JPH05323544A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Info

Publication number
JPH05323544A
JPH05323544A JP15733392A JP15733392A JPH05323544A JP H05323544 A JPH05323544 A JP H05323544A JP 15733392 A JP15733392 A JP 15733392A JP 15733392 A JP15733392 A JP 15733392A JP H05323544 A JPH05323544 A JP H05323544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silver halide
silver
mol
emulsion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15733392A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2879498B2 (ja
Inventor
Naoto Oshima
直人 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP4157333A priority Critical patent/JP2879498B2/ja
Publication of JPH05323544A publication Critical patent/JPH05323544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2879498B2 publication Critical patent/JP2879498B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】色再現性に優れ、更に圧力耐性、処理液の変動
耐性が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提
供する。 【構成】支持体上のシアン色素形成カプラーを含有する
ハロゲン化銀乳剤層が、ピロロアゾール系シアン色素形
成カプラーの少なくとも1種およびFe、Ru、Re、
OsあるいはIrの金属錯体から選ばれる少なくとも1
種を粒子中に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロ
ゲン化銀粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀
カラー写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料に関するものであり、詳しくは色再現性に優
れ、更に圧力耐性、処理液の変動耐性が改良されたハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー印画紙に対する迅速処理性
能向上の要請に応えるために、塩化銀含有率の非常に高
い塩臭化銀乳剤が実用化され、例えば特開昭64−26
837号に開示されているように現像速度の飛躍的な向
上が達成されている。カラー印画紙用感光材料を用いて
作製したカラープリントが、元の被写体に対してどの程
度忠実な色再現が可能かは、カラーネガの性能によるの
はもちろんのこと、プリント用ハロゲン化銀カラー写真
感光材料の性能にも大きく依存しているのはいうまでも
ない。このため色再現に優れたプリント用ハロゲン化銀
カラー写真感光材料の研究が様々な観点から行われてき
た。出来上がったカラープリントがどれだけ広い範囲の
色を再現できるかは、用いるイエロー、マゼンタ、およ
びシアン色素の吸収特性によって制約を受ける。色素の
光吸収プロファイルがブロードであったり、望ましくな
い副吸収であったりする場合、色の濁りを生じる。
【0003】このうち、シアン色素像を形成させるため
には、フェノール系またはナフトール系のシアンカプラ
ーが一般的に使用されている。しかしながら、これらの
カプラーは緑色光領域及び青色光領域に好ましくない吸
収を持っているため、特に青や緑の色再現性を著しく低
下させてしまうという大きな問題点を持っており、これ
を解決する事が強く望まれている。この問題を解決する
ための手段として、EP249,453A2号に記載の
2,4−ジフェニルイミダゾール系シアンカプラーが提
案されている。これらのカプラーから形成される色素
は、緑色及び青色領域の好ましくない吸収が従来の色素
に比べて低減されており、確かに色再現上は好ましくな
っている。しかしながら、これらのカプラーでも色再現
性が必ずしも十分であるとはいえない場合があり、更な
る改良が望まれている。また、これらのカプラーは現像
主薬酸化体との反応性、すなわちカップリング活性が低
く、かつ生成した色素の熱および光に対する堅牢性が著
しく低いという重大な問題があり、実用に供しうるには
至っていない。
【0004】また、特開昭64−553号等に記載され
ているようなピラゾロアゾール系シアンカプラーは緑色
及び青色領域の好ましくない吸収が従来の色素に比べて
低減されてはいるが、やはり色再現性は十分ではなく、
かつ発色性が著しく低いという問題がある。カラー印画
紙用感光材料に要求されている性能として色再現性に優
れていること以外にも、カラー現像所における取扱い性
や性能の安定性に優れていることもまた同様に重要であ
る。すなわち、色素の光吸収プロファイルがシャープで
望ましくない副吸収が少ないカプラーを用いて色の濁り
を減じても、カラー現像所での取扱い性や安定性に優れ
た感光材料でなくては、せっかくの高画質が損なわれて
しまう。取扱い性として例えば、露光処理時に感光材料
に圧力が加わった場合にかぶり、減感等を生じないこ
と、また安定性としては、処理液の組成の変動に対して
感度、階調が変化しないことなどが要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、色再現
性の優れたカラー印画紙用感光材料の検討を続けた結
果、以下に述べるような特定の置換基をもったピロロア
ゾール母核を有するシアン色素形成カプラーによって、
光吸収プロファイルがシャープで副吸収が少ないシアン
発色画像が得られ、色再現性の飛躍的向上が達成される
ことを見出した。しかし、このシアン色素形成カプラー
を用いた感光材料は、圧力耐性の悪化、特に圧力による
増感の増加、さらに処理要因の変動耐性の悪化、特に連
続処理における低濃度の階調変化の増加が引き起こされ
ることがあり、実用に際しての大きな問題点であった。
従って、本発明の目的は、色再現性に優れ、更に圧力耐
性、処理液の変動耐性が改良されたハロゲン化銀カラー
写真感光材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に、少なくともシアン色素形成カプラーを含有するハ
ロゲン化銀乳剤層、マゼンタ色素形成カプラーを含有す
るハロゲン化銀乳剤層およびイエロー色素形成カプラー
を含有するハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料において、該シアン色素形成カプラー
を含有するハロゲン化銀乳剤層が、一般式(Ia)で表
されるシアン色素形成カプラーの少なくとも1種および
Fe、Ru、Re、OsあるいはIrの金属錯体から選
ばれる少なくとも1種を粒子中に含む塩化銀含有率が9
0モル%以上のハロゲン化銀粒子を含有することを特徴
とするハロゲン化銀カラー写真感光材料によって達成さ
れた。
【0007】
【化2】
【0008】(一般式(Ia)中、Zaは、−NH−又
は−CH(R3 )−を表わし、Zb及びZcは、それぞ
れ−C(R4 )=又は−N=を表わす。R1 、R2 及び
3 は、それぞれハメットの置換基定数σp 値が0.2
0以上の電子吸引性基を表わす。ただし、R1 とR2
σp 値の和は、0.65以上である。R4 は、水素原子
又は置換基を表わす。ただし、式中に2つのR4 が存在
する場合には、それらは同じであってもよいし、異なっ
ていてもよい。Xは、水素原子または芳香族第一級アミ
ンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応により
離脱する基を表わす。)
【0009】本発明の一般式(Ia)で表されるシアン
色素形成カプラーによって、光吸収プロファイルがシャ
ープで副吸収が少ないシアン発色が得られ、色再現性の
飛躍的向上が達成される。しかし前述のように、このシ
アン色素形成カプラーを用いた感光材料は、圧力耐性の
悪化、特に圧力による増感の増加、さらに処理要因の変
動耐性の悪化、特に連続処理における低濃度部の階調変
化の増加が引き起こされることがあり、実用に際しての
大きな問題点であった。この問題はFe、Ru、Re、
OsあるいはIrの金属錯体から選ばれる少なくとも1
種を粒子中に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロ
ゲン化銀粒子を組み合わせ用いることにより著しく改良
される。
【0010】特開平2−20853号には少なくとも4
個のシアンリガンドを有するRe、RuあるいはOsの
6配位錯体を高塩化銀乳剤粒子にドープすることによっ
て、高感度化が達成されることが開示されている。特開
平1−105940号には、イリジウムを選択的にドー
プした臭化銀富有領域を有する高塩化銀乳剤粒子によっ
て、露光後数時間の潜像安定性を損なう事なく、相反則
特性の優れた乳剤が得られることが開示されている。特
開平3−132647号には、鉄イオンを含有した高塩
化銀乳剤よって高感度、硬調で露光時の照度や温度の変
動に対する感度変動が少なく、かつ圧力を受けたときの
減感を少なくできることが開示されている。特開平4−
9034号及び特開平4−9035号には、少なくとも
2個のシアンリガンドを有する特定の金属錯体を含有す
る高塩化銀乳剤によって高感度で、相反則不軌が少な
く、潜像保存性が良好で圧力かぶりを少なく出来ること
が開示されている。特開昭62−253145号には、
高臭化銀含有相を有する高塩化銀乳剤粒子に、金属イオ
ンを含有させることによって、圧力かぶり或いは圧力減
感が少なく、迅速処理に適したハロゲン化銀写真感光材
料が得られることが開示されている。
【0011】しかしながら、これらの従来技術には処理
要因の変動耐性、とくに低濃度部の階調変動を抑制する
作用については全く開示されておらず、さらに特定のシ
アンカプラーによって引き起こされる階調変化、圧力増
感の抑制についてなんら示唆されていない。従って、本
発明の特定のシアンカプラーによって生じる圧力耐性お
よび処理要因の変動耐性が、特定の金属錯体を含有する
高塩化銀乳剤によって著しく改良されるのは驚くべきこ
とである。
【0012】以下に本発明の化合物について詳しく述べ
る。本発明の一般式(Ia)で表わされるシアンカプラ
ーは、具体的には下記一般式(IIa)〜(VIIIa)で表さ
れる。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びX
は、一般式(Ia)におけるそれぞれと同義である。)
本発明において一般式(IIa)、(IIIa)又は(IVa)
で表されるシアンカプラーが好ましく、特に一般式(II
Ia)で表わされるシアンカプラーが好ましい。
【0015】本発明のシアンカプラーは、R1 、R2
びR3 がいずれも0.20以上の電子吸引性基であり、
且つR1 とR2 のσp 値の和が0.65以上である。R
1 とR2 のσp 値の和としては、好ましくは0.70以
上であり、上限としては1.8程度である。
【0016】R1 、R2 及びR3 はそれぞれ、ハメット
の置換基定数σp 値が0.20以上の電子吸引性基であ
る。好ましくは、σp 値が0.35以上の電子吸引性基
であり、更に好ましくは、σp 値が0.60以上の電子
吸引性基である。上限としては1.0以下の電子吸引性
基である。ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡
に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935
年に L. P. Hammettにより提唱された経験則であるが、
これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に
よりもとめられた置換基定数にはσp 値とσm 値があ
り、これらの値は多くの一般的な成書に記載があるが、
例えば、J. A. Dean編「 Lange's Hand book of Chemis
try 」第12版、1979年( Mc Graw-Hill )や「化
学の領域増刊」、122号、96〜103頁、1979
年(南江堂)に詳しい。本発明においてR1 、R2 及び
3 はハメットの置換基定数σp 値により規定される
が、これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基に
のみ限定されるという意味ではなくその値が文献未知で
あってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲
内に含まれる限り包含されることは勿論である。
【0017】σp 値が0.20以上の電子吸引性基であ
るR1 、R2 及びR3 の具体例としては、アシル基、ア
シルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ
基、ジアルキルホスホノ基、ジアールホスホノ基、ジア
リールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリ
ールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、ス
ルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、
ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミ
ノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 0.20以上の
他の電子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基、
ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基があげ
られる。これらの置換基のうち更に置換基を有すること
が可能な基は、後述するR4 で挙げるような置換基を更
に有してもよい。
【0018】R1 、R2 及びR3 を更に詳しく述べる
と、σp 値が0.20以上の電子吸引性基としては、ア
シル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイ
ル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、ア
シルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基
(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N
−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、
N−(4−n−ペンタデカンアミド)フェニルカルバモ
イル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−
{3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピ
ル}カルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso −
プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボ
ニル、iso −ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカ
ルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオ
キシカルボニル、ジエチルカルバモイルエトキシカルボ
ニル、パーフルオロヘキシルエトキシカルボニル、2−
デシル−ヘキシロキシカルボニルメトキシカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル、2,5−アミルフェノキシカルボニ
ル)、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基(例
えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例
えば、ジフェニルホスホノ)、ジアリールホスフィニル
基(例えば、ジフェニルホスフィニル)、アルキルスル
フィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィ
ニル)、アリールスルフィニル基(例えば、3−ペンタ
デシルフェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基
(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、
アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、
トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基(メタンス
ルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシル
チオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、ス
ルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、
N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシ
ルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ド
デシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイ
ル)、チオシアネート基、チオカルボニル基(例えば、
メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハ
ロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル、ヘプ
タフロロプロピル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば
トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ
基(例えばペンタフロロフェニルオキシ)、ハロゲン化
アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフロロ
メチル)アミノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例え
ば、ジフロロメチルチオ、1,1,2,2−テトラフロ
ロエチルチオ)、σp 値が0.20以上の他の電子吸引
性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニト
ロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタ
クロロフェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキ
サゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−
ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、
1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭
素原子)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)またはセレノ
シアネート基を表わす。
【0019】代表的な、電子吸引性基のσp 値を挙げる
と、シアノ基(0.66)、ニトロ基(0.78)、ト
リフルオロメチル基(0.54)、アセチル基(0.5
0)、トリフルオロメタンスルホニル(0.92)、メ
タンスルホニル基(0.72)、ベンゼンスルホニル基
(0.70)、メタンスルフィニル基(0.49)、カ
ルバモイル基(0.36)、メトキシカルボニル基
(0.45)、ピラゾリル基(0.37)、メタンスル
ホニルオキシ基(0.36)、ジメトキシホスホリル基
(0.60)、スルファモイル基(0.57)などであ
る。
【0020】R1 、R2 及びR3 として好ましいものと
しては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、スルファモイル基、ハロゲン化アルキ
ル基、ハロゲン化アルキルオキシ基、ハロゲン化アルキ
ルチオ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化ア
リール基、2個以上のニトロ基で置換されたアリール基
及び複素環基を挙げることができる。更に好ましくは、
アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル、ニトロ基、シアノ基、アリールスルホニル
基、カルバモイル基及びハロゲン化アルキル基である。
より好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル、ハロゲン化アルキル基であ
る。
【0021】特に好ましくはシアノ基、弗素原子、アル
コキシカルボニル基、若しくはカルバモイル基で置換さ
れたアルコキシカルボニル基、または直鎖、分岐鎖若し
くはエーテル結合を有するアルコキシカルボニル基、無
置換又はアルキル基若しくはアルコキシ基で置換された
アリールオキシカルボニル基である。R1 、R2 の組み
合わせとして好ましくは、R1 がシアノ基かつR2 が弗
素原子、アルコキシカルボニル基若しくはカルバモイル
基で置換されたアルコキシカルボニル基、または直鎖、
分岐鎖若しくはエーテル結合を有するアルコキシカルボ
ニル基、無置換又はアルキル基若しくはアルコキシ基で
置換されたアリールオキシカルボニル基である。
【0022】R4 は水素原子又は置換基(原子を含
む。)を表わし、置換基としてはハロゲン原子、脂肪族
基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、複素環オキシ基、アルキル・アリール若しくは
複素環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ
基、シリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミ
ノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アルケニルオキシ基、ホ
ルミル基、アルキル・アリール若しくは複素環アシル
基、アルキル・アリール若しくは複素環スルホニル基、
アルキル・アリール若しくは複素環スルフィニル基、ア
ルキル・アリール若しくは複素環オキシカルボニル基、
アルキル・アリール若しくは複素環オキシカルボニルア
ミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、ホスホニル基、スルファミド基、イミド基、
アゾリル基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、
ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基等をあげること
ができる。これらの基に含まれるアルキル基、アリール
基若しくは複素環基は、R4 で例示したような置換基で
更に置換されていてもよい。
【0023】さらに詳しくは、R4 は水素原子、ハロゲ
ン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、脂肪族基(例
えば、炭素数1〜36の直鎖、または分岐鎖アルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シク
ロアルキル基、シクロアルケニル基で、詳しくは例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチ
ル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−
(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−
{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フ
ェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−
エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペン
チル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロ
ピル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、例え
ばフェニル、ナフチル、4−ヘキサデコキシフェニル、
4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェ
ニル、4−テトラデカンアミドフェニル、3−(2,4
−tert−アミルフェノキシアセトアミド)フェニル)、
複素環基(例えば3−ピリジル、2−フリル、2−チエ
ニル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチ
アゾリル)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルオキシエトキ
シ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ
基(例えばフェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−te
rt−ブチルフェノキシ、2,4−ジ−tert−アミルフェ
ノキシ、2−クロロフェノキシ、4−シアノフェノキ
シ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカル
バモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイルフェノ
キシ)、複素環オキシ基(例えば2−ベンズイミダゾリ
ルオキシ、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2
−テトラヒドロピラニルオキシ)、アルキル・アリール
若しくは複素環チオ基(例えばメチ
【0024】ルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、テト
ラドデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェ
ノキシプロピルチオ、3−(4−tert−ブチルフェノキ
シ)プロピルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−
tert−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシルフェニ
ルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テトラデカ
ンアミドフェニルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオ、
2,4−ジ−フェノキシ−1,3,4−トリアゾール−
6−チオ、2−ピリジルチオ)、アシルオキシ基(例え
