JPH06136177A - 微小な発泡性塩化ビニリデン系樹脂 - Google Patents

微小な発泡性塩化ビニリデン系樹脂

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JPH06136177A
JPH06136177A JP28410292A JP28410292A JPH06136177A JP H06136177 A JPH06136177 A JP H06136177A JP 28410292 A JP28410292 A JP 28410292A JP 28410292 A JP28410292 A JP 28410292A JP H06136177 A JPH06136177 A JP H06136177A
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JP
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vinylidene chloride
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chloride resin
foamable
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JP28410292A
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Ichiro Ibuki
一郎 伊吹
Hitoshi Natori
仁 名取
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セメント、モルタル、土、プラスチック、ゴ
ム、塗料、インク等に混合して使われる軽量、断熱、緩
衝及び増量用フィラーとして用いることができる微小な
発泡性塩化ビニリデン系樹脂を提供することを目的とし
た。 【構成】 平均粒径が10μm以上、300μm以下で
あり、揮発性発泡剤を均一に1〜40重量部含有してい
ることを特長とする微小な発泡性塩化ビニリデン系樹
脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】セメント、モルタル、土、プラス
チック、ゴム等に混合して使われる軽量用及び断熱用発
泡フィラーとしてまた、塗料、インク等に立体感を持た
せるための緩衝用及び断熱用の発泡フィラーとしてまた
各種材料の増量剤として利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来上記目的のためのフィラーとしては
熱可塑性樹脂によるマイクロカプセルや無機質のマイク
ロバルーンが使われている。しかしながら、従来品では
それぞれ以下の問題点がある。従来の熱可塑性樹脂によ
るマイクロカプセルは、揮発性液状発泡剤を熱可塑性樹
脂共重合体に内蔵した単細胞上の膨張性球状粒子を発泡
させた粒子であるため単一気泡(以下モノセルという)
の構造を持つ発泡体となる。これは、非常に高価なフィ
ラーであり、かつ上記膨張性球状粒子の粒径を広い範囲
で制御することができないため、発泡粒子の粒径を制御
するには発泡倍率の調整を行う方法しかなく、必要な粒
径と力学的強度のバランスをとるのが非常に困難であ
る。なお、この提案(特公昭42−26524号公報)
においては、熱可塑性共重合体の例の中に塩化ビニリデ
ンとアクリロニトリル又はブチルアクリレートとの共重
合体が含まれている。しかしながら、本発明の発泡粒子
とは粒子の構造、性能等においてまったく異質なもので
ある。また、一般的にモノセル構造の発泡粒子は、軽量
効果を発揮することはできるが、多泡質(以下、マルチ
セルと略す)の発泡粒子に比べ圧縮回復性に乏しく、局
部的な衝撃に対する緩衝性等の機械的強度は低い。ま
た、発泡時にモノセルが破泡しやすいため、十分発泡条
件を注意しなくてはならない。
【0003】上記以外に無機質のマイクロバルーン、例
えばガラスマイクロバルーン、シラスバルーン等が使用
されている。これは、熱可塑性樹脂のものと同様に、高
価なフィラーであり、素材そのものの比重が大きいた
め、満足いく軽量化にならない。発泡構造は、熱可塑性
樹脂のマイクロカプセル同様にモノセル構造であり、柔
