JPH0531315Y2 - - Google Patents
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- JPH0531315Y2 JPH0531315Y2 JP1985190932U JP19093285U JPH0531315Y2 JP H0531315 Y2 JPH0531315 Y2 JP H0531315Y2 JP 1985190932 U JP1985190932 U JP 1985190932U JP 19093285 U JP19093285 U JP 19093285U JP H0531315 Y2 JPH0531315 Y2 JP H0531315Y2
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- JP
- Japan
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- input shaft
- lubricating oil
- oil
- main bearing
- bearing
- Prior art date
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- 239000010687 lubricating oil Substances 0.000 claims description 55
- 239000003921 oil Substances 0.000 claims description 50
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 claims description 34
- 238000005461 lubrication Methods 0.000 claims description 8
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000005553 drilling Methods 0.000 description 1
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 1
- 239000000314 lubricant Substances 0.000 description 1
- 230000001050 lubricating effect Effects 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
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- General Details Of Gearings (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本考案は歯車式変速機、特に入力軸と出力軸と
がパイロツトベアリングを介して同軸上に配設さ
れた歯車式変速機の上記パイロツトベアリングに
対する潤滑構造に関する。
がパイロツトベアリングを介して同軸上に配設さ
れた歯車式変速機の上記パイロツトベアリングに
対する潤滑構造に関する。
(従来技術)
自動車に搭載されて手動で操作される歯車式変
速機は、変速機ハウジングの前部壁にメインベア
リングを介して回転自在に支持された入力軸と、
該入力軸の後端部に形成された中空部にパイロツ
トベアリングを介して前端部が回転自在に嵌合さ
れて入力軸の同軸上後方に配設された出力軸と、
該出力軸の下方に平行に配設されたカウンタ軸と
を備えると共に、該カウンタ軸と出力軸との間に
複数の歯車列を配列させた構成とされ、エンジン
出力軸からクラツチを介して入力軸に伝達された
回転を上記カウンタ軸に伝達すると共に、該カウ
ンタ軸の回転を、上記複数の歯車列のうちの1つ
を選択的に動力伝達状態とすることにより、その
選択された歯車列の歯車比に対応する減速比で上
記出力軸に伝達するようになつている。
速機は、変速機ハウジングの前部壁にメインベア
リングを介して回転自在に支持された入力軸と、
該入力軸の後端部に形成された中空部にパイロツ
トベアリングを介して前端部が回転自在に嵌合さ
れて入力軸の同軸上後方に配設された出力軸と、
該出力軸の下方に平行に配設されたカウンタ軸と
