JP2002338366A - 高純度炭化珪素発熱体およびその製造方法 - Google Patents

高純度炭化珪素発熱体およびその製造方法

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JP2002338366A JP2001150844A JP2001150844A JP2002338366A JP 2002338366 A JP2002338366 A JP 2002338366A JP 2001150844 A JP2001150844 A JP 2001150844A JP 2001150844 A JP2001150844 A JP 2001150844A JP 2002338366 A JP2002338366 A JP 2002338366A
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Nobuyoshi Shimoyama
暢善 下山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染を嫌う半導体分野などで使用される各種
装置のヒータとして有用な、非汚染性の高純度炭化珪素
発熱体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 平均粒子径100 μm 以下、Fe含有量10pp
m 以下の高純度α型炭化珪素粉末Aを60〜80重量%、平
均粒子径2 μm 以下、Fe含有量30ppm 以下の高純度α型
炭化珪素粉末Bを10〜20重量%、平均粒子径1 μm 以
下、Fe含有量200ppm以下のα型炭化珪素粉末Cを10〜20
重量%の割合で混合した炭化珪素混合粉末に水を加えて
混練し、調製したスラリーを鋳込み成形して得られた成
形体を非酸化性雰囲気中1800〜2200℃の温度で焼成し、
次いで焼結体を酸処理して不純物を溶解除去して得られ
た炭化珪素焼結体からなることを特徴とする高純度炭化
珪素発熱体およびその製造方法。炭化珪素焼結体はFe含
有量が10ppm 以下、室温での電気比抵抗が0.1 Ωcm以
下、密度が2.5g/cm3以上の物性を有していることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば汚染を嫌う
半導体分野などで使用される各種装置のヒータとして有
用な、非汚染性の高純度炭化珪素発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素焼結体は耐熱性、耐熱衝撃性、
耐蝕性、高温強度特性などに優れており、また抵抗値が
発熱体に適した値を有しているため、従来から高温用の
抵抗発熱体として広く使用されている。
【0003】炭化珪素焼結体はSiC粉末を原料とし
て、焼結助剤やバインダーを加えて混練し、混練物を押
出し成形する方法やSiC粉末を水などの溶媒中に分散
させたスラリーを石膏型などの吸水性の材料で作製した
成形型に注入して成形する方法により作製した成形体を
焼結する再結晶化法、あるいは、SiC粉末と炭素の混
合粉末を成形し、成形体に高温で溶融した金属Siを熱
処理して含浸させ、炭素とSiの固相−液相反応により
生成したSiCの二次粒子によりSiC粉末を結合させ
る反応焼結法、などにより製造されている。
【0004】炭化珪素発熱体は、これらの方法により製
造したロッド状、パイプ状、シート状などの所望形状の
炭化珪素焼結体から形成されるが、反応焼結法により製
造される炭化珪素発熱体は成形体の形状が制約され、大
型、複雑形状の発熱体の製造が困難である。一方、再結
晶化法による炭化珪素焼結体は組織の緻密性に欠ける難
点があり、発熱体として長期に亘って安定に使用するこ
とができないという欠点がある。
【0005】そこで、この欠点を解消するために、例え
ば特公昭59−23072号公報には再結晶炭化珪素体
の表面にCVD法により、厚さ10μ以上の緻密質炭化
珪素膜を形成した炭化珪素発熱体が提案されている。ま
た、特開平4−248285号公報には再結晶質の炭化
珪素体を減圧系内に保持し、加熱しながらハロゲン化有
機珪素化合物を間欠的に供給して還元熱分解反応させる
パルスCVI法により組織空孔および表面に緻密なアモ
ルファスSiCを析出沈着させる炭化珪素発熱体の製造
方法が開示されている。
【0006】しかしながら、これらの発熱体は汚染を嫌
