JPH0527055A - センサを備えた小型電子機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ センサ取り付け部分の機器ケースの気密性を
確保すると共に、機器ケースの外観が向上した小型電子
機器とする。 ［構成］ 小型電子機器の機器ケース１の側面部分に開
口部６を形成し、開口部６にセンサユニット５を収納す
る。開口部６の入口部分に蓋プレート１２を取り付け、
固定用ビス１３により固定する。センサユニット５と機
器ケース１とに当接するパッキン１０を設け、開口部６
内に押えプレート１１を挿入しパッキン１０に当接させ
る。押えプレート１１をビス８で固定し、ビス８の締め
付けで押えプレート１１によるパッキン１０の押え付け
を行い、気密性を確保する。蓋プレート１２がパッキン
１０を押え付ける必要がなくなり、蓋プレート１２を機
器ケース１の外形々状に合わせて形成でき、外観が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は温度，圧力，磁気等を検
出するセンサを機器ケース内に収納した小型電子機器に
関する。

【０００２】

【従来の技術】小型電子機器の一種である電子腕時計と
して近年、時刻表示，時刻アラームなどの本来の機能に
加えて温度や圧力などを検出して表示する機能を備えた
ものが知られている。このような機能を備える小型電子
機器では温度センサ，圧力センサなどの所定のセンサを
収納したセンサユニットを機器ケース内に取り付ける必
要がある。このため従来の小型電子機器は機器ケースの
フラットな面に開口部を設け、この開口部内にセンサユ
ニットを収納する構造となっている。これはセンサユニ
ットと機器ケースの表示装置，スイット等とを位置的に
重ならないように配置する必要があると共に、パッキン
による防水性確保のため強固に取り付ける必要があるた
めである。そして、このようにして取り付けられたセン
サユニットは機器ケース内の回路基板と配線によって電
気的に接続されて、温度，圧力等の所定の検出を行い、
その内容が機器ケースの表示位置に表示されるようにな
っている。

【０００３】ところがこのような小型電子機器では、機
器ケースのフラットな面にセンサユニットを取り付ける
ため、機器ケースの表示装置等が小さくなったり、その
配設位置が限定される等の制約があった。このため機器
ケースのフラットでない側面部分に開口部を形成し、こ
の開口部にセンサユニットを収納する小型電子機器が開
発されている。

【０００４】図５はこの小型電子機器を示し、内部に時
計モジュール５２を備えた機器ケース５１の側面部分に
開口部５３が形成され、この開口部５３にセンサユニッ
ト５４が収納されている。また、センサユニット５４上
面の外周部分にパッキン５５が当接しており、このパッ
キン５５を蓋プレート５６により押圧して機器ケース５
１内部の気密性を保持している。蓋プレート５６は開口
部５３をカバーリングして機器ケース５２の外形々状の
一部を構成しているが、パッキン５５による気密性を確
保することのできる構造とする必要がある。このため外
周部分５６ａをパッキン５５に当接させると共に、外周
部分５６ａの内方側を外側に隆起させた曲面構造とし
て、外周部分５６ａからパッキン５５に作用する押圧力
を強固にしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】図５に示す従来の構造
では、パッキンを強固に押圧して、その気密性を確保す
るため、蓋プレート５６を曲面形状とする必要がある。
このため蓋プレート５６の曲面部分が機器ケース５１の
外側に膨れ上がり、蓋プレートを機器ケースの外形々状
に合わせて形成することができず、外観的なデザインが
劣化する問題があった。