を備えると共に、該カウンタ軸と出力軸との間に
複数の歯車列を配列させた構成とされ、エンジン
出力軸からクラツチを介して入力軸に伝達された
回転を上記カウンタ軸に伝達すると共に、該カウ
ンタ軸の回転を、上記複数の歯車列のうちの1つ
を選択的に動力伝達状態とすることにより、その
選択された歯車列の歯車比に対応する減速比で上
記出力軸に伝達するようになつている。
ところで、この種の変速機においては、変速機
ハウジング内の底部に溜められた潤滑油が主とし
てカウンタ軸上の各変速用歯車の回転に伴つて掻
き揚げられることにより、該油が上記のメインベ
アリングやパイロツトベアリング等の各潤滑部に
供給されるようになつているが、これらのベアリ
ングに対する給油をより積極的に行わせるものと
して、例えば実開昭56−146159号公報に開示され
た考案がある。この考案は、変速機ハウジングの
前部壁に変速歯車側に突出する油受けを設けると
共に、上記メインベアリングの周辺部と上記油受
けとを連通させる油孔を該前部壁に穿設すること
により、変速機ハウジング内で掻き揚げられた潤
滑油が上記油受けによつて受けられた上で油孔を
介して上記メインベアリングに導入されるように
したものであつて、この考案によれば入力軸を支
持する上記メインベアリングに潤滑油が効果的に
供給されることになる。しかし、この考案は、メ
インベアリングに対する給油を目的とするもの
で、入力軸と出力軸との間に介在されたパイロツ
トベアリングに対して潤滑油を効果的に供給する
ことができない。
ハウジング内の底部に溜められた潤滑油が主とし
てカウンタ軸上の各変速用歯車の回転に伴つて掻
き揚げられることにより、該油が上記のメインベ
アリングやパイロツトベアリング等の各潤滑部に
供給されるようになつているが、これらのベアリ
ングに対する給油をより積極的に行わせるものと
して、例えば実開昭56−146159号公報に開示され
た考案がある。この考案は、変速機ハウジングの
前部壁に変速歯車側に突出する油受けを設けると
共に、上記メインベアリングの周辺部と上記油受
けとを連通させる油孔を該前部壁に穿設すること
により、変速機ハウジング内で掻き揚げられた潤
滑油が上記油受けによつて受けられた上で油孔を
介して上記メインベアリングに導入されるように
したものであつて、この考案によれば入力軸を支
持する上記メインベアリングに潤滑油が効果的に
供給されることになる。しかし、この考案は、メ
インベアリングに対する給油を目的とするもの
で、入力軸と出力軸との間に介在されたパイロツ
トベアリングに対して潤滑油を効果的に供給する
ことができない。
これに対して、パイロツトベアリングに対する
給油を積極的に行うものとして、例えば実開昭59
−96461号公報に示された歯車式変速機がある。
この変速機においては、第8図に示すように、入
力軸1の後端に形成された中空部1aにパイロツ
トベアリング2を介して出力軸3の前端3aが嵌
合され、且つ上記パイロツトベアリング2が嵌合
された入力軸1の後端部外周に該入力軸1の回転
をカウンタ軸4に伝達する駆動歯車1bが形成さ
れた構成において、該歯車1bの歯底から上記中
空部1a内におけるパイロツトベアリング2の嵌
合部に連通する半径方向の油孔1cが穿設されて
いる。これによれば変速機ハウジング5内で掻き
揚げられた潤滑油が上記油孔1cを通つて上記パ
イロツトベアリング2に供給されることになる。
しかし、この構造によれば、上記油孔1cは入力
軸1に半径方向に穿設されただけであるので、該
軸1の回転による遠心力により潤滑油のパイロツ
トベアリング2側への導入が妨げられて、該ベア
リング2に潤滑油が効果的に供給されず、また該
油孔1cを穿設することにより駆動歯車1bの強
度が低下するという問題が生じる。
給油を積極的に行うものとして、例えば実開昭59
−96461号公報に示された歯車式変速機がある。
この変速機においては、第8図に示すように、入
力軸1の後端に形成された中空部1aにパイロツ
トベアリング2を介して出力軸3の前端3aが嵌
合され、且つ上記パイロツトベアリング2が嵌合
された入力軸1の後端部外周に該入力軸1の回転
をカウンタ軸4に伝達する駆動歯車1bが形成さ
れた構成において、該歯車1bの歯底から上記中
空部1a内におけるパイロツトベアリング2の嵌
合部に連通する半径方向の油孔1cが穿設されて
いる。これによれば変速機ハウジング5内で掻き
