JPH05287113A - 塩化ビニリデン系樹脂発泡粒子 - Google Patents

塩化ビニリデン系樹脂発泡粒子

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JPH05287113A
JPH05287113A JP10915392A JP10915392A JPH05287113A JP H05287113 A JPH05287113 A JP H05287113A JP 10915392 A JP10915392 A JP 10915392A JP 10915392 A JP10915392 A JP 10915392A JP H05287113 A JPH05287113 A JP H05287113A
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JP
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particles
expanded
vinylidene chloride
foaming
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JP10915392A
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Ichiro Ibuki
一郎 伊吹
Tsuneaki Tanabe
恒彰 田辺
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガスバリア性、機械的強度、耐油性、耐薬品
性等の優れた特性を持った実質的に非晶性の塩化ビニリ
デン系樹脂基材として、発泡構造が多泡質からなる発泡
粒子であり、平均粒径10μm以上5,000μm以下
であり、粒子密度が5kg/m3 以上500kg/m3
以下の塩化ビニリデン系樹脂発泡粒子。 【効果】 セメント、土、プラスチック、ゴム、塗料、
インク等の軽量材、緩衝材及び増量剤用フィーラーとし
て、発泡構造を多泡質にすることにより、圧縮回復性や
緩衝性を持たせ、更に塩化ビニリデン系樹脂の特性であ
る耐油性、耐薬品性、断熱性をも兼備する塩化ビニリデ
ン系樹脂発泡粒子を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント、コンクリー
ト、土、プラスチック、ゴム等に混合して使われる軽量
フィラーとして、また塗料、インク等に立体感を持たせ
るための緩衝用発泡フィラーとして、また各種材料の増
量材として使用できる新規な塩化ビニリデン系樹脂発泡
粒子に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】従来、上記目的のためのフィラ
ーとしては、熱可塑性樹脂によるマイクロカプセルや無
機質のマイクロバルーンが使われている。しかしなが
ら、従来品では、それぞれ以下の問題点がある。従来の
熱可塑性樹脂によるマイクロカプセルは、揮発性液状発
泡剤を熱可塑性樹脂共重合体に内蔵した単細胞上の膨張
性球状粒子を発泡させた粒子であるために、単一気泡
(以下、モノセルという)の構造を持つ発泡体となる。
これは、非常に高価なフィラーであり、かつ上記膨張性
球状粒子の粒径を広い範囲で制御することができないた
め、発泡粒子の粒径を制御するには、発泡倍率の調整を
行う方法しかなく、必要な粒径と力学的強度のバランス
をとるのが非常に困難である。
【0003】なお、この提案(特公昭42−26524
号公報)においては、熱可塑性共重合体の例の中に塩化
ビニリデンとアクリロニトリル又はブチルアクリレート
との共重合体が含まれている。しかしながら、本発明の
発泡粒子とは、粒子の構造、性能等において全く異質な
ものである。また、一般的にモノセル構造の発泡粒子
は、軽量効果を発揮することはできるが、多泡質(以
下、マルチセルと略す)の発泡粒子に比べ圧縮回復性に
乏しく、局部的な衝撃に対する緩衝性等の機械的強度は
