JPH05313275A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH05313275A
JPH05313275A JP14071191A JP14071191A JPH05313275A JP H05313275 A JPH05313275 A JP H05313275A JP 14071191 A JP14071191 A JP 14071191A JP 14071191 A JP14071191 A JP 14071191A JP H05313275 A JPH05313275 A JP H05313275A
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silver halide
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photographic
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JP14071191A
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Yutaka Tamura
裕 田村
Yuzo Muramatsu
雄造 村松
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 他の写真性に悪影響を与えることなくローラ
ーマークを改良した超迅速処理用ハロゲン化銀写真感光
材料を提供する。 【構成】 ハロゲン化銀写真感光材料において、ハロゲ
ン化銀乳剤層中に、硬化したゼラチン微粒子を含有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真材料に
関し、特に迅速処理における乾燥性、定着性および水洗
性に優れ自動現像機で処理した際のローラーマークの発
生を著しく改良する技術に関するものであり、とりわけ
Dry to Dry が60秒以下の超迅速処理適性を有する写
真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真感光材料(以下、感材と記
す)の現像工程は高温迅速処理が急速に普及し、各種感
材の自動現像機処理においても、その処理時間は大幅に
短縮されてきた。迅速処理が達成されるためには、短時
間で十分な感度を達成するための現像液および現像進行
性に優れ短時間で十分な黒化度を与える感材、そして水
洗後短時間で乾燥する特性が必要である。感材の乾燥性
を改良するために一般的によく用いられる方法として、
感材の塗布工程で予め十分な量の硬膜剤(ゼラチン架橋
剤)を添加しておき現像−定着−水性工程での乳剤層や
親水性コロイド層の膨潤量を小さくすることで乾燥開始
前の感材中の含水量を減少させる方法がある。この方法
は硬膜剤を多量に使用すれば、それだけ乾燥時間を短縮
できるが、膨潤量が小さくなることにより、現像がおく
れ低感化や軟調化したり、カバーリングパワーが低下す
ることになる。また、かりに現像進行性が改良できたと
しても高硬膜による定着速度の遅れは残留銀や残留ハイ
ポ、増感色素の残色などの問題を引き起こし処理時間短
縮の障害となっていた。
【0003】一方、処理液の現像活性を高める方法も知
られており、現像液中の主薬や補助現像主薬の量を増や
したり、現像液のpHを高めたり、処理する温度を上げ
たりできる。しかし、これらの方法はいずれも処理液の
保恒性を損なったり、感度はあげられても軟調化したり
被りやすいなどという欠点があった。
【0004】以上述べてきたような観点を改良する目的
で、平板状粒子を利用する技術が米国特許第4,43
9,520、第4,425,425等に記載されてい
る。また、特開昭63−305343、特開平1−77
047には(111)面をもつハロゲン化銀粒子の現像
開始点を粒子の頂点および/または陵とその近傍に制御
することにより現像進行性と感度/カブリ比を改良する
技術が開示されている。さらに特開昭58−11193
3には平板状粒子を用い親水性コロイド層の膨潤を20
0%以下にすることで高いカバーリングパワーを有し、
処理時に硬膜を追加する必要のないラジオグラフィー用
写真要素が開示されている。これらの公知の技術は感材
の現像進行性を改良するうえでそれぞれに優れた技術で
あり利用価値の高いものである。しかし、現像・定着・
水洗の各工程の処理時間を短縮していくと写真感度の低
下の他に、定着性の悪化から残留銀や残留ハイポの悪化
が起こってくる。また、増感色素による分光増感が施さ
れた感材では残色という問題も表面化する。これらの写
真性以外の問題はハロゲン化銀粒子の改質による改良に
は限度があり、最終的には膜質の問題に帰着してしま
う。すなわち親水性コロイド層の厚みが定着や残色を律
してしまう状態になり迅速化の障害になってしまう。
【0005】この点に関しては、特開昭64−7333
3、特開昭64−86133、特開平1−10524
4、特開平1−158435,特開平1−158436
などにはハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を
有する側のゼラチン量を2.00〜3.50g/m2の範
囲に調製し、他の技術要素と組み合わせることで全処理
時間が20秒以上60秒未満の超迅速処理を達成する手
段が開示されている。また、特開平2−68537には
乳剤層に塗設された感光性ハロゲン化銀の銀とゼラチン
の重量比(銀/ゼラチン)を1.5以上に調製すること
で超迅速処理を達成する手段が開示されている。さら
に、特開昭63−221341には、乳剤層中のハロゲ
ン化銀粒子が主に粒子径が粒子厚みの5倍以上である平
板状粒子からなり、ゼラチン量を2.00〜3.20g
/m2としメルティング・タイムを8分以上45分以下に
することで全処理時間が20秒以上60秒未満の超迅速
処理を達成する手段が開示されている。
【0006】本発明者らはこれらの先行技術を検討した
結果、ゼラチン量を減量したり銀/ゼラチン比を塗布銀
量を一定に保ちながら高めていくと擦り傷黒化やローラ
ーマークが著しく悪化していき、ついに実用的に許容さ
れ得ないレベルとなってしまい、それがために超迅速処
理が可能な商品として完成できなくなってしまうことを
確かめた。擦り傷黒化というのはフィルムを取り扱った
際に、フィルム同志でのこすれ、或いはフィルムが他の
物質でこすられた場合、現像処理後に擦り傷状の黒化を
生ずる現象をいう。また、ローラーマークとは感材を自
動現像機処理したさいに搬送ローラー表面の微細な凹凸
により感材に圧力が加わり結果的に黒斑点状の濃度ムラ
を生じる現象をいう。全処理時間を60秒以下、特に4
0秒以下に設定した場合、現像・定着・水洗工程の適性
時間配分をおこなった結果、ゼラチン塗布量は2.5g
