JPH05261878A - ポリエステル積層フィルム - Google Patents
ポリエステル積層フィルムInfo
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- JPH05261878A JPH05261878A JP4064807A JP6480792A JPH05261878A JP H05261878 A JPH05261878 A JP H05261878A JP 4064807 A JP4064807 A JP 4064807A JP 6480792 A JP6480792 A JP 6480792A JP H05261878 A JPH05261878 A JP H05261878A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高密度磁気記録媒体用として有用なベースフィ
ルムを提供する。 【構成】0.5μm以下の微粒子の含有量が0.5重量
%以下であるポリエステルからなるB層の少なくとも片
面に、平均粒径0.07〜1.0μmで、下記式に定義
する粒度分布値が1.60以下であるバテライト型炭酸
カルシウム粒子を0.2〜20重量%含有するポリエス
テルからなるA層を積層したフィルムであり、A層の厚
みが0.1〜5μmでかつA層中のバテライト型炭酸カ
ルシウム粒子の平均粒径の0.5〜20倍であることを
特徴とするポリエステル積層フィルム。 粒度分布値=d25/d75 (上記式中、d25、d75は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の25%、75%に相当す
る粒径(μm)を示す)
ルムを提供する。 【構成】0.5μm以下の微粒子の含有量が0.5重量
%以下であるポリエステルからなるB層の少なくとも片
面に、平均粒径0.07〜1.0μmで、下記式に定義
する粒度分布値が1.60以下であるバテライト型炭酸
カルシウム粒子を0.2〜20重量%含有するポリエス
テルからなるA層を積層したフィルムであり、A層の厚
みが0.1〜5μmでかつA層中のバテライト型炭酸カ
ルシウム粒子の平均粒径の0.5〜20倍であることを
特徴とするポリエステル積層フィルム。 粒度分布値=d25/d75 (上記式中、d25、d75は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の25%、75%に相当す
る粒径(μm)を示す)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル積層フィ
ルムに関する。詳しくは、本発明は、均一な多数の突起
を有し、走行性および耐摩耗性が高度に改良された、高
密度磁気記録媒体用に好適なポリエステルフィルムに関
する。
ルムに関する。詳しくは、本発明は、均一な多数の突起
を有し、走行性および耐摩耗性が高度に改良された、高
密度磁気記録媒体用に好適なポリエステルフィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、磁気記録媒体においては、記録密度の向上が目覚ま
しく、今後もさらに高密度記録化が求められている。高
密度記録化の方法の一つとして金属メタルとバインダー
を塗布し薄膜層を形成させる、いわゆるメタルパウダー
型磁気記録媒体を用いる方法が開発されている。このよ
うな高密度記録型の磁気記録媒体は、記録密度が高くな
る程、磁性層の膜厚を薄くする必要があり、基体フィル
ムの表面の改良も必要となる。
年、磁気記録媒体においては、記録密度の向上が目覚ま
しく、今後もさらに高密度記録化が求められている。高
密度記録化の方法の一つとして金属メタルとバインダー
を塗布し薄膜層を形成させる、いわゆるメタルパウダー
型磁気記録媒体を用いる方法が開発されている。このよ
うな高密度記録型の磁気記録媒体は、記録密度が高くな
る程、磁性層の膜厚を薄くする必要があり、基体フィル
ムの表面の改良も必要となる。
【0003】従来の磁気テープと同様、ポリエステルフ
ィルムが、かかるメタルパウダー型磁気記録媒体用基体
フィルムとして期待されているが、実際に適用する場合
には、通常のポリエステルフィルムでは種々の問題点が
存在する。まず第一に、磁性層の膜厚が薄くなるため、
基体フィルム表面の凹凸が従来以上に磁性層表面に反映
する。従って、磁性層を形成する基体フィルム面は可能
な限り平担にすることが必要である。
ィルムが、かかるメタルパウダー型磁気記録媒体用基体
フィルムとして期待されているが、実際に適用する場合
には、通常のポリエステルフィルムでは種々の問題点が
存在する。まず第一に、磁性層の膜厚が薄くなるため、
基体フィルム表面の凹凸が従来以上に磁性層表面に反映
する。従って、磁性層を形成する基体フィルム面は可能
な限り平担にすることが必要である。
【0004】一方、ポリエステルフィルム製造時の走行
性、巻き取り時の巻き上げ性を向上させるため、あるい
は磁気テープとした際、ガイドピンやヘッドと接触した
状態での走行性を良好にするためフィルムの表面に凹凸
を形成させて、易滑性を付与することが必要である。以
上のように、磁気テープの高密度化、高品質化において
は、一方でフィルム表面の平坦性を、一方で走行性を維
持するという二律背反の要求がなされてきた。かかる要
求に対し、両面とも同一の表面性を有するポリエステル
フィルムで種々の改良が試みられてきた。しかしなが
ら、8m/mビデオ用、その他高品質グレードの開発の
ためには、もはや両面同一の表面性を有するフィルムで
は適用し得ず、表裏で異なる表面性のフィルムが要求さ
れるようになった。すなわち、磁性層を形成する面は、
磁気記録特性を向上すべく平坦な面とし、他方の面は凹
凸をつけたり、易滑性を与える種々の突起(波状、シワ
状等)を付与すべく塗布延伸したりすることにより、走
行性を与えようとするものである。その代表例として
は、片面が表面に凹凸を付与する粒子を含む層から構成
され、もう一方の面が粒子をほとんど含まない層から構
成される共押出積層フィルムがよく知られている。
性、巻き取り時の巻き上げ性を向上させるため、あるい
は磁気テープとした際、ガイドピンやヘッドと接触した
状態での走行性を良好にするためフィルムの表面に凹凸
を形成させて、易滑性を付与することが必要である。以
上のように、磁気テープの高密度化、高品質化において
は、一方でフィルム表面の平坦性を、一方で走行性を維
持するという二律背反の要求がなされてきた。かかる要
求に対し、両面とも同一の表面性を有するポリエステル
フィルムで種々の改良が試みられてきた。しかしなが
ら、8m/mビデオ用、その他高品質グレードの開発の
ためには、もはや両面同一の表面性を有するフィルムで
は適用し得ず、表裏で異なる表面性のフィルムが要求さ
れるようになった。すなわち、磁性層を形成する面は、
磁気記録特性を向上すべく平坦な面とし、他方の面は凹
凸をつけたり、易滑性を与える種々の突起(波状、シワ
状等)を付与すべく塗布延伸したりすることにより、走
行性を与えようとするものである。その代表例として
は、片面が表面に凹凸を付与する粒子を含む層から構成
され、もう一方の面が粒子をほとんど含まない層から構
成される共押出積層フィルムがよく知られている。
【0005】しかしながら、共押出法により積層した表
裏で異なる表面性のフィルムに、磁性層形成後、巻き上
げてエージングする工程で、磁性層面に反磁性層面の凹
凸が転写して、磁性層の平坦性が損われ、その結果、電
磁変換特性が低下するという問題が生ずる。特に反磁性
層面の凹凸が大きいと、電磁変換特性が著しく低下し、
高密度記録用としての適用は不可能となってしまう。
裏で異なる表面性のフィルムに、磁性層形成後、巻き上
げてエージングする工程で、磁性層面に反磁性層面の凹
凸が転写して、磁性層の平坦性が損われ、その結果、電
磁変換特性が低下するという問題が生ずる。特に反磁性
層面の凹凸が大きいと、電磁変換特性が著しく低下し、
高密度記録用としての適用は不可能となってしまう。
【0006】かかる問題を解決するために、反磁性層面
に形成させる突起を小さくして、凹凸が転写した場合で
も電磁変換特性を低下させないようにし、突起の数を多
くしてフィルムの走行性を良好にする方法が特開平3−
86916号公報等で提案されている。しかしながらか
かる微細粒子の多量添加法においてもフィルムの走行性
と磁気テープ品質を高度に保つためにはいくつかの問題
があった。すなわち、均一な小突起を形成させるために
は、粒子を含有する層を極めて薄い層にしなければなら
ず、突起数を増加させるためには、粒子の含有量を多量
にする必要がある。このため粒子の凝集による大突起の
