JPH05271375A - 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法

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JPH05271375A
JPH05271375A JP4074442A JP7444292A JPH05271375A JP H05271375 A JPH05271375 A JP H05271375A JP 4074442 A JP4074442 A JP 4074442A JP 7444292 A JP7444292 A JP 7444292A JP H05271375 A JPH05271375 A JP H05271375A
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JP
Japan
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polyester
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acid
average molecular
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JP4074442A
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Eiichiro Takiyama
栄一郎 滝山
Takashi Fujimaki
隆 藤巻
Yoshitaka Hatano
善孝 波田野
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Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 〔I〕(1)無水コハク酸を一成分として含む
脂肪族ジカルボン酸またはその酸無水物成分、(2)脂肪
族または環状脂肪族の多価アルコール成分とを重縮合し
て得られる、結晶性で融点が60℃以上、数平均分子量
が10,000以上のポリエステル100重量部に、
〔II〕該ポリエステルの融点以上の熔融状態で、0.3
〜5重量部の多価イソシアナートを反応させ、数平均分
子量を20,000以上とする。 【効果】 分子量分布が広く、フィルム、繊維、成形品
などの各種用途に有用な、機械的強度にすぐれた高分子
量脂肪族ポリエステルを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム、成形品、繊
維などの各種用途に有用な高分子量脂肪族ポリエステル
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、脂肪族ポリエステルは、ポリエチ
レンテレフタレート(以下、PETと略称)のような芳
香族構造を有するポリエステルと異なり、数平均分子量
(以下、単に分子量と呼ぶことがある)が15,000位
のものでも、PETが有する優れた物性を示さず、また
これ以上分子量を大きくすることは、脂肪族ポリエステ
ルの熱安定性の不良が、生長反応よりも分離反応を優先
することになって、頗る困難なものとなる。更に、脂肪
族ポリエステルはほとんどが100℃以下の融点しか示
さず、重縮合によって達する分子量領域ではまったく実
用性がなかったといっても過言ではない。
【0003】ポリウレタン工業でみられる原料としての
ポリエステルは、成形品、塗料、接着剤、硬軟質フォー
ム、ゴムなどのいずれの用途にあっても、その分子量は
1,000〜3,000、ヒドロキシル価で50〜15
0位の、いわばオリゴマー的(以下、プレポリマーと称
する)なものであって、ポリエステル100重量部当り
7〜30重量部といった多量のジイソシアナート(また
は他の化合物とジイソシアナートとの付加体)を用いる
のでなければ実用性のある物性を得ることができない。
しかし、このような多量のジイソシアナートを併用する
場合には、言いかえればイソシアナート基の濃度が高い
系ではどのような配合であっても、100℃以上の高温
では必ずゲル化して、所望の製品は得られない。例え
ば、フォームまたはレジンインジェクション法による形
成品の場合では、液状ポリオール成分とイソシアナート
成分(プレポリマー化したタイプも含め)、更に反応促進
のための触媒を型内に吐出寸前に混合、型内に射出直後
の短時間内にゲル化、硬化のプロセスをたどり、安定な
中間体を形成することはないし、硬化樹脂は架橋型であ
る。
【0004】塗料、接着剤にあっては、加熱硬化型はマ
スクしたイソシアナートを用いており、加熱によりイソ
シアナートを再生、硬化する。
【0005】湿気硬化タイプは、プレポリマーの末端基
をイソシアナート化したもので、水分の作用でイソシア
ナート基が尿素結合化し、更にこれにイソシアナート基
