすることが好ましい。
【0050】ビヒクルとしてはエチルセルロース、ニト
ロセルロース、アクリル系樹脂等のバインダー、テルピ
ネオール、ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール
等の有機溶剤、その他分散剤や活性剤等が必要に応じて
適宜添加される。なお、この導体ペーストのビヒクル含
有率は、5〜70重量%とすることが好ましい。また、
導体ペーストの粘度は、300〜30000cps(セ
ンチポイズ)程度に調整しておくのがよい。
【0051】本発明の磁気回転子は、磁性体のグリーン
シートに導体ペーストを印刷法等により形成し、得られ
る。また、例えば、カーボンペースト等で中心導体パタ
ーンを形成し、積層して熱圧着して、電極パターンの形
状に穴の開いた磁気回転子を得、導体ペーストを好まし
くは静水圧プレスにて圧入して得られる。
【0052】本発明の非可逆回路素子のうち、具体的に
サーキュレータを挙げて説明する。本発明が適用される
好ましいサーキュレータは、US 08/219,917(USP 5,450,
045)に例示されているものである。このサーキュレータ
は、磁気回転子を有する。磁気回転子は、内部導体を有
し、この内部導体と密接状態でこの内部導体を取り囲む
ように一体的に焼成された絶縁性の磁性体を有し、さら
に、内部導体の一端に電気的に接続された複数の端子電
極と、印加される高周波に共振させるために端子電極に
それぞれ結合された複数の前記の容量基板と、磁気回転
子に直流磁界を印加するための励磁用永久磁石とを有す
る。この構成のサーキュレータでは、磁性体内に不連続
部が存在しないため磁気回転子内において高周波磁束が
連続する閉ループとなるので、反磁界が発生しない。こ
のため、小型化、広帯域化、低損失化を図ることがで
き、低価格化も可能である。
【0053】図3は、上記サーキュレータの一例である
3端子サーキュレータの磁気回転子の構成を概略的に示
す一部破断斜視図であり、図4はこのサーキュレータ全
体の構成を示す分解斜視図、図5はこのサーキュレータ
の等価回路図、図6はこのサーキュレータの磁気回転子
の製造工程の一部を説明する図である。
【0054】図示されるように、このサーキュレータは
3端子型であるため、磁気回転子20は平面形状が正六
角形となるように形成されている。しかし、均等な回転
磁界が発生できる構造であれば、平面形状は必ずしも正
六角形でなくてもよく、正六角形以外の六角形や、その
他の多角形であってもよい。磁気回転子の平面形状をこ
のように多角形とすることにより、その側面に共振用キ
ャパシタ等の回路素子を外付けにした場合に、空いてい
るスペースを有効に利用することができ、全体の寸法を
小型に保つことが可能となる。
【0055】図3において、10は一体的に焼成された
磁性体層を示しており、この磁性体層10に取り囲まれ
て所定パターンの内部導体(中心導体)11が形成され
ている。内部導体11は、この構成例では2層に積層さ
れた構成となっており、2本1組で3つの放射方向(六
角形の少なくとも1つの辺に垂直な放射方向)にそれぞ
れ伸長するストリップ状のコイルパターンが各層に設け
られている。両層上の同一方向に伸長するストリップ状
のコイルパターンは、ヴィアホール導体を介して互いに
電気的に接続されている。これは、磁性体層を絶縁物と
しても利用しているものである。各コイルパターンの一
端は、磁性体層10の1つおきの側面に設けられている
端子電極12に電気的に接続されている。磁性体層10
の上面および下面ならびに磁性体層10の端子電極12
の設けられていない各側面には、接地導体(グランド電
極)13が設けられている。各コイルパターンの他端
は、各側面の接地導体13に電気的に接続されている。
【0056】サーキュレータ全体としては、図4に示す
ように、磁気回転子20の3つの端子電極(12)に、
共振用キャパシタ21a、21b、21cが電気的に接
続されている。これらのキャパシタとしては、高周波キ
ャパシタ、例えば本出願人が既に提案し公開されている
特開平5−251262号公報に記載されているような
自己共振周波数の高い貫通型の高周波キャパシタなどを
使用することが好ましい。この高周波キャパシタは、接
地導体、誘電体、内部導体、誘電体の順序で重ねてなる
1単位の多層体を少なくとも1単位重ねた上に、さらに
接地導体、誘電体をこの順序で重ねた多層トリプレート
・ストリップ線路構造からなっている。このような貫通
