JP2017519847A - 遮熱塗料用黒色顔料組成物及びそれの使用並びにそれを用いた遮熱塗料、及び調色、塗装のためのそれの使用 - Google Patents

遮熱塗料用黒色顔料組成物及びそれの使用並びにそれを用いた遮熱塗料、及び調色、塗装のためのそれの使用 Download PDF

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Abstract

【課題】赤外線透過性に優れ、濃色ばかりでなく淡色においてもクロム系黒色顔料の色相と近似しているために、有彩色塗料と混合した時に色相調整が容易であり、且つ耐候性に優れ、コストの面でも有利な遮熱塗料用黒色顔料組成物、及びそれを用いた遮熱塗料、更には調色方法を提供すること。【解決手段】第1の顔料としてフタロシアニンブルー顔料、第2の顔料としてフタロシアニングリーン顔料を少なくとも含み、更にその他の有彩色顔料を1種以上含有する遮熱塗料用黒色顔料組成物であって、フタロシアニンブルー顔料の重量組成をMb、フタロシアニングリーン顔料の重量組成をMg、その他の有彩色顔料の合計重量組成をMnとしたとき、1.5<Mg/Mb<4.0、かつ2<Mb<2017<Mg<4045<Mn<63である、遮熱塗料用黒色顔料組成物。

Description

本発明は、遮熱塗料用黒色顔料組成物に関する。
夏季、建築物の屋根、外壁や舗装道路に照射された太陽光の熱が蓄積され、昼間の冷房負荷を大きくするだけでなく、夜間この熱が放出されることで、日没後も周囲の気温が下がらない、という都市部のヒートアイランド現象が、大きな問題になっている。
ヒートアイランド現象を低減する方法として、建物屋根部、外壁部などに、赤外線を反射させることにより遮熱性を持たせた塗料を塗装することにより太陽光エネルギーを建物屋根部、外壁部で反射させ、内側に蓄積させない方法があり、現在多くの企業により活発な開発が進められている。
遮熱性の視点からは、可視域から赤外波長までの光を吸収しない白色顔料を樹脂と溶剤に分散して得た白色塗料が、一般的には最も光反射が高くなり遮熱効果が大きい。しかしながら白色塗料を家屋外壁や倉庫屋根などに塗装すると、その高い反射率のために眩しく、近隣の住民に不快感を与え、トラブルの原因となることもある。それを低減するための手段として、カーボンブラックを塗料に添加して明度を下げる方法も考えられるが、カーボンブラック顔料が持つ赤外波長域の吸収のため、遮熱効果が小さくなるという問題点があった。
このようなニーズに対して、従来は例えば特許文献1で示されるように、緑色の酸化クロム(Cr)を、補色となる赤色の顔料(例えば酸化鉄)と組み合わせて製造された塗料が、黒色塗料として多く使用されてきた。その理由は、この顔料の赤外線反射率が高く遮熱用として好ましいこと、耐候性、化学的安定性などの耐久性にも優れ、比較的安価であることが挙げられる。そのため近年、地球温暖化に対する意識が高まるにつれ、多くの材料が競合する中でクロム系の遮熱塗料が広く使用されている。
特に建造物において太陽光を浴びる面積が大きく建造物内部の温度上昇に大きく寄与する屋根部分に関しては、予め鋼板を塗装してから目的の形状へ加工するPCMと呼ばれる方法で塗装された屋根部材が多く使用されている。この用途において、クロム系顔料は遮熱塗料用黒色顔料として日本の市場で最も広く使用されている。
一方で、安全意識の高まりから、Crの三価クロムを含まないクロム代替顔料が塗装業全体から強く求められてきており、遮熱塗料分野でも非クロム化のニーズは大きい。そのような非クロム系顔料を用いた遮熱塗料用黒色顔料組成物への主な要求事項としては以下のような項目がある。
1) マンセルN−1のような濃色条件で、クロム系顔料による黒色塗料近似の黒色を表現できること。
2) マンセルN−6程度の淡色の塗料色相が、クロム系遮熱黒色塗料のそれに近いこと。それにより濃色塗料を希釈して中間色に調色する際に、クロム系塗料と同様、もしくは近似した手順、方法により調色が可能となる。
3) 耐候性、耐久性が良好で、塗料価格も安価である。
上記要求項目の1)、及び2)の両方を満たすことの出来る顔料組成物が必要な理由は以下の通りである。即ち、クロム系顔料の代替顔料を用いた塗色の色相が、従来のクロム系顔料を用いた塗料と異なる場合、調色の方法、手順が異なり、結果として塗装現場で煩雑な作業を行う必要がある。また塗装品の色相が顧客の指定した色相と異なってしまうというトラブルが発生し易くなってしまう。代替顔料を用いた塗色の色相が従来のクロム系顔料と近似していれば、述べたような作業性の低下、品質トラブルの発生を防止することができる。
上記1)〜3)の要求項目の中で、1)は互いに補色関係を有する有彩色無機もしくは有機顔料を組み合わせ、濃度を上げれば比較的容易に黒色に近づけることができる。しかしながらその顔料組成物を用いて、例えば白色顔料と組み合わせて2)、更には3)の条件を満たすことのできる顔料組成物は従来知られていない。
クロム代替品の一つとして、耐久性の高いことで知られる非クロム系焼成顔料が挙げられる。これはクロム系顔料と同様に黒色であり、また赤外反射率も高いとされている。しかしクロム非含有でこのような特性を付与した顔料はクロムを用いない代わりにレアメタルが使用されていることが多く、非常に高価なため代替品として適切でない。
