JPH05297602A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05297602A
JPH05297602A JP12543592A JP12543592A JPH05297602A JP H05297602 A JPH05297602 A JP H05297602A JP 12543592 A JP12543592 A JP 12543592A JP 12543592 A JP12543592 A JP 12543592A JP H05297602 A JPH05297602 A JP H05297602A
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resin
polyvinyl butyral
butyral resin
sodium chloride
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JP12543592A
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Kazuya Hongo
和哉 本郷
Satoru Inakage
覚 稲蔭
Makoto Kusayanagi
誠 草柳
Nobuyuki Ichizawa
信行 一澤
Hiroshi Miyamoto
宏 宮本
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電荷発生層における結着樹脂として、ポリビ
ニルブチラール樹脂を用いて形成された積層型電子写真
感光体の繰り返し使用時の電位安定性が改善され、優れ
た画質の画像が形成される電子写真感光体を提供する。 【構成】 顔料を結着剤樹脂中に分散して形成した電荷
発生層を有する電子写真感光体であって、前記結着剤樹
脂がブチラール化度70モル%以上のポリビニルブチラ
ール樹脂からなり、前記ポリビニルブチラール樹脂中に
含有する塩化ナトリウム含有量が100PPM以下であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層型電子写真感光体に
関し、詳しくは繰り返し使用時の電位安定性及び画像欠
陥を改善した電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体としては、無機光導電体
を使用したものと、有機光導電体を使用したものとがあ
る。有機光導電体を使用したものは、無公害、高生産
性、低コスト等の利点があるため、近年になり多く使用
されるようになってきた。ところが、有機光導電体のう
ち、可視光を吸収して電荷を発生する物質は、電荷保持
力に乏しく、逆に、電荷保持力が良好で、成膜性に優れ
た物質は、一般に可視光による光導電性が殆どないた
め、有機光導電体を使用した感光層については、可視光
を吸収して電荷を発生する電荷発生層と、その電荷の輸
送を行う電荷輸送層とに機能分離した積層型のものとす
ることが行われている。
【0003】従来、この電荷発生層は、電荷発生材料単
一で構成されることもあるが、一般には結着樹脂が用い
られる。電荷発生層に使用する結着樹脂としては、電荷
発生物質に対する分散性、分散液の安定性、導電層ある
いは下引層に対する密着性あるいは電荷輸送層に含有す
る有機溶剤に対する耐溶解性および耐浸透性等の塗料と
しての性質と感度、帯電性、あるいは繰返し特性等の電
子写真感光体の電子写真特性に優れた性質とを兼ね備え
た材料が一般に選ばれて使用され、これまで数多くの結
着樹脂が提案されている。以上の点を考慮した上で電荷
発生層に使用する結着樹脂として、最も効果的であるも
のの1つにポリビニルブチラール樹脂が上げられる。こ
のポリビニルブチラール樹脂は、次の単量体単位を構成
成分とする熱可塑性樹脂である。
【0004】
【化1】 また、平均重合度は200〜3000のものが使用され
る。そして、このポリビニルブチラール樹脂を結着樹脂
として使用するに当っては、電荷発生材料に応じて最も
適したアセチル化度、ブチラール化度のものが選択され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、ポリ
ビニルブチラール樹脂を電荷発生層の結着樹脂として用
いた従来の積層型電子写真感光体においては、ポリビニ
ルブチラール樹脂のアセチル化度、ブチラール化度をど
のように変えても繰り返し使用した場合には、電子写真
特性の低下がみられ、特に、画質欠陥の発生や電位安定
性の点で十分であるとはいえなかった。したがって、本
発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであ
る。即ち、本発明の目的は、電荷発生層における結着樹
脂として、ポリビニルブチラール樹脂を用いて形成され
た積層型電子写真感光体の繰り返し使用時の電位安定性
が改善され、優れた画質の画像が形成される電子写真感
光体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、電荷発生層における結着樹脂として、プ
チラール化度70モル%以上のポリビニルブチラール樹
脂を用いると、繰り返し使用時の電位安定性が改善され
ること、また、従来の方法で製造される高ブチラール化
されたポリビニルブチラール樹脂の製造過程において、
触媒として使用する塩酸と中和剤として使用する重曹と
の反応により副成する多量の塩化ナトリウムが、画質欠
陥の原因になることを突き止め、ブチラール化度70モ