低い。
【0004】上記以外に無機質のマイクロバルーン、例
えばガラスマイクロバルーン、シラスバルーン等が使用
されている。これは、熱可塑性樹脂のものと同等に高価
なフィラーであり、また、素材そのものの比重が大きい
ため、満足いく軽量化にならない。発泡構造は、熱可塑
性樹脂のマイクロカプセル同様にモノセル構造であり、
柔軟性が低く、圧縮回復性に乏しい。
【0005】そこで、緩衝効果を出すため、一般的に使
われているポリスチレンのビーズ発泡粒子を使用する
と、耐油性、耐薬品性及び粒子強度が劣るため、軽量化
を図ろうとする材料への適用範囲が小さく、十分なもの
でない。フィラーとしての利用価値は低い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、塩化ビニリデン系樹脂の持つ優れた
特性、例えばガスバリア性、機械的強度、耐油性、耐薬
品性を生かすことにより、鋭意研究を重ねた結果、実質
的に非晶性の塩化ビニリデン系樹脂からなる発泡粒子が
目的を達成することを見出し、発泡体の構造もマルチセ
ルである塩化ビニリデン系樹脂発泡粒子を完成すること
が出来た。
【0007】更に具体的には、本発明は、実質に非晶性
の塩化ビニリデン系樹脂からなり、発泡構造がマルチセ
ルで発泡粒子の平均粒径が10μm以上、5,000μ
m以下、発泡粒子密度が5kg/m3 以上、500kg
/m3 以下の塩化ビニリデン系樹脂発泡粒子により完成
するに至った。
【0008】熱可塑性樹脂のマイクロカプセルや無機質
のマイクロバルーンとの技術的な最大の相違点は、本発
明の発泡樹脂粒子の発泡構造がマルチセルになっている
点である。この構造であると、発泡体にかかる力を分散
することができ、モノセルの構造よりも圧縮回復力や反
発力に富み、衝撃に対する緩衝性の良好な発泡粒子とな
っている。
【0009】ここで言う非晶性の塩化ビニリデン系樹脂
粒子とは、塩化ビニリデンが10重量%以上、85重量
%以下、共重合可能なモノマーが15重量%以上、90
重量%以下からなる共重合体の球形粒子のことである。
塩化ビニリデンが10重量%未満であると、塩化ビニル
デン樹脂本来の特長である耐油性、耐薬品性、機械的強
度及びバリア性が低下する。85重量%を越えると、塩
化ビニルデン共重合体は結晶性となり、発泡性が低下す
る。
【0010】共重合可能なモノマーとしては、塩化ビニ
ル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチル
スチレン、及びアクリル酸メチルといったアクリル酸エ
ステル類、メタアクリル酸メチルといったメタアクリル
酸エステル類、N−フェニルマレイミドといったN−置
換マレイミド類等が挙げられる。これらは、単独若しく
は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】また、塩化ビニルデン共重合体を架橋構造
にしてもよい。架橋構造を持たせると発泡粒子のマルチ
セルが安定になり、緩衝効果は向上する。架橋剤として
は、ジビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコール系ジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコール系ジ(メタ)アクリ
レート等を挙げることができる。
【0012】架橋の目安としては、テトラヒドロフラン
(以下、THFと略す)への不溶分の量(以下、ゲル分
率と言う)として表すことができる。このゲル分率は、
本発明でいう共重合体1〜2g(C 0)を100mlの
THF中に40℃、1時間攪拌下に抽出させた後、TH
F不溶分を濾別し、THFを除去することにより得られ
る残渣量C1 を測定し、以下の式より算出することがで
きる。ゲル分率が80%以下であるとマルチセルの安定
化が図られ、良好な発泡粒子を生成することができる。
【数1】 ゲル分率(%)=(C 0−C1 )/C 0×100
【0013】次に、本発明の塩化ビニルデン系樹脂発泡