本発明者らは、特許文献2(本発明者らによる出願)において、カーボンブラック顔料に近似した新規な遮熱塗料用黒色顔料組成物の提案を行っているが、その場合濃色で近似した色相を提供できても、上記2)のクロム系黒色塗料淡色系の色相に近似できる顔料組成物を得る最適な条件を見いだせていない。
以上述べた如く、従来クロム系顔料を用いた遮熱黒色塗料を使用してきた顧客により、耐候性、耐久性が良好、安価、且つ色相がクロム系顔料による色相と近似した非クロム系遮熱黒色塗料が強く求められている。しかしながら耐候性、価格、その他の理由で、そのような要求性能を満たす塗料を、クロム代替顔料により実現できていないのが実情である。
特開2000−72990 特願2012−243477
本発明の課題は、赤外線透過性に優れ、濃色ばかりでなく淡色においても、クロム系黒色遮熱塗料の色相と近似し、有彩色塗料と混合した時に色相調整が容易であり、且つ耐候性に優れ、コストの面でも有利な遮熱塗料用黒色顔料組成物、及びそれを用いた遮熱塗料、更には調色、塗装のためのそれの使用を提供することである。
本発明者等は、こうした実状に鑑み、従来技術の欠点を解決すべく鋭意研究した結果、本発明の課題を解決するための指針として次のような指針を得た。
(1)ターゲット色相
市場で使用されているクロム顔料系黒色遮熱塗料を置き換えるための新規黒色塗料の色相(ターゲット色相)としては、濃色、淡色共にそのクロム系黒色塗料をターゲットとする。特に淡色化した時のクロム系塗料の色相は単純なグレー色ではなくやや青みがかった色相であり、その色相としてL =54.70、a =−5.07、b =−10.10をターゲット色相とすることが好ましいと判明した。
(2) 上記(1)の色相を得るための有彩色顔料として、イエロー、マゼンタ、シアン顔料という従来の一般的な三原色の組み合わせに代えて、フタロシアニンブルー顔料とフタロシアニングリーン顔料を必須要素として組み合わせて使用すると、有彩色顔料としては極めて良好な耐候性が得られること。
(3) 上記(1)の目的を達成するためには、遮熱塗料用有彩色顔料組成物合計に対してフタロシアニンブルーとフタロシアニングリーンのそれぞれの量が特定の関係となるように調整する必要があること。
(4) フタロシアニンブルー顔料とフタロシアニングリーン顔料の二成分の組み合わせだけでは、黒色の色相に近似させることは困難である。淡色のクロム系の色相との差異(色差)を小さくするためには第3成分、更に必要によっては第4成分等の他の有彩色顔料を特定の量比で加える必要があること。
上記の指針を基に、濃色、淡色域のどちらにおいてもクロム系塗料の上記ターゲット色相に近似できる耐候性の良好な顔料組成を探索した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
1.第1の顔料としてフタロシアニンブルー顔料及び第2の顔料としてフタロシアニングリーン顔料を少なくとも含み、更にその他の有彩色顔料を1種以上含有する遮熱塗料用黒色顔料組成物であって、フタロシアニンブルー顔料の重量組成をMb、フタロシアニングリーン顔料の重量組成をMg、その他の有彩色顔料の合計重量組成をMnとしたとき、
1.5<Mg/Mb<4.0、かつ
2<Mb<20
17<Mg<40
45<Mn<63
である、遮熱塗料用黒色顔料組成物;
2.フタロシアニンブルー顔料として、C.I.Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:1、PigmentBlue 15:2、Pigment Blue 15:4、及びPigment Blue 15:6からなる群から選択される少なくとも一種の顔料が使用されることを特徴とする、上記1に記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物;
3.フタロシアニングリーン顔料として、C.I.Pigment Green 7及び/またはC.I.Pigment Green 36が使用されることを特徴とする、上記1または2に記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物;
4.第1の顔料としてのフタロシアニンブルー顔料、第2の顔料としてのフタロシアニングリーン顔料、その他の有彩色顔料としての第3及び第4の顔料からなることを特徴とする、上記1〜3のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物;
5.第3の顔料が無機黄色顔料であることを特徴とする、上記4に記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物;
6.無機黄色顔料が、酸化鉄黄、硫化亜鉛、カドミウムエロー、ビスマスバナジウムイエロー、バナジウムティンイエロー及びバナジウムジルコニアイエローからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、上記5に記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物;
7.第4の顔料がジケトピロロピロール系顔料及びナフトール系顔料からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、上記4〜6のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物;