形成が起こりやすかったり、粒子が脱落しやすくなった
りする等の欠点を有していた。
に形成させる突起を小さくして、凹凸が転写した場合で
も電磁変換特性を低下させないようにし、突起の数を多
くしてフィルムの走行性を良好にする方法が特開平3−
86916号公報等で提案されている。しかしながらか
かる微細粒子の多量添加法においてもフィルムの走行性
と磁気テープ品質を高度に保つためにはいくつかの問題
があった。すなわち、均一な小突起を形成させるために
は、粒子を含有する層を極めて薄い層にしなければなら
ず、突起数を増加させるためには、粒子の含有量を多量
にする必要がある。このため粒子の凝集による大突起の
形成が起こりやすかったり、粒子が脱落しやすくなった
りする等の欠点を有していた。
【0007】一方、フィルムに含有させる粒子について
も、従来、カオリン、酸化ケイ素、二酸化チタン、リン
酸カルシウム等、ポリエステルに不活性な粒子を添加し
た例が知られており、走行性が改良されることも周知で
ある。しかしながら、これらの粒子は、通常その粒度分
布が広いため、しばしば粗大突起が形成され、電磁変換
特性が悪化するようになり、特に高密度記録用のベース
フィルムは適用できない。
も、従来、カオリン、酸化ケイ素、二酸化チタン、リン
酸カルシウム等、ポリエステルに不活性な粒子を添加し
た例が知られており、走行性が改良されることも周知で
ある。しかしながら、これらの粒子は、通常その粒度分
布が広いため、しばしば粗大突起が形成され、電磁変換
特性が悪化するようになり、特に高密度記録用のベース
フィルムは適用できない。
【0008】この問題点を克服するため、近年シャープ
な粒度分布を有する無機または有機の粒子を用いること
が提案されている。例えば、特開昭62−207356
号公報、特開昭59−217755号公報にはそれぞれ
単分散性の酸化ケイ素、乳化重合法による架橋高分子粒
子が示されている。しかしながら、酸化ケイ素を用いる
場合には、その粒子の硬度が高いためフィルムが接触す
る基材を傷つけやすいことや粒子がフィルムから脱落し
やすいという問題がある。また、る架橋高分子粒子を用
いる場合には、延伸により粒子が変形しやすい点や耐熱
性において難がある。
な粒度分布を有する無機または有機の粒子を用いること
が提案されている。例えば、特開昭62−207356
号公報、特開昭59−217755号公報にはそれぞれ
単分散性の酸化ケイ素、乳化重合法による架橋高分子粒
子が示されている。しかしながら、酸化ケイ素を用いる
場合には、その粒子の硬度が高いためフィルムが接触す
る基材を傷つけやすいことや粒子がフィルムから脱落し
やすいという問題がある。また、る架橋高分子粒子を用
いる場合には、延伸により粒子が変形しやすい点や耐熱
性において難がある。
【0009】このように、これまで高密度磁気記録媒体
用として、高度な電磁変換特性と、、高度な走行性と耐
摩耗性を兼ね備えるべき優れたポリエステルフィルムは
得られていないのが実情である。
用として、高度な電磁変換特性と、、高度な走行性と耐
摩耗性を兼ね備えるべき優れたポリエステルフィルムは
得られていないのが実情である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実情
に鑑みて、特に高密度磁気記録媒体用のポリエステルフ
ィルムに関して、鋭意検討を行った結果、ある特定の構
成を有する積層フィルムが優れた特性を有することを見
いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
の要旨は、平均粒径0.5μm以下の微粒子の含有量が
0.5重量%以下であるポリエステルからなるB層の少
なくとも片面に、平均粒径0.07〜1.0μmで、下
記式に定義する粒度分布値が1.60以下であるバテラ
イト型炭酸カルシウム粒子を0.2〜20重量%含有す
るポリエステルからなるA層を積層したフィルムであ
り、A層の厚みが0.1〜5μmでかつA層中のバテラ
イト型炭酸カルシウム粒子の平均粒径の0.5〜20倍
であることを特徴とするポリエステル積層フィルム。
に鑑みて、特に高密度磁気記録媒体用のポリエステルフ
ィルムに関して、鋭意検討を行った結果、ある特定の構
成を有する積層フィルムが優れた特性を有することを見
いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
の要旨は、平均粒径0.5μm以下の微粒子の含有量が
0.5重量%以下であるポリエステルからなるB層の少
なくとも片面に、平均粒径0.07〜1.0μmで、下
記式に定義する粒度分布値が1.60以下であるバテラ
イト型炭酸カルシウム粒子を0.2〜20重量%含有す
るポリエステルからなるA層を積層したフィルムであ
り、A層の厚みが0.1〜5μmでかつA層中のバテラ
イト型炭酸カルシウム粒子の平均粒径の0.5〜20倍
であることを特徴とするポリエステル積層フィルム。
【0011】粒度分布値=d25/d75 (上記式中、d25/d75は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の25%、75%に相当す
る粒径(μm)を示す) 以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明でいうポ
リエステルとは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸のような芳香族ジカルボン酸と、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールのような脂肪族グリコールとを重縮合
させて得られるポリマーである。当該ポリマーの代表的
なものとしては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート(PEN)等が例示される。また、当該ポリマーは
ホモポリマーの他に、20モル%以下の、第三成分を含
有した共重合体であっても構わない。この場合、ジカル
ボン酸成分として、例えばイソフタル酸、フタル酸、テ
レフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、およびオキシカルボン酸(例えばp
−オキシ安息香酸等)の一種または二種以上を用いるこ
とが可能である。グリコール成分としてはエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール等の一種または二種以上を用いることができる。
から計測し、それぞれ総体積の25%、75%に相当す
る粒径(μm)を示す) 以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明でいうポ
リエステルとは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸のような芳香族ジカルボン酸と、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールのような脂肪族グリコールとを重縮合
させて得られるポリマーである。当該ポリマーの代表的
なものとしては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート(PEN)等が例示される。また、当該ポリマーは
ホモポリマーの他に、20モル%以下の、第三成分を含
有した共重合体であっても構わない。この場合、ジカル
ボン酸成分として、例えばイソフタル酸、フタル酸、テ
レフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、およびオキシカルボン酸(例えばp
−オキシ安息香酸等)の一種または二種以上を用いるこ
とが可能である。グリコール成分としてはエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール等の一種または二種以上を用いることができる。
【0012】本発明で用いるポリエステルの極限粘度
は、通常0.5〜1.0であり、A層とB層とで異なっ
ていてもよいが、ポリマーの溶融時の粘度差により、そ
れぞれの層の厚さ斑が大きくなったり、得られて二軸配
向フィルムがカールしたりする問題を防止するため、そ
の差は好ましくは0.20以下、さらに好ましくは0.
15以下、特に好ましくは0.10以下とする。
は、通常0.5〜1.0であり、A層とB層とで異なっ
ていてもよいが、ポリマーの溶融時の粘度差により、そ
れぞれの層の厚さ斑が大きくなったり、得られて二軸配
向フィルムがカールしたりする問題を防止するため、そ
の差は好ましくは0.20以下、さらに好ましくは0.
