JP2000185979A - 多孔質炭化珪素成形体の製造方法 - Google Patents
多孔質炭化珪素成形体の製造方法Info
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B38/00—Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
- C04B38/0022—Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof obtained by a chemical conversion or reaction other than those relating to the setting or hardening of cement-like material or to the formation of a sol or a gel, e.g. by carbonising or pyrolysing preformed cellular materials based on polymers, organo-metallic or organo-silicon precursors
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い気孔率を有するとともに材質強度に優れ
た多孔質炭化珪素成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコールで表面を補強した
SiCウイスカープリフォームに、ポリカルボシランを
溶解したバインダー溶液を含浸し、乾燥した後、非酸化
性雰囲気中700〜1700℃の温度で熱処理して、ポ
リカルボシランから転化した炭化珪素〔SiC(p) 〕と
プリフォーム中のSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との
重量比〔SiC(p) 〕/〔SiC(w) 〕が1〜40重量
%の組成からなる多孔質炭化珪素成形体の製造方法。
た多孔質炭化珪素成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコールで表面を補強した
SiCウイスカープリフォームに、ポリカルボシランを
溶解したバインダー溶液を含浸し、乾燥した後、非酸化
性雰囲気中700〜1700℃の温度で熱処理して、ポ
リカルボシランから転化した炭化珪素〔SiC(p) 〕と
プリフォーム中のSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との
重量比〔SiC(p) 〕/〔SiC(w) 〕が1〜40重量
%の組成からなる多孔質炭化珪素成形体の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高気孔率を有する
とともに強度特性に優れた多孔質炭化珪素成形体の製造
方法に関する。
とともに強度特性に優れた多孔質炭化珪素成形体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素成形体は耐熱性や耐蝕性に優
れ、高温における強度も高いことから高温下で用いる各
種構造部材として広く利用されている。また、成形体の
組織構造を多孔質とした多孔質炭化珪素成形体は溶融金
属用フィルター、通気性断熱材、触媒担体、排気ガス用
フィルター、複合基材などの多様な用途分野で有用され
ている。
れ、高温における強度も高いことから高温下で用いる各
種構造部材として広く利用されている。また、成形体の
組織構造を多孔質とした多孔質炭化珪素成形体は溶融金
属用フィルター、通気性断熱材、触媒担体、排気ガス用
フィルター、複合基材などの多様な用途分野で有用され
ている。
【0003】多孔質炭化珪素成形体を製造する方法とし
ては、ポリウレタンフォームのような三次元網目構造の
有機質多孔体にSiCのスラリーを含浸させて乾燥した
のち、熱処理して有機質体を焼却除去する方法が知られ
ている(例えば、特開昭58−122016号公報)。この方法
により製造される多孔質炭化珪素成形体は、有機質体を
焼却除去して形成された炭化珪素の骨格体を焼結するも
のであるから80%以上の高い気孔率を付与することが
できる反面、材質強度が極めて低いという欠点がある。
ては、ポリウレタンフォームのような三次元網目構造の
有機質多孔体にSiCのスラリーを含浸させて乾燥した
のち、熱処理して有機質体を焼却除去する方法が知られ
