JP2014227585A - 表面処理方法およびそれを用いた金属化樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

表面処理方法およびそれを用いた金属化樹脂フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面欠陥となる微小凸部が生じないように金属導電体層を表面処理する方法を提供する。
【解決手段】 金属化樹脂フィルムFに代表される少なくとも一部に金属表面を有する板状体を複数のローラーを用いて搬送しながら、大気中において有機防錆剤を含んだ水溶液に代表される液状物の塗布または浸漬により該金属表面を処理する板状体の表面処理方法であって、大気との接触により前記液状物の溶媒が蒸発して結晶が析出し始めてから該液状物がローラーに接触するのを防止すべく、前記塗布または浸漬が行われる例えば塗布装置12の位置から少なくともその直ぐ後段に位置するローラー11aまでの搬送経路の大気雰囲気の温度を25〜35℃に、且つその気流の風速を0.0〜0.5m/sに制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、少なくとも一部に金属表面を有する板状体を表面処理する方法、更にその表面処理方法を用いて電子機器内の配線部材に用いられる金属化樹脂フィルムを製造する方法に関する。
金属化樹脂フィルムは、銅箔と樹脂フィルムとの間に介在させた接着剤を用いて両者を貼り合わせたものが主流であり、樹脂フィルムとしてはポリイミドフィルムが広く使われている。この金属化樹脂フィルムを基板としてパターニング処理して得られるフレキシブルプリント配線板は、液晶パネルや携帯電話等の電子機器内の配線部材として広く採用されている。
近年、電子部品の軽薄短小化に伴い、配線部材の配線には狭ピッチ化の要求が高まっている。そのため、基材としての金属化樹脂フィルムにも微細配線を描ける高品質のものが求められるようになってきている。かかる状況の中、樹脂フィルムにポリイミドフィルムを用い、接着剤層を介在させずに形成した金属化ポリイミドフィルムの基板が注目を集めている。
この基板は、接着剤層が無いので接着剤層の特性に左右されることがなく、ポリイミド本来の特性である安定性を利用した材料が得られるという利点を有している。なお、以降の説明では、このように樹脂フィルムにポリイミドを用いた場合を金属化ポリイミドフィルムと称し、ポリイミドに限定しない場合は単に金属化樹脂フィルムと記載する
接着剤層の無い金属化ポリイミドフィルムを作製する方法には、(1)銅箔にポリイミドワニスを塗布し、加熱によりポリイミドフィルム層を形成するキャスティング法、(2)ポリイミドフィルムに熱可塑性のポリイミド系接着剤を塗布して銅箔と加熱圧着させるラミネート法、(3)ポリイミドフィルム表面にスパッタ法や蒸着法で直接金属層を積層させた後、電気めっき法や無電解めっき法を用いて金属層を厚付けするスパッタリング法がある。
これら種々の方法で作製された接着剤層の無い金属化樹脂フィルムのうち、スパッタリング法で作製された金属化樹脂フィルムは、主として液晶パネル実装用のCOF(Chip On Film)と呼ばれるフレキシブルプリント配線板用として微細配線加工されることがあり、その場合は特に微小凸部のないものが要求される。ここで微小凸部とは、金属化樹脂フィルムの表面に硬い異物等が付着することで形成される、フィルムの厚み方向の高度差0.5〜1.0μm程度の細かい突起のことを指している。
上記スパッタリング法では、金属化樹脂フィルムを連続的に製造することができ、例えば長尺状の樹脂フィルムをロールツーロールで搬送しながら、少なくとも片面に先ずスパッタリングもしくは蒸着等の乾式めっき法により、ニッケル、クロム、またはニッケルクロム合金等からなる金属シード層を形成し、その上に良導電性を付与するために銅層からなる金属被膜を形成する。さらに、通常は回路形成のための導電層を厚膜化するため、電気めっき単独、または電気めっきと無電解めっきとの併用による湿式めっき法によって銅等の金属導電体層を形成することが行われる。
電気めっき法によって長尺樹脂フィルムの表面に連続的に金属導電体層を形成する場合は、例えば、内部にアノード(陽極)を備え、このアノードが浸漬するようにめっき液が張り込まれているめっき槽と、長尺樹脂フィルムを搬送して連続的にアノードに対向させるための搬送機構と、これらアノードと長尺樹脂フィルム上のめっき面とに電力を供給する給電部とで主に構成される連続めっき装置が用いられる。なお、一般にめっき槽は2槽以上で構成されており、これらは樹脂フィルムの搬送方向に沿って並べられている。
