JPH06256980A - Mg含有アルミニウム合金板の連続焼鈍・酸洗浄同一ライン処理方法 - Google Patents

Mg含有アルミニウム合金板の連続焼鈍・酸洗浄同一ライン処理方法

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JPH06256980A
JPH06256980A JP6247193A JP6247193A JPH06256980A JP H06256980 A JPH06256980 A JP H06256980A JP 6247193 A JP6247193 A JP 6247193A JP 6247193 A JP6247193 A JP 6247193A JP H06256980 A JPH06256980 A JP H06256980A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Mg含有Al合金板について、MgOを主体
とする酸化膜の除去のための酸洗浄を、連続焼鈍と同一
ラインで効率良く行なう方法を提供する。 【構成】 0.3%以上のMgを含有するAl合金板に
ついて、連続焼鈍後のAl合金板を巻取る前に、その連
続焼鈍後のAl合金板を、酸洗浄液中もしくは酸洗浄液
スプレー帯を通過させ、かつその通過中の酸洗浄後接触
時間tを20秒以下とするとともに、その接触時間t
(sec)と酸洗浄液の温度(℃)との関係が、 logt≧3.6−3.5×10-2×T を満たすように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、缶の素材あるいは自
動車車体の素材等として用いられるMg含有アルミニウ
ム合金板について、MgOを主体とする酸化膜の除去の
ために酸洗浄を行なう方法に関するものであり、特に酸
洗浄を連続焼鈍と同一のラインで行なう方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】周知のようにMgを比較的多量に含有す
る合金としては、JIS 5000番系のAl−Mg系
合金、JIS 6000番系のAl−Mg−Si系合
金、JIS 7000番系のAl−Zn−Mg系合金な
どがある。ところでMgは極めて酸化され易い元素であ
るため、酸素や水分を含有する雰囲気中で前述のような
Mg含有アルミニウム合金に熱処理を施せば、表面にM
gOを主体とする酸化膜が形成されてしまう。一方、缶
あるいは自動車車体等の用途においては、アルミニウム
合金板表面に塗装を施すことが多く、またその場合塗装
前にクロメート処理やリン酸亜鉛処理等の化成処理を施
しておくことも多い。ところが前述のようにMgOを主
体とする酸化膜が表面に形成されたアルミニウム合金板
では、塗膜の密着性が悪くなったり、化成処理性が悪く
なったりし、そのため塗膜や化成皮膜が均一に形成され
なくなって、塗装後の耐食性が劣ってしまう問題が生じ
る。そこで従来から、Mg含有アルミニウム合金板につ
いては、塗装前あるいは化成処理前に硫酸溶液等を用い
て酸洗浄を行ない、表面の酸化膜を除去することが行な
われている。
【0003】従来このような酸洗浄を行なうにあたって
は、専用の酸洗浄ラインを設けておき、酸洗浄を独立し
た工程で行なうか、あるいは化成処理−塗装ラインに酸
洗浄装置を組入れておいて、化成処理の前処理として酸
洗浄を行なうのが通常であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにMg含有
アルミニウム合金板の酸化膜除去のために、専用の酸洗
浄ラインを設けて酸洗浄を独立の工程として行なう場
合、製造工程が増えるため、コスト上昇を招く問題があ
る。また化成処理−塗装ラインに酸洗浄装置を組込んで
化成処理の前処理として酸洗浄を行なう場合、化成処理
の温度との関係から酸洗浄の温度を余り高温にすること
ができず、そのため酸洗浄時間が長くなって生産性が劣
る問題がある。
【0005】ところで最近のアルミニウム合金薄板の製
造過程においては、再結晶や溶体化、あるいは軟質化等
の目的で行なう焼鈍として、コイルから連続的に薄板を
繰出しながら炉内を連続的に通過させ、再びコイル状に
巻取るようにした連続焼鈍を適用することが多くなって
おり、既に述べたようなMg含有アルミニウム合金板に
ついても連続焼鈍を行なうことが多くなっている。