ている(例えば、特開昭58−122016号公報)。この方法
により製造される多孔質炭化珪素成形体は、有機質体を
焼却除去して形成された炭化珪素の骨格体を焼結するも
のであるから80%以上の高い気孔率を付与することが
できる反面、材質強度が極めて低いという欠点がある。
【0004】また、多孔質炭化珪素成形体の製造方法と
しては炭化珪素の粉末に有機質の樹脂バインダーを加え
て混合し、この混合物を所定形状に成形したのち焼成し
て炭化珪素の粉末粒子を粒成長させる方法も知られてお
り、例えば特開平3−215374号公報には平均粒径
が100〜150μm で、平均粒径の±20%以内に9
0重量%以上が存在するような粒度分布を有する炭化珪
素顆粒に成形用バインダーと可塑剤を添加して混合した
後、該顆粒の表層部分が潰れて相互に連結し、かつその
内部が未潰れの状態で成形体中に残存するような成形圧
力で成形し、次いで焼結する方法が開示されている。
しては炭化珪素の粉末に有機質の樹脂バインダーを加え
て混合し、この混合物を所定形状に成形したのち焼成し
て炭化珪素の粉末粒子を粒成長させる方法も知られてお
り、例えば特開平3−215374号公報には平均粒径
が100〜150μm で、平均粒径の±20%以内に9
0重量%以上が存在するような粒度分布を有する炭化珪
素顆粒に成形用バインダーと可塑剤を添加して混合した
後、該顆粒の表層部分が潰れて相互に連結し、かつその
内部が未潰れの状態で成形体中に残存するような成形圧
力で成形し、次いで焼結する方法が開示されている。
【0005】更に、特開平3−215375号公報には
炭化珪素粉末に炭素質物質を配合してなる原料組成物か
ら成形体を成形し、これを非酸化性雰囲気下にて焼成し
て炭化珪素粉末を焼結させることにより、炭素質物質が
分散含有された炭化珪素焼結体を形成し、その後、その
焼結体を酸化性雰囲気下にて加熱することにより焼結体
中の炭素質物質を燃焼して消失させ、焼結体中に気孔を
形成する方法が、また特開平4−187578号公報に
はβ型炭化珪素粉末にα型炭化珪素粉末を配合した原料
炭化珪素粉末から成形体を成形し、その成形体を焼成す
ることによりβ型炭化珪素の異常粒成長を抑制して気孔
径を制御する方法が提案されている。
炭化珪素粉末に炭素質物質を配合してなる原料組成物か
ら成形体を成形し、これを非酸化性雰囲気下にて焼成し
て炭化珪素粉末を焼結させることにより、炭素質物質が
分散含有された炭化珪素焼結体を形成し、その後、その
焼結体を酸化性雰囲気下にて加熱することにより焼結体
中の炭素質物質を燃焼して消失させ、焼結体中に気孔を
形成する方法が、また特開平4−187578号公報に
はβ型炭化珪素粉末にα型炭化珪素粉末を配合した原料
炭化珪素粉末から成形体を成形し、その成形体を焼成す
ることによりβ型炭化珪素の異常粒成長を抑制して気孔
径を制御する方法が提案されている。
【0006】これらの方法により気孔率が50%程度の
多孔質炭化珪素焼結体を製造することができるが、多孔
質体を構成する炭化珪素粒子の結合は炭化珪素微粒子の
粒成長のみによるものであるから機械的強度が小さく、
気孔特性と強度特性の両立を図ることは困難である。
多孔質炭化珪素焼結体を製造することができるが、多孔
質体を構成する炭化珪素粒子の結合は炭化珪素微粒子の
粒成長のみによるものであるから機械的強度が小さく、
気孔特性と強度特性の両立を図ることは困難である。
【0007】また、炭化珪素粉末と焼結助材を適宜な分
散剤を用いて水中に分散させて均一なスラリーを調製
し、このスラリーを石膏型などの吸水性の材料で作製し
た成形型に注入して脱水し、得られた成形体を焼結する
ことにより炭化珪素焼結体を製造する方法も開発されて
いる。
散剤を用いて水中に分散させて均一なスラリーを調製
し、このスラリーを石膏型などの吸水性の材料で作製し
た成形型に注入して脱水し、得られた成形体を焼結する
ことにより炭化珪素焼結体を製造する方法も開発されて
いる。
【0008】例えば、特開平6−293575号公報に
は、メソフェ−ズ含有ピッチで被覆されてなる炭化珪素
粉末及び溶媒とからなるスラリー中に均一に分散安定化
された微細泡を生成し、該微細泡含有スラリーを用いて
鋳込み成形により成形体を形成し、該成形体を非酸化性
雰囲気下に乾燥及び焼成した後、珪素を含浸させ、次い
で、未反応珪素を除去することを特徴とする高強度多孔
質炭化珪素材の製造方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法ではスラリー中に微細な泡を均一に生成さ
