JPH05293434A - 自動車車体および部品 - Google Patents

自動車車体および部品

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JPH05293434A
JPH05293434A JP11982092A JP11982092A JPH05293434A JP H05293434 A JPH05293434 A JP H05293434A JP 11982092 A JP11982092 A JP 11982092A JP 11982092 A JP11982092 A JP 11982092A JP H05293434 A JPH05293434 A JP H05293434A
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一雅 小林
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修興 山田
Hideyoshi Noda
秀吉 野田
Hiroyuki Kishi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低明度の色に塗装された自動車車体および部
品において、従来の材質や構成および塗装等を大幅に変
更することなく、炎天下でのその表面温度や車室内の温
度上昇を小さくして、乗車する際の不快感を低減し、あ
るいは必要とされる耐熱性を小さくして使用できる材質
の範囲を拡大し経済性を増し、あるいは冷房装置を小型
軽量化する。従来から求められる美観・耐薬品性等を兼
ね備えた低明度の色に塗装された自動車車体および部品
を供給する。 【構成】通常塗料を黒に調色するために用いられるカー
ボン黒や鉄黒、鋼クロムブラック等の顔料によるのでは
なく、所定の太陽熱放射反射率及び平均粒径を有する
赤、橙、黄、緑、青、紫の顔料を組み合わせ加法混色に
より得られる低明度の塗料を塗装してなる自動車車体又
は部品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車車体および自動車
部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車の車体重量を軽くして経
済性を増す試みが行われている。車体の軽量化は主に走
行時の経済性や性能あるいは安全性を目的としている
が、製造時の経済性も同時に満足し、且つ従来の安全性
や快適性を損なわない手法であることが求められてい
る。
【0003】たとえば冷房装置を小型軽量化するために
は、小型軽量化しても同一の性能を維持する冷房装置を
開発するか、あるいは車体に外部から進入する熱量を小
さくして負荷を小さくして性能の低い冷房装置を用いて
も同一の快適性を確保する必要がある。車体に外部から
進入する熱量を小さくする方法を用いる場合、車体に通
常の断熱材を用いたのでは軽量効果は得られず、従来と
車体の構成が変わらずに外部から進入する熱量を小さく
できる方法であることが好ましい。また、車室内は夏の
炎天下では70℃を越える程温度が上がり、特に直射日
光が当たるインスツルメンツパネル、ステアリング、ド
アの内バリ等の内装関係の自動車部品では高い耐熱性を
要求され、その材質等が限定されている。それらの表層
に太陽熱を遮蔽する層があり直射日光が当たっても温度
の上昇が小さい自動車部品が可能であれば使用可能な材
質等が広がり、経済性等の利点がある。
【0004】一方、従来の自動車車体、専ら錆等を防止
し美観を付与する観点から防錆や耐候性に優れまた光沢
や平滑性、色彩等に優れたものが求められ塗装が行われ
ている。たとえば、メタリック系の塗料を塗装した車体
は化成処理した鋼板に電着塗装、中塗塗装、メタリック
ベース塗装、クリア塗装を順次行う構成がとられてい
る。また、ソリッド系の塗料を塗装した車体は化成処理
した鋼板に電着塗装、中塗塗装、上塗り塗装を順次行う
構成がとられている。また、インスツルメンツパネル、
ステアリング、ドアの内バリ等の内装関係の自動車部品
の塗装については、専ら美観の付与の観点から行われて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車車体およ
び部品は、上記のように専ら美観や耐久性の観点から塗
装が行われ、太陽熱遮蔽の観点からの配慮は行われてい