/m2以下でないと、自動現像機の設置環境が高湿度だっ
たりした場合、乾燥性に支障のある場合があった。
【0007】一方、特開昭58−111933に記載の
平板状粒子の実施例では試料のゼラチン塗布量が2.8
7g/m2であり、硬膜が十分なことにより乾燥は問題な
かったが、全処理時間を40秒以下に設定した場合定着
性と残色に問題があることがわかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、超迅
速処理に供した場合でも高感度であり、乾燥性・定着性
・残色性にはまったく支障がなく、かつローラーマーク
が十分実用レベルの写真感光材料を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は以下
の方法により達成された。すなわち、本発明は、支持体
上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層及び非感光性
層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロ
ゲン化銀乳剤層中に、硬化したゼラチン微粒子を含有す
ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料によって
達成された。以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明のゼラチン微粒子の粒径は水溶液中
で、0.01〜10μmであることが好ましい。特に
0.01〜5μmが好ましい。粒度分布は狭い方がよ
い。
【0011】本発明のゼラチン微粒子は、水中で溶解し
ないために、硬化されることが必要である。硬化剤とし
ては、特に限度はないが写真感光材料に硬膜剤として用
いられる無機または有機の化合物が好ましい。硬膜剤と
しては、例えば、クロム塩(クロム明ばん、酢酸クロム
など)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサ
ール、グリタールアルデヒドなど)、N−メチロール化
合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダント
インなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシ
ジオキサンなど)、カルボキシル基を活性化することに
より作用する化合物類(カルベニウム、2−ナフタレン
スルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロ
−、ピリジニウム、1−モルホリノカルボニル−3−
(スルホナトアミノメチル)−など)。活性ビニル化合
物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s
−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メタン、N,
N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロ
ピオンアミド〕など)。活性ハロゲン化合物(2,4−
ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ム
コハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル
酸など)、イソオキサゾール類、ジアルデヒドでん粉、
2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンな
どを、単独または組合せて用いることができる。
【0012】本発明のゼラチン微粒子に用いられるゼラ
チンとしては、その製造過程において、ゼラチン抽出
前、アルカリ浴に浸漬される所謂アルカリ処理(石灰処
理)ゼラチン、酸浴に浸漬される酸処理ゼラチンおよび
その両方の処理を経た二重浸漬ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ゼラチンと他の高分子とのグラフト化ゼラチンのい
ずれでもよい。
【0013】本発明のゼラチン微粒子の調製法としては
特に限度はないが、乳化分散法が好ましい。乳化分散時
に用いるゼラチンの溶媒としては、水が好ましいが、メ
タノール、エタノール、アセトン等を混合しても良い。
分散溶媒としては、水に対する溶解度が小さい溶剤が好
ましい。ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化
炭素などの有機溶剤が好ましい。乳化分散時には、分散
安定化のために界面活性剤を用いることが好ましい。界
面活性剤として特に限定はないが、アニオン系またはノ
ニオン系のものが好ましい。
【0014】乳化分散時には、ホモジナイザー、タービ
ン羽根高速攪拌機、ディゾルバー、コロイドミル、ホモ
ミキサー等の攪拌機または分散機が好ましく用いられ
る。乳化分散したゼラチン微粒子を硬膜剤を用いて硬化
する場合には、乳化分散液に直接硬膜剤を加えることで
よい。乳化分散液は直接ハロゲン化銀乳剤層塗布液に加
えてもよいし、メタノールなどの溶剤で置換した後、水
を加えて、ホモミキサー等で、再分散して加えてもよ
い。硬化したゼラチン微粒子は、該微粒子を含むハロゲ
ン化銀乳剤層の全ハロゲンの0.5%以上、好ましくは
0.5〜75重量%含まれる。本発明の感光材料におい
ては、感光性ハロゲン化銀乳剤層が支持体の一方の側に
少なくとも1層設けられるのでもよく、支持体の両方の
側に各々少なくとも1層設けられるのでもよい。
【0015】本発明の感光材料は、感光性ハロゲン化銀
乳剤層以外にも親水性コロイド層を有し、好ましくは保
護層が設けられる。本発明の感光材料は、感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有する側のゼラ
チン量が、1.70〜2.50g/m2の範囲にあること
が好ましい。感光性乳剤層が支持体の一方の側にのみ存
在すれば、その側のゼラチン量が上記範囲にあることを
要し、感光性乳剤層が支持体の両側に存在すれば、双方
の側のゼラチン量が各々上記範囲にあることを意味す
る。本発明の感材のメルティング・タイムは8分以上4
5分以下に設定されていることが好ましい。本発明書で
いうメルティング・タイムとは、1cm×2cmに切断した
ハロゲン化銀写真感光材料を50℃の水酸化ナトリウム
1.5重量%水溶液中に浸漬したとき、該ハロゲン化銀
写真感光材料を構成する少なくとも一層のハロゲン化銀
乳剤層が融解し始めるまでの時間を言う。
【0016】次に、本発明で好ましく用いられる乳剤粒
子について説明する。粒子と同一体積の球相当平均粒子
サイズは0.4μm以上であることが好ましい。特に
