JPH05317133A - 自動引き込み装置 - Google Patents

自動引き込み装置

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JPH05317133A
JPH05317133A JP4148396A JP14839692A JPH05317133A JP H05317133 A JPH05317133 A JP H05317133A JP 4148396 A JP4148396 A JP 4148396A JP 14839692 A JP14839692 A JP 14839692A JP H05317133 A JPH05317133 A JP H05317133A
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drawer
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rotor
fixed
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Yojiro Nakayama
洋二郎 中山
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Sugatsune Kogyo Co Ltd
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Sugatsune Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動引き込み装置をスライド装置と別体にし、
自動引き込み装置の取り付け位置の自由度を大きくす
る。 【構成】引き出しの底板に固定したガイドロッド11
に、第1スライダ14と第2スライダ15を、周方向に
回転不能で軸線方向にスライド自在に設ける。第2スラ
イダ15の内部には制動機構を設ける。第1スライダ1
4にクラッチアーム17と回転子21を回転自在に設け
る。回転子21はガイドロッド11の凹部11dを摺動
する。凹部11d内においては回転子21は回転不能で
あり、凹部11eにおいて回転可能となる。クラッチア
ーム17に設けたピン25を、第2スライダ15の長孔
48に移動可能に挿入する。第2スライダ15と支持ブ
ロック13との間にスプリング16を設け、両スライダ
14,15を支持ブロック12に接近する方向に付勢す
る。外箱の底板に、クラッチアームと係合離脱可能な係
合ピン18を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、引き出し装置等に用
いられる自動引き込み装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】引き出し装置においては自動引き込み装
置が装備されたものがある。この種の引き出し装置で
は、外箱から引き出された引き出しを所定の位置まで押
し込むと、その後は引き出しを押さなくても自動的に外
箱の中に引き込まれるようになっている。
【0003】特開平4−28307号公報に、該種引き
出し装置の一例が開示されている。この引き出し装置に
おいては、固定レールとスライドレール等からなるスラ
イド装置によって、引き出し装置の引き出しが外箱にス
ライド自在に支持されており、自動引き込み装置はこれ
ら固定レールとスライドレールとの間に設けられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにスライド装
置に自動引き込み装置を併設すると、スライド装置の構
造が複雑になったり、スライド装置の大型化を招く等の
問題が生じた。又、固定レールとスライドレールを有す
るスライド装置を備えることが前提となるので、この種
のスライド装置を備えていない引き出し装置には自動引
き込み機能を付与することができなかった。
【0005】この発明は上述従来の技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、スラ
イド装置と別体にすることができ、汎用性に富む自動引
き込み装置を提供しようとするところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上述目的を達