型の動作周波数範囲の広いキャパシタを用いることによ
り、Q値の低下を防止することができる。なお、端子電
極とキャパシタとの接続態様は、図5の等価回路図に示
す通りである。
【0057】磁気回転子20の上下には、この磁気回転
子20に直流磁界14(図3参照)を印加するための励
磁用永久磁石22および23(図4参照)がそれぞれ取
り付けられている。
【0058】次に、このような構成のサーキュレータの
製造工程について説明する。
【0059】図6Aに示すように、同一の絶縁性磁性体
材料による上部シート40、中間シート41および下部
シート42を用意する。通常、上部シート40および下
部シート42の厚さは0.3〜1mm程度であり、厚さ1
00〜200μm程度(好ましくは160μm)のシート
を複数枚積層して用いる。中間シート41の厚さは30
〜200μm程度であり、好ましくは約160μmであ
る。
【0060】中間シート41の所定位置には、このシー
トを貫通するヴィアホール43a、43bおよび43c
が形成される。各ヴィアホール位置には、その直径より
やや大きいヴィアホール導体が印刷または転写によって
形成される。ヴィアホール導体としては、内部導体に用
いる導電材料と同じものを用いてもよいが、それにより
も融点の高い材料を用いてもよい。
【0061】中間シート41および下部シート42の上
面には、各組が同一放射方向(六角形の少なくとも1つ
の辺に垂直な放射方向)にヴィアホール部分を避けて伸
長する2本のストリップ状パターンからなる3組のコイ
ルパターンによる上部内部導体44a、44bおよび4
4cならびに下部内部導体45a、45bおよび45c
が、内部導体ペーストの印刷または転写によってそれぞ
れ形成される。このように形成した上部シート40、中
間シート41および下部シート42を順次重ね合わせた
後、加温加圧工程でスタックする。これにより、中間シ
ート41の表裏両面に3回対称のコイルパターンが配置
されることになり、その対称性から、3端子サーキュレ
ータの端子間の伝播特性が互いに一致させられる。
【0062】このようにして図6Bに示すようにスタッ
クされた上部シート40、中間シート41および下部シ
ート42を、前記導電材料の融点以上沸点未満の温度で
焼成する。焼成は1回であってもよいし、複数回行って
もよい。複数回の場合は少なくとも1回は融点以上の焼
成とする。この焼成によって、上部シート40、中間シ
ート41および下部シート42を構成する磁性体が連続
状態となり一体となる。
【0063】なお、図6Aおよび図6Bでは、上部シー
ト40、中間シート41および下部シート42を既に正
六角形状のものとして説明しているが、本発明では導電
材料の融点以上の温度で焼成するため、溶融によって導
電材料が流出しないように、焼成後に切断する。
【0064】以上の焼成工程によって、上部内部導体4
4a、44b、44cの一端と下部内部導体45a、4
5b、45cの一端とがヴィアホール43a、43b、
43c内のヴィアホール導体を介して電気的にそれぞれ
接続されることになる。
【0065】焼成および切断の後、各磁気回転子は、バ
レル研磨されて側面に現れる内部導体が露出させられ、
かつ焼結体のコーナーの面取りが行われる。その後、図
6Cに示すように、磁気回転子の1つおきの側面に端子
電極46を、その上面および下面ならびに磁気回転子の
端子電極46を設けない各側面に接地導体47を焼き付
けて形成する。これにより、上部内部導体44a、44
b、44cの磁気回転子側面に露出している他端が各端
子電極(46)に電気的に接続されることとなり、下部
内部導体45a、45b、45cの磁気回転子側面に露
出している他端が各側面の接地導体(47)に電気的に
接続されることとなる。そして、この磁気回転子の各端
子電極(46)に、図4に示すように共振用キャパシタ
21a、21b、21cを組み付けて、リフロー法等に
よりはんだ付けする。その後、直流磁界を印加するため
の励磁用永久磁石と磁気ヨークを兼用する金属ハウジン
グとを組み付けて、サーキュレータが完成する。
【0066】上記構成例は、3端子型のサーキュレータ
に関するものであるが、本発明はそれ以上の数の端子を
有するサーキュレータについても適用可能である。さら
に、上述した集中定数型サーキュレータ以外にも、磁気
回転子と容量回路とが一体化され端子回路に動作周波数
範囲を広げるためのインピーダンス変換器が組み込まれ
ているような分布定数型サーキュレータにも適用可能で
ある。また、このようなサーキュレータを発展させるこ