【０００６】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、機器ケースの気密性を確保することができると
共に、蓋プレートを機器ケースの外形々状に合わせて形
成でき、デザインを向上させることが可能なセンサを備
えた小型電子機器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、蓋プレートと別個の押えプレートを設け、こ
の押えプレートによりパッキンを押え付けて気密性を保
持するようにしたものである。すなわち本発明の小型電
子機器は、開口部が形成された機器ケースと、この機器
ケースの開口部内に収納されたセンサユニットと、この
センサユニットと前記機器ケースとの気密性保持のため
の前記機器ケース内に挿入されたパッキンと、このパッ
キンが前記センサユニットおよび前記機器ケースに密着
するように押え付ける押えプレートと、この押えプレー
トの押え付け状態を維持するため該押えプレートを前記
機器ケースに固定する止着部材と、前記押えプレートの
外側に位置するように前記開口部に取り付けられた蓋プ
レートと、この蓋プレートを前記機器ケースに固定する
固定部材とを備えていることを特徴とする。

【０００８】

【実施例】図１ないし図４は本発明の小型電子機器とし
て電子腕時計に適用した実施例を示す。機器ケース１は
図１に示すように上面に時計ガラス２が嵌め込まれると
共に、時計ガラス２の下方には時刻をデジタル表示やア
ナログムーブメントによって表示する時刻表示部を有し
た時計モジュール７が取り付けられている。また、機器
ケース１の側面部分には複数のスイッチ３，３・・・が
配設されている。この機器ケース１はその外周部分が丸
みを帯びるように成形されており、特に９時側の側面部
分４が外側に幾分、長く延びると共に、図２示すように
緩やかな湾曲した曲面形状となっている。そして、この
９時側の側面部分４が開口されてセンサユニット５を収
納する開口部６が形成されている。この開口部６は、図
２に示すように、複数の段部６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄを
有した状態で機器ケース１に対して斜め方向に（開口部
６が斜め上方に開口を有するように）形成されていると
共に、機器ケース１内部との連通が図られている。セン
サユニット５はこの開口部６内に挿入されて段部６ａに
当接することにより、開口部６内に収納される。センサ
ユニット５は、例えば金属ケース内部に所定のセンサを
収納したユニットの形態となっている。この場合、セン
サユニット５に収納されるセンサとしては、外気温を検
出するサーミスタ等の温度センサあるいは水圧または気
圧を測定するブリッジ抵抗等の半導体圧力センサなどで
ある。このセンサユニット５は機器ケース１内に収納さ
れた時計モジュール７と電気的に接続されており、検出
したセンサ信号を時計モジュール７に出力するようにな
っている。この電気的接続を行うため、センサユニット
５はフレキシブルな接続基板９を底面部分に有し、この
接続基板９の引き出し側の端子部が時計モジュール７に
連結されている。

【０００９】かかるセンサユニット５と機器ケース１と
は、開口部６が機器ケース内部１と連通しているため、
気密性を保持する必要がある。このため開口部６に収納
されたセンサユニット５の上面の段部と、開口部６の段
部６ｂとをほぼ同一面にし、この面にリング状のパッキ
ン１０がその境界を覆うように取り付けられ、さらにパ
ッキン１０上に押えプレート１１が当接している。押え
プレート１１は上方からパッキン１０に当接して押圧す
ることにより、パッキン１０をセンサユニット５と機器
ケース１とに押え付けて気密性を保持するものであり、
この押えプレート１１の押え付けを行うため止着部材と
してのビス８，８が設けられている。このビス８，８は
図３に示すように対角線上に配置されており、押えプレ
ート８に挿通後、機器ケース１に螺合することにより押
えプレート８の固定を行っている。従って，ビス８，８
を締め付けることにより、押えプレート８が機器ケース
６ｃの段部６ｃ上に固定され、この押えプレート８の固
定によりパッキン１０がセンサユニット５と機器ケース
１の段部６ｂに密着するため、機器ケース１内部の気密
性を確実に保持することができる。

