JP3633327B2 - メタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法 - Google Patents

メタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、公知のメタクリル酸メチル系重合体よりも粒径の大きいメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法、詳しくは発泡成形に適した平均粒子径が400μm以上のメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メタクリル酸メチル系重合体は剛性があり、透明性に優れ、かつ耐候性にも優れることから、射出成形して、自動車のランプカバーやメーターカバー、眼鏡レンズ、導光体等の成形品や、さらに押出し成形して看板や銘板等の押出し板として広く使用されている。
一方、メタクリル酸メチル系重合体は、流動性と溶融延伸時の強度が共に高いことが必要な異形(共)押出し、ブロー成形、発泡成形の材料に適さず、これらの分野に使用されていないのが現状である。
【0003】
本発明者等はかかる分野にも適用し得る溶融流動性に優れたメタクリル酸メチル系重合体を提供すべく鋭意検討した結果、「分岐構造を有し、重量平均分子量が8万〜40万で、Z平均分子量を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜50万である分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体」は上記特性を満足し得ることを見出し先に特願平7−280235号(特開平8−208746号公報)として出願した。
ところで、発泡成形材料としては発泡剤を含有する樹脂粒子径が大きいほど、小さいものに比較して、発泡に寄与する発泡剤が粒子表面より揮散し難く、高発泡倍率の成形を可能とすることが考えられるが、スチレン等の重合に於いては難溶性無機塩微粉末と陰イオン界面活性剤さらにはこれらとポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の水溶性高分子を懸濁安定剤として使用することより大粒子径の樹脂を得る製造方法は知られているものの、メタクリル酸メチル系樹脂に於いては、知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下に鑑み、本発明者等は発泡剤を樹脂中に容易に含浸せしめ、かつガス抜けの少ない大粒子径のメタクリル酸メチル系樹脂を得ることを目的として鋭意検討した結果、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体を水性媒体中で懸濁重合するに際し、特定の懸濁安定剤と特定の懸濁助剤を併用重合する場合には、上記目的を満足する平均粒子径約400μm以上の大粒子径を有するメタクリル酸メチル系重合体ビーズが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体を、ラジカル重合開始剤を用い、共重合可能な多官能単量体及び連鎖移動剤の共存下、水性媒体中で懸濁重合することによりメタクリル酸メチル系重合体を製造するに際し、水性媒体中の濃度が0.01〜0.05重量%となる量のけん化度85〜90%、粘度20〜110mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニルからなる懸濁安定剤と、水性媒体中の濃度が0.1〜10重量%となる量のリン酸塩の存在下で懸濁重合することを特徴とする平均粒子径が400μm以上のメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法を提供するにある。
【0006】
さらに本発明は、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体を、ラジカル重合開始剤を用い、共重合可能な多官能単量体及び連鎖移動剤の共存下に水性媒体中で懸濁重合することによりメタクリル酸メチル系重合体を製造するに際し、該単官能単量体1モル当たり、該連鎖移動剤の量が2.5×10-5モル〜5×10-3モル、該共重合可能な多官能単量体の量が該単官能単量体1モル当たり、その官能基数が1×10-5〜{該連鎖移動剤(モル)−2.5×10-4}モルとなる量で、水性媒体中の濃度が0.01〜0.05重量%となる量のけん化度85〜90%、粘度20〜110mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニルからなる懸濁安定剤と、水性媒体中の濃度が0.1〜10重量%となる量のリン酸塩の存在下で懸濁重合することを特徴とする平均粒子径が400μm以上のメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法を提供するにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のメタクリル酸メチル系重合体ビーズは、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体およびこれと共重合可能な多官能単量体の重合体よりなる平均粒子径が400μm以上の実質的に球状の粒子である。球状の粒子とは、目視で円盤状や楕円状ではなく、実質的に球状〔例えばランダムに選んだ粒子100個の長短度(短径/長径)の平均値が約0.7以上、好ましくは約0.8以上〕の粒子を言う。
