JPH05268786A - キャプスタンモータ速度検出装置 - Google Patents

キャプスタンモータ速度検出装置

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JPH05268786A
JPH05268786A JP4060346A JP6034692A JPH05268786A JP H05268786 A JPH05268786 A JP H05268786A JP 4060346 A JP4060346 A JP 4060346A JP 6034692 A JP6034692 A JP 6034692A JP H05268786 A JPH05268786 A JP H05268786A
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JP
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capstan
output
signal
flywheel
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JP4060346A
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Junichi Yamamoto
順一 山本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャプスタンフライホイルの外周面上の磁極
数を増加させることなく、磁極数を増したのと同等のサ
ーボ制御帯域拡大効果が得られるキャプスタンモータ速
度検出装置を提供する。 【構成】 キャプスタンフライホイル1の外周面に着磁
した磁極に対向するように複数個の磁気ヘッド2〜5を
配置して互いに位相の異なる速度検出信号を発生し、こ
の速度検出信号を排他的論理和回路8a〜8cからなる
論理回路で逓倍信号を作成して速度検出信号としてマイ
クロコンピュータ9に出力し、マイクロコンピュータ9
でキャプスタンモータの回転速度制御を行なうとともに
ソフトウエアで構成したディジタル櫛形フィルタで磁気
ヘッド取付精度のばらつきと着磁むらに起因する速度検
出信号の周期むらを除去する。 【効果】 小型モータを使用するムービや超低速回転時
の長時間ビデオ・テープレコーダのサーボ制御帯域を拡
大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTR(ビデオ・テ
ープ・レコーダ)のキャプスタンモータの速度検出に際
し、キャプスタンフライホイル上の磁極数を増加させる
ことなく、磁極数を増加したのと同等の効果が得られる
キャプスタンモータ速度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のVTRのキャプスタンモータ速度
検出装置として、キャプスタンフライホイルの外周面上
に等間隔でN極とS極を着磁し、これに対向する磁気ヘ
ッド等によりキャプスタンモータの回転速度に比例した
速度検出信号(以下、FG信号という)を得るキャプス
タンモータ速度検出装置があった。
【0003】次に、動作について説明する。キャプスタ
ンフライホイル外周面上に等間隔でN極,S極が着磁さ
れている。フライホイルに対向して配置された磁気ヘッ
ドには、フライホイルが回転して、フライホイル上の磁
極が磁気ヘッドを横切ると、電圧が誘起され、フライホ
イルの回転数に比例した周波数信号を磁気ヘッドから得
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のキャプスタンモ
ータ速度検出装置は以上のように構成されているが、近
年のVTRの小型化にともない、キャプスタンフライホ
イルも小型化され、フライホイル外周面上へ着磁できる
磁極数は物理的に制限を受けることになる。
【0005】一般に、キャプスタンFGの波数を減少さ
せれば、ザーボ制御帯域が減少するが、小型化されたフ
ライホイルに精度よく数多く着磁するには、高度な技術
が必要であった。
【0006】一方、VTRの特殊再生等においては、キ
ャプスタンモータを超低速回転させる場合があるが、低
速回転させれば、FGによるサンプリング周波数が減少
するため、サーボ制御帯域が減少するので、従来より多
くの磁極を着磁させねばならなかった。
【0007】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、キャプスタンフライホイル上
の磁極数を増加させることなく、磁極数を増したのと同
等の効果が得られ、かつサーボ帯域を増大させるキャプ
