JPH0532346B2 - - Google Patents

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JPH0532346B2
JPH0532346B2 JP60094477A JP9447785A JPH0532346B2 JP H0532346 B2 JPH0532346 B2 JP H0532346B2 JP 60094477 A JP60094477 A JP 60094477A JP 9447785 A JP9447785 A JP 9447785A JP H0532346 B2 JPH0532346 B2 JP H0532346B2
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Japan
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silicon carbide
weight
sintered body
lattice constant
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JP60094477A
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JPS61251573A (ja
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Hidetoshi Yamauchi
Haruhisa Hasegawa
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0532346B2 publication Critical patent/JPH0532346B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭化珪素焼結体の製造方法に関し、
特に本発明は、高密度でかつ耐酸化性に優れた炭
化珪素焼結体の製造方法に関する。 炭化珪素は、高い強度、優れた耐摩耗性、優れ
た耐酸化性、優れた耐食性、良好な熱伝導率、低
い熱膨張率、高い耐熱衝撃性並びに高温での高い
強度等の化学的および物理的に優れた特性を有
し、メカニカルシールや軸受け等の耐摩耗材料、
高温炉用の耐火材、熱交換器、燃焼管等の耐熱構
造材料、酸およびアルカリ等の強い腐食性を有す
る溶液のポンプ部品等の耐食性材料として広く使
用することのできる材料である。 〔従来の技術〕 ところで、炭化珪素は従来難焼結性の材料とし
て知られている。すなわち、この材料は酸化物セ
ラミツクスを製造するのに一般に用いられている
常温成形後無加圧下で焼結する無加圧焼結方法に
よつて高密度の焼結体を得ることは近年まで困難
であつた。しかしながら、最近になつて炭化珪素
粉末とホウ素含有添加剤および炭素質添加剤など
の焼結助剤から成る混合粉末を形成し、不活性雰
囲気中で焼結する無加圧焼結方法が種々提案され
ている。 例えば、特開昭50−78609号公報記載の発明に
よれば、(a)炭化珪素と、0.3〜3.0重量%の硼素に
相当する量における硼素含有化合物と、そして
0.1〜1.0重量%の炭素に相当する量における炭素
質添加剤とから成るミクロン以下の粉末の均質分
散体を形成する段階、(b)該粉末混合物を生の物体
に賦形する段階、及び(c)該生の物体を1900〜2100
℃の温度において不活性雰囲気中で理論密度の少
なくとも85%の密度を持つセラミツク物品を得る
に充分の時間焼結する段階を包含する高密度炭化
珪素セラミツクを製造する方法が開示されてい
る。 特開昭54−67599号公報記載の発明によれば、
珪素と炭素を主な骨格成分とする有機珪素高分子
化合物を真空または不活性ガス雰囲気中で1600〜
2200℃の温度で熱分解して主としてβ−SiCを主
成分とする粉末を得、この粉末を酸化性雰囲気中
で500〜800℃の温度に加熱した後、少なくとも弗
酸を含む酸で処理して不純物を溶解除去し高純度
β−SiCより成る粉末とし、該粉末を用いた原料
粉末に炭素および硼素を混合物中のそれぞれの含
有量が0.1〜5重量%となるまで添加し、該混合
物を所定形状に成形した後、真空中、COガス雰
囲気中または不活性ガス雰囲気中で2000〜2300℃
の温度で密度が小なくとも2.60g/cm3以上となる
のに充分な時間焼結することを特徴とする炭化珪