軟性が低く、圧縮回復性に乏しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量、断
熱、緩衝及び増量用フィラーとして有用なマルチセルの
発泡粒子となる微小な発泡性塩化ビニリデン系樹脂を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニリデ
ン系樹脂の持つ優れた特性、例えばガスバリア性、機械
的強度、耐油性・耐薬品性を生かすことにより、揮発性
発泡剤を1〜40重量部含有させた実質的に非晶性の塩
化ビニリデン系樹脂からなり、それから得られる発泡体
の構造もマルチセルになる微小な発泡性塩化ビニリデン
系樹脂を完成することができた。
【0006】更に具体的には、揮発性発泡剤を1〜40
重量部含浸された実質的に非晶性の塩化ビニリデン系樹
脂からなり、平均粒径が10μm以上、300μm以下
のものであり、それから得られる発泡粒子の構造がマル
チセルであり、発泡粒子密度が10kg/m3 以上、5
00kg/m3 以下を示すようなものである。すなわ
ち、本発明は、平均粒径が10〜300μmであり、揮
発性発泡剤を均一に1〜40重量部含有していることを
特長とする微小な発泡性塩化ビニリデン系樹脂に関す
る。
【0007】本発明において、塩化ビニリデン系樹脂と
は、塩化ビニリデンが10重量%以上、85重量%以
下、塩化ビニリデンと共重合可能なモノマーが15重量
%以上、90重量%以下からなる実質的に非晶性の共重
合体のことである。塩化ビニリデンが10重量%未満で
あると、塩化ビニリデン系樹脂本来の特長である耐油
性、耐薬品性、機械的強度及びガスバリア性が低下す
る。85重量%を越えると塩化ビニリデン系樹脂は結晶
性となり発泡性が低下する。
【0008】共重合可能なモノマーとしては塩化ビニ
ル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチル
スチレン、およびアクリル酸メチルといったアクリル酸
エステル類、メタアクリル酸メチルといったメタアクリ
ル酸エステル類、N−フェニルマレイミドといったN−
置換マレイミド等が挙げられる。これらは単独、もしく
は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】また、塩化ビニリデン共重合体を架橋構造
にしてもよい。架橋構造を持たせると発泡粒子のマルチ
セルが安定になり、機械的強度は向上する。架橋剤とし
ては、ジビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、エチレングリコール系ジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコール系ジ(メタ)
アクリレート等を挙げることができる。
【0010】本発明において、平均粒径は10μm以
上、300μm以下が良好である。10μm未満である
と粉体の取扱が複雑になり、300μmを越えると、他
の成分と均一に混合することが難しくなる。従来技術の
特公昭63−33781号公報、特開昭63−1704
33号公報及び特開平4−85343号公報に記載の発
明により得られる発泡粒子もフィラーとして使えるが、
他の素材との均一混合性を考えると、本発明の平均粒径
範囲が適している。また、これら公報記載の含浸ビーズ
は基本的には発泡成形体用に考えられているため、他の
素材との混合性は考慮されていない。
【0011】本発明において、樹脂中の揮発性発泡剤含
有量(以下、含浸量と言う)は目的の発泡に適した量が
必要である。発泡時の温度により膨張能力は違うが、適
切な含浸量は当該樹脂粒子100部に対し、1〜40重
量部必要であるが、更に良好な含浸量は6〜40重量部
である。含浸量は、含浸した樹脂粒子(重量X0 )を1
80℃、15分、30〜50mmHgの減圧下で処理し
た樹脂粒子の重量X1を測定し、以下の式より算出する
ことができる。
【0012】 含浸量(重量部)=(X0 −X1 )/X1 ×100 揮発性発泡剤(以下、単に発泡剤と言う)としては、例
えばプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン等の脂肪
族炭化水素類、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン
等の塩素化炭化水素類、モノクロロジフルオロエタン、
