JP2851100B2 - 低密度炭化珪素多孔質体の製造方法 - Google Patents

低密度炭化珪素多孔質体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高気孔率を有する低密度炭化珪素多孔質体の
製造方法に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 昨今、炭化上珪素多孔質体は、例えば、その中に金
属、樹脂、潤滑剤等の各種物質を含浸させて、その物性
に特徴を付与した新規複合材料を開発するための骨材、
ガス浄化用の触媒担体、あるいは酸やアルカリ等の腐蝕
性の強い溶液を濾過するためのフィルターとして、その
用途が広く開拓されつつある。特に、、炭化珪素多孔質
体を担体として利用する場合には、高い気孔率を有し担
持効率に優れる低密度の多孔質体が一般に要求される。
従来、炭化珪素多孔質体の製造方法としては、炭化珪
素粉末に有機樹脂バインダー等を加えて成形した後、炭
化珪素の再結晶温度以上の高温度で加熱焼成することに
より炭化珪素多孔質体を形成する方法が知られている。
しかし、この方法では気孔率が最大でも40%程度で、嵩
密度も2.0g/cm3程度と比較的高い多孔質体しか得られな
いという問題があった。
一方、特開昭58−122016号公報においては、高分子発
泡体材料に炭化珪素素地泥漿を含浸し、該高分子発泡体
材料を熱処理により消失せしめて炭化珪素素地スケルト
ン構造体を形成後、これを焼結させて低密度炭化珪素多
孔質体を製造する方法が開示されている。この方法で
は、気孔径の大きい多孔質体とする場合には気孔率を80
〜90%と高くすることができる反面、炭化珪素粒子間の
結合が弱く、多孔質体の機械的強度が極めて低いという
問題があった。また、発泡材料が消失するまでに長大な
時間を要し、生産性が低いという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目
的は、高気孔率を有すると共に機械的強度にも優れた炭
化珪素多孔質体を簡便かつ確実に製造することのできる
低密度炭化珪素多孔質体の製造方法を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記課題を解決するために本発明においては、炭化珪
素粉末に炭素質物質を配合してなる原料組成物から成形
体を成形し、これを非酸化性雰囲気下にて焼成して炭化
珪素粉末を焼結させることにより、炭素質物質が分散含
有された炭化珪素焼結体を形成し、その後、その焼結体
を酸化性雰囲気下にて加熱することにより焼結体中の炭
素質物質を燃焼して消失させ、焼結体中に気孔を形成し
ている。
この方法では、炭化珪素粒子を互いに完全に焼結させ
た後、焼結粒子間に介在される炭素質物質を燃焼させ、
その消失部位を気孔としているため、焼結体の強度が確
保され、しかも炭素質物質の配合割合を適宜設定するこ
とにより、焼結体の気孔率を任意に設定することができ
る。
本発明について更に詳細に説明すると、前記炭化珪素
粉末としては、α型又はβ型の炭化珪素を微細粒子状態
又は顆粒状態にて使用することが望ましい。使用する炭
化珪素粉末の平均粒径は、焼結によって得られる多孔質
体において所望の気孔径を実現するために任意に選定さ
れる。但し、平均粒径が200μmを超える場合、得られ
た多孔質体の機械的強度を著しく低下させるため、一般
には顆粒も含めて200μm以下のものを使用することが
望ましい。
前記炭素質物質としては、ファーネスブラック、サー
マルブラック、コンタクトブラック、ランプブラック等
に代表される粉末状のサーボンブラックや、コークス粉
末が使用される。前記炭化珪素粉末が焼結され、炭素質
物質が消失されるまでの間、成形体の形を崩さないよう
にする必要があるため、炭素質物質として液状のものを
単独で使用することは不適当である。
炭素質物質の平均粒径は、前記炭化珪素粉末の平均粒
径の1/10〜1/5の範囲とすることが好ましい。この平均
粒径が前記1/10未満では、炭化珪素粉末の粒径を選定す
ることにより所望の気孔率を有する多孔質体を得ること
が困難になり、平均粒径が前記1/5を超えると、炭化珪