う半導体分野での使用を意図したものではないために、
炭化珪素発熱体自身に含まれる不純物、例えばFeなど
の金属不純物含有量が多く、緻密質炭化珪素膜に亀裂が
発生したり、剥離が生じたりした場合には不純物の揮散
により加熱装置内が汚染され、半導体製品に品質上のト
ラブルを発生させる大きな問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人は、
半導体製造用の各種ヒータとして好適な、非汚染性の高
純度炭化珪素発熱体として、Fe含有量が10ppm 以
下、室温での電気比抵抗が0.1Ωcm以下の多孔質炭化
珪素を母材とし、その表面にCVD法による厚さ60〜
200μm の炭化珪素被膜が形成されてなる高純度炭化
珪素発熱体、および粒子径範囲が10μm 以下の炭化珪
素粉末と水との混合スラリーを所定形状に成形し、成形
体を温度800〜1300℃のHClガス中に所定時間
保持したのち非酸化性雰囲気下1800〜2000℃の
温度で加熱焼成し、次いで焼成体を酸処理して不純物を
溶解除去して得られたFe含有量が10ppm 以下、室温
での電気比抵抗が0.1Ωcm以下の多孔質炭化珪素を母
材とし、その表面にCVD法により60〜200μm の
炭化珪素被膜を形成する高純度炭化珪素発熱体の製造方
法(特開平10−287472号公報)を開発、提案し
た。
【0008】しかしながら、CVD法(CVI法)によ
る炭化珪素被膜の形成は被膜生成能率が低いという難点
がある。そこで、本発明者は、非汚染性の高純度炭化珪
素発熱体の開発について更に研究を進めた結果、被膜生
成能率の低いCVD法による炭化珪素被膜を形成するこ
となく、組織構造が緻密で、高純度の炭化珪素発熱体の
開発に成功した。すなわち、本発明の目的は、半導体分
野などで使用される各種装置のヒータとして有用な、非
汚染性の高純度炭化珪素発熱体およびその製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による高純度炭化珪素発熱体は、平均粒子径1
00μm 以下、Fe含有量10ppm 以下の高純度α型炭
化珪素粉末Aを60〜80重量%、平均粒子径2μm 以
下、Fe含有量30 ppm以下の高純度α型炭化珪素粉末
Bを10〜20重量%、平均粒子径1μm 以下、Fe含
有量200ppm以下のα型炭化珪素粉末Cを10〜20
重量%、の割合で混合した炭化珪素混合粉末に水を加え
て混練し、調製したスラリーを鋳込み成形して得られた
成形体を非酸化性雰囲気中1800〜2200℃の温度
で焼成し、次いで焼結体を酸処理して不純物を溶解除去
して得られた炭化珪素焼結体からなることを構成上の特
徴とする。
【0010】なお、炭化珪素焼結体は、Fe含有量が1
0ppm 以下、室温における電気比抵抗が0.1Ωcm以
下、密度が2.5g/cm3 以上の物性を有するものである
ことが好ましい。
【0011】また、本発明の高純度炭化珪素発熱体の製
造方法は、平均粒子径100μm 以下、Fe含有量10
ppm 以下の高純度α型炭化珪素粉末Aを60〜80重量
%、平均粒子径2μm 以下、Fe含有量30 ppm以下の
高純度α型炭化珪素粉末Bを10〜20重量%、平均粒
子径1μm 以下、Fe含有量200ppm 以下のα型炭化
珪素粉末Cを10〜20重量%、の割合で混合した炭化
珪素混合粉末に水を加えて混練し、調製したスラリーを
鋳込み成形して得られた成形体を非酸化性雰囲気中18
00〜2200℃の温度で焼成し、次いで焼結体を酸処
理して不純物を溶解除去することを構成上の特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の高純度炭化珪素発熱体
は、粒度調整した平均粒子径の異なる炭化珪素粉末を用
い、その金属不純物としてのFe含有量および混合割合
を特定範囲に調整した原料炭化珪素粉末を用いてスラリ
ー化し、スラリーを鋳込み成形した成形体を焼成し、得
られた焼結体を酸処理して不純物を溶解除去して得られ
た再結晶質の炭化珪素焼結体からなるものである。
【0013】すなわち、本発明の高純度炭化珪素発熱体
は、原料炭化珪素粉末として平均粒子径100μm 以
下、Fe含有量10ppm 以下の高純度α型炭化珪素粉末
Aを60〜80重量%、平均粒子径2μm 以下、Fe含
有量30 ppm以下の高純度α型炭化珪素粉末Bを10〜
20重量%、平均粒子径1μm 以下、Fe含有量200