例えば特許文献1には、電解液が張り込まれた複数のめっき槽を並置し、連続的に搬送される厚さ0.5μm以下の金属化樹脂フィルムを、これらめっき槽に順次浸漬させて陽極に対向させることにより連続的にめっきする方法が示されている。この特許文献1の方法では、各めっき槽毎に通電量を制御できるようになっており、めっき槽毎の通電量を金属化樹脂フィルムの搬送方向に関して後段になるにしたがって順次増加させることにより、均一で良好な電気めっき被膜を連続的に形成できることが示されている。
ところで、このようにして作製した金属化樹脂フィルムの金属導電体層の発錆を抑えるため、金属導電体層の表面を防錆剤で処理することが良く行われている。例えば特許文献2〜4には、ポリイミドフィルムと銅箔とを貼り合わせたり加熱圧着したりして作製した金属化ポリイミドフィルムの銅箔に対して防錆処理を施すことが示されている。
特開2009−026990号公報 特開2005−322682号公報 特開2009−196098号公報 特開2007−152835号公報
前述したように、接着剤層の無い金属化樹脂フィルムでは、特にCOFとして微細配線加工される場合、金属表面に微小凸部が存在していないことが求められている。しかし、スパッタリング法と電気めっき法とを用いて長尺樹脂フィルムを連続的に処理して金属化樹脂フィルムを作製する場合、電気めっき後の後処理としての防錆処理で使用する有機防錆剤が結晶化し、これが異物となって上記微小凸部の原因となることが問題になっていた。
本発明は上記した従来の問題に鑑みてなされたものであり、表面欠陥となる微小凸部が生じないように金属導電体層を表面処理する方法、およびその表面処理方法を用いて、微小凸部がほとんどない金属化樹脂フィルムを製造する方法を提供する事を目的にしている。
本発明者は上記課題を解決するため、微小凸部のない金属導電体層を持つ金属化ポリイミドフィルムの製造方法について鋭意研究を行った結果、電気めっきの後処理工程内での温度および気流が、得られる銅皮膜金属導電体層の表面欠陥に影響を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の表面処理方法は、少なくとも一部に金属表面を有する板状体を複数のローラーを用いて搬送しながら、大気中での液状物の塗布または浸漬により該金属表面を処理する板状体の表面処理方法であって、大気との接触により前記液状物の溶媒が蒸発して結晶が析出し始めてから該液状物がローラーに接触するのを防止すべく、前記塗布または浸漬が行われる位置から少なくともその直ぐ後段に位置するローラーまでの搬送経路の大気雰囲気の温度を25〜35℃に、且つその気流の風速を0.0〜0.5m/sに制御することを特徴としている。
また、本発明の金属化樹脂フィルム基板の製造方法は、板状体としての長尺樹脂フィルムに、乾式めっき法でニッケルもしくはニッケル合金からなる金属シード層を形成し、さらに乾式めっき法で前記金属シード層の上に銅層を積層する工程と、電気めっき法で銅層を厚膜化して金属導電体層を有する樹脂フィルムを形成する工程と、前記金属導電体層を有する樹脂フィルムを複数のローラーを用いて搬送しながら大気中において塗布または浸漬により有機防錆剤を含んだ水溶液で表面処理する工程とからなる金属化樹脂フィルムの製造方法であって、大気との接触により前記液状物の溶媒が蒸発して結晶が析出し始めてから該液状物がローラーに接触するのを防止すべく、前記塗布または浸漬が行われる位置から少なくともその直ぐ後段に位置するローラーまでの搬送経路の大気雰囲気の温度を25〜35℃に、且つその気流の風速を0.0〜0.5m/sに制御することを特徴としている。
さらに、本発明の電気めっき装置は、ロールツーロール方式で搬送される長尺状の板状体に連続的に電気めっきを行う電気めっき装置であって、電気めっき法により前記板状体に金属導電体層を成膜する電気めっき部と、該電気めっき部で付着しためっき液を前記板状体から除去する除去装置と、前記板状体の前記金属導電体層に大気中において防錆剤を塗布または浸漬する装置と、前記金属導電体層に余分に付着した防錆剤を除去する水洗装置と、前記水洗装置で付着した水分を除去する液切り装置と、前記板状体を乾燥させる乾燥装置とがこの順で配置されており、大気との接触により前記液状物の溶媒が蒸発して結晶が析出し始めてから該液状物がローラーに接触するのを防止すべく、前記塗布または浸漬する装置から少なくともその直ぐ後段に位置するローラーまでの搬送経路の大気雰囲気の温度を25〜35℃に、且つその気流の風速を0.0〜0.5m/sに制御することを特徴としている。