が反応して硬化する形となるものとみられている。
【0006】ポリウレタンゴムは、イソシアナートを直
接ポリエステルプレポリマーと反応させると、部分的に
ゲル化し、このためゴムとしての物性低下が避けられな
いので、イソシアナートを直接に用いるのではなく、プ
レポリマーの末端をイソシアナート化し、これにゴムの
物性に応じて、ジオールまたはジアミン成分の種類を選
んで加える。
【0007】繊維も類似であるが、単純なポリエステ
ル、またはポリエーテルではなく、いわゆるセグメンテ
ッドタイプが主流である。
【0008】これらは熱硬化型も熱可塑性タイプもある
が、いずれにしてもプレポリマーとそれに対応する多量
のイソシアナートを用いている点には変りはない。即
ち、ポリウレタンの最終構造上多量のウレタン結合を含
むことになる。例えば分子量2,000のプレポリマー
を用いたとするならば、計算上からは、分子量10,0
00のポリウレタンでは8〜10個のウレタン結合が、
30,000では30個前後のウレタン結合が存在する
ことになる。
【0009】本発明者らは、主として生分解性プラスチ
ックスを用いたフィルムを得る立場から、脂肪族ポリエ
ステルの高分子量化の研究を重ねてきたが、従来のポリ
ウレタン樹脂のように分子中のウレタン結合の濃度の高
いタイプでは、必ずしもフィルムには適さないことを知
った。即ち、1,4−ブタンジオールと無水コハク酸と
から合成された結晶性ポリエステルにあっては、分子中
にウレタン結合の濃度が高いことは、硬く、伸びの乏し
いものとなり、フィルムには不適当であることが判明し
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、分子量分布
が広く、機械的強度にすぐれ、フィルム、繊維、成形品
などの各種用途に有用な高分子量脂肪族ポリエステルを
製造する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々研究
を重ねた結果、従来のポリウレタン樹脂とは異なり、ポ
リエステルの分子量を極力高くして、望ましくは10,
000以上とし、末端基を減少させた系で、末端基に見
合う少量の多価イソシアナートを熔融混合することによ
り目的とするポリエステルが得られることを見出し、本
発明を完成することができた。
【0012】即ち、本発明は、〔I〕(1)無水コハク酸
を一成分として含む脂肪族ジカルボン酸またはその酸無
水物成分と (2)脂肪族または環状脂肪族の多価アルコール成分とを
重縮合して得られる、結晶性で融点が60℃以上、数平
均分子量が10,000以上のポリエステル100重量
部に、〔II〕該ポリエステルの融点以上の熔融状態で、
0.3〜5重量部の多価イソシアナートを反応させ、数
平均分子量を20,000以上とすることを特徴とする
高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法に関する。
【0013】本発明の特長は、ポリエステル分子中のウ
レタン結合の数が著しく少いことであって、計算上は分
子量10,000当り1個のウレタン結合を有すること
になる。このようにウレタン結合の濃度が低くなけれ
ば、良好なフィルム物性が得難いことは前述した通りで
ある。
【0014】本発明に用いられるポリエステルは、次の
点から無水コハク酸の使用が必要である。
【0015】(i)融点を60℃以上、望ましくは10
0℃以上とすること。 例えば1,4−ブタンジオールとコハク酸とのポリエス
テルの融点は115℃であり、エチレングリコールとコ
ハク酸のポリエステルは約105℃である。これらはポ
リエチレンと同レベルの融点であり、熔融粘度が高けれ
ば、ポリエチレンの加工機を用いて形成が可能である。
【0016】(ii)実用的な変性の余地が大きいこと、
1例をあげると、1,4−ブタンジオールとコハク酸系
にアジピン酸を併用すると、20モル%のアジピン酸の
使用でポリエステルの融点が約90℃となり、物性的に
も軟質ポリエチレンと類似のものとなる。また、セバシ
ン酸、ドデカン酸を少量(10モル%、または以下)併用
することにより、物性を損わずに生分解性を速やかにす
ることが可能となる。
【0017】(iii)人体に対する安全性 コハク酸は調味料としても用いられており、食品中にも
広く存在することから、その安全性は確認されている。
【0018】コハク酸と無水コハク酸とは、どちらを用
いても生成ポリエステルの構造は同一である。但し、理
由は明らかではないが生成ポリエステルの分子量分布が
相違する傾向が認められる。加えて、重縮合反応の際、
コハク酸はエステル化であるが、無水コハク酸の場合は
当初開環付加反応であって、反応当初の発熱の有無から
反応プロセスに差がある。その他、反応水が無水コハク
酸の場合には半分となるので、もし同一価格で入手可能
ならば、コスト低減に有用である。
【0019】本発明においては、酸成分として無水コハ