ppm 以下のα型炭化珪素粉末Cを10〜20重量%、の
割合で混合した炭化珪素混合粉末が用いられる。
【0014】このような粒度特性の異なる炭化珪素粉末
を使用するのは、焼結体の密度を高位に保持するためで
あり、例えば平均粒子径が100μm を越えるものを使
用した場合には焼結体の密度を2.5g/cm3 以上に保持
することが困難となる。そこで、本発明は平均粒子径が
100μm 以下、2μm 以下、および、1μm 以下の3
種類の炭化珪素粉末を混合したものが用いられる。
【0015】一方、高純度α型炭化珪素粉末は高価であ
り、特に粒度が細かく、例えば平均粒子径が1μm 以
下、粒子径範囲が6μm 以下の微細な高純度α型炭化珪
素粉末では極めて高価格となるため、製造コストが増大
し、不利になる。そこで、本発明は微細な原料炭化珪素
粉末として価格が安く、入手が容易な通常の市販品を使
用し、高価な高純度α型炭化珪素粉末には粒子径の大き
な炭化珪素粉末が用いられる。
【0016】すなわち、高純度α型炭化珪素粉末とし
て、平均粒子径100μm 以下、Fe含有量10ppm 以
下の炭化珪素粉末Aと平均粒子径2μm 以下、Fe含有
量30ppm 以下の炭化珪素粉末Bの2種類の炭化珪素粉
末が用いられる。一方、微細な原料炭化珪素粉末として
は、安価に入手可能な平均粒子径1μm 以下、Fe含有
量200ppm 以下のα型炭化珪素粉末Cが用いられる。
なお、平均粒子径は好ましくは、高純度α型炭化珪素粉
末Aは80〜100μm 、同Bは1〜3μm であり、α
型炭化珪素粉末Cは微細な程、焼結体の密度向上に有利
となる。
【0017】これらの炭化珪素粉末A、B、Cは、Aを
60〜80重量%、Bを10〜20重量%、Cを10〜
20重量%の割合で混合して作成した炭化珪素混合粉末
が原料として用いられる。このような混合割合に設定す
るのは、原料炭化珪素粉末中のFe含有量を低く抑える
とともに焼結体の密度を高く維持するためである。
【0018】この炭化珪素混合粉末は水と混合されて、
充分に混練してスラリー化する。スラリーの調製は、成
形型に注入し、鋳込み成形に好ましい適宜な粘度となる
ように炭化珪素混合粉末と水との量比が調節される。ス
ラリーは、鋳込み成形により所望形状に成形したのち、
成形体を不活性ガス、窒素ガスあるいは真空中などの非
酸化性雰囲気中1800〜2200℃の温度に所定時
間、加熱保持して焼成される。焼成温度が1800℃未
満では焼結が充分に行われず、焼結体の強度が低くなり
発熱体として耐久性が不充分となり、一方焼成温度が2
200℃を越えると炭化珪素の分解が生じるためであ
る。
【0019】次いで、焼結体を適宜濃度のフッ酸、硝酸
あるいは塩酸などの溶液中に浸漬して、不純物が溶解除
去される。この酸処理によりFeをはじめとする各種金
属不純物が溶解除去されて、高純度の炭化珪素焼結体か
らなる発熱体が得られる。
【0020】本発明の高純度炭化珪素発熱体は、その物
性としてFe含有量が10ppm 以下、室温における電気
比抵抗が0.1Ωcm以下、密度が2.5g/cm3 以上の物
性を備えていることが好ましい。
【0021】半導体分野などの各種装置に使用される発
熱体には、高純度で、装置内を汚染しない非汚染性が必
要であり、特に金属不純物による汚染は、半導体の製品
性能に重大な影響を与えることになる。そこで、炭化珪
素焼結体の原料であるSiC粉末中に含まれる最も多い
金属不純物であるFe不純物の含有量を低減化すること
により、少なくとも炭化珪素焼結体中のFe含有量を1
0ppm 以下とすることが好ましい。Fe含有量が10pp
m を越えると、発熱体として使用時に溶融、気化したF
eによる装置内の汚染が問題となるためである。
【0022】また、本発明の高純度炭化珪素発熱体は、
発熱体としての必要な発熱特性を保持するために室温に
おける電気比抵抗が0.1Ωcm以下であり、また発熱体
としての耐久寿命を確保するためにその密度が2.5g/
cm3 以上であることが好ましい。
【0023】このように本発明の高純度炭化珪素発熱体
は、平均粒子径およびFe含有量の異なる2種類の高純
度α型炭化珪素粉末A、Bと、微細なα型炭化珪素粉末
Cとを所定の割合で混合した炭化珪素混合粉末を原料と
して、鋳込み成形し、成形体を焼成し、更に酸処理して
不純物を溶解除去して得られた炭化珪素焼結体から構成
されており、好ましくはFe含有量が10ppm 以下、室
