JPH05295571A - 銅および銅合金の表面処理方法 - Google Patents
銅および銅合金の表面処理方法Info
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Abstract
処理の不均一が原因となる変色を抑制する方法を提供す
ること。 【構成】 銅および銅合金の条5をインヒビターを含む
変色防止処理液1に浸漬し、引き上げた後、液切りロー
ル4またはエアーナイフ等により液を切る工程の前に、
電気伝導率が5μS/cm以下の純水により2秒以内の
時間の洗浄を例えば純水をスプレー洗浄ノズル2から噴
出させて行う、銅および銅合金の表面処理方法。
Description
水溶液を用いた変色防止処理方法において、インヒビタ
ーによる変色防止処理効果を損なうことなく、かつ液切
り不良による変色が発生しにくい変色防止処理方法に関
する。
的耐食性の高い金属材料であるが、その表面を大気中に
さらすと酸化膜が成長して変色に至り、商品価値が低下
することがある。この変色を防ぐために、通常インヒビ
ターとしてベンゾトリアゾール系の化合物を含む水溶液
に浸漬して変色防止処理を施す。
加工が行われるが、加工途中でも適宜一時防錆として変
色防止処理が行われる。例えば大気焼鈍ラインで最終の
湯洗槽にベンゾトリアゾール等のインヒビターを適宜添
加することにより、変色防止処理したり、圧延後、圧延
油を脱脂する工程で変色防止処理することもある。
止処理する場合、処理液から条を引き上げた後、ロール
やエアーナイフ等により、できる限り条表面の液膜を切
った後乾燥するのが通例である。ところがこの液切りお
よび乾燥が不均一であると、これによる変色が外観の斑
として認められることがある。この変色は処理直後には
目視で認められなくても、数日経過すると明確になり不
良品になることがある。
金条の変色防止処理工程における処理の不均一に起因す
る変色を抑制する方法を提供しようとするものである。
の本発明の方法は銅および銅合金の条を、インヒビター
を含む変色防止処理液に浸漬し、引き上げた後、液切り
ロール、エアーナイフ等により液を切る工程を含む表面
処理方法において、変色防止処理液から引き上げた後、
液を切る工程の前に電気伝導率が5μS/cm以下の純
水により2秒以内の時間の洗浄を行う銅および銅合金の
表面処理方法である。
洗等の後水洗されてから、即ち条の表面はできるだけ清
浄な状態にされた後、変色防止処理液に浸漬処理される
のが通例である。ところが水洗液中には前工程から持ち
込まれた各種不純物が存在し、変色防止処理液に持ち込
まれる。また、条表面は完全に活性化することが困難で
あり、表面酸化物や微量の有機物により被覆されてい
る。これらの条の表面皮膜は変色防止処理液を汚染する
ことになる。こうした変色防止処理液の汚染物は変色防
止処理後液切りが不均一であると、条表面に不均一に残
留し変色の原因となる。液切りロールの場合、条により
ロール表面の損耗が不均一で、甚だしい場合は傷がつく
ことがある。液切りロール表面の凹凸は液切り不良の原
因となるが、これを完全に管理することは困難である。
またエアーナイフを用いた場合も条の全幅にわたり常時
均一に液を切ることは困難である。そのため公知のいか
なる液切り方法を用いても、長時間操業を続けると液切
りの均一性は低下する。そこで変色防止処理後純水で再
度、条表面を洗浄すると、液切り不良に起因する変色は
ほとんどなくすことができる。純水とはイオン交換水ま
たはイオン交換と蒸留を行うことにより、少なくとも上
水または井戸水などから電解質を除去したもので、電気
伝導率5μS/cm以下であることが必要である。電気
伝導率がこれ以上になると、液切りの不均一が変色にな
り易くなる。水の電気伝導率は下がるほど変色防止上は
有利であり下限は特に定めない。
特に変色防止処理直後に水洗を過度に行うと、保護性が
低下するため水洗時間は2秒以内で行わなければならな
い。ここで水洗時間とは洗浄液を条にかけた後、液切り
するまでの時間を示す。
である。すなわち、変色防止処理液1が入っている変色
防止処理槽2の中へ条5を浸漬しながら送り、この変色
防止処理槽2から引き上げた後、スプレー洗浄ノズル3
から噴出する洗浄液で洗浄した直後、液切りロール4を
通して条5の洗浄液を液切りする方法である。
条にかけることにより、洗浄液の純度を保つことができ
る。
ると変色防止皮膜の保護性を低下することなく、条表面
を洗浄化することができる。
剤、アルキルアミン等の変色防止助剤、グリコール類等
の潤滑剤などを適宜添加するのは特に差し支えない。
設けると、水質の管理が必要となるが、変色防止処理後
液切りまでの間に、スプレー等で条表面に常に新鮮な純
水、または純水で調整されたインヒビターを含む洗浄液
をかけると、洗浄液の不純物もなく、しかも少量の洗浄
液で液切り不良による変色問題を効果的に解決できる。
ヒビターとしては、銅および銅合金の変色防止剤として
公知のものであれば、特に差し支えない。最も汎用的に
用いられているのは、ベンゾトリアゾール(1,2,3
−benzotriazole,BTA)であり、その
誘導体も有効である。銅および銅合金のインヒビターと
し知られるBTA誘導体の代表例として、4−meth
yl−1.H−benzotoriazole(tol
yltriazole,TTA)、4−carboxy
−1.H−benzotriazole、sodium
um−tolyltriazole、5−methyl
−1.H−benzotriazole(tolylt
riazole,TTA)、benzotriazol
e buthyl ester,silver ben
zotriazoleなどがあげられる。そのほかin
dazole,benzimidazole,indo
le,toriazine等およびそれらの誘導体等が
インヒビターとして利用できる。
はなく、水への溶解度の低いインヒビターを用いる場合
にはアミン系化合物や界面活性剤を添加すること、変色
防止助剤としてアルキルアミン類、メルカプタン類等を
添加すること、あるいはその後の加工工程を考慮してグ
リコール類等の潤滑剤を変色防止処理液に添加すること
などは本発明の効果を妨げない。
浄液に塩素が1ppm以上含むと液切りの不均一による
変色が発生し易くなる。すなわち、塩素は井戸水や水道
水には通常5ppm以上含まれているが、塩素は銅の腐
食媒として作用が大きく、これが1以上含まれる水溶液
では、液切り不良や乾燥の不均一による変色が発生し易
くなる。
が、液切り後乾燥する場合は、乾燥を効率的に行う上で
温度は60〜80℃がよい。
理後の洗浄方法に関するものであり、変色防止処理の前
工程(同一ライン内か別ラインかを問わない)について
は制約されず有効である。たとえばアルカリ浸漬脱脂、
電解脱脂、酸洗、熱処理等の処理が適宜行われたものに
ついて適応できる。
明を具体的に説明する。
(Cu−8%Sn−0.1%P)の圧延油の付着した圧