揚げられた潤滑油が上記油孔1cを通つて上記パ
イロツトベアリング2に供給されることになる。
しかし、この構造によれば、上記油孔1cは入力
軸1に半径方向に穿設されただけであるので、該
軸1の回転による遠心力により潤滑油のパイロツ
トベアリング2側への導入が妨げられて、該ベア
リング2に潤滑油が効果的に供給されず、また該
油孔1cを穿設することにより駆動歯車1bの強
度が低下するという問題が生じる。
(考案の目的)
本考案は歯車式変速機における潤滑構造に関す
る上記のような実情に対処するもので、入力軸と
出力軸とがパイロツトベアリングを介して同軸上
に配設され、且つ上記入力軸を支持するメインベ
アリングに潤滑油が掻き揚げ供給されるようにな
つている歯車式変速機において、入力軸の軸受部
周辺の潤滑構造を改良することにより、歯車の強
度の低下等を来たすことなく、上記パイロツトベ
アリングに対して十分に潤滑油を供給し得るよう
にすることを目的とする。
る上記のような実情に対処するもので、入力軸と
出力軸とがパイロツトベアリングを介して同軸上
に配設され、且つ上記入力軸を支持するメインベ
アリングに潤滑油が掻き揚げ供給されるようにな
つている歯車式変速機において、入力軸の軸受部
周辺の潤滑構造を改良することにより、歯車の強
度の低下等を来たすことなく、上記パイロツトベ
アリングに対して十分に潤滑油を供給し得るよう
にすることを目的とする。
(考案の構成)
本考案に係る歯車式変速機の潤滑構造は上記目
的達成のため次のように構成したことを特徴とす
る。
的達成のため次のように構成したことを特徴とす
る。
即ち、メインベアリングを介して変速機ハウジ
ングに支持された入力軸の後端部に中空部を設
け、該中空部にパイロツトベアリングを介して出
力軸の前端部を嵌合支持させると共に、上記メイ
ンベアリングに潤滑油を掻き揚げ供給するように
した歯車式変速機において、上記メインベアリン
グとその前方に配置されたフロントカバーとの間
の空間に、メインベアリング周辺部に掻き揚げら
れて該空間内に流入した潤滑油を入力軸側に案内
し且つメインベアリング側への流出を阻止する案
内部材を配設すると共に、上記入力軸に、一端が
上記空間を臨み、他端が上記パイロツトベアリン
グ側に通じる潤滑用油路を形成し、且つ該油路の
入口部に、入力軸に固定されて回転することによ
り上記案内部材により該入力軸側に案内された潤
滑油を該油路に導入させるオイルスクレーパを設
けたことを特徴とする。
ングに支持された入力軸の後端部に中空部を設
け、該中空部にパイロツトベアリングを介して出
力軸の前端部を嵌合支持させると共に、上記メイ
ンベアリングに潤滑油を掻き揚げ供給するように
した歯車式変速機において、上記メインベアリン
グとその前方に配置されたフロントカバーとの間
の空間に、メインベアリング周辺部に掻き揚げら
れて該空間内に流入した潤滑油を入力軸側に案内
し且つメインベアリング側への流出を阻止する案
内部材を配設すると共に、上記入力軸に、一端が
上記空間を臨み、他端が上記パイロツトベアリン
グ側に通じる潤滑用油路を形成し、且つ該油路の
入口部に、入力軸に固定されて回転することによ
り上記案内部材により該入力軸側に案内された潤
滑油を該油路に導入させるオイルスクレーパを設
けたことを特徴とする。
このような構成によれば、入力軸支持用のメイ
ンベアリングの周辺部に掻き揚げられて該メイン
ベアリングとフロントカバーとの間の空間に流入
した潤滑油は、該空間内に設けられた案内部材に
より入力軸側に案内されると共に、メインベアリ
ングの間隙を通つて該空間から流出することが阻
止されるので、該空間内における入力軸の周辺に
一時的に滞留することになる。そして、この潤滑
油は入力軸の回転に伴うオイルスクレーパの回転
により、遠心力の作用に拘わらず、潤滑用油路に
積極的に導入され、入力軸後端部の中空部を通つ
てパイロツトベアリングに確実に導かれることに
なる。
ンベアリングの周辺部に掻き揚げられて該メイン
ベアリングとフロントカバーとの間の空間に流入
した潤滑油は、該空間内に設けられた案内部材に
より入力軸側に案内されると共に、メインベアリ
ングの間隙を通つて該空間から流出することが阻
止されるので、該空間内における入力軸の周辺に
一時的に滞留することになる。そして、この潤滑
油は入力軸の回転に伴うオイルスクレーパの回転
により、遠心力の作用に拘わらず、潤滑用油路に