0.5〜2.0μmであることが好ましい。粒子サイズ
分布は狭い方がよい。乳剤中のハロゲン化銀粒子は立方
体、八面体のような規則的(regular)な結晶形を有する
ものでもよく、また球状、板状、じゃがいも状などのよ
うな変則的な(irregular)な結晶形を有するものでもよ
い、種々の結晶形の粒子の混合から成ってもよい。ハロ
ゲン化銀の組成としては高感度であるという理由で沃臭
化銀が好ましい。
【0017】本発明のハロゲン化銀粒子には写真性に影
響を与えない程度の微量の塩化銀を含有していてもよい
が望ましくは含有していない方がよい。本発明の乳剤と
しては、単分散性乳剤及び多分散乳剤のどちらも好まし
く用いることができる。本発明に用いられるハロゲン化
銀乳剤はコア・シェル型単分散性乳剤であってもよく、
これらコア・シェル乳剤は特開昭54−48521号等
によって公知である。
【0018】また粒子径が粒子厚みの5倍以上の平板状
粒子は、本発明に対し好ましく用いられる(詳しくは、
リサーチ ディスクロージャー 225巻 Item 22
534P.20〜P.58、1月号、1983年、及び
特開昭58−127921号、同58−113926号
公報に記載されている)。平板状ハロゲン化銀粒子の製
法としては、当業界で知られた方法を適宜、組合せるこ
とにより成し得る。
【0019】本発明の効果を有効に利用するためには、
特開平2−68539の如く乳剤調製工程中の化学増感
の際に、ハロゲン化銀1モルあたり0.5ミリモル以上
の増感色素、もしくは写真性能安定化剤の類に相当する
ハロゲン化銀吸着性物質を存在させることが好ましい。
【0020】すなわちアゾール類{例えばベンゾチアゾ
リウム塩、ベンゾイミダゾウム塩、イミダゾール類、ベ
ンズイミダゾール類、ニトロインダゾール類、トリアゾ
ール類、ベンゾトリアゾール類、テトラゾール類、トリ
アジン類など};メルカプト化合物類{例えばメルカプ
トチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メル
カプトイミダゾール類、メルカプトベンズイミダゾール
類、メルカプトベンゾオキサゾール類、メルカプトチア
ジアゾール類、メルカプトオキサジアゾール類、メルカ
プトテトラゾール類、メルカプトトリアゾール類、メル
カプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類など};
例えばオキサドリンチオンのようなチオケト化合物;ア
ザインデン類{例えばトリアザインデン類、テトラアザ
インデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,
7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類な
ど);のようなカブリ防止剤または安定剤として知られ
た、多くの化合物をハロゲン化銀吸着物質としてあげる
ことができる。
【0021】さらに、プリン類または核酸類、あるいは
特公昭61−36213号、特開昭59−90844
号、等に記載の高分子化合物、なども利用しうる吸着性
物質である。なかでも特にアザインデン類とプリン類、
核酸類は本発明に好ましく、用いることができる。これ
らの化合物の添加量はハロゲン化銀1モルあたり300
〜3000mg、好ましくは、500〜2500mgであ
る。本発明のハロゲン化銀吸着性物質として、増感色素
は、好ましい効果を実現しうる。増感色素として、シア
ニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン
色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロホーラー
シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキ
ソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることが
できる。
【0022】本発明に使用される有用な増感色素は例え
ば米国特許3,522,052号、同3,619,19
7号、同3,713,828号、同3,615,643
号、同3,615,632号、同3,617,293
号、同3,628,964号、同3,703,377
号、同3,666,480号、同3,667,960
号、同3,679,428号、同3,672,897
号、同3,769,026号、同3,556,800
号、同3,615,613号、同3,615,638
号、同3,615,635号、同3,705,809
号、同3,632,349号、同3,677,765
号、同3,770,449号、同3,770,440
号、同3,769,025号、同3,745,014
号、同3,713,828号、同3,567,458
号、同3,625,698号、同2,526,632
号、同2,503,776号、特開昭48−76525
号、ベルギー特許第691,807号などに記載されて
いる。増感色素の添加量はハロゲン化銀1モルあたり3
00mg以上2000mg未満、好ましくは500mg以上1
000mg未満がよい。以下に本発明で有効な増感色素の
具体例を示す。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】以上の中で特にシアニン色素が好ましい。
増感色素と前述の安定化剤を併用することは好ましい態
様である。本発明に用いる増感色素は化学増感後塗布ま
での間に添加しても良い。本発明の平板状乳剤の投影面
積直径は0.3〜2.0μm、特に0.5〜1.2μm
であることが好ましい。また平行平面間距離(粒子の厚
み)としては0.05μm〜0.3μm、特に0.1〜
0.25μmのものが好ましく、アスペクト比として
は、3以上、20未満、特に4以上8未満のものが好ま
しい。本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤中には、アスペ
クト比が2以上のハロゲン化銀粒子が全粒子の50%
(投影面積)以上、特に70%以上存在し、その平板粒
子の平均アスペクト比が3以上、特に4〜8であること
が好ましい。
【0026】平板状ハロゲン化銀粒子の中でも単分散六
角平板粒子はとりわけ有用な粒子である。本発明でいう
単分散六角平板粒子の構造および製造法の詳細は特開昭
63−151618の記載に従う。本発明に用いられる
ハロゲン化銀乳剤の化学増感の方法としては前述のハロ
ゲン化銀吸着性物質の存在下で硫黄増感法、セレン増感
法、還元増感法、金増感法などの知られている方法は用
いることができ、単独または組合せて用いられる。
【0027】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、本発明
の化学増感工程でのハロゲン化銀吸着性物質とは別に種