とにより、アイソレータ等の非可逆回路素子も容易に作
製できる。
【0067】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0068】<実施例1>1.PbZrO3容量基板の作製 平均粒径8.57μmの酸化鉛(PbO)と平均粒径1.94
μmの酸化ジルコニウム(ZrO2)をモル比で1:1の割合
で12時間ボールミル粉砕し、1000℃で2時間仮焼した。
そして、得られた仮焼粉末(平均粒径2.10μmの)
に10wt%PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を5wt%
添加し造粒した。この顆粒を1t/cm2でプレスし、こう鉢
に入れ鉛の蒸散を抑制しつつ、1300℃で2時間焼成し
た。焼成後の粉末の平均粒径は平均粒径3.47μmだ
った。焼成体は機械研磨で厚み300μmまで研磨し、銀ペ
ーストで外部電極を印刷・焼き付けした。
【0069】2.磁気回転子(YIG1)の作製 平均粒径4.38μmの酸化イットリウム(Y23)と
平均粒径1.69μmの酸化鉄(Fe23)と平均粒径
1.10μmの酸化アルミニウム(Al2O3)をモル比で
6:9:1の割合で混合し、1200℃で2時間仮焼し
た。そして、得られた仮焼粉をボールミルにて粉砕し
た。仮焼粉末(平均粒径2.16μmの)にアクリル系
有機バインダーを24wt%、イソプロピルアルコールと
トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を13wt%
添加し、磁性体スラリーを作製した。得られたスラリー
をドクターブレード法にて、グリーンシートに成形し
た。
【0070】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トにはカーボンペーストを使用した。グリーンシートを
熱圧着し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に
切断し、1430℃で焼成した。焼成後のYIGの平均
粒径は3.85μmだった。このときカーボンは分解し
電極パターンの形状に穴の開いた磁気回転子が得られ
た。
【0071】これに銀100%からなる導体ペーストを静水
圧プレスにて圧入した。そして、これを900℃にて焼き
付けることで、内部に銀電極の形成された磁気回転子を
得た。
【0072】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによってグランド電極を形成した。さらに、
焼成体側面に、各端子電極および、上下のグランド電極
をつなぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形
成した。
【0073】これにより磁性体、中心導体が一体化され
た磁気回転子を得た。
【0074】3.組み立て このようにして得られた磁気回転子(YIG1)、PbZrO3容量
基板、Sm2Co17を主組成とする外部磁石(厚み0.4mm)、
ヨークを図1の配置で組み立てることにより、非可逆回
路素子を得た。
【0075】高周波特性はネットワークアナライザで測
定し、サンプルを恒温槽中に置いて温度特性を測定し
た。表2に測定したアイソレータの温度特性を示す。な
お、共振周波数の温度係数は、−35℃〜25℃の温度
係数と25℃〜85℃の温度係数とを求め、そのうち悪
い方を表2に示した。
【0076】
【表2】
【0077】<実施例2>1.PbZrO3容量基板の作製 平均粒径8.57μmの酸化鉛(PbO)と平均粒径1.94
μmの酸化ジルコニウム(ZrO2)をモル比で1:1の割合
で12時間ボールミル粉砕し、1000℃で2時間仮焼した。
そして、得られた仮焼粉末(平均粒径2.10μmの)
に10wt%PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を5wt%
添加し造粒した。この顆粒を1t/cm2でプレスし、こう鉢
に入れ鉛の蒸散を抑制しつつ、1300℃で2時間焼成し
た。焼成後の粉末の平均粒径は平均粒径3.47μmだ
った。焼成体は機械研磨で厚み300μmまで研磨し、銀ペ
ーストで外部電極を印刷・焼き付けした。
【0078】2.磁気回転子(YIG2)の作製 平均粒径4.38μmの酸化イットリウム(Y23)と
平均粒径1.69μmの酸化鉄(Fe23)と平均粒径
1.75μmの酸化バナジウム(V2O5)と平均粒径2.