なかった。高明度の塗装物については元来可視光線の反
射率が高く、太陽熱遮蔽の観点からの配慮がなくても自
ずと遮蔽性をもっているが、特に低明度の色に塗装され
た車体や部品は著しく太陽光を吸収し、たとえば真夏の
炎天下に放置された自動車のインスツルメンツパネルや
ステアリングは90℃を越え、素手で触れることもでき
ない程に温度が上昇する。また、低明度の色に塗装され
た自動車を真夏の炎天下に駐車すると車室内は70℃を
越え、乗車する時極めて不快である。
【0006】本発明は、低明度の色に塗装された自動車
車体および部品において、炎天下でのその表面温度や車
室内の温度上昇を小さくして、乗車する際の不快感を低
減し、あるいは必要とされる耐熱性を小さくして使用で
きる材質の範囲を拡大し経済性を増し、あるいは冷房装
置を小型軽量化して製造時や走行時の経済性を増すこと
を目的としたものである。
【0007】さらに本発明の他の目的は、従来の材質や
構成および塗装等を大幅に変更することなくこの目的を
達成し、従来から求められる美観・耐薬品性等を兼ね備
えた低明度の色に塗装された自動車車体および部品を供
給することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、太陽光に
よる温度の上昇を防止するため鋭意研究を重ねた結果、
通常塗料を黒に調色するために用いられるカーボン黒や
鉄黒、鋼クロムブラック等の顔料によるのではなく、
赤、橙、黄、緑、青、紫の顔料を組み合わせ加法混色に
より得られる低明度の塗料を塗装した場合、自動車車体
および部品が優れた太陽熱遮蔽効果を発揮し温度上昇を
抑制することを見いだした。
【0009】即ち、本発明は、主にビヒクルと顔料から
なる塗料において下記(a) 〜(f) から選ばれる2種以上
の顔料を組み合わせ加法混色により得られた低明度の太
陽熱遮蔽上塗り塗料を塗装したことを特徴とする自動車
車体又は自動車部品: (a) JIS A5759建築用熱線遮蔽およびガラス飛
散防止フィルムで規定されている分光反射率(Rλi )
より算出される350〜2100nmの領域における太陽
熱放射反射率が45%以上である平均粒径50μm以下
の赤系顔料 (b) 同上の太陽熱放射反射率が55%以上である平均粒
径50μm以下の橙系顔料 (c) 同上の太陽熱放射反射率が60%以上である平均粒
径50μm以下の黄色顔料 (d) 同上の太陽熱放射反射率が20%以上である平均粒
径50μm以下の緑色顔料 (e) 同上の太陽熱放射反射率が20%以上である平均粒
径50μm以下の青色顔料 (f) 同上の太陽熱放射反射率が35%以上である平均粒
径50μm以下の紫色顔料である。
【0010】特に、前記太陽熱遮蔽上塗り塗料がアルミ
ニウム下地に塗装されていることを特徴とする自動車車
体又は自動車部品、或いは前記太陽熱遮蔽上塗り塗料に
接する下塗り及び中塗り塗料の1種又は2種が、前記
(a) 〜(f) で規定された顔料であって無機質のもの並び
に酸化チタンから選ばれる1種以上の無機顔料を含有す
ることを特徴とする自動車車体又は自動車部品である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明で述べる低明度とは、色をCIELAB表示で表し
た場合のL*値が35以下をいう。
【0012】次に、本発明に用いる塗料について説明す
る。本発明に用いる塗料のビヒクルは、太陽光に晒され
ても黄変、変色、光沢低下、白亜化を起こしにくく、長
年使用しても美観の維持に優れるとともに太陽光の遮蔽
効果を長期間維持できるビヒクルが好ましい。室温硬化
あるいは100℃以下の低温で硬化するに適したものと
しては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、オイルフリーア
ルキド樹脂、シリコン変性アルキド樹脂、フッ素含有樹
脂等を主成分とし、必要に応じてヘキサメチレンジイソ
シアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族、脂
環族系イソシアネートまたはそのアダクト物の組み合わ
せを挙げることができる。また、100℃以上の温度で
強制乾燥するに適したビヒクルとしてはアクリル樹脂、
アルキド樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、シリコン変