ル%以上のポリビニルブチラール樹脂に含有する塩化ナ
トリウム含有量を100ppm以下に抑えることによっ
て、本発明の上記目的が達成されることを見出だし、本
発明を完成するに至った。したがって、本発明は、顔料
を結着樹脂中に分散して形成した電荷発生層を有する電
子写真感光体において前記結着剤樹脂がブチラール化度
70モル%以上のポリビニルブチラール樹脂から成り、
前記ポリビニルブチラール樹脂中に含有する塩化ナトリ
ウム含有量が100ppm以下であることを特徴とす
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。図1ない
し図4は、本発明の電子写真感光体の構成を示す模式図
であって、導電性支持体1上に、電荷発生層2及び電荷
輸送層3が積層され、電子写真感光体を構成している。
尚、図3及び図4に示すように、導電性支持体上には、
密着性を増すために下引層4を設けてもよい。電荷輸送
層3は、電気的に接続されており、電界の存在下で、電
荷発生層から注入された電荷キャリアを受け取ると共
に、これ等の電荷キャリアを表面まで輸送できる機能を
有している。この場合、電荷輸送層3は、電荷発生層2
の上に積層されていてもよく(図1、図3)、又、その
下に積層されていてもよい(図2、図4)。しかしなが
ら、電荷輸送層は電荷発生層の上に積層されていること
が好ましい。
【0008】本発明において使用される導電性支持体と
しては、アルミニウム、銅、鉄等の金属板、導電処理し
たプラスチックフィルム、又はアルミニウムやチタン等
の金属を蒸着したプラスチックフィルム等があげられ
る。
【0009】導電性支持体上には、密着性を増すために
下引層を設けることもできる。下引き層としては、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
ピリジン、セルロースエステル類、セルロースエーテル
類、ポリアミド、ポリウレタン、カゼイン、ゼラチン、
ポリグルタミン類、澱粉、スターチアセテート、アミノ
スターチ、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等があ
げられる。下引き層の膜厚は0.05〜2μm程度に設
定する。
【0010】電荷発生層の主成分である電荷発生材料と
しては、セレン及びセレン化合物、酸化亜鉛、硫化カド
ミウム等の無機顔料、或いはカルバゾール骨格を有する
アゾ顔料、スチリルスチルベン骨格を有するアゾ顔料、
トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチ
オフェン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔
料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリル
オキサゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、カルバゾール骨格を有す
るトリスアゾ顔料、金属フタロシアニン顔料及び無金属
フタロシアニン顔料などのフタロシアニン顔料、アント
アントロン及びピランスロン等のキノン顔料、キナクリ
ドン顔料、ビスベンズイミダゾール顔料、ペリレン顔
料、インジゴ顔料、スクアリウム顔料、キノリン顔料、
ピリリウム塩顔料及びアズレニウム塩顔料等の公知の有
機顔料を用いることができる。上記顔料は、ポリビニル
ブチラール樹脂溶液に対する分散性を考慮し分散性の良
い材料を選ぶことが好ましい。
【0011】一方、本発明において使用されるポリビニ
ルブチラール樹脂は、ブチラール化度が70モル%以上
であることが必要であり、それにより、ポリビニルブチ
ラール樹脂を含有する電荷発生層を有する電子写真感光
体の繰り返し使用時の電位安定性が改善される。ブチラ
ール化度が、70モル%より低いと、電子写真感光体を
繰り返した時の電位特性が安定せず、帯電電位や露光電
位の変動が大きくなる。その理由は明かではないが、次
のように考えられる。即ち、ポリビニルブチラール樹脂
に含有される水酸基が、繰り返し使用時にキャリアトラ
ップとなり、顔料粒子間を移動するキャリアを捕獲し、
電位安定性を悪化させるが、ブチラール化度を上げるこ
とによりポリビニルブチラール樹脂中の水酸基の含有率
が減少し、キャリアの移動が阻害されないようになるた
めと考えられる。なお、ポリビニルブチラール樹脂のブ
チラール化度は、JIS K−6728法に基づいて測
定することができる。
【0012】また、本発明において使用されるポリビニ
ルブチラール樹脂は、塩化ナトリウム含有量が100p
pm以下であることが必要であり、好ましくは50pp
m以下のものを使用する。塩化ナトリウム含有量が、1
00ppmを越えると、繰り返し使用時、特に、高温高
湿下で、画像上に白砂状白点等の画像欠陥を生じる。し
かしながら、塩化ナトリウムの含有量が、100ppm
以下であると、そのような画像欠陥を生じることがな
い。
【0013】なお、塩化ナトリウムの含有量が100p
pmを超えると画像欠陥が生じる理由は、塩化ナトリウ
ム含有量が多い高ブチラール化したポリビニルブチラー
ル樹脂を、そのまま使用すると、繰り返し使用すること
により高温高湿環境下で、樹脂中の不純物の塩化ナトリ
ウムがイオン化し、基板のアルミニウム表面が腐蝕さ
れ、局所的に電荷が注入しやすい部分が生じるためと考
えられる。
【0014】一般に、ブチラール化度が高いポリビニル
ブチラール樹脂は、その製造過程のブチラール化工程に