04μmの炭酸カルシウム(CaCO3)をモル比で1
1:23:2:8の割合で混合し、1100℃で2時間
仮焼した。そして、得られた仮焼粉をボールミルにて粉
砕した。仮焼粉末(平均粒径1.97μmの)にアクリ
ル系有機バインダーを24wt%、イソプロピルアルコー
ルとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を13
wt%添加し、磁性体スラリーを作製した。得られたスラ
リーをドクターブレード法にて、グリーンシートに成形
した。
【0079】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トにはカーボンペーストを使用した。グリーンシートを
熱圧着し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に
切断し、1300℃で焼成した。焼成後のYIGの平均
粒径は8.19μmだった。このときカーボンは分解し
電極パターンの形状に穴の開いた磁気回転子が得られ
た。
【0080】これに銀100%からなる導体ペーストを静水
圧プレスにて圧入した。そして、これを900℃にて焼き
付けることで、内部に銀電極の形成された磁気回転子を
得た。
【0081】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによってグランド電極を形成した。さらに、
焼成体側面に、各端子電極および、上下のグランド電極
をつなぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形
成した。
【0082】これにより磁性体、中心導体が一体化され
た磁気回転子を得た。
【0083】3.組み立て このようにして得られた磁気回転子(YIG2)、PbZrO3容量
基板、Sm2Co17を主組成とする外部磁石(厚み0.4mm)、
ヨークを図1の配置で組み立てることにより、非可逆回
路素子を得た。
【0084】高周波特性はネットワークアナライザで測
定し、サンプルを恒温槽中に置いて温度特性を測定し
た。表2に測定したアイソレータの温度特性を示す。
【0085】<実施例3>1.PbZrO3容量基板の作製 平均粒径8.57μmの酸化鉛(PbO)と平均粒径1.94
μmの酸化ジルコニウム(ZrO2)をモル比で1:1の割合
で12時間ボールミル粉砕し、1000℃で2時間仮焼した。
そして、得られた仮焼粉末(平均粒径2.10μmの)
に10wt%PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を5wt%
添加し造粒した。この顆粒を1t/cm2でプレスし、こう鉢
に入れ鉛の蒸散を抑制しつつ、1300℃で2時間焼成し
た。焼成後の粉末の平均粒径は平均粒径3.47μmだ
った。焼成体は機械研磨で厚み300μmまで研磨し、銀ペ
ーストで外部電極を印刷・焼き付けした。
【0086】2.磁気回転子(YIG1)の作製 平均粒径4.38μmの酸化イットリウム(Y23)と
平均粒径1.69μmの酸化鉄(Fe23)と平均粒径
1.10μmの酸化アルミニウム(Al2O3)をモル比で
6:9:1の割合で混合し、1200℃で2時間仮焼し
た。そして、得られた仮焼粉をボールミルにて粉砕し
た。仮焼粉末(平均粒径2.16μmの)にアクリル系
有機バインダーを24wt%、イソプロピルアルコールと
トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を13wt%
添加し、磁性体スラリーを作製した。得られたスラリー
をドクターブレード法にて、グリーンシートに成形し
た。
【0087】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トにはカーボンペーストを使用した。グリーンシートを
熱圧着し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に
切断し、1430℃で焼成した。焼成後のYIGの平均
粒径は3.85μmだった。このときカーボンは分解し
電極パターンの形状に穴の開いた磁気回転子が得られ
た。
【0088】これに銀100%からなる導体ペーストを静水
圧プレスにて圧入した。そして、これを900℃にて焼き
付けることで、内部に銀電極の形成された磁気回転子を
得た。
【0089】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによってグランド電極を形成した。さらに、
焼成体側面に、各端子電極および、上下のグランド電極
をつなぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形
成した。
【0090】これにより磁性体、中心導体が一体化され
た磁気回転子を得た。
【0091】3.組み立て このようにして得られた磁気回転子(YIG1)、PbZrO3容量
基板、Nd2Fe14Bを主組成とする外部磁石(厚み0.4m
m)、ヨークを図1の配置で組み立てることにより、非
可逆回路素子を得た。
【0092】高周波特性はネットワークアナライザで測
定し、サンプルを恒温槽中に置いて温度特性を測定し
た。表2に測定したアイソレータの温度特性を示す。
【0093】<比較例1>1.ガラスセラミックス容量基板の作製 平均粒径1.90μmのストロンチウムガラスと平均粒
径2.38μmの酸化チタン(TiO2)と平均粒径1.