トリフロロエタン、ジフロロエタン、ジクロロトリフロ
ロエタン、1,1−ジクロロ−1フロロエタン、2,2
−ジクロロ−1,1,1トリフロロエタン、1,1,
1,2−テトラフロロエタン、トリクロロモノフルオロ
メタン、ジクロロジフルオロメタン等の塩素化フッ素化
炭化水素類、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1−
トリフルオロエタン等のフッ素化炭化水素類およびこれ
らの混合物や、酸素、窒素、空気及び二酸化炭素等の無
機のガスが使用できる。次に本発明の微小な発泡性塩化
ビニリデン系樹脂の製法例を述べるが、これに限定され
るものでない。
【0013】塩化ビニリデン系樹脂の重合方法としては
公知の重合方法、例えば懸濁重合、乳化重合、溶液重
合、塊状重合、分散重合等の中から任意の方法を用いて
製造することができる。特に懸濁重合により得られた樹
脂は、重合安定剤の量の調整により粒径の調整が容易で
あり、また樹脂の分離も容易であるため非常に良好であ
る。
【0014】目的の粒径にするためには重合で調整する
方法と、あらかじめ得られた樹脂を粉砕により粒径を調
整する方法とがある。重合で調整する方法としては、懸
濁安定剤と界面張力を調整する界面活性剤の併用による
ものが一般的である。重合回転数は生成する樹脂の粒径
を目的のものにするため適宜決められる。ここで使用さ
れる懸濁安定剤、界面活性剤は一般的に市販されている
もので十分である。次に、粉砕による方法について述べ
る。あらかじめ重合により得られた塩化ビニリデン系樹
脂を粉砕機により粉砕する。目標の粒径は、粉砕機のス
クリーンの選択により自由にできる。粉砕機は一般に使
用されている微粉砕機を用いることができる。粉砕の際
には摩擦熱による塩化ビニリデン系樹脂の分解を避ける
ため、粉砕部は50℃以下もしくは30℃以下に冷却し
ながら粉砕する。粉砕で粒径を調整する方法は重合で得
る方法より簡便であり、製造コストも安い。以上のよう
に、従来品のマイクロカプセル、マイクロバルーンでは
自由に粒径を制御することは困難である点に比べ、本発
明は非常に有効な方法といえる。
【0015】発泡剤の含浸方法は、重合もしくは粉砕に
より得られた塩化ビニリデン系樹脂に、発泡剤をガス
状、液状で直接接触させることにより含浸する直接含浸
法や、当該樹脂のスラリー液に発泡剤を添加し、水中で
接触させることにより含浸させる水中懸濁含浸法等の含
浸法が使用できる。また、上記に示した重合方法により
得られた非晶性の塩化ビニリデン系樹脂をあらかじめ上
記方法で発泡剤を含浸させておき、その後粉砕させるこ
とによっても微小な発泡性塩化ビニリデン系樹脂を得る
ことができる。この製法を取る際には、粉砕時の系内温
度を低温にしておかなくてはならない。粉砕時の摩擦熱
による発泡と発泡剤の散逸を防止するため、粉砕機系内
の温度は低温である方が好ましいが、経済的な面より考
えると粉砕機系内を20℃以下もしくは0℃以下にする
ことが好ましい。また、液体窒素によりあらかじめ揮発
性発泡剤を含浸した塩化ビニリデン系樹脂を冷却した
後、0℃以下の低温で粉砕する方法も行うこともでき
る。この方法は50μm以下の粉砕粒子が容易に得られ
るので良好である。
【0016】本発明の微小な発泡性塩化ビニリデン系樹
脂は、水蒸気、熱風等の加熱媒体中で、例えば、80℃
以上、200℃以下の雰囲気温度下にさらすことにより
容易に発泡し、マルチセルの発泡構造を示す。これは、
発泡剤が当該樹脂に均一に含浸されているから、発泡粒
子の内部構造がマルチセルを示すのである。熱可塑性樹
脂のマイクロカプセルや無機質のマイクロバルーンとの
技術的な最大の相違点は本発明から得られる発泡粒子の
発泡構造がマルチセルになっている点である。この構造
であると発泡粒子にかかる力を分散することができ、一
般的にモノセルの構造よりも圧縮回復力や反発力に富
み、衝撃に対する緩衝性の良好な発泡粒子と言える。ま
た、目的に応じ、樹脂の粒径や発泡倍率を調整すること
により発泡粒子の粒径を自由に選択することができる。
【0017】加熱媒体は用途に応じて、使いやすい方法
を採用すればよいが、蒸気が安価であり、取扱いやす
い。発泡粒子の密度はJIS−K−6767に基づいて
測定でき、発泡倍率は基材樹脂密度を発泡体密度で除し
て求めることができる。本発明の微小な発泡性塩化ビニ
リデン系樹脂から得られた発泡粒子には異形の発泡粒子