15以下、特に好ましくは0.10以下とする。
【0013】また、他の重合体例えばポリアミド、ポリ
オレフィン、ポリカーボネート等を10重量%以下ブレ
ンドすることも可能である。ただし、ポリエステルの結
晶性を極端に変化させたり、ブレンドにより表面形状が
大きく変化する重合体は好ましくない。さらに、可能な
限り、A層とB層を異なる種類のポリマーの組み合わせ
とすることもできる。例えばPETとPENとの組み合
わせや片方あるいは両層を共重合体とするもの等、目的
に応じて選択することができる。前記ポリエステル中に
はエステル交換触媒、重合触媒以外に、任意の添加剤、
例えば、熱安定剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、
着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などを含有させても
よい。
オレフィン、ポリカーボネート等を10重量%以下ブレ
ンドすることも可能である。ただし、ポリエステルの結
晶性を極端に変化させたり、ブレンドにより表面形状が
大きく変化する重合体は好ましくない。さらに、可能な
限り、A層とB層を異なる種類のポリマーの組み合わせ
とすることもできる。例えばPETとPENとの組み合
わせや片方あるいは両層を共重合体とするもの等、目的
に応じて選択することができる。前記ポリエステル中に
はエステル交換触媒、重合触媒以外に、任意の添加剤、
例えば、熱安定剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、
着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などを含有させても
よい。
【0014】本発明の特徴の一つは、A層にある特定の
バテライト型炭酸カルシウム粒子を含有させる点にあ
る。炭酸カルシウム粒子の製法としては天然の炭酸カル
シウムを粉砕、分級する方法の他、例えば特開昭59−
69425号公報に示されているうように水酸化カルシ
ウムの液に二酸化炭素含有ガスを反応せしめるいわゆる
合成法による沈降性炭酸カルシウムが知られている。こ
の場合、比較的粒径の揃ったカルサイト型炭酸カルシウ
ム粒子が得られ、これを例えば特公平1−16856号
公報に示されているようにポリエステルフィルムに配合
することも知られているが、該粒子はなお所望の粒度分
布には達し得ない。
バテライト型炭酸カルシウム粒子を含有させる点にあ
る。炭酸カルシウム粒子の製法としては天然の炭酸カル
シウムを粉砕、分級する方法の他、例えば特開昭59−
69425号公報に示されているうように水酸化カルシ
ウムの液に二酸化炭素含有ガスを反応せしめるいわゆる
合成法による沈降性炭酸カルシウムが知られている。こ
の場合、比較的粒径の揃ったカルサイト型炭酸カルシウ
ム粒子が得られ、これを例えば特公平1−16856号
公報に示されているようにポリエステルフィルムに配合
することも知られているが、該粒子はなお所望の粒度分
布には達し得ない。
【0015】本発明らはかかる合成法において系の水素
イオン濃度や反応速度を始めとする製造条件を選定する
ことにより粒度分布の極めて鋭いバテライト型の炭酸カ
ルシュウムを製造し得ることを知見した。この代表的な
例として、丸尾カルシウム(株)製VAN銘柄を挙げる
ことができる。該バテライト型炭酸カルシウムはそのま
まポリエステル製造工程に添加することもできるが、反
応系への溶解度を減少させまた分散性を向上させるため
表面処理を施して置くことが好ましい。この分散剤を兼
ねる表面処理剤としては例えば特開昭59−69426
号公報あるいは特開平1−256558号公報に記載し
てあるような表面処理剤、特に高分子ポリカルボン酸あ
るいはそれらのナトリウム塩、アンモニウム塩等が好ま
しく用いられる。これらは通常該粒子の製造段階の途中
で加えると効果的である。
イオン濃度や反応速度を始めとする製造条件を選定する
ことにより粒度分布の極めて鋭いバテライト型の炭酸カ
ルシュウムを製造し得ることを知見した。この代表的な
例として、丸尾カルシウム(株)製VAN銘柄を挙げる
ことができる。該バテライト型炭酸カルシウムはそのま
まポリエステル製造工程に添加することもできるが、反
応系への溶解度を減少させまた分散性を向上させるため
表面処理を施して置くことが好ましい。この分散剤を兼
ねる表面処理剤としては例えば特開昭59−69426
号公報あるいは特開平1−256558号公報に記載し
てあるような表面処理剤、特に高分子ポリカルボン酸あ
るいはそれらのナトリウム塩、アンモニウム塩等が好ま
しく用いられる。これらは通常該粒子の製造段階の途中
で加えると効果的である。
【0016】かかるバテライト型炭酸カルシウムは球状
あるいは楕円球状として得られ、その長径と短径との比
は通常1.8程度以下である。本発明においては、その
粒度分布値は1.60以下でなければならない。この値
が1.60を越えるとA層表面に形成される突起の高
さ、広がりの均一性が低下し、特に大突起が形成するこ
とによって、磁気テープの電磁変換特性が低下するよう
になるため好ましくない。
あるいは楕円球状として得られ、その長径と短径との比
は通常1.8程度以下である。本発明においては、その
粒度分布値は1.60以下でなければならない。この値
が1.60を越えるとA層表面に形成される突起の高
さ、広がりの均一性が低下し、特に大突起が形成するこ
とによって、磁気テープの電磁変換特性が低下するよう
になるため好ましくない。
【0017】粒度分布値は、好ましくは1.50以下、
さらに好ましくは1.40以下である。特にメタルパウ
ダー型磁気記録媒体用として用いる場合には、突起の均
一性が高度に要求されるため、粒度分布値が1.40以
下であることが望ましい。本発明で用いる上記粒子の平
均粒径は0.07〜1.0μm、好ましくは0.1〜
0.8μm、さらに好ましくは0.1〜0.5μm、特
に好ましくは0.1〜0.3μmの範囲である。この値
が0.07μm未満では、走行性や耐摩耗性の改良が不
十分であり、一方、1.0μmを越えるようになると、
大突起が形成して電磁変換特性が低下する。
さらに好ましくは1.40以下である。特にメタルパウ
ダー型磁気記録媒体用として用いる場合には、突起の均
一性が高度に要求されるため、粒度分布値が1.40以
下であることが望ましい。本発明で用いる上記粒子の平
均粒径は0.07〜1.0μm、好ましくは0.1〜
0.8μm、さらに好ましくは0.1〜0.5μm、特
に好ましくは0.1〜0.3μmの範囲である。この値
が0.07μm未満では、走行性や耐摩耗性の改良が不
十分であり、一方、1.0μmを越えるようになると、
大突起が形成して電磁変換特性が低下する。
【0018】また、その含有量は、0.2〜20重量
%、好ましくは0.2〜10重量%、さらに好ましくは
0.3〜8重量%、特に好ましくは1〜3重量%の範囲
から選択される。含有量が0.2重量%未満では、走行
性や耐摩耗性の改良が不十分で有るため好ましくない。
一方20重量%を超えると、粒子の凝集が生じやすくな
り、それが原因で粗大突起が形成して電磁変換特性が低
下したり、粒子の脱落が起こりやすくなったりする等の
問題が生ずる。
%、好ましくは0.2〜10重量%、さらに好ましくは
0.3〜8重量%、特に好ましくは1〜3重量%の範囲
から選択される。含有量が0.2重量%未満では、走行
性や耐摩耗性の改良が不十分で有るため好ましくない。
一方20重量%を超えると、粒子の凝集が生じやすくな
り、それが原因で粗大突起が形成して電磁変換特性が低
下したり、粒子の脱落が起こりやすくなったりする等の
問題が生ずる。
【0019】本発明にフィルムのA層の厚みは0.1〜
5.0μm、好ましくは0.5〜4.0μm、さらに好
ましくは1.0〜3.0μmである。A層の厚みが0.
1μm未満では、粒子の脱落が起こりやすくなり、フィ
ルム製造あるいは磁気テープ製造工程で問題が生ずる。
また、A層の厚みが5μmを超えるとフィルムのスリッ
ト性が悪くなるので好ましくない。さらに、A層の厚み
は含有するバテライト型炭酸カルシウムの平均粒径の
0.5〜20倍であることが必要であり、好ましくは1
〜20倍、さらに好ましくは3〜20倍である。0.5
倍未満ではりゅうしの脱落が起こりやすくなり、逆に2
0倍を超えると突起の均一性が低下し、走行性や耐摩耗
性が不十分になるため好ましくない。
5.0μm、好ましくは0.5〜4.0μm、さらに好
ましくは1.0〜3.0μmである。A層の厚みが0.
1μm未満では、粒子の脱落が起こりやすくなり、フィ
ルム製造あるいは磁気テープ製造工程で問題が生ずる。
また、A層の厚みが5μmを超えるとフィルムのスリッ
ト性が悪くなるので好ましくない。さらに、A層の厚み
は含有するバテライト型炭酸カルシウムの平均粒径の
0.5〜20倍であることが必要であり、好ましくは1
〜20倍、さらに好ましくは3〜20倍である。0.5
倍未満ではりゅうしの脱落が起こりやすくなり、逆に2
0倍を超えると突起の均一性が低下し、走行性や耐摩耗
性が不十分になるため好ましくない。
【0020】本発明においては、A層にかかるバテライ
ト型炭酸カルシウムを含有させることによって、均一な
突起を多数有するフィルムを得るが、A層表面の中心線
平均粗さ(Ra)は、通常0.005〜0.040μ
m、好ましくは0.010〜0.030μm、最大突起
高さ(Rt)は通常0.05〜0.3μmの範囲であ
る。また、Rt/Raの値が10以下であること、すなわ
ち、粗大突起が存在せず、突起が均一であることが好ま
しく、かかる条件を満足すれば磁気テープとした際の電
磁変換特性を高度に満足することができる。Rt/Ra
は9以下がさらに好ましい。一方、B層については、電
磁変換特性を低下させないようにするためにできる限り
平坦であることが好ましく、微粒子を含有させなくても
よいが、フィルム製造時のフィルム走行性を向上させる
ため、あるいは延伸工程でフィルム表面に傷が入ること
を防止する等の目的で少量であれば微粒子を含有させる
ことができる。この場合、電磁変換特性を低下させない
ようにするため、その粒子の平均粒径は0.5μm以
下、好ましくは0.005〜0.5μm、さらに好まし
くは0.01〜0.3μm、含有量は0.5重量%以
下、好ましくは0.3重量%、さらに好ましくは0.2
重量%以下の範囲とする。平均粒径が0.5μmを超え
たり、含有量が0.5重量%を超えると、電磁変換特性
が低下して本発明の目的を達成できなくなるため好まし
くない。
ト型炭酸カルシウムを含有させることによって、均一な
突起を多数有するフィルムを得るが、A層表面の中心線
平均粗さ(Ra)は、通常0.005〜0.040μ
m、好ましくは0.010〜0.030μm、最大突起
高さ(Rt)は通常0.05〜0.3μmの範囲であ
る。また、Rt/Raの値が10以下であること、すなわ
ち、粗大突起が存在せず、突起が均一であることが好ま
しく、かかる条件を満足すれば磁気テープとした際の電
磁変換特性を高度に満足することができる。Rt/Ra
は9以下がさらに好ましい。一方、B層については、電
磁変換特性を低下させないようにするためにできる限り
平坦であることが好ましく、微粒子を含有させなくても
よいが、フィルム製造時のフィルム走行性を向上させる
ため、あるいは延伸工程でフィルム表面に傷が入ること
を防止する等の目的で少量であれば微粒子を含有させる
ことができる。この場合、電磁変換特性を低下させない
ようにするため、その粒子の平均粒径は0.5μm以
下、好ましくは0.005〜0.5μm、さらに好まし
くは0.01〜0.3μm、含有量は0.5重量%以
下、好ましくは0.3重量%、さらに好ましくは0.2
重量%以下の範囲とする。平均粒径が0.5μmを超え
たり、含有量が0.5重量%を超えると、電磁変換特性
が低下して本発明の目的を達成できなくなるため好まし
くない。
【0021】かかる微粒子の例としては、カオリン、タ
ルク、二酸化チタン、二酸化ケイ素、リン酸カルシウ
ム、酸化アルミニウム、ゼオライト、フッ化リチウム、
フッ化カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラックあ
るいは特公昭59−5216号公報に記載されているよ
うな耐熱性高分子微粉体のほか、前述のバテライト型炭
酸カルシウム粒子や天然の炭酸カルシウムあるいは合成
法によるカルサイト型炭酸カルシウムも使用することが
できる。
ルク、二酸化チタン、二酸化ケイ素、リン酸カルシウ
ム、酸化アルミニウム、ゼオライト、フッ化リチウム、
フッ化カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラックあ
るいは特公昭59−5216号公報に記載されているよ
うな耐熱性高分子微粉体のほか、前述のバテライト型炭
酸カルシウム粒子や天然の炭酸カルシウムあるいは合成
法によるカルサイト型炭酸カルシウムも使用することが
できる。
【0022】これらのいわゆる添加粒子に加え、いわゆ
る析出粒子も使用できる。ここでいう析出粒子とは、例
えばエステル交換触媒としてアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属化合物を用いた系を常法により重合すること
により反応系内に析出するものを指す。また、エステル
交換反応あるいは重縮合反応時にテレフタル酸を添加す
ることにより析出させてもよい。これらの場合、リン
酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ
ブチル、酸性リン酸エチル、亜リン酸、亜リン酸トリメ
チル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル等のリ
ン化合物の一種以上を存在させておいてもよい。また、
エステル化工程を経る場合にもこれらの方法で不活性物
質粒子を析出させることができる。例えば、エステル化
反応終了前または後にアルカリ金属またはアルカリ土類
金属化合物を存在させ、リン化合物の存在下あるいは非
存在下に重合反応を行わせる。
る析出粒子も使用できる。ここでいう析出粒子とは、例
えばエステル交換触媒としてアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属化合物を用いた系を常法により重合すること
により反応系内に析出するものを指す。また、エステル
交換反応あるいは重縮合反応時にテレフタル酸を添加す
ることにより析出させてもよい。これらの場合、リン
酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ
ブチル、酸性リン酸エチル、亜リン酸、亜リン酸トリメ
チル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル等のリ
ン化合物の一種以上を存在させておいてもよい。また、
エステル化工程を経る場合にもこれらの方法で不活性物
質粒子を析出させることができる。例えば、エステル化
反応終了前または後にアルカリ金属またはアルカリ土類
金属化合物を存在させ、リン化合物の存在下あるいは非
存在下に重合反応を行わせる。
【0023】いずれにしても本発明でいうポリエステル
生成反応中に生成する微細な析出化合物にはカルシウ
ム、リチウム、アンチモン、リン等の元素が一種以上含
まれている。さらにフィルムの耐擦傷性を高度に改良す
るためには、A層、またはA、B両層に酸化アルミニウ
ムを含有させることが好ましい。かかる目的で使用され
る酸化アルミニウム粒子としては、平均粒径0.5μm
以下、好ましくは0.1μm以下のデルタ型もしくはガ
ンマ型の酸化アルミニウム粒子、特にデルタ型のそれが
好ましく用いられる。これらの粒子の製造法としては例
えば熱分解法、即ち無水塩化アルミニウムを原料として
火焔加水分解させる方法、あるいはアンモニウム明ばん
熱分解法即ち水酸化アルミニウムを出発原料とし硫酸と
反応させて硫酸アルミとしたのち硫酸アンモニウムと反
応させアンモニウム明ばんとして焼成する方法等を挙げ
ることがでじる。
生成反応中に生成する微細な析出化合物にはカルシウ
ム、リチウム、アンチモン、リン等の元素が一種以上含
まれている。さらにフィルムの耐擦傷性を高度に改良す
るためには、A層、またはA、B両層に酸化アルミニウ
ムを含有させることが好ましい。かかる目的で使用され
る酸化アルミニウム粒子としては、平均粒径0.5μm
以下、好ましくは0.1μm以下のデルタ型もしくはガ
ンマ型の酸化アルミニウム粒子、特にデルタ型のそれが
好ましく用いられる。これらの粒子の製造法としては例
えば熱分解法、即ち無水塩化アルミニウムを原料として
火焔加水分解させる方法、あるいはアンモニウム明ばん
熱分解法即ち水酸化アルミニウムを出発原料とし硫酸と
反応させて硫酸アルミとしたのち硫酸アンモニウムと反
応させアンモニウム明ばんとして焼成する方法等を挙げ
ることがでじる。
【0024】これらの方法により得られる酸化アレミニ
ウムの一次粒径は通常5〜40nmの範囲にあるが、し
ばしば0.5μmを超える凝集体を成形しているので、
適度に解砕して使用することが望ましい。この場合、多
少凝集した二次粒子となっていてもよいが、見かけ上の
平均粒径は0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下
とするのが良い。
ウムの一次粒径は通常5〜40nmの範囲にあるが、し
ばしば0.5μmを超える凝集体を成形しているので、
適度に解砕して使用することが望ましい。この場合、多
少凝集した二次粒子となっていてもよいが、見かけ上の
平均粒径は0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下
とするのが良い。
【0025】本発明のフィルムは、上述のA層とB層と
を積層したフィルムであるが、その厚み比(A層/B
層)は1/99〜50/50の範囲であることが好まし
い。本発明においては、フィルムのヤング率が横方向4
50kg/mm2以上、かつ横方向と縦方向との和が8
50kg/mm2以上、好ましくは900kg/mm2以
上である場合、磁気テープとしての走行性およびテープ
の磁気ヘッドに対するヘッドタッチ性が特に良好とな
り、高度な電磁変換特性が得られる。特に高度な特性を
要求されるメタル塗布型の場合は、かかるヤング率は横
方向450kg/mm2以上、縦方向と横方向との和が
900kg/mm2以上であることが望ましい。
を積層したフィルムであるが、その厚み比(A層/B
層)は1/99〜50/50の範囲であることが好まし
い。本発明においては、フィルムのヤング率が横方向4
50kg/mm2以上、かつ横方向と縦方向との和が8
50kg/mm2以上、好ましくは900kg/mm2以
上である場合、磁気テープとしての走行性およびテープ
の磁気ヘッドに対するヘッドタッチ性が特に良好とな
り、高度な電磁変換特性が得られる。特に高度な特性を
要求されるメタル塗布型の場合は、かかるヤング率は横
方向450kg/mm2以上、縦方向と横方向との和が
900kg/mm2以上であることが望ましい。
【0026】次に本発明のフィルムの製造方法について
述べる。まず、バテライト型炭酸カルシウムのポリヱル
への配合方法であるが、粒子をエチレングリコール等に
分散させてスラリーとし、重縮合によりポリエステルを
製造する任意の段階で添加する方法、粒子をエチレング
リコールあるいは水等に分解させたスラリーをポリエス
テル原料とベント付混練押出機を用いてブレンドする方
法、あるいは乾燥させた粒子をポリエステル原料と混練
押出機を用いてブレンド配合する方法等が挙げられる。
述べる。まず、バテライト型炭酸カルシウムのポリヱル
への配合方法であるが、粒子をエチレングリコール等に
分散させてスラリーとし、重縮合によりポリエステルを
製造する任意の段階で添加する方法、粒子をエチレング
リコールあるいは水等に分解させたスラリーをポリエス
テル原料とベント付混練押出機を用いてブレンドする方
法、あるいは乾燥させた粒子をポリエステル原料と混練
押出機を用いてブレンド配合する方法等が挙げられる。
【0027】また、B層の原料として、少量の微粒子を
含有するポリエステルを使用する場合も、上記した粒子
配合方法を採用できるが、ポリエステル製造段階で粒子
スラリーとして添加する方法が工程の簡便さの点から好
ましい。本発明においては、A層およびB層を有する積
層フィルムを製造する方法として、ラミネート法や共押
出法が挙げられるが、特に共押出法を用いることが望ま
しい。すなわち、2または3台の押出し機、2または3
層のマニホールドまたはフィールブロックを用いて、そ
れぞれのポリエステルを積層し、口金から2または3層
の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延
伸フィルムを得ることにより積層する方法が良い。この
場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転
冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明にお
いては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が
好ましく採用される。
含有するポリエステルを使用する場合も、上記した粒子
配合方法を採用できるが、ポリエステル製造段階で粒子
スラリーとして添加する方法が工程の簡便さの点から好
ましい。本発明においては、A層およびB層を有する積
層フィルムを製造する方法として、ラミネート法や共押
出法が挙げられるが、特に共押出法を用いることが望ま
しい。すなわち、2または3台の押出し機、2または3
層のマニホールドまたはフィールブロックを用いて、そ
れぞれのポリエステルを積層し、口金から2または3層
の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延
伸フィルムを得ることにより積層する方法が良い。この
場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転
冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明にお
いては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が
好ましく採用される。
【0028】静電印加密着法とは、通常、シートの上面
側にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、該
電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することにより
シートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を向上させる
方法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラ
ム表面の全体または一部(例えばシート両端部と接触す
る部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラ
ムとシートとの密着性を向上させる方法である。本発明
においては必要に応じ両者を併用してもよい。
側にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、該
電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することにより
シートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を向上させる
方法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラ
ム表面の全体または一部(例えばシート両端部と接触す
る部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラ
ムとシートとの密着性を向上させる方法である。本発明
においては必要に応じ両者を併用してもよい。
【0029】得られた未延伸フィルムは、二軸方法に延
伸して二軸に配向させる。延伸条件について具体的に述
べると、前記未延伸シートを、好ましくは70〜120
℃、さらに好ましくは80〜110℃の温度範囲で、ま
ず一方向にロールもしくはテンター方式の延伸機により
3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸する。次
に一段目と直交する方向に好ましくは70〜125℃、
さらに好ましくは80〜115℃の温度範囲で3.0〜
7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸を行い、170〜
250℃の温度で定長下、または30%以内の制限収縮
あるいは伸長下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得
る。
伸して二軸に配向させる。延伸条件について具体的に述
べると、前記未延伸シートを、好ましくは70〜120
℃、さらに好ましくは80〜110℃の温度範囲で、ま
ず一方向にロールもしくはテンター方式の延伸機により