粒子の製造例を述べるが、これに限定されるものでな
い。重合方法としては、公知の重合方法、例えば懸濁重
合、乳化重合、溶液重合、塊状重合、分散重合等の中か
ら任意の方法を用いて製造することができる。特に懸濁
重合により得られた粒子は、球形粒子として得られるの
で、そのまま発泡剤を含浸させることができるため、非
常に良好である。
【0014】粒径の制御も、使用する懸濁剤の種類、量
及び重合時の攪拌動力の選択により容易に行うことがで
き、従来品のマイクロカプセル、マイクロバルーンでは
自由に粒径を制御することは困難である点に比べ、非常
に有効な方法といえる。懸濁剤は、一般的なセルロース
系、ポリビニルアルコール系等が使用される。また、生
成粒子を調整するために、界面活性剤を併用しても構わ
ない。
【0015】界面活性剤としては、一般的に使用されて
いるものを挙げることができる。重合開始剤としては、
ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
イソプロピルパーオキシカーボネート等の公知のラジカ
ル開始剤が使用できる。発泡剤としては、例えばプロパ
ン、ブタン、イソブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素
類:塩化ビニル、塩化エチル、塩化メチレン等の塩素化
炭化水素類;モノクロロジフルオロエタン、トリフロロ
エタン、ジフロロエタン、ジクロロトリフロロエタン、
1,1−ジクロロ−1−フロロエタン、2,2−ジクロ
ロ−1,1,1−トリフロロエタン、1,1,1,2−
テトラフロロエタン、トリクロロモノフルオロメタン、
ジクロロジフルオロメタン等の塩素化フッ素化炭化水素
類及びこれらの混合物や;酸素、窒素、空気及び二酸化
炭素等の無機のガスが使用できる。
【0016】含浸方法については、当該樹脂粒子に発泡
剤をガス状、液状で直接接することにより含浸する直接
含浸法や、当該樹脂のスラリー液に発泡剤を添加し、水
中で接触させることにより含浸させる水中懸濁含浸法
や、重合中に発泡剤を添加することにより含浸させる重
合含浸法等の含浸法が使用できる。本発明の樹脂粒子中
の発泡剤量(以下、含浸量と言う)は発泡に適した量が
必要である。発泡時の温度により膨張能力は違うが、当
該樹脂粒子100部に対し、含浸量は3部以上が良好で
あり、更に良好な含浸量は6部以上である。
【0017】含浸量は、含浸した樹脂粒子(重量X0
を180℃、15分、30〜50mmHgの減圧下で処
理した樹脂粒子の重量X1 を測定し、以下の式より算出
することができる。
【数2】含浸量(部)=(X0 −X1 )/X0 ×100
【0018】発泡方法は、水蒸気、熱風などの加熱媒体
により容易に発泡することができる。用途に応じて、発
泡させ易い方法を採用すればよいが、蒸気が安価であ
り、取り扱い易い。発泡粒子の密度は、JIS−K−6
767に基いて測定でき、発泡倍率は基材樹脂密度を発
泡体密度で除して求めることができる。
【0019】発泡性の評価としては、以下の判定基準と
する。△以上であれば実用上問題ない。 ○:100℃において発泡倍率20倍以上を示し、マル
チセルを示すもの。 △:100℃において発泡倍率20倍以上を示し、マル
チセルを示しているが、一部セルの破壊が存在する。 ×:発泡しないか、若しくは発泡するがモノセルを示
す。
【0020】以上述べたように、本発明の発泡樹脂粒子
は多元系の共重合体の合成も可能であるため、共重合体
の組成によりガラス転移点を調整できる。従って、使用
する用途に応じて、耐熱性を調整することができる。必
要に応じて、重合の段階に添加剤を入れることもでき
る。添加剤としては、例えばカーボンブラック、酸化ケ
イ素等の無機物や可塑剤等の有機物を挙げることができ
る。
【0021】塩化ビニルデン系樹脂はバリヤ性が良好で
あるため、発泡剤の保持性が良好である。含浸後しばら
く放置しても含浸量の低下量は少なく、含浸した樹脂粒
子の取り扱いが容易である。塩化ビニルデン系樹脂以外
