JPH05267649A - 電力用半導体素子 - Google Patents

電力用半導体素子

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JPH05267649A
JPH05267649A JP4060192A JP6019292A JPH05267649A JP H05267649 A JPH05267649 A JP H05267649A JP 4060192 A JP4060192 A JP 4060192A JP 6019292 A JP6019292 A JP 6019292A JP H05267649 A JPH05267649 A JP H05267649A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】オン電圧と素子耐圧の高いトレードオフを実現
した横型の電力用半導体素子を提供することを目的とす
る。 【構成】基板1上に酸化膜2を介して形成されたn型シ
リコン層3のカソード側にp型ベース層8,n+ 型エミ
ッタ層9が形成され、n型エミッタ層9内にp+ 型ドレ
イン層10が形成される。p型ベース層8から所定距離
離れたアノード側にはn型バッファ12が形成され、こ
の中にp+ 型エミッタ層13が形成される。n型シリコ
ン層3は、アノード・カソード間にまたがって走る複数
本のストライプ状溝5により複数本の電流チャネルに分
割されている。ストライプ状溝5の中にはSIPOS等
の高抵抗体層7が平坦に埋込み形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、横型の電力用半導体素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】IGBTや各種サイリスタ等の電力用半
導体素子は、一般に縦型に構成され、高抵抗ベース層の
不純物濃度と厚みにより高耐圧特性が確保される。これ
らの電力用半導体素子を横型に構成する場合、高抵抗ベ
ース層の不純物濃度を同じとして縦型と同じ高耐圧特性
を確保しようとすると、基本的に縦型の場合の厚みに相
当する横方向長さを必要とする。
【0003】図24および図25は、従来の横型IGB
Tの平面図とそのA―A′断面図を示している。シリコ
ン基板1上に酸化膜2を介して高抵抗n- 型ベース層3
が形成され、このn- 型ベース層3にp型ベース層8が
形成されている。p型ベース層8内にn型ソース層9が
形成され、このn型ソース層9内にp+ 型ドレイン層1
0が形成されている。p型ベース層8から所定距離離れ
た位置にn型バッファ層12が形成され、このn型バッ
ファ層12内にp型ドレイン層13が形成されている。
p型ベース層8上にはゲート絶縁膜15を介してゲート
電極16が形成されている。
【0004】高耐圧特性を確保するために、n- 型ベー
ス層3の底部には高濃度のn+ 型層4が形成され、また
- 型ベース層3上には酸化膜17を介してSIPOS
等の高抵抗体膜18が形成されている。
【0005】n- 型ベース層3の不純物濃度を縦型素子
の場合と同じとして、縦型素子と同程度の耐圧を実現す
るためには、図24に示すn- 型ベース層3の長さL
を、縦型素子の場合のn- 型ベース層の厚みに相当する
大きさとすることが必要である。このため横型素子では
どうしても有効面積が減り、面積効率が落ちる。そして
高い素子耐圧を得ようとすると、オン電圧が高くなると
いうトレードオフの問題が残る。
【0006】横型の電力用半導体素子の面積効率を高い
ものとするためには、縦型素子よりも不純物濃度の高い
高抵抗ベース層を用いてしかも、縦型素子と同程度の高
耐圧特性が確保できるような構造が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の横
型の電力用半導体素子では、縦型素子に比べて面積効率
が悪くなるという問題があった。
【0008】本発明は、この様な事情を考慮してなされ
たもので、面積効率の向上を図り、素子耐圧とオン電圧
のトレードオフの問題を解決した横型の電力用半導体素
子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板に
形成された高抵抗半導体層の表面に所定距離をおいて対
向するように第1の主電極領域と第2の主電極領域が配