本発明によれば、電気めっき処理の後に防錆処理などの液状物を使用する表面処理方法を行っても、微小凸部がほとんどない金属導電体層を持つ金属化樹脂フィルムを得ることが可能となる。これにより、特にCOFなどの微細加工に好適な金属化樹脂フィルムを提供することができる。
本発明の表面処理方法が好適に適用される電気めっき装置の概略の側面図である。 図1の電気めっき装置のうち、後処理部分を示す概略の側面図である。
以下、本発明の表面処理方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。この本発明の一実施形態は、表面処理方法を電子機器内の配線部材に用いられる金属化樹脂フィルムの製造工程に適用したものであり、特にその一工程である電気めっき工程の後処理工程である防錆処理に適用したものである。なお、本発明の表面処理方法は、かかる電気めっき工程の後処理工程の防錆処理への適用に限定されるものではなく、金属化樹脂フィルムに代表される少なくとも一部に金属表面を有する板状体をローラーにより連続的に搬送しながら防錆剤に代表される液状物を塗布または浸漬する金属面の表面処理方法に対して広く適用可能である。
先ず、電気めっき工程について、図1に示す電気めっき装置の概略側面図を参照しながら説明する。この図1の電気めっき装置は、図示しない前段の乾式めっき装置において少なくとも片面に金属被膜が積層された金属化樹脂フィルムFに対して、ロールツーロール方式で搬送しながら湿式めっきである電気めっきを行って厚膜化された金属被膜を有する金属化樹脂フィルムFを作製するものである。
具体的には、ロール状に巻回された金属化樹脂フィルムFが巻き出される巻出しロール1と、ローラーで搬送される金属化樹脂フィルムFの金属被膜を厚膜化して金属導電体層を形成する電気めっき部2と、電気めっき部2で付着しためっき液を除去する除去部3と、電気めっき部2によって厚膜化された金属被膜を有する金属化樹脂フィルムFに防錆処理および乾燥処理を施す後処理部4と、該防錆処理等が施された金属化樹脂フィルムFをロール状に巻き取る巻取りロール5とで構成される。
各部分について説明すると、電気めっき部2は、めっき液が張り込まれためっき槽内に4枚の互いに平行なアノード(陽極)がめっき液に浸漬するように設けられており、このアノードに金属化樹脂フィルムFが連続的に対向できるように5つのローラーが液面下と液面上とに交互に配置されている。そして、これらアノードと液面上のローラーとに図示しない給電装置によって電力の供給が行われる。なお、めっき槽内は図示しない仕切り板によって2枚のアノードと1つのローラーとを各々有する2つの槽に区切られている。
めっき液の除去部3は、各々金属化樹脂フィルムFを上下から挟んで搬送する2つのローラー対と、それらの間に位置する洗浄水の吹き付け装置とから構成され、金属化樹脂フィルムFに付着しためっき液を洗浄して除去できるようになっている。
後処理部4は、金属化樹脂フィルムFの金属導電体層表面に防錆剤の皮膜を形成する部分であり、図2に示す通り、前段の電気めっき部2で電気めっき処理を終えて厚膜化した金属導電体層が積層された金属化樹脂フィルムFを複数のローラー対11a〜11dを用いて搬送しながら、塗布装置12、水洗装置13、液切り装置14、および乾燥装置15において順に処理するものである。
塗布装置12では、金属化樹脂フィルムFの金属導電体層側の表面に防錆剤が塗布される。これにより、金属導電体層の表面に皮膜が形成され、該表面の活性を抑えて酸化を防止することができる。なお、本実施形態では、塗布装置12、水洗装置13、液切り装置14、および乾燥装置15の各々の直ぐ後段に、水平方向に搬送される金属化樹脂フィルムFを上下から挟む一対のローラーが一つだけ設置されているが、各処理装置とその後段の処理装置との間に1つ以上のローラーがあればこれに限定されるものではない。例えば塗布装置12とその後段の水洗装置13の間に複数のローラー対が設置されていてもよい。
塗布装置12で使用する防錆剤には、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾール等の有機防錆剤を使用するのが好ましく、特にベンゾトリアゾールが好適である。これら有機防錆剤を水溶液にして金属化樹脂フィルムに対して塗布または浸漬を行うことにより防錆効果が得られるが、有機防錆剤は水への溶解度が小さいため、アルコールを添加した水溶液とするのが好ましい。添加するアルコールとしては、メタノールまたはエタノールを主成分とするものが好適である。有機防錆剤の濃度は、金属化樹脂フィルムの用途に応じて適宜設定すればよい。