の熱可塑性樹脂ではバリヤ性に劣るため、含浸取り出し
後に、急激に発泡剤の散逸が起こり、発泡するに必要な
量を残留させるのは非常に難しく、安定した発泡倍率の
発泡粒子を得ることは困難である。また、セル中に熱伝
導率の低いガスを長期間保持することができるため、本
発明の発泡粒子は、断熱性能にも優れており、発泡粒子
の混合度合いにより容易に断熱性を付与することもでき
る。
【0022】耐油性、耐薬品性に優れている点よりプラ
スチック、ゴム、塗料、インク等に混合する際に、適用
範囲が広がり、また使用する溶剤の選択幅も広がる。具
体的な例を挙げると、不飽和ポリエステル中のスチレン
モノマーやウレタン塗料の希釈剤のシンナーに対しても
安定であり、良好な混合物を作ることができる。更に、
共重合体樹脂中の塩化ビニルデンユニットは難燃性を示
すため、本発明の発泡樹脂粒子を混合することにより燃
焼性を改良することができる。
【0023】以上の利点より、産業上の利用分野は広
く、大きく分けて、軽量化用フィラー、緩衝用フィラー
及び増量剤としてのフィラー等に区分できる。具体的に
述べると、土木用途の軽量材としては、本発明の発泡粒
子をセメントに混合し、押出板やプレキャスト板の軽量
化を図るのに有効的である。更に、不飽和ポリエステ
ル、エポキシ系等の熱硬化性プラスチック、ポリスチレ
ン等の熱可塑性樹脂、ウレタンゴム、合成ゴム等のゴム
やエラストマーの軽量材としても有効である。
【0024】緩衝性用フィラーとしては、塗料に混合
し、タイチッピング用塗料や車のアンダーコーティング
用塗料等に使用できる。また、インク、壁紙、パテ、接
着剤と混合した補修用発泡体、爆薬の増感剤等の用途に
も適用できるが、以上述べた用途に限定されるものでな
い。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、これらの例により限定されるものでない。な
お、実施例中の部は重量部を表す。 (実施例1)イオン交換水200部に、懸濁剤としてヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース1.0部、重合開始
剤としてイソプロピルジカーボネートを0.2部を攪拌
付きの反応容器内に仕込み、窒素置換後に、次に塩化ビ
ニルデン50部、メチルメタクリレート50部、架橋剤
としてジビニルベンゼン0.05部の混合物を添加し、
攪拌を開始する。40℃に昇温し、重合を開始する。2
4時間反応させた後、生成樹脂粒子を濾別、水洗後乾燥
させた。
【0026】重合率は99%であった。また、得られた
樹脂粒子は40〜350μmの範囲の粒径であり、平均
粒径は180μmであった。得られた粒径をそれぞれ表
1に示したように分級して、次の含浸用粒子として用い
る。各々の生成粒子を以下の条件で含浸させる。重合粒
子100部をオートクレーブに仕込み、窒素置換後、発
泡剤としてトリクロロフロロメタンとジクロロジフロロ
メタンの混合比率が1/1の発泡剤300部を添加し
た。攪拌を開始させ、60℃に昇温し、10時間含浸さ
せる。冷却後、取り出しする。取り出した含浸粒子を1
日室温下に放置した後、含浸前と後の重量より含浸量を
測定する。各々の結果を表1に示す。
【0027】次に、約100℃の蒸気により発泡させ
た。各々の結果を表1に示す。良好な発泡を示した。平
均粒径675μmの発泡粒子の断面写真を図1に示す。
この写真より発泡粒子はマルチセルで構成されているこ
とが分かった。
【0028】(実施例2)実施例1で得られた重合スラ
リーを300部取る。スラリー中に水200部、重合粒
子100部が存在していた。そのスラリーをオートクレ
ーブに仕込み、窒素置換後、発泡剤としてトリクロロフ
ロロメタンとジクロロジフロロメタンの混合比率が1/
1の発泡剤100部を添加した。攪拌を開始させ、60
℃に昇温し、10時間含浸させる。冷却後、取り出した
含浸粒子を脱水し、得られた含浸粒子を1日室温下に風
乾した後、平均粒径と含浸量を測定した。結果を表1に
示す。次に、約100℃の蒸気により発泡させた。結果