せることが難しく、さらに微細泡の分散状態を安定に維
持することが困難であるという問題がある。
は、メソフェ−ズ含有ピッチで被覆されてなる炭化珪素
粉末及び溶媒とからなるスラリー中に均一に分散安定化
された微細泡を生成し、該微細泡含有スラリーを用いて
鋳込み成形により成形体を形成し、該成形体を非酸化性
雰囲気下に乾燥及び焼成した後、珪素を含浸させ、次い
で、未反応珪素を除去することを特徴とする高強度多孔
質炭化珪素材の製造方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法ではスラリー中に微細な泡を均一に生成さ
せることが難しく、さらに微細泡の分散状態を安定に維
持することが困難であるという問題がある。
【0009】また、本出願人は、直径0.3〜1.5μ
m 、長さ10〜100μm の性状を有するβ結晶型主体
のSiCウイスカーを、ポリカルボシランを溶解したバ
インダー溶液と混練し、次いで混練物を成形、乾燥した
のち不活性雰囲気下で前記ポリカルボシランが炭化珪素
化する温度で焼成処理し、更に不活性雰囲気中で170
0〜2000℃の温度域で加熱処理することを特徴とす
る多孔質炭化珪素体の製造方法を開発、提案した(特開
平7−82052 号公報)。
m 、長さ10〜100μm の性状を有するβ結晶型主体
のSiCウイスカーを、ポリカルボシランを溶解したバ
インダー溶液と混練し、次いで混練物を成形、乾燥した
のち不活性雰囲気下で前記ポリカルボシランが炭化珪素
化する温度で焼成処理し、更に不活性雰囲気中で170
0〜2000℃の温度域で加熱処理することを特徴とす
る多孔質炭化珪素体の製造方法を開発、提案した(特開
平7−82052 号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記特開平
7−82052号公報の技術を基に更に改良を加えたも
のであって、その目的は高い気孔率と大きな材質強度を
備える多孔質炭化珪素成形体の製造方法を提供すること
にある。
7−82052号公報の技術を基に更に改良を加えたも
のであって、その目的は高い気孔率と大きな材質強度を
備える多孔質炭化珪素成形体の製造方法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、ポリビニルアルコールで表面を補強したS
iCウイスカープリフォームに、ポリカルボシランを溶
解したバインダー溶液を含浸し、乾燥した後、非酸化性
雰囲気中700〜1700℃の温度で熱処理してポリカ
ルボシランから転化した炭化珪素〔SiC(p) 〕とプリ
フォーム中のSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との重量
比〔SiC(p) 〕/〔SiC(w) 〕が1〜40重量%の
組成からなる多孔質炭化珪素成形体の製造方法である。
の本発明は、ポリビニルアルコールで表面を補強したS
iCウイスカープリフォームに、ポリカルボシランを溶
解したバインダー溶液を含浸し、乾燥した後、非酸化性
雰囲気中700〜1700℃の温度で熱処理してポリカ
ルボシランから転化した炭化珪素〔SiC(p) 〕とプリ
フォーム中のSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との重量
比〔SiC(p) 〕/〔SiC(w) 〕が1〜40重量%の
組成からなる多孔質炭化珪素成形体の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】多孔質炭化珪素成形体の骨格を構
成する原料となるSiCウイスカーは、直径0.1〜
1.5μm 、長さ30〜100μm 程度の微細短繊維状
の単結晶からなる高強度特性を備えた物質であり、プリ
フォームは微細短繊維状のSiCウイスカーを水または
有機溶媒などの分散媒中に均一に分散させた分散液を濾
過、乾燥することにより作製される。分散媒中に均一に
分散させるためには界面活性剤などの分散剤を用いるこ
とも好ましく、またSiCウイスカーの分散濃度は2〜
3重量%程度に設定される。この分散液は濾過容器を用
いて減圧または加圧下に濾過して所望形状の成形体に成
形し、乾燥してプリフォームが作製される。
成する原料となるSiCウイスカーは、直径0.1〜
1.5μm 、長さ30〜100μm 程度の微細短繊維状
の単結晶からなる高強度特性を備えた物質であり、プリ
フォームは微細短繊維状のSiCウイスカーを水または
