JPH0528996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、脱穀機における受網支持装置に係
り、詳しくは下受網を扱室の奥に向つて押し込む
のみで確実に支持させることができる取付操作の
容易な受網支持装置に関するものである。

従来の技術 一般に、扱室の下方に穀粒を後方に揺動移送す
る穀粒揺動選別体を設け、扱胴の外周に上受網と
下受網とを張設した脱穀機が知られているが、従
来、下受網を張設するには、扱室内に下受網の奥
側を挿入するコ字状の取付溝を設け、この取付溝
に支持させた下受網の外側を固定レバー等で固定
している。

本考案が解決しようとする問題点 ところが下受網の奥側を取付溝に挿入する際に
は、取付溝が扱胴に遮ぎられて目視するのが難し
いため、誤つて下受網を取付溝に挿入し損つたの
に気付かずに、下受網の外側を固定してしまうこ
とがあり、そのまま作業を開始すると、選別性能
が低下したり、受網が破損するという問題があつ
た。

本考案は上記の如き実情に鑑み、これらの問題
点を解決すべく創案されたものであつて、その目
的とするところは、扱室に押込んだ下受網の奥側
を、自動的に取付溝に案内して確実に支持させる
ことができる脱穀機における受網支持装置を提供
しようとするものである。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するため本考案が採用した
技術的手段は、扱室の下方に穀粒を後方に揺動移
送する穀粒揺動選別体を設け、扱胴の外周には上
受網と下受網とを張設した脱穀機において、上記
下受網を、外側は扱室に設けた支持フレームに係
脱可能に装着し、奥側は係止部材に形成した取付
溝に挿脱可能に嵌合すると共に、上記取付溝に
は、側面視で穀粒揺動選別体上に立設した寄せ板
を避けた前側、又は後側位置に下方に突出する挿
入ガイド体を形成し、扱胴軸芯方向より視て、上
記挿入ガイド体下端を上記寄せ板上縁に接近、も
しくはラツプさせた事を特徴とするものである。

考案の作用 しがたつて本考案によれば、扱胴の回転によつ
て脱穀された穀粒等は、扱胴の外周に張設した受
網から扱室下方の寄せ板を立設した穀粒揺動選別
体上に落下し、穀粒揺動選別体の揺動運動により
寄せ板で分散させた穀粒を後方に移送しながら選
別する。

そして受網の張設時には、下受網を扱室内に押
し込めば、係止部材の取付溝に挿入し損つても、
下受網の奥側が取付溝に形成した下方に突出する
挿入ガイド体に当接し、挿入ガイド体が下受網を
取付溝に案内して確実に嵌合させることができ
る。また、穀粒揺動選別体上に立設した寄せ板を
避けた前側又は後側位置に形成された挿入ガイド
体は、寄せ板が穀粒を分散させるのを何等阻害す
ることはなく円滑に選別作業を行うことができる
ものである。

実施例 本考案の実施例を添付した図面に基いて詳述す
れば、１は脱穀機であつて、扱室２を形成する前
後の側板３，４間に、矢印Ａ方向に回転する扱胴
５が機体の前後方向に軸架されており、上記扱胴
５の外周には上受網６、および下受網７が張設さ
れている。８はフイードチエン９と、挟扼レール
１０とから穀稈供給装置であつて、扱室２の扱口
に沿つて配設されており、その搬送終端に接続し
て排藁搬送チエン１１が設けられている。１２は
扱胴５の上方を覆う開閉自在のシリンダカバーで
ある。

１３は穀粒揺動選別体であつて、扱室２の下方
から扱胴５の後方に配設された排塵選別室１４に
向つて扱胴５の軸芯方向に架設されており、穀粒
揺動選別体１３の下方には唐箕１５の起風による
選別風路１６が形成されている。また扱室２の直
下に位置する穀粒揺動選別体１３のフイードパン
１７には、上下受網７，８を漏下した穀粒等を穀
粒揺動選別体１３上に分散させる寄せ板１８が立
設されている。

そして前記上受網６、下受網７は扱室２の側板
３，４間に配設した受網支持フレーム１９，２
０，２１に支持されている。即ち寄せ板１８の上
方に臨んで配設された支持フレーム２０には、ピ
ン孔２２が穿設されていて、上受網６の下端が上
記ピン孔２２に挿通されるピン２３を介して支持
され、上受網６の上端は、シリンダカバー１２の
近傍に配設された支持フレーム１９に上受網固定
レバー２４によつて固定されている。

また前記支持フレーム２０の外面には、段部を
有する係止部材２５を重合状に装着して、支持フ
レーム２０とによつて下受網７に向う断面略コ字
状の取付溝２６が形成されており、下受網７の扱
室２奥側の端縁に装着した受網フレーム２７を上
記取付溝２６に挿脱可能に嵌合して支持するよう
になつている。取付溝２６で支持された下受網７
の外側は下受網取付レバー２８を回動操作するこ
とにより、カム体２９が下受網７のピン体３０を
支持フレーム２１に押圧して係脱可能となつてい
る。３１は下受網取付レバー２８の固定カムであ
る。