【0006】そこでこのような連続焼鈍ラインに酸洗浄
装置を組込み、連続焼鈍と酸洗浄とを同一ラインで処理
することによって、製造工程数の増加によるコスト上昇
を抑えることが考えられる。しかしながらその場合にお
いて、連続焼鈍ラインに適した条件でMgOを主体とす
る酸化膜を確実に除去ししかも既存の連続焼鈍設備の大
幅な改変を伴なうことなく実施するための方法は、未だ
確立されていなかったのが実情である。
【0007】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、Mg含有アルミニウム合金板について、その
表面のMgOを主体とする酸化膜を除去するための酸洗
浄を、大幅なコスト上昇や生産性の低下を招くことな
く、高能率で行ない得るようにすることを基本的な目的
とし、特に連続焼鈍と酸洗浄とを同一ラインで処理する
場合において、短時間で確実に酸化膜を除去でき、しか
も既存の連続焼鈍ラインの大幅な設備改変を伴なうこと
なく、低コストで実施し得るようにした方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、本発明者等は鋭意実験・検討を重ねた結果、
酸洗浄液の温度を、処理対象のMg含有アルミニウム合
金板が酸洗浄液に接触している時間(酸洗浄時間)に応
じて適切な範囲内に定めることによって、短時間で確実
にMgOを主体とする酸化膜を除去できることを見出し
た。そしてその条件を適用することによって、連続焼鈍
ライン中での酸洗浄が実際に可能となること、しかも既
存の連続焼鈍設備の大幅な改変を要さずに実施可能とな
ること、さらには連続焼鈍直後の板の保有熱を有効利用
して、熱効率をも向上させ得ることを見出し、この発明
をなすに至った。
【0009】具体的には、請求項1の発明の連続焼鈍・
酸洗浄同一ライン処理方法は、Mgを0.3wt%以上含
有するアルミニウム合金板について連続焼鈍を施すにあ
たり、連続焼鈍後のアルミニウム合金板を巻取る前に、
その連続焼鈍後のアルミニウム合金板を、酸洗浄液中も
しくは酸洗浄液スプレー帯中を通過させ、かつその通過
中の酸洗浄液接触時間を20秒以下に規制するととも
に、接触時間t(秒)と酸洗浄液の温度T(℃)との関
係が、次の(1)式 logt≧3.6−3.5×10-2×T …(1) を満たすように規制することを特徴とするものである。
【0010】さらに請求項2の発明の連続焼鈍・酸洗浄
同一ライン処理方法は、請求項1に記載の方法におい
て、前記酸洗浄液として、硫酸、硝酸もしくは燐酸の1
種以上を合計で1〜20wt%の濃度で含み、かつpHが
2.0以下のものを用いるものである。
【0011】そしてまた請求項3の発明の連続焼鈍・酸
洗浄同一ライン処理方法は、請求項1に記載の方法にお
いて、連続焼鈍後、アルミニウム合金板を酸洗浄液中も
しくは酸洗浄液スプレー帯に導入する前に、アルカリ脱
脂を連続的に行なうものである。
【0012】
【作用】この発明において対象とするアルミニウム合金
板は、Mgを0.3wt%以上含有するものとする。Mg
が0.3wt%未満のアルミニウム合金では、MgO主体
の酸化膜が形成されにくいため、特に酸洗浄を要するこ
とは少ない。このようにMgを0.3wt%以上含有する
アルミニウム合金としては、代表的には、前述のように
JIS 5000番系、6000番系、7000番系が
あるが、これらに限定されないことはもちろんである。
なおMg量の上限は特に規定しないが、工業的に使用さ
れるアルミニウム合金板としては、Mg量が10wt%以
下の場合が多い。
【0013】この発明の方法では、前述のようなMg含
有アルミニウム合金板の酸洗浄を、板製造過程における
連続焼鈍ライン中で行なう。すなわち、例えば図1に示
すように連続焼鈍ライン1中に酸洗浄装置2を配設して
おき、連続焼鈍に続いて酸洗浄を連続的に行なう。
【0014】具体的な連続焼鈍−酸洗浄について図1の
場合を例にとって説明すれば、一般に連続焼鈍ライン1
においては、アンコイラ(コイル繰出装置)3から繰出
されたアルミニウム合金板4は、入側アキュムレータ5
を経て連続焼鈍炉6に導かれる。この連続焼鈍炉6は、
通常は予加熱帯6A、保持帯6B、冷却帯6Cに区分さ
れている。この連続焼鈍炉6の冷却帯6Cから出たアル
ミニウム合金板4は、従来の一般的な連続焼鈍ラインの
場合は、そのまま出側アキュムレータ7を経てリコイラ