ばアセトキシ、ヘキサデカノイルオキシ)、カルバモイ
ルオキシ基(例えばN−エチルカルバモイルオキシ、N
−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例
えばトリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオ
キシ)、スルホニルオキシ基(例えばドデシルスルホニ
ルオキシ)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド、ベ
ンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4−tert
−アミルフェノキシアセトアミド、2−〔4−(4−ヒ
ドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ)〕デカンア
ミド、イソペンタデカンアミド、2−(2,4−ジ−t
−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、ア
ルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、ブチルアミノ、
ドデシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メ
チルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えばフェニ
ルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テト
ラデカンアミドアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−
クロロ−5−〔α−2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェノキシ)ドデカンアミド〕アニリノ、2−クロロ−
5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ)、ウレイド基
(例えばメチルウレイド、フェニルウレイド、N,N−
ジブチルウレイド、ジメチルウレイド)、スルファモイ
ルアミノ基(例えばN,N−ジプロピルスルファモイル
アミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミ
ノ)、アルケニルオキシ基(例えば2−プロペニルオキ
シ)、ホルミル基、アルキル・アリール若しくは複素環
アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、2,4−ジ−
tert−アミルフェニルアセチル、3−フェニルプロパノ
イル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アルキル・ア
リール若しくは複素環スルホニル基(例えばメタンスル
ホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、ト
ルエンスルホニル)、スルフィニル基(例えばオクタン
スルフィニル、ドデシルスルフィニル、ドデカンスルフ
ィニル、ドデカンスルフィニル、フェニルスルフィニ
ル、3−ペンタデシルフェニル
【0025】スルフィニル、3−フェノキシプロピルス
ルフィニル)、アルキル・アリール若しくは複素環オキ
シカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキ
シカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシ
ルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、2−
ペンタデシルオキシカルボニル)、アルキル・アリール
若しくは複素環オキシカルボニルアミノ基(例えばメト
キシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニル
アミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−te
rt−ブチルフェノキシカルボニルアミノ)、スルホンア
ミド基(例えばメタンスルホンアミド、ヘキサデカンス
ルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエン
スルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メ
トキシ−5−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)、
カルバモイル基(例えばN−エチルカルバモイル、N,
N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシ
エチル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカル
バモイル、N−〔3−(2,4−ジ−tert−アミルフェ
ノキシ)プロピル〕カルバモイル)、スルファモイル基
(例えばN−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピ
ルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)
スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモ
イル、N,N−ジエチルスルファモイル)、ホスホニル
基(例えばフェノキシホスホニル、オクチルオキシホス
ホニル、フェニルホスホニル)、スルファミド基(例え
ばジプロピルスルファモイルアミノ)、イミド基(例え
ばN−サクシンイミド、ヒダントイニル、N−フタルイ
ミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、アゾリル
基(例えばイミダゾリル、ピラゾリル、3−クロロ−ピ
ラゾール−1−イル、トリアゾリル)、ヒドロキシ基、
シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、スルホ基、無置換
のアミノ基なとが挙げられる。
【0026】R4 として好ましくは、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミ
ノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキ
シカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チ
オ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アシル基、アゾ
リル基を挙げることができる。更に好ましくはアルキル
基、アリール基であり、より好ましくは、少なくとも一
つのアルコキシ基、スルホニル基、スルファモイル基、
カルバモイル基、アシルアミド基又はスルホンアミド基
を置換基として有するアルキル基若しくはアリール基で
ある。特に好ましくは、少なくとも一つのアシルアミド
基又はスルホンアミド基を置換基として有するアルキル
基若しくはアリール基である。
【0027】一般式(Ia)においてXは、水素原子若
しくは該カプラーが芳香族第1級アミンカラー現像主薬
の酸化体と反応したとき、離脱する基(以下、「離脱
基」という)を表わし、Xが離脱基を表わすとき、該離
脱基は、ハロゲン原子、芳香族アゾ基「酸素・窒素・イ
オウ若しくは炭素原子を介してカップリング位に結合す
るアルキル基、アリール基、複素環基、アルキル若しく
はアリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、ア
ルコキシ・アリールオキシ若しくは複素環オキシカルボ
ニル基、アルキル・アリール若しくは複素環カルボニル
基」又は複素環中の窒素原子でカップリング位に結合す
る複素環基であり、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルもし
くはアリールスルホニルオキシ基、アシルアミノ基、ア
ルキルもしくはアリールスルホンアミド基、アルコキシ
カルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ
基、アルキル・アリールもしくはヘテロ環チオ基、カル
バモイルアミノ基、アリールスルフォニル基、アリール
スルホニル基、5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基、
イミド基、アリールアゾ基などがあり、これらの離脱基
に含まれるアルキル基、アリール基もしくは複素環基
は、R4 での置換基で更に置換されていてもよく、これ
らの置換基が2つ以上のときは同一でも異なっていても
よく、これらの置換基がさらにR4 で挙げた置換基を有
していてもよい。
【0028】離脱基はさらに詳しくは、ハロゲン原子
(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコ
キシ基(例えば、エトキシ、ドデシルオキシ、メトキシ
エチルカルバモイルメトキシ、カルボキシプロピルオキ
シ、メチルスルホニルエトキシ、エトキシカルボニルメ
トキシ)、アリールオキシ基(例えば、4−メチルフェ
ノキシ、4−クロロフェノキシ、4−メトキシフェノキ
シ、4−カルボキシフェノキシ、3−エトキシカルボキ
シフェノキシ、3−アセチルアミノフェノキシ、2−カ
ルボキシフェノキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセ
トキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基
(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニ
ルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、ジクロルアセチ
ルアミノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ)、アルキル
もしくはアリールスルホンアミド基(例えば、メタンス
ルホンアミノ、トリフルオロメタンスルホンアミノ、p
−トルエンスルホニルアミノ)、アルコキシカルボニル
オキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ、ベンジ
ルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、
アルキル・アリールもしくはヘテロ環チオ基(例えば、
エチルチオ、2−カルボキシエチルチオ、ドデシルチ
オ、1−カルボキシドデシルチオ、フェニルチオ、2−
ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、テトラゾリ
ルチオ)、アリールスルホニル基(例えば、2−ブトキ
シ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル)、アリー
ルスルフィニル基(例えば、2−ブトキシ−5−tert−
オクチルフェニルスルフィニル)、カルバモイルアミノ
基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェ
ニルカルバモイルアミノ)、5員もしくは6員の含窒素
ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリ
アゾリル、テトラゾリル、1,2−ジヒドロ−2−オキ
ソ−1−ピリジル)、イミド基(例えば、スクシンイミ
ド、ヒダントイニル)、アリールアゾ基(例えば、フェ
ニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ)などである。も
ちろんこれらの基はさらにR4 の置換基で挙げた基で置
換されていてもよい。また、炭素原子を介して結合した
離脱基として、アルデヒド類又はケトン類で四当量カプ
ラーを縮合して得られるビス型カプラーがある。本発明
の離脱基は、現像抑制剤、現像促進剤など写真的有用基
を含んでいてもよい。好ましいXは、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルもしくはアリ
ールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィ
ニル基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員
もしくは6員の含窒素ヘテロ環基である。更に好ましく
はアリールチオ基である。
【0029】一般式(Ia)で表されるシアンカプラー
は、R1 、R2 、R3 、R4 又はXの基が一般式(I
a)で表されるシアンカプラー残基を含有していて二量
体以上の多量体を形成していたり、R1 、R2 、R3
4 又はXの基が高分子鎖を含有していて単重合体もし
くは共重合体を形成していてもよい。高分子鎖を含有し
ている単重合体若しくは共重合体とは一般式(Ia)で
表されるシアンカプラー残基を有する付加重合体エチレ
ン型不飽和化合物の単独もしくは共重合体が典型例であ
る。この場合、一般式(Ia)で表わされるシアンカプ
ラー残基を有するシアン発色繰り返し単位は重合体中に
1種類以上含有されていてもよく、共重合成分としてア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸
エステル類の如き芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物
とカップリングしない非発色性のエチレン型モノマーの
1種または1種以上を含む共重合体であってもよい。以
下に本発明のカプラーの具体例を示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】本発明の化合物及びその中間体の合成方法
は、公知の方法によって合成することができる。例え
ば、J.Am.Chem.Soc., 80,5332(1958)、J.