積極的に導入され、入力軸後端部の中空部を通つ
てパイロツトベアリングに確実に導かれることに
なる。
(考案の効果)
以上のように本考案によれば、入力軸と出力軸
とがパイロツトベアリングを介して同軸上に配設
され、且つ入力軸を支持するメインベアリングに
潤滑油が掻き揚げ供給される歯車式変速機におい
て、このメインベアリングの周辺部に掻き揚げら
れた潤滑油が有効に利用されて、従来、特に潤滑
油が供給され難かつたパイロツトベアリングに、
入力軸の回転に伴う遠心力の作用にも拘らず潤滑
油が積極的に供給されることになる。これによ
り、入力軸と出力軸との間の抵抗か減少してエン
ジン出力の伝達効率が向上し、また上記パイロツ
トベアリングの摩耗等が防止されることになる。
そして、特にこの考案によれば、入力軸に設けら
れる歯車の強度の低下等の弊害を伴わない利点が
ある。
とがパイロツトベアリングを介して同軸上に配設
され、且つ入力軸を支持するメインベアリングに
潤滑油が掻き揚げ供給される歯車式変速機におい
て、このメインベアリングの周辺部に掻き揚げら
れた潤滑油が有効に利用されて、従来、特に潤滑
油が供給され難かつたパイロツトベアリングに、
入力軸の回転に伴う遠心力の作用にも拘らず潤滑
油が積極的に供給されることになる。これによ
り、入力軸と出力軸との間の抵抗か減少してエン
ジン出力の伝達効率が向上し、また上記パイロツ
トベアリングの摩耗等が防止されることになる。
そして、特にこの考案によれば、入力軸に設けら
れる歯車の強度の低下等の弊害を伴わない利点が
ある。
(実施例)
以下、本考案の実施例について説明する。
第1図は該実施例に係る歯車式変速機の前部を
示す縦断面図で、同図に示すように該歯車式変速
機10は、変速機ハウジング11内に、前端部が
図示しないエンジン出力軸にクラツチを介して連
結されている入力軸12と、該入力軸12の後方
において該入力軸12と同軸上に配設された出力
軸13と、該出力軸13の下方に平行に配設され
たカウンタ軸14とを有する。そして、上記入力
軸12の後端部と、上記カウンタ軸14の前端部
とには、互いに噛合う駆動歯車12aと入力歯車
14aとが夫々一体的に設けられ、これらの歯車
12a,14aを介して入力軸12の回転がカウ
ンタ軸14に常時伝達されるようになつている。
また、該カウンタ軸14と上記出力軸13との間
には各一対の変速用歯車14′,13′でなる複数
の歯車列と同期装置15(最前部の歯車列及び同
期装置のみ図示)とが設けられており、シフトレ
バー(図示せず)の操作時にシフトロツド16な
いし上記同期装置15等を介して、カウンタ軸1
4から上記歯車列を介して出力軸13に至る回転
伝達経路が選択的に切換えられるように構成され
ている。尚、上記変速機ハウジング11内には所
定量の潤滑油Xが貯留されており、入力軸12の
回転に伴つて上記カウンタ軸14が回転する時
に、該カウンタ軸14の入力歯車14aや変速用
歯車14′によつて上記潤滑油Xが上方に激しく
掻き揚げられるようになつている。
示す縦断面図で、同図に示すように該歯車式変速
機10は、変速機ハウジング11内に、前端部が
図示しないエンジン出力軸にクラツチを介して連
結されている入力軸12と、該入力軸12の後方
において該入力軸12と同軸上に配設された出力
軸13と、該出力軸13の下方に平行に配設され
たカウンタ軸14とを有する。そして、上記入力
軸12の後端部と、上記カウンタ軸14の前端部
とには、互いに噛合う駆動歯車12aと入力歯車
14aとが夫々一体的に設けられ、これらの歯車
12a,14aを介して入力軸12の回転がカウ
ンタ軸14に常時伝達されるようになつている。
また、該カウンタ軸14と上記出力軸13との間
には各一対の変速用歯車14′,13′でなる複数
の歯車列と同期装置15(最前部の歯車列及び同
期装置のみ図示)とが設けられており、シフトレ
バー(図示せず)の操作時にシフトロツド16な
いし上記同期装置15等を介して、カウンタ軸1
4から上記歯車列を介して出力軸13に至る回転
伝達経路が選択的に切換えられるように構成され
ている。尚、上記変速機ハウジング11内には所
定量の潤滑油Xが貯留されており、入力軸12の
回転に伴つて上記カウンタ軸14が回転する時
に、該カウンタ軸14の入力歯車14aや変速用
歯車14′によつて上記潤滑油Xが上方に激しく
掻き揚げられるようになつている。
