JPH05297532A - ハロゲン化銀感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀感光材料の処理方法

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JPH05297532A
JPH05297532A JP12540992A JP12540992A JPH05297532A JP H05297532 A JPH05297532 A JP H05297532A JP 12540992 A JP12540992 A JP 12540992A JP 12540992 A JP12540992 A JP 12540992A JP H05297532 A JPH05297532 A JP H05297532A
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silver halide
black
developing
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JP12540992A
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Takashi Nakamura
敬 中村
Hirohisa Ogawa
裕久 小川
Yoshiya Ohara
佳也 大原
Masahito Hirano
雅人 平野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハロゲン化銀感光材料を遷移金属の有機酸
錯塩を含有した黒白現像液で処理する方法において、該
現像液がピラゾロン類を含有している、または有機酸/
遷移金属≧1.1(モル比)である錯塩を含有している
現像液で黒白現像するか同上現像液を処理前、処理中、
または処理後に通電して黒白現像する方法。 【効果】 本発明によれば、現像液の処理性能の維持
管理が容易で、処理液の補充量を低減することができ、
しかも良好な写真性能の画像を得ることができる。更
に、現像液に通電する事により何回も再生可能な金属化
合物を現像主薬として用いることにより無廃液のしかも
安定した性能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀感光材料
(以下、感光材料という。)を処理する写真処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】黒白感光材料は、露光後、黒白現像、定
着、水洗等の工程で処理される。黒白現像には黒白現像
液、定着には定着液、脱銀処理には漂白液、漂白定着液
および定着液、水洗には水道水またはイオン交換水、安
定化処理には安定液がそれぞれ使用される。各処理液は
通常20〜50℃に温度調節され、感光材料はこれらの
処理液中に浸漬され処理される。
【0003】このような処理工程のなかで、現像処理工
程は、写真乳剤中の露光により感光したハロゲン化銀粒
子に還元剤である現像主薬が作用してAg+ をAgに還
元する工程である。黒白写真では、このようにして銀画
像が形成される。
【0004】このとき、現像主薬としては、3−ピラゾ
リドン類やハイドロキノン類のような有機化合物が用い
られ、このもののアルカリ性水溶液が現像液として汎用
されている。ところが、現像主薬としては、このような
有機化合物のみならず、露光されたハロゲン化銀粒子に
対して還元性をもつ金属化合物も使用できることが知ら
れている。この場合の金属化合物には、バナジウム系、
チタン系、鉄系、クロム系等の遷移金属の塩や錯体(具
体的な原子記号で示すと Ti,Zr,Hf;V,Nb,Ta,Cr,Mo,W;M
n,Tc,Re;Fe,Ru,Os;Co,Rh,Ir,Ni,Pb,Pt など)などがあ
る〔日写誌,20(2),62(1957):同,
,40(1956):日写誌,29 31(196
6):写真工業、3月号,67(1967):日化誌N
o. 9,1321(1980):PSE,19,283
(1975):特公昭54−41899号公報:千葉大
工学部研報,14,1(1962):同,21(4
0),169(1970):同,18,39(196
7):同,21(39),11(1970):特開昭5
0−51731号公報:米国特許第3942985号明
細書:同3938978号明細書:英国特許第1462
972号:特開昭57−78534号公報:PSE,
(6),288(1968):PSE,14(6),
391(1970)等〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの金属化合物
は、有機現像主薬に比べたとき、現像処理後電気的に還
元を行うことにより再生できるし、また、酸性または中
性の水溶液として用いることができ、現像主薬としての
金属化合物の濃度を高めて使用できるなどの利点を有す
るが、経時あるいは現像反応の進行により現像液の酸化
還元電位が変化し、活性レベルを安定に保持することが
できなく、また、得られる画像も有機現像主薬に比べて
劣るという欠点があった。
【0006】このような問題に対処する方法としては、
現像反応に伴って生成する酸化数が増加した金属イオン
からなる化合物を電解還元しながら現像処理する方法、
大量の補充液を用いる方法などが挙げられる。前者の電
解還元する方法は、電解装置が大きく、また現像阻害の
要因となるハロゲン化物イオンの蓄積を防止できないこ
とからある程度の補充液を加える必要があり、装置的、
