JP3637785B2 - 発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法に関し、さらに詳細には、発泡成形に適した平均粒子径が400μm以上の発泡剤を含有するメタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メタクリル酸メチル系重合体は剛性があり、透明性に優れ、かつ耐候性にも優れることから、射出成形して、自動車のランプカバーやメーターカバー、眼鏡レンズ、導光体等の成形品や、さらに押出し成形して看板や銘板等の押出し板として広く使用されている。
一方、メタクリル酸メチル系重合体は、流動性と溶融延伸時の強度が共に高いことが必要な異形(共)押出し、ブロー成形、発泡成形の材料に適さず、これらの分野には使用されていないのが現状である。
【0003】
かかる分野にも適用し得る溶融流動性に優れたメタクリル酸メチル系重合体を提供すべく本発明者等は鋭意検討した結果、「分岐構造を有し、重量平均分子量が8万〜40万で、Z平均分子量を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜50万であるメタクリル酸メチル系重合体」は上記特性を満足し得ることを見出し先に特願平7−280235号(特開平8−208746号公報)として出願した。
ところで、発泡成形材料としては発泡剤を含有する樹脂粒子径が大きいほど、小さいものに比較して、発泡に寄与する発泡剤が粒子表面より揮散し難く、高発泡倍率の成形を可能とすることが考えられるが、スチレン等の重合に於いては難溶性無機塩微粉末と陰イオン界面活性剤さらにはこれらとポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの水溶性高分子を懸濁安定剤として使用することにより大粒子径の樹脂を得る製造方法が知られているものの、メタクリル酸メチル系樹脂に於いては、知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下に鑑み、本発明者等は発泡剤を樹脂中に容易に含浸せしめ、かつガス抜けの少ない大粒子径のメタクリル酸メチル系樹脂を得ることを目的として鋭意検討した結果、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体を水性媒体中で懸濁重合するに際し、特定の懸濁安定剤と特定の懸濁助剤を併用し、さらに特定の重合時期に特定の懸濁安定剤を添加し重合すると共に、重合時に易揮発性発泡剤を添加、存在せしめる場合には、上記目的を全て満足する平均粒子径約400μm以上の大粒子径を有する発泡性メタクリル酸メチル樹脂粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体を水性媒体中で懸濁重合することによりメタクリル酸メチル系樹脂粒子を製造する方法に於いて、
メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体およびこれと共重合可能な多官能単量体に連鎖移動剤を加え、ここで前記連鎖移動剤の量は、前記単官能単量体1モル当たり5×10 -5 モル〜5×10 -3 モルであり、前記多官能単量体の量は、前記単官能単量体1モル当たり、その官能基数が1×10 -5 〜{連鎖移動剤(モル)−2.5×10 -4 }となる範囲であり、
アニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤と水性媒体中に対する濃度が1〜10重量%のりん酸水素2ナトリウムを含む水性媒体中で重合を開始し、
重合率が40〜80%になった時点でノニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤を添加すると共に、重合時に易揮発性発泡剤を添加し懸濁重合により得られる樹脂に発泡剤を含浸することを特徴とする発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法を提供するにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子は、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体およびこれと共重合可能な多官能単量体の重合体である球状の粒子のメタクリル酸メチル系樹脂粒子に易揮発性発泡剤を含浸したものである。メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体とは、メタクリル酸メチルの単独、またはメタクリル酸メチルを50重量%以上、好ましくは80重量%以上のメタクリル酸メチルと共重合可能な単官能の不飽和単量体との混合物である。メタクリル酸メチルが50重量%未満では、いわゆるメタクリル酸メチル重合体の特性である透明性、機械的強度が発現しにくい。
【0007】
共重合可能な単官能不飽和単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸モノグリセロール、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセロール等のヒドロキシル基合有のエステル:アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドが挙げられる。さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類:メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の窒素含有単量体:アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体が挙げられる。特に、メタクリル酸メチル70重量%以上、及びメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステル0〜20重量%の組成の範囲のものが好ましい。