有機溶媒などの分散媒中に均一に分散させた分散液を濾
過、乾燥することにより作製される。分散媒中に均一に
分散させるためには界面活性剤などの分散剤を用いるこ
とも好ましく、またSiCウイスカーの分散濃度は2〜
3重量%程度に設定される。この分散液は濾過容器を用
いて減圧または加圧下に濾過して所望形状の成形体に成
形し、乾燥してプリフォームが作製される。
【0013】このようにして作製されるSiCウイスカ
ープリフォームの気孔性状は、ウイスカーの体積含有率
(Vf)を制御することによって調節することができ、均質
な組織構造を有しているが強度的に充分なものではない
ためにバインダー溶液を含浸する際に変形を生じ易い難
点がある。そこで、本発明はSiCウイスカープリフォ
ームの表面にポリビニルアルコールの水溶液を均一に噴
霧、滴下、あるいは塗布し、加熱乾燥して固化すること
によって補強するものである。なお、ポリビニルアルコ
ール水溶液の濃度は0.5〜1重量%程度に設定するこ
とが好ましく、また、SiCウイスカープリフォームに
対するポリビニルアルコール水溶液の含有量は0.1〜
5重量%に調整することが好ましい。
ープリフォームの気孔性状は、ウイスカーの体積含有率
(Vf)を制御することによって調節することができ、均質
な組織構造を有しているが強度的に充分なものではない
ためにバインダー溶液を含浸する際に変形を生じ易い難
点がある。そこで、本発明はSiCウイスカープリフォ
ームの表面にポリビニルアルコールの水溶液を均一に噴
霧、滴下、あるいは塗布し、加熱乾燥して固化すること
によって補強するものである。なお、ポリビニルアルコ
ール水溶液の濃度は0.5〜1重量%程度に設定するこ
とが好ましく、また、SiCウイスカープリフォームに
対するポリビニルアルコール水溶液の含有量は0.1〜
5重量%に調整することが好ましい。
【0014】ポリビニルアルコールで表面を補強したS
iCウイスカープリフォームは液状または固形のポリカ
ルボシランを溶解したバインダー溶液が含浸される。バ
インダー溶液はポリカルボシランを溶解することのでき
る揮発性の有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン、ヘキサン、エーテルなどの有機溶媒にポリカルボ
シランを適宜濃度に溶解して用いられ、バインダー溶液
の含浸はSiCウイスカープリフォームの表面にバイン
ダー溶液を均一に噴霧や滴下や塗布する、あるいはバイ
ンダー溶液中にSiCウイスカープリフォームを浸漬す
るなどの方法で行うことができる。
iCウイスカープリフォームは液状または固形のポリカ
ルボシランを溶解したバインダー溶液が含浸される。バ
インダー溶液はポリカルボシランを溶解することのでき
る揮発性の有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン、ヘキサン、エーテルなどの有機溶媒にポリカルボ
シランを適宜濃度に溶解して用いられ、バインダー溶液
の含浸はSiCウイスカープリフォームの表面にバイン
ダー溶液を均一に噴霧や滴下や塗布する、あるいはバイ
ンダー溶液中にSiCウイスカープリフォームを浸漬す
るなどの方法で行うことができる。
【0015】このようにしてバインダー溶液を含浸した
SiCウイスカープリフォームは、風乾した後100℃
程度の温度で乾燥することにより有機溶媒が揮散除去さ
れ、SiCウイスカープリフォームにポリカルボシラン
を均一に被着することができる。この場合、ポリカルボ
シランの含浸量は、多孔質炭化珪素成形体の組成が、ポ
リカルボシランから転化した炭化珪素〔SiC(p) 〕と
プリフォーム中のSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との
重量比〔SiC(p) 〕/〔SiC(w) 〕の値が1〜40
重量%の組成範囲となるように設定される。
SiCウイスカープリフォームは、風乾した後100℃
程度の温度で乾燥することにより有機溶媒が揮散除去さ
れ、SiCウイスカープリフォームにポリカルボシラン
を均一に被着することができる。この場合、ポリカルボ
シランの含浸量は、多孔質炭化珪素成形体の組成が、ポ
リカルボシランから転化した炭化珪素〔SiC(p) 〕と
プリフォーム中のSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との
重量比〔SiC(p) 〕/〔SiC(w) 〕の値が1〜40
重量%の組成範囲となるように設定される。
