JPH053068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、たとえば、ワンボツクスカーなど
の車両用シート装置に関する。

（従来の技術） ワンボツクスカーのシートは、たとえばフロン
トシート、センターシートおよびリヤシートとに
区分されているが、前記フロントシートは前後方
向に移動可能に設けられ、運転者の体格や好みに
応じて移動させ最適な運転姿勢をとることができ
るように構成されている。また、前記シート装置
にはシートベルトが装備され、シートに着座した
乗員の身体を拘束するようになつているととも
に、シートバツクはリクライニング機構によつて
背もたれ角度が任意に調整できるように構成され
ている。

ところで、前記シートベルトはバツクルを有し
たベルトとタングを有したベルトとからなり、こ
れらベルトの後端部がシート装置のシートフレー
ムの一側にベルトアンカをボルト、ナツトや溶接
等によつて固定したり、シートフレームに固定し
たブラケツトに対して固定している。そして、こ
のベルトアンカに前記バツクルを有したベルトと
タングを有したベルトの後端部を連結している。
そして、車両の衝突時にシートベルトに加わる引
張り力をベルトアンカを介してシートフレームに
よつて受けるように構成されている。

したがつて、ベルトアンカを構成するシートフ
レームおよびブラケツトは機械的強度の高い構成
であることが要求され、シートフレームおよびブ
ラケツトの強度アツプを図るために板厚を厚くす
る必要が生じたり、材質を剛性のあるものに変更
する必要が生じる。

しかしながら、前述のように強度的に高いブラ
ケツトに対してリクライニング機構を取付ける
と、車両の衝突時における衝撃をシートフレーム
で受けるが、その衝撃を吸収することができず、
リクライニング機構を構成するロツクギヤおよび
ロツク爪等を破損させてしまうという不都合があ
る。

（考案が解決しようとする問題点） 前述のようにシートフレームやブラケツトの板
厚を厚くしたり、材質を変更することはコストア
ツプの原因となるとともに、衝撃吸収には不利と
なり、リクライニング機構の破損の原因になると
いう不都合がある。

この考案は、前記事情に着目してなされたもの
で、ベルトアンカに加わる入力をシートフレーム
の全体で受けるとともに、車両の衝突時における
衝撃をリクライニング機構の取付け部で吸収して
リクライニング機構の破損を防止できる車両用シ
ート装置を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段及び作用） この考案は、シートフレームの上部にベルトア
ンカ取付け部を有した第１のブラケツトを固定
し、この第１のブラケツトの外側にこれより強度
の低い第２のブラケツトを固定し、この第２のブ
ラケツトにシートバツクのリクライニング機構を
取付け、強度的に弱い第２のブラケツトによつて
衝撃を吸収するようにしたことにある。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図乃至第３図において、１はシートフレー
ムであり、この上端部は上部開口の矩形箱状に形
成されている。そして、このシートフレーム１の
上部にはシート２を構成するシートクツシヨン３
とシートバツク４が設けられている。また、前記
シートフレーム１の上部開口縁に位置する後縁に
は１本のパイプ５が横方向に沿つて設けられ、こ
れはシートフレーム１に対して溶接固定されてい
る。さらに、このパイプ５の一端部はシートフレ
ーム１の側面に対して溶接固定された断面コ字状
の第１のブラケツト６と結合され、この結合部に
設けたウエルドナツトによつて第１のベルトアン
カ取付け部７が設けられている。さらに、前記パ
イプ５の他端部にはプレート８が溶接固定され、
このプレート８にはウエルドナツトによつて第２
のベルトアンカ取付け部９が設けられている。し
たがつて、パイプ５はシートフレーム１に対して
一体的に構成され、この両端部にベルトアンカ取
付け部７，９が設けられている。

また、前記第１のベルトアンカ取付け部７には
アンカ１２がボルト１２ａによつて固定され、こ
のアンカ１２には先端にバツクル１０を有するベ
ルト１１の末端部が連結されている。また第２の
ベルトアンカ取付け部９にはアンカ１５が固定さ
れ、このアンカ１５に先端にタング１３を有する
ベルト１４の末端部が連結されている。そして、
バツクル１０を有したベルト１１と、タング１３
を有したベルト１４によつてシートベルトを構成
しており、乗員の身体を拘束するようになつてい
る。

しかして、車両の衝突時において、シートベル
トに大きな引張り力が加わると、ベルト１１，１
４を介して第１および第２のベルトアンカ取付け
部７，９に入力が加わるが、第１および第２のベ
ルトアンカ取付け部７，９はパイプ５を介してシ
ートフレーム１の全体で受けることができる。

さらに、前記第１のブラケツト６の外側には断
面コ字状の第２のブラケツト１７が設けられてい
る。すなわち、第２のブラケツト１７の上面およ
び下面が第１のブラケツト６の上面および下面に
対して溶接され、側面１７ａは第１のブラケツト
６の外側面と離間している。そして、この第２の
ブラケツト１７の側面１７ａには２個のウエルド
ナツト１８，１８が設けられている。そして、こ
の第２のブラケツト１７は前記第１のブラケツト
６よりも板厚もしくは材質を替えることによつて
強度的に低く形成されており、この強度的に低い
第２のブラケツト１７に対してリクライニング機
構１９が取付けられている。このリクライニング
機構１９は、ケーシング２０とこのケーシング２
０の内部に設けたロツクギヤ２１およびロツク爪
２２とこのロツク爪２２に連結され前記シートバ
ツク４を支持するシートバツクフレーム２３とか
ら構成されている。そして、このリクライニング
機構１９のケーシング２０が２本のボルト２４，
２４によつて前記第２のブラケツト１７のウエル
ドナツト１８，１８に対して締付け固定されてい
る。したがつて、リクライニング機構１９はシー
トベルト１６よりも強度的に弱い第２のブラケツ
ト１７に対して取付けられ、車両の衝突時の衝撃
をシートフレーム１で受けるが、その衝撃を強度
的に弱い第２のブラケツト１７によつて吸収する
ことができ、リクライニング機構１９を構成する
ロツクギヤ２１およびロツク爪２２等の破損を防
止することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、ベル
トアンカに加わる入力をシートフレームの全体で
受けるとともに、車両の衝突時における衝撃をリ
クライニング機構の取付け部で吸収してリクライ
ニング機構の破損を防止できるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図はシート装置の側面図、第２図はシートフレー
ムの斜視図、第３図は第２図−線に沿う断面
図である。 １……シートフレーム、５……パイプ、６……
第１のブラケツト、１７……第２のブラケツト、
１９……リクライニング機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートフレームと、このシートフレームに設け
   られたシートクツシヨンおよびシートバツクとか
   らなる車両用シート装置において、前記シートフ
   レームの上部にベルトアンカ取付け部を有した第
   １のブラケツトを固定し、この第１のブラケツト
   の外側にこれより強度の低い第２のブラケツトを
   固定し、この第２のブラケツトにシートバツクの
   リクライニング機構を取付けたことを特徴とする
   車両用シート装置。