8.CIE規格による色空間座標において、L =26.80、a =0.22、b =0.42のターゲット色相に対して、ΔE=〔(ΔL +(Δa +(Δb 1/2で算出された色差ΔEが2.0以下の範囲内の色相を有することを特徴とする、上記1〜7のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物;
9.CIE規格による色空間座標において、淡色化した時に、L =54.70、a =−5.07、b =−10.10のターゲット色相に対して、ΔE=〔(ΔL +(Δa +(Δb 1/2で算出された色差ΔEが2.0以下の範囲内の色相を表現するための、上記1〜8のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物の使用;
10.上記1〜8のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物と、バインダー及び溶剤を少なくとも含むことを特徴とする遮熱用黒色塗料;
11.更に白色無機顔料を含むことを特徴とする、上記10に記載の遮熱用黒色塗料;
12.白色無機顔料が酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化アルミニウムからなる群から選択される白色顔料であることを特徴とする、上記11に記載の遮熱用黒色塗料;
13.バインダーが、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びアルキッド樹脂からなる群から選択される樹脂であることを特徴とする、上記10〜12のいずれか一つに記載の遮熱用黒色塗料;
14.有彩色または無彩色の塗料の調色のための、上記10〜13のいずれか一つに記載の遮熱用黒色塗料の使用;
15.建物の屋根部または外壁部の塗装のための、請求項10〜13のいずれか一つに記載の遮熱用黒色塗料の使用;
に関する。
本発明によれば、太陽熱遮熱効果、耐候性に優れ、且つ高濃度黒色、及び淡色条件の両方でクロム系黒色顔料の有する色相に近似しているために、従来の遮熱塗料用顔料として使用されているクロム系顔料の代替が可能で、中間色などの塗料調色が容易で、コスト面でも有利な遮熱塗料用黒色顔料組成物を得ることが出来る。
即ち本発明は、近赤外領域で高い光透過率と優れた耐候性を有し、クロム系黒色顔料に近似した色相を有するものであって、フタロシアニンブルーとフタロシアニングリーンを必須顔料とし、それに少なくとも1種の有彩色顔料を混合含有した遮熱塗料用顔料組成物、及びそれの使用、並びにそれを用いた遮熱塗料、調色、塗装のためのそれの使用を提供する。
ここにおいて従来使用されているクロム系黒色顔料の処方は、使用する顔料(二酸化クロム、酸化鉄など)の組成、製造方法などにより変化するため、結果としてそれらを用いた黒色塗料もそれぞれ色調が微妙に異なる。前述したように本発明の過程で、種々のクロム系遮熱黒色顔料の調査を行い、その結果と塗装業界の専門家の意見を基に、最も汎用性の高いターゲット色相として表1の値を決定した。
Figure 2017519847
本発明における濃色とはマンセル表色系における明度(L値)の低い色で、マンセルN−1に近い色相である。また淡色とは相対的に明度が高く、L値が大きいものを指すが、表1のa、bの値から分かるように、やや青みのあるグレーとなっている。
本発明における色差(△E)とは、基準サンプルと被塗装物体の色相の違いを表現するもので、一般的にはL色度空間図表における両者の空間距離で示されるもので、ΔE=〔(ΔL+(Δa+(Δb1/2で算出された値となっている。一般に△Eが2.0以下となると、両物体の色の差を人間の視覚で区別することが難しくなるといわれている。そのため、本発明において目標とする淡色域のターゲットとはL =54.70、a =−5.07、b =−10.10であるが、その近傍の色相として、そのターゲットからの色差△Eが2.0以下の色相を、ターゲット色相とすることとした。濃色域についても同様に、L =26.80、a =0.22、b =0.42の近傍の色相として、それからの色差△Eが2.0以下の色相をターゲット色相とした。
本発明の遮熱黒色塗料は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンを必須有彩色顔料として含有し、さらに他の色相の有彩色顔料を含む顔料組成物を用いた塗料である。これら複数の有彩色顔料を組み合わせることにより黒色クロム系顔料近似の黒色を表現でき、且つ耐候性の良好な遮熱塗料を得ることができる。
本発明に用いるフタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料は共に金属含有フタロシアニン骨格を有する化学構造を有しており、光安定性、耐熱性、酸やアルカリなどの耐薬品性など総合的に優れた性能を示す結果、耐候性が優れている顔料として知られている。
フタロシアニンブルー顔料が470nm近傍に最大透過率を有するのに対して、フタロシアニングリーン顔料は500nm近傍に最大透過率を有し、且つ400nm近傍に比較的大きな吸収を有する。そのため、フタロシアニンブルーとフタロシアニングリーンを混合することにより、Y、M、C三色減色法における黄色顔料としての機能を一部フタロシアニングリーンが担うことができる。