成するためになされたもので、その要旨は、固定体と、
この固定体にスライド自在に支持され出し入れ可能にさ
れた移動体とを具備し、固定体から引き出された移動体
を自動的に固定体に引き込む自動引き込み装置におい
て、(イ)上記固定体と移動体のいずれか一方に、その軸
線を移動体のスライド方向に向けて固定されたガイド部
材と、(ロ)上記ガイド部材にその軸線方向へスライド自
在に取り付けられたスライダと、(ハ)上記移動体を引き
込む方向へ移動せしめるべく上記スライダを付勢する付
勢手段と、(ニ)上記固定体と移動体の残る他方に設けら
れた係合部材と、(ホ)上記スライダに取り付けられ、上
記ガイド部材に設けられた軸線方向に延びる案内路に沿
って移動自在にされており、且つ、上記移動体が所定引
き出し点よりも引き込み終点寄りに位置しているときに
はガイド部材に対して回転不能にされ、移動体が上記所
定引き出し点に位置したときに回転可能にされた回転子
と、(ヘ)上記回転子に連繋されて上記スライダに回転自
在に取り付けられており、上記移動体が上記所定引き出
し点よりも引き込み終点寄りに位置しているときには上
記係合部材に係合し、移動体が上記所定引き出し点に位
置したときに上記回転子とともに回転して係合部材との
係合を解除するクラッチアーム、とを具備することを特
徴とする自動引き込み装置にある。
【0007】
【作用】移動体が引き込み終点に位置しているときに
は、係合部材がクラッチアームに係合している。この状
態から移動体を固定体から引き出すと、移動体が所定引
き出し点に至るまでは、回転子及びクラッチアームが回
転不能なため、係合部材とクラッチアームとの係合が保
持される。したがって、移動体を引き込み終点から所定
引き出し点まで引き出す間は、スライダを付勢手段の付
勢力に抗して移動させることとなり、付勢手段の付勢力
が強められることとなる。
【0008】移動体が所定引き出し点に至ると、回転子
及びクラッチアームが回転する。その結果、付勢手段に
強力な付勢力を保持させた状態で、スライダはガイド部
材の軸線方向に移動不能にされる。又、係合部材とクラ
ッチアームの係合が解除されて、係合部材とクラッチア
ームは互いに離反可能となる。その結果、移動体を固定
体から更に引き出すことができるようになる。
【0009】移動体を固定体に引き込む場合には、これ
と逆になる。即ち、移動体が所定引き出し点に引き込ま
れると、係合部材がクラッチアームに係合して、クラッ
チアーム及び回転子を回転させる。そして、スライダが
ガイド部材の軸線方向にスライド可能な状態になり、付
勢手段の付勢力によって移動せしめられる。この付勢力
によりスライダが移動せしめられる間、係合部材とクラ
ッチアームの係合状態が保持されているので、移動体は
引き込み終点まで自動的に引き込まれることとなる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1から図7ま
での図面に基づいて説明する。図7は、この考案に係る
自動引き込み装置を備えた引き出し装置を下側から見た
外観斜視図である。
【0011】引き出し装置は、外箱(固定体)1と、この
外箱1の内部に収容され出し入れ可能にされた引き出し
(移動体)2とを有している。外箱1と引き出し2との間
には、固定レールとスライドレール等からなる周知のス
ライド装置3が設置されており、このスライド装置3に
よって、引き出し2は外箱1に対して極めてスムーズに
スライド可能に支持されている。
【0012】この引き出し装置においては、外箱1の底
板1aと引き出し2の底板2aとの間に空間が設けられ
ており、この空間を利用して、これら底板1a,2aの
間に自動引き込み装置10が設けられている。
【0013】以下、自動引き込み装置10について説明
する。図4(A)は外箱1の底板1aを除去して下側から
見た引き出し装置の横断面図であり、図4(B)は引き出
し装置の縦断面図(図4(A)III−III断面図)である。こ
の図に示すように、引き出し2の底板2aの前部には、
前後方向へ延びるガイドロッド(ガイド部材)11が、支
持ブロック12,13を介して固定されている。このガ
イドロッド11には、互いに連繋する第1スライダ14
と第2スライダ15が、周方向に回転不能で且つ前後方
向へスライド自在に取り付けられている。
【0014】上記支持ブロック13と第2スライダ15