Ame.Chem.,81号,2452(1959)、J.Am.Chem.
Soc., 112,2465(1990)、Org.Synth., I
270(1941)、J.Chem.Soc.,5149(196
2)、Hetrocyclic., 27号,2301(1988)、
Rec.Trav.chim., 80,1075(1961)などに記
載の方法、それらに引用されている文献又は類似の方法
によって合成することができる。次に具体的に合成例を
示す。 (合成例1)例示化合物(9)の合成 下記ルートにより例示化合物(9)合成した。
【0041】
【化14】
【0042】2−アミノ−4−シアノ−3−メトキシカ
ルボニルピロール(1a)(66.0g、0.4mol )
のジメチルアセトアミド(300ml)溶液に、室温にて
3,5−ジクロロベンゾイルクロライド(2a)(8
3.2g、0.4mol )を加え、30分間攪拌する。水
を加え酢酸エチルで2回抽出する。有機層を集め、水お
よび飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥す
る。減圧下溶媒を留去し、アセトニトリル(300ml)
から再結晶すると、化合物(3a)(113g、84
%)を得た。
【0043】(3a)(101.1g、0.3mol )の
ジメチルホルムアミド(200ml)溶液に水酸化カリウ
ム(252g、4.5mol )の粉末を室温にて加えよく
攪拌する。水冷下、ヒドロキシルアミン−o−スルホン
酸(237g、2.1mol )を、温度が急激に上がらな
いように注意し、少しずつ添加し、添加後30分攪拌す
る。0.1N塩酸水溶液を滴下し、pH試験紙を見なが
ら中和する。酢酸エチルで3回抽出し、有機層を水およ
び飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
減圧下、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(展
開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製すると
化合物(4a)(9.50g、9%)が得られた。
【0044】(4a)(7.04g、20mmol)のアセ
トニトリル(30ml)溶液に室温にて四塩化炭素(9c
c)を加え、続いてトリフェニルホスフィン(5.76
g、22mmol)を加え8時間加熱還流する。冷却後、水
を加え酢酸エチルで3回抽出する。有機層を水および飽
和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧
下、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製
すると(5a)(1.13g、17%)が得られた。
【0045】得られた(5a)1.8gと12.4gの
(6a)をスルホラン2.0mlに溶解し、更に1.5g
のチタニウムイソプロポキシド1.5gを添加した。反
応温度を110℃に保ち、1.5時間反応させた後、酢
酸エチルを加え水洗浄した。酢酸エチル層を乾燥後、留
去し、残渣カラムクロマトグラフィーで精製することに
より目的の例示化合物(9)を1.6g得た。融点は9
7〜98℃であった。
【0046】本発明のシアンカプラーをハロゲン化銀カ
ラー感光材料に適用する場合には、本発明のカプラーを
含有する層を支持体上に少なくとも1層有すればよく、
本発明のカプラーを含有する層としては、支持体上の親
水性コロイド層であればよい。一般的なカラー感光材料
は、支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロ
ゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層を少な
くとも一層ずつこの順で塗設して構成することができる
が、これと異なる順序であっても良い。また、赤外感光
性ハロゲン化銀乳剤層を前記の感光性乳剤層の少なくと
も一つの替りに用いることができる。これらの感光性乳
剤層には、それぞれの波長域に感度を有するハロゲン化
銀乳剤と、感光する光と補色の関係にある色素を形成す
るカラーカプラーを含有させることで減色法の色再現を
行うことができる。但し、感光性乳剤層とカラーカプラ
ーの発色色相とが、上記のような対応を持たない構成と
しても良い。
【0047】本発明のカプラーを感光材料に適用する場
合には特に赤感性ハロゲン化銀乳剤層に使用することが
好ましい。本発明のカプラーの感光材料中への添加量
は、ハロゲン化銀1モル当り一般に1×10-3モル〜1
モル、好ましくは2×10-3モル〜5×10-1モルであ
る。
【0048】本発明のシアンカプラーと共存するハロゲ
ン化銀乳剤粒子には、Fe、Ru、Re、OsまたはI
rの金属錯体を含有する。その添加量は用いる金属錯体
の種類によって大きく変わるが、ハロゲン化銀1モル当
たり10-3モルから10-2モルの範囲が好ましく、ハロ
ゲン化銀1モル当たり10-8モルから10-4モルの範囲
が最も好ましい。本発明に用いられる金属錯体は、ハロ
ゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、
化学増感の前後のどの段階で添加してもよい。また数回
にわたって分割して添加してもよい。これらの金属錯体
は水または適当な溶媒で溶解して用いるのが好ましい。
【0049】本発明に用いられる金属錯体は、イリジウ
ム錯体であることが特に好ましい。イリジウム錯体を、
ハロゲン化銀乳剤粒子中に含有させるために用いる3価
または4価のイリジウム錯体の例を以下にあげるが、本
発明の効果は必ずしもこれらに限定されない。ヘキサク
ロロイリジウム(III)または(IV)酸塩、ヘキサアンミ
ンイリジムウ(III)または(IV)酸塩。イリジウム錯体
の添加量は下記に示す少なくとも2個のシアンリガンド
を有するイリジウム錯体の場合を除いて、ハロゲン化銀
1モル当たり10-9モルから10-4モルの範囲が好まし
く、ハロゲン化銀1モル当たり10-8モルから10-5
ルの範囲が最も好ましい。
【0050】本発明で用いるハロゲン化銀乳剤粒子に含
有された金属錯体としては、少なくとも2個のシアンリ
ガンドを有するFe、Ru、Re、OsまたはIrの金
属錯体から選ばれる少なくとも1種が、好ましく用いら
れる。これらの金属錯体は、更に好ましくは下記の一般
式〔C−1〕で表される。
【0051】
【化15】
【0052】M1 ;Fe、Ru、Re、OsあるいはO
s L ;CN以外の配位子〔例えばハロゲン(F 、Cl、B
r、I)、NH3 、H2O 、OH、OCN 、SCN 、N3〕 a ;0、1あるいは2 n ;−2、−3あるいは−4 本発明で用いる少なくとも4個のシアンリガンドを有す
る金属錯体の具体例を以下に示す。これら金属錯体の対
イオンとして、アンモニウムおよびナトリウム、カリウ
ムのようなアルカリ金属イオンが好ましいく用いられ
る。
【0053】
【化16】
【0054】本発明で用いる少なくとも2個のシアンリ
ガンドを有する金属錯体から選ばれる少なくとも1種の
含有量は、ハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-3
ルであることが好ましく、ハロゲン化銀1モル当たり5
×10-6〜5×10-4モルであることが更に好ましい。
本発明においては、ハロゲン化銀粒子中に含有する少な
くとも2個のシアンリガンドを有する金属錯体から選ば
れる少なくとも1種の全含有量の50%以上を、粒子体
積の50%以下の表面層中に含有することが好ましい。
ここで粒子体積の50%以下の表面層とは、粒子1個の
体積の50%以下の体積に相当する表面部分を指す。こ
の表面層の体積は、好ましくは40%以下であり、更に
好ましくは20%以下である。また、ここで定義した金
属錯体を含有する表面層の更に外側に、金属錯体を含有
しない層を設けてもよい。これらの金属錯体を粒子の表
面に局在させるには水または適当な溶媒で溶解して、ハ
ロゲン化銀粒子の形成時に反応溶液中に直接添加する
か、ハロゲン化銀粒子を形成するためのハロゲン化物水
溶液中、銀塩水溶液中、あるいはそれ以外の溶液中に添
加して粒子形成を行なう事により含有させるのが好まし
い。また、あらかじめ金属錯体を含有させたハロゲン化
銀微粒子を添加溶解させ、別のハロゲン化銀粒子上に沈
積させることによって、これらの金属錯体を含有させこ
とも好ましく行われる。
【0055】本発明のシアンカプラーと共存するハロゲ
ン化銀乳剤粒子のハロゲン組成は、塩化銀含有率が90
モル%以上であることが必要である。また、ハロゲン化
銀粒子を構成する全ハロゲン化銀の95モル%以上が塩
化銀である実質的に沃化銀を含まない塩臭化銀または塩
化銀からなる事が好ましい。ここで実質的に沃化銀を含
まないとは、沃化銀含有率が1.0モル%以下のことで
ある。ハロゲン化銀粒子の更に好ましいハロゲン組成
は、ハロゲン化銀粒子を構成する全ハロゲン化銀の98
モル%以上が塩化銀である実質的に沃化銀を含まない塩
臭化銀あるいは塩化銀である。本発明のシアンカプラー
と共存するハロゲン化銀乳剤粒子は、臭化銀含有率にお
いて少なくとも10モル%を越える局在相を有する事が
好ましい。このような臭化銀含有率が基質のそれよりも
高い局在相(以下、臭化銀局在相という)の配置は本発
明の効果を発揮するために、更には圧力性、処理液組成
依存性等の観点から、粒子表面近傍にある必要がある。
ここで粒子表面近傍とは、最表面から測って、用いるハ
ロゲン化銀粒子の粒子サイズの1/5以内の位置のこと
である。最表面から測って、用いるハロゲン化銀粒子の
粒子サイズの1/10以内の位置であることが好まし
い。臭化銀局在相の最も好ましい配置は、立方体または
14面体塩化銀粒子のコーナー部に、臭化銀含有率にお
いて少なくとも10モル%を越える局在相がエピタキシ
ャル成長したものである。
【0056】このような臭化銀局在相の臭化銀含有率は
10モル%を越えることが好ましいが、臭化銀含有率が
高過ぎると感光材料に圧力が加えられたとき減感を引き
起こしたり、処理液の組成の変動によって感度、階調が