ところで、上記入力軸12の後部はメインベア
リング17を介して変速機ハウジング11の前部
壁11aに回転自在に支持されていると共に、該
入力軸12の後部は中空状とされており、該中空
部12b内に上記出力軸13の小径とされた前端
部13aが突入されている。そして、この中空部
12bの内周面と出力軸前端部13aの外周面と
の間にパイロツトベアリング18が介装されてい
る。また、上記変速機ハウジング11の前部壁1
1aの前面には、上記入力軸12の外周面に摺接
するシール部材19が固着されたフロントカバー
20がボルト21により取付けられている。そし
て、該フロントカバー20の後面と上記メインベ
アリング17との間には空間Aが形成されている
と共に、上記ハウジング前部壁11aの上部及び
フロントカバー20の上部には変速機ハウジング
11内から上記空間Aに通じる潤滑油導入通路1
1b,20aが形成され、変速機ハウジング11
内で掻き揚げられた潤滑油Xがこれらの通路11
b,20aを通過して上記空間Aに導入されるよ
うに構成されている。
リング17を介して変速機ハウジング11の前部
壁11aに回転自在に支持されていると共に、該
入力軸12の後部は中空状とされており、該中空
部12b内に上記出力軸13の小径とされた前端
部13aが突入されている。そして、この中空部
12bの内周面と出力軸前端部13aの外周面と
の間にパイロツトベアリング18が介装されてい
る。また、上記変速機ハウジング11の前部壁1
1aの前面には、上記入力軸12の外周面に摺接
するシール部材19が固着されたフロントカバー
20がボルト21により取付けられている。そし
て、該フロントカバー20の後面と上記メインベ
アリング17との間には空間Aが形成されている
と共に、上記ハウジング前部壁11aの上部及び
フロントカバー20の上部には変速機ハウジング
11内から上記空間Aに通じる潤滑油導入通路1
1b,20aが形成され、変速機ハウジング11
内で掻き揚げられた潤滑油Xがこれらの通路11
b,20aを通過して上記空間Aに導入されるよ
うに構成されている。
然して、上記入力軸12におけるシール部材1
9の摺接部とメインベアリング17の嵌合部との
間、即ち上記空間Aに面する部分には、該空間A
と入力軸12の中空部12bとを連通させる潤滑
用油路12cが半径方向に設けられていると共
に、該油路12cの入口部には上記空間A内の潤
滑油Xを該油路12c内へ導入するオイルスクレ
ーパー21が設けられている。このオイルスクレ
ーパー21は、第2,3図に示すように上記油路
12cの開口部を覆うように入力軸12の外周囲
に嵌着されたリング状部材であつて、該オイルス
クレーパー21には、油路12cの開口部を覆う
箇所を回転方向aに対する後方側から斜め前方に
切り起した羽根部21aが起立形成されている。
そして、該オイルスクレーパー21は、入力軸1
2の周面における油路12cの180°反対側に形成
された凹部12dにかしめられることにより、上
記羽根部21aが油路12cの入口部に位置する
ように固定されている。また、上記フロントカバ
ー20とメインベアリング17との間の空間Aに
は、内外径が該メインベアリング17と略同寸の
中空円板状の案内部材22が配設され、該案内部
材22の主として上部により、上記潤滑油導入通
路11b,20aを通過して空間Aに流入した潤
滑油Xが入力軸12側に案内され、また該案内部
材22の主として下部により、空間A内の潤滑油
がメインベアリングの各ローラ間の間隙を通り抜
けて変速機ハウジング11内側へ流出するのが阻
止されるようになつている。
9の摺接部とメインベアリング17の嵌合部との
間、即ち上記空間Aに面する部分には、該空間A
と入力軸12の中空部12bとを連通させる潤滑
用油路12cが半径方向に設けられていると共
に、該油路12cの入口部には上記空間A内の潤
滑油Xを該油路12c内へ導入するオイルスクレ
ーパー21が設けられている。このオイルスクレ
ーパー21は、第2,3図に示すように上記油路
12cの開口部を覆うように入力軸12の外周囲
に嵌着されたリング状部材であつて、該オイルス
クレーパー21には、油路12cの開口部を覆う
箇所を回転方向aに対する後方側から斜め前方に
切り起した羽根部21aが起立形成されている。
そして、該オイルスクレーパー21は、入力軸1
2の周面における油路12cの180°反対側に形成