温における電気比抵抗が0.1Ωcm以下、密度が2.5
g/cm3 以上の物性を備えており、半導体分野などで好適
に使用される非汚染性の高純度炭化珪素発熱体およびそ
の製造方法が提供される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0025】実施例1 平均粒子径96μm 、Fe含有量10ppm の市販の高純
度α型炭化珪素粉末Aを70重量%、平均粒子径1.9
μm 、Fe含有量26ppm の市販の高純度α型炭化珪素
粉末Bを20重量%、平均粒子径0.7μm 、Fe含有
量160ppm の市販のα型炭化珪素粉末Cを10重量
%、の割合で混合した原料炭化珪素混合粉末100重量
部に純水20重量部を加えて、ボールミルで18時間混
練してスラリーを調製した。このスラリーを石膏型に流
し込み、鋳込み成形したのち離型、乾燥して、外径20
mm、内径10mm、高さ200mmの円筒状成形体を作製し
た。この成形体を窒素ガス雰囲気中2000℃の温度に
加熱して焼成した。得られた焼結体をフッ酸/硝酸の混
酸溶液に18時間浸漬して酸処理したのち、純水で充分
に洗浄、乾燥して炭化珪素焼結体を製造した。
【0026】実施例2 平均粒子径96μm 、Fe含有量10ppm の市販の高純
度α型炭化珪素粉末Aを70重量%、平均粒子径1.9
μm 、Fe含有量26ppm の市販の高純度α型炭化珪素
粉末Bを10重量%、平均粒子径0.7μm 、Fe含有
量160ppm の市販のα型炭化珪素粉末Cを20重量
%、の割合で混合した原料炭化珪素混合粉末を用いた他
は、全て実施例1と同じ方法によりスラリーの調製、鋳
込み成形、焼成、および酸処理を行って、炭化珪素焼結
体を製造した。
【0027】比較例1 平均粒子径96μm 、Fe含有量10ppm の市販の高純
度α型炭化珪素粉末Aを50重量%、平均粒子径1.9
μm 、Fe含有量26ppm の市販の高純度α型炭化珪素
粉末Bを50重量%、の割合で混合した原料炭化珪素混
合粉末を用いた他は、全て実施例1と同じ方法によりス
ラリーの調製、鋳込み成形、焼成、および酸処理を行っ
て、炭化珪素焼結体を製造した。
【0028】比較例2 平均粒子径96μm 、Fe含有量10ppm の市販の高純
度α型炭化珪素粉末Aを60重量%、平均粒子径1.9
μm 、Fe含有量26ppm の市販の高純度α型炭化珪素
粉末Bを40重量%、の割合で混合した原料炭化珪素混
合粉末を用いた他は、全て実施例1と同じ方法によりス
ラリーの調製、鋳込み成形、焼成、および酸処理を行っ
て、炭化珪素焼結体を製造した。
【0029】比較例3 平均粒子径96μm 、Fe含有量10ppm の市販の高純
度α型炭化珪素粉末Aを70重量%、平均粒子径1.9
μm 、Fe含有量26ppm の市販の高純度α型炭化珪素
粉末Bを30重量%、の割合で混合した原料炭化珪素混
合粉末を用いた他は、全て実施例1と同じ方法によりス
ラリーの調製、鋳込み成形、焼成、および酸処理を行っ
て、炭化珪素焼結体を製造した。
【0030】比較例4 平均粒子径96μm 、Fe含有量10ppm の市販の高純
度α型炭化珪素粉末Aを80重量%、平均粒子径1.9
μm 、Fe含有量26ppm の市販の高純度α型炭化珪素
粉末Bを20重量%、の割合で混合した原料炭化珪素混
合粉末を用いた他は、全て実施例1と同じ方法によりス
ラリーの調製、鋳込み成形、焼成、および酸処理を行っ
て、炭化珪素焼結体を製造した。
【0031】比較例5 平均粒子径96μm 、Fe含有量10ppm の市販の高純
度α型炭化珪素粉末Aを70重量%、平均粒子径0.7
μm 、Fe含有量160ppm の市販のα型炭化珪素粉末
Cを30重量%、の割合で混合した原料炭化珪素混合粉
末を用いた他は、全て実施例1と同じ方法によりスラリ
ーの調製、鋳込み成形、焼成、および酸処理を行って、
炭化珪素焼結体を製造した。
【0032】比較例6 酸処理を施さない他は、全て実施例1と同じ方法により
炭化珪素焼結体を製造した。
【0033】このようにして製造した炭化珪素焼結体に
ついて、Fe含有量、室温における電気比抵抗、およ
び、密度を測定した。得られた結果を、製造条件と対比
して、表1に示した。
【0034】
【表1】 表注; *1 平均粒子径96μm 、Fe含有量10ppm の高純度α型炭化珪素粉末 *2 平均粒子径1.9μm 、Fe含有量26ppm の高純度α型炭化珪素粉末 *3 平均粒子径0.7μm 、Fe含有量160ppm のα型炭化珪素粉末