一般的なイエロー顔料はフタロシアニングリーンやフタロシアニンブルーに比べて耐候性に劣るため、顔料組成物として暴露試験を行った際、イエロー顔料のみが退色し、耐候性試験後に黒色もしくは灰色を維持せず、青味あるいは緑味に変色する傾向にある。本発明の耐候性の高いフタロシアニン顔料を使用することにより、耐候性に劣るイエロー顔料の割合を小さくすることが可能となり、顔料組成物の耐候性を改良することが可能になるが、黒色とするために更に第三、もしくは第四またはそれ以上の有彩色顔料の混合が必要である。
フタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料と第三の顔料を組み合わせ、混合する場合には、例えば次の考え方に沿って検討が行われる。
(1)耐候性を高める。
フタロシアニンブルー顔料とフタロシアニングリーン顔料の組み合わせに加える第三成分の顔料として耐候性、耐熱性の高い顔料を選択することが必要である。耐熱性としては顔料の熱分解温度が高いものが好ましい。
(2)黒色クロム系顔料に色相を近似させる(濃色域、淡色域での色差△Eを2.0以下とする)ことが可能な有彩色顔料の選択。
色度図上で減法混色で無彩色に近くなるように、また黒色クロム系黒色顔料との色差を小さくするような吸収スペクトルを有する顔料種を探索する。
(3)上記(1)、(2)のデータを基に、好ましい第三の顔料種を選択し、淡色域での色差△Eを2.0以下にできる有彩色顔料組成比を求める。
(4)上記三種の顔料だけで目標とする性能の実現が困難な場合には、上記(1)、(2)などの検討結果などを参考として、更に第四等の顔料を選択し、混合することにより、顔料組成物の可視光吸収特性を黒色クロム系顔料に近似させる。
(5)得られた候補処方について耐候性試験を行い、耐候性の点で好ましい有彩色顔料組成範囲を求める。
本発明は上記(1)〜(5)の検討経過を経てなされたもので、赤外線透過率が高く、且つ耐候性が良好で、黒色クロム系顔料に近似した色相を得ようとすると、フタロシアニンブルー顔料とフタロシアニンブルー顔料及びその他の有彩色顔料のそれぞれの重量組成が特定の関係となることが必要であることを見出し、本発明に到達したものである。
本発明に用いるフタロシアニンブルー顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:1、PigmentBlue 15:2、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6などが使用される。
本発明に用いるフタロシアニングリーン顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green 7、C.I.Pigment Green 36などを使用することができる。
本発明では、フタロシアニンブルーとフタロシアニングリーンを必須顔料としているが、単に黒色塗料を得ることだけが目的であれば、この条件は必須ではない。例えばフタロシアニングリーンに赤色顔料を混合すれば、その補色関係からブルー顔料を加えずとも黒色に近似させることは可能である。しかしながら淡色条件下で、耐候性を向上させようとすると、これら2成分の混合だけでは困難であり、フタロシアニンブルーを加えることが耐候性を向上させる上で特に好ましいことを本発明者らは見出した。
その推測される理由は、緑顔料と赤顔料二成分系に太陽光が暴露されて赤顔料が退色すると、緑顔料のみが残るため、一部でも赤顔料が分解すると変色が著しく目立つ。それに対して、フタロシアニンブルーとフタロシアニングリーンを共存させると、吸収スペクトルが異なる二成分顔料によりブロードな可視吸収が生成し、グリーン単独に比べ彩度が低下する結果、赤色顔料が光退色しても、色味の発生が抑制されるためと推察される。
本発明の目的を達成するためには、フタロシアニンブルー顔料の重量組成Mbと、フタロシアニングリーン顔料の重量組成Mgが、下記の条件を満たす必要がある。
1.5<Mg/Mb<4.0、好ましくは1.7<Mg/Mb<3.8、特に好ましくは1.8<Mg/Mb<3.7
Mg/Mbが1.5以下の場合、上述したようにフタロシアニングリーン顔料の組成が小さいために、上述の可視光吸収幅が狭くなり、目視上で退色が目立ちやすい。
Mg/Mb<4.0とする理由も同様であり、ブルー顔料の組成が小さいために、可視光吸収幅が狭くなり、目視上で退色が目立ちやすいことが挙げられる。
本発明に用いるフタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料を2種混合しても、前述したようにそれぞれの顔料は波長450nmから550nm近傍の光吸収率が小さいため、黒色クロム系顔料に近似した色相を表現することは困難である。そのために第三の顔料、更には第四の顔料等のその他の顔料を混合する。
本発明の第三、もしくは第四等のその他の有彩色顔料として使用することができる顔料としては、400nmから550nmを選択的に吸収し、赤外波長領域で40%以上の透過率を有する顔料が望ましい。上記を満たす顔料であれば無機有彩色顔料、有機有彩色顔料共に使用できるが、暴露後の色相変化を考慮すると、フタロシアニンブルー及びグリーンと同等の耐候性を有する顔料が望ましい。
無機有彩色顔料には、コバルトブルーなどの酸化物系、酸化鉄黄、ビリジアンなどの水酸化物系、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッドなどの硫化物系、群青などのケイ酸塩系、ビスマスバナジウムイエロー、バナジウムティンイエロー、バナジウムジルコニアイエローなどのバナジウム系顔料の他に、フェロシアン化物(紺青)、燐酸塩(マンガンバイオレット)などが市場に供されているが、これらの中から上述の光学特性を有するものであれば特に限定されない。