ク酸を単独で用いてもよく、無水コハク酸と他の脂肪族
ジカルボン酸またはその酸無水物とを混合して用いても
よい。無水コハク酸と併用可能な他の脂肪族ジカルボン
酸またはその酸無水物には、融点を極力下げない点か
ら、例えばアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸などがあげられる。他の脂肪族ジカルボン酸ま
たはその酸無水物の使用割合は、融点60℃以上であれ
ば40モル%以下である。
【0020】この無水コハク酸を一成分として含む脂肪
族ジカルボン酸またはその酸無水物成分と併用して重縮
合を行い、ポリエステルとするための多価アルコール成
分は、脂肪族または環状脂肪族の多価アルコールであ
り、代表的には1,4−ブタンジオール、エチレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのグ
リコール類が融点を高められる種類としてあげられる。
これらのグリコール類はまた、生成ポリエステルに結晶
性を付与し、フィルム、成形品、繊維の物性を向上させ
る点からも本発明には適している。結晶性の有無は、ポ
リエステルの外観から容易に判定される。勿論、融点、
物性を損わない範囲で、以上の相互の併用、或は他の多
価アルコールの添加は差支えない。
【0021】無水コハク酸を一成分として含む脂肪族ジ
カルボン酸またはその酸無水物成分と脂肪族または環状
脂肪族の多価アルコール成分の使用割合は、多価アルコ
ール成分が過剰であることが望ましく、10〜15%増
しが好ましい。
【0022】ポリエステルの合成は、一般に上記の成分
のエステル化および脱グリコール反応により行われる。
その条件としては、例えばエステル化反応は、温度18
0〜230℃、時間2〜16で行うことができる。この
場合、酸価は10以下が好ましい。脱グリコール反応
は、温度180〜230℃、時間3〜16、圧力1Torr
以下で行うことができる。
【0023】エステル化、脱グリコール反応には、通常
チタンの有機化合物(例としてテトラアルコキシチタン
化合物、チタンオキシアセチルアセトネートなど)、亜
鉛、鉛、ジルコニウム、などの金属の有機酸塩、キレー
ト化合物、酸化アンチモンなどの触媒を用いることは必
要である。触媒は、エステル化の最初から加えてもよ
く、また脱グリコール反応の直前に加えてもよい。触媒
の使用量は、生成ポリエステル100重量部に対して
0.001〜0.1重量部であることが好ましい。
【0024】かくして得られるポリエステルは、結晶性
で融点が60℃以上、数平均分子量が10,000以上
であることが必要である。上記範囲外のポリエステルを
使用した場合は、本発明の効果が得られ難い。
【0025】さらに、本発明の構成要素である生成した
数平均分子量10,000以上のポリエステルに、さら
に分子量を高めるために加えられる多価イソシアナート
には特に制限はないが、例えば、2,4−トリレンジイ
ソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートと
2,6−トリレンジイソシアナートとの混合体、ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイ
ソシアナート、キシリレンジイソシアナート、水素化キ
シリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナー
ト、ヘキサメチレンジイソシアナート、並びにこれらイ
ソシアナートと多価アルコールとの付加体、或は3量
体、並びにトリフェニルメタントリイソシアナートなど
があげられる。
【0026】多価イソシアナートの添加量は、ジイソシ
アナートであればポリエステル100重量部に対して
0.3〜3重量部の範囲で十分であるが、例えばトリメ
チロールプロパンとイソシアナートの付加体であれば
0.5〜5重量部の範囲が必要となる。それらを加味す
るならば、多価イソシアナートの添加量としては、所望
のポリエステル100重量部に0.3〜5重量部が必要
とされる。多価イソシアナートの添加量が0.3重量部
未満では添加の効果が乏しく、5重量部より多い添加は
物性的にむしろ逆効果となるばかりか、ゲル化の危険性
が著しく増大する。多価イソシアナートの添加は、ポリ
エステルの融点以上の熔融状態、即ちポリエステルの融
点にもよるが、150〜250℃の間である。ポリエス
テルと多価イソシアナートとを反応させるに際して使用
される装置は、高粘度撹拌が可能であれば、特にその種
類を問わない。
【0027】本発明による少量のウレタン結合を含む高
分子量脂肪族ポリエステルは、その実用化に当って、補
強材、フィラー、着色剤、各種安定剤、滑剤、ワックス
類、飽和或は不飽和のポリマー、を併用できることは勿
論である。
【0028】
【実施例】次に本発明の理解を助けるために、以下に実
施例を示す。
