JP2004052423A - 光触媒機能建材とその製造方法 - Google Patents

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足立 有弘
Masaki Kobayashi
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Abstract

【課題】光触媒機能材料を含む塗料を塗布する方法において、光触媒機能材料が塗膜に埋もれたり、被覆されることが防がれ、光触媒機能による抗菌、防汚、有機物分解等の特性が高められた光触媒機能建材とその製造方法を提供する。
【解決手段】建材の表層に、光触媒機能材料(2)、加熱により発泡する材料、および無機−有機複合バインダーよりなるバインダー成分(3)を含む塗料を塗布して加熱乾燥し、加熱により発泡する材料を発泡させて塗膜(1)を多孔質構造とすることで、光触媒機能材料を表面に露出させて光触媒機能建材を製造する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、光触媒機能建材とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、光触媒機能による抗菌、防汚、有機物分解等の特性が高められた光触媒機能建材とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、表面処理によって光触媒機能が付与された無機質板、木質板等のボード、シート、タイル、鏡、ガラス等の、数多くの光触媒機能建材が提供されている。これらの建材への光触媒機能の付与の方法としては、たとえば、光触媒機能材料を分散させた塗料を建材に塗布したり、光触媒機能ゾルを建材に塗布した後焼成したり、スパッタリングにより光触媒機能材料を建材表面に形成したりする方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光触媒機能材料を分散させた塗料を塗布する方法は、建材に対しては汎用的で簡便な方法であるものの、たとえば図2に示したように、光触媒機能材料(2)が塗膜(1)内部に埋もれてしまったり、また塗膜(1)のバインダー成分(3)で被覆されてしまうために、配合量に比較して光触媒機能材料(2)が十分に機能していないという問題があった。残りの光触媒機能ゾルを塗布して高温で焼成する方法やスパッタリングによる方法においては、光触媒機能材料を多分に機能させることができるものの、前者の方法では、建材そのものに600℃以上もの耐熱性が必要とされ、またこの焼成プロセスが煩雑で時間を要するという問題があった。また、後者の方法では高価で特殊な装置を必要とし、真空雰囲気でのバッチ処理であるために大型の建材に対しては汎用的な処理方法ではないという問題があった。
【0004】
そこで、この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、光触媒機能材料を含む塗料を塗布する方法によって、光触媒材料が塗膜に埋もれたり、被覆されることが防がれ、光触媒機能による抗菌、防汚、有機物分解等の特性が高められた光触媒機能建材とその製造方法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発明を提供する。
【0006】
すなわち、この出願の発明は、まず第1には、表層が光触媒機能材料と無機−有機複合バインダーを含む塗膜で構成された建材であって、この塗膜の表面部において塗膜のバインダー成分が分解されて、光触媒機能材料が表面に露出されていることを特徴とする光触媒機能建材を提供する。
【0007】
また、この出願の発明は、第2には、表層が光触媒機能材料と無機−有機複合バインダーを含む塗膜で構成された建材であって、この塗膜が多孔質構造とされていることにより、光触媒機能材料が表面に露出されていることを特徴とする光触媒機能建材を、第3には、その塗膜の表面の多孔質構造部において有機バインダー成分が分解されて、光触媒機能材料が表面に露出されていることを特徴とする光触媒機能建材を提供する。
【0008】