10μmの酸化アルミニウム(Al2O3)を重量比で1
4:3:3の割合で混合した。そして、この混合粉末に
アクリル系有機バインダーを24wt%、イソプロピルア
ルコールとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤
を13wt%添加し、誘電体スラリーを作製した。得られ
たスラリーをドクターブレード法にて、グリーンシート
に成形した。
【0094】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トには銀ペーストを使用した。グリーンシートを熱圧着
し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に切断
し、900℃で焼成した。
【0095】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによって外部電極を形成した。
【0096】これにより誘電体、中心導体が一体化され
た容量基板を得た。
【0097】2.磁気回転子(YIG1)の作製 平均粒径4.38μmの酸化イットリウム(Y23)と
平均粒径1.69μmの酸化鉄(Fe23)と平均粒径
1.10μmの酸化アルミニウム(Al2O3)をモル比で
6:9:1の割合で混合し、1200℃で2時間仮焼し
た。そして、得られた仮焼粉をボールミルにて粉砕し
た。仮焼粉末(平均粒径2.16μmの)にアクリル系
有機バインダーを24wt%、イソプロピルアルコールと
トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を13wt%
添加し、磁性体スラリーを作製した。得られたスラリー
をドクターブレード法にて、グリーンシートに成形し
た。
【0098】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トにはカーボンペーストを使用した。グリーンシートを
熱圧着し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に
切断し、1430℃で焼成した。焼成後のYIGの平均
粒径は3.85μmだった。このときカーボンは分解し
電極パターンの形状に穴の開いた磁気回転子が得られ
た。
【0099】これに銀100%からなる導体ペーストを静水
圧プレスにて圧入した。そして、これを900℃にて焼き
付けることで、内部に銀電極の形成された磁気回転子を
得た。
【0100】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによってグランド電極を形成した。さらに、
焼成体側面に、各端子電極および、上下のグランド電極
をつなぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形
成した。
【0101】これにより磁性体、中心導体が一体化され
た磁気回転子を得た。
【0102】3.組み立て このようにして得られた磁気回転子(YIG1)、ガラスセラ
ミックス容量基板、Sm2Co17を主組成とする外部磁石
(厚み0.4mm)、ヨークを図1の配置で組み立てること
により、非可逆回路素子を得た。
【0103】高周波特性はネットワークアナライザで測
定し、サンプルを恒温槽中に置いて温度特性を測定し
た。表2に測定したアイソレータの温度特性を示す。
【0104】<比較例2>1.ガラスセラミックス容量基板の作製 平均粒径1.90μmのストロンチウムガラスと平均粒
径2.38μmの酸化チタン(TiO2)と平均粒径1.
10μmの酸化アルミニウム(Al2O3)を重量比で1
4:3:3の割合で混合した。そして、この混合粉末に
アクリル系有機バインダーを24wt%、イソプロピルア
ルコールとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤
を13wt%添加し、誘電体スラリーを作製した。得られ
たスラリーをドクターブレード法にて、グリーンシート
に成形した。
【0105】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トには銀ペーストを使用した。グリーンシートを熱圧着
し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に切断
し、900℃で焼成した。
【0106】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによって外部電極を形成した。
【0107】これにより誘電体、中心導体が一体化され
た容量基板を得た。
【0108】2.磁気回転子(YIG1)の作製 平均粒径4.38μmの酸化イットリウム(Y23)と
平均粒径1.69μmの酸化鉄(Fe23)と平均粒径
1.10μmの酸化アルミニウム(Al2O3)をモル比で
6:9:1の割合で混合し、1200℃で2時間仮焼し
た。そして、得られた仮焼粉をボールミルにて粉砕し
た。仮焼粉末(平均粒径2.16μmの)にアクリル系
有機バインダーを24wt%、イソプロピルアルコールと
トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を13wt%
添加し、磁性体スラリーを作製した。得られたスラリー
をドクターブレード法にて、グリーンシートに成形し
た。
【0109】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トにはカーボンペーストを使用した。グリーンシートを
熱圧着し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に
切断し、1430℃で焼成した。焼成後のYIGの平均
粒径は3.85μmだった。このときカーボンは分解し
電極パターンの形状に穴の開いた磁気回転子が得られ
た。
【0110】これに銀100%からなる導体ペーストを静水
圧プレスにて圧入した。そして、これを900℃にて焼き
付けることで、内部に銀電極の形成された磁気回転子を
得た。
【0111】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによってグランド電極を形成した。さらに、
焼成体側面に、各端子電極および、上下のグランド電極
をつなぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形
成した。
【0112】これにより磁性体、中心導体が一体化され
た磁気回転子を得た。
【0113】3.組み立て このようにして得られた磁気回転子(YIG1)、ガラスセラ
ミックス容量基板、フェライト製マグネットの外部磁石
(厚み0.8mm)、ヨークを図1の配置で組み立てること
により、非可逆回路素子を得た。
【0114】高周波特性はネットワークアナライザで測
定し、サンプルを恒温槽中に置いて温度特性を測定し
た。表2に測定したアイソレータの温度特性を示す。
【0115】<比較例3>1.Ba-Nd-Ti容量基板の作製 平均粒径1.39μmの炭酸バリウム(BaCO3)と平均粒径
3.04μmの酸化ネオジウム(Nd23)と平均粒径2.