無機有彩色顔料は、有機顔料に比べ一般に耐候性、耐熱性、隠蔽性などに優れているため、焼付塗料などに適している反面、着色力が低い。また酸やアルカリに弱いとされ、そのために風雨と太陽光の強い刺激のある屋外用途に対して必ずしも適合した有彩色顔料とは言えない場合がある。しかし、その中で、バナジウム系顔料は着色力が高く、低い毒性と高い耐候性の点で本発明の有彩色顔料として特に好ましい。
本発明に用いられる無機有彩色顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 184(ビスマスバナデート系顔料)、Pigment Yellow 42等が挙げられる。この中で特に好ましいのはC.I.Pigment Yellow 184であり、4BiVO・3Bi2MoOの化学式を有し、耐熱性、耐候性が高いために、鉄板などに焼付塗装して遮熱層を設ける場合に特に好ましい。
有機顔料としては例えば、アゾ系顔料、レーキ系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料(例えばアンサンスロン顔料、ジアミノアンスラキノニル顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、アントラピリミジン顔料など)、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キノフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料及びイソインドリノン系顔料が挙げられ、それらの中から赤色系、黄色系などの色相のものから適宜選択される。
第三の顔料としてC.I.Pigment Yellow 184等の無機黄色顔料を用いる場合には、クロム系黒色顔料の色相に近づけるために、第四の顔料として赤色系顔料、例えばC.I.Pigment Red254等のジケトピロロピロール系顔料やC.I.Pigment Red170等のナフトール系顔料を第四顔料として加えることが特に好ましい。
黒色顔料組成物100重量部中のフタロシアニンブルー組成(Mb)、フタロシアニングリーン組成(Mg)、1種以上のその他の有彩色顔料(Mn)、例えば無機黄色顔料等の第三の顔料(M3)とジケトピロロピロール系顔料及び/またはナフトール系顔料等の第四の顔料(M4)との合計組成(M34)の組成は、
2<Mb<20
17<Mg<40
45<Mn(M34)<63、
好ましくは、
7<Mb<18
25<Mg<38
50<Mn(M34)<62、
特に好ましくは、
6<Mb<16
28<Mg<38
52<Mn(M34)<61、
の式を満たす。
2<Mb<20、17<Mg<40、及び45<Mn(M34)<63のそれぞれの式の下限、または上限を超えると、クロム系顔料との色差が大きくなり、好ましくない。
本発明の遮熱塗料にはフタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料などの有彩色顔料に加え、白色顔料を加えることが出来る。濃色黒色顔料組成物を含む塗料に白色顔料を加えることにより塗装色の明度を予め調整した塗料を準備することができるため、他の有彩色塗料の調色の作業を簡略化することができる。そのような白色顔料としてはルチル型二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの金属酸化物が使用され、特に二酸化チタンが高屈折率で白色度が高く好ましい。
本発明の顔料組成物の処方は上記指針に基づいて探索、定められ、次のような方法によって製造することができる。例えば、それぞれ単独に乾燥、粉砕した上記個々の有彩色顔料を、クロム系顔料の黒色に近似する様に、上記指針に基づいて所定重量割合で均一混合することによって製造することができる。また必要により塗料の着色樹脂の耐色別れ性や発色性をより高めるために、2種以上の有彩色顔料の水性スラリーを混合して、撹拌した後、ろ過、洗浄を行い、乾燥させ、粉砕する方法も好ましい。
上記の製造方法において、有彩色顔料の水分散液を作成する際に、界面活性剤を併用することもできる。界面活性剤の種類としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
アニオン系の界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
上記製造方法において、界面活性剤を併用する場合の使用量は、通常、有彩色顔料100重量部に対して10重量部以下、中でも3〜10重量部の範囲が好ましい。界面活性剤の使用量が10重量部よりも多い場合、塗膜にしたときにブリスターが出易くなり、好ましくない。
本発明の顔料組成物を、公知の分散機により分散媒に分散することにより着色樹脂分散体が得られる。その分散媒としてはバインダー樹脂と溶剤を混合したものが使用される。樹脂としては特に限定されないが、例えば、アルキド樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、アクリル−シリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、エーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、PETやPBT等のポリエステル、変性ポリフェニレンエーテル等の合成樹脂が使用される。これらの中でアクリル−シリコン樹脂、シリコン樹脂が、耐候性の点で特に好ましい。