置された横型の電力用半導体素子において、前記高抵抗
半導体層の第1の主電極領域から第2の主電極領域に達
する範囲に渡って複数本のストライプ状溝が形成され、
これらストライプ状溝に高抵抗体層が埋込み形成されて
いることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によると、第1の主電極領域と第2の主
電極領域間の電流通路となる高抵抗半導体層が、電流方
向に沿った複数本のストライプ状溝によって細い複数本
の電流チャネルに分割された状態となる。そしてこれら
の各電流チャネルの両側には高抵抗体層が埋込み形成さ
れるため、第1の主電極領域と第2の主電極領域間に高
電圧が印加されたときに、各電流チャネルにはチャネル
方向に沿って均一な電界が形成される。
【0011】これにより、高抵抗半導体層の不純物濃度
を従来と同じとすれば、第1の主電極領域と第2の主電
極領域間の距離を従来より小さくしても、従来と同程度
の耐圧が確保できる。すなわち面積効率が高いものとな
る。また、第1の主電極領域と第2の主電極領域間の距
離を従来と同じとして、高抵抗半導体層の不純物濃度を
従来より高くして従来と同程度の耐圧を確保することが
できる。これは、オン抵抗の低減すなわちオン電圧の低
下につながる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例に係る横型MO
Sゲートサイリスタ(MCT)の単位セルのレイアウト
であり、図2,図3はそれぞれ図1のA―A′,B−
B′断面図である。また図4は、全体構造を示す斜視図
である。このMCTは、シリコン基板1にシリコン酸化
膜2を介してn型シリコン層(高抵抗ベース層)3が形
成されたウェハを用いて構成されている。このウェハは
例えば、一方の面に酸化膜2が形成された2枚のシリコ
ン基板の貼り合わせにより得られる。n型シリコン層3
の底部には高濃度n+ 型層4が形成されている。
【0014】図5は制御電極Gがn型シリコン層3を挟
むように設けられている場合を示し、図6はアノード側
とカソード側との2箇所に制御電極Gが設けられている
場合を示している。
【0015】この様なウェハのn型シリコン層3のカソ
ード側にp型ベース層8が形成され、このp型ベース層
8内にn+ 型エミッタ層9が形成され、更にこのn型エ
ミッタ層9内にp+ 型ドレイン層10が形成されてい
る。p型ベース層8はn+ 型バッファ層4に達する深さ
に形成され、n+ 型エミッタ層9はn+ 型バッファ層4
に達しない深さに形成されている。p型ベース層8から
所定距離離れたアノード側にはn型バッファ12がn+
型層4に達する深さに形成され、この中にp+ 型エミッ
タ層13が形成されている。
【0016】n型シリコン層3は、n+ 型エミッタ層9
からp+ 型エミッタ層13にまたがって走る複数本の微
細間隔のストライプ状溝5が形成されて、複数本の電流
チャネルに分割されている。ストライプ状溝5はn+
層4に達する深さに形成されていて、この中にはシリコ
ン酸化膜8を介してSIPOS等の高抵抗体層7が平坦
に埋込み形成されている。
【0017】カソード側のp型ベース層8およびn+
エミッタ層9上には、ストライプ状溝5を横切って連続
するようにゲート絶縁膜15を介してゲート電極16が
形成されている。ストライプ状溝5の一方の端部にはn
+ 型エミッタ層9,p+ 型ドレイン層10およびp型ベ
ース層8に同時にコンタクトするカソード電極11が形
成され、他方の端部にはp+ 型エミッタ層13にコンタ
クトするアノード電極14が形成されている。ストライ
プ状溝5によって横方向に分離されてストライブ状の電
流チャネルとなるn型シリコン層3の表面には、シリコ
ン酸化膜17を介してSIPOS等の高抵抗体膜18が
形成されている。
【0018】この横型MCTのターンオン動作は、ゲー
ト電極16にカソードに対して正の電圧を印加し、p型
ベース層8の表面に反転チャネルを形成することにより
行われる。この時、n+ 型エミッタ層9から反転チャネ
ルを通してn型ベース層3に電子が注入される。ターン
オフ時はゲート電極16にカソードに対して負の電圧を
印加する。これによりp型ベース層8の表面チャネルが
消失し、n+ 型エミッタ層9の表面に反転チャネルが形
成されて、素子内の正孔電流がp型ベース層8からこの
反転チャネルを介し、p型ドレイン層10を介してカソ