3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸する。次
に一段目と直交する方向に好ましくは70〜125℃、
さらに好ましくは80〜115℃の温度範囲で3.0〜
7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸を行い、170〜
250℃の温度で定長下、または30%以内の制限収縮
あるいは伸長下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得
る。
【0030】一方向の延伸を2段階以上で行う方法も用
いることができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上
記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延伸シ
ートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延
伸することも可能である。また、必要に応じて熱処理を
行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸し
てもよい。
いることができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上
記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延伸シ
ートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延
伸することも可能である。また、必要に応じて熱処理を
行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸し
てもよい。
【0031】かくして得られた、本発明の条件を満足す
るフィルムは、従来より電磁変換特性に優れた、よりハ
イグレード化された磁気記録媒体や、メタルパウダーを
主成分として含む磁性層を表面に形成したいわゆるメタ
ル塗布型の磁気記録媒体に好適に用いられるが、要求に
応じて強磁性金属薄膜を設けた、蒸着型磁気記録媒体等
の基体フィルムにも好適に用いられる。
るフィルムは、従来より電磁変換特性に優れた、よりハ
イグレード化された磁気記録媒体や、メタルパウダーを
主成分として含む磁性層を表面に形成したいわゆるメタ
ル塗布型の磁気記録媒体に好適に用いられるが、要求に
応じて強磁性金属薄膜を設けた、蒸着型磁気記録媒体等
の基体フィルムにも好適に用いられる。
【0032】
【実施例】以下、実施例のより本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示すとおりである。また、実施例
中、「部」及び「%」とあるのは各々「重量部」及び
「重量%]を意味する。
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示すとおりである。また、実施例
中、「部」及び「%」とあるのは各々「重量部」及び
「重量%]を意味する。
【0033】(1) 平均粒径および粒度分布値 粒径は電子顕微鏡による写真法で測定し等価球に換算し
た。粒度分布は約1000個の粒子の粒径を測定し、大
粒子側から体積を積算した。総体積に対し、25%時の
粒径をd25とし、75%時の粒径をd75としてその比
[d25/d75]の値で粒度分布のシャープさを示した。
この値が1に近いほどシャープである。なお平均粒径は
d50(μm)で表される。
た。粒度分布は約1000個の粒子の粒径を測定し、大
粒子側から体積を積算した。総体積に対し、25%時の
粒径をd25とし、75%時の粒径をd75としてその比
[d25/d75]の値で粒度分布のシャープさを示した。
この値が1に近いほどシャープである。なお平均粒径は
d50(μm)で表される。
【0034】(2) A層厚み 透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察
にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エ
ポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理
し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片
を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを
日立(株)製透過型電子顕微鏡H−900を用いて断面
の顕微鏡写真を撮影し、粒子を含有するA層の厚みを測
定して。ただし、加速電圧は300kV、倍率はA層厚
みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測
定は50点行い、測定値の厚い方から10点、薄い方か
ら10点を削除して30点を平均して測定値とした。
にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エ
ポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理
し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片
を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを
日立(株)製透過型電子顕微鏡H−900を用いて断面
の顕微鏡写真を撮影し、粒子を含有するA層の厚みを測
定して。ただし、加速電圧は300kV、倍率はA層厚
みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測
定は50点行い、測定値の厚い方から10点、薄い方か
ら10点を削除して30点を平均して測定値とした。
【0035】(3) フィルムの表面粗度 中心線平均粗さ(Ra);(株)小坂研究所社製表面粗
さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求め
た。即ち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基
準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取
り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ
曲線y=f(x)で表したとき、次の式で与えられた値
を[μm]で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表
面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から
求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わし
た。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgと
し、カットオフ値は0.08mmとした。
さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求め
た。即ち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基
準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取
り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ
曲線y=f(x)で表したとき、次の式で与えられた値
を[μm]で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表
面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から
求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わし
た。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgと
し、カットオフ値は0.08mmとした。
【0036】
【数1】
【0037】最大高さ(Rt);(株)小坂研究所社製
表面粗さ測定機(SE−3F)によって得られた断面曲
線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜きとった部分
(以下、抜き取り部分という。)の平均線に平行な2直
線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間隔を断面
曲線の縦倍率の方向に測定してその値をマイクロメート
ル(μm)単位で表したものを抜き取り部分の最大高さ
とした。最大高さは、試料フィルム表面から10本の断
面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部
分の最大高さの平均値で表した。なお、使用した触針の
半径は、2.0μm、荷重30mgでカットオフ値は、
0.08mmである。なおRt/Raが小さいほどその
フィルムの表面突起は均一である。
表面粗さ測定機(SE−3F)によって得られた断面曲
線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜きとった部分
(以下、抜き取り部分という。)の平均線に平行な2直
線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間隔を断面
曲線の縦倍率の方向に測定してその値をマイクロメート
ル(μm)単位で表したものを抜き取り部分の最大高さ
とした。最大高さは、試料フィルム表面から10本の断
面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部
分の最大高さの平均値で表した。なお、使用した触針の
半径は、2.0μm、荷重30mgでカットオフ値は、
0.08mmである。なおRt/Raが小さいほどその
フィルムの表面突起は均一である。
【0038】(4) 耐摩耗製の評価 第2図に示すテープ摩耗評価機を用い、幅10mmのポ
リエステルフィルムを200m長さにわたって走行さ
せ、図中(I)で示した固定ピン(直徑6mm、材質S
US420−J2、仕上げ0.2S)に付着した摩耗粉
の量を目視評価し4ランクに分けた。なお、フィルムの
走行速度は11.4m/分とし張力を(V)で示したテ
ンションピックアップで検出し、初期張力を300g、
フィルムとの巻き付け角θを125とした。 ランクA:付着が全く認められない。 ランクB:付着が極く僅か認められるが実用上は問題な
い。 ランクC:付着量がやや多く長時間使用すると問題とな
りうる。 ランクD:付着量が多く実用上使用し難い。
リエステルフィルムを200m長さにわたって走行さ
せ、図中(I)で示した固定ピン(直徑6mm、材質S
US420−J2、仕上げ0.2S)に付着した摩耗粉
の量を目視評価し4ランクに分けた。なお、フィルムの
走行速度は11.4m/分とし張力を(V)で示したテ
ンションピックアップで検出し、初期張力を300g、
フィルムとの巻き付け角θを125とした。 ランクA:付着が全く認められない。 ランクB:付着が極く僅か認められるが実用上は問題な
い。 ランクC:付着量がやや多く長時間使用すると問題とな
りうる。 ランクD:付着量が多く実用上使用し難い。
【0039】(5) 磁気テープ特性 磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂30部、ニトロ
セルロース10部、塩酢ビ共重合体10部、レシチン1
0部、シクロヘキサノン100部、メチルイソブチルケ
トン100部及びメチルエチルケトン300部をボール
ミルにて48時間混合分散後ポリイソシアネート化合物
5部を加えて磁性塗料とし、これをポリエステルフィル
ムに塗布した後、塗料が十分乾燥固化する前に磁気配向
させ、その後乾燥した。さらに、この塗布フィルムをス
ーパーカレンダーにて表面処理し、1/2インチ幅にス
リットしてビデオテープとした。このビデオテープを松
下電器(株)製NV−3700型ビデオデッキにより、
常速にて下記の磁気テープ特性を評価した。 VTRヘッド出力;シンクロスコープにより測定周波数
4メガヘルツに於けるVTRヘッド出力を測定し基準サ
ンプルに対する相対値をデシベル(dB)で表示した。 ドロップアウト数;4,4メガヘルツの信号を記録した