顔料の分散媒としての溶剤としては、例えば、水、トルエンやキシレンの如き芳香族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリットの如き脂肪族炭化水素系溶剤、メタノールやエタノールの如きアルコール系溶剤、酢酸エチルの如きエステル系溶剤、メチルエチルケトンの如きケトン系溶剤及びエチレングリコールの如きエーテル系溶剤等が挙げられる。
本発明の顔料組成物を分散して得られた分散体中の本発明の顔料組成物の割合は、通常90重量%以下が好ましく、0.01〜50重量%の範囲が特に好ましい。なお、残部は分散媒、添加剤等となる。
また、必要に応じて、分散湿潤剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種助材や安定剤を用いてもかまわない。
この分散媒への本発明の顔料組成物の分散条件は、分散媒及び分散機によって異なるため、分散温度や分散時間は一概には言えないが、分散温度が一般的に室温〜240℃、好ましくは室温〜150℃、分散時間が一般的に120時間以内、好ましくは5時間以内である。
これら分散媒に本発明顔料組成物を分散する分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、ディスパー、ホモミキサー、ビーズミル、ボールミル、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー等の公知の分散機が挙げられる。
これらの本発明顔料組成物の分散体は、必要に応じて他の添加剤等と混合され最終的な塗料に調製され使用される。塗料使用の方法としては、下層に赤外反射率の高い顔料が原料に含まれる塗工物を使用し、上層に本発明品からなる赤外透過性の高い塗料を濃色塗料として積層、もしくは他の色相の塗料と混合して淡色化した上で使用する二層系での塗装方法がある。赤外反射率の高い酸化チタン等を混合して淡色化して使用する場合は、上記のような多層構造での使用の他に、単層での使用が可能となる。
本発明による遮熱黒色塗料は、他の色相の塗料と混合して調色して塗装する場合、その調色作業を効率化する上で好ましいが、それにとどまらず混合しないでその色調のまま基体に塗装する用途にも好適に使用できる。調色する場合には、本発明の顔料組成物を用いて作成した濃色黒色塗料と、他の色調の塗料、例えば白色塗料を目的の色調になるように所定の比率で混合し、塗装される。
本発明の遮熱黒色塗料を用いて目的とする色調を得るための調色方法として、コンピュータを用いた調色方法も有効である。本発明の遮熱黒色塗料のCIE色空間の座標を予めコンピュータに登録しておき、他の原色塗料などの色座標データを組み合わせてコンピュータ演算を行い、目的とする色調(ターゲット)とするための各塗料の混合比率を得るためのシステムであり、熟練作業を必要とせずに的確な調色が可能となる。本発明の顔料組成物で作成された黒色塗料は、濃色と淡色両条件で従来のクロム系黒色塗料と色相が近いため、従来のクロム系の知見を生かしつつ、複雑なコンピュータ演算による色補正なしに調色できる点で、調色システム設計が容易となる効果を有する。
上記の方法により得られた遮熱黒色塗料は、赤、青などの他の有彩色塗料、白色塗料などと混合されて、目的とする基体上に塗装し得る。基体としては、例えば、トタンやスレート、瓦などの屋根、モルタル壁、スチール製のタンク、アスファルト道路など、反射性、非反射性を問わず各種の材質のものがそれぞれの目的に応じて使用される。これら基体に塗装する場合には、下地塗料、塗装方法などは従来の塗装で使用されているものを適宜使用することができる。
本発明の黒色遮熱塗料の基体としては、上記各種材質のなかでも、金属板が赤外線反射率を高くすることができるため好ましい。その例としてはステンレス鋼板が従来から使用されてきたが、近年屋根用部材として広く普及しているガルバリウム鋼板と一般に呼ばれるアルミニウム亜鉛合金めっき鋼板が耐久性、赤外線反射率の面で優れており、これが特に好ましい。このような光反射性基体の場合には、二酸化チタンのような白色の光拡散用顔料などを使用せずに、本発明の塗料を単層で使用した場合でも高い遮熱性を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。例中、「部」、「%」は、「重量部」、「重量%」をそれぞれ表す。尚、樹脂はCYTEC社製のアルキド樹脂Vialkyd AC 451n/70SNB、Vialkyd AC 451n/60X、硬化剤はINEOS社製のメラミン樹脂Maprenal MF600/55BIBを使用した。
また実施例、比較例で使用した顔料とその商品名を表2に示す。
Figure 2017519847
下記の実施例及び比較例により得たサンプルを、以下の方法により評価を行った。
1)色相測定
それぞれの顔料組成物を用いて作製した白黒隠蔽紙もしくは金属への塗工物を試験板とし、DIN5033−7、ISO7724−2に準じた独自のプログラムPQCを搭載した分光光度計を使用し、測定を実施し、L、a、b、色差△E、彩度変化△Cなどの値を得た。
2)耐候性評価