性アルキド樹脂、フッ素含有樹脂等と必要に応じブロッ
クイソシアネートまたはメラミン樹脂を予め混合した組
み合わせを挙げることができる。
【0013】次に本発明の塗料に用いられる顔料として
は、安全で耐水性、耐候性に優れ長期間熱遮蔽効果を維
持する成分であることが望ましい。特に、用いた顔料の
中に耐候性の悪く褪色等を起こしやすいものが含まれる
と、本発明では加法混色により目的とする色を構成する
ため色相の変化を引き起こす場合がある。
【0014】また、本発明に用いる顔料はJIS A5
759建築用熱線遮蔽およびガラス飛散防止フィルムで
規定されている分光反射率(Rλi )より算出される3
50〜2100nmの領域における太陽熱放射反射率が高
く、特に780nm以上の近赤外線域の反射率が高いもの
が好ましく、特に限定されるものではないが、赤系顔
料、橙系顔料、黄色系顔料については反射率が70%以
上のものが好ましく、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料に
ついては、25%以上のものが好ましい。
【0015】近赤外線域の反射率は、JIS A575
9による太陽熱放射反射率と同様にして下式により算出
することができる。
【0016】
【数1】
【0017】
【表1】
【0018】このような顔料を用いて低明度に着色する
具体的な例として、Quinacridone系赤系顔料(PV19)と
Cupper phthalocyanine 系青色顔料(PB15:4)及びBenz
imidazolone 系黄色顔料(PY154)とを組み合わせること
により、マンセル記号でしめすN−1黒(CIELAB
表示で表した場合のL* 値が26)をうることができ
る。また、白色顔料として酸化チタンを併用することに
より、マンセル記号で示すN−2(CIELAB表示で
表した場合のL* 値が29)を得ることができる。
【0019】即ち、本発明の塗料における骨子とすると
ころは太陽熱遮蔽黒色塗料組成物として黒色の着色顔料
を用いずに、赤、橙、黄、緑、青、紫の顔料を用いて加
法混色により無彩色である黒を作成する点にあり、その
顔料の組み合わせは顔料の色相、耐候性、色安定性を考
慮し任意に選択できる。また、本発明の太陽熱遮蔽上塗
り塗料に用いるこれら顔料としては、特に太陽熱遮蔽効
果の点で有機顔料を主体に用いるのが好ましい。
【0020】これらの内、赤の顔料としては例えば、So
ciety of Dyer & Colourist のColour IndexPigment Nu
mber(以下C.I.No. )で分類されるPigment Red
(以下PR)、PR3,PR5,PR,48,PR5
8,PR88,PR112,PR122,PR123,
PR144,PR149,PR165,PR168,P
R170,PR171,PR175,PR177,PR
178,PR179,PR187,PR189,PR1
90,PR194,PR202,PR207,PR20
9,PR214,PR216,PR224,PR24
2,PR253,PR254,PR260,PR351
などから選ぶことがでいる。
【0021】次に橙の顔料としては、例えばC.I.N
o. で分類されるPigment Orange(以下PO)PO5,
PO13,PO16,PO34,PO36,PO38,
PO43,PO60,PO62,PO65,PO69な
どから選ぶことがでいる。
【0022】また黄の顔料としては、同じく例えばC.
I.No. で分類されるPigment Yellow(以下PY)PY
1,PY3,PY13,PY14,PY16,PY1
7,PY24,PY42,PY55,PY73,PY7
4,PY81,PY83,PY93,PY94,PY9
5,PY97,PY98,PY105,PY108,P
Y109,PY110,PY116,PY117,PY
120,PY128,PY129,PY130,PY1
37,PY138,PY139,PY147,PY15
1,PY153,PY154,PY155,PY16
5,PY173,PY175などから選ぶことがでい
る。
【0023】さらに緑の顔料としては、同じく例えば
C.I.No. で分類されるPigment Green (以下PG)
PG7,PG10,PG36などから選ぶことがでい
る。
【0024】次に青の顔料としては、同じく例えばC.