を表1に示す。良好な発泡を示した。
【0029】(実施例3)イオン交換水200部に、懸
濁剤としてヒドロキシメチルセルロース1.0部、重合
開始剤としてイソプロピルジカーボネートを0.2部を
攪拌付きの反応容器内に仕込み、窒素置換後に、次に塩
化ビニルデン50部、メチルメタクリレート50部、架
橋剤としてジビニルベンゼン0.05部の混合物を添加
し、攪拌を開始する。40℃に昇温し、重合を開始す
る。重合開始後20時間目に発泡剤としてトリクロロフ
ロロメタンとジクロロジフロロメタンの混合比率が1/
1の発泡剤100部を添加した。添加後4時間反応させ
た後、温度を水温まで低下する。生成樹脂を濾別、水洗
後風乾させた。取り出した含浸粒子を1日室温下に放置
した後、平均粒径と含浸量を測定する。結果を表1に示
す。次に、約100℃の蒸気により発泡させた。結果を
表1に示す。良好な発泡を示した。
【0030】
【表1】
【0031】発泡性の評価 ○ :100℃において発泡倍率20倍以上示し、マル
チセルを示すもの。 △ :100℃において発泡倍率20倍以上示し、マル
チセルを示しているが、一部セルの破裂が存在する。 × :発泡しないか、若しくは発泡するが、モノセルを
示す。
【0032】(実施例4)イオン交換水200部に、懸
濁剤としてヒドロキシメチルセルロース0.4部と界面
活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸Naを0.4
部、重合開始剤としてイソプロピルジカーボネートを
0.2部を攪拌付きの反応容器内に仕込み、窒素置換後
に、次に塩化ビニルデン60部、メチルメタクリレート
40部、架橋剤としてジビニルベンゼン0.05部の混
合物を添加し、攪拌を開始する。40℃に昇温し、重合
を開始する。24時間反応させた後、生成樹脂粒子を濾
別、水洗後乾燥させた。重合率は99%であった。ま
た、得られた樹脂粒子は平均粒径120μmであった。
【0033】次に、上記重合粒子100部をオートクレ
ーブに仕込み、窒素置換後、発泡剤としてトリクロロフ
ロロメタンとジクロロジフロロメタンの混合比率が1/
1の発泡剤300部を添加した。攪拌を開始させ、60
℃に昇温し、10時間含浸させる。冷却後に、取り出し
する。取り出した含浸粒子を1日室温下に放置した後、
含浸量を測定する。結果を表2に示す。次に、約100
℃の蒸気により発泡させた。結果を表2に示す。良好な
発泡を示した。
【0034】(実施例5)イオン交換水200部に、懸
濁剤としてヒドロキシメチルセルロース1.0部、重合
開始剤としてイソプロピルジカーボネートを0.2部を
攪拌付きの反応容器内に仕込み、窒素置換後に、次に塩
化ビニルデン40部、メチルメタクリレート60部、架
橋剤としてジビニルベンゼン0.05部の混合物を添加
し、攪拌を開始する。窒素置換後、40℃に昇温し、重
合を開始する。24時間反応させた後、生成樹脂粒子を
濾別、水洗後乾燥させた。重合率は99%であった。ま
た、得られた樹脂粒子は平均粒径220μmであった。
得られた粒径をそれぞれ表1に示したように分級して、
次の含浸に用いた。
【0035】上記重合粒子100部をオートクレーブに
仕込み、窒素置換後、発泡剤としてトリクロロフロロメ
タンとジクロロジフロロメタンの混合比率が1/1の発
泡剤300部を添加した。攪拌を開始させ、60℃に昇
温し、10時間含浸させる。冷却後に、取り出しする。
取り出した含浸粒子を1日室温下に放置した後、含浸量
を測定する。次に、約100℃の蒸気により発泡させ
た。それぞれの結果を表2に示す。良好な発泡を示し
た。
【0036】(実施例6)イオン交換水200部に、懸
濁剤としてポリビニルアルコール(ケン化度75モル
%)を0.4部、重合開始剤としてラウリルパーオキサ
イドを0.8部を攪拌付きの反応容器内に仕込み、窒素
置換後に、次に塩化ビニルデン30部、アクリロニトリ
ル28部、スチレン42部、架橋剤として1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート0.06部の混合物を添加