ビデオテープを再生し、大倉インダストリー(株)製ド
ロップアウトカウンターにて15μsec−20dBに
おけるドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当
りのドロップアウト数(個/分)に換算した。 テープ走行性;ビデオデッキ内でのテープの走行性を目
視にて観察した。
セルロース10部、塩酢ビ共重合体10部、レシチン1
0部、シクロヘキサノン100部、メチルイソブチルケ
トン100部及びメチルエチルケトン300部をボール
ミルにて48時間混合分散後ポリイソシアネート化合物
5部を加えて磁性塗料とし、これをポリエステルフィル
ムに塗布した後、塗料が十分乾燥固化する前に磁気配向
させ、その後乾燥した。さらに、この塗布フィルムをス
ーパーカレンダーにて表面処理し、1/2インチ幅にス
リットしてビデオテープとした。このビデオテープを松
下電器(株)製NV−3700型ビデオデッキにより、
常速にて下記の磁気テープ特性を評価した。 VTRヘッド出力;シンクロスコープにより測定周波数
4メガヘルツに於けるVTRヘッド出力を測定し基準サ
ンプルに対する相対値をデシベル(dB)で表示した。 ドロップアウト数;4,4メガヘルツの信号を記録した
ビデオテープを再生し、大倉インダストリー(株)製ド
ロップアウトカウンターにて15μsec−20dBに
おけるドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当
りのドロップアウト数(個/分)に換算した。 テープ走行性;ビデオデッキ内でのテープの走行性を目
視にて観察した。
【0040】実施例1 ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・四水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留出し、
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いで平均粒径0.24μm、粒度分布値1.29
の高分子ポリカルボン酸で表面処理を施したバテライト
型炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製VAN−S
020)1.5部をエチレングリコールスラリーとして
添加し、さらにエチレンアシッドフォスフェート0.0
4部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重
縮合反応を行い、ポリエチレンテレフタレート(A1)
を得た。
60部および酢酸マグネシウム・四水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留出し、
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いで平均粒径0.24μm、粒度分布値1.29
の高分子ポリカルボン酸で表面処理を施したバテライト
型炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製VAN−S
020)1.5部をエチレングリコールスラリーとして
添加し、さらにエチレンアシッドフォスフェート0.0
4部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重
縮合反応を行い、ポリエチレンテレフタレート(A1)
を得た。
【0041】該ポリエステルの極限粘度は0.65であ
り、その内部を顕微鏡で観察したとこ粒子が均一に分散
していることが確認された。同様にして、粒子を含有し
ない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(B1)を得た。得られたポリエチレンテレフタレート
(A1)および(B1)をそれぞれ乾燥し、別個の溶融押
出機のにより290℃に溶融押出し、これらのポリマー
をフィードブロックで合流積層し、静電印加密着法を用
いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固
化し、積層未延伸シートを得た。
り、その内部を顕微鏡で観察したとこ粒子が均一に分散
していることが確認された。同様にして、粒子を含有し
ない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(B1)を得た。得られたポリエチレンテレフタレート
(A1)および(B1)をそれぞれ乾燥し、別個の溶融押
出機のにより290℃に溶融押出し、これらのポリマー
をフィードブロックで合流積層し、静電印加密着法を用
いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固
化し、積層未延伸シートを得た。
【0042】得られたシートを縦方向に85℃にて3.
7倍延伸し、次いでテンターに導いて、横方向に100
℃で3.6倍延伸し、さらに縦方向に1.13倍延伸し
た後、220℃にて熱固定を行い、厚み7μmの二軸配
向積層フィルムを得た。 実施例2〜4、比較例1〜6 実施例1と同様にして、微粒子を含有するポリエステル
を製造し、製膜条件も実施例1と同様にして、表−1に
示す特性を有する二軸配向積層フィルムを得た。ただ
し、フィルムの総厚みおよびA層厚みは、それぞれの押
出様の吐出量を変えて調節した。また、比較例1および
2のA層原料ポリマーにバテライト型炭酸カルシウム粒
子を含有させる方法は・乾燥した粒子を、実施例1で得
たポリエステル(B1)と二軸混練押出機を用いてブレ
ンド配合する方法を採用した。
7倍延伸し、次いでテンターに導いて、横方向に100
℃で3.6倍延伸し、さらに縦方向に1.13倍延伸し
た後、220℃にて熱固定を行い、厚み7μmの二軸配
向積層フィルムを得た。 実施例2〜4、比較例1〜6 実施例1と同様にして、微粒子を含有するポリエステル
を製造し、製膜条件も実施例1と同様にして、表−1に
示す特性を有する二軸配向積層フィルムを得た。ただ
し、フィルムの総厚みおよびA層厚みは、それぞれの押
出様の吐出量を変えて調節した。また、比較例1および
2のA層原料ポリマーにバテライト型炭酸カルシウム粒
子を含有させる方法は・乾燥した粒子を、実施例1で得
たポリエステル(B1)と二軸混練押出機を用いてブレ
ンド配合する方法を採用した。
【0043】比較例7 実施例1で得たポリエステル(A1)20部とポリエス
テル(B1)80部とを混合し、製膜条件は実施例1と
同様にして、単層のフィルムを製造した。実施例および
比較例で得られたフィルムの物性と、これらに磁性層を
塗布して評価した磁気テープ特性の結果をまとめて表−
1に示した。本発明の要件を満たした実施例1〜4のフ
ィルムは、微細で均一な突起を多数有するため、優れた
磁気テープ特性を有していた。比較例のフィルムは、い
ずれも本発明のフィルムのような高度な磁気テープ特性
は得られない。
テル(B1)80部とを混合し、製膜条件は実施例1と
同様にして、単層のフィルムを製造した。実施例および
比較例で得られたフィルムの物性と、これらに磁性層を
塗布して評価した磁気テープ特性の結果をまとめて表−
1に示した。本発明の要件を満たした実施例1〜4のフ
ィルムは、微細で均一な突起を多数有するため、優れた
磁気テープ特性を有していた。比較例のフィルムは、い
ずれも本発明のフィルムのような高度な磁気テープ特性
は得られない。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の、特定の炭酸カルシウム粒子を
含有する層を有する積層ポリエステルフィルムを基材と
して用いることにより、高度の電磁変換特性とテープの
走行性を有する磁気記録媒体が得られるものであり、そ
の工業的価値は高い。
含有する層を有する積層ポリエステルフィルムを基材と
して用いることにより、高度の電磁変換特性とテープの
走行性を有する磁気記録媒体が得られるものであり、そ
の工業的価値は高い。
【図1】フィルムの走行性を評価する装置の走行系の説
明図である。
明図である。
【図2】フィルムの耐摩耗性を評価する装置の走行系の
説明図である。
説明図である。
I 6mmφ、SUS−420−J2固定ピン II 入口テンションメーター III 出口テンションメーター IV 6mmφ、SUS−420−J2固定ピン V テンションメーター
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】この問題点を克服するため、近年シャープ
な粒度分布を有する無機または有機の粒子を用いること
が提案されている。例えば、特開昭62−207356
号公報、特開昭59−217755号公報にはそれぞれ
単分散性の酸化ケイ素、乳化重合法による架橋高分子粒
子が示されている。しかしながら、酸化ケイ素を用いる
場合には、その粒子の硬度が高いためフィルムが接触す
る基材を傷つけやすいことや粒子がフィルムから脱落し
やすいという問題がある。また、架橋高分子粒子を用い
る場合には、延伸により粒子が変形しやすい点や耐熱性
において難がある。
な粒度分布を有する無機または有機の粒子を用いること
が提案されている。例えば、特開昭62−207356
号公報、特開昭59−217755号公報にはそれぞれ
単分散性の酸化ケイ素、乳化重合法による架橋高分子粒
子が示されている。しかしながら、酸化ケイ素を用いる
場合には、その粒子の硬度が高いためフィルムが接触す
る基材を傷つけやすいことや粒子がフィルムから脱落し
やすいという問題がある。また、架橋高分子粒子を用い
る場合には、延伸により粒子が変形しやすい点や耐熱性
において難がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】いずれにしても本発明でいうポリエステル
生成反応中に生成する微細な析出化合物にはカルシウ
ム、リチウム、アンチモン、リン等の元素が一種以上含
まれている。さらにフィルムの耐擦傷性を高度に改良す
るためには、A層、またはA、B両層に酸化アルミニウ
ムを含有させることが好ましい。かかる目的で使用され
る酸化アルミニウム粒子としては、平均粒径0.5μm
以下、好ましくは0.1μm以下のデルタ型もしくはガ
ンマ型の酸化アルミニウム粒子、特にデルタ型のそれが
好ましく用いられる。これらの粒子の製造法としては例
えば熱分解法、即ち無水塩化アルミニウムを原料として
火焔加水分解させる方法、あるいはアンモニウム明ばん
熱分解法即ち水酸化アルミニウムを出発原料とし硫酸と
反応させて硫酸アルミとしたのち硫酸アンモニウムと反
応させアンモニウム明ばんとして焼成する方法等を挙げ
ることができる。
生成反応中に生成する微細な析出化合物にはカルシウ
ム、リチウム、アンチモン、リン等の元素が一種以上含
まれている。さらにフィルムの耐擦傷性を高度に改良す
るためには、A層、またはA、B両層に酸化アルミニウ
ムを含有させることが好ましい。かかる目的で使用され
る酸化アルミニウム粒子としては、平均粒径0.5μm
以下、好ましくは0.1μm以下のデルタ型もしくはガ
ンマ型の酸化アルミニウム粒子、特にデルタ型のそれが
好ましく用いられる。これらの粒子の製造法としては例
えば熱分解法、即ち無水塩化アルミニウムを原料として
火焔加水分解させる方法、あるいはアンモニウム明ばん
熱分解法即ち水酸化アルミニウムを出発原料とし硫酸と
反応させて硫酸アルミとしたのち硫酸アンモニウムと反
応させアンモニウム明ばんとして焼成する方法等を挙げ
ることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】これらの方法により得られる酸化アルミニ
ウムの一次粒径は通常5〜40nmの範囲にあるが、し
ばしば0.5μmを超える凝集体を成形しているので、
適度に解砕して使用することが望ましい。この場合、多
少凝集した二次粒子となっていてもよいが、見かけ上の
平均粒径は0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下
とするのが良い。
ウムの一次粒径は通常5〜40nmの範囲にあるが、し
ばしば0.5μmを超える凝集体を成形しているので、
適度に解砕して使用することが望ましい。この場合、多
少凝集した二次粒子となっていてもよいが、見かけ上の
平均粒径は0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下
とするのが良い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に本発明のフィルムの製造方法について