防錆剤を塗布する方法としては、図2の塗布装置12で例示しているように、金属膜が形成されている面を下側にして水平方向に搬送されている金属化樹脂フィルムFの当該下側の面に向けて下方から有機防錆剤の水溶液を吹き付ける吹上法のほか、スプレーノズル法、シャワーリング法、ミスト法、電着法など公知の方法を利用することができる。あるいは、金属化樹脂フィルムF全体を容器に張り込まれた防錆剤水溶液に浸漬させてもよい。
図2では、塗布装置12で処理された金属化樹脂フィルムFは、水洗装置13、液切り装置14、乾燥装置15の順に処理されている。水洗装置13は塗布装置12で余剰に付着した防錆剤を除去するものであり、使用する水は純水が好ましいが、必要に応じて洗浄力を高めるために純水に添加剤を加えてもよい。この水を前述した塗布装置12と同様に金属化樹脂フィルムFに吹き付けたりシャワーリングしたりすることで良好に洗浄することができる。
液切り装置14は、後段の乾燥装置15に持ち込まれる水分量を低減することを目的とするものであり、図2に示すように表裏面を上下に向けて水平方向に搬送されている金属化樹脂フィルムFの当該表裏面に向けてそれぞれ上下から圧縮エアーを吹き付けることで金属化樹脂フィルムFに付着している水分を減らしている。乾燥装置15は、水平方向に搬送される金属化樹脂フィルムFのスリット状入口および出口を有するボックス内に、温風を導入すると共に蒸発した水分を含むガスを排気することで金属化樹脂フィルムFを乾燥するものである。
ところで、塗布装置12で金属化樹脂フィルムFに防錆剤を塗布した後、複数のローラー対11a〜11dを用いて金属化樹脂フィルムFの搬送を行うと、金属化樹脂フィルムFの表面に付着した防錆剤は周囲の大気にさらされるため、溶媒が徐々に蒸発しながらローラー対を通過することになる。この溶媒の蒸発により、有機防錆剤が結晶化し始めると、ローラー対を通過する際、析出した結晶がローラーの外周面に付着することがあった。
例えば塗布装置12の直ぐ後段に位置するローラー11aの外周面に、金属化樹脂フィルムFの表面で析出した有機防錆剤の結晶が付着することが問題となることがあった。ローラー11aの外周面に結晶が付着すると、後続する金属化樹脂フィルムFの表面上の金属導電体層に結晶の突起形状が転写して凹部を形成したり、後続する金属化樹脂フィルムFの表面に結晶が移動して突起状の異物となったりすることがあった。特に結晶が移動した場合は、有機防錆剤の結晶が金属導電体層表面で微小凸部を形成して金属化樹脂フィルムFの表面欠陥を発生することが問題となっていた。
もちろん、ローラーの外周面に付着した有機防錆剤の結晶を定期的に清掃して除去すれば、かかる微小凸部による表面欠陥の問題を防止することができる。しかしながら、このようにローラーの外周面を定期的に清掃する方法は、生産性を低下させる要因となる。したがって、ローラーの外周面に、析出した有機防錆剤の結晶が付着しないようにすることが、生産性を低下させることなく高品質の金属化樹脂フィルムFを得るという点において極めて有効になる。
そこで、本発明の実施形態の表面処理方法では、塗布装置12で処理した後の金属化樹脂フィルムFの表面の有機防錆剤が結晶化し始めるのを抑えるため、塗布装置12から水洗装置13までの搬送経路、特に塗布装置12からその直ぐ後段のローラー対11aまでの搬送経路の大気雰囲気の温度および気流の風速を制御している。具体的には、この大気雰囲気の温度を25〜35℃の範囲内、気流の風速を0.0〜0.5m/sの範囲内に制御している。温度および気流の風速をこれら範囲内にすることで、大気との接触により液状物の溶媒が蒸発して液状物中の有機防錆剤の結晶が析出し始めてから該液成物がローラーに接触するのを防止できる。これにより、後段のローラーの外周面、特に直後のローラー対11aの外周面に有機防錆剤の結晶が付着するのを防止することができる。
この大気雰囲気の温度が35℃を超えると、溶媒の蒸発量が多くなりすぎ、有機防錆剤の結晶が析出して搬送中の金属化樹脂フィルムFがローラーを通過する時に該ローラーの外周面に結晶が付着することがある。一方、この大気雰囲気の温度が25℃未満では、図2のように塗布装置12の直ぐ後段に水洗装置13がある場合には、水洗装置13により除去できる防錆剤水溶液の量を超えた多量の防錆剤水溶液の処理が必要となり、洗浄効果が十分に発揮されないことがある。また、塗布装置12の後段に水洗装置13や液切り装置14がない場合は、溶媒の除去量が少なくなるため、後段の乾燥装置15の負荷が増大したり、完全に乾燥する前に金属化樹脂フィルムFが巻取ロール5でロール状に巻き取られたりして、防錆剤が局所的に凝集し、防錆剤皮膜の厚さが不均一になることもある。