された凹部12dにかしめられることにより、上
記羽根部21aが油路12cの入口部に位置する
ように固定されている。また、上記フロントカバ
ー20とメインベアリング17との間の空間Aに
は、内外径が該メインベアリング17と略同寸の
中空円板状の案内部材22が配設され、該案内部
材22の主として上部により、上記潤滑油導入通
路11b,20aを通過して空間Aに流入した潤
滑油Xが入力軸12側に案内され、また該案内部
材22の主として下部により、空間A内の潤滑油
がメインベアリングの各ローラ間の間隙を通り抜
けて変速機ハウジング11内側へ流出するのが阻
止されるようになつている。
上記の構成によれば、ハウジング前部壁11a
及びフロントカバー20に設けられた潤滑油導入
通路11b,20aを通過して空間Aに流入した
潤滑油Xは案内部材22により入力軸12側へ案
内され且つ該空間Aからの流出が阻止されるの
で、該空間A内において入力軸12の周辺に一時
的に滞留することになるが、該入力軸12の空間
Aに面する部分には潤滑用油路12cが形成され
ていると共に、該油路12cの入口部にはオイル
スクレーパー21が設けられているので、該オイ
ルスクレーパー21の羽根部21aが入力軸12
に伴つてa方向回転した時に潤滑油Xは矢印b方
向(第3図参照)に沿つて潤滑用油路12cへ積
極的に掻き入れられることになる。そして、該潤
滑油Xは油路12cから中空部12b内を通過し
て該入力軸12と出力軸13との間に介在するパ
イロツトベアリング18まで導入されることにな
る。その場合に、上記のように、空間Aに配設さ
れた案内部材22の作用により、該空間Aに流入
した潤滑油Xが入力軸12側に案内され且つ該空
間Aからの流出が阻止されると共に、この案内部
材22は、メインベアリング17における各ロー
ラの回転に伴う負圧による空間Aからの潤滑油X
の吸い出し作用や、オイルスクレーパー21の回
転に伴う風圧による空間Aからの潤滑油Xの吹き
出し作用等をも阻止し、従つて、空間A内におけ
る入力軸12の周辺に潤滑油Xを一層効果的に滞
留させるのである。また、このように入力軸12
の周辺に潤滑油Xが滞留していても、入力軸12
に単に半径方向の油路12cを設けるだけでは遠
心力の作用により潤滑油Xが該油路12aに効果
的に導入されないのであるが、該油路12cの入
口にはオイルスクレーパー21の羽根部21aが
位置しているので、第2図の矢印で示すように潤
滑油Xは確実に上記油路12cから入力軸12の
中空部12bに導入されることになる。これによ
り、入力軸12と出力軸13との間に介在された
パイロツトベアリング18に確実に且つ十分に潤
滑油が供給されることになり、該ベアリング18
の摩耗や入力軸12と出力軸13との間の摺動抵
抗の増大等が防止される。
及びフロントカバー20に設けられた潤滑油導入
通路11b,20aを通過して空間Aに流入した
潤滑油Xは案内部材22により入力軸12側へ案
内され且つ該空間Aからの流出が阻止されるの
で、該空間A内において入力軸12の周辺に一時
的に滞留することになるが、該入力軸12の空間
Aに面する部分には潤滑用油路12cが形成され
ていると共に、該油路12cの入口部にはオイル
スクレーパー21が設けられているので、該オイ
ルスクレーパー21の羽根部21aが入力軸12
に伴つてa方向回転した時に潤滑油Xは矢印b方
向(第3図参照)に沿つて潤滑用油路12cへ積
極的に掻き入れられることになる。そして、該潤
滑油Xは油路12cから中空部12b内を通過し
て該入力軸12と出力軸13との間に介在するパ
イロツトベアリング18まで導入されることにな
る。その場合に、上記のように、空間Aに配設さ
れた案内部材22の作用により、該空間Aに流入
した潤滑油Xが入力軸12側に案内され且つ該空
間Aからの流出が阻止されると共に、この案内部
材22は、メインベアリング17における各ロー
ラの回転に伴う負圧による空間Aからの潤滑油X
の吸い出し作用や、オイルスクレーパー21の回
転に伴う風圧による空間Aからの潤滑油Xの吹き
出し作用等をも阻止し、従つて、空間A内におけ
る入力軸12の周辺に潤滑油Xを一層効果的に滞
留させるのである。また、このように入力軸12
の周辺に潤滑油Xが滞留していても、入力軸12
に単に半径方向の油路12cを設けるだけでは遠
心力の作用により潤滑油Xが該油路12aに効果