(巻取機)8によって再びコイル状に巻取られる。一方
この発明の方法を実施する場合、連続焼鈍炉6の出側と
出側アキュムレータ7との間に酸洗浄装置2を設置して
おき、アルミニウム合金板4に対する酸洗浄を、連続焼
鈍後、巻取前に連続的に行なうことになる。ここで、酸
洗浄装置2は、酸洗浄液中にアルミニウム合金板を直接
浸漬させる型式のもの、すなわち酸洗浴タイプのものと
しても、あるいはスプレーにて酸洗浄液をアルミニウム
合金板に吹付けるようにしたスプレー帯を有する構成の
ものとしても良い。
【0015】このように連続焼鈍ライン中で酸洗浄を行
なうにあたっては、酸洗浄時間と酸洗温度との関係が極
めて重要である。
【0016】すなわち、本発明者等が、後述する実施例
で改めて説明するように、Mg4.5wt%、Cu0.3
wt%を含有し、残部が実質的にAlよりなり、通常の連
続焼鈍により表面にMgOを主体とする酸化膜が形成さ
れたアルミニウム合金板について、10%H2 SO4
溶液からなる酸洗浄液を用いた場合における表面のMg
Oを主体とする酸化膜の除去に要する時間と酸洗浄液の
温度との関係を調べたところ、図2に示すような結果が
得られた。なおここで、MgOを主体とする酸化膜の除
去時間は、グロー放電発光分析(GDS)によって表面
層のMgピークが実質的に消失するまでの酸洗浄時間と
して求めた。酸洗浄前後のGDS分析結果の代表例を図
3の(A),(B)に示す。図3の(A)は酸洗浄前の
状態であって、表面附近にMgのピークがあらわれてお
り、一方図3の(B)は10%H2 SO4 からなる酸洗
浄液によって80℃で10秒酸洗浄した後の状態であっ
て、Mgのピークが消失していることが判る。
【0017】図2に示されるように、通常の連続焼鈍に
より形成された表面のMgOを主体とする酸化膜の除去
に要する時間は、酸洗浄液の温度に大きく影響され、図
2の直線Lの右上の領域の酸洗浄時間−酸洗浄液温度と
した場合にMgOを主体とする酸化膜の除去がほぼ完全
になされることが判明した。ここで、酸洗浄時間をt
(秒)、酸洗浄液の温度をT(℃)とすれば、直線L
は、次の(2)式であらわされる。 logt=3.6−3.5×10-2×T …(2)
【0018】したがって、酸洗浄時間(すなわち酸洗浄
液に接触している時間)tを、酸洗浄液の温度Tに応じ
て次の(1)式 logt≧3.6−3.5×10-2×T …(1) を満たす時間とすることによって、MgOを主体とする
酸化膜のほぼ完全な除去を図ることができる。
【0019】また連続焼鈍ラインにおいては、既存の連
続焼鈍設備において設置可能な酸洗浄装置の設備長さは
限られており、一方ラインを新設する場合でもなるべく
コンパクトな設計が要求されるから、一般に適用されて
いるアルミの連続焼鈍のライン速度(30〜200m/
min )とを考慮すれば、長時間の酸洗浄は不適当であ
る。すなわち、一般的な連続焼鈍のライン速度で長時間
酸洗浄を行なう場合には、酸洗浄装置が長大化して、既
存の連続焼鈍ラインにおける連続焼鈍炉と出側アキュム
レータとの間に酸洗浄装置を設置することが困難とな
り、また新設のラインでもライン長が著しく長くなって
しまう。したがってこの発明では、後述する通板長さ
(酸洗浄液に接している長さ)を10m以下とし、上述
の連続焼鈍のライン速度の下限(30/min )とから、
酸洗浄時間(酸洗浄液に接触している時間)tの上限を
20秒以下とした。
【0020】このように酸洗浄液接触時間tについて、
(1)式を満たしかつ20秒以下の条件とすることは、
図2中における斜線領域内に酸洗浄液接触時間t、酸洗
浄液温度Tを定めることを意味する。この図2から判る
ように、酸洗浄液温度Tは最低でも約65℃以上の高温
となるが、この発明の方法の場合、連続焼鈍時にアルミ
ニウム合金板に与えられた熱を有効利用することによっ
て、上述のような65℃以上の高温での酸洗浄でも、酸
洗浄液の加熱に要するエネルギが少なくて済む。すなわ
ち連続焼鈍炉においては、焼鈍の目的によっても異なる
が、アルミニウム合金板は通常は到達温度400〜60
0℃程度に加熱され、連続焼鈍炉内の冷却帯において冷
却されても焼鈍炉出口で通常は100〜250℃程度の
温度は保有している。したがって連続焼鈍後のアルミニ
ウム合金板を直ちに酸洗浄液中に浸漬もしくはスプレー
することによって酸洗浄液の接触温度も高くなるから、