との間には、ガイドロッド11の外周に捲回されたスプ
リング(付勢手段)16が設けられており、このスプリン
グ16によって上記両スライダ14,15は支持ブロッ
ク12に接近する方向へ付勢されている。
【0015】第1スライダ14にはクラッチアーム17
が回転自在に取り付けられている。又、外箱1の底板1
aの前部には、このクラッチアーム17に対して係合離
脱可能にされた係合ピン(係合部材)18が起立姿勢に固
定されている。この係合ピン18は、図4に示すように
引き出し2を外箱1内の引き込み終点まで完全に収納し
た状態においては、クラッチアーム17と係合してい
る。
【0016】上記ガイドロッド11と第1スライダ14
及び第2スライダ15の詳細構造を図1から図3を参照
して説明する。図1はこの実施例における自動引き込み
装置の主要部の平面図であって、図1(A)は引き出し2
が外箱1内の引き込み終点に位置した状態、図1(B)は
引き出し2を途中の所定引き出し点まで引き出した状態
を示している。又、図2は図1(A)のI−I断面図であ
り、図3は図1(A)のII−II断面図である。
【0017】ガイドロッド11の外周面には互いに周方
向に離間して、ラック11aと、凹部11bと、凹部1
1cと、凹部(案内路)11dが、ガイドロッド11の軸
線に沿って形成されている。凹部11cと凹部11d
は、ガイドロッド11の前端(支持ブロック12側)から
ほぼ中央部に亙って形成されており、ラック11aと凹
部11bはガイドロッド11の前端を始点として凹部1
1c,11dよりも後端(支持ブロック13側)に接近し
た位置まで延びている。凹部11dの後端は、後述する
回転子21が回転できるように凹部11dよりも幅広く
削られた凹部11eに連なっている。
【0018】一方、第1スライダ14は、図3に示すよ
うに、ガイドロッド11を挿通せしめる貫通孔19を有
している。貫通孔19の内面には突部19aが形成され
ており、この突部19aがガイドロッド11の凹部11
cに係合するようになっている。この係合によって、第
1スライダ14はガイドロッド11に対して回転不能に
されている。
【0019】第1スライダ14には、ガイドロッド11
の凹部11dと対向する部位に、回転シャフト20が回
転自在に取り付けられている。この回転シャフト20の
内側突出端には回転子21が固定されており、回転シャ
フト20の外側突出端には前記クラッチアーム17が固
定されている。回転子21は図1(A)に示すように平面
視略長方形をなし、ガイドロッド11の凹部11dに挿
入されており、凹部11d内において回転不能で、ガイ
ドロッド11の軸線方向に沿ってのみ摺動可能にされて
いる。そして、図1(B)に示すように、回転子21はガ
イドロッド11の凹部11eに侵入すると、回転シャフ
ト20とともに回転できるようになっており、その時に
クラッチアーム17も一体となって回転する。
【0020】クラッチアーム17は平面視略逆F字形を
なし、揺動側に2つの突片22,23を有している。支
持ブロック12に近い側の突片22は、他方の突片23
よりも長くなっていて、図1(B)に示すように回転子2
1が凹部11e内で矢印Z方向へ回転完了後の姿勢にお
いて、突片22の先端が突片23の先端よりもガイドロ
ッド11から遠くに位置するようになっている。そし
て、クラッチアーム17がこの姿勢を採ったときに、前
記係合ピン18が突片23とは干渉せずに、突片22の
先部に突き当たることができるようになっている。突片
22,23の間は、係合ピン18が挿入脱可能な溝24
となっている。又、このクラッチアーム17の裏面から
は、ピン25が第2スライダ15に接近する方向に突設
されている。
【0021】一方、第2スライダ15はハウジング30
を有しており、ハウジング30には、クラッチアーム1
7が配される側と同じ側の面に長孔48が形成されてい
る。長孔48はガイドロッド11の軸線方向と直交する
方向に延びており、この長孔48にクラッチアーム17
のピン25が長手方向に沿って移動可能に挿入されてい
る。ピン25は長孔48内を移動する際にガイドロッド
11と干渉しないように配されている。このようにピン
25が長孔48に挿入され係合していることによって、
第1スライダ14と第2スライダ15が互いに連繋され
るとともに、クラッチアーム17及び回転子21の回転