それぞれの顔料組成物を用いて作製した金属への塗工物を試験板とし、耐候性試験器(Atlas社製ウエザオメーターCi4000)を使用し、促進曝露を実施した。促進曝露試験前と後との色差測定を実施し評価した。曝露条件は、ISO4892−2に準じた方法で実施し、キセノンランプを使用した。
3)赤外反射率測定
以下の実施例、比較例の遮熱塗料サンプルを白黒隠蔽紙へ塗工したものを試験板とし、分光光度計(Lambda社製750 Spectrometer)を使用し測定を実施した。(測定部位は、白黒隠蔽紙の白地部分に塗布された塗工物の反射率と、黒地部分に塗布された塗工物の反射率を測定し評価を実施した。)
実施例1
下記の四種の顔料を次の重量比で混合して、顔料組成物1Aを得た。
(顔料組成物1A)
C.I.Pigment Blue 15:1(PB15:1) 10重量部(=Mb)C.I.Pigment Green 7(PG7) 30重量部(=Mg)C.I.Pigment Yellow 184(PY184) 25重量部(=M3)C.I.Pigment Red 254(PY254) 35重量部(=M4)このときMg/Mb=3.0である。
この顔料組成物1Aを、10.0重量部取り、分散ワニスP1 24.0部と混合したものをミルベースとして、分散機(LAU社製DAS200K)で60分間分散して顔料分散体1Bを得た。
得られた分散体1Bに、顔料含有率が10.0%となるように希釈ワニスP2 66.0重量部を加え、分散機(DAS200K)で5分間混合して塗料1Cを得た。
分散ワニスP1の組成は、Vialkyd AC 451n/70SNB 50重量%、ソルベントナフサ50重量%、アルキド樹脂分35重量%であり、希釈ワニスP2の組成は、Vialkyd AC 451n/70SNB 26.4重量%、Vialkyd AC 451n/60X 29.4重量%、Maprenal MF600/55BIB 35.8重量%、高沸点溶剤混合物6.2重量%、ソルベントナフサ2.2重量%、アルキド樹脂分55.8重量%であった。
(遮熱塗工サンプル)
1) 淡色塗工サンプル1E
塗料1Cを6.0重量部取り、白塗料(TiO濃度30%)20.0重量部と混合し、遮熱塗料1Dを得た。塗料1Dをバーコーター(8番、Wet100μm)で金属板(鉄)に展色し、水平のまま、室温で20分静置した後、140℃で20分加熱して乾燥し、淡色塗工サンプル1Eを得た。
白塗料の組成は、TiO 30.0重量部、Vialkyd AC 451n/70SNB 22.53重量部、Bentone 38(10 % in Xylol)2.92重量部、Vialkyd AC 451/60X 17.13重量部、Maprenal MF 600 22.19重量部、Byk 331 0.56重量部、ブチルジグリコール1.12重量部、デパノール1.24重量部、ブタノール1.24重量部、ソルベントナフサ1.07重量部であった。
2) 濃色塗工サンプル1F
上記の工程において白塗料を添加せずに塗料1Cのみを用いた以外は、上記淡色サンプル作成と同様の方法により、濃色塗工サンプル1Fを作成した。
これらのサンプル1E及び1Fを、上記方法に従い、色相測定、耐候性評価及び赤外反射率測定に付した。色相測定の結果を表3に示す。
比較例1
下記の四種の顔料を次の重量比で混合して、比較用顔料組成物1aを得た。
(顔料組成物1a)
C.I.Pigment Blue 15:1(PB15:1) 30重量部(=Mb)C.I.Pigment Green 7(PG7) 30重量部(=Mg)C.I.Pigment Yellow 184(PY184) 20重量部(=M3)C.I.Pigment Red 254(PR254) 20重量部(=M4)このとき、Mg/Mb=1.0である。
この比較用顔料組成物1aを用いる以外は、実施例1と同様の方法により、濃色塗工比較サンプル、淡色塗工比較サンプルを作成し、上記実施例1と同様の方法により評価を行い、それらの結果を表3に示した。
実施例1は、暴露前のターゲット色相との淡色での色差△E=1.6と良好であり、それに対して比較例1は△E=9.1と劣るものであった。
また赤外反射率については、実施例1の濃色サンプルは30%以上、淡色サンプルは55%以上と、それぞれ日本塗料工業会の耐候性屋根用塗料規格JPMS(2007年)中の赤外反射率規格を満足するものであった。更にキセノンランプ1500時間露光による耐候性テストを行ったところ、濃色サンプルの露光前後の色差△Eは0.66と変化がわずかであり、また淡色サンプルの彩度変化△Cは0.88と小さく、目視においても灰色を維持しており、良好な耐候性を示していた。
Figure 2017519847
実施例2、3
使用した有彩色顔料の種類、組み合わせは同じで、その顔料組成比のみを表4に示した条件に変えた以外は、実施例1と同様の方法により実施例2、3のサンプルを作成した。
比較例2、3
使用した有彩色顔料の種類、組み合わせは同じで、その顔料組成比のみを表4に示した条件に変えた以外は、実施例1と同様の方法により比較例2、3のサンプルを作成した。
これら実施例2、3及び比較例2、3につき、実施例1と同様により評価を行い、その結果を表4に示した。
これで分かるように、実施例2及び3いずれも濃色、淡色共にターゲット色相に対して色差△E≦2の値を示したのに対して、比較例2、3はターゲットからのずれが大きかった。ターゲットとの色差が2以下の実施例2及び3の赤外反射率は、共に日本塗料工業会の耐候性屋根用塗料規格JPMS(2007年)中の赤外反射率規格を満足する良好なものであった。更に、それら実施例2、3についてキセノンランプ暴露による耐候性テスト(1500時間)で、暴露前に比べ濃色の色差が0.75(実施例2)、0.51(実施例3)、淡色の彩度変化ΔC*は1.07(実施例2)、及び0.95(実施例3)と非常に良好な耐久性を示した。