酸洗浄液自体の加熱が不要となるか、または少なくとも
若干の加熱だけで足りるようになる。
【0021】酸洗浄液にアルミニウム合金板が接触して
いる時間、すなわち酸洗浄液中の通過時間もしくは酸洗
浄液スプレー帯の通過時間は、酸洗浴もしくはスプレー
帯における通板長さ(酸洗浄液に接している長さ)と連
続焼鈍のライン速度とによって定まるが、既存の連続焼
鈍設備に酸洗浄装置を付加する場合、前述のように通板
長さは最大でも10m程度と見積ることができる。そこ
で通板長さを10mとし、前述の(1)式の関係を酸洗
浄温度T(℃)とライン速度R(m・sec-1)の関係
に書き換えれば、(3)式が得られることになる。 log(10/R)≧3.6−3.5×10-2×T …(3) (3)式から、(4)式が得られる。 log(R-1)≧2.6−3.5×10-2×T …(4) この(4)式が満たされる場合には、酸洗浄通板長さが
10mの場合に必ず(1)式も満たされることになる。
また通板長さL(m)が10m以下の場合には、t=L
/Rとして(1)式を満たすように酸洗浄液の温度Tと
ライン速度Rとを定めることによって、MgOを主体と
する酸化膜の除去を確実に行なうことができる。
【0022】またこの発明の方法において酸洗浄に用い
る溶液は、経済性や環境問題等から硫酸溶液が望ましい
が、MgOを主体とする酸化膜を短時間で除去可能な無
機酸であれば硫酸溶液に限られるものではなく、例えば
硫酸以外に硝酸や燐酸、あるいはこれらの混酸等を用い
ることができる。またこのような無機酸の溶液は、無機
酸の濃度が合計で1〜20wt%、pHが2以下が適当で
ある。なお充分な環境対策を講じれば、これら無機酸溶
液に弗素化合物を添加することによって反応を促進で
き、その場合には酸洗浄装置をさらにコンパクトにする
ことができる。
【0023】さらに、連続焼鈍後のアルミニウム合金板
に対しては直ちに酸洗浄を施しても良いが、合金板表面
に圧延油等の油脂分が残留していれば均一な酸洗浄が阻
害されるおそれがあるから、連続焼鈍後、酸洗浄前にリ
ン酸ソーダ、苛性ソーダ、オルソ珪酸ソーダ等を用いて
アルカリ脱脂を施すことが望ましい。そのためには、例
えば図1における連続焼鈍炉6と酸洗浄装置2との間
に、図示しないアルカリ脱脂槽を設けておけば良い。
【0024】なおこの発明の方法においては、酸洗浄後
の処理については特に限定されるものではないが、通常
は酸洗浄後に表面に残留した酸溶液を水洗によって除去
してから乾燥させ、さらに表面の傷入り防止および防錆
のために潤滑油や防錆油を塗布するのが通常である。
【0025】また連続焼鈍前の板製造プロセス、および
連続焼鈍の具体的条件等は、材質や製品板の用途等に応
じて任意に設定できるが、一般にはDC鋳造−均熱−熱
間圧延−冷間圧延によって所要の板厚とした圧延板、ま
たは連続鋳造−冷間圧延によって所定の板厚とした圧延
板に、アルカリ溶液や有機溶剤、温水等を用いて脱脂を
施してから連続焼鈍炉に導入するのが通常であり、また
連続焼鈍炉においては、400〜550℃程度に到達さ
せ、保持なしあるいは20秒程度以下の短時間保持とす
るのが通常である。そして連続焼鈍炉では、加熱雰囲気
として燃焼ガスもしくは加熱空気を用いるのが通常であ
る。
【0026】
【実施例】
[実施例1]Mg4.5wt%、Cu0.3wt%を含有
し、残部が実質的にAlよりなるアルミニウム合金を、
通常のDC鋳造−均熱−熱間圧延−冷間圧延によって板
厚1.0mmの圧延板とした。この圧延板を有機溶剤(M
EK)によって脱脂した後、連続焼鈍炉によって500
℃×10秒加熱して200℃まで空令し、酸洗浄液とし
ての50〜90℃の硫酸水溶液(硫酸濃度10wt%、p
H<1)に2〜60秒浸漬した。酸洗浄後、純水により
洗浄して乾燥させた。乾燥後の板の表面層についてGD
S分析を行なって、深さ方向のMg,Al,Oの濃度分
布を求めて、表面附近のMg濃度のピークの有無から、
MgOを主体とする酸化膜の存在状況を調べた。
【0027】図2に、MgOを主体とする酸化膜の除去
状況(Mg濃度ピークの存在状況)と、酸洗浄時間(酸
洗浄液接触時間)および酸洗浄液の温度の関係を示す。
【0028】図2に示されるように、酸洗浄液の温度T
と酸洗浄液接触時間tが直線Lの右上の領域、すなわち
前記(1)式を満たす場合に、MgOを主体とする酸化
膜をほぼ完全に除去することができた。なお図2におけ