可能範囲が、図1(A)の位置から図1(B)の位置までに
規制されることになる。
【0022】上記ハウジング30の一側部には、図2に
示すようにガイドロッド11を挿通せしめる貫通孔31
が設けられている。貫通孔31の内面には2つの突部3
1a,31bが形成されており、この突部31a,31
bがそれぞれガイドロッド11の凹部11b,11cに
係合するようになっている。この係合によって、ハウジ
ング30はガイドロッド11に対して回転不能にされて
いる。
【0023】又、ハウジング30の内部には制動機構が
収容される空洞部32が貫通孔31に連なって形成され
ている。この空洞部32の内部には、第1回転体33と
第2回転体34とが、同心上に回転自在に支持されてい
る。即ち、第1回転体33は、中央にシャフト部35を
有し、その外側に円筒部36が形成されている。円筒部
36は、ハウジング30の上部(図2において左側)内面
に設けられた突部37の外側に、所定の隙間を有して配
されており、シャフト部35の上部は、上記突部37の
中央に形成された軸受孔38に回転自在に挿入されてい
る。
【0024】この第1回転体33の外側に第2回転体3
4が配されている。第2回転体34の中央部にはその上
下に軸受孔39,40が形成されている。下側(図2に
おいて右側)の軸受孔40には、ハウジング30の下部
内面に軸受孔38と同心上に対向して設けられた突部4
1が回転自在に挿入されている。上側の軸受孔39に
は、第1回転体33のシャフト部35の下部が回転自在
に挿入されている。第2回転体34の円筒部42の上部
には、ハウジング30の突部37を相対回転自在に挿通
させる円板43が固定されている。これによって、第1
回転体33と第2回転体34とが同心上に回転自在にハ
ウジング30に支持されることとなる。
【0025】第2回転体34の円筒部42の外周面には
ピニオンギヤ44が形成されている。このピニオンギヤ
44はガイドロッド11のラック11aと噛み合わされ
ており、したがって、第2スライダ15がガイドロッド
11を軸線方向にスライドすると、第2回転体34が回
転することとなる。
【0026】第1回転体33と第2回転体34との間に
は隙間45が形成されており、この隙間45には高粘性
流体が充填され、シールリング46によりシールされて
いる。この高粘性流体の粘性によって、第2回転体34
を回転すると、第1回転体33も第2回転体34と同方
向にほぼ同期して回転しようとする。
【0027】ハウジング30の突部37と第1回転体3
3の円筒部36との間の空間には、スプリング47が設
けられている。スプリング47の一端47aは突部37
に固定され、他端はフリーになっており、スプリング4
7の外周部は円筒部36の内周面に接している。スプリ
ング47の巻き付け方向は、第2スライダ15を図1
(A)において矢印X1方向に移動させたときに、即ち、
第1回転体33が第2回転体34と同期して矢印Y1
向に回転しようとしたときに、円筒部36の内周面との
摩擦力によって拡径し、第2スライダ15を矢印X2
向に移動させたときに、即ち、第1回転体33が第2回
転体34とともに矢印Y2方向に回転したときに、円筒
部36との摩擦力によって縮径するように設定されてい
る。
【0028】上記制動機構は次のように作用する。第2
スライダ15を矢印X1方向にスライドすると、第2回
転体34が矢印Y1方向に回転し、高粘性流体の粘性に
よって第1回転体33も第2回転体34と同期して回転
しようとする。ところが、第1回転体33が矢印Y1
向に回転すると、スプリング47が拡径して第1回転体
33の円筒部36に密着し、第1回転体33を回転不能
にする。すると、高粘性流体による強力な粘性抵抗が第
2回転体34に対する制動力として作用し、第2回転体
34の回転速度を低下せしめる。したがって、第2スラ
イダ15の矢印X1方向への移動スピードが遅くなる。
【0029】一方、第2スライダ15を矢印X2方向に
スライドすると、第2回転体34が矢印Y2方向に回転
し、高粘性流体の粘性によって第1回転体33が第2回
転体34と同期して回転しようとする。第1回転体33
が矢印Y2方向に回転するとスプリング47が縮径する
ので、第1回転体33はスプリング47に対してスリッ
プしながら回転することとなり、第1回転体33と第2