【0035】表1の結果から、平均粒子径96μm 、F
e含有量10ppm の高純度α型炭化珪素粉末Aを70重
量%に、平均粒子径1.9μm 、Fe含有量26ppm の
高純度α型炭化珪素粉末Bを20重量%、平均粒子径
0.7μm 、Fe含有量160ppm のα型炭化珪素粉末
Cを10重量%、あるいは、高純度α型炭化珪素粉末B
を10重量%、α型炭化珪素粉末Cを20重量%、の割
合で混合した炭化珪素混合粉末を原料として用いてスラ
リーを調製し、鋳込み成形した成形体を窒素ガス雰囲気
中で2000℃の温度で焼成し、更に酸処理を施した実
施例1、2の炭化珪素焼結体はFe含有量、室温におけ
る電気比抵抗、密度などの物性が高純度発熱体として好
ましい物性を備えていることが判る。
【0036】これに対して、微細なα型炭化珪素粉末C
を配合しない炭化珪素混合粉末を原料として用いた比較
例1〜4では焼結体の密度が低く、また、高純度α型炭
化珪素粉末Bを配合せず、微細なα型炭化珪素粉末Cを
30重量%配合した炭化珪素混合粉末を原料として用い
た比較例5では焼結体の密度は高くなるが、Fe含有量
が多くなることが認められる。なお、実施例1と比較例
6との対比から、酸処理を施さない比較例6では焼結体
のFe含有量が多くなることが認められる。
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、平均粒子径100μm 以
下、Fe含有量10ppm 以下の高純度α型炭化珪素粉末
Aを60〜80重量%、平均粒子径2μm 以下、Fe含
有量30 ppm以下の高純度α型炭化珪素粉末Bを10〜
20重量%、平均粒子径1μm以下、Fe含有量200p
pm 以下のα型炭化珪素粉末Cを10〜20重量%、の
割合で混合した炭化珪素混合粉末を原料として用い、こ
の原料に水を加えて混練し、調製したスラリーを鋳込み
成形して得られた成形体を、非酸化性雰囲気中で180
0〜2200℃の温度で焼成し、次いで焼結体を酸処理
して不純物を溶解除去して得られた炭化珪素焼結体から
なる本発明の高純度炭化珪素発熱体およびその製造方法
によれば、例えば、Fe含有量が10ppm 以下、室温に
おける電気比抵抗が0.1Ωcm以下、密度が2.5g/cm
3 以上の物性を有しており、例えば汚染を嫌う半導体分
野などで使用される各種装置の高純度炭化珪素発熱体お
よびその製造方法として極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径100μm 以下、Fe含有量
    10ppm 以下の高純度α型炭化珪素粉末Aを60〜80
    重量%、平均粒子径2μm 以下、Fe含有量30 ppm以
    下の高純度α型炭化珪素粉末Bを10〜20重量%、平
    均粒子径1μm 以下、Fe含有量200ppm 以下のα型
    炭化珪素粉末Cを10〜20重量%、の割合で混合した
    炭化珪素混合粉末に水を加えて混練し、調製したスラリ
    ーを鋳込み成形して得られた成形体を非酸化性雰囲気中
    1800〜2200℃の温度で焼成し、次いで焼結体を
    酸処理して不純物を溶解除去して得られた炭化珪素焼結
    体からなることを特徴とする高純度炭化珪素発熱体。
  2. 【請求項2】 炭化珪素焼結体が、Fe含有量10ppm
    以下、室温における電気比抵抗0.1Ωcm以下、密度
    2.5g/cm3 以上の物性を有する、請求項1記載の高純
    度炭化珪素発熱体。
  3. 【請求項3】 平均粒子径100μm 以下、Fe含有量
    10ppm 以下の高純度α型炭化珪素粉末Aを60〜80
    重量%、平均粒子径2μm 以下、Fe含有量30 ppm以
    下の高純度α型炭化珪素粉末Bを10〜20重量%、平
    均粒子径1μm 以下、Fe含有量200ppm 以下のα型
    炭化珪素粉末Cを10〜20重量%、の割合で混合した
    炭化珪素混合粉末に水を加えて混練し、調製したスラリ
    ーを鋳込み成形して得られた成形体を非酸化性雰囲気中
    1800〜2200℃の温度で焼成し、次いで焼結体を
    酸処理して不純物を溶解除去することを特徴とする高純
    度炭化珪素発熱体の製造方法。
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