スタンモータ速度検出装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係るキャプス
タンモータ速度検出装置は、キャプスタンフライホイル
の外周面の着磁部に対向しかつ出力信号が互いに位相の
異なる位置に配置した複数個の磁気ヘッドと、この複数
個の磁気ヘッドから出力される位相の異なる信号から逓
倍信号を発生する論理回路と、この逓倍信号を入力して
キャプスタンモータの速度制御をディジタル信号処理に
よるサーボ速度制御ループで行うとともにこのサーボ速
度制御ループ内のディジタル櫛形フィルタにより複数の
磁気ヘッドの取付精度に起因する位相の異なる信号の位
相ずれの影響を除去するマイクロコンピュータとを設け
たものである。
【0009】
【作用】この発明における複数個の磁気ヘッドは、キャ
プスタンフライホイルの外周面上の磁極を検出してそれ
ぞれ位相の異なる複数の速度検出信号を発生し、この速
度検出信号を論理回路に入力することにより、周波数を
逓倍して逓倍信号を発生する。この逓倍信号をマイクロ
コンピュータに入力することにより、マイクロコンピュ
ータ内のサーボ速度制御ループにより、ディジタル信号
処理で、キャプスタンモータの速度制御を行うことによ
り、キャプスタンフライホイルの外周面上の磁極数を増
加したのと同等のサーボ制御帯域の拡大を可能とする。
【0010】また、複数個の磁気ヘッドの取付精度に起
因する各磁気ヘッドの検出信号の周期むらをサーボ速度
制御ループ内のディジタル櫛形フィルタで除去し、磁気
ヘッドの取付けに高精度を要しないようになる。
【0011】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
基づいて説明する。図1はこの一実施例の構成を示すブ
ロック図である。この図1の実施例では、磁気ヘッドを
4個使用した例を示している。図1の1はキャプスタン
フライホイルであり、図示しないキャプスタンモータに
より回転されるようになっている。このキャプスタンフ
ライホイル1の外周面には等間隔でN極,S極が着磁さ
れている。
【0012】この磁極に対向するように、複数個(図1
では4個)の磁気ヘッド2〜5が配設されている。これ
らの磁気ヘッド2〜5からキャプスタンモータの回転速
度の速度検出信号がそれぞれ位相を異ならせて出力され
るようになっている。各磁気ヘッド2〜5から出力され
る速度検出(この実施例でも、以下、FGという)信号
はFGアンプ6a〜6dでそれぞれ増幅されるようにな
っている。これらのFGアンプ6a〜6dの出力はFG
シュミットアンプ7a〜7dに入力されるようになって
いる。FGシュミットアンプ7a〜7dはFGアンプ6
a〜6dの出力信号の波形整形を行うものである。
【0013】FGシュミットアンプ7aと7bの出力は
それぞれ2入力の排他的論理和回路8aの第1、第2入
力端に入力されるようになっている。同様にして、FG
シュミットアンプ7cと7dの出力は排他的論理和回路
8bの第1、第2入力端に入力されるようになってい
る。さらに、排他的論理和回路8a,8bの出力は2入
力の排他的論理和回路8cの第1、第2入力端に入力さ
れるようになっている。かくして、これらの排他的論理
和回路8a〜8cにより、論理回路を構成している。
【0014】排他的論理和回路8cの出力はマイクロコ
ンピュータ9(サーボマイクロコンピュータ)に入力さ
れるようになっている。マイクロコンピュータ9はキャ
プスタンモータの速度制御を行うために、ディジタル信
号処理によるサーボ速度制御ループを含み、このサーボ
速度制御ループにディジタル櫛形フィルタを有するよう
になっている。
【0015】このディジタル櫛形フィルタは図2に示さ
れている。図2において、入力端子INに図1の排他的
論理和回路8cの出力信号が入力されるようになってい
る。この入力端子INは減算器10の一方の入力端に接
続されており、減算器10の他方の入力端は乗算器11
の出力端に接続されている。減算器10は排他的論理和
回路8cの出力から乗算器11の出力を減算し、その減
算結果を出力端子OUTに出力するようになっている。
【0016】減算器10の出力端はスイッチ回路13を
通して、加算器14の一方の入力端に接続されている。
スイッチ回路13は制御回路15の出力により、開閉制
御されるようになっている。加算器14の他方の入力端
は4段の遅延器12の出力が入力されるようになってい
る。したがって、加算器14は減算器10の出力と遅延
器12の出力を加算するようになっている。加算器14
の加算結果は、遅延器12に出力するようになってい
る。遅延器12の出力は上記乗算器11の入力端に入力
されるようになっているとともに、上述したように、加