コスト的に不利である。また、後者の補充量を増加させ
る方法はコスト的に不利であるのみならず、環境保全の
面からも避けるべきである。また、金属錯体又は金属イ
オンに対しそれと同種の金属を処理液につけて現像液を
賦活化する方法(特公昭54−41899号)などもあ
るが、その金属の添加量の制御等が困難であり操作が煩
雑となる。
【0007】したがって、金属化合物を現像主薬とする
現像液において、処理性能を簡易に維持できる方法、更
に、該現像液よって処理して得られる画像の感度を高
く、カブリを小さくすることが望まれている。本発明の
目的は、上述した欠点を克服することにあり、露光され
たハロゲン化銀を還元し得る金属化合物を現像主薬とし
て含む現像液の処理性能を維持し、しかも良好な写真性
能の画像を得ることができるハロゲン化銀感光材料の処
理方法を提供することにある。
【0008】更に本発明の目的は、何回も再生可能な金
属化合物を現像主薬として用い、常に一定の安定した還
元状態の金属化合物を維持させることにより無廃液のし
かも安定した性能を得ることができるハロゲン化銀感光
材料の処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を、ハ
ロゲン化銀感光材料を遷移金属のキレート錯塩を含有し
た黒白現像液で処理する方法において、該現像液がピラ
ゾロン類を含有しているか、または前記錯塩を形成する
キレートの理論金属イオンキレート能が遷移金属の金属
イオンに対して1.1モル以上である錯塩を含有してい
るハロゲン化銀感光材料の処理方法によって達成するこ
とができる。
【0010】すなわち、本発明は遷移金属と有機酸(キ
レート)とからなる錯塩を含有する黒白現像液(以下金
属無機現像液という場合もある)にピラゾロン類を含有
させることにより、SN比が良好な値となり、更に遷移
金属に対して有機酸を1.1モル比以上用いることによ
り、不溶物質の析出または現像液の活性レベルの低下等
の起こり難い現像液が得られ、この現像液を用いて処理
することにより良好な画像を得ることができるものであ
る。
【0011】従来、有機現像において現像を促進する目
的で現像液にピラゾロン類、例えばフェニドンを加える
ことが知られているが、得られる画像にカブリが発生し
てしまう等の問題があった。ところが、驚くべきことに
金属無機現像液にピラゾロン類、例えばフェニドンな
ど、を加えると現像カブリを抑え且つシャドーの濃度が
増すことがわかった。即ち、ノイズが小さく濃度が出や
すくなり、いわゆるS/N比が著しく良化した。
【0012】更に金属無機現像液に金属と安定に錯塩を
形成する有機酸を金属に対して等モル以上好ましくは2
モル以上加えると処理液の性状が著しく安定し且つピラ
ゾロン類のような化合物のS/N比の向上効果も大きい
と考えられる。。またコストの点で、金属に対して有機
酸を5モル以下、より好ましくは3モル以下とするのが
好ましい。
【0013】本発明において、金属と安定に錯塩を形成
する有機酸としては、キレート形成可能な化合物が好ま
しい。本発明の現像液はキレート錯塩を現像主薬として
含有する。
【0014】更に本発明は上記目的を、前記黒白現像液
で処理する方法において、現像前又は現像中に前記黒白
現像液へ通電することにより該錯塩を還元状態にし且つ
現像処理によって生じるハロゲンを除去するハロゲン化
銀感光材料の処理方法によって達成することができる。
本発明は遷移金属と有機酸とからなる錯塩を含有する黒
白現像液へ通電することにより現像液の酸化還元電位を
一定に保持することができ、現像活性を安定して保持す
ることができ、得られる画像も良好である。
【0015】ここでいう通電処理とは陽極−陰イオン交
換膜−陰極と配列した処理槽で陰極室と金属化合物から
成る黒白現像液を入れて現像後感光材料から溶出するハ
ロゲンを陽極へ移動させかつ陰極面で金属塩を還元状態
に戻しかつ維持する手段を言う。本発明は金属無機現像
液を上述した通電と組合せることにより理想的に合理的
に黒白現像を行わしめたものである。
【0016】また、オーバーフロータイプで使う時の金
属無機現像方法の小改良も含むものである。本発明で
は、現像液(遷移金属の有機酸錯塩を含有した現像液)
を、陰イオン交換膜を介して電解質溶液と接触するよう
に槽内に満たし、現像液中に陰極を浸漬し、電解質溶液
中に陽極を浸漬し、これらの電極に通電する。
【0017】このため、露光されたハロゲン化銀を還元
し得る金属化合物〔例えばFe(II)化合物〕を現像主
薬として含む現像液では、現像反応によって酸化数の高
い金属イオンからなる化合物〔例えばFe(III)化合
物〕が生成するが、これが電極面で還元される反応が起
こり、現像力が回復する。これによって、現像液の酸化
還元電位を一定に保持することができ、現像活性を安定
して保持することができる。
【0018】また、現像処理によって現像液中に蓄積す
るBr- 等のハロゲン化物イオンが陰イオン交換膜を選
択的に通過して電解質溶液に含有されることになる。こ
のようなハロゲン化物イオンの移動により、現像液では
不要なハロゲン化物イオンの蓄積が防止され、現像阻害
の発生が防止される。このようなことから、現像工程で
は、十分な画像濃度を得ることができ、感度の低下およ
び階調の軟調化を防止することができる。そして、現像
工程において、補充量を低減することができ、実質上廃
液が零になるレベルまで補充を低減できる。
【0019】また、上記において、電解質溶液として定
着処理の後のリンス処理に用いられるリンス液を利用す
ることによって、廃液量を減少させることができる。し