延材をアルカリ浸漬脱脂、水洗、変色防止処理、乾燥と
連続脱脂ラインにより、脱脂および変色防止処理を施し
た。各種条件で処理した後、耐変色性を試験した結果を
表1に示す。
切り後は乾燥させてコイル状に巻き取った後、サンプリ
ングして硫化水素ガスによる変色防止効果、および液切
り不良による変色の発生の有無を評価した。
g/L りん酸第三ナトリウム 35g/L トリポリリン酸ナトリウム 5g/L メタケイ酸ナトリウム 30g/L 界面活性剤 10g/L 温度 50℃ 時間 10秒 2)水洗 スプレー水洗 時間 3秒 3)変色防止処理 組成 ベンゾトリアゾール 10
0ppm 温度 70℃ 時間 3秒 4)洗浄 図1に示すように変色防止処理液1から条
5が引き上げられた後、液切りロール4により液を切ら
れるまでの間に、スプレー洗浄ノズル3を設置し純水ま
たは純水より調整されたインヒビター溶液をかけた。洗
浄時間即ちスプレーをかけてから液切りロール4で液を
切るまでの時間は、条5の通板速度またはスプレー洗浄
ノズル3とロール4の配置を変えることにより調整し
た。
m幅に対し20L/minの流量で一定とした。
のゴムロールで条の両面から、抑えて、液切りを行っ
た。液切り不良の影響を見る目的でゴムロール表面に
は、深さ0.5mm、長さ200mmの傷のあるものを
用いた。
2S,40℃、50%RHの硫化水素雰囲気に20分間
暴露し、試験片の硫化変色の程度を目視により評価し
た。
mの長さ切り出し、1週間室内暴露して、液切り不良に
起因する変色の発生の有無を目視観察した。
および銅合金条の変色防止処理工程において、インヒビ
ターによる変色防止処理効果を低下させることなく、液
切り不良による変色の発生を防止することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 銅および銅合金の条を、インヒビターを
含む変色防止処理液に浸漬し、引き上げた後、液切りロ
ール、エアーナイフ等により液を切る工程を含む表面処
理方法において、変色防止処理液から引き上げた後、液
を切る工程の前に電気伝導率が5μS/cm以下の純水
により2秒以内の時間の洗浄を行うことを特徴とする銅
および銅合金の表面処理方法。 - 【請求項2】 洗浄液が、電気伝導率5μS/cm以下
の純水に銅および銅合金の変色防止インヒビターおよび
その助剤を添加した水溶液であることを特徴とする請求
項1記載の銅および銅合金の表面処理方法。 - 【請求項3】 洗浄液中の塩素濃度が1ppm以下であ
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の銅お
よび銅合金の表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9946092A JP2717041B2 (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 銅および銅合金の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9946092A JP2717041B2 (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 銅および銅合金の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295571A true JPH05295571A (ja) | 1993-11-09 |
JP2717041B2 JP2717041B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=14247931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9946092A Expired - Fee Related JP2717041B2 (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 銅および銅合金の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2717041B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102732874A (zh) * | 2012-06-28 | 2012-10-17 | 中宇建材集团有限公司 | 铜制品表面处理流水线 |
WO2014156361A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 古河電気工業株式会社 | 表面処理銅箔 |
WO2014156362A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 古河電気工業株式会社 | 表面処理銅箔 |
JP2014227585A (ja) * | 2013-05-24 | 2014-12-08 | 住友金属鉱山株式会社 | 表面処理方法およびそれを用いた金属化樹脂フィルムの製造方法 |
-
1992
- 1992-04-20 JP JP9946092A patent/JP2717041B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102732874A (zh) * | 2012-06-28 | 2012-10-17 | 中宇建材集团有限公司 | 铜制品表面处理流水线 |
WO2014156361A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 古河電気工業株式会社 | 表面処理銅箔 |
WO2014156362A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 古河電気工業株式会社 | 表面処理銅箔 |
JPWO2014156361A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2017-02-16 | 古河電気工業株式会社 | 表面処理電解銅箔 |
JPWO2014156362A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2017-02-16 | 古河電気工業株式会社 | 表面処理電解銅箔 |
JP2014227585A (ja) * | 2013-05-24 | 2014-12-08 | 住友金属鉱山株式会社 | 表面処理方法およびそれを用いた金属化樹脂フィルムの製造方法 |
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JP2717041B2 (ja) | 1998-02-18 |
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