素焼結体の製造方法が開示されている。 特開昭56−169181号公報記載の発明によれば、
炭化珪素微粉とホウ素含有添加剤と炭素質添加剤
とを混合し成形した後、無加圧焼結する炭化珪素
焼結体の製造方法において、β型結晶の炭化珪素
85重量%以上と残部が2H型結晶の炭化珪素から
実質的になる炭化珪素微粉100重量部とホウ素含
有量に換算して0.1〜3.0重量部のホウ素含有添加
剤と固定炭素含有量に換算して1.0重量部を越え
4.0重量部以下の炭素質添加剤とを均質混合する
第1工程;前記均質混合物を任意の生成形体に成
形する第2工程;前記生成形体をアルゴン、ヘリ
ウム、ネオン、クリプトン、キセノン、水素のな
かから選択されるいずれか少なくとも1種からな
るガス雰囲気中で2050〜2200℃で焼結する第3工
程;上記第1〜3工程の組合せからなりβ型結晶
を50〜85重量%、残留遊離炭素を1.0重量%を越
え3.0重量%以下含有し、3.0g/cm3以上の密度を
有する高強度炭化珪素焼結体の製造方法が開示さ
れている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来、炭化珪素の無加圧焼結法によれば、炭化
珪素粉末にホウ素および炭素を混合し焼結して焼
結体が製造されている。ところで、前記ホウ素は
焼結体内に残留して焼結体表面のシリカ層の融点
を低下させて焼結体の耐酸化性を劣化させるた
め、その添加量はなるべく少ないほうが望まし
い。 しかしながら、前記特開昭50−78609号公報記
載の発明は、ホウ素を焼結助剤として炭化珪素に
対し0.3〜3.0重量%と比較的多量に含有させるた
め、得られた焼結体は耐酸化性に劣るという欠点
がある。 また、前記特開昭54−67599号公報記載の発明
は、有機珪素高分子化合物を熱分解して得られる
極めて高価なβ−SiC粉末を出発原料として用い
る方法であるため、工業用材料として広く使用す
ることが困難であり、しかもそのホウ素添加量の
最少値限は0.1重量%とそれ程少量ではなかつた。 また、前記特開昭56−169181号公報記載の発明
は、本出願人の出願に係る発明であり、その目的
は炭化珪素無加圧焼結法を改良し、高強度の焼結
体を得るために、炭素質添加剤を炭化珪素微粉の
酸素含有量によつて必要とされる量よりも過剰に
添加し、積極的に炭化珪素焼結体内に遊離炭素の
形態で含有させることによつてβ型結晶のα型結
晶への相変態を適正化し、β型結晶のα型化に伴
う粗大な板状結晶の生成を抑制し微細結晶となる
ようにしたものであり、出発原料として85重量%
以上がβ型結晶よりなる炭化珪素を必要とした
り、焼結助剤としてのホウ素や炭素の添加量など
に種々の制約を受ける方法であり、しかもそのホ
ウ素添加量の最少値は0.1重量%とそれ程少量で
はなかつた。 本発明は、前述の如き従来知られた炭化珪素無
加圧焼結方法の欠点を除去し、特にガスタービン
部品、高温熱交換器、炉構造材料のような過酷な
条件下で使用することのできる高密度でかつ耐酸
化性に優れた炭化珪素無加圧焼結体を安価にかつ
容易に製造することのできる方法を提供すること
を目的とする。 〔問題を解決するための手段〕 本発明者らは、a軸の格子定数の平均値が
3.075Å以上、c軸の格子定数の平均値が10.060
Å以上である4H型結晶を含有する炭化珪が焼結
性に極めて優れており、無加圧焼結法における出
発原料として使用することにより、極めて少量の
ホウ素添加量で炭化珪素粒子間にネツクを多数均
一に発生させることができ、高密度で均一な微細
構造を有し、かつ耐酸化性に優れた炭化珪素焼結
体を得ることのできることを新規に知見し、本発
明を完成した。 本発明によれば、炭化珪素微粉を無加圧焼結す
る炭化珪素焼結体の製造方法において、4H型結
晶の含有率が5重量%以上で、前記4H型結晶の
a軸の格子定数の平均値が3.075Å以上、c軸の
格子定数の平均値が10.060Å以上である炭化珪素
(以下炭化珪素(イ)と称す)を主として含有する炭
化珪素微粉(以下炭化珪素微粉(ロ)と称す)100重
量部とホウ素含有量に換算して0.01〜0.25重量部
のホウ素含有添加剤と固定炭素含有量に換算して
0.3〜5.0重量部の炭素質添加剤とを均質混合した
後、任意の形状を有する生成形体に成形し、次い
で非酸化性雰囲気中で1700〜2300℃で焼結し、
2.8g/cm3以上の密度を有する炭化珪素焼結体を