たがって、本発明では、上記したような処理液における
処理性能の維持管理が容易となり、補充量を低減するこ
とができる。
【0020】また更に本発明は、前記黒白現像液にチタ
ンイオンまたはバナジウムイオンを加えることが好まし
い。チタンイオンおよびバナジウムイオンはTiC
3 、VCl3 として加えられ、このことにより、感度
が良好となることがわかった。また更に本発明は、前記
黒白現像液にハロゲン化銀溶剤を添加することが好まし
い。本発明で用いられるハロゲン化銀溶剤としては例え
ばチオ硫酸塩、チオエーテル化合物、メソイオン化合
物、チオ尿素化合物、イミダゾール化合物、メルカプト
イミダゾール化合物、メルカプトトリアゾール化合物、
メルカプトテトラゾール化合物などが挙げられる。
【0021】これらの化合物はTi3+、V3+の金属化合
物に対してはカブリを抑え且つシャドー側の濃度を増す
ことがわかった。即ちS/N比が向上する。また更に本
発明は、前記黒白現像液がキレート鉄錯塩の場合に含窒
素化合物を添加するとシャドーの濃度が上昇し好まし
い。含窒素化合物としてはアミン類、アンモニウム塩、
4級アンモニウム塩、鎖状及び環状4級アンモニウム塩
を加えるとよい。例えば、臭化アンモニウム、トリエタ
ノールアミン、テトラメチルアミン、アルカノールアミ
ンなどが使用できる。
【0022】以下、本発明を更に詳細に説明する。上記
本発明において現像主薬として用いる遷移金属の有機金
属錯塩(金属化合物)を構成する金属は、Ti、V、C
r、Mn,Fe,Co,Ni,Cu等の遷移金属であ
り、好ましくはTi、V、Cr、Feであり、これらは
いくつかの異なった酸化状態をとりうる性質を有する。
【0023】したがって、現像主薬として用いる場合
は、理論的には、最高酸化状態よりも少ない酸化状態の
ものを用いて、その還元力を利用すればよいが、通常、
TiではTi3+、VではV2+、CrではCr2+、Feで
はFe2+が用いられる。なかでも、Ti3+、Fe2+など
がより好ましく用いられる。
【0024】このような金属化合物は、錯塩であり、錯
塩としては、Ti3+やFe2+を中心金属とするものであ
り、配位子としては多座配位子であることが好ましい。
このような配位子としては、具体的には、エチレンジア
ミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸
(DTPA)等のアミノポリカルボン酸ないしその塩、
エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレ
ンリン酸、1,3−ジアミノプロパノール−N,N,
N′,N′−テトラメチレンリン酸等のアミノポリリン
酸ないしその塩、ニトリロトリ酢酸、しゅう酸、くえん
酸等のカルボン酸類ないしその塩、ニトリロ−N,N,
N−トリメチレンりん酸、プロピルアミノ−N,N−ジ
メチレンりん酸等のりん酸類ないしその塩などが挙げら
れる。
【0025】このようななかでも、EDTAやDTPA
等を配位子とする錯塩が好ましく用いられる。また、こ
のような錯塩は、金属塩と配位子化合物とを添加して現
像液中で形成させることもでき、このような方法も本発
明においては好ましい。このような金属化合物の詳細に
ついては、特公昭54−41899号およびそれに引用
された文献等の記載を参照することができる。
【0026】このような金属化合物の現像液における含
有量は、1〜100g/リットル、好ましくは5〜50
g/リットルとすればよい。
【0027】また、このような現像液には、pH緩衝剤
やカブリ防止剤など、種々の添加剤を含有させることが
でき、このような添加剤については、特公昭54−41
899号等に記載されている。また、現像液のpHは
0.5〜11、さらには1〜11、好ましくは2.5〜
9の範囲で用いられる。
【0028】本通電処理に用いられる現像液としては、
金属と錯塩を形成できるキレート剤を含有させることが
好ましい。水溶性キレート剤の具体例を以下に示す。下
記化合物は、酸及び塩(LI+ ,Na+ ,K+ ,NH4
+ )である。 (1)カルボン酸系 (略称) CyDTA:シクロヘキサンジアミン四酢酸トランス型 DHEG :ジヒドロキシエチルグリシン DTPA :ジエチレントリアミン五酢酸 DPTA−OH:ジアミノプロパノール4酢酸 EDAPDA:エチレンジアミン二酢酸二プロピオン酸 EDDA :エチエンジアミン二酢酸 EDDHA:エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェ
ニル酢酸 EDDP :エチレンジアミン二プロピオン酸 EDTA−OH:ヒドロキシエチルエチレンジアミン三
酢酸 GEDTA:グリコールエーテルジアミン四酢酸 HIDA:ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 IDA:イミノ二酢酸 メチル−EDTA:ジアミノプロパン四酢酸 NTA:ニトリロ三酢酸 NTP:ニトリロ三プロピオン酸 m−PHDTA:メタフェニレンジアミン四酢酸 TTHA:トリエチレンテトラミン六酢酸 m−XDTA:メタキシリーレンジアミン四酢酸 EDTA:エチレンジアミン四酢酸 アニシジンブルー;クロマズロールS;フルオキシン;
メチルチモールブルー;メチルキシレノールブルー;サ
ーコシンクレゾールレッド;スチルベンフルオブルー