I.No. で分類されるPigment Blue(以下PB)PB1
5:1,PB15:2,PB15:3,PB15:4,
PB15:6,PB16,PB60などから選ぶことが
でいる。
【0025】また、紫の顔料としては、同じく例えば
C.I.No. で分類されるPigmentViolet(以下PV)
PV19,PV23,PV257などから選ぶことがで
いる。
【0026】次に、以上述べた様な顔料の平均粒径は、
耐汚染性、耐候性、色安定性等の観点から20μ以下で
あることが望ましく、特に10μ以下であることが望ま
しい。
【0027】さらに、これらの顔料の合計が、塗料固形
分中2〜70重量%含まれることが好ましい。これら顔
料の合計が、2重量%未満では着色力が小さくなり目的
の色を得るために必要な膜厚が大きくなる。また、顔料
の合計が、70重量%を越えると耐白亜化性が悪くなり
やすい。なお、ここにいう固形分とは塗料組成物の中で
加熱しても揮発または蒸発しない物質を意味し、一般に
は塗膜となるべき成分を指すものであって、具体的には
顔料、ビヒクルの中の樹脂分、その他の添加剤を指す。
【0028】以上のように構成される本発明に用いる塗
料は、有機溶剤や水に分散溶解し塗装に適した粘度に調
節して使用することができる。有機溶剤としては、炭化
水素系、アルコールおよびエーテルアルコール、エステ
ルアルコール系、エーテル系、エステルおよびエーテル
エステル系、ケトン系等の中から任意に用いることがで
きる。
【0029】本発明に用いる塗料は、アルミフレークを
配合してメタック塗料として用いることもでき、艶消し
剤を配合して艶消し塗料として用いても良い。また、必
要に応じ表面平滑剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、硬化
触媒、顔料分散剤、顔料沈降防止剤、色分かれ防止剤等
を用いることができる。
【0030】次に、本発明の自動車車体あるいは自動車
部品に施される塗膜の構成について説明する。まず、太
陽熱遮蔽上塗り塗料は、自動車車体あるいは部品の最外
層に設けられるのが好ましいが、例えばアルミフレーク
を配合してメタック塗料の場合など必要に応じてその外
側に顔料を含まないクリアー層あるいは顔料を僅かに含
む半透明な層を設けることができる。
【0031】本発明で用いる加法混色で得られる太陽熱
遮蔽上塗り塗料の内、特に有機顔料を用い得られる太陽
熱遮蔽上塗り塗料は、膜厚が100μ以上と非常に厚い
場合高い反射率を有するが、20〜60μ程度の膜厚で
は太陽熱遮蔽上塗り塗料の下の層の影響を受けることが
ある。この現象は、太陽熱遮蔽上塗り塗料は可視光線に
ついては充分な隠蔽力をもつが近赤外線については隠蔽
力が不足していることに拠り、太陽熱遮蔽上塗り塗料に
接する下の層の近赤外線の反射率の影響を受けるもので
ある。このような下の層の影響を抑制して、本発明をよ
り効果的にするには太陽熱遮蔽性の良い下地の上に太陽
熱遮蔽上塗り塗料を塗装する方法や太陽熱遮蔽層を複層
構造にする方法が有効である。
【0032】このような本発明をより効果的にする方法
のうち、太陽熱遮蔽性の良い下地の具体例としてはアル
ミニウム下地を挙げることができる。また、太陽熱遮蔽
層を複層構造にする方法については、上層として当該太
陽熱遮蔽上塗り塗料を、下層として下記(a) 〜(f) で規
定される顔料であって無機質のもの及び酸化チタン等の
無機白色顔料から選ばれる1種以上の無機顔料を塗料固
形分中に2〜70%含有する塗料を塗装することが望ま
しい。 (a) JIS A5759建築用熱線遮蔽およびガラス飛
散防止フィルムで規定されて いる分光反射率(Rλi
)より算出される350〜2100nmの領域における
太陽熱放射反射率が45%以上である平均粒径50μm
以下の赤系顔料 (b) 同上の太陽熱放射反射率が55%以上である平均粒
径50μm以下の橙系顔料 (c) 同上の太陽熱放射反射率が60%以上である平均粒
径50μm以下の黄色顔料 (d) 同上の太陽熱放射反射率が20%以上である平均粒
径50μm以下の緑色顔料 (e) 同上の太陽熱放射反射率が20%以上である平均粒
径50μm以下の青色顔料 (f) 同上の太陽熱放射反射率が35%以上である平均粒
径50μm以下の紫色顔料
【0033】これら所定の無機顔料を塗料固形分中に2
〜70%含有する塗料を塗装してなる下層は、比較的に
近赤外線の反射率が高く、その上に太陽熱遮蔽上塗り塗