38μmの酸化チタン(TiO2)とをモル比で1:1:5の
割合で12時間ボールミル粉砕し、1200℃で2時間仮焼し
た。そして、得られた仮焼粉末(平均粒径2.80μm
の)に10wt%PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を
5wt%添加し造粒した。この顆粒を1t/cm2でプレスし、1
320℃で2時間焼成した。焼成後の粉末の平均粒径は平
均粒径3.50μmだった。焼成体は機械研磨で厚み300
μmまで研磨し、銀ペーストで外部電極を印刷・焼き付
けした。
【0116】2.磁気回転子(YIG2)の作製 平均粒径4.38μmの酸化イットリウム(Y23)と
平均粒径1.69μmの酸化鉄(Fe23)と平均粒径
1.75μmの酸化バナジウム(V2O5)と平均粒径2.
04μmの炭酸カルシウム(CaCO3)をモル比で1
1:23:2:8の割合で混合し、1100℃で2時間
仮焼した。そして、得られた仮焼粉をボールミルにて粉
砕した。仮焼粉末(平均粒径1.97μmの)にアクリ
ル系有機バインダーを24wt%、イソプロピルアルコー
ルとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を13
wt%添加し、磁性体スラリーを作製した。得られたスラ
リーをドクターブレード法にて、グリーンシートに成形
した。
【0117】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トにはカーボンペーストを使用した。グリーンシートを
熱圧着し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に
切断し、1300℃で焼成した。焼成後のYIGの平均
粒径は8.19μmだった。このときカーボンは分解し
電極パターンの形状に穴の開いた磁気回転子が得られ
た。
【0118】これに銀100%からなる導体ペーストを静水
圧プレスにて圧入した。そして、これを900℃にて焼き
付けることで、内部に銀電極の形成された磁気回転子を
得た。
【0119】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによってグランド電極を形成した。さらに、
焼成体側面に、各端子電極および、上下のグランド電極
をつなぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形
成した。
【0120】これにより磁性体、中心導体が一体化され
た磁気回転子を得た。
【0121】3.組み立て このようにして得られた磁気回転子(YIG2)、Ba-Nd-Ti容
量基板、Sm2Co17を主組成とする外部磁石(厚み0.4m
m)、ヨークを図1の配置で組み立てることにより、非
可逆回路素子を得た。
【0122】高周波特性はネットワークアナライザで測
定し、サンプルを恒温槽中に置いて温度特性を測定し
た。表2に測定したアイソレータの温度特性を示す。
【0123】<比較例4>1.Ba-Nd-Ti容量基板の作製 平均粒径1.39μmの炭酸バリウム(BaCO3)と平均粒径
3.04μmの酸化ネオジウム(Nd23)と平均粒径2.