大きく変化してしまうなどの写真感光材料にとって好ま
しくない特性が付与されてしまう場合がある。臭化銀局
在相の臭化銀含有率は、これらの点を考慮に入れて、1
0から60モル%の範囲が好ましく、20から50モル
%の範囲が最も好ましい。臭化銀局在相の臭化銀含有率
は、X線回折法(例えば、「日本化学会編、新実験化学
講座6、構造解析」丸善、に記載されている)等を用い
て分析することができる。臭化銀局在相は、本発明のシ
アンカプラーと共存するハロゲン化銀乳剤粒子を構成す
る全銀量の0.1から20%の銀から構成されているこ
とが好ましく、0.5から7%の銀から構成されている
ことが更に好ましい。このような臭化銀局在相と粒子中
のその他の界面は、明瞭な相境界を有していてもよい
し、ハロゲン組成が徐々に変化する転移領域を有してい
てもよい。このような臭化銀局在相を形成するには様々
な方法を用いることがてきる。例えば、可溶性銀塩と可
溶性ハロゲン塩を片側混合法あるいは同時混合法で反応
させて局在相を形成することができる。更に、既に形成
させているハロゲン化銀粒子を、より溶解度積の低いハ
ロゲン化銀に変換するコンバージョン法を用いても局在
相を形成することができる。例えば、立方体または14
面体ハロゲン化銀ホスト粒子に水溶性臭化物溶液を添加
するか、あるいは前記ハロゲン化銀ホスト粒子よりも平
均粒径が小さく、しかも臭化銀含有率が高い塩臭化銀あ
るいは臭化銀微粒子を混合して後、熟成する事によって
臭化銀局在相を形成する事ができる。
【0057】臭化銀局在相の形成は、イリジウム化合物
の存在下で行われる事が好ましい。ここで局在相の形成
をイリジウム化合物の存在下で行うとは、局在相を形成
するための銀あるいはハロゲンの供給と同時、供給の直
前、あるいは供給の直後にイリジウム化合物を供給する
ことをいう。例えば、水溶性臭化物溶液を添加すること
によって臭化銀局在相を形成する場合、その溶液にあら
かじめイリジウム化合物を含有させておくか、あるいは
同時にイリジウム化合物を含有した別の溶液を添加する
ことが好ましく行われる。ハロゲン化銀ホスト粒子より
も平均粒径が小さく、しかも臭化銀含有率がより高いハ
ロゲン化銀微粒子を混合して後、熟成する事によって臭
化銀局在相を形成する場合、臭化銀含有率が高いハロゲ
ン化銀微粒子にあらかじめイリジウム化合物を含有させ
ておくことも好ましく行われる。臭化銀局在相の形成以
外の相形成時にイリジウム化合物を存在させても良い
が、臭化銀局在相は、添加する全イリジムウの少なくと
も50%と共に形成することが好ましい。更に添加する
全イリジウムの少なくとも80%と共に形成することが
最も好ましい。
【0058】本発明においては、ハロゲン化銀乳剤を硫
黄増感および/または金増感する事が好ましい。また還
元増感を併用することも好ましく行われる。本発明に用
いられる硫黄による化学増感は、活性ゼラチンや銀と反
応しうる硫黄を含む化合物(例えばチオ硫酸塩、チオ尿
素類、メルカプト化合物類、ローダニン類)を用いて行
われる。これらの具体例は、米国特許第1,574,9
44号、同第2,278,947号、同第2,410,
689号、同第2,728,668号、同第3,65
6,955号等の明細書に記載されている。本発明のハ
ロゲン化銀粒子は、外表面(100) 面を持つものであって
も、(111)面を持つものであっても、あるいはその両方
の面を持つものであっても、更にはより高次の面を含む
ものであってもよいが、主として(100) 面からなる立方
体、あるいは14面体が好ましい。本発明のハロゲン化
銀粒子の大きさは、通常用いられる範囲内であれば良い
が、平均粒径が0.1μm から1.5μm である場合が
好ましい。粒径分布は多分散であっても単分散であって
も良いが、単分散であるほうが好ましい。単分散の程度
を表す粒子サイズ分布は、統計学上の標準偏差(s) てと
平均粒子サイズ(d)との比(s/d)で0.2以下が好
ましく、0.15以下が更に好ましい。また、2種類以
上の単分散乳剤を混合して用いることも好ましく行え
る。
【0059】本発明に係わる感光材料には、画像のシャ
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧
州特許EP0,337,490A2号の第27〜76頁
に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソ
ノール系染料)を該感材の680nmに於ける光学反射
濃度が0.70以上になるように添加したり、支持体の
耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリ
メチロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを1
2重量%以上(より好ましくは14重量%以上)含有さ
せるのが好ましい。
【0060】本発明に用いうるシアン、マゼンタ、イエ
ローカプラー等の写真添加剤用高沸点有機溶媒は、融点
が100℃以下、融点が140℃以上の水と非混和性の
化合物で、カプラーの良溶媒であれば使用できる。高沸
点有機溶媒の融点は好ましくは80℃以下である。高沸
点有機溶媒の沸点は、好ましくは160℃以上であり、
より好ましくは170℃以上である。これらの高沸点有
機溶媒の詳細については、特開昭62−215272号
公開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に記載
されている。また、シアン、マゼンタまたはイエローカ
プラーは前記の高沸点有機溶媒の存在下で(または不存
在下で)ローダブルラテックスポリマー(例えば米国特
許第4,203,716号)に含浸させて、または水不
溶性且つ有機溶媒可溶性のポリマーに溶かして親水性コ
ロイド水溶液に乳化分散させる事ができる。好ましくは
米国特許第4,857,449号明細書の第7欄〜15
欄及び国際公開WO88/00723号明細書の第12
頁〜30頁に記載の単独重合体または共重合体が用いら
れ、より好ましくはメタクリレート系あるいはアクリル
アミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリマーの使
用が色像安定化等の上で好ましい。
【0061】また、本発明に係わる感光材料には、カプ
ラーと共に欧州特許EP0,277,589A2号に記
載のような色像保存性改良化合物を使用するのが好まし
い。特にピラゾロアゾールカプラーや本発明のピロロト
リアゾールカプラーとの併用が好ましい。即ち、発色現
像処理後に残存する芳香族アミン系現像主薬と化学結合
して、科学的に不活性でかつ実質的に無色の化合物を生
成する化合物(F)および/または発色現像処理後に残
存する芳香族アミン系発色現像主薬の酸化体と化学結合
して、化学的に不活性でかつ実質的に無色の化合物を生
成する化合物(G)を同時または単独に用いることが、
例えば処理後の保存における膜中残存発色現像主薬ない
しその酸化体とカプラーの反応による発色色素生成によ
るステイン発生その他の副作用を防止する上で好まし
い。
【0062】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号に記載
のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0063】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが鑑賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0064】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよいが、特に本発明
にとっては一画素当りの露光時間が10-3秒より短い露
光方式が好ましく、10-4秒より短いレーザー走査露光
方式が更に好ましい。
【0065】また、露光に際して、米国特許第4,88
0,726号に記載のバンド・ストップフィルターを用
いるのが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、
色再現性が著しく向上する。
【0066】露光済みの感光材料は慣用のカラー現像処
理が施されうるが、迅速処理の目的からカラー現像の
後、漂白定着処理するのが好ましい。特に前記高塩化銀
乳剤が用いられる場合には、漂白定着液のpHは脱銀促
進等の目的から約6.5以下が好ましく、更に約6以下
が好ましい。
【0067】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感材を処理するため
に適用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特
許公報、特に欧州特許EP0,355,660A2号
(特開平2−139544号)に記載されているものが
好ましく用いられる。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】また、シアンカプラーとして、本発明のシ
アンカプラーと特開平2−33144号に記載のジフェ
ニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧州特許E
P0,333,185A2号に記載の3−ヒドロキシピ
リジン系シアンカプラー(なかでも具体例として列挙さ
れたカプラー(42)の4当量カプラーに塩素離脱基をも
たせて2当量化したものや、カプラー(6) や(9) が特に
好ましい)や特開昭64−32260号に記載された環
状活性メチレン系シアンカプラー(なかでも具体例とし
て列挙されたカプラー例3、8、34が特に好ましい)
とを併用してもよい。
【0074】また、塩化銀含有率が90モル%以上の高
塩化銀乳剤を使用するハロゲン化銀カラー感光材料の処
理方法としては、特開平2−207250号の第27頁
左上欄〜34頁右上欄に記載の方法が好ましく適用され
る。
【0075】
【実施例】以下に本発明を実施例に従って詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 石灰処理ゼラチン32gを蒸溜水800ccに添加し、4