製造することを特徴とする炭化珪素焼結体の製造
方法によつて前記目的を達成することができる。 次に本発明を詳細に説明する。 本発明によれば、炭化珪素微粉(ロ)は4H型結晶
の含有率が5重量%以上で、前記4H型結晶のa
軸の格子定数の平均値が3.075Å以上、c軸の格
子定数の平均値が10.060Å以上である炭化珪素(イ)
を主として含有するものであることが必要であ
る。その理由は、4H型結晶の含有率が5重量%
以上で、前記4H型結晶のa軸の格子定数の平均
値が3.075Å以上、c軸の格子定数の平均値が
10.060Å以上である炭化珪素(イ)は極めて焼結性に
優れており、前記炭化珪素(イ)を主として含有する
炭化珪素微粉(ロ)を出発原料として使用することに
より、極めて少量のホウ素添加量でもつて高密度
の焼結体を得ることができるからであり、なかで
も前記4H型結晶のa軸の格子定数の平均値が
3.078Å以上、c軸の格子定数の平均値が10.065
Å以上であることが有利である。 本発明によれば、前記炭化珪素(イ)は4H型結晶
以外に(420)面における格子定数の平均値が
4.3584Å以上のβ型結晶を5〜90重量%含有する
ものであることが好ましい。その理由は、(420)
面における格子定数の平均値が4.3584Å以上のβ
型結晶を5〜90重量%含有する炭化珪素は焼結性
に極めて優れているため、極めて少量のホウ素添
加量でもつて高密度の焼結体を得ることができる
からである。 本発明によれば、前記炭化珪素(イ)は4H型、6H
型および15R型等のα型結晶の含有量の合計が10
重量%以上であるものであることが好ましい。そ
の理由は、前述の如きα型結晶の炭化珪素は焼結
時に結晶変態を生起しないため、結晶粒の成長が
比較的穏かであり、異常粒成長を生じ難く均一な
組織の焼結体を得ることができるからである。 なお、前記a軸の格子定数の平均値が3.075Å
以上、c軸の格子定数の平均値が10.060Å以上の
4H型結晶および(420)面における格子定数の平
均値が4.3584Å以上のβ型結晶の炭化珪素が焼結
特性に優れている理由としては、これらの炭化珪
素は焼結過程におけるネツク形成時に粒子相互に
ネツクが形成される確率が高く、しかも粒界を通
しての元素拡散が容易であることによるものと考
えられる。 本発明によれば、前記炭化珪素(イ)は4H型およ
びβ型以外に2H型、6H型、15R型等の種々の結
晶を含有することができる。 本発明によれば、前記炭化珪素微粉(ロ)は炭化珪
素(イ)を少なくとも50重量%含有するものであるこ
とが好ましい。その理由は、炭化珪素(イ)の含有量
が少ないと少量のホウ素添加量でもつて高密度の
焼結体を得ることが困難であるからであり、なか
でも70重量%以上含有するものであることが有利
である。 本発明において主として使用される4H型結晶
の含有率が5重量%以上で、前記4H型結晶のa
軸の格子定数の平均値が3.075Å以上、c軸の格
子定数の平均値が10.060Å以上である炭化珪素(イ)
は、炭化珪素の生成反応時にアルミニウムを固溶
させることによつて製造することができ、例えば
シリカと炭素と必要に応じて添加されるアルミニ
ウム含有添加剤とを出発原料として1900〜2100℃
の高温域で焼成することによつて製造することが
できる。 前記アルミニウム含有添加剤としては各種のア
ルミニウム含有塩や金属アルミニウムを使用する
こともできるが、アルミナ(酸化アルミニウム)、
ムライト等を使用することが有利である。 本発明によれば、前記炭化珪素(イ)はアルミニウ
ムを0.02〜1.0重量%含有したものであることが
好ましい。その理由は、0.02重量%より少ないと
4H型結晶の格子定数を大きくすることが困難で
あるし、一方1.0重量%より多いと炭化珪素中に
固溶されないアルミニウムが多くなるため、焼結
時における板状結晶の異常粒成長が起こり易く、
高密度の焼結体を得ることが困難になるばかりで
なく、焼結体の高温特性が劣化するからであり、
なかでも0.1〜0.5重量%の範囲がより有利であ
る。 ところで、本出願人は先に特開昭57−17465号
公報により下記の発明を開示した。 「炭化珪素微粉を無加圧焼結する炭化珪素焼結
体の製造方法において、アルミニウムを0.1〜1.0
重量%含有し、β型結晶の炭化珪素が90%以上で
ある炭化珪素微粉100重量部とホウ素含有量に換
算して0.1〜3.0重量部のホウ素含有添加剤と固定