おいて、高濃度の塩酸を触媒として使用する必要があ
り、そのため、樹脂合成後に中和剤として重曹が高濃度
で使用される。その結果、ポリビニルブチラール樹脂中
には、塩酸と重曹との副生成物である塩化ナトリウムが
多量に残留しており、原子吸光分析及びイオンクロマト
グラフィーによる測定の結果、塩化ナトリウムは100
ppmよりも多量に含有されている。したがって、本発
明において使用するポリビニルブチラール樹脂は、この
様なポリビニルブチラール樹脂を精製して使用すればよ
い。即ち、従来法の高濃度の塩酸触媒を使用して製造さ
れたブチラール化度70モル%以上の粗製樹脂を、エタ
ノール等の可溶性溶剤に溶解した後、蒸留水、脱イオン
水などの精製水に滴下し、沈殿させ、沈殿物を補集後、
脱水、乾燥することによって塩化ナトリウム含有量を1
00ppm以下になるように精製すればよい。
【0015】電荷発生層において、電荷発生材料とポリ
ビニルブチラール樹脂との配合比(重量比)は、10:
1〜1:10であることが好ましい。
【0016】電荷発生材料をポリビニルブチラール樹脂
中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アト
ライター分散法、サンドミル分散法等を用いることがで
きる。この際、電荷発生材料は、5μm以下、好ましく
は2μm以下、最適には0.5μm以下の粒子サイズに
することが有効である。これらの分散に用いる溶剤とし
ては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、ベン
ジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、酢酸メチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メ
チレンクロライド、クロロホルム等の有機溶剤を用いる
ことができる。
【0017】本発明における電荷発生層の膜厚は、一般
には0.1〜5μm、好ましくは、0.2〜0.5μm
が適当である。又、電荷発生層を形成するための塗布方
法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコ
ーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティ
ング法、ビードコーティング法、カーテンコーティング
法等を用いることができる。
【0018】本発明における電荷移動層としては、公知
のものが適用できる。例えば、電荷輸送材料として、N
−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−
9−エチルカルバゾール、p−ジエチルアミノベンズア
ルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチ
ルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フ
ェニルヒドラゾン等のヒドラゾン類、1−フェニル−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチ
ルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[キノリル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾ
リン類、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジ
エチルアミノベンズオキサゾール等のオキサゾール系化
合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)−フェニルメタン等のトリアリールメタン系化合
物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−ト
リル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ン等のジアミン系統化合物を成膜性の結着樹脂中に含有
したもの、あるいはポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リビニルアントラセン等の光導電性ポリマーよりなるも
のが用いられる。この様な樹脂としては、ポリカーボネ
ート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスチレン、
スチレンーアクリロニトリル共重合体、ポリサルホン、
ポリメタクリル酸エステル類、スチレン−メタクリル酸
エステル共重合体等の一般的結着樹脂が用いられる。電
荷輸送物質と樹脂との配合比は5:1〜1:5、好まし
くは3:1〜1:3程度である。前者が多すぎる場合に
は、電荷輸送層の機械的強度が低下し、少なすぎる場合
には感度が低下する。電荷輸送層の膜厚は、一般には5
〜50μmである。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。な
お、実施例及び比較例において、「部」は「重量部」を
意味する。 実施例1 ブチラール化度70モル%以上のポリビニルブチラール
樹脂(商品名:エスレックBM−S積水化学工業(株)
製)1部(重量部、以下同じ)をエタノール19部に溶
解した。この溶液を脱イオン水100部にゆっくり滴下
し、樹脂を沈殿させた。次に、沈澱させた樹脂を濾別
し、真空乾燥機(ヤマト科学(株)製真空定温乾燥機D