38μmの酸化チタン(TiO2)とをモル比で1:1:5の
割合で12時間ボールミル粉砕し、1200℃で2時間仮焼し
た。そして、得られた仮焼粉末(平均粒径2.80μm
の)に10wt%PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を
5wt%添加し造粒した。この顆粒を1t/cm2でプレスし、1
320℃で2時間焼成した。焼成後の粉末の平均粒径は平
均粒径3.50μmだった。焼成体は機械研磨で厚み300
μmまで研磨し、銀ペーストで外部電極を印刷・焼き付
けした。
【0124】2.磁気回転子(YIG1)の作製 平均粒径4.38μmの酸化イットリウム(Y23)と
平均粒径1.69μmの酸化鉄(Fe23)と平均粒径
1.10μmの酸化アルミニウム(Al2O3)をモル比で
6:9:1の割合で混合し、1200℃で2時間仮焼し
た。そして、得られた仮焼粉をボールミルにて粉砕し
た。仮焼粉末(平均粒径2.16μmの)にアクリル系
有機バインダーを24wt%、イソプロピルアルコールと
トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を13wt%
添加し、磁性体スラリーを作製した。得られたスラリー
をドクターブレード法にて、グリーンシートに成形し
た。
【0125】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トにはカーボンペーストを使用した。グリーンシートを
熱圧着し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に
切断し、1430℃で焼成した。焼成後のYIGの平均
粒径は3.85μmだった。このときカーボンは分解し
電極パターンの形状に穴の開いた磁気回転子が得られ
た。
【0126】これに銀100%からなる導体ペーストを静水
圧プレスにて圧入した。そして、これを900℃にて焼き
付けることで、内部に銀電極の形成された磁気回転子を
得た。
【0127】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによってグランド電極を形成した。さらに、
焼成体側面に、各端子電極および、上下のグランド電極
をつなぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形
成した。
【0128】これにより磁性体、中心導体が一体化され
た磁気回転子を得た。
【0129】3.組み立て このようにして得られた磁気回転子(YIG1)、Ba-Nd-Ti容
量基板、Nd2Fe14Bを主組成とする外部磁石(厚み0.4m
m)、ヨークを図1の配置で組み立てることにより、非
可逆回路素子を得た。
【0130】高周波特性はネットワークアナライザで測
定し、サンプルを恒温槽中に置いて温度特性を測定し
た。表2に測定したアイソレータの温度特性を示す。
【0131】<比較例5>1.ガラスセラミックス容量基板の作製 平均粒径1.90μmのストロンチウムガラスと平均粒
径2.38μmの酸化チタン(TiO2)と平均粒径1.
10μmの酸化アルミニウム(Al2O3)を重量比で1
4:3:3の割合で混合した。そして、この混合粉末に
アクリル系有機バインダーを24wt%、イソプロピルア
ルコールとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤
を13wt%添加し、誘電体スラリーを作製した。得られ
たスラリーをドクターブレード法にて、グリーンシート
に成形した。
【0132】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トには銀ペーストを使用した。グリーンシートを熱圧着
し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に切断
し、900℃で焼成した。
【0133】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによって外部電極を形成した。
【0134】これにより誘電体、中心導体が一体化され
た容量基板を得た。
【0135】2.磁気回転子(YIG2)の作製 平均粒径4.38μmの酸化イットリウム(Y23)と
平均粒径1.69μmの酸化鉄(Fe23)と平均粒径
1.75μmの酸化バナジウム(V2O5)と平均粒径2.
04μmの炭酸カルシウム(CaCO3)をモル比で1
1:23:2:8の割合で混合し、1100℃で2時間
仮焼した。そして、得られた仮焼粉をボールミルにて粉
砕した。仮焼粉末(平均粒径1.97μmの)にアクリ
ル系有機バインダーを24wt%、イソプロピルアルコー
ルとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を13
wt%添加し、磁性体スラリーを作製した。得られたスラ
リーをドクターブレード法にて、グリーンシートに成形
した。
【0136】グリーンシートにビアホール用の穴をパン
チングマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜
印刷法で中心導体パターンを形成した。このとき、ビア
ホールのビアホールの充填も同時に行った。印刷ペース
トにはカーボンペーストを使用した。グリーンシートを
熱圧着し、積層体を得た。その後所定の大きさの形状に
切断し、1300℃で焼成した。焼成後のYIGの平均
粒径は8.19μmだった。このときカーボンは分解し
電極パターンの形状に穴の開いた磁気回転子が得られ
た。
【0137】これに銀100%からなる導体ペーストを静水
圧プレスにて圧入した。そして、これを900℃にて焼き
付けることで、内部に銀電極の形成された磁気回転子を
得た。
【0138】次に、焼成体の上下面に銀ペーストを焼き
付けることによってグランド電極を形成した。さらに、
焼成体側面に、各端子電極および、上下のグランド電極
をつなぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形
成した。
【0139】これにより磁性体、中心導体が一体化され
た磁気回転子を得た。
【0140】3.組み立て このようにして得られた磁気回転子(YIG2)、ガラスセラ
ミックス容量基板、Sm2Co17を主組成とする外部磁石
(厚み0.4mm)、ヨークを図1の配置で組み立てること
により、非可逆回路素子を得た。
【0141】高周波特性はネットワークアナライザで測
定し、サンプルを恒温槽中に置いて温度特性を測定し
た。表2に測定したアイソレータの温度特性を示す。
【0142】本発明の非可逆回路素子は、PbZrO3容量基
板の比誘電率の温度係数と、希土類磁石を主組成とする
外部磁石の残留磁束密度の温度係数と、磁気回転子のYI
Gの飽和磁化の温度係数とがキャンセルするために、外
界の温度変化に対して共振周波数の特性が極めて安定し
ている。
【0143】また、希土類磁石は、従来使用されてきた
フェライト磁石より小型でも十分な外部磁界を与えるこ
とができるため、素子全体を非常に薄くすることが可能
であった。ここでは、希土類磁石は厚み0.4mmのものを
用いたが、フェライト磁石では必要な磁界を得るのに0.
