JPH05311399A - 有機焦電圧電体の形成方法 - Google Patents

有機焦電圧電体の形成方法

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JPH05311399A
JPH05311399A JP11921292A JP11921292A JPH05311399A JP H05311399 A JPH05311399 A JP H05311399A JP 11921292 A JP11921292 A JP 11921292A JP 11921292 A JP11921292 A JP 11921292A JP H05311399 A JPH05311399 A JP H05311399A
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polymer film
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electric field
pyroelectric
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Masayuki Iijima
正行 飯島
Takeshi Hattori
武 服部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、絶縁性に優れた焦電圧電性を有する
高分子膜を基板上に簡単に形成する方法。 【構成】 基板と、該基板前方に配置された電極との間
に高電界を印加しながら真空中で2種以上の高分子膜の
原料モノマーを蒸発させ、基板上で蒸着重合中の高分子
膜に分極処理を施して焦電圧電性を有する高分子膜を形
成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線センサー、圧力
センサー、超音波トランスジュサー、非線形光学材料等
にその焦電性や圧電性を利用して用いる有機焦電圧電体
の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上に積層状に配設された例え
ばアルミニウムから成る対向電極間に分極処理(ポーリ
ング処理ともいう)が施されたポリ尿素から成るポリマ
ー膜を介在させた有機焦電圧電体の製造方法としては、
真空中で、基板上に下部電極、ポリ尿素膜、上部電極の
順に積層して積層体に形成し、或いは更にこの積層工程
を複数回行なって多層構造の積層体に形成する。
【0003】そして、該積層体を大気中、或いは例えば
窒素ガス雰囲気中でポリマー膜の上下の電極間に例えば
100MV/mの電界を印加した状態で室温からガラス
転移点以上の温度まで昇温し、一定時間該温度をを保持
した後、室温まで降温してポリマー膜に分極処理を施す
方法、或いは基板(導電性を付与してある)上にポリマ
ー膜を成膜後、大気中、或いは例えば窒素ガス雰囲気中
で基板と針間に例えば10KV/cmの電界を印加した
状態で室温からガラス転移点以上の温度まで昇温し、一
定時間該温度を保持した後、室温まで降温してポリマー
膜に分極処理を施すコロナポーリング法が知られてい
る。
【0004】また、ポリマー膜の出発原料としてポリフ
ッ化ビニリデン系の高分子材料を用い、該高分子材料を
真空中で所定温度に加温された金属製基板またはAu、
Al等を蒸着したガラス基板(導電性を付与してある)
と針状または網状電極の間に例えば10KV/cmの電
界を印加した状態で該高分子原料を蒸発させて、基板上
に蒸着して直接ポリマー膜を形成する方法(電場アシス
トまたは電場中蒸着法)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法のうち、分極処理を施す方法の場合は、真空中で基板
上に下部電極、ポリマー膜、上部電極の順に積層して積
層体に形成、或いは更にみの積層工程を複数回行なって
多層構造の積層体に形成した後、真空室から電極とポリ
マー膜の積層体を一旦取り出した後、ポリマー膜に分極
処理を施すため、一つの基板上に複数のポリマー膜を複
数の対向電極間に介在させて配設された積層体を製造す
る際、夫々の電極の全てから引出し電極を配線した後、
ポリマー膜に一度に分極処理を施すため、複数のポリマ
ー膜のうちのいずれか1層が引出し電極の配線時に導電
した場合には全てのポリマー膜に分極処理を施すことが
出来ないという問題があり、また、ポリマー膜への導電
を防止するために複数のポリマー膜に対してその膜形成
毎に分極処理を施す場合は、ポリマー膜への分極処理に
長時間要して生産性が低いという問題がある。
【0006】また、前記方法のうち、コロナポーリング
法の場合は、前記方法と異なり、一度に全てのポリマー
膜に分極処理を施すことが出来るが、成膜後に真空室か