【0008】
共重合可能な多官能単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の2価のアルコールの水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールまたはこれら多価アルコール誘導体をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ジビニルベンゼン等のアルケニル基を2個以上有するアリール化合物等が挙げられる。
【0009】
本発明の平均粒子径は音波振動式全自動篩い分け測定器(株式会社セイシン企業製)あるいは電磁振とう式篩い分け測定器(三田村理研工業株式会社)を用いて測定して得られる重量累積50%平均粒子径を意味する。(JIS Z−8801(1982)に準拠)
【0010】
本発明では、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体を、アニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤及び水性媒体中の濃度が約1〜約10重量%、好ましくは約1〜約3重量%のりん酸水素2ナトリウムの存在する水性媒体中で重合を開始する。そして、該単量体の重合率が約40〜約80%、好ましくは約50〜約70%になった時点で、ノニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤を添加する。ノニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤の添加は、一括、分割、または連続的に添加することが出来る。重合率が40%未満でノニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤を添加した場合には得られる樹脂粒子は球状でないものが多く粒径は不揃いとなる。重合率が80%を超えた時点で添加した場合には、重合が不安定になるため、得られる重合体ビーズは球状でないもの、凝集粒子が多くなる。
【0011】
本発明で用いるアニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム、メタクリル酸ナトリウム−メタクリル酸アルキルエステル共重合体等が挙げられ、これらは単独または併用して使用することができる。中でも、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムが好ましい。
【0012】
ノニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルアミン等の水溶性高分子が挙げられ、これらは単独または併用して使用することができる。好ましくはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体である。
【0013】
アニオン系及びノニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤の使用量は、それぞれ、該単量体に対して0.005〜1.0重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部の範囲から選択されるが、重合系が安定となる範囲内で少ない方が好ましい。0.005重量部以下では重合系が不安定となり、1.0重量部を超えると微小粒状樹脂粒子が多く生成し平均粒子径が小さくなる。
【0014】
本発明では、アニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤とともに水性媒体中の濃度が約1〜約10重量%のりん酸水素2ナトリウムを用いることが、発泡成形に適した平均粒子径が約400μm以上のメタクリル酸メチル系樹脂粒子を得るための必須要件である。濃度が1重量%より低いと得られる樹脂粒子の平均粒子径が小さくなり、10重量%より高いと重合系が不安定となる。りん酸水素2ナトリウムの濃度は1〜3重量%が好ましい。
【0015】
水性媒体と単量体または単量体混合物の割合は、1:1〜2:1、好ましくは1.3:1〜1.7:1の範囲である。水性媒体の量が少なすぎると、単量体の分散が不均一となり易く、重合系が不安定となり、多いと微小粒状樹脂粒子が多く生成し平均粒子径が小さくなる。
【0016】
重合の温度条件は、60〜90℃程度で、用いる重合開始剤に適した温度でよい。
【0017】
攪拌条件は、通常の懸濁重合でメタクリル酸メチル系樹脂粒子を製造する際の条件でよい。装置としては、周知の攪拌翼例えばタービン翼、ファウドラー翼、プロペラ翼、ブルーマージン翼等の付いた攪拌機を備えた重合容器を用い、該容器には、バッフルを付けているのが一般的である。
【0018】
懸濁重合の終了後は、周知の方法で洗浄、脱水、乾燥して樹脂粒子を得る。
【0019】