算器14の他方の入力端に入力されるようになってい
る。
【0017】次に、動作について説明する。キャプスタ
ンモータの回転により、キャプスタンフライホイル1が
回転すると、磁気ヘッド2がキャプスタンフライホイル
1の外周面に着磁された磁極を検出して、磁気ヘッド2
からキャプスタンフライホイル1の回転数に比例した周
波数の出力、すなわち、FG信号が発生し、FGアンプ
6aで増幅され、FGシュミットアンプ7aで波形整形
されて、図3(a)に示すようなキャプスタFGA信号
を出力する。
【0018】他の磁気ヘッド3〜5も全く同様にして、
FG信号を出力し、これらのFG信号はそれぞれFGア
ンプ6b〜6dで増幅され、FGシュミットアンプ7b
〜7dで波形整形され、FGシュミットアンプ7b〜7
dの出力端から図3(b)〜図3(d)に示すようなキ
ャプスタンFGB〜FGD信号が出力される。
【0019】これらのFGシュミットアンプ7a〜7d
から出力されるキャプスタンFGA信号〜キャプスタン
FGD信号の位相差16は磁気ヘッド2〜5の取付位置
の関係からキャプスタンフライホイル1の回転数によら
ず、互いに45度異なるようになっている。
【0020】キャプスタンFGA信号とキャプスタンF
GB信号は排他的論理和回路8aに入力され、そこで排
他的論理和をとって、排他的論理和回路8cの第1入力
端に出力される。同様にして、キャプスタンFGC信号
とキャプスタンFGD信号は排他的論理和回路8bに入
力され、そこで排他的論理和をとって、排他的論理和回
路8cに出力する。排他的論理和回路8cは二つの排他
的論理和回路8aと8bの出力の排他的論理和をとるこ
とにより、排他的論理和回路8cの出力端には、図3
(e)に示すように、周期T1=T2=T3=T4の信
号が出力される。
【0021】この図3(e)に示す排他的論理和回路8
cの出力信号は、FGシュミットアンプ7a〜7dから
出力されるキャプスタンFGA信号〜キャプスタンFG
D信号のそれぞれが4逓倍された逓倍信号となっている
ことがわかる。この排他的論理和回路8cの出力信号は
マイクロコンピュータ9に出力される。
【0022】マイクロコンピュータ9では、排他的論理
和回路8a〜8cで4逓倍された逓倍信号の立ち上がり
と立ち下がりの両エッジで周期計測をして、キャプスタ
ンモータの速度制御を行う。キャプスタンFGA信号〜
キャプスタンFGD信号が4逓倍されているので、サン
プリング周波数が4逓倍になり、サーボ制御帯域が拡大
され、キャプスタンフライホイル1の外周面上に着磁さ
れている磁極数を4逓倍にしたのと同等の効果が得られ
る。
【0023】ところで、磁気ヘッド2〜5の取付位置精
度のばらつきやキャプスタンフライホイル1の外周面上
の磁極の着磁むら等の理由から、図4(a)〜図4
(d)に示すようなキャプスタンFGA信号〜キャプス
タンFGD信号の位相差が互いに正確に45度とならな
い場合がある。このとき、排他的論理和回路8cの出力
信号は図4(e)に示すように、周期T1,T2,T
3,T4が異なる信号となる。すなわち、検出むらをも
ったキャプスタンモータ速度検出信号がマイクロコンピ
ュータ9に入力されることになる。したがって、正確に
キャプスタンモータの速度制御が行えなくなるという不
都合を生じる。
【0024】しかしながらこの発明では、マイクロコン
ピュータ9の内部でソフトウエア的に、図2に示すよう
なディジタル櫛形フィルタを構成することにより、前記
の周期むらを除去することができるようにしている。こ
の図2において、制御回路15により、スイッチ回路1
3を閉じたときのディジタル櫛形フィルタの伝達関数は
次の数1のように表わすことができる。
【0025】
【数1】 この数1において、X(Z)は入力信号、Y(Z)は出
力信号、Kは乗算器11の係数値、を示す。
【0026】このディジタル櫛形フィルタのサンプリン
グは、前記排他的論理和回路8cの出力信号の立ち上が
りと、立ち下がりの両エッジでサンプリングされ、キャ
プスタンFGA信号〜キャプスタンFGD信号の位相差
に起因するキャプスタンモータ速度検出信号のむらを除
去することができる。たとえば、キャプスタンフライホ
イル1の外周面上に360個のN極とS極が着磁されて
おり、これを1Hzの回転数で回転させるとき、排他的論
理和回路8cの出力は720Hzとなる。
【0027】マイクロコンピュータ9では、この両エッ
ジの周期計測を行うので、サンプル周波数は1440H
z、また、周期むらの影響は360Hz成分として現れ
る。ディジタル櫛形フィルタの周波数特性は図5に示す
ように、0Hzと360Hzおよびその高調波の周波数で利
得が減衰するため、前記周期むらの影響は除去される。