ら積層体を取り出し、これに分極処理を施した後、最外
側のポリマー膜上に上部電極を蒸着等の手段により取付
けなければならないため、分極処理工程の前後にポリマ
ー膜に粉塵が付着しやすく、粉塵が付着した焦電圧電体
はポリマー膜に絶縁破壊を起こしやすく、有機焦電圧電
体の製品の歩留まりが低下するという問題がある。
【0007】また、前記方法のうち、電場中蒸着法の場
合は、基板上に形成されたポリマー膜は焦電圧電性は有
するものの耐熱性、絶縁性が低く、焦電圧電体としての
実用性に問題がある。
【0008】本発明はかかる問題点を解消し、耐熱性、
絶縁性に優れた焦電圧電性を有する高分子膜を極めて簡
単に基板上に形成することが出来る有機焦電圧電体の形
成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の有機焦電圧電体
の形成方法は、基板上に積層状に配設された対向電極間
に分極処理された高分子膜を介在させた有機焦電圧電体
の形成方法において、基板前方に配置された針状、線
状、或いは網状の電極と、基板との間に高電界を印加し
ながら真空中で2種以上の高分子膜の原料モノマーを蒸
発させ、基板上で蒸着重合させて分極処理された高分子
膜を形成することを特徴とする。また、前記高分子膜を
ポリ尿素としてもよいし、またはポリアミドとしてもよ
い。
【0010】
【作用】真空中で2種以上の高分子膜の原料モノマーを
蒸発させると、原料モノマーの蒸気が基板上に蒸着し、
重合により基板上に高分子膜が形成される。その際、高
電界がない場合は基板上に形成される高分子膜となるポ
リ尿素、ポリアミド中の双極子(ポリ尿素の場合は尿素
結合、ポリアミドの場合はアミド結合)は任意の方向を
向いているために形成された高分子膜に分極処理が必要
である。
【0011】本発明では基板上への高分子膜の原料モノ
マーの蒸着重合時に高電界が存在するから、蒸着重合と
同時に形成される高分子膜に双極子の配向が起こり、そ
の結果、形成された高分子膜に焦電圧電性が生じる。
【0012】
【実施例】以下添付図面にしたがって本発明の実施例に
ついて説明する。図1は本発明方法を実施する装置の1
例を示すもので、図中、1は真空処理室を示す。該真空
処理室1内を外部の真空ポンプその他の真空排気系2に
接続すると共に、真空処理室1内の上方に焦電圧電体の
蒸着膜を形成せしめるべき基板3を2本のレールから成
る基板ホルダー4に保持するようにした。
【0013】また、真空処理室1内の下方に前記基板3
に対向させて焦電圧電体の高分子膜の一方の原料モノマ
ーA(ポリ尿素の場合はジアミン、ポリアミドの場合は
ジアミン)、および他方の原料モノマーB(ポリ尿素の
場合はジイソシアナート、ポリアミドの場合はジクロラ
イト)をその周囲に巻回したヒーター5で夫々所定温度
に加熱し、蒸発させるためのガラス製、或いは銅製容器
から成る蒸発源6,6を配設した。
【0014】また、基板3の前面に基板3より3〜10
mm程度の間隔を存してタンタル製或いはチタン製の針
状の電極7を配設し、該電極7と基板ホルダー4を電源
8を介して接続した。そして、基板ホルダー4に保持さ
れた基板3と電極7との間に3〜10KVの電圧を印加
して両者3,7間に高電界を生じせしめ、基板3上に前
記蒸発源6で加熱され蒸発する原料モノマーA,Bの蒸
気の蒸着、重合中に分極処理を施して双極子が一定方向
に配向された高分子膜の有機焦電圧電体を得るようにし
た。
【0015】図中、9は基板3と両蒸発源6の間に介在
されるシャッター、10は両蒸発源6の間に設けた仕切
板を示す。
【0016】尚、図示例装置では電極7は針状とした
が、本発明ではこれに限定されるものではなく、電極7
を線状或いは網状としてもよい。
【0017】次に前記図示装置を用いて、本発明方法の
有機焦電圧電体の形成方法の具体的実施例を説明する。
【0018】実施例1 本実施例では基板3は50mm角、厚さ0.2mmのT
i箔を用い、基板3と電極(針状)7との間隔を10m
mとし、両者3,7間に600KV/mの電圧を加えて
6KVの電界を印加するようにした。
【0019】先ず、真空処理室1内の一方の蒸発源6に
高分子膜の一方の原料モノマーAとして1,9−ジアミ
ノノナンを、他方の蒸発源6に高分子膜の他方の原料モ
ノマーBとして1,9−ジイソシアナートノナンを夫々
充填し、シャッター9を閉じた状態で真空処理室1内の
圧力を真空排気系2により1×10- 6Torrに設定し
た。次に、1,9−ジアミノノナンを蒸発源6で30±
0.5℃に、また、1,9−ジイソシアナートノナンを
蒸発源6で50±0.5℃に夫々加熱した。
【0020】次いで、原料モノマーAおよび原料モノマ
ーBが所定温度に達した時点で、シャッター9を開き、
原料モノマーA,Bを30Å/minの析出速度で蒸発
させて基板3上に蒸着させると共に、前記電界を印加し