【0008】
本発明に於いて平均粒子径とは、音波振動式全自動篩分測定器(株式会社セイシン企業製)あるいは電磁振とう式篩分測定器(三田村理研工業株式会社)を用いて測定して得られる累積重量50%平均粒子径を意味する。(JIS Z−8801(1982)に準拠)
【0009】
本発明の製造法に於いて、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体とはメタクリル酸メチルの単独、または50重量%以上、好ましくは70重量%以上のメタクリル酸メチルと共重合可能な単官能不飽和単量体との混合物である。メタクリル酸メチルが50重量%未満では、いわゆるメタクリル酸メチル重合体の特性である透明性、機械的強度が発現し難い。
【0010】
メタクリル酸メチルと共重合可能な単官能不飽和単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸モノグリセロール、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセロール等のヒドロキシル基合有のエステル:アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドが挙げられる。さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類:メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の窒素含有単量体:アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体が挙げられる。
【0011】
メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体と共重合可能な多官能単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の2価のアルコールの水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールまたはこれら多価アルコール誘導体をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの等が挙げられる。
【0012】
本発明では、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体およびこれと共重合可能な多官能単量体を、水性媒体中の濃度が0.01〜0.05重量%となる量のけん化度85〜90%、粘度20〜110mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニルからなる懸濁安定剤と、水性媒体中の濃度が0.1〜10重量%となる量のホウ酸塩、炭酸塩、りん酸塩および硫酸塩よりなる群れから選ばれた化合物の少なくとも1種の存在下で懸濁重合するものである。
【0013】
本発明で用いる部分けん化ポリ酢酸ビニルからなる懸濁安定剤のけん化度、粘度、使用量が上記範囲を外れると重合が不安定になり得られる重合体のビーズは球状でないものや、凝集粒子、あるいは粒形が不揃いの粒子が生起するとか、あるいは微小粒状重合体ビーズが多く生成し平均粒子径が小さくなる。
【0014】
本発明では、特定の部分けん化ポリ酢酸ビニルからなる懸濁安定剤とともに水性媒体中の濃度が0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜3重量%となる量のリン酸塩の存在下で懸濁重合することを必須とする。りん酸塩としては、りん酸ナトリウム、りん酸水素2ナトリウム、りん酸2水素ナトリウム等が挙げられる。就中りん酸ナトリウム、りん酸水素2ナトリウム等の適用が推奨される。これら化合物の水性媒体中の濃度が上記範囲外になると重合系が不安定となり、凝集粒子が多くなったり、粒形が不揃いとなる。
【0015】
水性媒体と単量体または単量体混合物の割合は、1:1〜5:1、好ましくは1:1〜3:1の範囲である。水性媒体の量が少なすぎると、単量体の分散が不均一となり易く、重合系が不安定となり、多いと微小粒状重合体ビーズが多く生成し平均粒子径が小さくなる。
【0016】
重合の温度条件は、60〜120℃程度で、用いる重合開始剤に適した温度でよく、また攪拌条件も通常の懸濁重合でメタクリル酸メチル系重合体ビーズを製造する際の条件でよい。重合装置としては、周知の攪拌翼例えばタービン翼、ファウドラー翼、プロペラ翼、ブルーマージン翼等の付いた攪拌機を備えた重合容器を用い、該容器には、バッフルを付けているのが一般的である。
懸濁重合の終了後は、周知の方法により洗浄、脱水、乾燥することにより重合体ビーズを得ることができる。
【0017】
本発明のメタクリル酸メチル系重合体ビーズとしては、特に制限されるものではないが、既に特開平8ー208746号公報により公知の溶融流動性に優れた分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)は8万〜40万、好ましくは15万〜30万であり、Z平均分子量(Mz)を用いて規定される分岐点間分子量(Mzb)が3万〜50万、好ましくは5万〜20万のメタクリル酸メチル系樹脂粒子を適用することが推奨される。
【0018】