し、攪拌を開始する。60℃に昇温し、重合を開始す
る。24時間反応させた後、生成樹脂粒子を濾別、水洗
後乾燥させた。重合率は97%であった。また、得られ
た樹脂粒子は平均粒径240μmであった。
【0037】得られた生成粒子を以下の条件で含浸させ
る。重合粒子100部をオートクレーブに仕込み、窒素
置換後、発泡剤としてクロロジフロロエタン80%とメ
チルクロライド20%の混合発泡剤300部を添加し
た。攪拌を開始させ、60℃に昇温し、20時間含浸さ
せる。冷却後に、取り出しする。取り出した含浸粒子を
1日室温下に放置した後、含浸量を測定する。次に、約
100℃の蒸気により発泡させた。それぞれの結果を表
2に示す。良好な発泡体が得られた。
【0038】(実施例7)実施例6で得た重合粒子を含
浸用として用いる。重合粒子100部をオートクレーブ
に仕込み、窒素置換後、発泡剤としてペンタン70%と
メチルクロライド30%の混合発泡剤300部を添加し
た。攪拌を開始させ、60℃に昇温し、20時間含浸さ
せる。冷却後に、取り出しする。取り出した含浸粒子を
1日室温下に放置した後、含浸量を測定する。次に、約
100℃の蒸気により発泡させた。それぞれの結果を表
2に示す。良好な発泡体を得ることができた。
【0039】(実施例8)実施例6と同様の条件で塩化
ビニルデン50部、アクリロニトリル20部、スチレン
30部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.
07部、ラウリルパーオキサイド0.8部を仕込み、6
0℃、28時間重合を行った。得られた生成粒子を以下
の条件で含浸させる。重合粒子100部をオートクレー
ブに仕込み、窒素置換後、発泡剤としてクロロジフロロ
エタン60%とメチルクロライド40%の混合発泡剤3
00部を添加した。攪拌を開始させ、60℃に昇温し、
20時間含浸させる。冷却後に、取り出しする。取り出
した含浸粒子を1日室温下に放置した後、含浸量を測定
する。次に、約100℃の蒸気により発泡させた。それ
ぞれの結果を表2に示す。良好な発泡を示した。
【0040】(実施例9)実施例6と同様の条件で塩化
ビニルデン50部、アクリロニトリル20部、スチレン
23部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.
07部、ラウリルパーオキサイド0.8部を仕込み、6
0℃、28時間重合を行った。得られた生成粒子を以下
の条件で含浸させる。重合粒子100部をオートクレー
ブに仕込み、窒素置換後、発泡剤としてクロロジフロロ
エタン60部とメチルクロライド40部の混合発泡剤3
00部を添加した。攪拌を開始させ、60℃に昇温し、
20時間含浸させる。冷却後に、取り出しする。取り出
した含浸粒子を1日室温下に放置した後、含浸量を測定
する。次に、約100℃の蒸気により発泡させた。それ
ぞれの結果を表2に示す。良好な発泡を示した。
【0041】(実施例10)実施例6と同様の条件で塩
化ビニルデン50部、t−ブチルメタクリレート40
部、メチルメタクリレート10部、ネオペンチルジアク
リレート0.04部、ラウリルパーオキサイド0.8部
を仕込み、60℃、24時間重合を行った。得られた生
成粒子を以下の条件で含浸させる。重合粒子100部を
オートクレーブに仕込み、窒素置換後、発泡剤としてト
リクロロフロロメタンとジクロロジフロロメタンの混合
比1/1の混合発泡剤300部を添加した。攪拌を開始
させ、40℃に昇温し、10時間含浸させる。冷却後
に、取り出しする。取り出した含浸粒子を1日室温下に
放置した後、含浸量を測定する。次に、約100℃の蒸
気により発泡させた。それぞれの結果を表2に示す。良
好な発泡体を得ることができた。
【0042】(実施例11)イオン交換水200部に、
懸濁剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース2.