P32)を用いて乾燥を行い、エタノール及び水分を除
いた。こうして得られたポリビニルブチラール樹脂のブ
チラール化度をJIS K−6728法により測定した
結果、72モル%であった。また、この樹脂に混入する
不純物のNa+ の含有量をフレーム原子吸光光度計:日
立180−50型を使用し測定した。また、Cl- の含
有量をイオンクロマトグラフィー:ダイオネックス社製
2000i型を使用し測定した。この結果、樹脂中に塩
化ナトリウムとして含有する不純物含有量は32ppm
であった。
【0020】得られたポリビニルブチラール樹脂1部と
シクロヘキサノン19部とを混合し溶解した。得られた
溶液8gを、多環キノン系顔料:ジブロムアントアント
ロン(Monolite Red 2Y 、ICI 社製)3.2g、シクロ
ヘキサノン12.8g及びガラスビーズ(直径2mm)
35gと混合し、ペイントシェーカーで約1時間分散し
た。
【0021】一方、8−ナイロン樹脂(商品名ラッカマ
イド、大日本インキ化学工業製)のメタノール/ブタノ
ール混合溶液を84mmφ×310mmのアルミニウム
パイプに塗布して、膜厚0.8μmの下引層を形成して
おき、その上に前記塗布液をリング塗布機により塗布
し、100℃で10分間の加熱乾燥をして、膜厚0.8
μmの電荷発生層を形成した。その上に電荷輸送層を形
成した、即ち、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−
4,4′−ジアミン5部を電荷輸送物質とし、ポリカー
ボネートZ樹脂6部と共にモノクロロベンゼン40部に
溶解させ、得られた溶液を浸漬塗布方法により塗布し、
110℃で1時間乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層
とした。得られた電子写真感光体を5.9kVコロナ帯
電器によって帯電させ、その時の電位を測定し、次い
で、白色光を照射して光減衰させ、その時の露光量E
(erg/cm2 )と電位の減衰量を測定し、感度dV
/dEを求めた。上記の帯電及び白色照射の操作を50
0回反復した後、同様にしてその時の帯電電位と感度を
求めた。
【0022】比較例1 ポリビニルブチラール樹脂の精製処理を行わないこと以
外は、実施例1におけると同様にして電子写真感光体を
作成した。なお、ここで使用したポリビニルブチラール
樹脂のブチラール化度は72モル%、樹脂中の塩化ナト
リウム含有量は281ppmであった。
【0023】比較例2 ブチラール化度65モル%のポリビニルブチラール樹脂
(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)
製)を精製処理を行わないで使用すること以外は実施例
1におけると同様にして電子写真感光体を作成した。こ
こで使用した樹脂中の塩化ナトリウム含有量は87pp
mであった。実施例1、比較例1及び比較例2における
電子写真感光体の感度及び電位を測定した。それ等の結
果を表1に示す。これ等の電子写真感光体を用い、高温
高湿環境下で複写機(富士ゼロックス(株)製 FX2
700)によってコピー操作を行い、10,000枚複
写した時の得られた画像について、画質評価を行なっ
た。その結果を、使用した電荷発生層用樹脂のブチラー
ル化度および塩化ナトリウム含有量と共に表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示す結果から明らかなように、本発
明における高ブチラール化した塩化ナトリウム含有量の
少ないポリビニルブチラール樹脂を使用した電子写真感
光体は、繰り返し使用時の電位安定性にすぐれ、高温高
湿環境下での繰り返し使用においても良好な画質を示
す。ところが、高ブチラール化したポリビニルブチラー
ル樹脂中の塩化ナトリウム含有量が多いと、高温高湿環
境下での繰り返し使用において白砂状自点の画質欠陥が
発生する(比較例1の項参照)。また、ブチラール化度
が低いと、繰り返し使用時の帯電性や感度が劣り、画像
濃度が低下する(比較例2の項参照)。
【0026】実施例2 電荷発生層用結着樹脂として、ブチラール化度70モル
%のポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックB
M−2積水化学工業(株)製)を使用し、実施例1と同
様の精製処理を施した後、樹脂中の塩化ナトリウム含有
量を測定したところ56ppmであった。この樹脂を使
用した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作
成し、同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0027】比較例3 電荷発生層用結着樹脂として、ブチラール化度68モル
%のポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックB
M−1、積水化学工業(株)製)を使用し、実施例1と
同様の精製処理を施した後、樹脂中の塩化ナトリウム含
有量を測定したところ21ppmであった。この樹脂を
使用した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を
作成し、同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2から明らかなように、ポリビニルブチ
ラール樹脂のブチラール化度が70モル%より低くなる
と、繰り返し使用時の帯電性や感度の安定性が変化し、