料を塗装した車体または部品は特に高い温度上昇防止効
果がある。こうした塗料は下塗りや中塗りとして用いれ
ばよく、それらに用いるビヒクルは密着性や平滑性がよ
いものが好ましく、上塗り塗料に用いるビヒクル等やエ
ポキシ樹脂等を挙げることができる。(a) 〜(f) の性質
をもつ無機顔料の例は次の通りである。すなわち、赤系
顔料としては、PR101,PR104,PR108、
PR233等;橙系顔料としては、PO20,PO2
1,PO23,PO45等;黄色顔料としては、PY3
4,PY35,PY53,PY119,PY157等 緑色顔料としては、PG19,PG20,PG26,P
G50等;青系顔料としては、PB28,PB36,P
B73等;紫系顔料としては、PV14,PV16等;
がそれぞれ挙げられる。
【0034】
【実施例】以下本発明の効果を実施例により説明する。 (塗料の配合成分) 顔料 顔料A:FASTOGEN SUPER RED 7061B(PV19) 平均粒径0.3 μ 大日本インキ化学工業 (株) 製 顔料B:FASTOGEN SUPER BLUE GNPM-K(PB15:4) 平均粒径0.1 μ 大日本インキ化学工業 (株) 製 顔料C:SYMULER FAST YELLOW4192(PY154) 平均粒径 (長径) 0.4μ 大日本インキ化学工業 (株) 製 顔料D:FASTOGEN GREEN S (PG7) 平均粒径 (長径) 0.06 μ 大日本インキ化学工業 (株) 製 顔料E:IRGAZIN YELLOW 2GLT (PY109) 平均粒径 (長径) 2.5μ CIBA-GEIGY社製 顔料F:FASTOGEN SUPER VIOLET RN-S (PV23) 平均粒径 (長径) 0.3μ 大日本インキ化学工業 (株) 製
【0035】 黒色顔料G カーボンブラックMA−100 平均粒径0,02μ 三菱化成 (株) 黒色顔料H 鉄黒 BL−100 平均粒径3μ チタン工業 (株) 製 黒色顔料I 鋼クロムブラック ダイピロキサイドブラック#9510 平均粒径0.5μ 大日精化工業 (株) 製
【0036】無機顔料 白色顔料J タイペークCR−90 平均粒径0.4μ 石原産業 (株) 製 赤色顔料K レッドライト6300 (PR108) 平均粒径0.2μ 三菱マテリアル (株) 製 黄色顔料K パーマエロー1650S(PY34) 平均粒径0.5μ 菊池色素工業 (株) 製 青色顔料M ダイピロキサイドブラック#9410
(PB28) 平均粒径0.5μ 大日精化工業 (株) 製
【0037】(塗料の作成) 表2に示す割合でアクリディックA−801P(大
日本インキ化学工業 (株) 製アクリルポリオール樹脂)
をビヒクルに用い、各顔料を添加し、スワゾール#15
00(丸善石油製芳香族系混合溶剤)、メチルイソブチ
ルケトン1対1の混合溶剤を用いて20分間分散処理し
たのち、同混合溶剤を加えて粘度が20〜30ポイズに
なるように調整した。塗装時にタケネートD170N
(武田薬品工業 (株) 製ヘキサメチレンジイソシアネー
トアダクト)をNCO/OHモル比を1対1になるよう
に添加し、塗料1、2、3、4を得た。
【0038】 表2に示す割合でアクリディックA−
801P(大日本インキ化学工業 (株) 製アクリルポリ
オール樹脂)をビヒクルに用い、各顔料を添加し、スワ
ゾール#1500(丸善石油製芳香族系混合溶剤)、メ
チルイソブチルケトン1対1の混合溶剤を用いて20分
間分散処理したのち、同混合溶剤を加えて粘度が20〜
30ポイズになるように調整した。塗装時にタケネート
D170N(武田薬品工業 (株) 製ヘキサメチレンジイ
ソシアネートアダクト)をNCO/OHモル比1対1に
なるように添加し、塗料8を得た。
【0039】 表2に示す割合で黒色顔料を用いて、
他はと同様にして塗料5、6、7を得た。
【0040】
【表2】
【0041】試験片の作成 まず、厚さ1mmの鋼板にカチオン電着を塗装乾燥する。
その後、表2に示すように、第1層の塗料を各々乾燥膜
厚が30ミクロンになるように塗装し硬化した後、第2
層の塗料をスプレー塗装し80℃で30分加熱硬化して
試験片を作成した。また、実施例6については、表2に
示すように、第3層の塗料をスプレー塗装し80℃で3
0分加熱硬化して鋼試験片を作成した。また、厚さ2mm
のアルミニウム板に塗料1〜7を乾燥膜厚が30ミクロ
ンになるようにスプレー塗装し80℃で30分加熱硬化
してアルミニウム試験片を作成した。 実車塗装 同一の車種を2台準備し、その外板に塗料8を乾燥膜厚