【0028】一方、360Hzとその高調波成分の外乱に
対しても応答しなくなるため、図2におけるスイッチ回
路13をたとえば、キャプスタンフライホイル1が1回
転ごとに、連続4サンプル周期のみオンするといった開
閉制御を行う。スイッチ回路13を制御回路15の制御
により開くと、ディジタル櫛形フィルタとしては動作せ
ず、遅延器12に記憶された周期むらを原信号、すなわ
ち排他的論理和回路8cの出力信号から減算するむらキ
ャンセラとして動作し、外乱抑制に影響を与えない。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、キャ
プスタンフライホイルの外周面の着磁部に複数個の磁気
ヘッドを対向して互いに出力信号の位相の異なる位置に
配置し、磁気ヘッドから出力される出力信号を論理回路
で逓倍して逓倍信号を出力してマイクロコンピュータに
速度検出信号として入力し、この速度検出信号に基づき
キャプスタンモータの回転速度を制御するとともに、磁
気ヘッドの取付精度のばらつきにより生じる速度検出信
号の周期むらをマイクロコンピュータ内のソフトウエア
方式のサーボ速度制御ループのディジタル櫛形フィルタ
で除去するように構成したので、キャプスタンフライホ
イルの外周面上の着磁数を増加することなく、着磁数を
増したのと同等のサーボ制御帯域の拡大ができる。した
がって、磁極数を増加することの困難な小型モータ、V
TRのキャプスタンモータ等の速度検出装置として効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるキャプスタンモータ
速度検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同上実施例におけるマイクロコンピュータ内の
サード速度制御ループのディジタル櫛形フィルタのブロ
ック図である。
【図3】同上実施例におけるキャプスタンフライホイル
の外周面上の磁極の着磁むらがなく、かつ磁気ヘッドの
取付位置精度の良好な場合の動作を説明するためのタイ
ミングチャートである。
【図4】同上実施例におけるキャプスタンフライホイル
の外周面上の磁極の着磁むらがあり、かつ磁気ヘッドの
取付位置にばらつきがある場合の動作を説明するための
タイミングチャートである。
【図5】同上実施例におけるディジタル櫛形フィルタの
周波数特性図である。
【符号の説明】
1 キャプスタンフライホイル 2 磁気ヘッド 3 磁気ヘッド 4 磁気ヘッド 5 磁気ヘッド 6a FGアンプ 6c FGアンプ 6d FGアンプ 7a FGシュミットアンプ 7b FGシュミットアンプ 7c FGシュミットアンプ 7d FGシュミットアンプ 8a 排他的論理和回路 8b 排他的論理和回路 8c 排他的論理和回路 9 マイクロコンピュータ 10 減算器 11 乗算器 12 遅延器 13 スイッチ回路 14 加算器 15 制御回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 キャプスタンモータ速度検出装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTR(ビデオ・テ
ープ・レコーダ)のキャプスタンモータの速度検出に際
し、キャプスタンフライホイル上の磁極数を増加させる
ことなく、磁極数を増加したのと同等の効果が得られる
キャプスタンモータ速度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のVTRのキャプスタンモータ速度
検出装置として、キャプスタンフライホイルの外周面上
に等間隔でN極とS極を着磁し、これに対向する磁気ヘ
ッド等によりキャプスタンモータの回転速度に比例した
速度検出信号(以下、FG信号という)を得るキャプス
タンモータ速度検出装置があった。
【0003】次に、動作について説明する。キャプスタ
ンフライホイル外周面上に等間隔でN極,S極が着磁さ
れている。フライホイルに対向して配置された磁気ヘッ
ドには、フライホイルが回転して、フライホイル上の磁
極が磁気ヘッドを横切ると、電圧が誘起され、フライホ
イルの回転数に比例した周波数信号を磁気ヘッドから得
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のキャプスタンモ
ータ速度検出装置は以上のように構成されているが、近
年のVTRの小型化にともない、キャプスタンフライホ
イルも小型化され、フライホイル外周面上へ着磁できる
磁極数は物理的に制限を受けることになる。
【0005】一般に、キャプスタンFGの波数を減少さ
せれば、ザーボ制御帯域が減少するが、小型化されたフ