S; N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン (2)ホスホン酸系、りん酸系 エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸 ニトリロトリメチレンホスホン酸 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1,1−ジホスホノエタン−2−カルボン酸 2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1−ヒドロキシ−1−ホスホノプロパン−1,2,3−
トリカルボン酸 カテコール−3,5−ジホスホン酸 ピロリン酸ナトリウム テトラポリリン酸ナトリウム ヘキサメタリン酸ナトリウム α−アルキルホスホノコハク酸 1−ヒドロキシオルガノ−1,1−ジカルボン酸 1−アミノアルカン−1,1−ジホスホン酸 2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸 (3)水酸基系 アリザリンコンプレクソン; アルセナゾ−III ; ベ
リロン−II;ビスピラゾロン; n−ベンゾイル−N−
フェニルヒドロキシルアミン;ブロモピロガロールレッ
ド; エリオクロームブラックT;1−(1−ヒドロキ
シ−2−ナフチラゾ)−6−ニトロ−2−ナフトール−
4−スルホン酸 カルセイン; カルセインブルー; カルシクローム;
カルコン;カルマガイト; カルボキシアルセナゾ;
クロロホスホナゾ−III ;クロラニール酸; クロモ
トロープ酸; ジメチルスルホナゾ−III ;ジヒドロキ
シアゾベンゼン; ジニトロヒドロキシアゾ−III ;ジ
ニトロスルホナゾ−III ; 2−フリルジオキシム;グ
リシンクレゾールレッド; グリオキサール−ビス(2
−ヒドロキシアニル);ナフチルアゾキシン; ナフチ
ルアゾキシンS;2−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキ
シ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−3−ナフトイッ
ク酸 2−(2−ピリジルアゾ)クロモトロピック酸;1−
(2−ピリジルアゾ)2−ナフトール;4−(2−ピリ
ジルアゾ)レゾルシノール;フェナゾ; パイロカテコ
ールヴァイオレット;タイロン; アセチルアセトン;
フルオリルトリフルオロアセトン; ヘキサフルオロア
セチルアセトン;ピバロイルトリフルオロアセトン;
トリフルオロアセチルアセトン;N,N−ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸;トリ
エタノールアミン (4)窒素系、硫黄系 アルセメート; バソクプロイン; バソクプロインス
ルホン酸;バソフェナンスロリン; バソフェナンスロ
リンスルホン酸;ビスムチオール−II; 3,3’−ジ
アミノベンジジン;ジアンチピリルメタン; モノピラ
ゾロン;ムレキシド; o−フェナンスロリン;チオオ
キシン これらキレート剤は物質の移動による成分の沈澱を防止
するためや、液の水質(例えばカルシウムを含有してい
るなど)による沈澱防止のために好ましい。更には、酸
化還元を容易に起こす金属イオンを含有させたほうが、
電極での不要な反応を防止するためにも有効である。こ
の場合、理論金属イオンキレート能が金属イオンに対し
て1.1モル以上であるキレート剤を含有させることが
好ましい。前記理論金属イオンキレート能は、好ましく
は1.5モル以上であり、より好ましくは2.0モル以
上である。つまり、キレート剤が金属イオンに対して過
剰量存在していることが好ましい。これは、金属の沈澱
防止、液中のカルシウムの沈澱防止、陰イオン交換膜を
介して移動してくる物質による沈澱防止のためである。
【0029】この場合、電解質液が現像液側に移動する
のは好ましくないので、使用するキレート剤は分子量が
大きいほうが好ましい。しかも金属イオンと安定なキレ
ート剤が好ましい。キレート剤の分子量としては、40
0以上、100万以内が好ましい。これは分子量が10
0万より大きいと水に溶けず、400より小さいと陰イ
オン交換膜を通過してしまうからである。
【0030】キレート剤の金属イオンとの安定性を示す
安定度定数(生成定数;logK)としては、2.0〜
40.0が好ましい。キレート剤として使用できる金属
としては、入手し易く比較的安定なものとして、鉄、ア
ルミニウム、チタニウム、ニッケル、コバルトがある。
また、電解質溶液を陽極側として使用する場合には、通
電によりわずかに酸を生ずるため、アルカリ性緩衝液を
加えておくほうがよい。逆に陰極側として使用する場合
には、アルカリを生ずるため酸性緩衝液を加えておくほ
うがよい。
【0031】本発明において、黒白感光材料の現像処理
には、現像主薬として、露光されたハロゲン化銀を還元
し得る金属化合物を含む現像液を用いる。そして、この
とき、現像液が陰イオン交換膜を介して電解質溶液に接
するようにし、かつ現像液に陰極を、電解質溶液に陽極
を、それぞれ浸漬し、両極に通電しながら、感光材料を
処理する。
【0032】本発明による通電処理とは、実質上、処理
槽の一部が陰イオン交換膜で仕切られ、陰イオン交換膜
を介して陰極及び陽極を設けて通電し、陰イオン交換膜
を通して不要物又は必要物を所望の側に移動させ、かつ
電極面反応により液成分の酸化又は還元を行う処理方法
である。電極反応やイオン化合物の陰イオン交換膜を通
して移動するイオンの数は、ファラデーの法則に従って
電極面に流れる電流量に比例する。この電流を起こすた
めには電圧をかけるが、電圧は適正でなければならず、
通常は0.1〜10V、好ましくは0.3〜5Vであ