る直線Lの右上の領域であれば、酸洗浄液接触時間が2
0秒を越える場合でももちろんMgO主体の酸化膜の完
全除去は行なわれたが、既に述べたように20秒を越え
る酸洗時間は実際の連続焼鈍ラインでは不都合を生じ
る。
【0029】[実施例2]前記実施例と同様にして連続
焼鈍後に酸洗浄を行なうにあたり、酸洗浄液に対する圧
延板の接触長さを10mで一定とし、連続焼鈍ライン速
度を0.3m/sec〜1.0m/secの範囲内で変
化させるとともに、酸洗浄液の温度を50〜90℃の範
囲内で変化させた。この場合、酸洗浄液の温度Tとライ
ン速度Rとの関係が(4)式を満たしている場合には、
MgOを主体とする酸化膜の除去を完全に行なうことが
できた。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
の方法によれば、Mgを含有するアルミニウム合金板の
表面のMgOを主体とする酸化膜の除去のための酸洗浄
を、連続焼鈍ラインと同一ライン中で効率良く連続的に
行なうことができ、特に酸洗浄を適用することによる生
産性の低下もなく、しかも連続焼鈍ラインの通常のライ
ン速度を適用しつつ確実に酸化膜を除去できるととも
に、既存の連続焼鈍設備の大幅な改変を伴なうことなく
実施することができ、さらに連続焼鈍における加熱エネ
ルギを有効利用して高温での酸洗浄を行なうため、単に
酸化膜除去効率に優れるばかりでなく、酸洗浄液の加熱
のためのエネルギも削減することができ、したがってト
ータルとして熱利用効率が高くなり、トータル的なラン
ニングコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法に従って連続焼鈍と酸洗浄とを
同一ラインで行なうための設備の一例を示す略解図であ
る。
【図2】連続焼鈍後のMg含有アルミニウム合金板につ
いて酸洗浄を行なった場合の酸洗浄液温度および酸洗浄
時間(酸洗浄液接触時間)と、酸化膜除去状況との関係
を示す相関図である。
【図3】図2に示されるデータを得るためのGDS分析
によるMg含有アルミニウム合金板表面層における深さ
方向のMg,Al,Oの濃度分布の代表例を示すグラフ
で、(A)は連続焼鈍後、酸洗浄前の板について示すグ
ラフ、(B)は連続焼鈍−酸洗浄後の板について示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 連続焼鈍ライン 2 酸洗浄装置 6 連続焼鈍炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 公隆 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 武岡 吉彦 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mgを0.3wt%以上含有するアルミニ
    ウム合金板について連続焼鈍を施すにあたり、 連続焼鈍後のアルミニウム合金板を巻取る前に、その連
    続焼鈍後のアルミニウム合金板を、酸洗浄液中もしくは
    酸洗浄液スプレー帯中を通過させ、かつその通過中の酸
    洗浄液接触時間を20秒以下に規制するとともに、接触
    時間t(秒)と酸洗浄液の温度T(℃)との関係が、次
    の(1)式 logt≧3.6−3.5×10-2×T …(1) を満たすように規制することを特徴とする、Mg含有ア
    ルミニウム合金板の連続焼鈍・酸洗浄同一ライン処理方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、前記酸
    洗浄液として、硫酸、硝酸もしくは燐酸の1種以上を合
    計で1〜20wt%の濃度で含み、かつpHが2.0以下
    のものを用いる、Mg含有アルミニウム合金板の連続焼
    鈍・酸洗浄同一ライン処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法において、連続焼
    鈍後、アルミニウム合金板を酸洗浄液中もしくは酸洗浄
    液スプレー帯に導入する前に、アルカリ脱脂を連続的に
    行なう、Mg含有アルミニウム合金板の連続焼鈍・酸洗
    浄同一ライン処理方法。
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