々の化合物を含有させることができる。
【0028】すなわちアゾール類{例えばベンゾチアゾ
リウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダ
ゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズ
イミダゾール類、ニトロインダゾール類、ベンゾトリア
ゾール類、アミノトリアゾール類など);メルカプト化
合物類{例えばメルカプトチアゾール類、メルカプトベ
ンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、
メルカプトチアジアゾール類、メルカプトテトラゾール
類、メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類
など};例えばオキサドリンチオンのようなチオケト化
合物;アザインデン類{例えばトリアザインデン類、テ
トラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,
3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザイ
ンデン類など);ベンゼンチオスルホン酸、ベンゼンス
ルフィン酸、ベンゼンスルホ酸アミド等のようなカブリ
防止剤または安定剤として知られた、多くの化合物を加
えることができる。
【0029】特に特開昭60−76743号、同60−
87322号公報に記載のニトロン及びその誘導体、特
開昭60−80839号公報に記載のメルカプト化合
物、特開昭57−164735号公報に記載のヘテロ環
化合物、及びヘテロ環化合物と銀の錯塩(例えば1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾール銀)などを好まし
く用いることができる。化学増感工程でハロゲン化銀吸
着性物質として増感色素を用いた場合でも必要に応じ
て、他の波長域の分光増感色素を添加してもよい。本発
明を用いて作られる感光材料の写真乳剤層または他の親
水性コロイド層には塗布助剤、帯電防止、スベリ性改
良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良(例えば、現
像促進、硬膜剤、増感)等種々の目的で、種々の界面活
性剤を含んでもよい。
【0030】例えばサポニン(ステロイド系)、アルキ
レンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコー
ル縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類
又はポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル
類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、
糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤;
アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン
酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキル硫
酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、
スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル類、などのアニオン
界面活性剤;アルキルベタイン類、アルキルスルホベタ
イン類などの両性界面活性剤;脂肪族あるいは芳香族第
4級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類、イミダゾリ
ウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いることができ
る。
【0031】この内、サポニン、ドデシルベンゼンスル
ホン酸Na塩、ジ−2−エチルヘキシルα−スルホコハ
ク酸Na塩、p−オクチルフェノキシエトキシエタンス
ルホン酸Na塩、ドデシル硫酸Na塩、トリイソプロピ
ルナフタレンスルホン酸Na塩、N−メチル−オレオイ
ルタウリンNa塩、等のアニオン、ドデシルトリメチル
アンモニウムクロライド、N−オレオイル−N′.
N′,N′−トリメチルアンモニオジアミノプロパンブ
ロマイド、ドデシルピリジウムクロライドなどのカチオ
ン、N−ドデシル−N,N−ジメチルカルボキシベタイ
ン、N−オレイル−N,N−ジメチルスルホブチルベタ
インなどのベタイン、ポリ(平均重合度n=10)オキ
シエチレンセチルエーテル、ポリ(n=25)オキシエ
チレンp−ノニルフェノールエーテル、ビス(1−ポリ
(n=15)オキシエチレン−オキシ−2,4−ジ−t
−ペンチルフェニル)エタンなどのノニオンを特に好ま
しく用いることができる。
【0032】帯電防止剤としてはパーフルオロオクタン
スルホン酸K塩、N−プロピル−N−パーフルオロオク
タンスルホニルグリシンNa塩、N−プロピル−N−パ
ーフルオロオクタンスルホニルアミノエチルオキシポリ
(n=3)オキシエチレンブタンスルホン酸Na塩、N
−パーフルオロオクタンスルホニル−N′,N′,N′
−トリメチルアンモニオジアミノプロパンクロライド、
N−パーフルオロデカノイルアミノプロピル−N′,
N′−ジメチル−N′−カルボキシベタインの如き含フ
ッ素界面活性剤、特開昭60−80848号、同61−
112144号、同62−172343号、同62−1
73459号などに記載のノニオン系界面活性剤、アル
カリ金属の硝酸塩、導電性酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化
バナジウム又はこれらにアンチモン等をドープした複合
酸化物を好ましく用いることができる。
【0033】本発明に於てはマット剤として米国特許第
2992101号、同2701245号、同41428
94号、同4396706号に記載の如きポリメチルメ
タクリレートのホモポリマー又はメチルメタクリレート
とメタクリル酸とのコポリマー、デンプンなどの有機化
合物、シリカ、二酸化チタン、硫酸、ストロンチウムバ
リウム等の無機化合物の微粒子を用いることができる。
粒子サイズとしては1.0〜10μm、特に2〜5μm
であることが好ましい。本発明の写真感光材料の表面層
には、滑り剤として米国特許第3489576号、同4
047958号等に記載のシリコーン化合物、特公昭5
6−23139号公報に記載のコロイダルシリカの他
に、パラフィンワックス、高級脂肪酸エステル、デン粉
誘導体等を用いることができる。
【0034】本発明の写真感光材料の親水性コロイド層