炭素含有量に換算して1.0重量部を越え4.0重量部
以下の炭素質添加剤を均質混合する第1工程;前
記均質混合物を任意の形状を有する生成形体に成
形する第2工程;前記生成形体をアルゴン、ヘリ
ウム、ネオン、クリプトン、キセノン、水素から
選択される少なくとも1種からなるガス雰囲気中
で1900〜2100℃で焼結する第3工程;前記第1〜
3工程の組合せからなる4H型結晶あるいは6H型
結晶のいずれか少なくとも1種が80〜95%、残部
は主としてβ型結晶よりなり、残留遊離炭素を
1.0重量%を越え3.0重量%以下含有し、少なくと
も3.0g/cm3の密度を有する高強度炭化珪素焼結
体の製造方法」。 しかしながら前記公報記載の発明はβ型結晶の
炭化珪素が90%以上である炭化珪素微粉を出発原
料として、焼結中にその結晶の大部分をα型結晶
の炭化珪素に相変態させα型結晶を80〜95%含有
する高強度の炭化珪素焼結体を製造する発明であ
るのに対して、本願発明は4H型結晶の含有率が
5重量%以上で、前記4H型結晶のa軸の格子定
数の平均値が3.075Å以上、c軸の格子定数の平
均値が10.060Å以上である炭化珪素(イ)を主として
含有する炭化珪素微粉(ロ)を出発原料とすることに
より、極めて少量のホウ素添加量でもつて高密度
の耐酸化性に優れた炭化珪素焼結体を製造する方
法であり、発明の目的および構成において大きく
異なる。 本発明によれば、前記炭化珪素微粉(ロ)は比表面
積が5〜50m2/gであることが有利である。その
理由は、前記比表面積が5m2/gより小さい炭化
珪素を出発原料とすると、焼結初期に形成される
ネツクの発生箇所が少なく焼結時における収縮が
不均一となるからであり、一方50m2/gより大き
な比表面積を有する炭化珪素微粉はネツクの発生
箇所も多く、焼結性にも優れていると考えられる
が、このような炭化珪素微粉は入手が困難である
からである。 本発明によれば、前記炭化珪素微粉(ロ)は酸素含
有率が0.1〜1.0重量%であることが有利である。
前記炭化珪素微粉に含有される酸素は焼結時に炭
素と反応し、次式に示される如き機構で除去され
る。 SiO2+C→SiO+CO (1) SiO+2C→SiC+CO (2) したがつて、前記酸素が1.0重量%よりも多量
に存在すると炭素質添加剤を多量に使用しなけれ
ばならないばかりでなく、焼結助剤としてのホウ
素が酸化してしまつたり、COガスが大量に発生
するため焼結時にガス抜きの必要が生じる等焼結
が困難になるからである。一方前記酸素量が0.1
重量%よりも少ない炭化珪素微粉は例えば弗酸と
硝酸の混酸で処理することによつて得ることがで
きるが、このようにして得た高純度の炭化珪素微
粉は極めて活性であり、空気雰囲気中で乾燥した
りすると常温でも容易に酸化してしまうため、酸
素含有量を低く維持するには酸処理後の雰囲気を
非酸化性に保持したりしなければならず実用的で
ないからである。 本発明によれば、炭化珪素微粉(ロ)100重量部に
対してホウ素含有添加剤をホウ素含有量に換算し
て0.01〜0.25重量部添加することが必要である。
前記ホウ素含有添加剤をホウ素含有量に換算して
0.01〜0.25重量部にする理由は0.01重量部より少
ないとネツク形成時の接着作用が充分でなく高密
度化が困難であるからであり、一方0.25重量部よ
り多いと焼結体内に残留するホウ素が焼結体表面
のシリカ層の融点を低下させて焼結体の耐酸化性
を劣化させるからである。前記ホウ素含有添加剤
としては、例えばホウ素、炭化ホウ素あるいはそ
れらの混合物から選択される少なくとも1種を用
いることが好ましい。 なお、本発明によれば、ホウ素含有添加剤の添
加量がホウ素含有量に換算して0.15重量部より少
ない場合に特に耐酸化性に優れた炭化珪素焼結体
を得ることができる。 本発明によれば、炭化珪素微粉(ロ)100重量部に
対して炭素質添加剤を固定炭素含有量に換算して
0.3〜5.0重量部添加することが必要である。前記
炭素質添加剤は炭化珪素微粉(ロ)に含有される酸素
を除去し、かつ炭化珪素粒子間に介在してSiCの
拡散を適正化させるために用いられる。したがつ
て炭素質添加剤は酸素含有量にみあう量を少なく
とも添加し、さらに炭化珪素粒子間に均一に介在
するに充分な量を添加することが有利である。前
記炭素質添加剤の添加量を固定炭素含有量に換算
して0.3〜5.0重量部にする理由は0.3重量部より少