0部と界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルを0.4部、重合開始剤としてラウリルパ
ーオキサイド0.8部を攪拌付きの反応容器内に仕込
み、窒素置換後に、次に塩化ビニルデン30部、アクリ
ロニトリル28部、スチレン42部、架橋剤として1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート0.06部の混合
物を添加し、攪拌を開始する。60℃に昇温し、重合を
開始する。24時間反応させた後、生成樹脂粒子を濾
別、水洗後乾燥させた。重合率は97%であった。ま
た、得られた樹脂粒子の平均粒径は80μmであった。
【0043】得られた生成粒子を以下の条件で含浸させ
る。重合粒子100部をオートクレーブに仕込み、窒素
置換後、発泡剤としてフロン142b 70%とメチル
クロライド30%の混合発泡剤300部を添加した。攪
拌を開始させ、60℃に昇温し、20時間含浸させる。
冷却後に、取り出しする。取り出した含浸粒子を1日室
温下に放置した後、含浸量を測定する。次に、約100
℃の蒸気により発泡させた。それぞれの結果を表2に示
す。良好な発泡を示した。
【0044】(実施例12)実施例1の平均粒径が15
0μmの発泡剤を含浸させた粒子をSBラテックスに重
量比として1/1に混合させる。その混合液を上質紙の
表面に塗工する。室温で乾燥させた後、120℃の熱風
により熱をかけたところ、発泡した膜が生成した。
【0045】
【表2】
【0046】発泡性の評価 ○ :100℃において発泡倍率20倍以上示し、マル
チセルを示すもの。 △ :100℃において発泡倍率20倍以上示し、マル
チセルを示しているが、一部セルの破裂が存在する。 × :発泡しないか、若しくは発泡するが、モノセルを
示す。
【0047】(実施例13)実施例9で得た発泡粒子1
0部をスチレンモノマーにより希釈された不飽和ポリエ
ステル100部に混合する。更に、有機過酸化物とコバ
ルト触媒を各0.2部づつこの混合物に分散させる。室
温下で放置させて、硬化させる。得られた生成物中の発
泡粒子は潰れることもなく軽量化されており、十分満足
いくものであった。
【0048】(実施例14)実施例8の発泡粒子10部
をウレタン塗料100部と硬化剤の混合物に添加する。
更に、シンナーにより希釈後、刷毛によりブリキ板上に
塗工する。室温下で乾燥したところ、非常に緩衝性のあ
る塗膜であった。
【0049】(実施例15)実施例8の発泡粒子7部を
セメント100部、水30部に混合し、この混合物を真
空押出成形機により成形した。得られた成形体を40
℃、相対湿度90%の養生室に10時間放置後、更に6
0℃、12時間同条件下で処理した。得られた成形体の
比重は1.5であり、成形体中の発泡粒子の潰れは観測
されず、十分に満足のいくものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明は、平均粒径が10μm以上、
5,000μm以下の粒子サイズを持つ非晶性の塩化ビ
ニリデン系樹脂である、多泡質の塩化ビニリデン系樹脂
発泡粒子であり、圧縮回復性や緩衝性のある発泡粒子を
提供するものである。また、本発明の塩化ビニリデン系
樹脂発泡粒子は耐油性、耐薬品性、断熱性に優れている
ため、セメント、土、プラスチック、ゴム、塗料、イン
ク等に軽量材、緩衝材及び増量剤として用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の発泡粒子の断面を示す顕微
鏡写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径10μm以上5,000μm以
    下であり、粒子密度が5kg/m3 以上500kg/m
    3 以下である非晶性塩化ビニリデン系樹脂からなる多泡
    質の塩化ビニリデン系樹脂発泡粒子。
JP10915392A 1992-04-03 1992-04-03 塩化ビニリデン系樹脂発泡粒子 Withdrawn JPH05287113A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004052423A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Matsushita Electric Works Ltd 光触媒機能建材とその製造方法
JP2008291644A (ja) * 2008-08-12 2008-12-04 Ohbayashi Corp 断熱構造
KR20170013220A (ko) * 2014-06-04 2017-02-06 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 다분지 지방족 에스테르의 제조방법

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