ード電極11に排出される。正孔電流の一部はp型ベー
ス層8の底部を通って直接カソード電極11に排出され
る。
【0019】この実施例による横型MCTは、高耐圧を
出すためのn型ベース層3が、高抵抗体層7が埋め込ま
れたストライプ状溝5により複数本に分割されている。
そして埋め込まれた高抵抗体層7の両端は、図4に示す
ようにそれぞれカソード電極11,アノード電極14に
接続されている。n型ベース層3上の高抵抗体膜18
も、一端はアノード電極14に接続され、他端は図では
省略されているがカソード電極11に接続されている。
このため、アノード・カソード間に高電圧が印加された
ときに、溝内部の高抵抗体層7および上面の高抵抗体膜
18には微小電流が流れて均一電界が形成される。また
n型ベース層3の底部では、n+ 型層4により、空乏層
がシリコン酸化膜2の界面まで伸びることが防止され
る。この結果細長く分割されたn型ベース層3は、全周
に渡って溝内部の高抵抗体層7、上面の高抵抗体膜18
および底部のn+ 型層4の働きによって、電流方向に極
めて均一性に優れた電界分布が形成されて、高耐圧特性
が得られる。
【0020】すなわちこの実施例によれば、n型シリコ
ン層3の不純物濃度を従来と同じとすれば、カソード領
域とアノード領域間の距離を従来より小さくしても、従
来と同程度の耐圧が確保できる。これにより、面積効率
が高いものとなる。またカソード領域とアノード領域間
の距離を従来と同じとすれば、ストライプ状溝の深さを
深くすることによってn型シリコン層3の主電流の有効
面積をシリコン基板の深さ方向に大きくとることができ
るので、従来のシリコン基板表面のみを使用する横型素
子に較べて単位面積当りの有効面積が1桁以上(溝の
幅,ピッチがそれぞれ2μm、深さ15μm程度とした
場合)向上する。また、n型シリコン層3の不純物濃度
を従来より高くしても従来と同程度の耐圧を確保するこ
とができる。これにより、素子のオン抵抗の低減すなわ
ちオン電圧の低下が図られる。
【0021】図7〜図9は、上記実施例のMCTを僅か
に変形した実施例を図1〜図3に対応させて示したもの
である。この実施例では、カソード電極11はp型ベー
ス層8にはコンタクトせず、n+ 型エミッタ層9および
+ 型ドレイン層10にのみコンタクトするように形成
されている。この実施例のMCTでは、ターンオフ時の
正孔電流排出がMOSチャネルを通してのみ行われる
が、先の実施例と同様の効果が得られる。
【0022】図10〜図12は、本発明を横型ダイオー
ドに適用した実施例の単位セル構造を、図1〜図3に対
応させて示したものである。この実施例でも先の実施例
と同様のウェハ構造を用いている。n型シリコン層(n
型ベース層)3には、n+ 型エミッタ層9がn+ 型層4
に達する深さをもって形成され、これから所定距離をお
いてp+ 型エミッタ層13が浅く形成されている。n+
型エミッタ層9からp+ 型エミッタ層13に達する複数
本のストライプ状溝5が形成されて、これに酸化膜6を
介して高抵抗体層7が埋込み形成されること、およびn
型シリコン層3上に酸化膜17を介して高抵抗体膜18
が形成されることは、先の実施例と同じである。この実
施例によっても優れた高耐圧特性の横型ダイオードが得
られる。
【0023】図13〜図16は、図1〜図4の実施例の
MCTを変形した実施例のMCTである。図13が図1
に対応する単位セルのレイアウトであり、図14,図1
5および図16はそれぞれ図11のA―A′,B−B′
およびC−C′断面である。この実施例においては、ゲ
ート電極16が、ウェハ表面をストライプ状溝5を横切
って走る表面ゲート部161 と、これと連続してストラ
イプ状溝7の側面部に埋め込まれた埋込みゲート部16
2 とにより構成されている。その他は先の実施例と同様
である。
【0024】この実施例によると、ゲート電極16によ
り制御されるMOSチャネルがストライプ状に分割され
たシリコン層の上面および両側面に形成され、したがっ
て大きいチャネル幅が得られる。すなわちこの実施例に
よれば、先の実施例と同様に電流の流れる方向について
の面積効率が向上すると同時に、溝側面をもチャネルと
して利用することで電流の流れる方向と直交する方向に
ついても面積効率が向上する。
【0025】図17〜図20は、本発明を別の横型MC
Tに適用した実施例の単位セル構造を、図13〜図16