的に導入されないのであるが、該油路12cの入
口にはオイルスクレーパー21の羽根部21aが
位置しているので、第2図の矢印で示すように潤
滑油Xは確実に上記油路12cから入力軸12の
中空部12bに導入されることになる。これによ
り、入力軸12と出力軸13との間に介在された
パイロツトベアリング18に確実に且つ十分に潤
滑油が供給されることになり、該ベアリング18
の摩耗や入力軸12と出力軸13との間の摺動抵
抗の増大等が防止される。
尚、上記実施例においては、入力軸12に設け
た潤滑用油路12cを1本のみとしたが、第4図
に示すように、潤滑用油路12c′を2本或は複数
本設けると共に、各油路12c′,12c′の入口部
に夫々オイルスクレーパー21′の羽根部21a′,
21a′を形成してもよく、これによれば、より効
果的に潤滑油が中空部12b′を介してパイロツト
ベアリングに導入されることになる。
た潤滑用油路12cを1本のみとしたが、第4図
に示すように、潤滑用油路12c′を2本或は複数
本設けると共に、各油路12c′,12c′の入口部
に夫々オイルスクレーパー21′の羽根部21a′,
21a′を形成してもよく、これによれば、より効
果的に潤滑油が中空部12b′を介してパイロツト
ベアリングに導入されることになる。
また、第5図に示すように、潤滑用油路12
c″,12c″を外側から中心側に向つて回転方向の
後方側に傾斜させるようにしてもよく、このよう
にすれば該油路12c″の回転方向に対する後方側
の壁に押し付けられた潤滑油が矢印cで示すよう
に油路12c″の傾斜に沿つてスムーズに内側の中
空部12b″側に導入されることになる。
c″,12c″を外側から中心側に向つて回転方向の
後方側に傾斜させるようにしてもよく、このよう
にすれば該油路12c″の回転方向に対する後方側
の壁に押し付けられた潤滑油が矢印cで示すよう
に油路12c″の傾斜に沿つてスムーズに内側の中
空部12b″側に導入されることになる。
更に、以上のように潤滑用油路の形状を工夫す
ると共に、第6,7図に示すように、入力軸12
の外周下半部側に油受け部材23を設けても
よい。つまり、断面略コ字状の油受け部23a
を有する油受け部材23を、その油受け部23a
内をオイルスクレーパー21の羽根部21a
が通過するようにフロントカバー20に上記
案内部材22を介して取付けるのである。これ
によれば、油受け部23aに潤滑油が溜められ
るので、より多量の潤滑油が油路12cないし
パイロツトベアリングに導入されることになる。
ると共に、第6,7図に示すように、入力軸12
の外周下半部側に油受け部材23を設けても
よい。つまり、断面略コ字状の油受け部23a
を有する油受け部材23を、その油受け部23a
内をオイルスクレーパー21の羽根部21a
が通過するようにフロントカバー20に上記
案内部材22を介して取付けるのである。これ
によれば、油受け部23aに潤滑油が溜められ
るので、より多量の潤滑油が油路12cないし
パイロツトベアリングに導入されることになる。
第1〜7図は本考案の実施例を示すもので、第
1図は歯車式変速機の一部を示す縦断側面図、第
2図は該変速機における入力軸の要部拡大縦断側
面図、第3図は第2図−線で切断した同要部
縦断正面図、第4,5図は夫々第2,3実施例を
示す入力軸の要部縦断正面図、第6図は第4実施
例を示す入力軸近傍の要部縦断側面図、第7図は
第6図−線で切断した同要部縦断正面図であ
る。また、第8図は従来例を示す歯車式変速機の
一部縦断側面図である。 10……歯車式変速機、11……変速ハウジン
グ、12,12′,12″,12……入力軸、1
2c,12c′,12c″,12c……潤滑用油
路、17……軸受部(メインベアリング)、18
……パイロツトベアリング、20……フロントカ
バー、21,21′,21″,21……オイルス
クレーパー、22,22……案内部材、A……
空間、X……潤滑油。
1図は歯車式変速機の一部を示す縦断側面図、第
2図は該変速機における入力軸の要部拡大縦断側
面図、第3図は第2図−線で切断した同要部
縦断正面図、第4,5図は夫々第2,3実施例を
示す入力軸の要部縦断正面図、第6図は第4実施
例を示す入力軸近傍の要部縦断側面図、第7図は
第6図−線で切断した同要部縦断正面図であ
る。また、第8図は従来例を示す歯車式変速機の
一部縦断側面図である。 10……歯車式変速機、11……変速ハウジン