【0016】次いで、真空、水素ガス、またはアルゴ
ン、ネオンなどの不活性ガス雰囲気中で700〜170
0℃の温度、好ましくは1000〜1600℃の温度範
囲で熱処理してポリカルボシランをSiCに転化するこ
とによって、SiCウイスカーの骨格部分にポリカルボ
シランが転化したSiCが一体的に形成された多孔質炭
化珪素成形体が製造される。なお、熱処理温度が700
℃未満ではポリカルボシランの熱分解が不充分なため材
質強度が低下し、一方1700℃を越える場合も材質強
度の低下を招くこととなるためである。
ン、ネオンなどの不活性ガス雰囲気中で700〜170
0℃の温度、好ましくは1000〜1600℃の温度範
囲で熱処理してポリカルボシランをSiCに転化するこ
とによって、SiCウイスカーの骨格部分にポリカルボ
シランが転化したSiCが一体的に形成された多孔質炭
化珪素成形体が製造される。なお、熱処理温度が700
℃未満ではポリカルボシランの熱分解が不充分なため材
質強度が低下し、一方1700℃を越える場合も材質強
度の低下を招くこととなるためである。
【0017】このようにして強度特性の優れたSiCウ
イスカーを骨格として、SiCウイスカーの骨格にポリ
カルボシランが転化したSiCが均一に一体化した組織
構造の多孔質炭化珪素成形体が形成されるので、高い気
孔率と大きな材質強度とを備えた多孔質炭化珪素成形体
を製造することが可能となる。
イスカーを骨格として、SiCウイスカーの骨格にポリ
カルボシランが転化したSiCが均一に一体化した組織
構造の多孔質炭化珪素成形体が形成されるので、高い気
孔率と大きな材質強度とを備えた多孔質炭化珪素成形体
を製造することが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
体的に説明する。
【0019】実施例1〜7、比較例1〜3 直径0.5〜1.0μm 、長さ50〜100μm のβ型
SiCウイスカーをモールドプレスによる加圧手段で凝
集塊性状の異なるSiCウイスカーを調製し、0.1重
量%の界面活性剤を溶解した純水中に入れてヘンシェル
型攪拌機により充分に攪拌、混合して、SiCウイスカ
ーの分散液濃度が2重量%の分散液を調製した。分散液
を直径100mmの円筒型濾過装置に流入し、上部から4
kg/cm2の空気を圧入して加圧濾過成形した。得られた濾
過ケーキを100℃の温度で乾燥して、SiCウイスカ
ーの体積含有率(Vf)の異なる直径100mm、高さ100
mmの円柱状のSiCウイスカープリフォームを作製し
た。
SiCウイスカーをモールドプレスによる加圧手段で凝
集塊性状の異なるSiCウイスカーを調製し、0.1重
量%の界面活性剤を溶解した純水中に入れてヘンシェル
型攪拌機により充分に攪拌、混合して、SiCウイスカ
ーの分散液濃度が2重量%の分散液を調製した。分散液
を直径100mmの円筒型濾過装置に流入し、上部から4
kg/cm2の空気を圧入して加圧濾過成形した。得られた濾
過ケーキを100℃の温度で乾燥して、SiCウイスカ
ーの体積含有率(Vf)の異なる直径100mm、高さ100
mmの円柱状のSiCウイスカープリフォームを作製し
た。
【0020】これらのプリフォームに濃度1重量%のポ
リビニルアルコール水溶液を均一に噴霧したのち、15
0℃の温度で加熱乾燥して固化し、SiCウイスカープ
リフォームの表面を補強した。次いで、ポリカルボシラ
ンをトルエンに異なる量比で溶解した溶液を所定量塗布
し、風乾後、100℃で乾燥してトルエンを揮散除去し
た。次いで、アルゴンガス雰囲気に保持された加熱炉に
入れ、100℃/hrの昇温速度で1000℃に加熱し、
5時間保持して熱処理した。
リビニルアルコール水溶液を均一に噴霧したのち、15
0℃の温度で加熱乾燥して固化し、SiCウイスカープ
リフォームの表面を補強した。次いで、ポリカルボシラ
ンをトルエンに異なる量比で溶解した溶液を所定量塗布
し、風乾後、100℃で乾燥してトルエンを揮散除去し
た。次いで、アルゴンガス雰囲気に保持された加熱炉に
入れ、100℃/hrの昇温速度で1000℃に加熱し、
5時間保持して熱処理した。
【0021】このようにして製造した多孔質炭化珪素成
形体の嵩密度、気孔率および曲げ強度を測定した。な
お、気孔率は水銀圧入法、曲げ強度はJIS R160
1による測定値である。得られた結果を、製造条件と対
比して表1に示した。
形体の嵩密度、気孔率および曲げ強度を測定した。な
お、気孔率は水銀圧入法、曲げ強度はJIS R160