Mwが上記範囲のものは該重合体の機械的強度に優れ、これを成分とするメタクリル酸メチル系重合体ビーズを発泡させた発泡体の強度にも優れ、発泡ビーズの成形時の融着特性にも優れる。
また、分岐点間分子量(Mzb)が上記範囲のものは、重合体の発泡性能に優れ、機械的強度、成形品の外観にも優れる。
【0019】
ここでMw、Mzとは、ゲル・パーミェーション・クロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計により求められる値である。この求め方は、例えば1984年度版、「高分子特性解析」(共立出版)24頁〜55頁に記載されている。
【0020】
分岐点間分子量とは、分岐構造を有するポリマーにおいて分岐点から次の分岐点までの分子量の平均値を意味する。
このZ平均分子量を用いて規定する分岐点間分子量(Mzb)は、日本ゴム協会誌、第45巻、第2号、105〜118頁「キャラクタリゼーション」の記載に基づき、下記数式 数1、数2より算出される。
【0021】
【数1】
{[η]/[η]}10/6={(1+Bz/6)0.5 +4Bz/3π}−0.5
【0022】
【数2】
Mzb=Mz/Bz
【0023】
上記数式 数1において、ηは、直鎖状メタクリル酸メチル重合体標準試料のGPC溶出時間に対する極限粘度と絶対分子量との積の関係を示す普遍較正曲線を用いて得られる測定対象の重合体の絶対分子量に対する極限粘度の関係を示す較正曲線において、分子量がMz値に対応する極限粘度である。
ηは、直鎖状メタクリル酸メチル重合体標準試料の絶対分子量に対する極限粘度の関係を示す較正曲線において、測定対象の重合体と同じ分子量Mz値に対応する極限粘度である。
Bzは、Z平均分子量Mzにおける分岐点の数である。
【0024】
上記メタクリル酸メチル系重合体は、その重合体のうち分子量30万以上のものの割合が、その重合体のクロロホルム中25℃における還元粘度が0.7dl/g以下の時は、{〔14×該還元粘度値−6.8〕〜〔14×該還元粘度値+11・2〕}(重量%)であり、還元粘度が0.7dl/g以上の時は、{〔40×該還元粘度値−25〕〜〔40×該還元粘度値−7〕}(重量%)であることが好ましい。
なお、本発明で表す還元粘度とは、その測定する重合体の溶液濃度が1g/dlでの値である。
分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体の分子量30万以上の割合が上記の範囲内の場合には、メタクリル酸メチル系重合体の流動性と溶融時の引張り強度のバランスに優れ、それに伴って、これを用いて得られる樹脂組成物の流動性と溶融延伸時の強度のバランスに優れることによる良好な発泡体が得られる。このような分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体の架橋度は、ゲル分率(全重合体重量に対するアセトン不要部分の重量%)で表して、通常3%以下、好ましくは1%以下、更に好ましくはほぼ0%である。
【0025】
このような物性を兼ね備える本発明の大粒子径を有するメタクリル酸メチル系重合体は、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体を、ラジカル重合開始剤を用い、共重合可能な多官能単量体及び連鎖移動剤の共存下に水性媒体中で懸濁重合することによりメタクリル酸メチル系重合体を製造するに際し、該単官能単量体1モル当たり、該連鎖移動剤の量が2.5×10−5モル〜5×10−3モル、該共重合可能な多官能単量体の量が該単官能単量体1モル当たり、その官能基数が1×10−5〜{該連鎖移動剤(モル)−2.5×10−4}モルとなる量で、水性媒体中の濃度が0.01〜0.05重量%となる量のけん化度85〜90%、粘度20〜110mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニルからなる懸濁安定剤と、水性媒体中の濃度が0.1〜10重量%となる量のホウ酸塩、炭酸塩、リン酸塩および硫酸塩よりなる群れから選ばれた化合物の少なくとも1種の存在下で懸濁重合することにより得られる。
【0026】
上記製造方法に於いて、該多官能単量体の量は、該単官能単量体1モル当たり、官能基数で1×10−5〜{該連鎖移動剤(モル)−2.5×10−4}モルとなる量である。つまり、後述の該連鎖移動剤の量によっては、{該連鎖移動剤(モル)−2.5×10−4}モルが、1×10−5モルよりも少なくなる場合でも、1×10−5は必要である。官能基数が1×10−5モル未満では、得られる樹脂が高剪断速度での流動性が低く、しかも耐溶剤性も充分ではない。また、{該連鎖移動剤(モル)−2.5×10−4}モルを越えると得られる樹脂の溶融流動性が低く成形性が低いものとなる。
【0027】
ラジカル重合開始剤としては、ビニル単量体の重合用として周知のものでよい。例えば、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、クミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエステル類;ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類の有機過酸化物、2官能の1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、3官能のトリス−(t−ブチルパーキシ)トリアジン、4官能の、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等を挙げることができ、これらのうち1種類または2種類以上が用いられる。