0℃にて溶解後、塩化ナトリウム3.3gを添加し、温
度を70℃に上昇させた。続いて硝酸銀100gを蒸溜
水400ccに溶解した液と塩化ナトリウム34.4gを
蒸溜水400ccに溶解した液とを、70℃を保ちながら
43分間かけて前記の液に添加混合した。次に硝酸銀5
8.4gを蒸溜水200ccに溶解した液と塩化ナトリウ
ム20.1gを蒸溜水200ccに溶解した液とを、70
℃を保ちながら18分間かけて添加混合した。40℃に
降温後下記に示す赤感光性増感色素Eをハロゲン化銀1
モルあたり4×10-5モル添加し、次に硝酸銀1.6g
を蒸溜水100ccに溶解した液と臭化カリウム1.12
gを蒸溜水100ccに溶解した液とを、40℃を保ちな
がら8分間かけて添加混合した。脱塩および水洗を施し
た後、石灰処理ゼラチン90gを加え、50℃に昇温し
た後、最適に硫黄増感を施した。このようにして得られ
た塩臭化銀乳剤(臭化銀1.0モル%含有)を乳剤Aと
した。
【0076】乳剤Aとは、出来上がりの塩臭化銀1モル
当たり2.0×10-6モルのK2IrCl6 を、臭化カリウム
溶液に添加したことのみ異なる塩臭化銀乳剤を調製し、
これを乳剤Bとした。乳剤Aとは、出来上がりの塩臭化
銀1モル当たり1.0×10-5モルのK3Fe(CN)6 を、2
回目に添加する塩化ナトリウム溶液に添加したことのみ
異なる塩臭化銀乳剤を調製し、これを乳剤Cとした。乳
剤Cとは、2回目に添加する塩化ナトリウム溶液に添加
した金属錯体の種類と量を表6のように変更したことの
み異なる塩臭化銀乳剤を調製し、これらを乳剤D、E、
FおよびGとした。
【0077】
【表6】
【0078】このようにして調製した乳剤AからGにつ
いて、電子顕微鏡写真から粒子の形状、粒子サイズ、お
よび粒子サイズ分布を求めた。粒子サイズは粒子の投影
面積と等価な円の直径の平均値をもって表し、粒子サイ
ズ分布は粒子径の標準偏差を平均粒子サイズで割った値
を用いた。乳剤AからGは、いずれも粒子サイズ0.4
9μm 、粒子サイズ分布0.09の立方体粒子であっ
た。また、乳剤AらかGのX線回拆は、臭化銀含有率で
10モル%から40モル%相当の部分に弱い回折を示し
た。
【0079】ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持
体表面にコロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さ
らに種々の写真構成層を塗布して以下に示す層構成の多
層カラー印画紙(試料A)を作製した。塗布液は下記の
ようにして調製した。
【0080】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)153.0g、色像安定剤
(Cpd−1)15.0g、色像安定剤(Cpd−2)
7.5gおよび色像安定剤(Cpd−3)16.0g
を、酢酸エチル180cc、溶媒(Solv−1)25g
および溶媒(Solv−2)25gに溶解し、この溶液
を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム60cc
およびクエン酸10gを含む10%ゼラチン水溶液10
00gに乳化分散させて乳化分散物Aを調製した。得ら
れた分散液を、塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ
0.88μm の大サイズ乳剤と0.70μm の小サイズ
乳剤の3:7混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変
動係数は、それぞれ0.08と0.09。両乳剤とも臭
化銀0.3モル%を粒子表面の一部に局在含有させ、残
りが塩化銀であるハロゲン化銀粒子からなる)と混合溶
解して第一層塗布液を調製した。
【0081】第五層塗布液調製 シアンカプラー(ExC)19.1g、紫外線吸収剤
(UV−2)10.4g、色像安定剤(Cpd−1)1
9.1g、色像安定剤(Cpd−9)8.7g、色像安
定剤(Cpd−10)8.7g、色像安定剤(Cpd−
11)0.58g、色像安定剤(Cpd−8)0.58
gおよび色像安定剤(Cpd−6)0.58gに酢酸エ
チル30.8g、溶媒(Solv−6)12.7gおよ
び溶媒(Solv−1)0.58gを加え溶解し、この
溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3
7ccを含む20%ゼラチン水溶液265ccに添加した
後、超音波ホモジナイザーにて乳化分散した。この乳化
分散物と前記の乳剤Aとを混合溶解し、以下に示す組成
となるように第五層塗布液を調製した。第二層から第四
層、第六層および第七層用の塗布液も第1層塗布液と同
様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては1
−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウ
ム塩を用いた。また、各層にCpd−14とCpd−1
5をそれぞれ全量が25.0mg/m2と50.0mg/m2
なるように添加した。また各層の分光増感色素としては
下記のものを用いた。
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】赤感性乳剤層に対しては、下記の化合物を
ハロゲン化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加し
た。
【0086】
【化17】
【0087】青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性乳剤
層に、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メル
カプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1モル当た
り8.5×10-5モル、7.7×10-5、25×10-5
モル添加した。また、青感性乳剤層と緑感性乳剤層に、
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデンをそれぞれハロゲン化銀1モル当たり10
×10-5モル、20×10-5モル添加した。また、イラ
ジエーション防止のために乳剤層に下記の染料(カッコ
内は塗布量を表す)を添加した。
【0088】
【化18】
【0089】以下に各層の組成を示す。数字は塗布量
(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量
を表す。
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】
【化19】
【0095】
【化20】
【0096】
【化21】
【0097】
【化22】
【0098】
【化23】
【0099】
【化24】
【0100】
【化25】
【0101】
【化26】
【0102】以上のようにして得られた試料Aに対し
て、第五層(赤感性乳剤層)のハロゲン化銀乳剤および
シアンカプラーを表14のように置き換えたことのみ異
なる感光材料を作製し、これらを試料B〜Mとした。シ
アンカプラーはExCと等モルで置き換えた。シアンカ
プラーとして化合物47および48を用いた場合には、
第五層(赤感性乳剤層)のハロゲン化銀乳剤の銀換算塗
布量を0.12g/m2に変更した。こうして得た13種
類の感光材料の処理変動による階調変化を調べるため
に、光学ウエッジと赤色フィルターを通して1秒の露光
を与えた。
【0103】
【表14】
【0104】露光の終了した試料は、ペーパー処理機を
用いて、下記処理工程および処理液組成の液を使用し、
カラー現像タンク容量の2倍補充するまで連続処理のシ
ミュレーション(ランニングテスト)を実施した。 処理工程 温度 時間 補充量 タンク容量 カラー現像 35℃ 45秒 161ミリリットル 1.7リットル 漂白定着 30〜35℃ 45秒 215ミリリットル 1.7リットル リンス1 30〜35℃ 20秒 − 1.7リットル リンス2 30〜35℃ 20秒 − 1.0リットル リンス3 30〜35℃ 20秒 350ミリリットル 1.0リットル 乾 燥 70〜80℃ 60秒 * 補充量は感光材料1m2あたり (リンスは3→1への3タンク向流方式とした。)
【0105】各処理液の組成は以下の通りである。 〔カラー現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 水 800 ミリリットル 800 ミリリットル エチレンジアミン−N,N,N−テトラメチレン ホスホン酸 1.5 g 2.0 g 臭化カリウム ) 0.015 g − トリエタノールアミン 8.0 g 12.0 g 塩化ナトリウム 1.4 g − 炭酸カリウム 25 g 25 g 亜硫酸ナトリウム 0.1 g 0.2 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミド エチル)−3−メチル−4−アミノアリニン 硫酸塩 5.0 g 7.0 g N,N−ビス(カルボキシメチル)ヒドラジン 4.0 g 5.0 g N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミン・ 1Na 4.0 g 5.0 g 蛍光増白剤(WHITEX 4B、住友化学製) 1.0 g 2.0 g 水を加えて 1000 ミリリットル 1000 ミリリットル pH(水酸化カリウムを加えて) 10.05 10.45