素粉末の焼結が不十分となって多孔質体の機械的強度が
著しく低下する。
炭素質物質の炭化珪素粉末に対する配合割合は、炭化
珪素粉末100重量部に対して炭素質物質50〜200重量部の
範囲が好適であり、更に望ましくは50〜100重量部の範
囲である。
この配合割合が50重量部未満では、炭化珪素粉末間の
粒成長のために得られる多孔質体の気孔率が低くなる。
また、高気孔率の焼結体を得るためには、炭素質物質を
50重量部以上配合し、炭化珪素粉末の粒成長を適度に抑
制することが必要である。一方、前記配合割合が200重
量部を超えると、焼成時に成形体が崩壊してしまい、焼
結体を得ることができなくなる。炭素質物質の配合割合
を100〜200重量部とする範囲においては、当該炭素質物
質を消失させた後の多孔質体の機械的強度を低下させる
傾向にあるが、再度焼成することによって強度の向上を
図ることも可能である。
炭化珪素粉末及び炭素質物質の混合によって原料組成
物を得る場合、成形用バインダーを添加することが望ま
しい。
成形用バインダーとしては、ポリエチレングリコール
(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、フェノール樹
脂、メチルセルロース(MC)等の有機樹脂バインダーの
他、アルミナゾル、シリカゾル等が使用される。この成
形用バインダーの配合割合は一般に、炭化珪素粉末及び
炭素質物質の合計100重量部に対し、1〜10重量部の範
囲が好適である。この配合割合が1重量部未満では、成
形体の強度が不十分となり、10重量部を超えると、バイ
ンダーを除去する際に成形体にクラックが発生し易くな
る。
上記原料組成物から成形された成形体は非酸化性雰囲
気下にて焼成されて炭化珪素粉末のみが焼結され、炭素
質物質を含有した炭化珪素焼結体が得られる。
非酸化性雰囲気下にて焼成するのは、焼成時の熱によ
って炭素質物質が焼成し消失するのを防止するためであ
る。この時の焼成温度は1800〜2000℃の範囲が好まし
い。焼成温度が1800℃未満では炭化珪素粉末の焼結が不
十分となって、多孔質体の強度が低下し、一方、2000℃
を超えると炭化珪素粉末の粒成長が進行して多孔質体の
気孔率が低下する。
その後、前記焼結体を酸化性雰囲気下にて加熱すると
により焼結体中の炭素質物質及び成形用バインダー等に
由来する残留炭素を燃焼して消失させる。この時の加熱
温度は600〜800℃の範囲が好適である。この加熱温度が
600℃未満では炭素質物質を充分に燃焼させることがで
きず、一方、800℃を超えると炭化珪素の結晶粒が酸化
され、強度が劣化するので好ましくない。
このように、前記焼結体の炭化珪素骨格はそのまま残
された状態で、炭素質物質が締めていた部分には気孔が
形成されるため、多数の微細気孔を有すると共に、気孔
率にして70〜80%の低密度炭化珪素多孔質体が確実に形
成される。
[実施例1及び2並びに比較例1〜3] (実施例1) スプレードライ製法によって得た平均粒径が100μm
の炭化珪素顆粒10gに、平均粒径が20μmのコークス粉
末10gを配合すると共に、ポリエチレングリコール0.2g
及びアセトン30gを加え、メノウ乳鉢にて充分に湿式混
合して原料組成物を得た。この原料組成物をカーボン製
円筒成形型(内径40mm)に充填し、一軸プレス機を使用
して面圧150〜200kg f/cm2にて加圧成形することによ
り、円板状の成形体(φ40mm×5mm)を形成した。
この成形体を焼結炉を使用してアルゴン雰囲気下、昇
温速度5℃/min.にて加熱を開始し、1900℃にて4時間
焼成した。その後、この焼結体を酸化炉に移し、昇温速
度5℃/min.にて加熱を開始し、800℃にて1時間加熱す
ることにより炭化珪素多孔質体を得た。
この多孔質体について嵩密度、気孔率、角棒(3mm×4
mm×36mm)による三点曲げ強度を測定した。その結果を
表−1に示す。
(実施例2) 平均粒径が0.3μmの炭化珪素粉末10gに、平均粒径が
500Åのアセチレングラック10gを配合すると共に、ポリ
エチレングリコール0.2g及びアセトン30gを加え、メノ
ウ乳鉢にて充分に湿式混合して原料組成物を得た。
以下、前記実施例1と同様にして炭化珪素多孔質体を