そしてこの出願の発明は、第4には、建材の表層に、光触媒機能材料および無機−有機複合バインダーを含む塗料を塗布し、バインダー成分を分解して光触媒機能材料を表面に露出させることを特徴とする光触媒機能建材の製造方法を、そして第5には、前記の方法において、紫外線あるいはOプラズマを照射することでバインダー成分を分解して光触媒機能材料を表面に露出させることを特徴とする光触媒機能建材の製造方法を提供する。
【0009】
さらにこの出願の発明は、第6には、建材の表層に、光触媒機能材料、加熱により発泡する材料、および無機−有機複合バインダーを含む塗料を塗布して加熱乾燥し、加熱により発泡する材料を発泡させて塗膜を多孔質構造とすることで、光触媒機能材料を表面に露出させることを特徴とする光触媒機能建材の製造方法を、そしてこの方法において、第7には、加熱により発泡する材料が、100〜150℃の温度で発泡するマイクロバルーンまたは発泡剤であることを特徴とする光触媒機能建材の製造方法を、第8には、加熱後に、紫外線を照射することで有機バインダー成分を分解することを特徴とする光触媒機能建材の製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
この出願の発明が提供する光触媒機能建材は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について、その製造方法とともに説明する。
【0011】
この出願の発明の光触媒機能建材の製造方法は、建材の表層に、光触媒機能材料および無機−有機複合バインダーを含む塗料を塗布し、バインダー成分を分解して光触媒機能材料を表面に露出させることを特徴としている。
【0012】
この出願の発明において、建材としては、その材質および形状等に制限はなく、たとえば、木質系材料、樹脂系材料、無機系材料、磁器、ガラス等の材質からなるのものや、バルク状のものからシート状、さらには複雑な表面形状を有するものなど、各種の建材を対象とすることができる。中でも、たとえば、具体的には、ロックウールボード、珪酸カルシウム板、繊維セメント板、繊維スラグ板、繊維石膏板、木片セメント板、木毛セメント板、磁器タイル等の無機系材料を基材とする場合には、光触媒作用により建材が劣化することがないために好ましい。
【0013】
光触媒機能材料としては、アナターゼ型またはルチル型の酸化チタンを用いることが好ましい例として示される。この光触媒機能材料の粒径は特に制限されないが、1次粒径で10〜50nmのものを用いることが好ましい。また、光触媒機能材料の活性を向上させる目的で、この酸化チタンにPt,Pd,Ru,Rh等の貴金属を担持させることなども考慮できる。また、この光触媒機能建材を内装あるいは外装用の建材とする場合には、光触媒機能材料は、可視域で光触媒活性を示すものを用いることが望ましい。このような光触媒機能材料は、たとえば、粉体、ゾル状体等として、塗料に固形分重量で30%以上80%以下程度の割合で配合することが好ましい。光触媒機能材料の配合の割合が30%以上であれば、その量が多いほど光触媒機能が高く発現されるものの、80%を超えるほど多すぎる場合にはバインダーが少なくなって塗膜強度が十分に得られなくなるために好ましくない。
【0014】
そしてこの出願の発明において特徴的なことは、塗料のバインダー成分として、無機−有機複合バインダーを用いるようにしている。この無機−有機複合バインダーとしては、たとえば、具体的には、アクリル樹脂にシリコン化合物を共重合させたアクリルシリコン樹脂や、アルコキシシリケート系化合物を加水分解および重縮合させたものを用いることが好適な例として示される。より具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性テトラアルコキシシラン等や、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン等の3官能性アルコキシシラン等を用いることが例示される。これらは1種のものを単独で用いてもよいし、2種以上のものを混合して用いるなどしてもよい。また、水ガラス、リチウムシリケート、コロイダルシリカ等を添加して用いてもよいし、分散性、安定性の向上や着色のために、顔料や分散剤等を添加してもよい。
【0015】
そして建材の表面に、この光触媒機能材料と無機−有機複合バインダーを含む塗料を塗布するようにしている。塗料の塗布方法については特に制限はなく、建材の大きさや形状等に応じて、スプレー法、フローコーター法、ディッピング法等の各種の方法を利用することができる。また、建材が木質材料やシート材等の光触媒機能材料により劣化する可能性のある材料の場合には、下塗り塗料や光触媒機能材料を含まない塗料を塗布した後に、上記の塗料を塗布すること等が考慮される。
【0016】
次いで、バインダー成分を分解して光触媒機能材料を表面に露出させる。バインダー成分の分解の手段としては、たとえば、塗膜の表面に紫外線を照射してバインダーの有機バインダー成分を分解したり、あるいはOプラズマを照射してエッチングすることにより塗膜表面部のバインダー成分を分解することなどが例示される。紫外線の照射には、たとえば、ブラックライトや水銀灯等の紫外光を利用することや、コロナ放電やアーク放電下に発生する紫外光を利用すること等が例示される。このようなバインダー成分の分解は、光触媒機能材料が塗膜表面に2.5%以上、さらには3%以上、より好ましくは10%以上露出するように行なうことが望ましい。
【0017】
これにより、たとえば図1(a)に例示したように、表面部においてバインダー成分(3)が分解されて光触媒機能材料(2)が表面に露出された塗膜(1)を有する光触媒機能建材が提供される。
【0018】
また、この出願の発明が提供する光触媒機能建材の製造方法は、建材の表層に、光触媒機能材料、加熱により発泡する材料、および無機−有機複合バインダーを含む塗膜を塗布して加熱乾燥し、加熱により発泡する材料を発泡させて塗膜を多孔質構造とすることで、光触媒機能材料を表面に露出させることを特徴としている。
【0019】
ここで、建材、光触媒機能材料、および無機−有機複合バインダーについては、上記と同様のものを用いることができる。また、光触媒機能材料の配合量も、上記と同様にすることができる。
【0020】
加熱により発泡する材料としては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン化合物等の発泡剤として一般に知られている各種の材料や、加熱により発泡するマイクロバルーン等を用いることが考慮される。そしてこの出願の発明においては、加熱により発泡する材料として、熱可塑性樹脂からなるバルーン内に揮発性膨張剤を内包したマイクロバルーンを用いることが好適な例として示される。このマイクロバルーンとしては、たとえば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸およびメタクリル酸、あるいはこれらのエステル樹脂等の熱可塑性樹脂からなるバルーン内に、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、ブテン、ヘキサン等の揮発性膨張材を内包したものが例示される。このような加熱により発泡し得る材料は、80〜150℃、より限定的には100〜150℃の温度範囲で発泡するように制御されていることが好ましい。そして、塗料中に、0.1〜5重量%程度配合することが適当である。
【0021】
以上のような光触媒機能材料、加熱により発泡する材料、および無機−有機複合バインダーを含む塗料を建材の表層に塗布し、加熱乾燥することで加熱により発泡する材料を発泡させて、塗膜を多孔質構造とする。加熱の温度は、発泡材料が発泡する温度以上であれば特に制限されないが、目安としては、塗膜の表面温度が80℃以上、より効率的には100℃以上で、許容されれば100〜150℃程度の温度範囲とすることが好ましい。
【0022】
これにより、たとえば図1(b)に例示したように、塗膜(1)が多孔質構造とされていることにより、光触媒機能材料(2)が表面に露出されている光触媒機能建材が提供される。
【0023】
また、この出願の発明の方法においては、加熱後に、紫外線を照射することで、バインダー成分(3)を構成する有機バインダー成分を分解することも考慮することができる。この紫外線の照射により、光触媒機能材料(2)の表面に存在している多孔質構造の塗膜(1)のバインダー成分(3)を構成する有機バインダー成分を分解することができ、たとえば図1(c)に例示したように、塗膜の表面の多孔質構造部においてバインダー成分(3)を構成する有機バインダー成分が分解されて、光触媒機能材料(2)が表面により多く露出されている光触媒機能建材が提供される。
【0024】
以上のとおりのこの出願の発明の方法で得られる光触媒機能建材は、表層が光触媒機能材料(2)と無機−有機複合バインダーよりなるバインダー成分(3)を含む塗膜(1)で構成された建材であって、この塗膜(1)の表面部において塗膜のバインダー成分(3)が分解されたり、あるいは塗膜(1)が多孔質構造とされていることにより、光触媒機能材料(2)が表面に露出されていることを特徴としている。
【0025】
したがって、光触媒機能材料(2)の有する光触媒機能が妨げられることなく十分に発揮され、光触媒機能による抗菌、防汚、有機物分解等の特性が高められた光触媒機能建材が実現される。
【0026】
光触媒機能材料を含む塗膜(1)のバインダー成分(3)としては、一般的には、シリカ系無機バインダーが用いられている。しかしながら、この出願の発明においては、全体としてシリカ系無機バインダーのみを用いるのでは塗膜(1)がもろくなり十分な耐久性が得られにくいため、無機−有機複合バインダーよりなるバインダー成分(3)を用いるようにしている。バインダー成分(3)として無機バインダー成分に有機バインダー成分が含まれることで、塗膜(1)に耐久性および柔軟性が付与されることになる。
【0027】
そして、塗膜(1)の表面部において光触媒機能材料(2)を露出させるために、バインダー成分(3)を構成する無機−有機複合バインダーあるいは有機バインダー成分のみが分解除去されたり、多孔質構造にされている。このバインダー成分(3)の除去には、加熱により発泡する材料の使用やスパッタによる手段だけではなく、光触媒機能材料(2)による無機−有機複合バインダー成分の分解作用を有効に利用することで、光触媒機能材料(2)がより効率的に表面に露出されることになる。すなわち、光触媒機能材料(2)の表面において光触媒機能の妨げとなるバインダー成分(3)が選択的に分解除去されるのである。これによって、単に塗膜(1)が多孔質構造とされている場合よりも、光触媒機能材料(2)の光触媒機能が高められることになる。
【0028】
なお、この出願の発明の光触媒機能材料においては、塗膜(1)の表面部において、バインダー成分(3)を構成する有機バインダー成分が分解された場合であっても、無機バインダー成分は分解されることがないため、光触媒機能材料(2)の表面露出割合が増大されるとともに、光触媒機能材料(2)をしっかりと塗膜(1)に結着させておくことができる。
【0029】
以下に実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0030】
【実施例】
(実施例1) 酸化チタンとして石原産業(株)製:ST21を20重量部、クラリアントポリマー(株)製:モビニール7200とコロイダルシリカからなる無機−有機複合バインダーを40重量部、マイクロバルーンとして松本油脂製薬(株)製:F50を1重量部、残部分散剤、体質顔料、水からなる塗料を調製し、ロックウール吸音板に塗布した後、120℃で加熱乾燥して建材1を得た。この建材1は、加熱乾燥時にマイクロバルーンが発泡して塗膜表面部に多数の孔が形成されているのが確認された。
(実施例2) 酸化チタンとして石原産業(株)製:ST21を50重量部、無機−有機複合バインダーとしてテトラエトキシシラン20%を加水分解させたメタノール水溶液を40重量部、発泡剤として永和化成工業(株)製:FE788を1重量部、残部分散剤、体質顔料からなる塗料を調製し、珪酸カルシウム板に塗布した後、150℃で加熱乾燥して建材2を得た。この建材2も、加熱乾燥時に発泡剤が発泡し、詳細に観察すると塗膜表面部に多数の孔が形成されているのが確認された。
(実施例3) 実施例1と同様の建材に、高圧水銀灯((株)オーク製作所製:W−300)により10mmの距離からUV線を30分間照射して建材3を得た。この建材3は、外観は目視では建材1とほぼ変わらないものであった。
(実施例4) 実施例2と同様の建材に、高圧水銀灯((株)オーク製作所製:W−300)により10mmの距離からUV線を30分間照射して建材4を得た。この建材4は、外観は目視では建材2とほぼ変わらないものであった。
(比較例) 松下電工(株)製の酸化チタンを含む光触媒無機系コーティング材:フレッセラPを酸化チタンの割合が20重量部となるように調製してガラス板に塗布した後、加熱乾燥して建材5を得た。この建材5は、酸化チタン粒子が含まれているものの、見た目では塗膜表面は滑らかであった。
【0031】