1による測定値である。得られた結果を、製造条件と対
比して表1に示した。
【0022】
【表1】 (表注): *1 ; プリフォーム中のSiCウイスカーの体積含有率 *2 ; ポリビニルアルコールによる補強の有無 *3 ; 多孔質炭化珪素成形体中のポリカルボシランから転化した炭化珪素〔S iC(p) 〕とSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との重量比 (%)
【0023】表1から、本発明の条件を満たす実施例1
〜7の炭化珪素成形体は低嵩密度、高気孔率で曲げ強度
が高く、SiC(p) /SiC(w) の重量比が大きくなる
と強度が高くなっている。一方、SiC(p) /SiC
(w) の重量比の低い比較例1〜2では強度が低くなって
いる。また、ポリビニルアルコール水溶液で補強してい
ない比較例3ではポリカルボシラン溶液を噴霧した時に
SiCプリフォームに割れを生じた。
〜7の炭化珪素成形体は低嵩密度、高気孔率で曲げ強度
が高く、SiC(p) /SiC(w) の重量比が大きくなる
と強度が高くなっている。一方、SiC(p) /SiC
(w) の重量比の低い比較例1〜2では強度が低くなって
いる。また、ポリビニルアルコール水溶液で補強してい
ない比較例3ではポリカルボシラン溶液を噴霧した時に
SiCプリフォームに割れを生じた。
【0024】実施例8〜13、比較例4〜7 SiCウイスカープリフォームのVfを35%として、
実施例1と同様に同一サイズの成形体を作製し、表面を
ポリビニルアルコール補強したSiCウイスカープリフ
ォームを作製した。ポリカルボシランをトルエンに異な
る量比で溶解した溶液をSiCウイスカープリフォーム
に所定量塗布し、風乾後、100℃で乾燥してトルエン
を揮散除去した。次いでアルゴンガス雰囲気に保持され
た加熱炉に入れ、100℃/hrの昇温速度で種々温度で
加熱し、5時間保持して熱処理した。
実施例1と同様に同一サイズの成形体を作製し、表面を
ポリビニルアルコール補強したSiCウイスカープリフ
ォームを作製した。ポリカルボシランをトルエンに異な
る量比で溶解した溶液をSiCウイスカープリフォーム
に所定量塗布し、風乾後、100℃で乾燥してトルエン
を揮散除去した。次いでアルゴンガス雰囲気に保持され
た加熱炉に入れ、100℃/hrの昇温速度で種々温度で
加熱し、5時間保持して熱処理した。
【0025】このようにして製造した多孔質炭化珪素成
形体の嵩密度、気孔率および曲げ強度を測定した。な
お、気孔率は水銀圧入法、曲げ強度はJIS R160
1による測定値である。得られた結果を、製造条件と対
比して表2に示した。
形体の嵩密度、気孔率および曲げ強度を測定した。な
お、気孔率は水銀圧入法、曲げ強度はJIS R160
1による測定値である。得られた結果を、製造条件と対
比して表2に示した。
【0026】
【表2】 (表注): *2 ; ポリビニルアルコールによる補強の有無 *3 ; 多孔質炭化珪素成形体中のポリカルボシランから転化した炭化珪素〔S iC(p) 〕とSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との重量比 (%)
【0027】熱処理温度が本発明の条件を満たす実施例
8〜13の炭化珪素成形体は、低嵩密度、高気孔率で曲
げ強度が高く、また、熱処理温度が低い比較例4、5で
はSiC(p) /SiC(w) 比率が高くてもポリカルボシ
ランのSiCへの転化が不充分なために曲げ強度が低
く、熱処理温度が高い比較例6、7もSiCが熱分解を
生じるため強度が低いことが判る。
8〜13の炭化珪素成形体は、低嵩密度、高気孔率で曲
げ強度が高く、また、熱処理温度が低い比較例4、5で
はSiC(p) /SiC(w) 比率が高くてもポリカルボシ
ランのSiCへの転化が不充分なために曲げ強度が低
く、熱処理温度が高い比較例6、7もSiCが熱分解を
生じるため強度が低いことが判る。
【0028】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればプリフォ
ームの表面をポリビニルアルコールで補強したSiCウ
イスカープリフォームに、ポリカルボシランを溶解した
バインダー溶液を含浸して熱処理し、ポリカルボシラン
を熱分解してSiCに転化させるものであるから、強度
特性の優れたSiCウイスカーを骨格として、SiCウ
イスカーの骨格にポリカルボシランが転化したSiCが
均一に一体化した組織構造を備え、高い気孔率と大きな