る。この値より低い電圧だと電流が流れず、高ければ不
必要な電極反応が発生し、目的物に対する反応効率(電
流効率)が低下する。
【0033】したがって、定電流電源を用いれば、通電
処理は時間制御のみで適正に制御できるが、停電時や電
源を一時的に切断する場合には、設定通りに通電されな
いことになるのでこの方法は不適であり、また、このよ
うな定電流電源は高価であるので、できるだけ廉価な電
源(電池又は2次電池等)を採用するほうが好ましい。
【0034】電源として電池又は2次電池を用いるとき
は、電圧低下による電流低下が起こり電流管理が難し
い。この場合には、感光材料の所定処理量に対して電流
値×時間が一定になるように通電する必要がある。電流
値×時間を測定するには、積算電流計(アンメーター)
を用いて電流値の積算量を測定すればよい。アンメータ
ーとしては、定電流電源使用のときには、市販の各種電
流計を用いることができ、電流計を流れた時間のみを積
算すればよい。定電流電源でないときは、市販のクーロ
ンメーター又は積算電流計を用いることができる。
【0035】例えば撮影用フィルム1本の処理に対して
所定クーロンの電気量を現像液に与えるように通電する
ことにより、現像液を適正に再生することができる。通
電処理の対象となる処理槽が多い自動現像装置では、通
電処理を同時に行わず時間をずらして行えば電源のコス
トが安く行える。また、陰イオン交換膜を連続使用する
と、目詰まり等により膜抵抗が上昇することがある。こ
の場合、一定電流値を流そうとすると印加電圧が上昇し
て好ましくない場合がある。このようなことを防止する
ために、膜抵抗を一定以下にしておく必要がある。逆
に、この場合、一定電圧を印加すると電流値が順次低下
する。この時にも、感光材料の所定処理量に対する電流
×時間が一定になるようにコントロールすると、通電処
理が可能となる。
【0036】以上のように通電処理は、ファラデーの法
則に従い電流量でコントロールすればよいが、場合によ
っては、現像液のバルク電位の変化を検出し、このデー
タと電流量を合体して通電量を決定してもよい。このと
きの制御手段では、ファジー判断をしてもよい。前記現
像液の酸化還元バルク電位を測定することは、既に特開
昭60−195544号、同60−195545号公報
に記載された酸化還元電位測定器を用いることができ
る。しかもこの電位は該公報に記載された制御法で検出
制御すればよい。
【0037】例えば、現像液の場合、酸化還元電位が所
定範囲内にあるように通電を制御し、酸化還元電位が設
定された上限値を上回ったら通電を中断して現像液の酸
化を中断する。通電中断中に感光材料を処理するに従い
現像液の酸化還元電位は下降して行くが、酸化還元電位
が下限値を下回ったら通電を開始して現像液を酸化して
電位を上げる。
【0038】本発明では、通電は、処理中において行な
うことが好ましく、このようにすることによって、処理
中の現像活性の保持が可能となる。そして、処理の終了
とともに、例えば感光材料の処理終了の信号を受けたと
きに、通電を終了するようにすればよい。
【0039】本発明に用いる陰極は、長時間の使用に耐
えうる電気伝導体または半導体であればいずれでもよい
が、特にステンレスが好ましい。陽極は不溶性の材質で
かつ電気伝導体であればよく、具体的には炭素(黒
鉛)、二酸化鉛、白金、金、チタン、銅が挙げられ、場
合によってはステンレス鋼を用いてもよい。両極の形状
は、槽内に設置しやすい板状か網目入りの板状または突
起付きの板状が好ましい。大きさは、槽容量により適宜
選択すればよい。
【0040】本発明に用いる陰イオン交換膜は、陰イオ
ンを選択的に透過させるものであれば、いずれを用いて
もよく、市販のものをそのまま用いることができる。こ
の場合、陰イオン交換膜を通して移動が好ましい陰イオ
ンの価数に応じて、用いる陰イオン交換膜を選択するこ
とができる。例えば、現像液に蓄積するBr- 等のハロ
ゲン化物イオンを透過させる目的では、1価の陰イオン
のみを選択的に透過する陰イオン交換膜を用いるなどす
ればよい。
【0041】本発明において、通電を行うために通電室
を区画するのに用いる隔膜としては、陽イオン交換膜、
陰イオン交換膜、その他の透過性膜が挙げられる。これ
らのうち陰イオン交換膜が好ましく用いられるが、その
陰イオン交換膜は陰イオンを選択的に透過するものであ
れば、いずれのものを用いてもよく、市販のものをその
まま用いることができる。このような陰イオン交換膜と
しては、Selemion AWV/AMR(旭硝子
製)、Aciplex A201、A172(旭化成
製)、Neosepta AM−1〜3(徳山曹達
製)、Ionac MA−3148(Ionac Ch
emicals製)、Nepton AR103PZL
(Ionics製)なども用いることもできるが、特に
発色現像槽に通電室を設けて通電を行う場合には、Br
- 等のハロゲン化物イオンの透過をさせるため、一価の
陰イオンを選択的に透過させるSelemion AS
V/ASR(旭硝子製)、Neosepta AFN−
7、Neosepta ACS(徳山曹達製)などの商
品名で市販されているものを用いることが好ましい。
【0042】透過性膜としては、蓄電池に使われている
ユミクロン隔膜(湯浅電池製);檜垣寅雄著「ファイン
エレクトロニクスと高機能材料」(CMC社刊、198
3年)の125〜132頁に記載の固体電解質壁;多孔
性ポリマー板(例えばキサントンの多孔性フィルム又は
繊維布)、多孔性ポリエステル繊維布(例えば東レ製ウ