【００１０】このような構成に加えて押えプレート１１
の外側には蓋プレート１２が設けられている。蓋プレー
ト１２は機器ケース１の開口部６の入口部分に位置する
ように開口部６に嵌められ、開口部６の段部６ｄに外周
部分が当接することにより機器ケース１に取り付けられ
ている。かかる蓋プレート１２は、押えプレート１１と
は後述する別個の固定部材により機器ケース１に固定さ
れるものであり、このための固定部材としての固定用ビ
ス１３，１３が左右両側から挿通して（図１参照）、機
器ケース１に螺合している。図３において、１４はこの
固定用ビス１３，１３が螺合するように機器ケース１に
形成されけたビス穴である。このような構造では押えプ
レート１１によりパッキン１０の気密性が付与されてい
るため、蓋プレート１２はパッキン１０を押え付ける必
要がなく、機器ケース１の外形々状を構成する構成部材
としてのみ作用させることができる。したがって、図示
例においては、蓋プレート１２は図２および図４に示す
ように中央部分が外周部分よりも隆起した曲面形状に成
形されており、これにより蓋プレート１２は機器ケース
１の９時側の側面部分４の曲面形状に沿い、同側面部分
４の外形的なデザインの一部を構成している。なお、押
えプレート１１および蓋プレート１２には、それぞれ透
孔１１ａ，１２ａが形成されるが、これらの透孔１１
ａ，１２ａはセンサユニット５に収納されているセンサ
と外部環境を連通して、センサによる温度検知や圧力検
知を可能とするものである。

【００１１】このような構成の本実施例は止着部材であ
るビス８，８により押えプレート１１を固定し、この押
えプレート１１の固定によりパッキン１０をセンサユニ
ット５と機器ケース１とに押え付けて機器ケース１を気
密構造とするため、蓋プレート１２を機器ケース１の外
形々状に合わせた任意の形状とすることができる。この
ため機器ケース１の外観が向上し、高級感を有したデザ
インとすることができる。

【００１２】本発明は上記実施例に限定されることな
く、種々変更が可能である。例えば、蓋プレートを偏平
形状としても良く、センサユニット５を収納する開口部
６を機器ケース１の側面部分や９時側以外に形成しても
良い。また、センサユニット５に収納されるセンサは磁
気を検出する磁気センサ，脈拍を測定する脈拍検出セン
サ，歩数をカウントする歩数検出センサ，煙や放射能等
を検出するその他のセンサであっても良い。さらに本発
明は電子腕時計以外の他の電子機器，例えば小型電子計
算機，ゲーム機，ラジオ装置，ページャ等の無線装置，
玩具などに対しても同様に適用することができる。

【００１３】

【発明の効果】本発明は押えプレートで押え付けられた
パッキンによりセンサユニットと機器ケースとに密着さ
せて気密性を確保するとともに、押えプレートの外側に
位置するように機器ケースの開口部に蓋プレートを取り
付けているので、機器ケースの外形々状に合わせて前記
蓋プレートの外表面を形成することができ、電子機器の
外観を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の全体平面図。

【図２】本発明の一実施例の要部の断面図。

【図３】蓋プレートの平面図。

【図４】本発明の一実施例の別部分の断面図。

【図５】従来の電子機器の断面図。

【符号の説明】

１ 機器ケース ４ 側面部分 ５ センサユニット ６ 開口部 ８ ビス １０ パッキン １１ 押えプレート １２ 蓋プレート １３ 固定用ビス

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 開口部が形成された機器ケースと、この
   機器ケースの開口部内に収納されたセンサユニットと、
   このセンサユニットと前記機器ケースとの気密性保持の
   ため該機器ケース内に挿入されたパッキンと、このパッ
   キンが前記センサユニットおよび前記機器ケースに密着
   するように押え付ける押えプレートと、この押えプレー
   トの押え付け状態を維持するため該押えプレートを前記
   機器ケースに固定する止着部材と、前記押えプレートの
   外側に位置するように前記開口部に取り付けられた蓋プ
   レートと、この蓋プレートを前記機器ケースに固定する
   固定部材とを備えていることを特徴とするセンサを備え
   た小型電子機器。