には、トリメチロールプロパン、ペンタンジオール、ブ
タンジオール、エチレングリコール、グリセリン等のポ
リオール類を可塑剤として用いることができる。本発明
の感光材料の乳剤層や中間層および表面保護層に用いる
ことのできる結合剤または保護コロイドとしては、ゼラ
チンをもちいるのが有利であるが、それ以外の親水性コ
ロイドも用いることができる。
【0035】例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダ、デキストラン、澱粉
誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラ
ゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水
性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとしては
石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや酵素処理ゼ
ラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や
酵素分解物も用いることができる。これらの中でもゼラ
チンとともに平均分子量5万以下のデキストランやポリ
アクリルアミドを併用することが好ましい。特開昭63
−68837、同じく63−149641に記載の方法
は本発明でも有効である。
【0036】本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コ
ロイドには前述の無機または有機の硬膜剤を含有してよ
い。
【0037】本発明の写真感光材料中の親水性コロイド
層はこれらの硬膜剤により水中での膨潤率が280%以
下、特に200〜280%になるように硬膜されている
ことが好ましい。本発明における水中での膨潤率は凍結
乾燥法により測定される。即ち、写真材料を25℃60
%RH条件下で7日経時した時点で親水性コロイド層の
膨潤率を測定する。乾燥厚(a)は切片の走査型電子顕
微鏡により求める。膨潤膜層(b)は、写真材料を21
℃の蒸留水に3分間浸漬した状態を液体窒素により凍結
乾燥したのち走査型電子顕微鏡で観察することで求め
る。膨潤率は次式で求められる。
【0038】
【数1】
【0039】支持体としてはポリエチレンテレフタレー
トフィルムまたは三酢酸セルロースフィルムが好まし
い。支持体は親水性コロイド層との密着力を向上せしめ
るために、その表面をコロナ放電処理、あるいはグロー
放電処理あるいは紫外線照射処理する方法が好ましくあ
るいは、スチレンブタジエン系ラテックス、塩化ビニリ
デン系ラテックス等からなる下塗層を設けてもよくま
た、その上層にゼラチン層を更に設けてもよい。
【0040】また、ポリエステル膨潤剤とゼラチンを含
む有機溶剤を用いた下塗層を設けてもよい。これ等の下
塗層は表面処理を加えることで更に親水性コロイド層と
の密着力を向上することもできる。本発明の写真感光材
料の乳剤層には圧力特性を改良するためポリマーや乳化
物などの可塑剤を含有させることができる。たとえば英
国特許第738,618号には異節環状化合物を同73
8,637号にはアルキルフタレートを、同738,6
39号にはアルキルエステルを、米国特許第2,96
0,404号には多価アルコールを、同3,121,0
60号にはカルボキシアルキルセルロースを、特開昭4
9−5017号にはパラフィンとカルボン酸塩を、特公
昭53−28086号にはアルキルアクリレートと有機
酸を用いる方法等が開示されている。
【0041】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層のその他の構成については特に制限はなく、必要に応
じて種々の添加剤を用いることができる。例えば、Rese
archDisclosure 176巻22〜28頁(1978年1
2月)に記載されたバインダー、界面活性剤、その他染
料、紫外線吸収剤、塗布助剤、増粘剤、などを用いるこ
とができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明す
る。 ゼラチン微粒子の調製法 調製法−1 n−ヘキサン150mlにソルビタンモノラウレート(ス
パン20)を5g加え38℃にて溶解した。この溶液に
ゼラチンの8%水溶液(38℃)100gを攪拌しなが
ら加え、さらにこの混合液をホモミキサーに入れて15
000rpm ×15分間攪拌した。得られた乳化液をメタ
ノール1200ml中へ攪拌しながら注入してゼラチン粒
子の懸濁液を得た。この懸濁液にホルムアルデヒドの3
0%水溶液4mlを加え、攪拌をさらに3分間行なった
後、水酸化ナトリウム1N溶液を2ml加え攪拌を30分
間行なった。さらに1N硫酸4mlを加えて2分間弱く攪
拌を行ない、3時間静置してゼラチン粒子を沈殿させ
た。その後上澄み液を捨て、新たにメタノール600ml
を加え攪拌し、3時間静置した後上澄みを捨てた。沈殿
物に水を250ml加えて1時間静置した後、ホモミキサ
ーに入れて10,000rpm ×15分間攪拌して架橋し
たゼラチン粒子の水分散液を得た。ゼラチン粒子の水中
での平均粒径は0.5μmであった。
【0043】調製法−2 クロロホルム300mlにジ(2−エチルヘキシル)−α
−スルホコハク酸ナトリウムを5g溶解した。この溶液
にゼラチンの15%水溶液(38℃)60gを攪拌しな
がら加え、さらにこの混合液をホモミキサーに入れて1
0,000rpm×15分間攪拌した。得られた乳化液を
別の500mlの容器に移し替えて、タービン羽根状の攪
拌機にて400rpm で攪拌しながらホルムアルデヒドの
30%水溶液2mlを加え、攪拌をさらに3分間行なった
後、水酸化ナトリウム1N溶液を1ml加え攪拌を30分
間行なった。続いてこの乳化液をメタノール1500ml
中に攪拌しながら加え3時間静置した。静置後上澄み液
を捨て新たにメタノール600mlを加え攪拌し、3時間
静置した後上澄みを捨てた。沈殿物に水を250ml加え
て1時間静置した後、ホモミキサーに入れて10,00
0rpm ×15分間攪拌して架橋したゼラチン分散物の水
分散液を得た。ゼラチン粒子の水中での平均粒径は2.
7μmであった。
【0044】粒子径測定法 粒子径の測定方法は、マルバーン・インスツルメンツ社
製のレーザ回折法粒度分布測定装置マスターサイザーを
用い、水溶媒中で粒子径を測定した。粒子径は体積換算
における平均径として測定された値を用いた。
【0045】実施例1 (8面体粒子Aの調製)水1リットル中に臭化カリ0.
35gとゼラチン20.6gを添加し50℃に保った溶
液中へ、攪拌しながら硝酸銀水溶液40cc(硝酸銀とし
て0.28g)と臭化カリ水溶液40cc(臭化カリ0.