気流の風速を0.5m/s以下とする理由は、気流の風速が0.5m/sを超えると溶媒の蒸発が進みすぎ、後段のローラーの外周面、特にローラー対11aの外周面に、析出した有機防錆剤の結晶が付着することがあるからである。電気めっき工程では金属化樹脂フィルムFの搬送速度は一般的に数m/min.〜30m/min.、すなわち0.5m/s以下に抑えるため、上記した気流の風速の上限と同等程度になる。上記のように風速を限定した気流であれば、金属化樹脂フィルムFの搬送方向に対していずれの向きで気流が流れていてもほぼ同等の効果が得られる。つまり、金属化樹脂フィルムFに対する気流の相対速度を1.0m/s以下に抑えることが重要となる。
塗布装置12で処理した後の金属化樹脂フィルムFの表面の有機防錆剤が、溶媒が蒸発して結晶化し始める現象に影響する別の要因として、湿度がある。湿度が30〜70%程度であれば、上記した大気雰囲気の温度が25〜35℃、気流の風速が0.0〜0.5m/sの範囲内で金属化樹脂フィルムFの表面の有機防錆剤が結晶化するのを抑える効果を十分に発揮させることができる。よって、上記した大気雰囲気の湿度は30〜70%とするのが好ましい。
上記したように、塗布装置12から少なくともその直ぐ後段に位置するローラー対11aまでの搬送経路の大気雰囲気の温度を25〜35℃、且つ気流の風速を0.0〜0.5m/sにするためには、図1に示す装置全体が設置されている室内全体の温度および気流を制御してもよいが、塗布装置12から少なくともその直ぐ後段のローラー対11aまでの搬送経路の大気雰囲気の温度と風速を制御できればよい。したがって、例えば図1の装置全体または後処理部4のみをカバーで覆ってもよいし、図2の後処理部4のうち、塗布装置12から水洗装置13までをカバーで覆ってもよい。
カバーを用いる場合は、カバーで覆われた内部空間の気流の流れを外部から遮断できるようにし、かつカバーで覆われた内部に空調機等を設置して温度と気流の流れとを制御するのが好ましい。これにより、塗布装置12からその直ぐ後段のローラー11aまでの搬送経路の温度と気流の風速とを容易に制御することができる。なお、上記カバーは、カバーの内部と外部との気流の流れを完全に遮断する必要はなく、カバー内部の温度と気流の風速を上記範囲内に制御できる程度に外部との気流の流れが遮断できればよい。
上記にて説明した本発明の実施形態の表面処理方法は、少なくとも一部に金属表面を有する板状体をローラーを用いて搬送しながら、塗布または浸漬により液状物で表面処理する際、板状体の表面で液状物の溶媒が蒸発し、これにより析出した溶質成分の結晶が搬送に用いるローラーの外周面に悪影響を及ぼすのを防止することを主眼としている。したがって、液状物は水を主成分とした溶媒と溶質とからなる防錆剤に限定されるものではなく、板状体の金属表面に潤滑性、耐侯性、耐食性、耐摩耗性、親水性、撥水性等を付与すべく表面皮膜を形成するための各種の表面処理液にも適用することができる。これらの表面処理液が、溶媒の主成分を水とした水溶性の表面処理液であれば、より好適である。
さらに上記表面処理液を板状体に塗布等する場合だけでなく、例えば図2の水洗装置13のように、板状体に付着した過剰な防錆剤水溶液を洗浄液で除去した後の洗浄液の蒸発に起因する溶質成分の結晶化や、板状体の金属表面のエッチング後の洗浄で板状体表面に残留した洗浄液の蒸発過程で発生する溶質成分の凝集(シミ)などが、搬送に用いるローラーに転写、付着する場合にも適用することができる。この洗浄液が、水を主成分とする洗浄液であれば、より好適である。
本発明のローラーを用いて搬送しながら液状体で処理する表面処理が対象とする少なくとも一部に金属表面を有する板状体は、上記した電子機器内の配線部材に用いられる金属化樹脂フィルムに限定されるものではなく、少なくとも一部に金属表面を有し、ローラーを用いて搬送されながら液状物で表面処理が施される板状体に広く適用することができる。少なくとも一部に金属表面を有する板状体には、上記した電子機器内の配線部材以外に用いられる金属化樹脂フィルム、金属が表面に積層された薄いガラスやプラスチック、厚さ0.3mm以下の金属製の薄板、箔等を挙げることができる。
上記した少なくとも一部に金属表面を有する板状体のうち、例えば接着剤層を使用せずに形成される金属化樹脂フィルムの場合は、長尺樹脂フィルムに蒸着法やスパッタ法を用いた乾式めっき法でニッケル、クロム等からなる金属シード層を形成し、この金属シード層の上に銅などを積層して金属被膜を形成することができる。その後、前述した電気めっき法もしくは無電解めっき法、またはこれら両者を組み合わせた方法を用いて、金属導電体層である銅層の厚付けが行われる。