ライホイルに精度よく数多く着磁するには、高度な技術
が必要であった。
【0006】一方、VTRの特殊再生等においては、キ
ャプスタンモータを超低速回転させる場合があるが、低
速回転させれば、FGによるサンプリング周波数が減少
するため、サーボ制御帯域が減少するので、従来より多
くの磁極を着磁させねばならなかった。
【0007】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、キャプスタンフライホイル上
の磁極数を増加させることなく、磁極数を増したのと同
等の効果を得てサーボ帯域を増大させるキャプスタンモ
ータ速度検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係るキャプス
タンモータ速度検出装置は、キャプスタンフライホイル
の外周面の着磁部に対向しかつ出力信号が互いに位相の
異なる位置に配置した複数個の磁気ヘッドと、この複数
個の磁気ヘッドから出力される位相の異なる信号から逓
倍信号を発生する論理回路と、この逓倍信号を入力して
キャプスタンモータの速度制御をディジタル信号処理で
行うとともにこのサーボ速度制御ループ内のディジタル
櫛形フィルタにより複数の磁気ヘッドの取付精度に起因
する位相の異なる信号の位相ずれの影響を除去するマイ
クロコンピュータとを設けたものである。
【0009】
【作用】この発明によれば、キャプスタンフライホイル
の外周上への磁極数を増加せず、複数個の速度検出器に
より検出される信号を論理回路に入力することにより得
られるてい倍信号を速度検出信号として使用するのでキ
ャプスタンフライホイルの外周面上の磁極数を増加した
のと同等のサーボ制御帯域の拡大が可能となる。
【0010】また、複数個の磁気ヘッドの取付精度に起
因する各磁気ヘッドの検出信号の周期むらをソフトウエ
ア方式のサーボマイコン内部のディジタル櫛形フィルタ
で除去するので、磁気ヘッドの取付けに高精度を要しな
いようになる。
【0011】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
基づいて説明する。図1はこの一実施例の構成を示すブ
ロック図である。この図1の実施例では、磁気ヘッドを
4個使用した例を示している。図1の1はキャプスタン
フライホイルである。このキャプスタンフライホイル1
の外周面には等間隔でN極,S極が着磁されている。
【0012】この磁極に対向するように、複数個(図1
では4個)の磁気ヘッド2〜5が配設されている。これ
らの磁気ヘッド2〜5からキャプスタンモータの回転速
度検出信号がそれぞれ位相を異ならせて出力されるよう
になっている。各磁気ヘッド2〜5から出力される速度
検出(この実施例でも、以下、FGという)信号はFG
アンプ6a〜6dでそれぞれ増幅されるようになってい
る。これらのFGアンプ6a〜6dの出力はFGシュミ
ットアンプ7a〜7dに入力されるようになっている。
FGシュミットアンプ7a〜7dはFGアンプ6a〜6
dの出力信号の波形整形を行うものである。
【0013】FGシュミットアンプ7aと7bの出力は
それぞれ2入力の排他的論理和回路8aの第1、第2入
力端に入力されるようになっている。同様にして、FG
シュミットアンプ7cと7dの出力は排他的論理和回路
8bの第1、第2入力端に入力されるようになってい
る。さらに、排他的論理和回路8a,8bの出力は2入
力の排他的論理和回路8cの第1、第2入力端に入力さ
れるようになっている。かくして、これらの排他的論理
和回路8a〜8cにより、論理回路を構成している。
【0014】排他的論理和回路8cの出力はマイクロコ
ンピュータ9(サーボマイクロコンピュータ)に入力さ
れるようになっている。マイクロコンピュータ9はキャ
プスタンモータの速度制御をディジタル信号処理により
行なう。このディジタル信号処理にはディジタル櫛形フ
ィルタが含まれている。
【0015】このディジタル櫛形フィルタは図2に示さ
れている。図2において、入力端子INに図1の排他的
論理和回路8cの出力信号を速度検波した信号が入力さ
れるようになっている。この入力端子INは減算器10
の一方の入力端に接続されており、減算器10の他方の
入力端は乗算器11の出力端に接続されている。減算器
10は排他的論理和回路8cの出力を速度検波した信号
から乗算器11の出力を減算し、その減算結果を出力端
子OUTに出力するようになっている。
【0016】減算器10の出力端はスイッチ回路13を
通して、加算器14の一方の入力端に接続されている。
スイッチ回路13は制御回路15の出力により、開閉制
御されるようになっている。加算器14の他方の入力端
は4段の遅延器12の出力が入力されるようになってい