述べる。まず、バテライト型炭酸カルシウムのポリエス
テルへの配合方法であるが、粒子をエチレングリコール
等に分散させてスラリーとし、重縮合によりポリエステ
ルを製造する任意の段階で添加する方法、粒子をエチレ
ングリコールあるいは水等に分解させたスラリーをポリ
エステル原料とベント付混練押出機を用いてブレンドす
る方法、あるいは乾燥させた粒子をポリエステル原料と
混練押出機を用いてブレンド配合する方法等が挙げられ
る。
述べる。まず、バテライト型炭酸カルシウムのポリエス
テルへの配合方法であるが、粒子をエチレングリコール
等に分散させてスラリーとし、重縮合によりポリエステ
ルを製造する任意の段階で添加する方法、粒子をエチレ
ングリコールあるいは水等に分解させたスラリーをポリ
エステル原料とベント付混練押出機を用いてブレンドす
る方法、あるいは乾燥させた粒子をポリエステル原料と
混練押出機を用いてブレンド配合する方法等が挙げられ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】また、B層の原料として、少量の微粒子を
含有するポリエステルを使用する場合も、上記した粒子
配合方法を採用できるが、ポリエステル製造段階で粒子
スラリーとして添加する方法が工程の簡便さの点から好
ましい。本発明においては、A層およびB層を有する積
層フィルムを製造する方法として、ラミネート法や共押
出法が挙げられるが、特に共押出法を用いることが望ま
しい。すなわち、2または3台の押出し機、2または3
層のマニホールドまたはフィードブロックを用いて、そ
れぞれのポリエステルを積層し、口金から2または3層
の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延
伸フィルムを得ることにより積層する方法が良い。この
場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転
冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明にお
いては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が
好ましく採用される。
含有するポリエステルを使用する場合も、上記した粒子
配合方法を採用できるが、ポリエステル製造段階で粒子
スラリーとして添加する方法が工程の簡便さの点から好
ましい。本発明においては、A層およびB層を有する積
層フィルムを製造する方法として、ラミネート法や共押
出法が挙げられるが、特に共押出法を用いることが望ま
しい。すなわち、2または3台の押出し機、2または3
層のマニホールドまたはフィードブロックを用いて、そ
れぞれのポリエステルを積層し、口金から2または3層
の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延
伸フィルムを得ることにより積層する方法が良い。この
場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転
冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明にお
いては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が
好ましく採用される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】得られた未延伸フィルムは、二軸方向に延
伸して二軸に配向させる。延伸条件について具体的に述
べると、前記未延伸シートを、好ましくは70〜120
℃、さらに好ましくは80〜110℃の温度範囲で、ま
ず一方向にロールもしくはテンター方式の延伸機により
3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸する。次
に一段目と直交する方向に好ましくは70〜125℃、
さらに好ましくは80〜115℃の温度範囲で3.0〜
7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸を行い、170〜
250℃の温度で定長下、または30%以内の制限収縮
あるいは伸長下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得
る。
伸して二軸に配向させる。延伸条件について具体的に述
べると、前記未延伸シートを、好ましくは70〜120
℃、さらに好ましくは80〜110℃の温度範囲で、ま
ず一方向にロールもしくはテンター方式の延伸機により
3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸する。次
に一段目と直交する方向に好ましくは70〜125℃、
さらに好ましくは80〜115℃の温度範囲で3.0〜
7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸を行い、170〜
250℃の温度で定長下、または30%以内の制限収縮
あるいは伸長下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】(2) A層厚み 透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察
にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エ
ポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理
し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片
を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを
(株)日立製作所製透過型電子顕微鏡H−9000を用
いて断面の顕微鏡写真を撮影し、粒子を含有するA層の
厚みを測定した。ただし、加速電圧は300kV、倍率
はA層厚みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定し
た。厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10
点、薄い方から10点を削除して30点を平均して測定
値とした。
にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エ
ポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理
し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片
を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを
(株)日立製作所製透過型電子顕微鏡H−9000を用
いて断面の顕微鏡写真を撮影し、粒子を含有するA層の
厚みを測定した。ただし、加速電圧は300kV、倍率
はA層厚みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定し
た。厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10
点、薄い方から10点を削除して30点を平均して測定
値とした。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【数1】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】(4) 耐摩耗製の評価 第2図に示すテープ摩耗評価機を用い、幅10mmのポ
リエステルフィルムを200m長さにわたって走行さ
せ、図中(I)で示した固定ピン(直径6mm、材質S
US420−J2、仕上げ0.2S)に付着した摩耗粉
の量を目視評価し4ランクに分けた。なお、フィルムの
走行速度は11.4m/分とし張力を(V)で示したテ
ンションピックアップで検出し、初期張力を300g、
フィルムとの巻き付け角θを125とした。 ランクA:付着が全く認められない。 ランクB:付着が極く僅か認められるが実用上は問題な
い。 ランクC:付着量がやや多く長時間使用すると問題とな
りうる。 ランクD:付着量が多く実用上使用し難い。
リエステルフィルムを200m長さにわたって走行さ
せ、図中(I)で示した固定ピン(直径6mm、材質S
US420−J2、仕上げ0.2S)に付着した摩耗粉
の量を目視評価し4ランクに分けた。なお、フィルムの
走行速度は11.4m/分とし張力を(V)で示したテ
ンションピックアップで検出し、初期張力を300g、
フィルムとの巻き付け角θを125とした。 ランクA:付着が全く認められない。 ランクB:付着が極く僅か認められるが実用上は問題な
い。 ランクC:付着量がやや多く長時間使用すると問題とな
りうる。 ランクD:付着量が多く実用上使用し難い。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】(5) 磁気テープ特性 磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂30部、ニトロ
セルロース10部、塩酢ビ共重合体10部、レシチン1
0部、シクロヘキサノン100部、メチルイソブチルケ
トン100部及びメチルエチルケトン300部をボール
ミルにて48時間混合分散後ポリイソシアネート化合物
5部を加えて磁性塗料とし、これをポリエステルフィル
ムに塗布した後、塗料が十分乾燥固化する前に磁気配向
させ、その後乾燥した。さらに、この塗布フィルムをス
ーパーカレンダーにて表面処理し、1/2インチ幅にス
リットしてビデオテープとした。このビデオテープを松
下電器(株)製NV−3700型ビデオデッキにより、
常速にて下記の磁気テープ特性を評価した。 VTRヘッド出力;シンクロスコープにより測定周波数
4メガヘルツに於けるVTRヘッド出力を測定し基準サ
ンプルに対する相対値をデシベル(dB)で表示した。 ドロップアウト数;4.4メガヘルツの信号を記録した
ビデオテープを再生し、大倉インダストリー(株)製ド
ロップアウトカウンターにて15μsec−20dBに
おけるドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当
りのドロップアウト数(個/分)に換算した。 テープ走行性;ビデオデッキ内でのテープの走行性を目
視にて観察した。
セルロース10部、塩酢ビ共重合体10部、レシチン1
0部、シクロヘキサノン100部、メチルイソブチルケ
トン100部及びメチルエチルケトン300部をボール
ミルにて48時間混合分散後ポリイソシアネート化合物
5部を加えて磁性塗料とし、これをポリエステルフィル
ムに塗布した後、塗料が十分乾燥固化する前に磁気配向
させ、その後乾燥した。さらに、この塗布フィルムをス
ーパーカレンダーにて表面処理し、1/2インチ幅にス
リットしてビデオテープとした。このビデオテープを松
下電器(株)製NV−3700型ビデオデッキにより、
常速にて下記の磁気テープ特性を評価した。 VTRヘッド出力;シンクロスコープにより測定周波数
4メガヘルツに於けるVTRヘッド出力を測定し基準サ
ンプルに対する相対値をデシベル(dB)で表示した。 ドロップアウト数;4.4メガヘルツの信号を記録した
ビデオテープを再生し、大倉インダストリー(株)製ド
ロップアウトカウンターにて15μsec−20dBに
おけるドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当
りのドロップアウト数(個/分)に換算した。 テープ走行性;ビデオデッキ内でのテープの走行性を目
視にて観察した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】実施例1 ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・四水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留出し、
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いで平均粒径0.24μm、粒度分布値1.29
の高分子ポリカルボン酸で表面処理を施したバテライト
型炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製VAN−S
020)1.5部をエチレングリコールスラリーとして