上記長尺樹脂フィルムには、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンテレナフタレート(PEN)等のポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、または液晶ポリマー系フィルム等の中から、耐熱性、誘電体特性、電気絶縁性やプリント配線基板の製造工程やその後工程での耐薬品性、および用途等を考慮に入れて適宜選択される。また、その厚さも用途に応じて適宜選択されるが、主として10〜50μmのものが使われる。
金属シード層は、長尺樹脂フィルムと金属導電体層との密着性や、フレキシブルプリント配線板の絶縁信頼性の向上に寄与する。このような金属シード層として、ニッケル、またはニッケルにクロム、バナジウム、チタン、モリブデン、コバルト、およびタングステンの中から選択される1種以上の元素を添加したニッケル合金を使用することが好ましい。これらの中でも、ニッケル−クロム合金が好ましく、そのクロムの含有量が15〜25質量%であることがより好ましい。このようなニッケル−クロム合金は、高い絶縁信頼性を有し、かつ、配線パターンを容易に形成することができる。
金属シード層の膜厚は、該金属シード層を形成する金属または合金の種類や組成、フレキシブルプリント配線板での配線の加工性、配線に要求される密着性や絶縁信頼性から適宜選択されるものであるが、3〜50nmとすることが好ましい。金属シード層の膜厚が3nm未満では、配線部以外の金属層(金属導電体層と金属シード層)をフラッシュエッチングなどで除去して配線パターンを形成する際、エッチング液が絶縁フィルムと金属層の間に染み込みやすくなり、配線が浮き上がってしまう問題が生じるおそれがある。一方、金属シード層の膜厚が50nmを超えると、フラッシュエッチングなどで最終的に配線パターンを形成する際、金属層が完全に除去されずに残存し、配線間の絶縁不良を発生させるおそれがある。
金属シード層に乾式めっき法で積層する銅層の膜厚は0.01〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmが特に好ましい。この銅層の厚さが0.01μm未満では、フレキシブルプリント配線板上の配線部の電気導電性に問題が発生しやすくなったり、強度上の問題が生じたりする場合がある。一方、乾式めっき法による成膜速度は電気めっき法による成膜速度に比べて遅いため、乾式めっき法により1μmを超えて成膜しようとすると、生産性が低下する。
電気めっき法もしくは無電解めっき法、またはこれら両者を組み合わせた方法で金属導電体層である銅層を厚膜化する場合の膜厚は、フレキシブルプリント配線板の配線パターニングにおいて、サブトラクティブ法またはセミアディティブ法のどちらを選択するかにより決まるものである。すなわち、銅層の膜厚は、サブトラクティブ法によって配線を形成する場合には5〜12μm、セミアディティブ法によって配線を形成する場合には0.5〜4μmとするのが好ましい。なお、電気めっき法は特に限定されることはなく、たとえば、硫酸銅水溶液中で公知の電気めっき方法を使用することができる。
また、上記した本発明の実施形態の表面処理方法で処理した金属化樹脂フィルムは、乾式めっき法にて長尺樹脂フィルムの少なくとも片面に金属被膜が積層された金属化樹脂フィルムに、電気めっき法にて金属導電体層を積層して得たものであったが、金属化樹脂フィルム(長尺樹脂フィルムにポリイミドフィルムを用いる場合は金属化ポリイミドフィルム)の製造方法はこれに限定されるものではない。
すなわち、銅箔とポリイミドフィルムを接着剤により貼り合せた金属化ポリイミドフィルムや、銅箔にポリイミドワニスを塗布して加熱によりポリイミドフィルム層を形成するキャスティング法や、ポリイミドフィルムに熱可塑性のポリイミド系接着剤を塗布して銅箔と加熱圧着させるラミネート法で得られる金属化ポリイミドフィルムにおいて、金属導電体層に防錆剤の表面皮膜を形成する場合にも、防錆剤を塗布する工程に本発明の表面処理方法を適用してもよい。さらに、上記金属化ポリイミドフィルムを製造するために用いられる銅箔に、防錆剤による皮膜を形成する場合にも、本発明の表面処理方法を適用することができる。