に対応させて示している。この実施例によっても、先の
実施例と同様の効果が得られる。
【0026】図21〜図23は、図10〜図12に示す
横型ダイオードを変形した実施例の横型ダイオードであ
る。この実施例では、ストライプ状溝5に高抵抗体膜7
が埋込み形成されているのみならず、これと連続してn
型シリコン層3の底部にも高抵抗体膜20が埋込み形成
されている。底部高抵抗体膜20とn型シリコン層3の
間にもシリコン酸化膜21が形成されている。カソード
電極11およびアノード電極14は、それぞれ上部高抵
抗体膜18の端部に接続されると同時に、底部高抵抗体
膜20の端部にも接続されている。なお、底部高抵抗体
膜20を埋込むことにより、図10〜図12の実施例で
+ 型層4は省かれている。
【0027】この実施例によると、カソード・アノード
間でストライプ状に分割された各n型シリコン層3はそ
の全周面が高抵抗体膜で覆われた状態となり、電圧印加
時の電界分布の均一性は一層優れたものとなる。
【0028】本発明は上記実施例に限られるものではな
い。例えば実施例では、ストライプ状溝にSIPOS等
の高抵抗体層を埋込み形成したが、表面電界の集中を緩
和できる他の物質を埋め込んでも同様の効果が得られ
る。またストライプ状溝に埋め込む高抵抗体膜の抵抗率
がある程度以上高い場合には、ストライプ状溝の内面に
酸化膜等を設けることなく、高抵抗体層を埋め込んでも
よい。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、電流
方向に走るストライプ状溝に埋め込んだ高抵抗体層の電
界均一化の効果によって、素子耐圧とオン電圧の高いト
レードオフを実現した横型の電力用半導体素子を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る横型MCTの単位セル
を示す平面図。
【図2】図1のA―A′断面図。
【図3】図1のB−B′断面図。
【図4】同実施例の横型MCTの斜視図。
【図5】他の実施例の横型MCTの単位セルを示す斜視
図。
【図6】さらに別の実施例の横型MCTの単位セルを示
す斜視図。
【図7】他の実施例の横型MCTの単位セルを示す平面
図。
【図8】図7のA―A′断面図。
【図9】図7のB−B′断面図。
【図10】本発明を横型ダイオードに適用した実施例の
単位セルの平面図。
【図11】図10のA―A′断面図。
【図12】図10のB−B′断面図。
【図13】本発明の他の実施例の横型MCTの単位セル
を示す平面図。
【図14】図13のA―A′断面図。
【図15】図13のB−B′断面図。
【図16】図13のC−C′断面図。
【図17】本発明の横型IGBTに適用した実施例の単
位セルを示す平面図。
【図18】図17のA―A′断面図。
【図19】図17のB−B′断面図。
【図20】図17のC−C′断面図。
【図21】本発明の他の実施例の横型ダイオードの単位
セルを示す平面図。
【図22】図21のA―A′断面図。
【図23】図21のB−B′断面図。
【図24】従来の横型IGBTを示す平面図。
【図25】図24のA―A′断面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板、 2…シリコン酸化膜、 3…n型シリコン層(高抵抗nベース層)、 4…n+ 型層、 5…ストライプ状溝、 6…シリコン酸化膜、 7…高抵抗体層、 8…p型ベース層、 9…n+ 型エミッタ層、 10…p+ 型ドレイン層、 11…カソード電極、 12…n型バッファ層、 13…p+ 型エミッタ層、 14…アノード電極、 15…ゲート絶縁膜、 16…ゲート電極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、 この半導体基板上に形成された高抵抗半導体層と、 この高抵抗半導体層表面に所定距離をおいて対向するよ
    うに形成された第1の主電極領域および第2の主電極領
    域と、 前記高抵抗半導体層の前記第1の主電極領域から第2の
    主電極領域に達する範囲に渡って形成された複数本のス
    トライプ状溝と、 これらストライプ状溝に埋込み形成された高抵抗体層と
    を有することを特徴とする電力用半導体素子。
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