回転体34は高粘性流体の粘性によってほぼ一体となっ
て同期して回転することとなる。したがって、この時に
は高粘性流体による制動力が発生しないので、第2スラ
イダ15を矢印X2方向に速やかに移動せしめることが
できる。尚、上記第2スライダ15の制動機構は他の構
造のものであってもよい。
【0030】次に、上述構成の引き出し装置の作用につ
いて説明する。今、図4に示すように、引き出し2が外
箱1内に完全に収納されているものとする。この時に
は、図1(A)に示すように、外箱1に固定された係合ピ
ン18がクラッチアーム17の溝24の奥端に侵入し、
両者は係合状態になっている。又、第1スライダ14と
第2スライダ15は接触した状態になっており、両スラ
イダ14,15はスプリング16の弾性によって支持ブ
ロック12に押し付けられた状態になっている。
【0031】この状態から引き出し2を手で引き出す
と、回転子21がガイドロッド11の凹部11dに嵌合
して回転不能になっていて、クラッチアーム17と係合
ピン18との係合状態が保持されるので、第1スライダ
14と第2スライダ15は外箱1に対して移動不能とな
る。しかしながら、ガイドロッド11は引き出し2とと
もに外箱1の外に引き出されるので、両スライダ14,
15はスプリング16をその弾性に抗して押し縮めなが
らガイドロッド11に対して相対的に矢印X2方向に移
動することになる。尚、この時には、前述したように第
2スライダ15に内蔵の制動機構は作用しないので、引
き出し2はスプリング16の弾性に抗する力さえ加えれ
ばスムーズに引き出すことができる。
【0032】引き出し2を図5に示すように所定引き出
し点まで引き出すと、回転子21がガイドロッド11の
凹部11eに至り、回転子21が回転可能となる。する
と、係合ピン18がクラッチアーム17を図1(B)の矢
印Z方向に回転せしめ、クラッチアーム17と係合ピン
18との係合が解除される。クラッチアーム17が回転
すると、クラッチアーム17のピン25と第2スライダ
15の長孔48との係合によって、第2スライダ15は
第1スライダ14から離反せしめられ、スプリング16
の弾性に抗して更に支持ブロック13側に移動せしめら
れる。
【0033】尚、図1(B)の状態においては、ピン25
の方が、回転子21の回転シャフト20よりも図中下側
に位置するようになっており、これによって、クラッチ
アーム17に矢印Zと反対の方向に力を加えない限り、
クラッチアーム17は同方向に回転することはない。し
たがって、スプリング16は押し縮められた状態に保持
される。そして、クラッチアーム17と係合ピン18と
の係合が解除された後は、図6に示すように引き出し2
を更に外に引き出すことができる。
【0034】次に、引き出し2を外箱1に引き込む場合
について説明する。引き出し2を図6の位置から図5の
位置に手で押し込み、係合ピン18をクラッチアーム1
7の突片22に突き当てる。更に引き出し2を押し込む
と、係合ピン18によってクラッチアーム17が図1
(B)の矢印Zと反対の方向へ回転せしめられる。その結
果、係合ピン18はクラッチアーム17の溝24の奥端
に位置するようになり、クラッチアーム17と係合ピン
18とが互いに離脱不能な係合状態となる。この時に回
転子21も回転して、ガイドロッド11の凹部11d内
に挿入可能な姿勢になる。又、第2スライダ15も第1
スライダ14に引き付けられる。
【0035】この後は、手で押さなくても引き出し2は
外箱1内の終点まで自動的に引き込まれることとなる。
つまり、第1スライダ14と第2スライダ15はクラッ
チアーム17と係合ピン18との係合によって外箱1に
対して移動不能となるが、押し縮められていたスプリン
グ16が支持ブロック13を第2スライダ15から離反
する方向へ押すことによって、引き出し2は外箱1内に
引き込まれるようになる。この時、第2スライダ15は
ガイドロッド11に対して図1(A)の矢印X1方向へ相
対移動する。前述したように第2スライダ15が矢印X
1方向にスライドする時には、第2スライダ15に内蔵
の制動機構が作用し第2スライダ15の移動速度を減速
せしめる。したがって、引き出し2はゆっくりと静かに
外箱1内の終点まで引き込まれることとなる。
【0036】この発明は上述実施例に制約されず種々の
態様が採用可能である。例えば、上記実施例の引き出し