以下、本発明の表面処理方法について、実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例における微小凸部の有無の判定は、金属化樹脂フィルムの全長に亘って検査し、当該フィルムの厚み方向での高度差が0.5〜1.0μm、当該フィルムの面方向での大きさが200μm以下の突起があれば微小凸部ありと判断した。
(実施例1)
図1に示すような連続電気めっき装置を用いて、ロール状に巻回された長尺の金属化樹脂フィルムFを巻出しロール1から巻出し、連続的に搬送しながら、電気めっき部2で処理して銅層が厚膜化された金属化樹脂フィルムFを得た後、めっき液の除去装置3で金属化樹脂フィルムFに付着しためっき液を除去し、さらに後処理部4で防錆剤の塗布と乾燥を行ってから巻取りロール5で巻取った。
巻出しロール1から巻き出す金属化樹脂フィルムFには、厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン(登録商標))の表面に、予めスパッタリング法で膜厚10nmのニッケル−20質量%クロム合金膜を成膜し、さらにこの合金膜の表面に膜厚100nmの銅層を積層したものを用いた。
電気めっき部2では、硫酸を100g/L、硫酸銅を180g/L含み、塩素含有量50質量ppmのめっき液を用い、これに銅めっき皮膜の平滑性等を確保する目的で添加剤を添加した。この電気めっき部2に、金属化樹脂フィルムFを3m/min.の搬送速度で導入することにより、金属化樹脂フィルムFの銅層を8μmまで厚膜化した。後処理部4の防錆剤には、ベンゾトリアゾールを0.4質量%以下、アルコールを1.0容量%以下に調整した水溶液を用いた。めっき液の除去装置3および水洗装置13の洗浄液には純水を用いた。
そして、後処理部4全体を略直方体形状のカバーで覆うと共にその内部に空調機を設置し、設定温度を28℃にした。このようにして、防錆処理が施された金属化樹脂フィルムFを作製した。作製している際のカバーの内部空間の温度は28.1℃、気流の風速は0.0m/s、湿度は40%であった。得られた金属化樹脂フィルムの表面を検査した結果、巻取りロール5でロール状に巻回された金属化樹脂フィルムの500ロールに対して微小凸部は発生しておらず、良好な結果が得られた。
(実施例2)
空調機の設定温度を26℃にし、さらにカバーの一方の壁面から対向する他方の壁面に向けて気流が層流状態で水平に流れるようにカバーの両壁面に多数の孔を設け、この一方の壁面から送風機を用いて流量を調整しながら空気を導入し、カバー内での気流の風速(すなわち、送風機から導入される空気の流量を当該壁面の面積で除した値)が0.4m/sとなるようにした。なお、カバー内では金属化樹脂フィルムFが搬送される向きとは対向するように気流を流した。
上記以外は実施例1と同じ条件にして金属化樹脂フィルムを作製した。作製している際のカバーの内部空間の温度は25.8℃、湿度は41%であった。得られた金属化樹脂フィルム基板の表面を検査した結果、金属化樹脂フィルムの500ロールに対して微小凸部は発生しておらず、良好な結果が得られた。
(比較例1)
空調機の設定温度を24℃にし、送風機の流量を調整してカバー内での気流の風速を0.5m/sに調整した以外は実施例2と同じ条件にして金属化樹脂フィルムを作製した。作製している際のカバーの内部空間の温度は24.4℃、湿度は40%であった。得られた金属化樹脂フィルムの表面を検査した結果、金属化樹脂フィルムを500ロール検査するまでに微小凸部が見つかった。
(比較例2)
空調機の設定温度を22℃にし、送風機の流量を調整してカバー内での気流の風速を0.7m/sに調整した以外は実施例2と同じ条件にして金属化樹脂フィルムを作製した。作製している際のカバーの内部空間の温度は22.1℃、湿度は42%であった。得られた金属化樹脂フィルムの表面を検査した結果、金属化樹脂フィルムを500ロール検査するまでに微小凸部が見つかった。
F 金属化樹脂フィルム
1 巻出しロール
2 電気めっき部
3 めっき液の除去部
4 後処理部
5 巻取りロール
11a 塗布装置直後のローラー対
11b 水洗装置直後のローラー対
11c 水切り装置直後のローラー対
11b 乾燥装置直後のローラー対
12 塗布装置
13 水洗装置
14 水切り装置
15 乾燥装置

Claims (13)

  1. 少なくとも一部に金属表面を有する板状体を複数のローラーを用いて搬送しながら、大気中での液状物の塗布または浸漬により該金属表面を処理する板状体の表面処理方法であって、
    大気との接触により前記液状物の溶媒が蒸発して結晶が析出し始めてから該液状物がローラーに接触するのを防止すべく、前記塗布または浸漬が行われる位置から少なくともその直ぐ後段に位置するローラーまでの搬送経路の大気雰囲気の温度を25〜35℃に、且つその気流の風速を0.0〜0.5m/sに制御することを特徴とする板状体の表面処理方法。