る。したがって、加算器14は減算器10の出力と遅延
器12の出力を加算するようになっている。加算器14
の加算結果は、遅延器12に出力するようになってい
る。遅延器12の出力は上記乗算器11の入力端に入力
されるようになっているとともに、上述したように、加
算器14の他方の入力端に入力されるようになってい
る。
【0017】次に、動作について説明する。キャプスタ
ンモータの回転により、キャプスタンフライホイル1が
回転すると、磁気ヘッド2がキャプスタンフライホイル
1の外周面に着磁された磁極を検出して、磁気ヘッド2
からキャプスタンフライホイル1の回転数に比例した周
波数の出力、すなわち、FG信号が発生し、FGアンプ
6aで増幅され、FGシュミットアンプ7aで波形整形
されて、図3(a)に示すようなキャプスタFGA信
号を出力する。
【0018】他の磁気ヘッド3〜5も全く同様にして、
FG信号を出力し、これらのFG信号はそれぞれFGア
ンプ6b〜6dで増幅され、FGシュミットアンプ7b
〜7dで波形整形され、FGシュミットアンプ7b〜7
dの出力端から図3(b)〜図3(d)に示すようなキ
ャプスタンFGB〜FGD信号が出力される。
【0019】これらのFGシュミットアンプ7a〜7d
から出力されるキャプスタンFGA信号〜キャプスタン
FGD信号の位相差16は磁気ヘッド2〜5の取付位置
の関係からキャプスタンフライホイル1の回転数によら
ず、互いに45度異なるようになっている。
【0020】キャプスタンFGA信号とキャプスタンF
GB信号は排他的論理和回路8aに入力され、そこで排
他的論理和をとって、排他的論理和回路8cの第1入力
端に出力される。同様にして、キャプスタンFGC信号
とキャプスタンFGD信号は排他的論理和回路8bに入
力され、そこで排他的論理和をとって、排他的論理和回
路8cに出力する。排他的論理和回路8cは二つの排他
的論理和回路8aと8bの出力の排他的論理和をとるこ
とにより、排他的論理和回路8cの出力端には、図3
(e)に示すようなキャプスタンが定速で回転していれ
ばT1 =T2 =T3 =T4 となる信号が出力される。
【0021】この図3(e)に示す排他的論理和回路8
cの出力信号は、FGシュミットアンプ7a〜7dから
出力されるキャプスタンFGA信号〜キャプスタンFG
D信号のそれぞれが4逓倍された逓倍信号となっている
ことがわかる。この排他的論理和回路8cの出力信号は
マイクロコンピュータ9に出力される。
【0022】マイクロコンピュータ9では、排他的論理
和回路8a〜8cで4逓倍された逓倍信号の立ち上がり
と立ち下がりの両エッジで周期計測をして、キャプスタ
ンモータの速度制御を行う。キャプスタンFGA信号〜
キャプスタンFGD信号が4逓倍されているので、サン
プリング周波数が4倍になり、サーボ制御帯域が拡大さ
れ、キャプスタンフライホイル1の外周面上に着磁され
ている磁極数を4倍にしたのと同等の効果が得られる。
【0023】ところで、磁気ヘッド2〜5の取付位置精
度のばらつきやキャプスタンフライホイル1の外周面上
の磁極の着磁むら等の理由から、図4(a)〜図4
(d)に示すようなキャプスタンFGA信号〜キャプス
タンFGD信号の位相差が互いに正確に45度とならな
い場合がある。このとき、排他的論理和回路8cの出力
信号はキャプスタンが定速で回転していても図4(e)
に示すように、周期T1,T2,T3,T4が異なる信
号となる。したがって、正確にキャプスタンモータの速
度制御が行えなくなるという不都合を生じる。
【0024】しかしながらこの発明では、マイクロコン
ピュータ9の内部でソフトウエア的に、図2に示すよう
なディジタル櫛形フィルタを構成することにより、前記
の周期むらを除去することができるようにしている。こ
の図2において、制御回路15により、スイッチ回路1
3を閉じたときのディジタル櫛形フィルタの伝達関数は
次の数1のように表わすことができる。
【0025】
【数1】 この数1において、X(Z)は入力信号、Y(Z)は出
力信号、Kは乗算器11の係数値、を示す。
【0026】このディジタル櫛形フィルタのサンプリン
グは、前記排他的論理和回路8cの出力信号の立ち上が
りと、立ち下がりの両エッジでサンプリングされ、キャ
プスタンFGA信号〜キャプスタンFGD信号の位相差
に起因するキャプスタンモータ速度検出信号のむらを除
去することができる。たとえば、キャプスタンフライホ
イル1の外周面上に360個のN極とS極が着磁されて
おり、これを1Hzの回転数で回転させるとき、排他的論
理和回路8cの出力は720Hzとなる。
【0027】マイクロコンピュータ9では、この両エッ
ジの周期計測を行うので、サンプル周波数は1440H