21g)をダブルジェット法により同時に10分間で添
加した。引き続き硝酸銀水溶液200cc(硝酸銀として
1.42g)と臭化カリ水溶液200cc(臭化カリとし
て1.06g)を同時に8分間かけて添加した。このあ
と臭化カリ水溶液27cc(臭化カリ2.7g)を添加し
た。このあと再び硝酸銀水溶液と沃化カリと臭化カリの
混合水溶液をコントロールダブルジェット法により添加
した。添加した硝酸銀水溶液は1リットル(硝酸銀14
0g)で添加開始時には2cc/分の流速とし、70分間
で添加を終了するよう直接的に加速した。コントロール
電位がpAg=8.58となるよう制御しながら沃化カ
リと臭化カリの混合水溶液を同時添加した。ここで消費
された沃化カリの量は全銀量に対して0.6モル%であ
った。引き続き1分間かけて1%KI水溶液を全銀量に
対して0.1モル%添加した。
【0046】この後、温度を35℃に下げ沈降法により
可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラチン
30gとフェノキシエタノール2.35gおよび増粘剤
としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8g添加
し、苛性ソーダでpH6.0る調整した。こうして直径
0.63μm、沃化銀含量0.7モル%の単分散な沃臭
化銀8面体粒子Aを調整した。Aに対して、塩化金酸
塩、チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムを
加え最適に金−硫黄増感を行い、その後下記の増感色素
A、Bを下記に示す量加え、更に4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン2×10
-2モルで安定化した。 増感色素A 590mg/Agモル
【0047】
【化3】
【0048】 増感色素B 15mg/Agモル
【0049】
【化4】
【0050】(乳剤層塗布液の調製)化学増感を施した
前述の乳剤A−1、A−2、A−3、A−4にハロゲン
化銀1モル当たり下記の薬品を添加して塗布液とした。 ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエ チルアミノ−1,3,5−トリアジン 72mg ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量 60万) 1.8g
【0051】 ・ゼラチン 表1に記載 ・ゼラチン微粒子I(平均粒径0.50μm) 表1に記載 ・ゼラチン微粒子II(平均粒径2.7μm) 表1に記載 ・PMMA(ポリメチルメタクリレート)微粒子 (平均粒径0.50μm) 表1に記載 ・SiO2 微粒子(コロイダルシリカ)(平均粒 径0.51μm) 表1に記載 ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセ トアミド)エタン 表−1記載の膨潤率になるように調製
【0052】表面保護層塗布液の調製 表面保護層は各成分が下記の塗布量となるように調製準
備した。 表面保護層の内容 塗布量 ・ゼラチン 0.966g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.023
【0053】
【化5】
【0054】 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.087 ・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.0005 (写真材料の調製)支持体として使用した厚み183μ
mのポリエチレンテレフタレートには下記構造の染料が
0.04wt%含有された下塗層があらかじめ塗布され
ているものを使用した。
【0055】
【化6】
【0056】前記の透明支持体上に、乳剤層と表面保護
層を同時押し出し法により両面に塗布した。片面あたり
の塗布銀量は1.7g/m2になった。こうして、表−1
の写真材料を得た。 (膨潤率の測定)本写真材料を25℃60%RH条件下
で7日経時した時点で親水性コロイド層の膨潤率を測定
した。乾膜厚(a)は切片の走査型電子顕微鏡により求
めた。膨潤膜層(b)は、写真材料を21℃の蒸留水に
3分間浸漬した状態を液体窒素により凍結乾燥したのち
走査型電子顕微鏡で観察することで求めた。膨潤率は次
式で求めた。
【0057】
【数2】
【0058】(写真性能の評価)写真材料1〜15を富
士写真フイルム(株)社製のシャープカットフィルター
SC52を使用して0.1秒の青色露光を両面からあた
えた。露光後、下記の現像液と定着液の組み合わせにて
自動現像機処理をおこなった。感度は写真材料−1を基
準とし、濃度1.0を与える露光量の比の逆数で示し
た。
【0059】 <現像液濃縮液> 水酸化カリウム 56.6g 亜硫酸ナトリウム 200g ジエチレントリアミン五酢酸 6.7g 炭酸カリ 16.7g ホウ酸 10g ヒドロキノン 83.3g ジエチレングリコール 40g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル1−フェニ ル−3−ピラゾリドン 22.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 2g 水で1リットルとする(pH10.60に調整する)。
【0060】 <定着液濃縮液> チオ硫酸アンモニウム 560g 亜硫酸ナトリウム 60g エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水 塩 0.10g 水酸化ナトリウム 24g 水で1リットルとする(酢酸でpH5.10に調整する)。 現像処理をスタートするときには自動現像機の各タンク
に以下の如き組成の処理液を満たした。 現像タンク:上記現像液濃縮液333ml、水667ml及
び臭化カリウム2gと酢酸1.8gとを含むスターター
10mlを加えてpHを10.25とした。 定着タンク:上記定着液濃縮液200ml及び水800ml
【0061】自動現像機としては富士写真フイルム
(株)社製のFPM9000を改造してフィルムの搬送
スピードを速め、 Dry to Dry の処理時間を30秒とし
た。水洗水は1分間に3リットルの割合でフィルムが通
過している間だけ流し、それ以外の時間は停止した。現
像液および定着液の補充および処理温度は とした。
【0062】(ローラーマークの評価)写真材料1〜1
5を10×12インチのサイズで濃度1.0になるよう
に一様露光した後、写真性能の評価と同一条件で処理し
た。ただし、この時使用した現像槽の搬送ローラー及び
現像から定着へのクロスオーバーローラーは故意に疲労
させたローラーを使用した。ローラーの表面には±10
μmに及ぶ凹凸が存在した。処理後の感材にはローラー
の凹凸による細かい斑点が写真材料によっては多数発生
していた。この状態を下記の4段階に官能評価した。評
価した結果を表−1にまとめた。