添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04
部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮
合反応を行い、ポリエチレンテレフタレート(A1)を
得た。
60部および酢酸マグネシウム・四水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留出し、
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いで平均粒径0.24μm、粒度分布値1.29
の高分子ポリカルボン酸で表面処理を施したバテライト
型炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製VAN−S
020)1.5部をエチレングリコールスラリーとして
添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04
部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮
合反応を行い、ポリエチレンテレフタレート(A1)を
得た。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】該ポリエステルの極限粘度は0.65であ
り、その内部を顕微鏡で観察したところ粒子が均一に分
散していることが確認された。同様にして、粒子を含有
しない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレー
ト(B1)を得た。得られたポリエチレンテレフタレー
ト(A1)および(B1)をそれぞれ乾燥し、別個の溶融
押出機により290℃で溶融押出し、これらのポリマー
をフィードブロックで合流積層し、静電印加密着法を用
いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固
化し、積層未延伸シートを得た。
り、その内部を顕微鏡で観察したところ粒子が均一に分
散していることが確認された。同様にして、粒子を含有
しない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレー
ト(B1)を得た。得られたポリエチレンテレフタレー
ト(A1)および(B1)をそれぞれ乾燥し、別個の溶融
押出機により290℃で溶融押出し、これらのポリマー
をフィードブロックで合流積層し、静電印加密着法を用
いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固
化し、積層未延伸シートを得た。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】得られたシートを縦方向に85℃にて3.
7倍延伸し、次いでテンターに導いて、横方向に100
℃で3.6倍延伸し、さらに縦方向に1.13倍延伸し
た後、220℃にて熱固定を行い、厚み7μmの二軸配
向積層フィルムを得た。 実施例2〜4、比較例1〜6 実施例1と同様にして、微粒子を含有するポリエステル
を製造し、製膜条件も実施例1と同様にして、表−1に
示す特性を有する二軸配向積層フィルムを得た。ただ
し、フィルムの総厚みおよびA層厚みは、それぞれの押
出機の吐出量を変えて調節した。また、比較例1および
2のA層原料ポリマーにバテライト型炭酸カルシウム粒
子を含有させる方法は、乾燥した粒子を、実施例1で得
たポリエステル(B1)と二軸混練押出機を用いてブレ
ンド配合する方法を採用した。
7倍延伸し、次いでテンターに導いて、横方向に100
℃で3.6倍延伸し、さらに縦方向に1.13倍延伸し
た後、220℃にて熱固定を行い、厚み7μmの二軸配
向積層フィルムを得た。 実施例2〜4、比較例1〜6 実施例1と同様にして、微粒子を含有するポリエステル
を製造し、製膜条件も実施例1と同様にして、表−1に
示す特性を有する二軸配向積層フィルムを得た。ただ
し、フィルムの総厚みおよびA層厚みは、それぞれの押
出機の吐出量を変えて調節した。また、比較例1および
2のA層原料ポリマーにバテライト型炭酸カルシウム粒
子を含有させる方法は、乾燥した粒子を、実施例1で得
たポリエステル(B1)と二軸混練押出機を用いてブレ
ンド配合する方法を採用した。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 KJR 8933−4J // G11B 5/704 7215−5D (72)発明者 小泉 真澄 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイルヘキスト株式会社中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 平均粒径0.5μm以下の微粒子の含
有量が0.5重量%以下であるポリエステルからなるB
層の少なくとも片面に、平均粒径0.07〜1.0μm
で、下記式に定義する粒度分布値が1.60以下である
バテライト型炭酸カルシウム粒子を0.2〜20重量%
含有するポリエステルからなるA層を積層したフィルム
であり、A層の厚みが0.1〜5μmでかつA層中のバ
テライト型炭酸カルシウム粒子の平均粒径の0.5〜2
0倍であることを特徴とするポリエステル積層フィル
ム。 粒度分布値=d25/d75 ( 上記式中、d25、d75は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の25%、75%に相当す
る粒径(μm)を示す)
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4064807A JPH05261878A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | ポリエステル積層フィルム |
EP93104540A EP0562486A1 (en) | 1992-03-23 | 1993-03-19 | Laminated polyester film |
MX9301587A MX9301587A (es) | 1992-03-23 | 1993-03-22 | Pelicula de poliester laminada. |
CA002092116A CA2092116A1 (en) | 1992-03-23 | 1993-03-22 | Laminated polyester film |
KR1019930004581A KR930019737A (ko) | 1992-03-23 | 1993-03-23 | 폴리에스테르 적층필름 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4064807A JPH05261878A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | ポリエステル積層フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05261878A true JPH05261878A (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=13268888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4064807A Pending JPH05261878A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | ポリエステル積層フィルム |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0562486A1 (ja) |
JP (1) | JPH05261878A (ja) |
KR (1) | KR930019737A (ja) |
CA (1) | CA2092116A1 (ja) |
MX (1) | MX9301587A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001341268A (ja) * | 2000-03-27 | 2001-12-11 | Fuji Photo Film Co Ltd | 積層ポリエステルフィルム |
KR20020047485A (ko) * | 2000-12-13 | 2002-06-22 | 장용균 | 적층 폴리에스테르 필름 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5656356A (en) * | 1994-01-11 | 1997-08-12 | Teijin Limited | Biaxially oriented laminated polyester film |
KR970042708A (ko) * | 1995-12-30 | 1997-07-24 | 이웅열 | 폴리에스테르 필름 |
JPH1134266A (ja) * | 1997-07-17 | 1999-02-09 | Teijin Ltd | 易接着性ポリエステルフィルム及び積層フィルム |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3414347A1 (de) * | 1984-04-16 | 1985-10-24 | Hoechst Ag, 6230 Frankfurt | Traegerfolie fuer magnetische informationstraeger |
DE68925599T3 (de) * | 1988-06-08 | 2004-09-30 | Toray Industries, Inc. | Biaxial orientierte Verbundfolie |
EP0460640A1 (en) * | 1990-06-07 | 1991-12-11 | Diafoil Hoechst Co., Ltd | Polyester film for magnetic recording media |
US5336079A (en) * | 1991-03-06 | 1994-08-09 | Toray Industries, Inc. | Biaxially oriented laminated film comprising particles in a specific ratio of particle density |
-
1992
- 1992-03-23 JP JP4064807A patent/JPH05261878A/ja active Pending
-
1993
- 1993-03-19 EP EP93104540A patent/EP0562486A1/en not_active Withdrawn
- 1993-03-22 CA CA002092116A patent/CA2092116A1/en not_active Abandoned
- 1993-03-22 MX MX9301587A patent/MX9301587A/es unknown
- 1993-03-23 KR KR1019930004581A patent/KR930019737A/ko not_active Application Discontinuation
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001341268A (ja) * | 2000-03-27 | 2001-12-11 | Fuji Photo Film Co Ltd | 積層ポリエステルフィルム |
JP4669619B2 (ja) * | 2000-03-27 | 2011-04-13 | 富士フイルム株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
KR20020047485A (ko) * | 2000-12-13 | 2002-06-22 | 장용균 | 적층 폴리에스테르 필름 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR930019737A (ko) | 1993-10-18 |
MX9301587A (es) | 1993-11-01 |
CA2092116A1 (en) | 1993-09-24 |
EP0562486A1 (en) | 1993-09-29 |
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