JPH05304923A - 豆腐用凝固剤 - Google Patents

豆腐用凝固剤

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JPH05304923A
JPH05304923A JP4111316A JP11131692A JPH05304923A JP H05304923 A JPH05304923 A JP H05304923A JP 4111316 A JP4111316 A JP 4111316A JP 11131692 A JP11131692 A JP 11131692A JP H05304923 A JPH05304923 A JP H05304923A
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tofu
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diglyceride
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今朝利 鈴木
Hiroyuki Yoshida
博幸 吉田
Kenzo Kanai
健三 金井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩化マグネシウムとポリグリセリン脂肪酸エ
ステルとジグリセライドとを含有する豆腐用凝固剤。 【効果】 豆乳の凝固性のコントロール効果があり、均
一な内相、保水性、風味の点で優れた豆腐の製造が可能
になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は豆腐用凝固剤に関するも
のであり、特に塩化マグネシウムのように豆腐の凝固速
度の極めて速い速効性凝固剤の凝固速度を制御でき、内
相が均一で、また風味的にも非常に良好な豆腐を得るた
めの凝固剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
豆腐製造用凝固剤としては、塩化マグネシウム、塩化カ
ルシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン等
が使用されてきた。しかし、それぞれの凝固剤には一長
一短があり、出来上がった豆腐の内相が細かく均一で保
水性に富み、且つ食感及び風味に優れたものを製造する
ことは困難であった。その内でも塩化マグネシウムは最
も古くから使用されており、最も美味しい豆腐が製造で
きるといわれているが、その凝固速度は極めて速く、得
られた豆腐は内相の荒れた保水性の乏しいものになるの
が欠点である。また、一般的にはグルコノデルタラクト
ンのような遅効性凝固剤を使用すると、豆腐の内相が細
かく均一で保水性の良いものが得られるが、風味の点で
不十分であった。
【0003】そこで、塩化マグネシウムの凝固速度をコ
ントロールするため、特開昭60−248148号公報に記載の
如く金属イオン封鎖剤や、特開昭61−88849 号公報に記
載の如く有機酸塩を併用する方法が提案された。しかし
ながら、これらは豆腐の風味に影響を及ぼすため好まし
くない。さらに、特開平2−203758号公報に記載の如く
凝固剤を可食性フィルムでコーティングする方法が提案
されたが、製造方法が煩雑であるため好ましくなかっ
た。このため、良好な風味を付与できる塩化マグネシウ
ムの凝固速度をコントロールし、風味が良好で、かつ均
一で高品質の豆腐を製造することのできる凝固剤が求め
られていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、塩化マグネシウ
ムをポリグリセリン脂肪酸エステル中に分散させ、それ
をジグリセライドで乳化することにより、塩化マグネシ
ウムの凝固速度をコントロールできることを見出し、本
発明を完成するに至った。即ち、本発明は、塩化マグネ
シウムとポリグリセリン脂肪酸エステルとジグリセライ
ドとを含有することを特徴とする豆腐用凝固剤を提供す
るものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する塩化マグネシウムは、無水物、結晶水含有物の
どちらでも良い。また、ポリグリセリン脂肪酸エステル
としては、グリセリン単位が2〜15、好ましくは5〜10
のポリグリセリンと、炭素数が10〜24、好ましくは14〜
20の飽和又は不飽和脂肪酸からなるエステル、グリセリ
ン単位2〜15のポリグリセリンと炭素数10〜24のヒドロ
キシカルボン酸又はその縮合物からなるエステルが挙げ
られる。特にグリセリン単位が5〜10のポリグリセリン
と、直鎖又は分岐鎖、及び飽和もしくは不飽和の炭素数
10〜24、好ましくは14〜20のヒドロキシカルボン酸の2
〜10量体、好ましくは3〜6量体のポリヒドロキシカル
ボン酸からなるエステルが好ましい。このようなエステ
ルとしては、例えば、ポリグリセリンとリシノール酸の
縮合度が2〜10、好ましくは3〜6の縮合リシノレート
からなる群から選ばれる脂肪酸のエステル等が挙げら
れ、市販品には坂本薬品(株)製のSYグリスターCR
−310、CR−500、更に太陽化学(株)製のサン
ソフト818SK等がある。
【0006】また、ジグリセライドとしては、構成脂肪
酸の炭素数が6〜24のものが好ましく、これらの脂肪酸
とグリセリンをエステル化反応して得られるジグリセラ
イドの内、ジグリセライド純度が40%以上、好ましくは
60%以上のものが用いられる。このようなジグリセライ
ドとしては、例えばステアリン酸或いはオレイン酸のジ