作成し、嵩密度、気孔率、角棒(3mm×4mm×36mm)によ
る三点曲げ強度を測定した。その結果を表−1に示す。
(比較例1) スプレードライ製法によって得た平均粒径が100μm
の炭化珪素顆粒10gに、平均粒径が20μmのコークス粉
末1gを配合すると共に、ポリエチレングリコール0.2g及
びアセトン30gを加え、メノウ乳鉢にて充分に湿式混合
して原料組成物を得た。
以下、前記実施例1と同様にして炭化珪素多孔質体を
作成し、嵩密度、気孔率、角棒(3mm×4mm×36mm)によ
る三点曲げ強度を測定した。その結果を表−1に示す。
(比較例2) スプレードライ製法によって得た平均粒径が100μm
の炭化珪素顆粒10gに、平均粒径が1μmのコークス粉
末10gを配合すると共に、ポリエチレングリコール0.2g
及びアセトン30gを加え、メノウ乳鉢にて充分に湿式混
合して原料組成物を得た。
以下、前記実施例1と同様にして炭化珪素多孔質体を
作成しようとしたが、酸化炉にて加熱処理した後に焼結
体が崩壊してしまい、炭化珪素多孔質体は得られなかっ
た。
(比較例3) 平均粒径が0.3μmの炭化珪素粉末10gに、平均粒径が
1μmのコークス粉末10gを配合すると共に、ポリエチ
レングリコール0.2g及びアセトン30gを加え、メノウ乳
鉢にて充分に湿式混合して原料組成物を得た。
以下、前記実施例1と同様にして炭化珪素多孔質体を
作成しようとしたが、酸化炉にて加熱処理した後に焼結
体が崩壊してしまい、炭化珪素多孔質体は得られなかっ
た。
表−1からわかるように、原料炭化珪素顆粒の平均粒
径に対して粒径が1/5のコークスを使用すると共に両者
の配合比を1対1とした実施例1、及び原料炭化珪素粉
末の平均粒径に対して粒径が約0.17倍のアセチレンブラ
ックを使用すると共に両者の配合比を1対1とした実施
例2においては、気孔率が77〜78%と極めて高く、しか
も、比較的強度に優れた低密度炭化珪素多孔質体を確実
に得ることができた。
これに対し、原料炭化珪素顆粒に対してコークスをそ
の10分の1しか配合していない比較例1においては、高
気孔率の多孔質体を得ることができず、また、原料炭化
珪素顆粒の平均粒径に対して粒径が1/100のコークスを
使用した比較例2、及び原料炭化珪素粉末の平均粒径に
対して粒径が約3.3倍のコークスを使用した比較例3に
おいては、いずれも製造途中で崩壊してしまい多孔質体
を形成することができなかった。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、高気孔率を有す
ると共に機械的強度にも優れた低密度炭化珪素多孔質体
を簡便かつ確実に製造することのできるという優れた効
果を奏する。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素粉末に炭素質物質を配合してなる
    原料組成物から成形体を成形し、これを非酸化性雰囲気
    下にて焼成して炭化珪素粉末を焼結させることにより、
    炭素質物質が分散含有された炭化珪素焼結体を形成し、
    その後、その焼結体を酸化性雰囲気下にて加熱すること
    により焼結体中の炭素質物質を燃焼して消失させ、焼結
    体中に気孔を形成することを特徴とする低密度炭化珪素
    多孔質体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記原料組成物は、炭化珪素粉末100重量
    部に対して炭素質物質50〜200重量部を配合したもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の低密度炭化珪素
    多孔質体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記炭素質物質は、その平均粒径が炭化珪
    素粉末の平均粒径の1/10〜1/5の粒状物質であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の低密度炭化珪素多孔
    質体の製造方法。
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