【0029】なお、分子量測定は、GPCに依った。 条件は次の通り。 使用機種 Shodex GPC SYSTEM−11(昭和電工
社製) 溶離液 5mM CF3COONa/HFIP(ヘキサフロロイソプ
ロパノール) カラム サンプルカラム HFIP−800P HFIP−80M×2本 リファレンスカラム HPIP−800R×2本 カラム温度 40℃ 流量 1.0ml/min 検出器 Shodex RI スタンダード PMMA(Shodex STANDA
RD M−75)
【0030】実施例1 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1lのセパラブルフラスコに、1,4−ブタンジオー
ルを250g、無水コハク酸250g、テトライソプロピ
ルチタネート0.5gを仕込み、約130℃から始まる無
水コハク酸の開環付加反応の発熱が180℃付近に達す
るのを待って加熱を再開し、210〜215℃、窒素気
流中でエステル化して酸価7.8とした後、温度215
〜220℃、最終的には0.4Torrの減圧下に6時間脱
グリコール反応を行った。融点115℃、室温では微か
にアイボリー色を帯びた白色結晶のワックス状ポリエス
テル(a−1)が、数平均分子量16,100、重量平均
分子量43,500で得られた。ポリエステル(a−1)
のGPCによる分子量の測定図を図1に示した。
【0031】ポリエステル(a−1)300gを再熔融
し、205℃でヘキサメチレンジイソシアナート4.5g
を加えた。粘度は急速に増大したがゲル化はしなかっ
た。得られた少量のウレタン結合を含むポリエステル
(A−1)は、ややアイボリー色を帯びた白色ワックス状
で、融点117〜118℃、数平均分子量(MN)は3
5,900、重量平均分子量(MW)は269,000であ
って、MW/MNは約7.4となった。ポリエステル(A−
1)のGPCによる分子量の測定図を図2に示した。
【0032】ポリエステル(A−1)をプレス成形し、こ
れを温度60℃で3倍に一軸延伸した厚さ50μの透明
フィルムは、引張り強度14.4〜17.2kg/mm2で、頗
る強靭であった。
【0033】別に、無水コハク酸に変えてコハク酸29
5gを用いた場合のポリエステル(a−2)は、融点11
5℃、白色ワックス状で、数平均分子量15,700、
重量平均分子量39,800であった。ポリエステル
(a−2)のGPCによる分子量の測定図を図3に示し
た。
【0034】(a−2)300gにヘキサメチレンジイ
ソシアナート4.5gを加えた場合の少量のウレタン結
合を含むポリエステル(A−2)は、融点115〜116
℃、数平均分子量35,300(MN)、重量平均分子量
109,000(MW)となり、MW/MNは約3に止まっ
た。ポリエステル(A−2)のGPCによる分子量の測
定図を図4に示した。図1と図3、および図2と図4と
を比較してみると、無水コハク酸を酸成分としたポリエ
ステルは、コハク酸を酸成分とするポリエステルよりも
分子量分布が広いことが明らかである。
【0035】実施例2 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1lのセパラブルフラスコに、無水コハク酸180
g、セバシン酸40g、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール300g、チタンオキシアセチルアセトネート
0.5gを仕込み、210〜215℃窒素気流中でエス
テル化して酸価9.2とした後、最終的には0.4Torr
の減圧下、220℃で6時間脱グリコール反応を行い、
微黄色の白色ワックス状、融点117〜119℃、数平
均分子量13,900、重量平均分子量38,000の
ポリエステル(b)を得た。
【0036】ポリエステル(b)300gを200℃に
熔融し、イソホロンジイソシアナート5gを加えた。粘
度は急速に増大したが、ゲル化はしなかった。得られた
少量のウレタン結合を含むポリエステル(B)は、僅かに
黄褐色を帯びた白色ワックス状で、融点は約120℃、
数平均分子量34,800、重量平均分子量106,0
00であった。
【0037】別に、セバシン酸を除いた、無水コハク酸
200g、1,4−シクロヘキサンジメタノール300
g、チタンオキシアセチルアセトネート5gから、前記と
同じ条件で反応して得られた、白色ワックス状、融点が
約135℃、数平均分子量15,100、重量平均分子
量40,900のポリエステル300gに、イソホロン
ジイソシアナートを同様に反応し、少量のウレタン結合
を含むポリエステル(C)が、微かにアイボリー色を帯
びた白色ワックス状、融点135〜137℃、数平均分
子量38,300、重量平均分子量117,000で得
られた。
【0038】ポリエステル(B)、ポリエステル(C)を夫
々4倍に一軸延伸して厚さ44μの透明フィルムとし
た。引張り強さはポリエステル(B)が11.7〜13.