装置では、外箱に係合部材を設け、引き出しにガイド部
材やスライダ等を設置したが、これとは逆に、外箱にガ
イド部材やスライダ等を設置し、引き出しに係合部材を
設けてもよい。又、上記実施例の引き出し装置では、自
動引き込み装置を外箱の底板と引き出しの底板との間に
設けているが、自動引き込み装置の設置場所はこれに限
るものではなく、外箱の側板と引き出しの側板との間に
設けてもよい。
【0037】更に、この自動引き込み装置の使用態様は
引き出し装置に限るものではなく、固定体に対して移動
体がスライド自在に支持された種々の装置に採用可能で
ある。又、上記実施例ではスライダを第1スライダと第
2スライダとから構成したが、このように二つに分けな
くても構わない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、移動体を固定体に自動的に引き込む自動引き込み装
置を、移動体を固定体に対してスライド自在に支持する
スライド装置から、別体にすることができ、自動引き込
み装置の取り付け位置の自由度が大きくなるという優れ
た効果が奏される。又、自動引き込み装置をスライド装
置と別体にできることにより、移動体がいかなるタイプ
のスライド装置によってスライド自在にされていても構
わなくなり、汎用性に優れるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る自動引き込み装置の一実施例の
主要部の平面図であり、(A)は引き出しが外箱の中に完
全に引き込まれた状態を示す平面図、(B)は引き出しが
所定引き出し点に引き出された状態を示す平面図であ
る。
【図2】図1(A)のI−I断面図である。
【図3】図1(A)のII−II断面図である。
【図4】(A)は上記自動引き込み装置を備えた引き出し
装置の閉じ状態を示す横断面図であり、(B)は(A)のII
I−III断面図である。
【図5】引き出しが所定引き出し点まで引き出された状
態を示す図4(A)に相当する横断面図である。
【図6】(A)は引き出しのほぼ全開状態を示す図4(A)
に相当する横断面図であり、(B)は(A)のIV−IV断面図
である。
【図7】引き出し装置を下方から見た外観斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 外箱(固定体) 2 引き出し(移動体) 10 自動引き込み装置 11 ガイドロッド(ガイド部材) 11d 凹部(案内路) 14 第1スライダ 15 第2スライダ 16 スプリング(付勢手段) 17 クラッチアーム 18 係合ピン(係合部材) 21 回転子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定体と、この固定体にスライド自在に
    支持され出し入れ可能にされた移動体とを具備し、固定
    体から引き出された移動体を自動的に固定体に引き込む
    自動引き込み装置において、(イ)上記固定体と移動体の
    いずれか一方に、その軸線を移動体のスライド方向に向
    けて固定されたガイド部材と、(ロ)上記ガイド部材にそ
    の軸線方向へスライド自在に取り付けられたスライダ
    と、(ハ)上記移動体を引き込む方向へ移動せしめるべく
    上記スライダを付勢する付勢手段と、(ニ)上記固定体と
    移動体の残る他方に設けられた係合部材と、(ホ)上記ス
    ライダに取り付けられ、上記ガイド部材に設けられた軸
    線方向に延びる案内路に沿って移動自在にされており、
    且つ、上記移動体が所定引き出し点よりも引き込み終点
    寄りに位置しているときにはガイド部材に対して回転不
    能にされ、移動体が上記所定引き出し点に位置したとき
    に回転可能にされた回転子と、(ヘ)上記回転子に連繋さ
    れて上記スライダに回転自在に取り付けられており、上
    記移動体が上記所定引き出し点よりも引き込み終点寄り
    に位置しているときには上記係合部材に係合し、移動体
    が上記所定引き出し点に位置したときに上記回転子とと
    もに回転して係合部材との係合を解除するクラッチアー
    ム、とを具備することを特徴とする自動引き込み装置。
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