8mmの厚みが必要であった。
【0144】さらに、PbZrO3容量基板も、従来のものよ
りも誘電率が高いので、小さくすることが可能であっ
た。PbZrO3容量基板は、縦4.8mm×横4.5mmのもの
を用いたが、他のものでは、同じ容量を得るためには、
縦6mm×横5.6mmが必要であった。
【0145】比較例1、3、4、5の非可逆回路素子
は、容量基板の温度係数と外部磁石の温度係数とYIGの
温度係数とがキャンセルしないために、外界の温度変化
に対して特性が大きく変化した。さらに、誘電体材料の
誘電率がPbZrO3と比較して小さいため、水平方向の外形
も大きくなった。
【0146】比較例2の非可逆回路素子は、容量基板の
温度係数とフェライト磁石の温度係数とYIGの温度係数
とがキャンセルするために、外界の温度変化に対して特
性は比較的安定している。しかし、それでも本発明の素
子よりは悪い値である。
【0147】また、フェライト磁石で必要な外部磁界を
得るためには磁石の厚みを0.8mm以上にしなければなら
ず、非可逆回路素子の外形が高さ方向に2倍以上にも大
きくなった。
【0148】さらに、誘電体材料の誘電率がPbZrO3と比
較して小さいため、水平方向の外形も大きくなった。
【0149】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、小型化
可能で温度特性に優れた非可逆回路素子を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非可逆回路素子(3端子サーキュレータ)の全
体構成を示す分解斜視図である。
【図2】Nd2Fe14B磁石とフェライト磁石の残留磁束密度
の温度変化を示すグラフである。
【図3】3端子サーキュレータの磁気回転子の構成を概
略的に示す一部破断斜視図である。
【図4】3端子サーキュレータ全体の構成を示す分解斜
視図である。
【図5】3端子サーキュレータの等価回路図である。
【図6】3端子サーキュレータの磁気回転子の製造工程
の一部を説明する図である。
【符号の説明】
1 非可逆性磁気回転子 2 外部磁界印加用磁石 3 コンデンサ 4 ヨーク 10 磁性体層 11 内部導体(中心導体) 12 端子電極 13 接地導体(グランド電極) 14 直流磁界 20 磁気回転子 21 共振用キャパシタ 22 励磁用永久磁石 23 励磁用永久磁石 40 上部シート 41 中間シート 42 下部シート 43 ヴィアホール 44 上部内部導体 45 下部内部導体 46 端子電極 47 接地導体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気回転子が、(YX1-X)3(FeY1-Y)
    5+ZO12 (ただし、RはCa、Bi、Gdおよび希土類元素の1種以上
    を表し、 MはAl、V、Co、In、Zr、Sn、Ga、Mn、Si、GeおよびTi
    の1種以上を表す。)と表したとき、 X=1〜0.2 Y=1〜0.6 Z=−0.005〜0.005 である酸化物磁性材料を含み、 外部磁石が残留磁束密度の温度係数が−0.15%/℃以
    上0%/℃未満の磁石であり、 容量部がPbAZrBO3と表したとき、 A/B=0.98〜1.1 である酸化物を主組成とする非可逆回路素子。
  2. 【請求項2】 前記外部磁石の25℃での残留磁束密度
    が5kG以上である請求項1の非可逆回路素子。
  3. 【請求項3】 前記外部磁石がSmCo5系、Sm2Co17系、Nd
    2Fe14B系、Nd2Fe14C系、Sm(Fe11Ti)系、Sm2Fe17N
    2.5系、Sm2Fe17C2.2系、Nd(Fe11Ti)N0.8系、Nd2Fe1 4Bと
    Fe3Bの微細複合材料、SmFe7N2とFeの微細複合材料また
    はNd2Fe14BとFeの微細複合材料のいずれかを主組成とす
    る希土類磁石である請求項1または2の非可逆回路素
    子。
  4. 【請求項4】 前記外部磁石がSm2Co17系、Nd2Fe14B系
    のいずれかを主組成とする希土類磁石である請求項1〜
    3のいずれかの非可逆回路素子。
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