  2. 前記塗布または浸漬された板状体を、少なくとも1つのローラーを介して洗浄装置、液切り装置、および乾燥装置のうちの少なくとも1つに導くことを特徴とする、請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記液状物は、前記板状体の金属表面の上に表面皮膜を形成させる表面処理液であることを特徴とする、請求項1または2に記載の板状体の表面処理方法。
  4. 前記液状物は、アルコールを添加した水に有機防錆剤を溶解させた水溶液であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の板状体の表面処理方法。
  5. 前記有機防錆剤はベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、およびイミダゾールのうちの1種もしくは2種以上であり、前記アルコールはメタノールまたはエタノールを主成分とすることを特徴とする、請求項4に記載の板状体の表面処理方法。
  6. 前記液状物は、前記板状体を洗浄するための水または水溶性洗浄液であることを特徴とする、請求項1に記載の板状体の表面処理方法。
  7. 前記板状体は、長尺樹脂フィルムに金属導電体層が積層された金属化樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の板状体の表面処理方法。
  8. 前記板状体は、金属化樹脂フィルムの金属層として使用される銅箔であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の板状体の表面処理方法。
  9. 板状体としての長尺樹脂フィルムに、乾式めっき法でニッケルもしくはニッケル合金からなる金属シード層を形成し、さらに乾式めっき法で前記金属シード層の上に銅層を積層する工程と、電気めっき法で銅層を厚膜化して金属導電体層を有する樹脂フィルムを形成する工程と、前記金属導電体層を有する樹脂フィルムを複数のローラーを用いて搬送しながら大気中において塗布または浸漬により有機防錆剤を含んだ水溶液で表面処理する工程とからなる金属化樹脂フィルムの製造方法であって、
    大気との接触により前記液状物の溶媒が蒸発して結晶が析出し始めてから該液状物がローラーに接触するのを防止すべく、前記塗布または浸漬が行われる位置から少なくともその直ぐ後段に位置するローラーまでの搬送経路の大気雰囲気の温度を25〜35℃に、且つその気流の風速を0.0〜0.5m/sに制御することを特徴とする金属化樹脂フィルムの製造方法。
  10. 前記有機防錆剤はベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、およびイミダゾールのうちの1種もしくは2種以上であり、前記アルコールはメタノールまたはエタノールを主成分とすることを特徴とする、請求項9に記載の金属化樹脂フィルムの製造方法。
  11. ロールツーロール方式で搬送される長尺状の板状体に連続的に電気めっきを行う電気めっき装置であって、
    電気めっき法により前記板状体に金属導電体層を成膜する電気めっき部と、該電気めっき部で付着しためっき液を前記板状体から除去する除去装置と、前記板状体の前記金属導電体層に大気中において防錆剤を塗布または浸漬する装置と、前記金属導電体層に余分に付着した防錆剤を除去する水洗装置と、前記水洗装置で付着した水分を除去する液切り装置と、前記板状体を乾燥させる乾燥装置とがこの順で配置されており、
    大気との接触により前記液状物の溶媒が蒸発して結晶が析出し始めてから該液状物がローラーに接触するのを防止すべく、前記塗布または浸漬する装置から少なくともその直ぐ後段に位置するローラーまでの搬送経路の大気雰囲気の温度を25〜35℃に、且つその気流の風速を0.0〜0.5m/sに制御することを特徴とする電気めっき装置。
  12. 前記電気めっき装置は、該装置全体の雰囲気を外部から略遮断するカバーで覆われており、該カバーの内部空間の温度が制御されていることを特徴とする、請求項11に記載の電気めっき装置。
  13. 前記カバーは、少なくとも防錆剤の塗布または浸漬する装置からその直ぐ後段に位置するローラーまでの搬送経路を覆っていることを特徴とする、請求項12に記載の電気めっき装置。
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