【0106】 〔漂白定着液〕(タンク液と補充液は同じ) 水 400 ミリリットル チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100 ミリリットル 亜硫酸ナトリウム 17 g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム 55 g エチレンジアミン四酢酸鉄二ナトリウム 5 g 臭化アンモニウム 40 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH(25℃) 6.0 〔安定液〕(タンク液と補充液は同じ) ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02 g ポリビニルピロリドン 0.05 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH(25℃) 5.40 pH(25℃) 5.40 〔リンス液〕(タンク液と補充液は同じ) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm 以下)
【0107】処理変動による足部の階調変化は、連続諸
多開始時にシアン濃度0.2及び0.8を与えるに要す
る露光量の対数値の差△logEs と連続処理終了後にシア
ン濃度0.2及び0.8を与えるに要する露光量の対数
値の差△logEe を求め、それらの差△logE(=△logEs
−△logEe)をもって表した。正の値は連続処理で硬調化
することを、負の値は連続処理で軟調化することを示す
が、いずれの値もゼロに近い方が好ましい。結果を表1
4に示した。
【0108】感光材料の圧力性を調べるために、露光前
に直径0.5mmの鉄針に100gの荷重をかけ60cm/
sの速度で感光材料を引っかいた。この後、光学ウェッ
ジと赤色フィルターを通して1秒の露光を与え、処理工
程に通した。圧力性の評価として、露光前に引っかき処
理した試料の引っかいた部分と引っかいてない部分の発
色シアン濃度の差を目視して観察し、以下のような判定
を与えた。 〇;引っかきによる増感が認められない。 △;引っかきによる増感がわずかに認められる。 ×;引っかきによる増感がはっきり認められる。 これらの結果も表14に示した。
【0109】表14から明らかなように、本発明のシア
ンカプラーを用いると、連続処理による特に足部の階調
変化が大きくなり、更に露光前に感光材料に圧力が加わ
ると明らかに増感を引き起こすが、用いる高塩化銀乳剤
粒子に金属イオンを含有させることによってこれらが顕
著に抑制できることがわかる。
【0110】実施例2 石灰処理ゼラチン32gを蒸溜水800ccに添加し、4
0℃にて溶解後、塩化ナトリウム3.3gを添加し、温
度を70℃に上昇させた。続いて硝酸銀100gを蒸溜
水400ccに溶解した液と塩化ナトリウム34.4gを
蒸溜水400ccに溶解した液とを、70℃を保ちながら
43分間かけて前記の液に添加混合した。次に硝酸銀6
0.0gを蒸溜水200ccに溶解した液と塩化ナトリウ
ム20.6gを蒸溜水200ccに溶解した液とを、70
℃を保ちながら18分間かけて添加混合した。40℃に
降温し脱塩および水洗を施した後、石灰処理ゼラチン9
0gを加え、50℃に昇温した後、実施例1で用いた赤
感光性増感色素Eをハロゲン化銀1モル当たり4×10
-5モル添加し、次に臭化銀微粒子乳剤(平均粒子サイズ
0.05μm )を臭化銀含有率が1.0モル%になる量
添加した。さらに最適に硫黄増感を施した。このように
して得られた塩臭化銀乳剤(臭化銀1.0モル%含有)
を乳剤Hとした。
【0111】乳剤Hとは、出来上がりの塩臭化銀1モル
当たり1.2×10-6モルに相当するK2IrCl6 を臭化銀
微粒子乳剤にあらかじめ含有させておき、更に出来上が
りの塩臭化銀1モル当たり1.0×10-5モルのK3Fe(C
N)6 を、2回目に添加する塩化ナトリウム溶液に添加し
たことのみ異なる塩臭化銀乳剤を調製し、これを乳剤I
とした。実施例1の試料Aとは各層の組成を以下のよう
に変更したことのみ異なる感光材料を作製し、これを試
料Nとした。数字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン
化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
【0112】支持体 ポリエチレンラミネート紙〔第一層側のポリエチレンに
白色顔料(TiO2)と青味染料(群青)を含む〕 第一層(青感性乳剤層) 前記の塩臭化銀乳剤 0.30 ゼラチン 1.22 イエローカプラー(ExY) 0.82 色像安定剤(Cpd−16) 0.19 溶 媒(Solv−9) 0.18 溶 媒(Solv−1) 0.18 色像安定剤(Cpd−18) 0.06
【0113】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.64 混色防止剤(Cpd−4) 0.10 溶 媒(Solv−2) 0.16 溶 媒(Solv−3) 0.08 第三層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μm の大サイズ 乳剤と、0.39μm の小サイズ乳剤との1:3混合物(Ag モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそれぞれ0.10と0. 08、各サイズ乳剤ともAgBr0.8モル%を粒子表面の一 部に局在含有させた) 0.12 ゼラチン 1.28 マゼンタカプラー(ExM) 0.23 色像安定剤(Cpd−8) 0.03 色像安定剤(Cpd−5) 0.16 色像安定剤(Cpd−7) 0.02 色像安定剤(Cpd−2) 0.02 溶 媒(Solv−8) 0.40
【0114】 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.41 紫外線吸収剤(UV−3) 0.47 混色防止剤(Cpd−4) 0.05 溶 媒(Solv−10) 0.24 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤H 0.23 ゼラチン 1.04 シアンカプラー(ExC−2) 0.32 色像安定剤(Cpd−8) 0.03 色像安定剤(Cpd−17) 0.02 色像安定剤(UV−2) 0.18 色像安定剤(Cpd−18) 0.40 色像安定剤(UV−19) 0.05 溶 媒(Solv−11) 0.14
【0115】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.48 紫外線吸収剤(UV−3) 0.16 混色防止剤(Cpd−4) 0.02 溶 媒(Solv−10) 0.08 第七層(保護層) ゼラチン 1.10 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%)0.17 流動パラフィン 0.03
【0116】
【化27】
【0117】
【化28】
【0118】
【化29】
【0119】以上のようにして得られた試料Nに対し
て、第五層(赤感性乳剤層)のハロゲン化銀乳剤および
シアンカプラーを表10のように置き換えたことのみ異
なる感光材料を作製し、これらを試料O〜Rとした。シ
アンカプラーC−47とC−48はExCと等モルで置
き換えた。シアンカプラーとして化合物47および48
を用いた場合には、第五層(赤感性乳剤層)のハロゲン
化銀乳剤の銀換算塗布量を0.14g/m2に変更した。
こうして得た4種類の感光材料の処理変動による階調変
化および圧力性を実施例1と同様に調べた。結果を表1
5に示す。
【0120】
【表15】
【0121】表15の結果から明らかなように、各層の
組成を変更しても本発明の優れた効果が示された。
【0122】実施例3 実施例1の試料Bの第一層(青感性乳剤層)のイエロー
カプラーExYをExY−2に等モルになるように置き
換え、組成を変えずにカプラーも含めた第一層の塗布量
を80%に減じた試料を作製し、実施例1と同様の評価
を行った。この場合にも実施例1と同様の効果が確認さ
れた。
【0123】実施例4 石灰処理ゼラチン32gを蒸溜水800ccに添加し、4
0℃にて溶解後、塩化ナトリウム3.3gを添加して温
度を75℃に上昇させた。続いて硝酸銀100gを蒸溜
水400ccに溶解した液と塩化ナトリウム29.2gお
よび臭化カリウム10.5gを蒸溜水400ccに溶解し
た液とを、75℃を保ちながら45分間かけて前記の液
に添加混合した。次に硝酸銀60gを蒸溜水200ccに
溶解した液と塩化ナトリウム17.5gおよび臭化カリ
ウム6.3gを蒸溜水200ccに溶解した液とを、75
℃を保ちながら20分間かけて添加混合した。40℃に
て脱塩および水洗を施した後、石灰処理ゼラチン90.
0gを加えた。50℃に昇温後、実施例1で用いた赤感
光性増感色素Eをハロゲン化銀1モル当たり4×10-5
モル添加し、更に最適に硫黄増感を施した。このように
して得られた塩臭化銀乳剤(臭化銀15モル%含有)を
乳剤Jとした。
【0124】乳剤Jとは、出来上がりの塩臭化銀1モル
当たり1.0×10-5モルのK3Fe(CN)6 を、2回目に添
加する塩化ナトリウムと臭化カリウムの溶液に添加した
ことのみ異なる塩臭化銀乳剤を調製し、これを乳剤Kと
した。
【0125】実施例1の試料Aとは、第5層(赤感性乳
剤層)のハロゲン化銀乳剤およびシアンカプラーを表1
6のように置き換えたことのみ異なる感光材料を作製
し、これらを試料S〜Vとした。シアンカプラー48は
ExCと等モルで置き換えた。シアンカプラーとして化
合物48を用いた場合には、第5層(赤感性乳剤層)の
ハロゲン化銀乳剤の銀換算塗布量を0.14g/m2に変
更した。こうして得た4種類の感光材料の処理変動によ
る階調変化および圧力性を実施例1と同様に調べた。結
果を表16に示す。
【0126】
【表16】
【0127】表16の結果から、本発明の効果は塩化銀
含有率が90モル%以下のハロゲン化銀乳剤JまたはK
を用いた試料S〜Vでは得られないことがわかる。
【0128】
【発明の効果】本発明により、色再現性に優れ、更に圧
力性、処理の変動耐性が改良されたハロゲン化銀カラー
写真感光材料が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくともシアン色素形成
    カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ色素