グ、12,12′,12″,12……入力軸、1
2c,12c′,12c″,12c……潤滑用油
路、17……軸受部(メインベアリング)、18
……パイロツトベアリング、20……フロントカ
バー、21,21′,21″,21……オイルス
クレーパー、22,22……案内部材、A……
空間、X……潤滑油。
Claims (1)
- メインベアリングを介して変速機ハウジングに
支持された入力軸の後端部に中空部を設け、該中
空部にパイロツトベアリングを介して出力軸の前
端部を嵌合支持させると共に、上記メインベアリ
ングに潤滑油を掻き揚げ供給するようにした歯車
式変速機の潤滑構造であつて、上記メインベアリ
ングとその前方に配置されたフロントカバーとの
間の空間に、メインベアリング周辺部に掻き揚げ
られて該空間内に流入した潤滑油を入力軸側に案
内し且つメインベアリング側への流出を阻止する
案内部材を配設すると共に、上記入力軸に、一端
が上記空間を臨み、他端が上記パイロツトベアリ
ング側に通じる潤滑用油路を形成し、且つ該油路
の入口部に、入力軸に固定されて回転することに
より上記案内部材によつて該入力軸側に案内され
た潤滑油を該油路に導入させるオイルスクレーパ
を設けたことを特徴とする歯車式変速機の潤滑構
造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1985190932U JPH0531315Y2 (ja) | 1985-12-10 | 1985-12-10 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1985190932U JPH0531315Y2 (ja) | 1985-12-10 | 1985-12-10 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6297355U JPS6297355U (ja) | 1987-06-20 |
JPH0531315Y2 true JPH0531315Y2 (ja) | 1993-08-11 |
Family
ID=31144605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1985190932U Expired - Lifetime JPH0531315Y2 (ja) | 1985-12-10 | 1985-12-10 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0531315Y2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2512978Y2 (ja) * | 1989-11-28 | 1996-10-02 | 三菱農機株式会社 | ミッションケ―スの軸受部構造 |
JP2007147021A (ja) * | 2005-11-29 | 2007-06-14 | Aisin Aw Co Ltd | 車輌用伝動装置の油路構造 |
JP5381645B2 (ja) * | 2009-11-25 | 2014-01-08 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 車輌用伝動装置の油路構造 |
JP5802379B2 (ja) * | 2010-11-10 | 2015-10-28 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG | 車両用変速機の整流板 |
JP2019090467A (ja) * | 2017-11-14 | 2019-06-13 | いすゞ自動車株式会社 | 動力伝達装置の潤滑構造 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6314134Y2 (ja) * | 1985-05-16 | 1988-04-20 |
-
1985
- 1985-12-10 JP JP1985190932U patent/JPH0531315Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6297355U (ja) | 1987-06-20 |
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