材質強度を有する多孔質炭化珪素成形体の製造が可能と
なる。また、プリフォームは補強されているので、バイ
ンダー溶液を含浸する際に変形することがなく、所定形
状の多孔質炭化珪素成形体を製造することができる。
ームの表面をポリビニルアルコールで補強したSiCウ
イスカープリフォームに、ポリカルボシランを溶解した
バインダー溶液を含浸して熱処理し、ポリカルボシラン
を熱分解してSiCに転化させるものであるから、強度
特性の優れたSiCウイスカーを骨格として、SiCウ
イスカーの骨格にポリカルボシランが転化したSiCが
均一に一体化した組織構造を備え、高い気孔率と大きな
材質強度を有する多孔質炭化珪素成形体の製造が可能と
なる。また、プリフォームは補強されているので、バイ
ンダー溶液を含浸する際に変形することがなく、所定形
状の多孔質炭化珪素成形体を製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールで表面を補強した
SiCウイスカープリフォームに、ポリカルボシランを
溶解したバインダー溶液を含浸し、乾燥した後、非酸化
性雰囲気中700〜1700℃の温度で熱処理してポリ
カルボシランから転化した炭化珪素〔SiC(p) 〕とプ
リフォーム中のSiCウイスカー〔SiC(w) 〕との重
量比〔SiC(p) 〕/〔SiC(w) 〕が1〜40重量%
の組成からなる多孔質炭化珪素成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10362148A JP2000185979A (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 多孔質炭化珪素成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10362148A JP2000185979A (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 多孔質炭化珪素成形体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000185979A true JP2000185979A (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=18476069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10362148A Pending JP2000185979A (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 多孔質炭化珪素成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000185979A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4782416B2 (ja) * | 2002-05-31 | 2011-09-28 | ズード−ケミー ハイ−テック セラミックス インコーポレイティド | 溶融金属濾過用繊維強化フィルター及びそのようなフィルターの製造方法 |
WO2015016072A1 (ja) * | 2013-07-31 | 2015-02-05 | イビデン株式会社 | セラミック複合材料及びセラミック複合材料の製造方法 |
WO2015016071A1 (ja) * | 2013-07-31 | 2015-02-05 | イビデン株式会社 | SiC繊維強化SiC複合材料及びSiC繊維強化SiC複合材料の製造方法 |
WO2016037316A1 (zh) | 2014-09-09 | 2016-03-17 | 南京工业大学 | 一种sic多孔陶瓷材料的制备方法及由其制得的多孔陶瓷材料 |
-
1998
- 1998-12-21 JP JP10362148A patent/JP2000185979A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4782416B2 (ja) * | 2002-05-31 | 2011-09-28 | ズード−ケミー ハイ−テック セラミックス インコーポレイティド | 溶融金属濾過用繊維強化フィルター及びそのようなフィルターの製造方法 |
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