9kg/mm2、ポリエステル(C)が13.7〜14.9kg/m
m2であった。両フィルムを黒ボク土中10cmに埋込み、
25℃の恒温下に分解性をテストした所、少量のセバシ
ン酸を含むポリエステル(B)は、2ケ月後に虫喰い状態
となり、4ケ月後には全体がボロボロになって原形を止
めなくなったのに反して、ポリエステル(C)よりのフィ
ルムは2ケ月後には外観変化が認められず、4ケ月後に
僅かに5〜6カ所に虫喰い状の斑点が見られるに止まっ
て、両者の生分解性には著しい差が認められた。
【0039】実施例3 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1lのセパラブルフラスコに、無水コハク酸300
g、エチレングリコール195g、チタンオキシアセチ
ルアセトネート0.5gを仕込み、200〜205℃、
窒素気流下にエステル化して酸価6.9とした後、最終
的には0.5Torrの減圧下220℃で6時間脱グリコー
ル反応を行った。得られたポリエステル(d)は白色ワッ
クス状で、融点103℃、数平均分子量16,400、
重量平均分子量44,400であった。
【0040】ポリエステル(d)300gを200℃に熔
融し、ジフェニルメタンジイソシアナート5gを加え
た。粘度は急速に増大したがゲル化はしなかった。得ら
れた少量のウレタン結合を含むポリエステル(D)は淡い
黄褐色ワックス状で、融点が約105℃、数平均分子量
41,000、重量平均分子量119,000であった。
【0041】ポリエステル(D)を3倍に一軸延して得た
厚さ40μのフィルムの引張り強さは15.2〜17.
8kg/mm2で頗る強靭であった。しかるに、ポリエステル
(d)よりはフィルムが切断して得られず、手で容易に引
裂けるもので、強度測定が行えなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、分子量分布が広
く、フィルム、繊維、成形品などの各種用途に有用な、
機械的強度にすぐれた高分子量脂肪族ポリエステルを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるポリエステル(a−1)のG
PC測定図である。
【図2】実施例1における少量のウレタン結合を含むポ
リエステル(A−1)のGPC測定図である。
【図3】実施例1におけるポリエステル(a−2)のG
PC測定図である。
【図4】実施例1における少量のウレタン結合を含むポ
リエステル(A−2)のGPC測定図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔I〕(1)無水コハク酸を一成分として
    含む脂肪族ジカルボン酸またはその酸無水物成分と(2)
    脂肪族または環状脂肪族の多価アルコール成分とを重縮
    合して得られる、結晶性で融点が60℃以上、数平均分
    子量が10,000以上のポリエステル100重量部
    に、 〔II〕該ポリエステルの融点以上の熔融状態で、0.3
    〜5重量部の多価イソシアナートを反応させ、数平均分
    子量を20,000以上とすることを特徴とする、高分
    子量脂肪族ポリエステルの製造方法。
JP4074442A 1992-03-30 1992-03-30 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 Pending JPH05271375A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249710A (ja) * 2000-12-19 2002-09-06 Dainippon Ink & Chem Inc 粉体塗料用樹脂組成物、粉体塗料及びそれを用いた塗装体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249710A (ja) * 2000-12-19 2002-09-06 Dainippon Ink & Chem Inc 粉体塗料用樹脂組成物、粉体塗料及びそれを用いた塗装体

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