本発明のメタクリル酸メチル系樹脂組成物の発泡に使用する易揮発性発泡剤としては、生成される樹脂の軟化点よりも低い沸点を有し、かつ樹脂粒子を溶解しないか、または僅かに膨潤させる性質を持ったものが好適である。例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の鎖式脂肪族炭化水素類;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素;メチルクロライド、ジクロロジフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素類;二酸化炭素、窒素、水等のガス類が挙げられ、これらの少なくとも1種以上が用いられる。発泡剤の使用量は、全単量体の重量に対して、好ましくは約3〜約12重量部、特に好ましくは約5〜約8重量部の割合である。
【0020】
なお、従来は前記発泡剤のうち、プロパン、ブタン、ペンタンを単独または併用して用いる時は、発泡剤の含浸時にビニル系単量体を溶解する有機溶剤を用いるのが好ましかった。このような有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられ、これらを少量、好ましくは全単量体に対し、0.2〜0.5重量部併用していた。しかし、このような溶剤の添加は、衛生安全面からは好ましいことではなかった。本発明によれば、有機溶剤を添加しなくても良好な含浸率、発泡性、成形性が得られる。ただし、これらを用いることは何らさしつかえない。
【0021】
さらに必要なら発泡セルのサイズを安定化させる一般的な発泡助剤を併用して用いることができる。
【0022】
本発明の発泡性メタクリル酸メチル樹脂粒子としては、特に制限されるものではないが、既に特開平8−208746号公報により公知の溶融流動性に優れた分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が8万〜40万で、Z平均分子量(Mz)を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜50万のメタクリル酸メチル系樹脂粒子を適用することが推奨される。
Mwが上記範囲のものは該重合体の機械的強度に優れ、これを成分とするメタクリル酸メチル系重合体ビーズを発泡させた発泡体の強度にも優れ、発泡ビーズの成形時の融着特性にも優れる。
また、分岐点間分子量(Mzb)が上記範囲のものは、重合体の発泡性能に優れ、成形品の外観にも優れる。
【0023】
ここでMw、Mzとは、ゲル・パーミェーション・クロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計により求められる値である。この求め方は、例えば1984年度版、「高分子特性解析」(共立出版)24頁〜55頁に記載されている。
【0024】
分岐点間分子量とは、分岐構造を有するポリマーにおいて分岐点から次の分岐点までの分子量の平均値を意味する。
このZ平均分子量を用いて規定する分岐点間分子量(Mzb)は、日本ゴム協会誌、第45巻、第2号、105〜118頁「キャラクタリゼーション」の記載に基づき、下記数式 数1、数2より算出される。
【0025】
【数1】
{[η1 ]/[η2 ]}10/6={(1+Bz/6)0.5 +4Bz/3π}- 0.5
【0026】
【数2】
Mzb=Mz/Bz
【0027】
上記数式 数1において、η1 は、直鎖状メタクリル酸メチル重合体標準試料のGPC溶出時間に対する極限粘度と絶対分子量との積の関係を示す普遍較正曲線を用いて得られる測定対象の重合体の絶対分子量に対する極限粘度の関係を示す較正曲線において、分子量がMz値に対応する極限粘度である。
η2 は、直鎖状メタクリル酸メチル重合体標準試料の絶対分子量に対する極限粘度の関係を示す較正曲線において、測定対象の重合体と同じ分子量Mz値に対応する極限粘度である。
Bzは、Z平均分子量Mzにおける分岐点の数である。
【0028】
上記メタクリル酸メチル系重合体は、その重合体のうち分子量30万以上のものの割合が、その重合体のクロロホルム中25℃における還元粘度が0.7dl/g以下の時は、{〔14×該還元粘度値−6.8〕〜〔14×該還元粘度値+11・2〕}(重量%)であり、還元粘度が0.7dl/g以上の時は、{〔40×該還元粘度値−25〕〜〔40×該還元粘度値−7〕}(重量%)であることがより好ましい。
なお、本発明で表す還元粘度とは、その測定する重合体の溶液濃度が1g/dlでの値である。
分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体の分子量30万以上の割合が上記の範囲内の場合には、メタクリル酸メチル系重合体の流動性と溶融時の引張り強度のバランスに優れ、それに伴って、これを用いて得られる樹脂組成物の流動性と溶融延伸次の強度のバランスに優れることによる良好な発泡体が得られる。また本発明における分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体の架橋度は、ゲル分率(全重合体重量に対するアセトン不要部分の重量%)で表して、通常3%以下、好ましくは1%以下、更に好ましくはほぼ0%である。
【0029】
このようなメタクリル酸メチル系重合体は、本発明で規定する製造方法に加え単官能単量体、多官能単量体を含む多官能性の構成単位となる成分、必要により更に連鎖移動剤および/または重合開始剤を特定範囲で加えて重合することによって得られる。
多官能性の構成単位となる成分としては、前述の多官能単量体、多官能連鎖移動剤、多官能開始剤、及びこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
多官能の構成単位となる成分の量は、メタクリル酸メチル(および単官能単量体)に対し、通常は0.02〜1重量%である。
【0030】