    形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層およびイエ
    ロー色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層を
    有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該シ
    アン色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層
    が、一般式(Ia)で表されるシアン色素形成カプラー
    の少なくとも1種およびFe、Ru、Re、Osあるい
    はIrの金属錯体から選ばれる少なくとも1種を粒子中
    に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀粒
    子を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。 【化1】 (一般式(Ia)中、Zaは、−NH−又は−CH(R
    3 )−を表わし、Zb及びZcは、それぞれ−C
    (R4 )=又は−N=を表わす。R1 、R2 及びR
    3 は、それぞれハメットの置換基定数σp 値が0.20
    以上の電子吸引性基を表わす。ただし、R1 とR2 のσ
    p 値の和は、0.65以上である。R4 は、水素原子又
    は置換基を表わす。ただし、式中に2つのR4 が存在す
    る場合には、それらは同じであってもよいし、異なって
    いてもよい。Xは、水素原子または芳香族第一級アミン
    カラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応により離
    脱する基を表わす。)
  2. 【請求項2】 前記の金属錯体が、Irの金属錯体であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記の金属錯体が、少なくとも2個のシ
    アンリガンドを有する金属錯体であることを特徴とする
    請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
JP4157333A 1992-05-26 1992-05-26 ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Expired - Fee Related JP2879498B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4157333A JP2879498B2 (ja) 1992-05-26 1992-05-26 ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4157333A JP2879498B2 (ja) 1992-05-26 1992-05-26 ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05323544A true JPH05323544A (ja) 1993-12-07
JP2879498B2 JP2879498B2 (ja) 1999-04-05

Family

ID=15647406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4157333A Expired - Fee Related JP2879498B2 (ja) 1992-05-26 1992-05-26 ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2879498B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62291647A (ja) * 1986-06-11 1987-12-18 Konica Corp 発色性及び色素画像の光堅牢性の改良された写真感光材料
JPH01288855A (ja) * 1988-05-17 1989-11-21 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH03230159A (ja) * 1990-02-05 1991-10-14 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH049035A (ja) * 1990-04-26 1992-01-13 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62291647A (ja) * 1986-06-11 1987-12-18 Konica Corp 発色性及び色素画像の光堅牢性の改良された写真感光材料
JPH01288855A (ja) * 1988-05-17 1989-11-21 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH03230159A (ja) * 1990-02-05 1991-10-14 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH049035A (ja) * 1990-04-26 1992-01-13 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2879498B2 (ja) 1999-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0736805B1 (en) Silver halide color photographic light-sensitive material
JPH05204107A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
EP0544322B1 (en) Silver halide color photographic light-sensitive material
JP2879496B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH07104448A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびそれを用いたカラー画像形成方法
JP2855304B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2879495B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2879497B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2879498B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2879493B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH05333503A (ja) カラー画像形成法
JPH05232645A (ja) カラー画像形成方法
EP0545301B1 (en) Silver halide color photographic light-sensitive material
JP2840161B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2840500B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2879494B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2855301B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2840162B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2840501B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2879491B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH05333496A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP3157076B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH05333500A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH05333498A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH06313952A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080129

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090129

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090129

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100129

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110129

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110129

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120129

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees