JPH0527371U - 自動間隙調整装置付ブレーキシリンダ - Google Patents

自動間隙調整装置付ブレーキシリンダ

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JPH0527371U
JPH0527371U JP8373191U JP8373191U JPH0527371U JP H0527371 U JPH0527371 U JP H0527371U JP 8373191 U JP8373191 U JP 8373191U JP 8373191 U JP8373191 U JP 8373191U JP H0527371 U JPH0527371 U JP H0527371U
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俊昭 松永
武美 真仁田
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埼玉機器株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ラチェットピン17が破損したり、或は摩耗し
たりするのを防止する。 【構成】ラチェットピン17はピストン本体2の長孔1
5に、回転不能な状態で遊合している。主シリンダ1の
内周面に突設したガイドピン30を、ピストン本体2の
側面に形成したガイド溝28に遊合させている。ガイド
溝28とガイドピン30との間の隙間を、ラチェットピ
ン17と長孔15との間の隙間よりも小さくしている。
これにより、ラチェットピン17と長孔15とが強く擦
れ合う事を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係る自動間隙調整装置付ブレーキシリンダは、例えばドラムブレー キを構成する背板に組み付けて、自動車の制動装置を構成すると共に、ブレーキ シューのライニングが摩耗して、このライニングとドラム内周面との間の隙間が 大きくなる傾向となった場合には、このブレーキシューを上記ドラム内周面に向 けて移動させ、上記隙間が大きくなり過ぎるのを防止するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車の制動を行なう為のドラムブレーキの場合、車輪の内側に設けた 背板に1対のブレーキシューを、半径方向に亙る変位を自在として組み付けると 共に、やはり上記背板にブレーキシリンダを固定する事で構成される。制動時に は、上記ブレーキシリンダへの圧油の供給により、上記1対のブレーキシューを 半径方向外方に押し広げ、各ブレーキシューに設けたライニングの外周面を、車 輪と共に回転するドラムの内周面に強く押し付け、両面間に働く摩擦力によって 制動力を得る。
【0003】 ところで、制動の繰り返しに伴なってブレーキシューのライニングが摩耗し、 このライニングの外周面とブレーキドラムの内周面との間の隙間が増大した場合 、これをそのまま放置すると、上記ライニングの外周面とドラムの内周面とが摩 擦し合う迄に要する、上記ブレーキシューの変位量が多くなる。この結果、制動 時に要するブレーキペダルの踏み込み量が多くなり、制動時の間隔が悪くなるば かりか、著しい場合には十分な制動を行なえなくなる。
【0004】 この様な不都合を解消する為に従来から、ブレーキシューのライニングが摩耗 して、このライニングとドラム内周面との間の隙間が大きくなる傾向となった場 合には、このブレーキシューを上記ドラム内周面に向けて移動させ、上記隙間が 大きくなり過ぎるのを防止する、自動間隙調整装置(所謂オートスラックアジャ スタ)付のブレーキシリンダが、従来から広く使用されている。
【0005】 図3〜4は、上述の様な目的で従来から使用されている、自動間隙調整装置付 ブレーキシリンダの1例を示している。1は主シリンダで、両端が開口した筒状 に形成されている。この主シリンダ1は、1対のブレーキシュー(図示せず)の 端部同士の間に位置させて、背板に固定される。
【0006】 上記主シリンダ1内には1対のピストン本体2を、この主シリンダ1の両端開 口部から挿入している。各ピストン本体2の内端部(主シリンダ1の中央寄り端 部)外周面にはパッキング3を装着し、上記主シリンダ1の内周面と各ピストン 本体2の外周面との間の油密保持を図っている。又、各ピストン本体2は有底円 筒状に形成して、内側に有底の円孔5を設けると共に、この円孔5の開口部を、 上記主シリンダ1の外側に向けている。
【0007】 又、上記主シリンダ1の中央部には給油口4を設けて、この主シリンダ1内に 圧油を送り込み自在としている。即ち、この給油口4から上記主シリンダ1内に 圧油を送り込む事で、上記1対のピストン本体2を、上記主シリンダ1から押し 出し自在としている。
【0008】 上記各ピストン本体2の円孔5の内側には、調整筒6を、それぞれ回転自在に 装着している。各調整筒6の内周面には、それぞれ雌螺子7を形成しており、こ の雌螺子7に、調整ボルト8を螺合させている。各調整ボルト8の先端部は、上 記調整筒6の外端部から突出させており、この先端面に形成した係合凹部9に、 ブレーキシューを構成するウェブ(図示せず)の端縁を係合させる。この様に、 係合凹部9にウェブの端縁を係合させる事で、上記調整ボルト8は回転不能とさ れる。
【0009】 上記調整筒6の外周面にはスリーブ10が、この調整筒6の軸方向(図3の左 右方向)に亙る変位のみ自在として、外嵌されている。即ち、上記スリーブ10 の一端部(図3の右端部)内周縁には係合突起11を形成し、この係合突起11 を、上記調整筒6の外周面に軸方向に亙り設けた係合溝12に係合させている。 そして、上記スリーブ10の外周面に第一ラチェット歯13を、円周方向に亙っ て設けている。そしてこの第一ラチェット歯13を、軸方向に対し傾斜させてい る。又、上記調整筒6の外端部外周縁に形成した鍔部22と上記スリーブ10の 外端縁との間には圧縮ばね14を設けて、上記スリーブ10に、内方に向かう弾 力を付与している。
【0010】 一方、前記ピストン本体2の側面で、上記第一ラチェット歯13と整合する位 置には、軸方向に長い長孔15を設けている。又、前記主シリンダ1の一部で、 この長孔15と整合する部分には、この主シリンダ1の半径方向(図3の上下方 向)に亙って、ガイド孔16を設けている。このガイド孔16内にはラチェット ピン17を、スリーブ18を介して、上記主シリンダ1の半径方向に亙る変位自 在に嵌装すると共に、このラチェットピン17の先端部(図3の下端部)を、上 記長孔15に遊合させている。
【0011】 上記ラチェットピン17の先端面には、上記第一ラチェット歯13と噛合自在 な第二ラチェット歯19を形成している。更に、上記ガイド孔16の外端開口部 を塞いだ蓋体20と上記ラチェットピン17との間には圧縮ばね21を設けて、 このラチェットピン17の先端面を上記第一ラチェット歯13に向け押圧してい る。
【0012】 そして、上記第一、第二両ラチェット歯13、19の傾斜方向、並びに上記調 整筒6の内周面に形成した雌螺子7及びこの雌螺子7と螺合した調整ボルト8の 螺子方向を適正に定める事で、前記ライニングの外周面とドラムの内周面との間 の隙間を調整自在としている。
【0013】 即ち、前記給油口4を通じて前記主シリンダ1内に圧油を給排する事で、前記 ピストン本体2を、上記主シリンダ1から突出する方向に移動させた場合には、 前記第一、第二両ラチェット歯13、19の傾斜面同士が摺動する事で、両ラチ ェット歯13、19が噛合する事はないが、制動解除に伴なって前記1対のブレ ーキシューの間隔が、リターンスプリングの弾力により縮まり、上記ピストン本 体2が主シリンダ1内に押し込まれた場合には、上記両ラチェット歯13、19 同士が互いに噛合する様に、上記両ラチェット歯13、19の傾斜方向を定めて いる。
【0014】 又、上記第一ラチェット歯13の軸方向に対する傾斜方向は、制動解除に伴な って上記第一、第二両ラチェット歯13、19同士が互いに係合し、上記調整筒 6が回転した場合に、この調整筒6内周面の雌螺子7と前記調整ボルト8との螺 合に基づき、上記調整筒6からの上記調整ボルト8の突出量が増大する様に定め ている。
【0015】 上述の様に構成される自動間隙調整装置付ブレーキシリンダの場合、制動を行 なう際には、主シリンダ1の中央部に設けた給油口4より、この主シリンダ1内 に圧油を送り込む。この結果、主シリンダ1内に嵌装された1対のピストン本体 2の間隔が広がり、各ピストン本体2が主シリンダ1から押し出される。各ピス トン本体2に、調整筒6を介して支持された調整ボルト8の先端は、前述の様に 1対のブレーキシューのウェブに突き当てられている為、上記ピストン本体2の 押し出しに伴なって上記1対のブレーキシューの間隔が広がり、各ブレーキシュ ーのライニングの外周面がドラムの内周面に強く押し付けられて、制動が行なわ れる。
【0016】 上記1対のブレーキシューのライニングの摩耗が少なく、このライニングの外 周面とドラムの内周面との間隔が狭い場合には、制動時に於けるピストン本体2 の移動量が少なく、上記第一、第二両ラチェット歯13、19同士は、同じ歯同 士が当接したままとなる。即ち、外周面にスリーブ10を介して第一ラチェット 歯13を設けた調整筒6がピストン本体2と共に変位しても、その変位量が僅か である為、主シリンダ1の軸方向へは変位しないラチェットピン17先端面の第 二ラチェット歯19が、上記第一ラチェット歯13の山(歯)を越える事はない 。この為、制動解除に伴なって上記ピストン本体2が主シリンダ1内に押し込ま れても、スリーブ10及び調整筒6が回転する事はなく、前記調整ボルト8の突 出量は、制動以前の状態のままに保たれる。
【0017】 制動の繰り返しに伴なって前記ライニングが摩耗し、このライニングの外周面 とドラムの内周面との間隔が広くなると、制動時に於けるピストン本体2の移動 量が多くなり、外周面にスリーブ10を介して第一ラチェット歯13を設けた調 整筒6が制動に伴なってピストン本体2と共に変位するのに伴ない、主シリンダ 1の軸方向へは変位しないラチェットピン17先端面の第二ラチェット歯19が 、上記第一ラチェット歯13の山(歯)を越える。
【0018】 この為、制動解除に伴なって上記ピストン本体2が主シリンダ1内に押し込ま れると、上記第二ラチェット歯19がそれ迄(制動以前)噛合していた山とは異 なる山と噛合する。この結果、制動解除に伴なってピストン本体2が主シリンダ 1内に押し込まれると、スリーブ10及び調整筒6が回転する。調整筒6が回転 する結果、前記調整ボルト8の突出量は、制動以前の状態よりも増し、各ブレー キシューのライニングの外周面とドラムの内周面との間の隙間が小さくなる。
【0019】 尚、図3〜4に示した構造の場合、調整筒6の外周面に直接第一ラチェット歯 13を形成せず、この調整筒6に対し軸方向に亙る変位のみ自在として外嵌した スリーブ10の外周面に、上記第一ラチェット歯13を形成すると共に、このス リーブ10を圧縮ばね14によりピストン本体2の内端に向けて押圧している。 そして、この圧縮ばね14の弾力を、前記1対のブレーキシューを非制動時の状 態に戻す為のリターンスプリングの弾力よりも少し弱くしている。
【0020】 従って、前記ライニングの外周面とドラムの内周面との間の隙間が広がった状 態で制動を行なった後に於いては、上記スリーブ10が(リターンスプリングの 弾力によって)一度圧縮ばね14の弾力に抗してピストン本体2の外端部に向け て移動する。そして、上記リターンスプリングの弾力により、各ブレーキシュー が元の位置に戻ってから、上記スリーブ10が上記圧縮ばね14の弾力によりピ ストン本体2の内端部に向けて移動しつつ、前記調整筒6を回転させ、上記調整 ボルト8の突出量を増大させる。
【0021】 但し、調整筒6の外周面に直接第一ラチェット歯13を形成しても、リターン スプリングによるピストン本体2の押し込みと同時に上記調整筒6が回転させら れる以外、同様にして、前記ライニングの外周面とドラムの内周面との間の隙間 調整を行なえる。
【0022】 ところで、図5に示す様に、上述の様に構成され作用する自動間隙調整装置付 ブレーキシリンダにウェッジ23を組み込む事により、通常の制動時に主シリン ダ1内に圧油を送り込む事で、この主シリンダ1内に嵌装された1対のピストン 本体2、2の間隔を押し広げる他、駐車時にはウェッジ23の押し込みにより、 上記1対のピストン本体2、2の間隔を押し広げる様に構成する事が考えられて いる。
【0023】 即ち、上記1対のピストン本体2、2の内端面に、互いに逆方向に傾斜した傾 斜面24、24を形成すると共に、上記主シリンダ1の中間部側面に、この主シ リンダ1に対して直角方向に副シリンダ25を形成し、この副シリンダ25内に ロッド26を、この副シリンダ25の軸方向に亙る変位自在に設けると共に、こ のロッド26の先端部にウェッジ23を固定する。そしてこのウェッジ23の両 側面と上記1対の傾斜面24、24とを、それぞれローラ27、27を介して当 接させている。
【0024】 駐車ブレーキを作動させる場合には、上記ロッド26を図5の下方に押圧する 事により、上記ウェッジ23を1対のピストン本体2、2の間に押し込み、この ピストン本体2、2の間隔を押し広げる。通常走行時に於ける制動の際には、図 示しない給油口を通じて上記主シリンダ1内に圧油を送り込む。そして、ブレー キシューのライニングが摩耗した場合には、前述の図3〜4に示した構造の場合 と同様にして、調整筒6を回転させ、この調整筒6からの調整ボルト8の突出量 を増大させる。
【0025】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述の様に構成され作用する従来の自動間隙調整装置付ブレーキシ リンダに、駐車ブレーキ用のウェッジ23を組み込んだ場合、長孔15、15と ラチェットピン17、17との位置関係、及びロッド26の変位方向と傾斜面2 4、24との位置関係を、厳密に規制する必要がある。
【0026】 これは、図5に示した構造の場合、上記長孔15、15とラチェットピン17 、17との係合に基づき、各ピストン本体2、2の回転防止を図りつつ、ロッド 26により押し引きされるウェッジ23とローラ27、27とにより、上記ピス トン本体2、2の間隔を押し広げる様に構成している為である。
【0027】 上記位置関係が正しく規制されていないと、ウェッジ23の移動に伴なって各 ローラ27、27が各ピストン本体2、2を押圧した場合に、各ピストン本体2 、2が回転する傾向となって、各ラチェットピン17、17と長孔15、15と が強く擦れ合い、このラチェットピン17、17が破損する原因になる。
【0028】 又、仮にラチェットピン17、17が破損する様な事がなくても、各ラチェッ トピン17、17と長孔15、15とが摩擦し合う為、長期間に亙る制動の繰り 返しに伴なって、上記ラチェットピン17、17や長孔15、15が摩耗する事 が避けられない。そして、摩耗した場合には、前記各スリーブ10、10外周面 の第一ラチェット歯13と各ラチェットピン17、17先端面の第二ラチェット 歯19、19との位置関係が設計値からずれて、ライニングの外周面とドラムの 内周面との間の隙間を所定値以下に保持出来なくなる可能性がある。
【0029】 本考案の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダは、上述の様な事情に鑑みて考 案されたものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本考案の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダは、少なくとも一端が開口した 筒状の主シリンダと、この主シリンダ内に、開口部を主シリンダの外側に向けて 油密に嵌装された、有底円筒状のピストン本体と、上記主シリンダの側面に、こ の主シリンダに対して直角な方向に設けられた副シリンダと、この副シリンダに 沿って変位自在なロッドと、このロッドの先端部で上記主シリンダ内に進入自在 な部分に支持された、くさび状のウェッジと、このウェッジの側面と上記ピスト ン本体の内側面との間に転動自在に挟持されたローラと、上記ピストン本体の外 端面中央部に一端を開口させた円孔と、この円孔の内側に回転自在に装着され、 その内周面に雌螺子を形成した調整筒と、この調整筒内周面の雌螺子に螺合し、 上記調整筒の外端部から突出させた先端部をブレーキシューの端部と係合させる 事で、回転不能とされる調整ボルトと、上記調整筒の外周面に、円周方向に亙っ て軸方向に対し傾斜した状態で設けられた第一ラチェット歯と、この第一ラチェ ット歯に整合する状態で、上記ピストン本体に設けられた、軸方向に長い長孔と 、上記主シリンダの一部でこの長孔と整合する部分に、この主シリンダの半径方 向に亙って設けられたガイド孔と、このガイド孔内に変位自在に嵌装されると共 にその先端部を上記長孔に遊合させ、先端面に設けた第二ラチェット歯を上記第 一ラチェット歯と噛合自在としたラチェットピンと、このラチェットピンの先端 面を上記第一ラチェット歯に向けて押圧するばねとから構成される。そして、給 油口を通じて上記主シリンダ内に圧油を給排する事により、この主シリンダから 上記ピストン本体を出入りさせた場合に、上記第一、第二両ラチェット歯の係脱 に基づいて上記調整筒が回転し、この調整筒からの上記調整ボルトの突出量が増 大する様に、上記第一、第二両ラチェット歯及び上記雌螺子の方向を定めている 。
【0031】 更に、本考案の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダは、上記ピストン本体の 側面に軸方向に亙るガイド溝を形成すると共に、上記主シリンダの内側面に突設 したガイドピンとこのガイド溝とを係合させ、このガイドピンとガイド溝との間 の円周方向に亙る隙間を、上記ラチェットピンと長孔との間の円周方向に亙る隙 間よりも小さくしている。
【0032】
【作用】
上述の様に構成される本考案の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダが、制動 時にブレーキシューを車輪と共に回転する部材に押し付けて制動を行なう際の作 用、並びに、ライニングの摩耗に伴なって、このライニングの表面と上記回転す る部材の表面との隙間が大きくなり過ぎるのを防止する際の作用は、前述した従 来の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダと同様である。
【0033】 特に、本考案の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダの場合、ガイドピンとガ イド溝との係合によりピストン本体の回転が防止され、ラチェットピンと長孔と が摩擦し合う事がなくなる。
【0034】
【実施例】
図1〜2は本考案の実施例を示している。尚、本考案の特徴は、主シリンダの 内側でのピストン本体の回転を防止する構造に特徴があり、その他の構成及び作 用は、前述した従来の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダと同様である為、重 複する説明を省略し、以下、本考案の特徴部分に就いて説明する。
【0035】 主シリンダ1の内側に油密に嵌装されたピストン本体2の側面には、軸方向に 亙るガイド溝28を形成している。又、上記主シリンダ1の側面で、このガイド 溝28に整合する部分に形成した螺子孔29にはガイドピン30を、主シリンダ 1の外側面側から螺合させると共に、このガイドピン30の先端部を、上記ガイ ド溝28に遊合させている。
【0036】 自動間隙調整装置を構成するラチェットピン17は、前述した従来の自動間隙 調整装置付ブレーキシリンダの場合と同様に、ピストン本体2に形成した長孔1 5に遊合している。このラチェットピン17の先端部で、長孔15の内側に存在 する部分には互いに平行な平坦面31、31を形成し、各平坦面31、31と上 記長孔15の両側縁とを対向させる事で、この長孔15の内側でラチェットピン 17が回転する事を防止している。
【0037】 そして、本考案の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダに於いては、上記ガイ ドピン30とガイド溝28との間の円周方向に亙る隙間を、上記ラチェットピン 17と長孔15との間の円周方向に亙る隙間よりも小さくしている。即ち、ピス トン本体2に回転方向の力が作用した場合には、上記ラチェットピン17の平坦 面31と長孔15の内側面とが衝合する以前に、上記ガイドピン30の外周面と ガイド溝28の内側縁とが衝合する様にしている。
【0038】 上述の様に構成される本考案の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダの場合、 ガイドピン30とガイド溝28との係合により、主シリンダ1の内側でのピスト ン本体2の回転が防止され、ラチェットピン17の平坦面31、31と長孔15 の内側縁とが摩擦し合う事がなくなる。
【0039】 この結果、ラチェットピン17の先端部に大きな力が作用して、このラチェッ トピン17を破損したり、或はラチェットピン17や長孔15が摩耗して、自動 間隙調整装置の作用が不確実になる事が防止される。
【0040】
【考案の効果】
本考案の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダは、以上に述べた通り構成され 作用する為、ラチェットピンの破損や摩耗を防止して、自動間隙調整機能を、長 期間に亙って安定した状態で得る事が出来る。
【0041】 尚、上述の説明は、ドラムブレーキを中心に述べたが、本考案はディスクブレ ーキ用の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダにも適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を、非制動時の状態で示す部分
断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】従来の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダの
1例を、一部を切断して示す正面図。
【図4】図3の下方から見た、半部断面図。
【図5】従来の自動間隙調整装置付ブレーキシリンダに
ウェッジを付加した構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 主シリンダ 2 ピストン本体 3 パッキング 4 給油口 5 円孔 6 調整筒 7 雌螺子 8 調整ボルト 9 係合凹部 10 スリーブ 11 係合突起 12 係合溝 13 第一ラチェット歯 14 圧縮ばね 15 長孔 16 ガイド孔 17 ラチェットピン 18 スリーブ 19 第二ラチェット歯 20 蓋体 21 圧縮ばね 22 鍔部 23 ウェッジ 24 傾斜面 25 副シリンダ 26 ロッド 27 ローラ 28 ガイド溝 29 螺子孔 30 ガイドピン 31 平坦面

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一端が開口した筒状の主シリ
    ンダと、この主シリンダ内に、開口部を主シリンダの外
    側に向けて油密に嵌装された、有底円筒状のピストン本
    体と、上記主シリンダの側面に、この主シリンダに対し
    て直角な方向に設けられた副シリンダと、この副シリン
    ダに沿って変位自在なロッドと、このロッドの先端部で
    上記主シリンダ内に進入自在な部分に支持された、くさ
    び状のウェッジと、このウェッジの側面と上記ピストン
    本体の内側面との間に転動自在に挟持されたローラと、
    上記ピストン本体の外端面中央部に一端を開口させた円
    孔と、この円孔の内側に回転自在に装着され、その内周
    面に雌螺子を形成した調整筒と、この調整筒内周面の雌
    螺子に螺合し、上記調整筒の外端部から突出させた先端
    部をブレーキシューの端部と係合させる事で、回転不能
    とされる調整ボルトと、上記調整筒の外周面に、円周方
    向に亙って軸方向に対し傾斜した状態で設けられた第一
    ラチェット歯と、この第一ラチェット歯に整合する状態
    で、上記ピストン本体に設けられた、軸方向に長い長孔
    と、上記主シリンダの一部でこの長孔と整合する部分
    に、この主シリンダの半径方向に亙って設けられたガイ
    ド孔と、このガイド孔内に変位自在に嵌装されると共に
    その先端部を上記長孔に遊合させ、先端面に設けた第二
    ラチェット歯を上記第一ラチェット歯と噛合自在とした
    ラチェットピンと、このラチェットピンの先端面を上記
    第一ラチェット歯に向けて押圧するばねとから成り、給
    油口を通じて上記主シリンダ内に圧油を給排する事で、
    この主シリンダから上記ピストン本体を出入りさせた場
    合に、上記第一、第二両ラチェット歯の係脱に基づいて
    上記調整筒が回転し、この調整筒からの上記調整ボルト
    の突出量が増大する様に、上記第一、第二両ラチェット
    歯及び上記雌螺子の方向を定めた、自動間隙調整装置付
    ブレーキシリンダであって、上記ピストン本体の側面に
    軸方向に亙るガイド溝を形成すると共に、上記主シリン
    ダの内側面に突設したガイドピンとこのガイド溝とを係
    合させ、このガイドピンとガイド溝との間の円周方向に
    亙る隙間を、上記ラチェットピンと長孔との間の円周方
    向に亙る隙間よりも小さくした自動間隙調整装置付ブレ
    ーキシリンダ。
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