ェルキー);ウレタン、ポリエチエン、ポリプロピレン
等の発泡材料壁などの透過性膜が用いられる。
【0043】なお、本発明においては、上記の陰イオン
交換膜は、陰イオンを選択的に透過させる膜を総称する
ものとし、このような意味において、孔径0.2〜20
μmの多孔性セラミックスの膜状体も包含するものとす
る。
【0044】通電のために用いる電極として、その一方
である陰極は、長時間の使用に耐えうる電気伝導体また
は半導体であればいずれでもよく、例えば、ステンレス
鋼、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、亜鉛、真鍮、チ
タン等の金属材料が挙げられ、特にステンレス鋼が好ま
しい。また、陽極としては、不溶性の材質でかつ電気伝
導体であればよく、具体的には炭素(黒鉛)、二酸化
鉛、白金、金、チタン鋼が挙げられ、場合によってはス
テンレス鋼を用いてもよい。両電極の形状は、槽内に設
置しやすい板状か網目入りの板状または突起付きの板状
が好ましい。大きさは、槽容量により適宜選択すればよ
い。更に、板状の電極を極めて薄く形成して可撓性を持
たせることにより、容易に巻回することができ、液中に
浸漬させたり空中に出したりする動作が容易になる。ま
た、このような構成により、液中への電極の浸漬深さを
調整して、実質的な電極面積を調整することができる。
【0045】本発明に用いる電解質溶液には制限はない
が、電解質としては、NaCl、KCl、LiCl、N
aBr、KBr、KI等のハロゲン化物、Na2
4 、K2 SO4 、等の硫酸塩、KNO3 、NaN
3 、NH4 NO3 等の硝酸塩、Na2 CO3 、K2
3 等の炭酸塩などを用いることが好ましい。このとき
の電解質溶液における電解質の濃度は、0.01〜30
%、好ましくは0.01〜20%とすればよい。このほ
か、定着液の希釈液を用いることもできる。
【0046】以上においては、電解質溶液を新たに調製
して使用するものとしたが、リンス液を電解質溶液とし
て利用するものとしてもよい。リンス液そのものとし
て、イオン交換水を用いるような場合であっても、使用
後のリンス液には、感光材料Sが持ち込む定着液成分で
ある塩が混入する。したがって、電解質溶液として用い
るには何ら支障はなく、これにより廃液量を減少させる
ことができる。
【0047】上記のリンス液は、通常のものを用いてよ
く、好ましくは、防菌、防ばい剤、色素溶出剤、脱色剤
等を添加したものであればよい。電解条件、電極の材
質、交換膜の種類等については特開平3−273237
号公報に記載のものが挙げられる。本発明における感光
材料は種々の黒白感光材料である。例えば、黒白ネガフ
ィルム、黒白印画紙、黒白反転フィルム、黒白反転印画
紙、黒白ポジフィルム、製版用写真感光材料、X線写真
感光材料、マイクロ用感光材料、カラー反転フィルム、
カラー反転印画紙等が挙げられる。
【0048】上記カラー反転フィルム、カラー反転印画
紙はカラー感光材料であるが、カラー感光材料の第一現
像液に本発明の黒白現像液を用いることができる。
【0049】このような黒白現像液のpHは2〜8.5
の範囲のものが好ましい。さらに好ましくはpH4〜
7.5の範囲である。本発明において、黒白感光材料の
現像処理後の定着処理に用いる定着液は定着剤を含む水
溶液であり、pH3.8以上、好ましくは4.2〜7.
0を有する。定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸アンモニウムなどがあるが、定着速度の点からチオ
硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤の使用量は適
宜変えることができ、一般には約0.1〜約3モル/リ
ットルである。
【0050】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなどがあ
る。定着液には、酒石酸、クエン酸、グルコン酸あるい
はそれらの誘導体を単独で、あるいは2種以上用いるこ
とができる。これらの化合物は定着液1リットルにつき
0.005モル以上含むものが有効で、特に0.01〜
0.03モル/リットルが特に有効である。
【0051】定着液には所望により保恒剤(例えば、亜
硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硼
酸)、pH調整剤(例えば、硫酸)、硬水軟化能のある
キレート剤や特開昭62−78551号公報に記載の化
合物を含むことができる。黒白感光材料の処理におい
て、定着処理の後リンス処理が行なわれる。このリンス
液は、前工程での残留処理薬剤を除去する機能を有する
ものであり、水洗液、水洗水とほぼ同義に用いられてい
る。
【0052】このリンス処理においては、感光材料1m
2 当り、3リットル以下の補充量とすることができ、こ
の場合リンス液には防黴手段を施すことが好ましい。防
黴手段としては、特開昭60−263939号に記され
た紫外線照射法、同60−263940号に記された磁
場を用いる方法、同61−131632号に記されたイ
オン交換樹脂を用いて純水にする方法、オゾンを吹き込
む方法、特開昭62−115154号、同62−153
952号、同62−220951号、同62−2095
32号、特開平1−91533号各公報に記載の防菌剤
を用いる方法を用いることができる。
【0053】さらには、L. F. West. “Water Quality
Criteria”Photo. Sci, & Eng. Vol. 9 No.6(1965)、M.
