JPH0531023Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 −産業上の利用分野− 本考案は乗用車の車体構造に関し、特に、２ド
ア車の下側部構造に関する。

−従来技術− 周知のように、例えば第６図に示すような２ド
ア車においては、安定感のある外観を望むユーザ
の好みに応じて、サイドシルの車外側にシルカバ
ーを取付ける場合がある。（例えば、実公昭61−
29584号公報参照） ところで、この目的の従来のシルカバー１Ａ
は、第７図及び第８図に断面して示すように、車
体の前後方向に伸びる断面“Ｃ”字状部材として
樹脂成形され、ウエルドナツト２及び取付ねじ３
を用いてサイドシル４Ａを構成するサイドシル・
アウタパネル５の外側及びリヤフエンダパネル６
Ａの下部６ａに車体の斜め下方から固定される。

しかしながら、このような２ドア車の下側部構
造では、サイドシル・アウタパネル５Ａ及びリヤ
フエンダパネル６Ａの下部６ａにシルカバー１Ａ
を確実に固定するために、取付ねじ３用の取付孔
７の位置が特定され、同取付孔７が車外から見え
るので、外観の良好な構造が得られない問題があ
る。また、同構造によると、リヤフエンダパネル
６Ａとシルカバー１Ａの上部の境界部αに段差が
生じ、シルカバー１Ａとリヤフエンダパネル６Ａ
の間に統一性のある外観構成を得ることが困難で
あつた。

−考案の目的− 本考案の目的は、以上に述べたような従来のシ
ルカバー及びその取付上の問題に鑑み、車外から
取付孔等が見えず、シルカバーと車体構成パネル
との間に段差が生じない２ドア車の下側部構造を
得るにある。

−考案の構成− この目的を達成するため、本考案は、車体の前
後方向に伸びるサイドシルの車外側をシルカバー
で覆う２ドア車の下側部構造において、“Ｃ”字
状断面に成形する金属製シルカバーの下部フラン
ジをサイドシル・アウタパネルの下面に溶接し、
ドア開口に対応するシルカバーの前側上部フラン
ジを前記サイドシル・アウタパネルの上面に、シ
ルカバーの後側上部フランジを下向きに折つてリ
ヤフエンダパネルの下部に溶接することを提案す
るものである。

−実施例− 以下、第１図から第５図について本考案の実施
例の詳細を説明する。

第１図は本考案による２ドア車の下側部構造の
分解斜視図であり、サイドボデイは、車体の両側
部において前後方向に伸びるサイドシル４と、同
後側上部に組合せ溶接されるリヤフエンダパネル
６とで構成され、同リヤフエンダパネル６の下部
６ａはサイドシル・アウタパネル５の外側を取囲
んでサイドシル・アウタパネル５の下面に溶接し
てある。

そして、本考案においては、同車体の下側部
は、“Ｃ”字状断面に鋼板等で成形する金属製シ
ルカバー１で覆われる。即ち、このシルカバー１
は長さ方向全体に及び下部フランジ１ａを有して
おり、同下部フランジ１ａは第２図及び第３図に
示すように、サイドシル・アウタパネル５の下部
にスポツト溶接される。また、前記シルカバー１
はサイドシル・アウタパネル５の露呈部即ちドア
開口８に対応した前後方向長さの前側上部フラン
ジ１ｂを有し、この前側上部フランジ１ｂは、第
２図に示すように、サイドシル４の前部に相当す
るサイドシル・アウタパネル５の上面にスポツト
溶接される。

さらに、前記シルカバー１はリヤフエンダパネ
ル６に対応する部分に後側上部フランジ１ｃを有
するが、この後側上部フランジ１ｃはリヤフエン
ダパネル６との接合のためにリヤフエンダパネル
６の下部６ａに対応した形状の下向きフランジと
される。即ち、この後側上部フランジ１ｃのスポ
ツト溶接のため、サイドシル・アウタパネル５の
後部側壁及びリヤフエンダパネル６の下部６ａに
は、車体前後方向に整列する複数の作業孔９及び
溶接孔１０が形成される。これらの作業孔９は、
作業孔９内にリヤフエンダパネル６の下部６ａの
一部及び前記後側上部フランジ１ｃを露呈させる
ために、溶接孔１０よりも大きな開口面積とされ
るが、この理由は後述から明らかになる。

図示実施例は、以上のような構造であるから、
サイドボデイの組立工程において、サイドシル・
アウタパネル５及びリヤフエンダパネル６にシル
カバー１を強固に固定できる。即ち、第４図及び
第５図に示すように、サイドシル・インナパネル
１１との組立以前において、溶接ツールT₁を用
いてシルカバー１の下部フランジ１ａはサイドシ
ル・アウタパネル５の下面にでスポツト溶接され
る。そして、シルカバー１の前側上部フランジ１
ｂを第４図示のようにサイドシル・アウタパネル
５の上面に溶接ツールT₂でスポツト溶接し、前
記作業孔９及び溶接孔１０を利用して溶接ツール
T₃により後側上部フランジ１ｃをリヤフエンダ
パネル６の下部６ａにスポツト溶接できる。

したがつて、完成された車体においては、車体
外側より何等のスポツト打点も観測されないか
ら、良好な車体外観を得ることができる。また、
第３図に示すように、完成された車体において
は、リヤフエンダパネル６の下部６ａとシルカバ
ー１の境界部αに全く段差のない外観形状を形成
できるから、外観品質を向上できる。

−考案の効果− 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、車外からスポツト打点等が全く見えず、シル
カバーとリヤフエンダパネルの下部の境界部に段
差のない品質のよい車体を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車体下側部構造の分解斜
視図、第２図は第１図の−線に沿う断面図、
第３図は第１図の−線に沿う断面図、第４図
及び第５図は同車体下側部構造の組立工程説明
図、第６図は従来の２ドア車の外観斜視図、第７
図は第６図の−線に沿う断面図、第８図は第
６図の−に沿う断面図である。 １……シルカバー、１ａ……下部フランジ、１
ｂ……前側上部フランジ、１ｃ……後側上部フラ
ンジ、４……サイドシル、５……サイドシル・ア
ウタパネル、６……リヤフエンダパネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の前後方向に伸びるサイドシルの車外側を
   シルカバーで覆う２ドア車の下側部構造におい
   て、“Ｃ”字状断面に成形する金属製シルカバー
   の下部フランジをサイドシル・アウタパネルの下
   面に溶接し、ドア開口に対応するシルカバーの前
   側上部フランジを前記サイドシル・アウタパネル
   の上面に、シルカバーの後側上部フランジを下向
   きに折つてリヤフエンダパネルの下部に溶接した
   ことを特徴とする２ドア車の下側部構造。