グリセライド等が挙げられる。これらは1種もしくは2
種以上任意に用いられ、2種以上を併用する場合、その
まま混合してもよいし、飽和脂肪酸系ジグリセライドの
如く融点の高いものを用いる場合は、加熱等の手段によ
り均一混合して用いてもよい。
【0007】本発明の凝固剤中のジグリセライドとポリ
グリセリン脂肪酸エステルの重量比は99.9999:0.0001
〜0.0001:99.9999の範囲であり、好ましくは99.999:
0.001 〜0.001 :99.999の範囲である。ポリグリセリン
脂肪酸エステルの比率が上記範囲よりも高くなると豆乳
の凝固速度が著しく遅くなり、作業時間が長くかかりす
ぎる。また、できた豆腐の風味も悪くなる。また、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルの比率が上記範囲よりも低く
なると、凝固速度のコントロール効果が劣り、均一な豆
腐が得難くなる。また、本発明の凝固剤において、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル及びジグリセライドは、塩化
マグネシウムに対して、それぞれ1:0.05〜1:0.1 、
1:1〜1:3(重量比)の範囲で配合するのが好まし
い。
【0008】更に、本発明の凝固剤の乳化状態は、任意
の量の水もしくは油脂等を加えて油中水型、水中油型も
しくは二重乳化型(O/W/O,W/O/W)等の多相
乳化型のいずれの状態にしても何ら効果には影響ない
が、菌による汚染等を考えると油中水型が好ましい。
【0009】本発明の凝固剤の豆乳に対する添加量は、
本発明の凝固剤中の塩化マグネシウム量を通常豆乳に使
用する量、即ち、0.05〜0.5 重量%の範囲で用いれば良
い。また、本発明の凝固剤は、硫酸カルシウム、グルコ
ノデルタラクトンなどの他の豆腐用凝固剤と併用して使
用することもできる。本発明の凝固剤は、目的とする豆
腐の物性によって種々の配合で用いられるが、上記範囲
以内であれば、良好な物性の豆腐を得ることができ、絹
ごし豆腐、ソフト豆腐、木綿豆腐、凍豆腐、油揚などの
豆腐類製造に自由に使用できる。
【0010】
【作用】本発明では、単に塩化マグネシウムをポリグリ
セリン脂肪酸エステル中に分散させただけでは蛋白質と
の反応速度がコントロールできず、ジグリセライドを系
内に添加することにより蛋白質溶液と接触した際に徐々
に乳化が破壊され、系内の塩化マグネシウムが順次蛋白
質と反応するようになる。従って、蛋白質との反応速度
がコントロールされ、豆乳の凝固速度を遅効性にする効
果が発現する。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0012】実施例1 定法により得られた絹ごし用豆乳の各々1000ml(品温90
℃)に、下記組成を有する本発明凝固剤を10g(塩化マ
グネシウムとして3.0 g)添加し、直方体の容器に入れ
静置し、凝固速度、凝固状態、及びできた豆腐の内相、
保水性、風味について専門パネラー10名にて5点法によ
り評価した。結果を表1に示す。
【0013】 <本発明凝固剤組成> 塩化マグネシウム(60% act.) 50 重量% オレイン酸ジグリセライド 49.9 〃 ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.1 〃 (SYグリスターCR−310,坂本薬品(株)製) 比較例1 定法により得られた絹ごし用豆乳の各々1000ml(品温90
℃)に、塩化マグネシウム3.0 gを添加し、直方体の容
器に入れ静置し、凝固速度、凝固状態、及びできた豆腐
の内相、保水性、風味について専門パネラー10名にて5
点法により評価した。結果を表1に示す。
【0014】比較例2 定法により得られた絹ごし用豆乳の各々1000ml(品温90
℃)に、グルコノデルタラクトン3.0 gを添加し、直方
体の容器に入れ静置し、凝固速度、凝固状態、及びでき
た豆腐の内相、保水性、風味について専門パネラー10名
にて5点法により評価した。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】如上の如く本発明の凝固剤を使用するこ
とにより、豆乳の凝固性をコントロールすることがで
き、均一な内相、保水性、風味の点で優れた豆腐の製造
が可能になった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化マグネシウムとポリグリセリン脂肪
    酸エステルとジグリセライドとを含有することを特徴と
    する豆腐用凝固剤。
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JP2000050827A (ja) * 1998-08-07 2000-02-22 Yoshikawa Kagaku Kogyosho:Kk 豆腐類の製造法及びその乳化型凝固剤
WO2011052793A1 (ja) * 2009-10-28 2011-05-05 太子食品工業株式会社 豆乳の製造方法及び豆腐の製造方法
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JP2019154437A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 味の素株式会社 酵素を用いた豆腐の製造方法、豆乳凝固用組成物、豆腐用凝固剤

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