画像濃度の低下が起こる。
【0030】実施例3 実施例1で使用した精製ポリビニルブチラール樹脂1部
を予め、100部のシクロヘキサノンに溶解した溶液
に、X型無金属フタロシアニン3部を混合し、20時間
サンドミルで分散し、シクロヘキサンノンで稀釈し、固
形分濃度3重量%の電荷発生層形成用塗布液を調製し
た。一方、実施例1で使用した下引層用塗布液を40m
mφ×319mmのアルミニウムパイプ上に塗布して、
1.0μmの厚さの下引き層を形成し、その上に、上記
の分散液をリング塗布機により塗布し、120℃で10
分間加熱乾燥を行い、膜厚0.3μmの電荷発生層を形
成した。その上に、実施例で使用した電荷輸送層用塗布
液を浸漬塗布法によって塗布した。110℃で1時間乾
燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、電子写
真感光体を作成した。
【0031】このようにして、作成された電子写真感光
体を、レーザービームプリンター(XP−11、富士ゼ
ロックス(株)製)に搭載し、負帯電現像剤を用いて反
転現像を行い、高温高湿環境下(30℃,90%RH)
で10,000枚プリントを行い、プリント画像の画質
を調べた。その結果を表3に示す。
【0032】実施例4 ブチラール化度71モル%のポリビニルブチラール樹脂
(商品名:エスレックBM−S,積水化学工業(株)
製)を脱イオン水で水洗後、真空乾燥機で実施例1と同
様に乾燥した。このときの樹脂中の塩化ナトリウム含有
量は98ppmであった。この樹脂を使用した以外は、
実施例3と同様にして電子写真感光体を作成し、同様に
評価を行った。この結果を表3に示す。
【0033】比較例4 実施例4で使用したブチラール化度71モル%のポリビ
ニルブチラール樹脂を脱イオン水の代わりに水道水を使
用して水洗後、乾燥した。このときの樹脂中の塩化ナト
リウム含有量は128ppmであった。この樹脂を使用
した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を作
製し、同様評価を行なった。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3より明らかなごとく、電荷発生層用結
着樹脂であるポリビニルブチラール樹脂中の塩化ナトリ
ウム含有量が100ppm以下である場合は、高温高湿
環境下における繰り返し使用時の画質が良好であるが
(実施例3,4の項参照)100ppmを越えると画質
欠陥として、反転現像の場合は黒砂状の黒点が発生する
(比較例4の項参照)。
【0036】
【発明の効果】上記の比較からも明らかなように、本発
明の電子写真感光体は、繰り返し使用時の電位安定性に
優れ、高温高湿環境下で長期使用する場合に、正規現像
における白砂状白点や反転現像における黒砂状黒点等の
画像欠陥の発生を防ぎ、高品位な画質の画像を形成する
ことができる。したがって、本発明の電子写真感光体
は、電子写真複写機に効果的に使用されるが、更にゼロ
グラフィー技術を応用した各種プリンター、マイクロフ
ィルムリーダー、電子写真製版システム等にも適用可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1のタイプの電子写真感光体の実
施例模式的断面図である。
【図2】 本発明の第2のタイプの電子写真感光体の実
施例の模式断面図である。
【図3】 本発明の第3のタイプの電子写真感光体の実
施例の模式断面図である。
【図4】 本発明の第4のタイプの電子写真感光体の実
施例の模式断面図である。
【符号の説明】 1…導電性支持体、2…電荷発生層、3…電荷輸送層、
4…下引層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一澤 信行 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 宮本 宏 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料を結着剤樹脂中に分散して形成した
    電荷発生層を有する電子写真感光体において、前記結着
    剤樹脂がブチラール化度70モル%以上のポリビニルブ
    チラール樹脂からなり、前記ポリビニルブチラール樹脂
    中に含有する塩化ナトリウム含有量が100PPM以下
    であることを特徴とする電子写真感光体。
JP12543592A 1992-04-20 1992-04-20 電子写真感光体 Pending JPH05297602A (ja)

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JP12543592A JPH05297602A (ja) 1992-04-20 1992-04-20 電子写真感光体

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JP12543592A Pending JPH05297602A (ja) 1992-04-20 1992-04-20 電子写真感光体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3635635B2 (ja) 1998-09-30 2005-04-06 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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