これらのラジカル重合開始剤の使用量は、単量体または単量体混合物100重量部に対して通常0.001〜1重量部程度、好ましくは0.01〜0.7重量部である。
【0028】
上記製造方法に於いて、連鎖移動剤としては、メタクリル酸メチルの重合に用いられる周知のものでよい。この中には、連鎖移動官能基をlつ有する単官能の連鎖移動剤および連鎖移動官能基を2つ以上有する多官能連鎖移動剤とがある。
【0029】
単官能連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類、チオグリコール酸エステル類、3−メルカプトプロピオン酸エステル類、チオフェノール類、アルキルサルファイド類、アルキルジサルファイド類、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられ、好ましくは、アルキルメルカプタン類、3−メルカプトプロピオン酸エステル類等が挙げられる。
【0030】
多官能連鎖移動剤としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール水酸基をチオグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエステル化したものが挙げられる。
【0031】
該連鎖移動剤の量は、該単官能単量体1モル当たり、通常は2.5×10−4モル〜5×10−3モルである。2.5×10−4モルより低いと、得られるメタクリル系樹脂の〔η〕が過大となり、溶融流動性が低くなる。また、5×10−3モルを越えて多いと〔η〕が過少となり得られるメタクリル樹脂の機械的強度が低いものとなる。
【0032】
上記製造方法により得られるメタクリル系樹脂の極限粘度〔η〕は、0.25〜1.5dl/gとする。〔η〕が0.25dl/g未満だと該樹脂の機械的強度や耐溶剤性が十分なものとなり得ない。また、1.5dl/gを越えて高いと溶融流動性が低くなり過ぎて成形性が低下する。
【0033】
メタクリル系樹脂の極限粘度〔η〕は、一般に主として用いる該多官能単量体の濃度、連鎖移動剤の濃度及びラジカル開始剤の濃度に支配される。この内ラジカル開始剤の濃度は、前述の濃度範囲とすればよい。それゆえ、〔η〕は上述した該多官能単量体の濃度範囲内及び連鎖移動剤の濃度の範囲内で適宜変更して前述の〔η〕となるよう調整する。これは数回の試行によって容易に設定し得る。
【0034】
本発明の(分岐構造を有する)メタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造方法に於いては、先の記載の条件を満足する以外は周知の懸濁重合法が適用できる。すなわち、水性媒体中に前述のメタクリル酸メチルを主成分とする単量体、重合開始剤、連鎖移動剤及び共重合可能な多官能単量体、さらに必要に応じて離型剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光拡散材、可塑剤等を懸濁させ、重合する方法である。水性媒体と単量体または単量体混合物の割合は1:1〜5:1、好ましくは1:1〜3:1の範囲である。重合の温度条件は、60〜120℃程度で、用いる重合開始剤に適した温度とする。懸濁重合終了後は、周知の方法で洗浄、脱水、乾燥して使用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述した本発明方法により得られるメタクリル酸メチル系重合体ビーズは通常平均粒子径が400μmを越える大粒子径を有するもので、発泡成形時のガス抜けが少なく高発泡倍率の発泡体の製造を可能とする、さらに本発明の製造方法に於いて特定の分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体ビーズを得る場合には、得られたメタクリル酸メチル系重合体ビーズは、高発泡倍率で、発泡セルが均一で、外観が良好である発泡体の製造を可能とするもので、緩衝包装材や断熱材、土木用材料としてその工業的利用価値は極めて大である。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0037】
実施例1
200リットルのSUS製オートクレーブに、メタクリル酸メチル95重量部、アクリル酸メチル5重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.15重量部、ラウロイルパーオキサイド0.3重量部、n−ドデシルメルカプタン0.4重量部、イオン交換水150重量部、けん化度88%、粘度90mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニル0.03重量部、りん酸水素2ナトリウム・7水塩4.5重量部(純品換算2.384重量部:水性媒体中の濃度1.59重量%)を入れて混合し、加熱昇温して、80℃で重合を開始し、120分後、さらに100℃で60分重合させた。重合後、洗浄、脱水、乾燥を行い重合体ビーズを得た。得られた重合体ビーズは平均粒子径830μmで粒子形状は球状(長短度:0.8以上)であった。
【0038】
比較例1