連鎖移動剤としては、メタクリル酸メチルの重合に用いられる周知のものでよい。この中には、連鎖移動官能基をlつ有する単官能の連鎖移動剤および連鎖移動官能基を2つ以上有する多官能連鎖移動剤とがある。
単官能連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類、チオグリコール酸エステル類等が挙げられ、多官能連鎖移動剤としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール水酸基をチオグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエステル化したものが挙げられる。
【0031】
分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体の重合に使用する連鎖移動剤の量は、該単官能単量体1モル当たり、通常は5×10-5モル〜5×10-3モルであり、共重合可能な多官能単量体の量は該単官能単量体1モル当たり、通常はその官能基数が1×10-5〜{該連鎖移動剤(モル)−2.5×10-4}当量となる範囲である。
【0032】
分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体Aの重量平均分子量は、一般に主として用いられる多官能単量体の濃度、連鎖移動剤の濃度及びラジカル開始剤の濃度に支配される。
重量平均分子量の調整は、多官能単量体濃度が高い程重量平均分子量は大きくなり、逆に連鎖移動剤濃度が高い程小さくなることを考慮して、多官能単量体の上記濃度範囲内反ぴ連鎖移動剤の濃度の範囲内で適宜変更することで行う。
分岐点間分子量は、主として、多官能単量体濃度によって調整できる。多官能単量体濃度が高い程、分岐点間分子量は小さくなる。また、連鎖移動剤では、多官能連鎖移動剤の濃度が高い程分岐点間分子量は小さくなる。
分子量30万以上の割合は、多官能単量体の濃度が高い程多くなる。
【0033】
重合開始剤には1分子中に1対のラジカルを発生させる単官能重合開始剤および2対以上のラジカルを発生させる多官能重合開始剤とがある。
単官能重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、クミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエステル類;ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類の有機過酸化物等が挙げられる。
多官能重合開始剤としては、例えば、2官能の1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペートが、3官能のトリス−(t−ブチルパーキシ)トリアジン、4官能の、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等を挙げることができる。
多官能重合開始剤を用いる場合は、前記した多官能構成単位としての一部または全部と入れ替えることができる。
【0034】
重合開始剤の使用量は、重合方法に応じた周知の適量でよく、単量体または単量体混合物100重量部に対して通常、0.001〜1重量部程度、好ましくは0.01〜0.7重量部である。なお、重合開始剤の量が多い程、重量平均分子量が小さくなるのは、一般的なメタクリル酸メチル系重合休と同様である。
【0035】
以上の製造条件を本発明で規定した発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法と組み合わせ行う場合には、樹脂粒子中に所望とする量の発泡剤を含浸した、平均粒子径約400μm以上で、分岐構造を有し、重量平均分子量が8万〜40万で、Z平均分子量を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜50万であり、その重合体のうち分子量30万以上のものの割合が、その重合体の還元粘度が0.7dl/g以下の時は、{〔14×該還元粘度値−6.8〕〜〔14×該還元粘度値+11.2〕}(重量%)であり、還元粘度が0.7以上の時は、{〔40×該還元粘度値−25〕〜〔40×還元粘度値−7〕}(重量%)である発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子を得ることができる。
【0036】
本発明のメタクリル酸メチル系樹脂粒子は、必要に応じて離型剤、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、充填剤、染料、顔料、光拡散材等の一般的なアクリル樹脂に添加できる各種添加剤を混在させても何ら問題はなく、重合体の重合中に添加することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、重合時に発泡剤を同時に添加存在せしめるという極めて簡単な方法で、新たに発泡剤を含浸せしめる工程を設けることなく発泡剤を含浸した、通常約400μm以上の大粒子径を有する発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子を得ることを可能としたもので、かかる樹脂粒子は発泡成形時のガス抜けが少なく高発泡倍率の発泡体を得ることができると共に、発泡の均一性、耐衝撃性にも優れており、緩衝包装材や断熱材、土木用材料としても有用で、その工業的価値は極めて大である。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
なお、測定評価法のうち、上記に記載した項目以外の項目については以下のとおり実施した。