【0063】◎ … ほとんど斑点の発生が見られな
い。 ○ … 微かに斑点が発生しているが、実用的に気にな
らないレベル。 △ … 斑点が発生しているが通常ローラーでは発生し
ない。許容レベル。 × … 斑点が多発、通常ローラーでも実用にたえな
い。
【0064】(乾燥性の評価)写真性能を評価したのと
同一条件で、4ツ切サイズの各写真材料を連続処理した
際のフィルムの乾燥性を触感により官能評価した。フィ
ルムは短辺が搬送方向になるようにして連続的に処理し
た。結果を表−1にまとめた。 ◎ 30枚目でも、フィルムは暖かく乾燥してでてく
る。まったく問題ない。 ○ 30枚目でも、フィルムは完全に乾燥している。さ
わった時の温度は室温下に放置したフィルムと同程度で
あった。 △ 30枚目で、フィルムはやや冷たいが連続処理した
フィルムは接着するようなことはなく実用的に許容レベ
ル。 × 30枚目で、フィルムは湿っており未乾である。フ
ィルム同志が接着する。
【0065】(定着性の評価)各写真材料を、未露光の
まま前述の条件で自動現像機処理したのち、蛍光燈下に
すかして観察することによってとりあえず定着し切れた
かどうかを評価した。白濁した部分がすこしでもあった
写真材料については定着性不良とした。なお、この評価
で問題がなくても残留銀や残留ハイポのため画像保存性
に問題を生ずる場合があることはいうまでもない。結果
を表1にまとめた。
【0066】
【表1】
【0067】表1の結果中、写真材料101〜103で
は塗布ゼラチン量が2.7g/m2で、乾燥性と定着性の
両方を満足することができない。一方写真材料104で
は塗布ゼラチン量が2.4g/m2で、乾燥性と定着性の
両方を満足するものの、ローラーマークが著しく悪化し
てしまう。ここで、本発明のゼラチン微粒子を用いた写
真材料105〜112では乾燥性、定着性、ローラーマ
ークの全てを満足することができた。また、PMMA微
粒子、SiO2 微粒子を用いた写真材料113〜116
では、ローラーマークを改良する効果がなかった。
【0068】実施例2 (平板状粒子Tの調製)水1リットル中に臭化カリウム
4.5g、ゼラチン20.6g、チオエーテルHO(C
2)2 S(CH2)2 S(CH2)2 OHの5%水溶液2.
5ccを添加し60℃に保った容器中へ攪拌しながら硝酸
銀水溶液37cc(硝酸銀3.43g)と臭化カリウム
2.97gと沃化カリウム0.363gを含む水溶液3
3ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。つ
ぎに臭化カリウム0.9gの水溶液を添加した後70℃
に昇温して硝酸銀水溶液53cc(硝酸銀4.90g)を
13分間かけて添加した。ここで25%のアンモニア水
溶液15ccを添加、そのままの温度で20分間物理熟成
したのち100%酢酸溶液を14cc添加した。
【0069】引き続いて硝酸銀133.3gの水溶液と
臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶液をpAg8.
1に保ちながらコントロールダブルジェット法で35分
間かけて添加した。ここで消費された沃化カリは最終的
な粒子の全銀量に対して0.2 mol%であった。次に2
Nのチオシン酸カリウム溶液10ccと直径0.07μm
のAgI微粒子を全銀量にたいして0.2モル%添加し
た。5分間そのままの温度で物理熟成したのち35℃に
温度を下げた。こうしてトータル沃化銀含量0.66モ
ル%、平均投影面積直径1.15μm、厚み0.162
μm、直径の変動係数20.5%の単分散平板状粒子を
えた。この後、沈降法により可溶性塩類を除去した。再
び40℃に昇温してゼラチン30gとフェノキシエタノ
ール2.35gおよび増粘剤としてポリスチレンスルホ
ン酸ナトリウム0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀
溶液でpH5.90、pAg8.25に調整した。
【0070】この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状
態で化学増感を施した。まず二酸化チオ尿素0.043
mgを添加し22分間そのまま保持して還元増感を施し
た。つぎに4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン20mgと実施例1で使用した
増感色素A500mgを添加した。さらに塩化カルシウム
水溶液1.1gを添加した。引き続きチオ硫酸ナトリウ
ム3.3mgと塩化金酸2.6mgおよびチオシアン酸カリ
ウム90mgを添加し40分後に35℃に冷却した。こう
して本発明の平板状粒子Tを調製完了した。
【0071】(塗布試料の調製)T−1〜T−3のハロ
ゲン化銀1モルあたり下記の薬品を添加して塗布液とし
た。 ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエ チルアミノ−1,3,5−トリアジン 72mg ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子 量60万) 1.8g
【0072】 ・ゼラチン 表−2に記載 ・ゼラチン微粒子I(平均粒径0.50μm) 表−2に記載 ・ゼラチン微粒子II(平均粒径2.7μm) 表−2に記載 ・PMMA(ポリメチルメタクリレート)微粒子 (平均粒径0.50μm) 表−2に記載 ・SiO2 微粒子(コロイダルシリカ)(平均粒 径0.51μm) 表−2に記載 ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセ トアミド)エタン
【0073】
【化7】
【0074】(表面保護層塗布液の調製)表面保護層は
各成分が下記の塗布量となるように調製準備した。 (表面保護層の内容) (塗布量) ・ゼラチン 0.966g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.023 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a, 7−テトラザインデン 0.015
【0075】
【化8】
【0076】 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.087 ・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.0005 (1) 下塗層用染料D−1の調製 下記の染料を特開昭63−197943号に記載の方法
でボールミル処理した。
【0077】
【化9】
【0078】水434mlおよびTritonX−200R 界面
活性剤(TX−200R )の6.7%水溶液791mlと
を2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの
溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ
400ml(2mm径)を添加し内容物を4日間粉砕した。