W. Beach,“Microbiologica 1 Growths in Motion-pic
tureProcessing ”SMPTE Journa 1 Vol. 85, (1976)、
R. O. Deegan, “Photo Processing Wash Water Biocid
es”J. Imaging Tech 10, No.6(1984)および特開昭57
−8542号、同57−58143号、同58−105
145号、同57−132146号、同58−1863
1号、同57−97530号、同57−157244号
各公報などに記載されている防菌剤、防黴剤、界面活性
剤などを併用することもできる。
【0054】さらに、R. T. Kreiman 著、J. Image. Te
ch 10,(6)242頁(1984)に記載されたイソチアゾリン系化
合物、Research Disclosure 第205巻、No. 20526(19
81年、5月号)に記載されたイソチアゾリン系化合物、
同第228巻、No. 22845(1983年、4月号)に記載され
たイソチアゾリン系化合物、特開昭62−209532
号公報に記載された化合物などを防菌剤(Microbiocid
e)として併用することもできる。
【0055】その他、「防菌防黴の化学」堀口博著、三
共出版(昭和57)、「防菌防黴技術ハンドブック」日
本防菌防黴学会・博報堂(昭和61)に記載されている
ような化合物を含んでもよい。黒白感光材料の処理に
は、このほか安定液も用いられることがあるが、この黒
白感光材料の処理の詳細については、特開平1−937
37号、特開平1−250947号、特開平2−103
035号、特開平2−103037号、特開平2−71
260号、特開昭61−267559号各公報等の記載
を参照することができる。
【0056】また、本発明における黒白ないしカラー感
光材料の詳細については、特開平1−259359号を
はじめとし、上記特許文献等に開示されている。
【0057】
【実施態様】添付図面を参照して本発明の実施態様を説
明する。図1は自動現像装置の模式的平面図である。自
動現像装置は、現像槽2、定着槽4、水洗槽6が順に配
設され、現像槽2には現像液、定着槽4には定着液、水
洗槽6には水洗水が充填されている。露光後の感光材料
(黒白)は、各処理液に順に浸漬されて処理され、水洗
の終了した感光材料Sは図示しない乾燥部で乾燥され
る。
【0058】現像槽2には現像液が充填されているが、
現像槽2に隣接して通電槽8が設けられており、現像槽
2と通電槽8との間は陰イオン交換膜10により仕切ら
れている。通電槽8内には電解質溶液が充填され電解質
溶液と現像液とは陰イオン交換膜10を介して接してい
る。また、現像液に接して陰極12が設置され、電解質
溶液に接して陽極14が設置されており、両電極12、
14は電源16により通電される。また、現像槽2には
電位計18が設けられており、現像液の酸化還元電位を
測定できるようになっている。電位計18は制御装置2
0に接続されており、電位計18により測定した現像液
の酸化還元電位に応じて電源16を制御して、電位や通
電量を制御できるようになっている。
【0059】現像液への通電の時期は、現像処理前、現
像処理中、現像処理後のいずれでもよい。特に好ましい
のは現像処理前に通電処理を行って現像液の性能を回復
させておくことであり、実際に現像処理を開始するとき
には、現像液の性能を良好な状態にしておける。現像液
の劣化は主に現像処理の進行により、現像主薬であるキ
レート金属イオンが高イオン価数になることによるが、
現像液に陰極12を浸漬して通電することにより、陰極
14から高イオン価数のキレート金属イオンに電子が与
えられて該金属イオンが還元されて再生される。したが
って、現像処理中の通電処理は現像効率が良くなる点で
好ましい。また、キレート金属イオンは空気中の酸素に
よっても酸化し、その結果現像性能が低下する。そこ
で、現像処理前にあらかじめ通電処理することにより、
現像液中に低イオン価数のキレート金属イオンを多量に
再生して現像性能を回復させておくことが好ましい。図
2は処理装置の変形例の断面図である。処理装置は、現
像槽D、定着槽F、水洗槽Wが順に配設され、現像槽D
及び定着槽FにN2 ガスを、水洗槽Wに空気を導入して
液中で上昇させ、各液を攪拌するようになっている。感
光材料は図1に示す装置と同様に搬送されて処理され
る。
【0060】
【実施例】
<実施例1> (感光材料): 富士写真フイルム製スキャナーフィルムLS−4000 (処理液) : 現像液は下記処方−1 定着液は富士写真フイルム製製版用定着剤GR−F1 (処理工程): 現像 定着 水洗 38℃で 60秒 20秒 20秒 (処理装置):図2に示す装置 (処方−1): 水 800 ml アンモニア水(28%) 100 ml *EDTA 60 g クエン酸(無水) 38.4g KBr 1 g 硫酸第1鉄(7H2 O) 55.6g 〔FeSO4 ・7H2 O〕 pH 6.5〜7.0に調整 水を加えて 1リットル 〔EDTA:硫酸第1鉄=2:1(モル比)〕 *EDTA(4H) POTITE 4H(EDTA−Free acid) (和光純薬製) (比較例1) 処方−A (白井靖男、日写誌、45(1)、33(1982)を参考にした。) A液: 水 100ml FeSO4 ・7H2 O 27.8g(0.2M) B液: 水 250ml NaOH 8.15g EDTA・2Na・2H2 O 12.5g(0.067M) クエン酸(黒水) 6.4g(0.067M) KBr 0.5g A液+B液へ水を加えて 500ml pH 7.6 〔有機酸:Fe=0.2:0.13(モル比)〕 (比較例2) 処方−B (笹井明、千葉大学工学部研究報告、14(25)、53(1962)を参 考にした。) 水 850ml アンモニア水 56ml EDTA・2Na・2H2 O 74.5g(0.2M) FeSO4 (NH4 2 SO4 ・6H2 O 78.5g(0.2M) KBr 2.5g 水を加えて 1000ml pH 9.5 〔有機酸:Fe=1:1(モル比)〕 上記3種の処方で処理した後で空中放置3日後通電して