(1) MFR:JIS K7210に準拠し、230℃、3.8kg荷重、10分で測定した(g/10分)。
(2)発泡倍率:家庭用蒸し器を使用し、底部の水が沸騰してスチームが発生している状態で、晒にのせた発泡性樹脂粒子5gを入れて蓋をして蒸した後、発泡した粒子を融着している場合はほぐしてメスシリンダーで体積を測定して嵩密度を測定した。 発泡倍率=1.19/嵩密度 で表した。
(3)揮発分(重量部):樹脂粒子2gを減圧下200℃、5時間乾燥し、重量減少量より求めた。
実施例で用いた各種単量体、連鎖移動剤の略称は、以下の通り。
MMA:メタクリル酸メチル
MA:アクリル酸メチル
DDSH:n−ドデシルメルカプタン
HDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
【0039】
実施例1
1リットルのSUS製オートクレーブにメタクリル酸メチル94.5重量部、アクリル酸メチル5.5重量部、HDA0.19重量部、ラウロイルパーオキサイド0.3重量部、n−ドデシルメルカプタン0.38重量部、イオン交換水150重量部、ポリメタクリル酸ナトリウム(1%水溶液が30ストークス)0.025重量部、りん酸水素2ナトリウム・7水塩2.5重量部およびペンタン10部を入れて混合し、加熱昇温して、80℃で重合し、70分後(重合率約55%)にノニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤としてポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体であるプルロニックF68(旭電化工業株式会社製)0.05重量部を添加した。
その後同じ温度で重合し20分後に重合発熱ピークが発生したが、さらに80℃で4時間反応させた。重合後、洗浄、脱水、乾燥を行い、平均粒子径540μmの表1に示す物性を有する樹脂粒子(PMMA1)を得た。
この重合中の最大圧力は3.2kg/cm2 ゲージ圧であった。得られたビーズを30℃のデシケータで2日以上乾燥させて揮発性分を測定した所、8.0部であり、加熱スチームにより発泡倍率を測定したところ、5分で71倍に発泡した。
【0040】
実施例2〜4
ペンタンの添加時期と反応ピーク後の熱処理温度及び時間を表1の通り変更した以外は、実施例1と同様の方法に従い樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径及び含有揮発成分量を測定した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
比較例1
実施例1でペンタンを添加せずに重合して得た樹脂粒子を脱水・洗浄・乾燥した後に、実施例1と同じ水相中〔イオン交換水150重量部、ポリメタクリル酸ナトリウム(1%水溶液が30ストークス)0.025重量部、りん酸水素2ナトリウム・7水塩2.5重量部〕に樹脂粒子を仕込み、ペンタン10部を添加し、120℃、8時間かけて含浸した。その時の最大圧力は8.4kg/cm2 ゲージ圧で、揮発分は5.3部であった。
【0043】
比較例2
比較例1と同じくペンタンを含浸していない樹脂粒子100重量部にイオン交換水150重量部、第3リン酸カルシウム3.0重量部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ0.021重量部、けん化度88モル%で粘度90mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニル0.0018重量部に懸濁してペンタン10重量部を仕込み、100℃、1時間含浸した。この重合中の最大圧力は5.7kg/cm2 ゲージ圧であった。得られたビーズの揮発性分は、2.5重量部であった。
【0044】
【表2】
Claims (3)
- メタクリル酸メチルを主成分とする単量体を水性媒体中で懸濁重合することによりメタクリル酸メチル系樹脂粒子を製造する方法に於いて、
メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体およびこれと共重合可能な多官能単量体に連鎖移動剤を加え、ここで前記連鎖移動剤の量は、前記単官能単量体1モル当たり5×10 -5 モル〜5×10 -3 モルであり、前記多官能単量体の量は、前記単官能単量体1モル当たり、その官能基数が1×10 -5 〜{連鎖移動剤(モル)−2.5×10 -4 }となる範囲であり、
アニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤と水性媒体中に対する濃度が1〜10重量%のりん酸水素2ナトリウムを含む水性媒体中で重合を開始し、
重合率が40〜80%になった時点でノニオン系水溶性高分子からなる懸濁安定剤を添加すると共に、重合時に易揮発性発泡剤を添加し懸濁重合により得られる樹脂に含浸することを特徴とする発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法。 - 易揮発性発泡剤の添加時期が、重合ピーク前であることを特徴とする請求項1記載の発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法。
- 得られる樹脂粒子の平均粒子径が400μm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の発泡性メタクリル酸メチル系樹脂粒子の製造方法。
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