りん酸水素2ナトリウム・7水塩を0.015重量部(純品換算0.0079重量部:水性媒体中の濃度0.0053重量%)用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い平均粒子径1150μmの重合体ビーズを得た。粒径は不揃いで、球状でない(長短度:0.66)ものが多かった。
【0039】
比較例2
りん酸水素2ナトリウム・7水塩を用いない以外は、実施例1と同様に重合を行った。得られた重合体ビーズの平均粒子径は1320μmで、粒径は不揃いで、球状でない(長短度:0.60)ものが多かった。
【0040】
比較例3
けん化度88%、粘度90mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニルの代わりに、けん化度83%、粘度21mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニル0.03重量部用いた以外は、実施例1と同様に重合を行ったところ、80分後に凝集が起こり重合体ビーズは得られなかった。
【0041】
比較例4
けん化度88%、粘度90mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニルの代わりに、けん化度99%、粘度70mPa・S(4%水溶液、20℃)のポリビニルアルコールを0.04重量部用いた以外は、実施例1と同様に重合を行ったところ、90分後に凝集が起こり重合体ビーズは得られなかった。
【0042】
実施例2
りん酸水素2ナトリウム・7水塩の代えてりん酸3ナトリウムを2.25重量部(水性媒体中の濃度1.5重量%)用いた以外は、実施例1と同様に重合を行った。得られた重合体ビーズは平均粒子径680μmで粒子形状は球状(長短度:0.8以上)であった。

Claims (5)

  1. メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体を、ラジカル重合開始剤を用い、共重合可能な多官能単量体及び連鎖移動剤の共存下、水性媒体中で懸濁重合することによりメタクリル酸メチル系重合体を製造するに際し、水性媒体中の濃度が0.01〜0.05重量%となる量のけん化度85〜90%、粘度20〜110mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニルからなる懸濁安定剤と、水性媒体中の濃度が0.1〜10重量%となる量のリン酸塩の存在下で懸濁重合することを特徴とする平均粒子径が400μm以上のメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法。
  2. メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体を、ラジカル重合開始剤を用い、共重合可能な多官能単量体及び連鎖移動剤の共存下に水性媒体中で懸濁重合することによりメタクリル酸メチル系重合体を製造するに際し、該単官能単量体1モル当たり、該連鎖移動剤の量が2.5×10-5モル〜5×10-3モル、該共重合可能な多官能単量体の量が該単官能単量体1モル当たり、その官能基数が1×10-5〜{該連鎖移動剤(モル)−2.5×10-4}モルとなる量で、水性媒体中の濃度が0.01〜0.05重量%となる量のけん化度85〜90%、粘度20〜110mPa・S(4%水溶液、20℃)の部分けん化ポリ酢酸ビニルからなる懸濁安定剤と、水性媒体中の濃度が0.1〜10重量%となる量のリン酸塩の存在下で懸濁重合することを特徴とする平均粒子径が400μm以上のメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法。
  3. りん酸塩がりん酸水素2ナトリウム、りん酸水素2カリウム、りん酸3ナトリウムおよびりん酸3カリウムからなる群れより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載または2記載のメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法。
  4. メタクリル酸メチル系重合体ビーズの重量平均分子量が8万〜40万で、Z平均分子量を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜50万である分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体ビーズであることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1つのメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法。
  5. 分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体が、その重合体のうち分子量30万以上のものの割合が、その重合体の還元粘度が0.7dl/g以下の時は、{〔14×該還元粘度値−6.8〕〜〔14×該還元粘度値+11.2〕}(重量%)であり、還元粘度が0.7以上の時は、{〔40×該還元粘度値−25〕〜〔40×還元粘度値−7〕}(重量%)であることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか1つのメタクリル酸メチル系重合体ビーズの製造法。
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