再使用しようとしたところ、本発明の処方−1は沈澱の
発生もなく何回か通電を繰り返して使用しても同等の性
能が得られた。しかし、比較例1の処方−A及び比較例
2の処方−Bでは沈澱が発生し、通電しても初期の性能
が回復しなかった。
【0061】本発明の処方−1で処理すると、従来のハ
イドロキノン型の現像液(富士ラピッドアクセス処理用
液体現像液LD835)で38℃20秒で処理した場合
に対し、処理時間が長いが硬調で(特にハイライトの切
れがよい)シャープな画像がえられた。 <実施例2>実施例1の処方−1において1−フェニル
−3−ピラゾリドン(富士写真フイルム製薬品ピラゾ
ン)を0.5g/リットル加えたところ現像時間38℃
45秒で硬調でシャープな画像が得られた。
【0062】この液で現像を押した時のカブリの濃度上
昇をLD835と比較したところカブリが少なくDma
x濃度も高いことがわかった。
【0063】
【表1】
【0064】<実施例3>実施例1で用いた装置の現像
部を図1の様に通電する構成にして半切サイズを100
0枚連続処理した。この際、半切サイズ1枚当たり通電
量を2V、1.5A(電流密度0.4A/dm2 )で4
0秒間通電したところ写真性能変化も少なく一定したス
キャナーのプリント画像が得られた。しかも補充液は処
方−1の母液を減量補充したため現像液からはオーバー
フローが出なかった。即ち、処方1と通電を行うことに
より廃液が零となった。 <実施例4>実施例1において処方−1にVCl3 、T
iCl3 を各々10g/リットル加えて実施例1と同様
に処理したところ処方1よりも現像が早くなりいずれも
38℃45秒で同一性能が得られた。 <実施例5>実施例1の処方−1の代わりに処方−2で
も同様な性能が得られた。 (処方−2): 水 800 ml EDTA・Fe・NH4 2H2 O 79.6 g 〔中部キレスト(株)製キレストFNO〕 EDTA・2Na 2 g クエン酸(無水) 12.8g アンモニア水(28%) 30 ml KBr 1 g pH 6.5〜7.0に調整 水を加えて 1リットル <実施例6>実施例1の現像液の代わりに下記処方−3
の液を用いたところ38℃40秒で十分なDmaxが得
られたがDminが高かった。この処方に無水ハイポ6
0g/リットル加えたところDminが低下し逆にDm
axが上昇しS/N比が向上した。
【0065】
【表2】
【0066】 (処方−4): 水 600 ml EDTA・2Na・2H2 O 96.8 g CH3 COONa 20 ml KBr 4 g TiCl3 (20%) 150 ml NaOHを加えてpH=4.0に調整 水を加えて 1リットル <実施例7>実施例5の現像液にC4 9 N(CH2
2 OH)2 を3g/リットル加えたところ現像が早く
なって38℃45秒で同様な性能が得られた。
【0067】
【発明の効果】本発明は、現像液などの処理性能の維持
管理が容易で、処理液の補充量を低減することができ、
しかも良好な写真性能の画像を得ることができる感光材
料の処理方法を提供することができる。更に本発明は、
現像液に通電する事により何回も再生可能な金属化合物
を現像主薬として用いることができ、一定の安定した還
元状態の金属化合物を維持させることにより無廃液のし
かも安定した性能を得ることができる処理システムを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される処理装置の槽構成を模式的
に示す平面図である。
【図2】本発明に適用される処理装置の変形例の断面図
である。
【符号の説明】
2 現像槽 4 定着槽 6 水洗槽 8 通電槽 10 陰イオン交換膜 12 陰極 14 陽極 16 電源 18 電位計 20 制御装置 S 感光材料 D 現像槽 F 定着槽 W 水洗槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 雅人 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀感光材料を遷移金属のキレ
    ート錯塩を含有した黒白現像液で処理する方法におい
    て、該現像液がピラゾロン類を含有している、または前
    記錯塩を形成するキレートの理論金属イオンキレート能
    が遷移金属の金属イオンに対して1.1モル以上である
    錯塩を含有していることを特徴とするハロゲン化銀感光
    材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記黒白現像液で処理する方法におい
    て、現像前又は現像中に該現像液へ通電することにより
    該錯塩を還元状態にし且つ現像処理によって生じるハロ
    ゲンを除去することを特徴とする請求項1に記載のハロ
    ゲン化銀感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記黒白現像液がキレ−ト鉄錯塩を含有
    し、且つチタンイオンまたはバナジウムイオンを副次的
    に含有した請求項1又は2に記載のハロゲン化銀感光材
    料の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記黒白現像液がチタンイオンまたはバ
    ナジウムイオンから成るキレ−ト錯塩を含有し、ハロゲ
    ン化銀溶剤を含有した請求項1又は2に記載のハロゲン
    化銀感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記黒白現像液がキレ−ト鉄錯塩を含有
    し、且つ含窒素化合物を含有した請求項1又は2に記載
    のハロゲン化銀感光材料の処理方法。
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