実施例からわかるように、本発明による遮熱塗料用黒色顔料組成物、及びそれを用いた塗料の効果は、クロム系黒色顔料と類似の黒色の色相を有した塗板作成が可能であり、他の色彩の塗料と混合した際の調色などの色合わせが容易であり、赤外反射性が高く、さらに耐候性も優れており、いわゆる熱遮蔽に優れていることが判った。
Figure 2017519847

Claims (15)

  1. 第1の顔料としてフタロシアニンブルー顔料及び第2の顔料としてフタロシアニングリーン顔料を少なくとも含み、更にその他の有彩色顔料を1種以上含有する遮熱塗料用黒色顔料組成物であって、フタロシアニンブルー顔料の重量組成をMb、フタロシアニングリーン顔料の重量組成をMg、その他の有彩色顔料の合計重量組成をMnとしたとき、
    1.5<Mg/Mb<4.0、かつ
    2<Mb<20
    17<Mg<40
    45<Mn<63
    である、遮熱塗料用黒色顔料組成物。
  2. フタロシアニンブルー顔料として、C.I.Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:1、PigmentBlue 15:2、Pigment Blue 15:4、及びPigment Blue 15:6からなる群から選択される少なくとも一種の顔料が使用されることを特徴とする、請求項1に記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物。
  3. フタロシアニングリーン顔料として、C.I.Pigment Green 7及び/またはC.I.Pigment Green 36が使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物。
  4. 第1の顔料としてのフタロシアニンブルー顔料、第2の顔料としてのフタロシアニングリーン顔料、その他の有彩色顔料としての第3及び第4の顔料からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物。
  5. 第3の顔料が無機黄色顔料であることを特徴とする、請求項4に記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物。
  6. 無機黄色顔料が、酸化鉄黄、硫化亜鉛、カドミウムエロー、ビスマスバナジウムイエロー、バナジウムティンイエロー及びバナジウムジルコニアイエローからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項5に記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物。
  7. 第4の顔料がジケトピロロピロール系顔料及びナフトール系顔料からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物。
  8. CIE規格による色空間座標において、L =26.80、a =0.22、b =0.42のターゲット色相に対して、ΔE=〔(ΔL +(Δa +(Δb 1/2で算出された色差ΔEが2.0以下の範囲内の色相を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物。
  9. CIE規格による色空間座標において、淡色化した時に、L =54.70、a =−5.07、b =−10.10のターゲット色相に対して、ΔE=〔(ΔL +(Δa +(Δb 1/2で算出された色差ΔEが2.0以下の範囲内の色相を表現するための、請求項1〜8のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物の使用。
  10. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の遮熱塗料用黒色顔料組成物と、バインダー及び溶剤を少なくとも含むことを特徴とする遮熱用黒色塗料。
  11. 更に白色無機顔料を含むことを特徴とする、請求項10に記載の遮熱用黒色塗料。
  12. 白色無機顔料が酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化アルミニウムからなる群から選択される白色顔料であることを特徴とする、請求項11に記載の遮熱用黒色塗料。
  13. バインダーが、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びアルキッド樹脂からなる群から選択される樹脂であることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一つに記載の遮熱用黒色塗料。
  14. 有彩色または無彩色の塗料の調色のための、請求項10〜13のいずれか一つに記載の遮熱用黒色塗料の使用。
  15. 建物の屋根部または外壁部の塗装のための、請求項10〜13のいずれか一つに記載の遮熱用黒色塗料の使用。
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