この後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡
したのち、濾過によりZrOビーズを除去した。得られ
た染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径
は直径0.05〜1.15μmにかけての広い分野を有
していて、平均粒径は0.37μmであった。さらに、
遠心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大きさ
の染料粒子を除去した。こうして染料分散物D−1を得
た。
【0079】(2) 支持体の調製 二軸延伸された厚さ183μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電処理をおこない、下記の
組成より成る第1下塗液を塗布量が5.1cc/m2となる
ようにワイヤーバーコーターにより塗布し、175℃に
て1分間乾燥した。次に反対面にも同様にして第1下塗
層を設けた。使用したポリエチレンテレフタレートには
下記構造の染料が0.04wt%含有されているものを
用いた。
【0080】
【化10】
【0081】 ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固型分40%ブタジエン/スチレン重量比 =31/69) 79cc 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ アジンナトリウム塩4%溶液 20.5cc 蒸留水 900.5cc ※ラテックス溶液中には、乳化分散剤としてnC6 13
OOCCH(nC613OOCCH2)SO3 Naをラテ
ックス固型分に対し0.4wt%含有。上記の両面の第
1下塗層上に下記の組成からなる第2の下塗層を塗布量
が下記に記載の量となるように片面ずつ、両面にワイヤ
ー・バーコーター方式により150℃で塗布・乾燥し
た。 ゼラチン 160mg/m2 染料分散物D−1(染料固型分として26mg/m2
【0082】
【化11】
【0083】 マット剤 平均粒径2.5μmのポリメチルメ タクリレート 2.5mg/m2
【0084】写真材料の調整 準備した支持体上に先の乳剤層と表面保護層を同時押し
出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量は
1.75g/m2とした。塗布ゼラチン量と液体窒素によ
る凍結乾燥法によりもとめる膨潤率は乳剤層に添加する
ゼラチンと硬膜剤量とで調整し表−2の如く設定した。
こうして写真材料16〜24を得た。
【0085】写真性能の評価 写真材料101および301〜306の各試料を富士写
真フイルム(株)社製のXレイオルソスクリーンHR−
4を使用して両側から0.05秒の露光を与え、感度の
評価をおこなった。露光後、以下の処理をおこなった。
感度は写真材料1を基準とし濃度1.0を与える露光量
の比の逆数でしめした。
【0086】処理I 自動現像機 … KONICA(株)社製 SRX−5
01 現像液 … 富士写真フイルム(株)社製 RD−
3 定着液 … 富士写真フイルム(株)社製 Fuj
iF 処理スピード… Dry to Dry 90秒 現像温度 … 35℃ 定着温度 … 32℃ 乾燥温度 … 45℃ 補充量 … 現像液 22ml/10×12インチ 定着液 30ml/10×12インチ
【0087】処理II 自動現像機 … KONICA(株)社製 SRX50
1の駆動モーターとギア部を改造して搬送スピードを速
めた。 (現像液及び定着液)
【0088】 <現像液濃縮液> 水酸化カリウム 56.6g 亜硫酸ナトリウム 200g ジエチレントリアミン五酢酸 6.7g 炭酸カリ 16.7g ホウ酸 10g ヒドロキノン 83.3g ジエチレングリコール 40g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル1−フェニ ル−3−ピラゾリドン 22.0g 5−メチルベンゾトリアゾール (HOOCCH2(C6 5)CHS)2 2g 水で1リットルとする(pH10.60に調整)。
【0089】 <定着液濃縮液> チオ硫酸アンモニウム 560g 亜硫酸ナトリウム 60g エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水 塩 0.10g 水酸化ナトリウム 24g 水で1リットルとする(酢酸でpH5.10に調整する)。
【0090】現像処理をスタートするときには自動現像
機の各タンクに以下の如き処理液を満たした。 現像タンク:上記現像液濃縮液333ml、水667ml及
び臭化カリウム2gと酢酸1.8gとを含むスターター
10mlを加えてpHを10.25とした。 定着タンク:上記定着液濃縮液200ml及び水800ml 処理スピード… Dry to Dry 30秒 現像温度 … 35℃ 定着温度 … 32℃ 乾燥温度 … 55℃ 補充量 … 現像液 22ml/10×12インチ 定着液 30ml/10×12インチ
【0091】乾燥性の評価 処理IIをおこなった際に、フィルムの乾燥性を評価し
た。評価基準は実施例1と同じにした。
【0092】ローラーマークの評価 各写真材料について実施例−1と同様の評価をおこなっ
た。
【0093】残色性の評価 処理IIをおこなった際に、フィルムの残色性を評価し
た。評価基準は処理Iと処理IIの素現フィルムを目視に
より比較しておこなった。以上の結果を表−2にまとめ
た。
【0094】
【表2】
【0095】表−2の結果より本発明のゼラチン微粒子
を用いると、写真性能を悪化させることなく、乾燥性、
ローラーマーク、残色性の全てを満足できることがわか
る。
【0096】
【発明の効果】本発明の架橋されたゼラチン微粒子のマ
ット剤を使用することにより、感光材料の感度低下をも
たらすことなく、処理による残色が改良される。また本
発明のゼラチン微粒子は感光材料の構成層に使用される
ゼラチンとの親和性が高くなるのでローラーマークが著
しく改善される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層及び非感光性層を有するハロゲン化銀写真感光
    材料において、該ハロゲン化銀乳剤層中に、硬化したゼ
    ラチン微粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。
  2. 【請求項2】 硬化したゼラチン微粒子の平均粒径が
    0.01〜10μmである特許請求の範囲第1項記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1982002016A1 (en) * 1980-12-11 1982-06-24 Ichiyanagi Takashi Copy cam driving device for machine tool

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