そして上記取付溝２６を形成する係止部材２５
には、側面視で寄せ板１８を避けた前側又は後側
位置を斜め下方に突出させ、その先端と寄せ板１
８の上端との間隔ｈが扱胴５の軸芯方向から視て
下受網７の厚さＨよりも狭く、あるいは、第２図
の点線で示すようにラツプさせることにより、下
受網７を取付溝２６に案内する挿入ガイド体３２
が形成されている。

３３はわら切り鎌、３４は一番樋、３５は二番
樋である。

上記の如き構成において、いま刈取つた穀稈を
穀稈供給装置８によつて扱室２に供給すれば、扱
口に沿つて移送される過程で扱胴５の回転により
脱穀され、上下受網６，７を漏下した穀粒等は扱
室２直下のフイードパン１７上に落下し、穀粒揺
動選別体１３の前後揺動運に伴つて、寄せ板１８
により均一に分散されて、後方に移送されながら
穀粒揺動選別体１３の揉解作用と唐箕１５の起風
による風選作用をうけて選別される。

また、点検整備作業等に当つて、上下扱胴６，
７を取付けるには、上受網６はその下端を支持フ
レーム２０にピン２３を介して支持させ、上端を
上受網固定レバー２４によつて固定すればよい。
そして下受網７を支持フレーム２０に向つて押し
込めば、誤つて取付溝２６に挿入し損つても、取
付溝２６には挿入ガイド体３２が突出しており、
しかも挿入ガイド体３２は寄せ板１８との間隔ｈ
が下受網７の厚みＨより狭いか、あるいはラツプ
しているので、下受網７が挿入ガイド体３２と寄
せ板１８との間に挿入されることはなく、必ず挿
入ガイド体３２に当接して取付溝２６に向つて案
内され、確実に嵌合支持される。したがつて、下
受網７の外側を下受網取付レバー２８の回動操作
により固定すれば正確な位置に下受網７を容易に
張設することができる。

また係止部材２５は支持フレーム２０の外面に
重合状に装着されているので、穀粒や穀稈が支持
フレーム２０に引掛ることはなく、しかも挿入ガ
イド体３２は寄せ板１８を避けた前側又は後側位
置に突出しているので、寄せ板１８による穀粒等
の分散作用を何等阻害することはなく、円滑に脱
穀選別作業を行うことができる。

考案の効果 これを要するに本考案は扱室の下方に穀粒を後
方に揺動移送する穀粒揺動選別体を設け、扱胴の
外周には上受網と下受網とを張設した脱穀機にお
いて、上記下受網を、外側は扱室に設けた支持フ
レームに係脱可能に装着し、奥側は係止部材に形
成した取付溝に挿脱可能に嵌合すると共に、上記
取付溝には、側面視で穀粒揺動選別体上に立設し
た寄せ板を避けた前側、又は後側位置に下方に突
出する挿入ガイド体を形成し、扱胴軸芯方向より
視て、上記挿入ガイド体下端を上記寄せ板上縁に
接近、もしくはラツプさせたことから、下受網を
扱室内に形成した取付溝に嵌合支持させるもので
ああつても、下受網を単に扱室内に押し込むだけ
で、下受網の奥側を挿入ガイド体が取付溝に誘導
案内して確実に嵌合させるので、下受網を正確な
位置に容易に張設することができ、誤つた状態で
受網を固定したまま作業を開始して選別性能を低
下させたり、受網を破損する危険を未然に防止す
ることができる。しかも寄せ板を避けた前側又は
後側位置に突出した挿入ガイド体は、寄せ板が穀
粒を分散させるのに何等支障を及ぼすことはな
く、円滑に脱穀選別作業を行うことができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀機における受網支持装
置の実施例を示すものであつて、第１図は脱穀機
の全体側面図、第２図は要部の縦断面図、第３図
は穀粒揺動選別体の平面図である。 図中、２……扱室、５……扱胴、６……上受
網、７……下受網、１３……穀粒揺動選別体、１
８……寄せ板、１９，２０，２１……受網支持フ
レーム、２６……取付溝、３２……挿入ガイド体
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室の下方に穀粒を後方に揺動移送する穀粒揺
   動選別体を設け、扱胴の外周には上受網と下受網
   とを張設した脱穀機において、上記下受網を、外
   側は扱室に設けた支持フレームに係脱可能に装着
   し、奥側は係止部材に形成した取付溝に挿脱可能
   に嵌合すると共に、上記取付溝には、側面視で穀
   粒揺動選別体上に立設した寄せ板を避けた前側、
   又は後側位置に下方に突出する挿入ガイド体を形
   成し、扱胴軸芯方向より視て、上記挿入ガイド体
   下端を上記寄せ板上縁に接近、もしくはラツプさ
   せた事を特徴とする脱穀機における受網支持装
   置。