が30ミクロンになるように塗装後、一方(実施例)に
は塗料1を他方(比較例)には塗料5を乾燥膜厚が30
ミクロンになるように塗装し、80℃で30分加熱硬化
した。また、ステアリング、インスツルメントパネルに
も外板と同一の塗料を同様にして塗装乾燥した後、車内
に取りつけを行った。
【0042】試験片の試験方法 上記試験片について、図1に示すように白熱灯を照射し
試験片の裏面温度の測定を行った。なお、図1の裏面温
度測定手段について説明すると、塗膜1を有する試験片
2(寸法150mm×70mm)を厚さt=30mmの発泡ス
チロール板3に塗膜1面を上にしてはめこみ、塗膜面上
h=370mmの位置に白熱灯(500Wフォトリフレタ
クルランプ)4を設置し電源5を接続する。一方試験片
の裏面側には温度センサー6を取りつけ温度記録計7を
接続する。以上の如く設定した後、室温を20±1℃に
保ちまた電源5を70±1Vに調節して白熱灯を点灯
し、温度センサー6、記録計7より温度を測定し記録し
た。また、JIS S5759に規定される日射反射率
を測定した。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】 第1層の膜厚:30ミクロン 第2層の膜厚:30ミクロン(ただし、実施例5は40
ミクロン、実施例6は20ミクロン) 第3層の膜厚:20ミクロン
【0044】実車の試験方法 まず、既述のように塗装された実車の屋根部表面、車室
内の乗車時の頭部位置、胸部位置、足部位置、ステアリ
ング表面、インスツルメントパネル表面等に温度測定セ
ンサーを設置し、それを温度記録計に接続した。この実
車をよく晴れた8月の日の朝から夕方にかけて炎天下に
ドア、窓を閉じておき、温度変化を計測し、最高温度を
求めた。その結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
【発明の効果】以上の実施例の結果からも明らかなよう
に、テストパネルの裏面温度及び実車の車室内温度で著
しい効果が認められ、エアコンのエネルギー効率を改善
し、また真夏の炎天下の放置した車内にはいる場合でも
その不快感を低減する効果が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いられた試験片の裏面温度の測定手
段を示す模式図である。
【符号の説明】
1 塗膜 2 鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 秀吉 千葉県木更津市清見台南4−12−T2− 506 (72)発明者 岸 博之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主にビヒクルと顔料からなる塗料におい
    て下記(a) 〜(f) から選ばれる2種以上の顔料を組み合
    わせ加法混色により得られた低明度の太陽熱遮蔽上塗り
    塗料を塗装したことを特徴とする自動車車体又は自動車
    部品。 (a) JIS A5759建築用熱線遮蔽およびガラス飛
    散防止フィルムで規定されている分光反射率(Rλi )
    より算出される350〜2100nmの領域における太陽
    熱放射反射率が45%以上である平均粒径50μm以下
    の赤系顔料 (b) 同上の太陽熱放射反射率が55%以上である平均粒
    径50μm以下の橙系顔料 (c) 同上の太陽熱放射反射率が60%以上である平均粒
    径50μm以下の黄色顔料 (d) 同上の太陽熱放射反射率が20%以上である平均粒
    径50μm以下の緑色顔料 (e) 同上の太陽熱放射反射率が20%以上である平均粒
    径50μm以下の青色顔料 (f) 同上の太陽熱放射反射率が35%以上である平均粒
    径50μm以下の紫色顔料
  2. 【請求項2】 前記太陽熱遮蔽上塗り塗料がアルミニウ
    ム下地に塗装されている請求項1記載の自動車車体又は
    自動車部品。
  3. 【請求項3】 前記太陽熱遮蔽上塗り塗料の下塗り及び
    中塗り塗料1種又は2種が、(a) 〜(f) で規定された顔
    料であって無機質のもの並びに酸化チタンから選ばれる
    1種以上の顔料を含有することを特徴とする請求項1記
    載の自動車車体又は自動車部品。
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