ないと炭素質添加剤の大部分が酸素によつて消費
されるためSiCの拡散を適正化する作用が充分に
発揮できないからであり、一方5.0重量部よりも
多いと炭化珪素粒子間に過剰の炭素が存在し、焼
結を著しく阻害するからである。 前記炭素質添加剤は、焼結開始時に少なくとも
100m2/gの比表面積を有するものであることが
有利である。その理由は前記焼結開始時における
比表面積が100m2/gよりも小さいとSiCの拡散
を適正化する作用が弱いため、充分にSiCの拡散
を適正化する作用を発揮させるには大量に添加し
なければならず、焼結体中の介在物層を増加させ
る結果となり高強度の焼結体を得難いからであ
る。 前記炭素質添加剤としては、焼結開始時に炭素
を存在させられるものであれば使用でき、例えば
フエノール樹脂、リグニンスルホン酸塩、ポリビ
ニルアルコール、コンスターチ、糖蜜、コールタ
ールピツチ、アルギン酸塩、ポリフエニレンのよ
うな各種有機物質あるいは、カーボンブラツク、
アセチレンブラツクのような熱分解炭素が有利に
使用できる。 本発明によれば、炭化珪素微粉(ロ)とホウ素含有
添加剤と炭素質添加剤を均質混合した後、任意の
形状を有する生成形体に成形し、次いで非酸化性
雰囲気中で1700〜2300℃で焼結し、2.8g/cm3
上の密度を有する炭化珪素焼結体が製造される。 本発明によれば、前記非酸化性雰囲気としては
アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセ
ノン、水素から選ばれるいずれか少なくとも1種
からなるガス雰囲気であることが有利である。 ところで、本発明における焼結時には先にも記
載した如く、前記式(1)、(2)に従つてCOガスが発
生する。前記COガスが多量に存在すると前記式
の反応が抑制され炭化珪素表面のシリカ膜除去が
不充分となり、充分な焼結収縮が得られないし、
シリカ膜が残存すると炭化珪素焼結体内で介在相
を形成し焼結体の物性特に機械的強度を劣化させ
るため、COガスを炉内より除去しなければなら
ない。従つて本発明によれば炉内を前記ガス気流
雰囲気とすることが有利である。なお前記焼結時
の炉内雰囲気のCOガス分圧は10KPa以下に維持
することが有利である。 本発明によれば、前記生成形体を1700〜2300℃
の範囲内に焼結することが必要である。その理由
は焼結温度が1700℃より低いと本発明の2.8g/
cm3以上の密度を有する焼結体を得ることが困難で
あり、逆に2300℃より高い温度では結晶粒の成長
が著しく、焼結体の物性例えば機械的強度が低下
するからであり、特に均一な微細構造でかつ高強
度の焼結体を得る上では1900〜2100℃の温度範囲
内で焼結することが有利である。 本発明によれば、前記焼結温度に至る昇温過程
のうち1500〜1700℃の温度範囲内において、前記
シリカ膜の除去反応を速やかに進行させてネツク
の生成反応を均一に発生させるために充分時間前
記温度範囲におけるCOガス分圧を1KPaより低く
維持することが有利である。 次に本発明を実施例および比較例について具体
的に説明する。 実施例 1 珪砂粉末(SiO2=99.6%、全Al=0.1%、80メ
ツシユ以下)、無煙炭粉末(C=87.8%、全Al=
0.4%、325メツシユ以下)およびピツチ粉末(C
=50.4%、200メツシユ以下、珪砂に対して7重
量%配合)をC/SiO2モル比が3.8になるように
配合し、縦型スクリユー混合機に入れて10分間混
合した。前記配合原料にCMC0.5%水溶液をスプ
レーしながら皿型造粒機を用いて成形し、篩とバ
ーグリズリーで整粒した後、乾燥して平均粒径
10.5mm、嵩比重0.6の成形原料を得た。次いで前
記成形原料を前記特公昭57−48485号公報に記載
したと同様の製造装置の上部より装入し、間接電
気加熱して約2000℃の温度でSiC化反応を行なわ
せた。さらに得られた生成物を精製、粒度分級し
て炭化珪素粉末を調製した。 前記炭化珪素粉末は44%が4H型結晶で45%が
β型結晶よりなり、4H型結晶のa軸の格子定数
の平均値は3.082Å、c軸の格子定数の平均値は
10.087Åであり、β型結晶の格子定数は4.3627Å
であつた。 なお、前記4H型結晶の格子定数は(122)
(215)および(1010)の回折線から、β型結晶の
格子定数は(420)の回折線から求めた。 前記炭化珪素粉末99.95gと比表面積が27.8