ながら蒸着物に重付加を起こさせて厚さ5000Åのポ
リ尿素膜を形成した。
【0021】尚、原料モノマーA,Bは化学量論的にポ
リ尿素膜が形成されるように蒸発量の調整によって1:
1のモル比で蒸発するようにした。また、原料モノマー
A,Bの蒸発時における真空処理室1内の圧力は2×1
- 5Torrとした。また、ポリ尿素膜形成中は、真空処
理室1を冷却水で冷却し+10℃に維持した。その際の
基板3の温度は+5℃であった。
【0022】ポリ尿素膜を形成後、該ポリ尿素膜上に電
子ビーム蒸着法でアルミニウムを蒸着(厚さ500Å)
してこれを上部電極とした。そして、Ti(基板3)お
よびアルミニウム電極から夫々リード線を引き出し、焦
電性を調べたところ、1.0×10- 5C/m2Kの焦電
率を示しており、100℃まで安定した特性が得られて
実用的に何ら問題がないことが確認された。 実施例2 本実施例では基板3は50mm角、厚さ0.2mmのT
i箔を用い、基板3と電極(針状)7との間隔を10m
mとし、両者3,7間に600KV/mの電圧を加えて
6KVの電界を印加するようにした。
【0023】先ず、真空処理室1内の一方の蒸発源6に
高分子膜の一方の原料モノマーAとして1,9−ジアミ
ノノナンを、他方の蒸発源6に高分子膜の他方の原料モ
ノマーBとして1,9−ジクロライドノナンを夫々充填
し、シャッター9を閉じた状態で真空処理室1内の圧力
を真空排気系2により1×10- 6Torrに設定した。次
に、1,9−ジアミノノナンを蒸発源6で30±0.5
℃に、また、1,9−ジクロライドノナンを蒸発源6で
25±0.5℃に夫々加熱した。
【0024】次いで、原料モノマーAおよび原料モノマ
ーBが所定温度に達した時点で、シャッター9を開き、
原料モノマーA,Bを20Å/minの蒸発量で蒸発さ
せて基板3上に蒸着させると共に、前記電界を印加しな
がら蒸着物に重縮合を起こさせて厚さ5000Åのポリ
アミド膜を形成した。
【0025】尚、原料モノマーA,Bは化学量論的にポ
リ尿素膜が形成されるように蒸発量の調整によって1:
1のモル比で蒸発するようにした。また、原料モノマー
A,Bの蒸発時における真空処理室1内の圧力は4×1
- 5Torrとした。ポリアミド形成中は、真空処理室1
を冷却水で冷却し+10℃に維持した。その際の基板3
の温度は+5℃であった。
【0026】ポリアミド膜を形成後、該ポリアミド膜上
に電子ビーム蒸着法でアルミニウムを蒸着(厚さ500
Å)してこれを上部電極とした。そして、Ti(基板
3)およびアルミニウム電極から夫々リード線を引き出
し、焦電性を調べたところ、0.5×10- 5C/m2
の焦電率を示しており、100℃まで安定した特性が得
られて実用的に何ら問題がないことが確認された。
【0027】
【発明の効果】このように本発明法によるときは、基板
上への高分子膜の原料モノマーの蒸着、重合を高電界の
存在下で行うようにしたので、蒸着重合と同時に形成さ
れる高分子膜に双極子の配向が起こって耐熱性、絶縁性
に優れた焦電圧電性を有する高分子膜を容易にかつ効率
よく形成することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明有機焦電圧電体の形成方法を実施する
ための装置の1例の説明線図。
【符号の説明】
1 真空処理室、 3 基板、 7 電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01J 5/02 P 8909−2G H01L 37/02 9276−4M

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に積層状に配設された対向電極間
    に分極処理された高分子膜を介在させた有機焦電圧電体
    の形成方法において、基板前方に配置された針状、線
    状、或いは網状の電極と、基板との間に高電界を印加し
    ながら真空中で2種以上の高分子膜の原料モノマーを蒸
    発させ、基板上で蒸着重合させて分極処理された高分子
    膜を形成することを特徴とする有機焦電圧電体の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記高分子膜がジアミンとジイソシアナ
    ートからの重付加によるポリ尿素であることを特徴とす
    る請求項第1項に記載の有機焦電圧電体の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子膜がジアミンとジクロライト
    からの重縮合によるポリアミドであることを特徴とする
    請求項第1項に記載の有機焦電圧電体の形成方法。
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