も含まれている。発泡粒子が異形であっても発泡構造は
マルチセル構造となり、物性の低下はない。むしろ、球
形のものより異形の方が他の物質との混合の際に分離し
にくい効果がある。特に発泡粒子の密度が低いため、他
の物質と混合しやすいのは利点である。
【0018】以上述べたように本発明の微小な発泡性塩
化ビニリデン系樹脂は、モノマーの組み合わせにより樹
脂組成を自由に変えることができるため、樹脂自体のガ
ラス転移点を容易に調整することができる。従って、使
用する用途に応じて、耐熱性を調整することができる。
また、必要に応じて重合の段階に添加剤を入れることも
できる。添加剤として、例えばカーボンブラック、酸化
ケイ素等の無機物や可塑剤等の有機物を上げることがで
きる。また、化学的発泡をさせる目的であれば、この段
階でアゾ化合物、ニトロソ化合物等の熱により窒素等の
発泡ガスを出す化学発泡剤を添加することもできる。
【0019】塩化ビニリデン系樹脂はガスバリア性が良
好であるため、発泡剤の保持性が良好である。含浸後し
ばらく放置しても含浸量の低下は少なく、含浸した樹脂
粒子の取扱いが容易である。塩化ビニリデン系樹脂以外
の熱可塑性樹脂ではガスバリア性に劣るため、含浸取り
出し後、急激に発泡剤の散逸が起こり、発泡するに必要
な量を残留させるのは非常に難しく、安定した発泡倍率
の発泡粒子を得ることは困難である。本発明と同様な方
法で他の樹脂、特にポリスチレン系樹脂で行っても、樹
脂自体のガスバリア性が低いため、微小な粒子径では発
泡剤の散逸が著しく早いため、抑えることは困難であ
り、実質的に同様な方法は使えない。したがって、本発
明は塩化ビニリデン系樹脂を使うことにより達成するこ
とができる。
【0020】以上のように本発明は、発泡後、発泡粒子
内のセル中に熱伝導率の低いガスを長期間保持すること
ができるため、本発明の微小な発泡性塩化ビニリデン系
樹脂より得られる発泡粒子は断熱性能にも優れており、
他の材料との混合度合いにより容易に断熱性を付与する
こともできる。耐油性、耐薬品性に優れている点よりプ
ラスチック、ゴム、塗料、インク等に混合する際、適用
範囲が広がり、また使用する溶剤の選択幅も広がる。具
体的な例を上げると、不飽和ポリエステル中のスチレン
モノマーやウレタン塗料の希釈剤のシンナーに対しても
安定であり良好な混合物をつくることができる。
【0021】更に、樹脂中の塩化ビニリデンユニットは
難燃性を示すため、本発明から得られる発泡粒子を他の
材料に混合することによりその材料の燃焼性を改良する
こともできる。以上の利点より産業上の利用分野は広
く、大きく分けて、軽量用フィラー、断熱用フィラー、
緩衝用フィラー及び増量用フィラーとしての各フィラー
等に区分できる。具体的に述べると土木用途の軽量材と
しては本発明の発泡粒子をセメントに混合し、押し出し
板やプレキャスト板の軽量化を図るのに有効的である。
更に不飽和ポリエステル、エポキシ系等の熱硬化性プラ
スチック、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、ウレタンゴ
ム、合成ゴム等のゴムやエラストマーの軽量材としても
有効であり、更にそれぞれの複合材料の断熱性能を改良
することができる。緩衝性用フィラーとしては塗料に混
合し、耐チッピング用塗料や車のアンダーコーティング
用塗料等に使用できる。また、インク、壁紙、パテ、接
着剤と混合した補修用発泡体、爆薬の増感剤等用途にも
適用できるが、以上述べた用途に限定されるものでな
い。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、これらの例により限定されるものでない。な
お、実施例中の部は重量部を表す。
【0023】
【実施例1】イオン交換水200部に、懸濁剤としてヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース0.4部、重合開始
剤としてラウリルパーオキサイドを0.8部を攪拌付き
の反応容器内に仕込み、窒素置換後次に塩化ビニリデン
50部、アクリロニトリル20部、スチレン30部、架
橋剤としてジビニルベンゼン0.05部の混合物を添加
し、攪拌を開始する。60℃に昇温し、重合を開始す
る。24時間反応させた後、生成樹脂を濾別、水洗後乾
燥させた。重合率は99%であった。また、得られた樹