m2/gの炭化ホウ素粉末0.068gと固定炭素含有
率51.6重量%のノボラツク型フエノール樹脂2.0
gとの混合物に対し、アセトン150mlを添加し、
振動ミルを使用して2時間混合処理した。前記振
動ミルより混合物スラリーを排出し噴霧乾燥して
平均粒径が、0.10mm、粉体嵩密度が34%(1.11
g/cm3)の顆粒を得た。 この顆粒から適量を採取し、金属性押し型を用
いて0.15t/cm2の圧力で仮成形し、次に静水圧プ
レス機を用いて1.8t/cm2の圧力で成形した。前記
成形によつて得られた生成形体の密度は2.01g/
cm3(相対理論密度率63%)であることが認められ
た。 前記生成形体をタンマン型焼結炉に装入し、大
気圧下のアルゴンガス気流中で焼結した。昇温過
程は常温〜1650℃は5℃/min、1650℃にて40分
間保持した後、さらに5℃/min、で昇温し最高
温度2000℃で30分間保持した。焼結中のCOガス
分圧は常温〜1650℃が5KPa以下、1650℃で保持
する際は0.5KPa以下、1650℃より高温域では
5KPa以下となるようにアルゴンガス流量を適宜
調整した。 得られた焼結体はアルミニウムを0.7重量%、
遊離炭素を1.0重量%含有し、3.10g/cm3(相対
理論密度率97.0%)の密度を有していた。またこ
の焼結体の粉末X線回折測定を行つた結果、この
焼結体は74%がα型結晶であることが認められ
た。 前記焼結体を30×30×1mmの板状に加工し、ア
セトンで洗浄して耐酸化性テスト用試料を作成し
た。前記試料を1400℃の空気雰囲気に保持された
加熱炉中で20時間処理し、処理前後の重量増加量
を測定したところ処理前に比較して0.02mg/cm2
割合であり、耐酸化性に優れていることが認めら
れた。 実施例2、比較例1 実施例1に記載したと同様であるが、無煙炭粉
末に換えて第1表に示した如くアルミニウム含有
量の異なるオイルコークス粉末を使用して第1表
に示した温度で炭化珪素粉末を調製した。 得られた炭化珪素粉末の物性は第1表に示し
た。 前記第1表に示した炭化珪素粉末を使用し、実
施例1と同様であるが、第1表に示した如く、ホ
ウ素の添加率を変えて焼結体を得た。得られた焼
結体の物性は実施例1に示したと同様の方法で測
定し、第1表に示した。
【表】
〔発明の効果〕
以上本発明によれば、高密度でかつ耐酸化性に
優れた炭化珪素無加圧焼結体を安価に製造するこ
とができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭化珪素微粉を無加圧焼結する炭化珪素焼結
    体の製造方法において、 4H型結晶の含有率が5重量%以上で、前記4H
    型結晶のa軸の格子定数の平均値が3.075Å以上、
    c軸の格子定数の平均値が10.060Å以上である炭
    化珪素を主として含有する炭化珪素を主として含
    有する炭化珪素微粉100重量部とホウ素含有量に
    換算して0.01〜0.25重量部のホウ素含有添加剤と
    固定炭素含有量に換算して0.3〜5.0重量部の炭素
    質添加剤とを均質混合した後、任意の形状を有す
    る生成形体に成形し、次いで非酸化性雰囲気中で
    1700〜2300℃で焼結し、2.8g/cm3以上の密度を
    有する炭化珪素焼結体を製造することを特徴とす
    る炭化珪素焼結体の製造方法。 2 前記炭化珪素は、4H型結晶以外に面におけ
    る格子定数の平均値が4.3584Å以上のβ型結晶を
    5〜90重量%含有する特許請求の範囲第1項記載
    の製造方法。 3 前記炭化珪素は、4H型、6H型および15R型
    の結晶の含有量の合計が10重量%以上である特許
    請求の範囲第1あるいは2項記載の製造方法。 4 前記炭化珪素は、アルミニウムを0.02〜1.5
    重量%含有したものである特許請求の範囲第1〜
    3項のいずれかに記載の製造方法。 5 前記炭化珪素微粉は、4H型結晶の含有率が
    5重量%以上で、前記4H型結晶のa軸の格子定
    数の平均値が3.075Å以上、c軸の格子定数の平
    均値が10.060Å以上である炭化珪素を少なくとも
    50重量%含有する特許請求の範囲第1〜4項のい
    ずれかに記載の製造方法。
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