z、また、周期むらの影響は360Hz成分として現れ
る。ディジタル櫛形フィルタの周波数特性は図5に示す
ように、0Hzと360Hzおよびその高調波の周波数で利
得が減衰するため、前記周期むらの影響は除去される。
【0028】一方、360Hzとその高調波成分の外乱に
対しても応答しなくなるため、図2におけるスイッチ回
路13をたとえば、キャプスタンフライホイル1が1回
転ごとに、連続4サンプル周期のみオンするといった開
閉制御を行う。スイッチ回路13を制御回路15の制御
により開くと、ディジタル櫛形フィルタとしては動作せ
ず、遅延器12に記憶された周期むらを原信号、すなわ
ち排他的論理和回路8cの出力信号を速度検波した信号
から減算するむらキャンセラとして動作し、外乱抑制に
影響を与えない。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、キャ
プスタンフライホイルの外周面の着磁部に複数個の磁気
ヘッドを対向して互いに出力信号の位相の異なる位置に
配置し、磁気ヘッドから出力される出力信号を論理回路
で逓倍して逓倍信号を出力してマイクロコンピュータに
速度検出信号として入力し、この速度検出信号に基づき
キャプスタンモータの回転速度を制御するとともに、磁
気ヘッドの取付精度のばらつきにより生じる速度検出信
号の周期むらをマイクロコンピュータ内ソフトウエア
で構成されたディジタル櫛形フィルタで除去するよう
たので、キャプスタンフライホイルの外周面上の着磁
数を増加することなく、着磁数を増したのと同等のサー
ボ制御帯域の拡大ができる。したがって、磁極数を増加
することの困難な小型モータ、VTRのキャプスタンモ
ータ等の速度検出装置として効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるキャプスタンモータ
速度検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同上実施例におけるマイクロコンピュータ内
ソフトウェアで構成したディジタル櫛形フィルタのブロ
ック図である。
【図3】同上実施例におけるキャプスタンフライホイル
の外周面上の磁極の着磁むらがなく、かつ磁気ヘッドの
取付位置精度の良好な場合の動作を説明するためのタイ
ミングチャートである。
【図4】同上実施例におけるキャプスタンフライホイル
の外周面上の磁極の着磁むらがあり、かつ磁気ヘッドの
取付位置にばらつきがある場合の動作を説明するための
タイミングチャートである。
【図5】同上実施例におけるディジタル櫛形フィルタの
周波数特性図である。
【符号の説明】 1 キャプスタンフライホイル 2 磁気ヘッド 3 磁気ヘッド 4 磁気ヘッド 5 磁気ヘッド 6a FGアンプ6b FGアンプ 6c FGアンプ 6d FGアンプ 7a FGシュミットアンプ 7b FGシュミットアンプ 7c FGシュミットアンプ 7d FGシュミットアンプ 8a 排他的論理和回路 8b 排他的論理和回路 8c 排他的論理和回路 9 マイクロコンピュータ 10 減算器 11 乗算器 12 遅延器 13 スイッチ回路 14 加算器 15 制御回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャプスタンモータにより回転され外周
    面に等間隔でN極とS極の磁極が着磁されたキャプスタ
    ンフライホイルと、このキャプスタンフライホイルの着
    磁部に対向し、かつ出力信号が互いに位相の異なる位置
    に配置された複数個の磁気ヘッドと、この複数個の磁気
    ヘッドの出力信号を逓倍して逓倍信号を出力する論理回
    路と、この逓倍信号を入力して上記キャプスタンモータ
    の速度制御をディジタル信号処理によるサーボ速度制御
    ループで行うとともに、このサーボ速度制御ループ内の
    ディジタル櫛形フィルタにより上記磁気ヘッドの取付位
    置精度および上記磁極の着磁むらに起因する上記磁気ヘ
    ッドの出力信号の位相ずれの影響を除去するマイクロコ
    ンピュータとを備えたキャプスタンモータ速度検出装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6031966A (en) * 1996-12-03 2000-02-29 Sharp Kabushiki Kaisha Motor speed control device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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