脂は150〜450μmの範囲の粒子径で、平均粒径は
380μmであった。
【0024】次に得られた粒子を粉砕機により微粉砕す
る。粉砕機は高速回転するローターとの衝撃により粉砕
する構造のものを用い、粉砕時の温度が10℃になるよ
うに温調する。粉砕された粒子の粒子径は表1に示した
よう平均粒径170μmになった。粉砕粒子の写真を図
1に示す。この粉砕粒子を含浸用粒子として用いる。次
に粉砕粒子100部オートクレーブに仕込み、窒素置換
後、発泡剤としてトリクロロフロロメタンとジクロロジ
フロロメタンの混合比率が1/1の発泡剤300部を添
加した。攪拌を開始させ、60℃に昇温し、10時間含
浸させる。冷却後、取り出しする。取り出した含浸粒子
を1日室温下に放置した後、含浸前と後の重量より含浸
量を測定する。結果を表1に示す。
【0025】次に約120℃の蒸気により発泡させた。
各々の結果を表1に示す。良好な発泡を示した。平均粒
径430μmの発泡粒子の写真を図2に、また断面写真
を図3に示す。写真より発泡粒子はマルチセルで構成さ
れていることがわかった。
【0026】
【実施例2】実施例1で得られた重合粒子を100部を
をオートクレーブに仕込み、窒素置換後、発泡剤として
トリクロロフロロメタンとジクロロジフロロメタンの混
合比率が1/1の発泡剤300部を添加した。攪拌を開
始させ、60℃に昇温し、10時間含浸させる。冷却
後、取り出した含浸粒子を脱水し、得られた含浸粒子を
1日室温下で風乾した後、含浸量を測定した。結果を表
1に示す。
【0027】次にこの発泡剤を含浸した樹脂を実施例1
と同じ粉砕機により粉砕する。あらかじめ液体窒素によ
り、含浸させた重合粒子を−50℃以下まで冷却させ
る。粉砕機全体も−50℃以下に温度調節させておく。
この状態であらかじめ冷却した発泡剤を含浸した樹脂を
添加し、粉砕を行う。粉砕により得られた粒子は110
μmであり、含浸量は8部であった。
【0028】次に約120℃の蒸気により発泡させた。
結果を表1に示す。良好な発泡を示した。発泡粒子の断
面写真を図4に示した。発泡粒子はマルチセルで構成さ
れていることがわかった。
【0029】
【実施例3】塩化ビニリデン70部、メチルメタアクリ
レート30部、ジビニルベンゼン0.06部を用い実施
例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0030】
【実施例4】塩化ビニリデン30部、アクリロニトリル
35部、スチレン35部、ジビニルベンゼン0.06部
を用い実施例2と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0031】
【実施例5】塩化ビニリデン60部、メチルメタアクリ
レート20部、t−ブチルメタアクリレート20部を用
い実施例1と同様に実施した。各結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明は粒子径が10〜300μmの粒
子サイズを持ち、発泡させることにより多泡質の発泡構
造を示す微小な発泡性塩化ビニリデン系樹脂であり、断
熱性、緩衝性、軽量性及び増量剤としてセメント、モル
タル、土、プラスチック、ゴム、塗料、インク等のフィ
ラーとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の粉砕粒子の写真。
【図2】実施例1の発泡粒子の写真。
【図3】実施例1の発泡粒子の断面写真。
【図4】実施例2の発泡粒子の断面写真。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が10μm以上、300μm以下
    であり、揮発性発泡剤を均一に1〜40重量部含有して
    いることを特長とする微小な発泡性塩化ビニリデン系樹
    脂。
JP28410292A 1992-10-22 1992-10-22 微小な発泡性塩化ビニリデン系樹脂 Withdrawn JPH06136177A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110128066A (zh) * 2019-05-30 2019-08-16 东南大学 一种用于深层地基处理的轻质水泥土及其制备方法

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