これらの建材1〜5について、表面に露出している酸化チタンの割合を調べるために、塗膜表面部の元素分析を行なった。元素分析は、Mg−Kα線によるX線光電子分光分析(ESCA)により、Ti量(%)を測定することで酸化チタンの割合を算出するようにした。
【0032】
また、光照射時の建材1〜5の有機ガス分解能を調べた。有機ガス分解能の評価には、一定の大きさの建材を容量3Lのテトラバックに入れて100ppmのアセトアルデヒドガスを1.8L封入し、建材に5000lixの蛍光灯を照射して、アセトアルデヒドの濃度変化を調べる方法で行なった。アセトアルデヒドの濃度は、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィー:FID(水素炎イオン化検出器)付きGC−14Aを用いて測定した。有機ガス分解能は、濃度変化を対数近似したときの指数(傾き、1/h)により評価した。
【0033】
これらの結果を、表1に示した。
【0034】
【表1】
Figure 2004052423
【0035】
建材1は建材5と同量の酸化チタンを含む塗料が塗布されているが、塗膜表面に孔が形成されることで酸化チタンの露出割合が増加しており、有機ガス分解能が大幅に向上されていることが確認された。
【0036】
建材3は、UV照射することで塗膜表面の有機バインダーが分解され、建材1よりも酸化チタンの露出割合、有機ガス分解能共に優れていることが示された。
【0037】
建材2は、建材1よりも酸化チタンを多く含む塗料が塗布されており、酸化チタンの露出割合、有機ガス分解能共に、建材1よりもやや高い値である。しかしながら、建材4は、建材2にUV照射することで塗膜表面の有機バインダーが効果的に分解され、建材2よりも酸化チタンの露出割合、有機ガス分解能ともに著しく高い値を示し、最も光触媒機能に優れた建材であることが示された。
【0038】
もちろん、この発明は上記に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この発明によって、光触媒機能による抗菌、防汚、有機物分解等の特性が高められた光触媒機能建材とその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の光触媒機能建材を模式的に例示した断面図である。
【図2】従来の光触媒機能建材を模式的に例示した断面図である。
【符号の説明】
1 塗膜
2 光触媒機能材料
3 バインダー成分

Claims (8)

  1. 表層が光触媒機能材料と無機−有機複合バインダーを含む塗膜で構成された建材であって、この塗膜の表面部において塗膜のバインダー成分が分解されて、光触媒機能材料が表面に露出されていることを特徴とする光触媒機能建材。
  2. 表層が光触媒機能材料と無機−有機複合バインダーを含む塗膜で構成された建材であって、この塗膜が多孔質構造とされていることにより、光触媒機能材料が表面に露出されていることを特徴とする光触媒機能建材。
  3. 塗膜の表面の多孔質構造部において有機バインダー成分が分解されて、光触媒機能材料が表面に露出されていることを特徴とする請求項2記載の光触媒機能建材。
  4. 建材の表層に、光触媒機能材料および無機−有機複合バインダーを含む塗料を塗布し、バインダー成分を分解して光触媒機能材料を表面に露出させることを特徴とする光触媒機能建材の製造方法。
  5. 紫外線あるいはOプラズマを照射することでバインダー成分を分解して光触媒機能材料を表面に露出させることを特徴とする請求項4記載の光触媒機能建材の製造方法。
  6. 建材の表層に、光触媒機能材料、加熱により発泡する材料、および無機−有機複合バインダーを含む塗料を塗布して加熱乾燥し、加熱により発泡する材料を発泡させて塗膜を多孔質構造とすることで、光触媒機能材料を表面に露出させることを特徴とする光触媒機能建材の製造方法。
  7. 加熱により発泡する材料が、100〜150℃の温度で発泡するマイクロバルーンまたは発泡剤であることを特徴とする請求項6記載の光触媒機能建材の製造方法。
  8. 加熱後に、紫外線を照射することで有機バインダー成分を分解することを特徴とする請求項6または7記載の光触媒機能建材の製造方法。
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