JPH0525579U - 自動販売機の商品釣銭搬送機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】１つの搬送機構で商品と釣銭を同時に搬送する
ことのできる自動販売機の商品釣銭搬送機構を提供す
る。 【構成】２枚の底板３，４と２枚の側板５とからなり、
釣銭が飛び出さない深さのＶ字型を有する片開きのバス
ケット１を形成する。また、このバスケット１の側板５
外側に設けられた突起５ａを、バスケットガイド板７の
バスケットガイド溝８に嵌入することにより、バスケッ
ト１を上下方向にガイドできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動販売機の商品釣銭搬送機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、販売した商品及び釣銭を自然落下させ、この落下した商品及び釣銭を商 品搬送機構及び釣銭搬送機構を用いて上方に設けられた商品送出口及び釣銭送出 口まで搬送した後、商品取出口及び釣銭取出口から取り出す自動販売機が知られ ている。

【０００３】 そして、このような自動販売機の例として、例えば特開平３−１１４９３公報 に示されるものがある。なお、この公報は商品の搬送機構について記載されてお り、この公報によれば商品の取り出しは、商品を商品載置棚に載置し、この商品 載置棚を商品送出口において強制的に傾けることにより行うものとしている。

【０００４】 そこで、釣銭についても釣銭を釣銭載置棚に載置し、この釣銭載置棚を釣銭送 出口において強制的に傾ける搬送機構を設けることにより、釣銭取出口から釣銭 を取り出すことができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような従来の自動販売機の釣銭搬送機構においては、釣銭が軽量 であるため、釣銭搬送棚の上昇の際の衝動により釣銭がこの釣銭搬送棚から弾ん で落ちる場合があり、このため釣銭搬送棚は公報の商品搬送棚のような平板の棚 ではなく所定の深さを有する箱体に形成する必要がある。

【０００６】 したがって、このような釣銭搬送棚から釣銭を取り出すためには、釣銭搬送棚 を９０度以上に傾ける機構が必要となり、このため商品と釣銭とは異なった構造 の搬送機構を設ける必要がある。

【０００７】 このため、１台の自動販売機の中に２つの構造の異なった搬送機構が存在する ことになるため、自動販売機の構造が複雑となると共に、搬送機構の故障によっ て自動販売機が使用できなくなる確率も高くなるという問題点が生じる。

【０００８】 本考案は、１つの搬送機構で商品と釣銭を同時に搬送することのできる自動販 売機の商品釣銭搬送機構を提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、販売した商品及び釣銭を自然落下させ、この落下した商品及び釣銭 を上方に設けられた商品釣銭送出口まで搬送する自動販売機の商品釣銭搬送機構 おいて、ヒンジにより接合され釣銭が飛び出さない深さのＶ字型を形成する２枚 の底板と、この２枚の底板の一方に固着され外側に突起を設けた２枚の側板とか らなり、他方の底板の上端にはローラを設けた商品釣銭搬送用のバスケットと、 前記バスケットが昇降するための通路を形成し、この通路の両側面には前記バス ケットの側板外側に設けられた突起を嵌入するバスケットガイド溝を上下方向に 設け、前記通路の自動販売機側には前記商品釣銭送出口を設けたバスケットガイ ド板を設けたものである。

【００１０】

【作用】

この構成により、２枚の底板と２枚の側板とからなり、釣銭が飛び出さない深 さのＶ字型を有する片開きのバスケットを形成できる。また、このバスケットの 側板外側に設けられた突起をバスケットガイド板のバスケットガイド溝に嵌入す ることにより、バスケットを上下方向にガイドすることができる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

【００１２】 図１は、本考案の一実施例に係る自動販売機の商品釣銭搬送機構の断面図であ り、図において１は商品及び釣銭を上部に設けられた商品釣銭送出口２まで搬送 するためのバスケットである。なお、今このバスケット１は、商品及び釣銭が落 下してくるのを待ち受けている状態である。

【００１３】 このバスケット１は、２枚の金属等の硬質の材質の底板３，４と、同じく金属 等の硬質の材質の２枚の側板５により釣銭が飛び出さない深さのＶ字型に形成さ れている。そして、このバスケット１は２枚の底板３，４をヒンジ６により接合 し、一方の底板３を２枚の側板５に固着して他方の底板４を回動可能とした片開 きの構造となっている。

【００１４】 なお、回動可能な底板（以下回動底板という）４の上端には、ローラ４ａが回 転自在に設けられており、またバスケット１の両側板５の外側の上下部にはそれ ぞれ突起５ａが設けられている。

【００１５】 ７は、バスケット１が昇降するための通路を形成するバスケットガイド板であ る。そして、この通路の両側面７ａには、バスケット１の両側板５外側に設けら れた突起５ａを嵌入することにより、図示しないベルト又はチェーン等により昇 降するバスケット１を上下方向にガイドするバスケットガイド溝８が上下方向に 設けられ、この通路の自動販売機側には商品釣銭送出口２が設けられている。

【００１６】 次に、このように構成された自動販売機の商品釣銭搬送機構の商品釣銭搬送動 作について説明する。

【００１７】 商品が販売されるまで、バスケット１は図１に示すようにバスケットガイド溝 ８の下限に位置し、商品及び釣銭が図示しない商品排出機構と釣銭排出機構から 排出され、スロープ９から落下してくるのを待ち受けている。なお、通常商品排 出機構と釣銭排出機構とは離れた位置にあるため、釣銭をこのスロープ９から落 下させるため、釣銭排出機構からスロープ９までパイプ等による経路を別に設け ている。

【００１８】 この状態で商品が販売されると、販売指令により商品排出機構及び釣銭排出機 構から図示しない商品及び釣銭がスロープ９を通ってバスケット１に排出される 。これを図示しないセンサにより検知すると、図示しないバスケット昇降機構が 作動してバスケット１は上昇を始める。

【００１９】 ここで、回動底板４はバスケットガイド板７と両側板５に挾持された状態とな るため、バスケット１は閉鎖された状態で上昇する。なお、この際、バスケット １は回動底板４のローラ４ａにより、バスケットガイド板７を滑らかに上昇する ことができるため、バスケット１内の商品に余分な振動を与えることを防ぐこと ができる。

【００２０】 バスケット１が上昇し、回動底板４がバスケットガイド板７の商品釣銭送出口 ２に到着すると、この回動底板４は非挾持状態となり、自重によりヒンジ６を中 心として時計方向に回動を始め、これによりバスケット１が開き始める。

【００２１】 この位置からバスケット１が更に上昇すると、回動底板４は更に時計方向に回 動し、やがてバスケット１がバスケットガイド溝８の上限にまで移動すると、図 ２に示すように、バスケット１は完全に開放された状態となり、回動底板４は他 の底板３とほぼ直線の斜面を形成する。

【００２２】 この傾斜により、商品及び釣銭は自重によりバスケット１内から滑り出て、商 品釣銭送出口２から商品釣銭受１０に排出されて、図示しない商品釣銭取出口か ら取り出される。

【００２３】 なお、重量の重い商品がこのバスケット１に入っている場合には、バスケット １が完全に開く前であっても、商品が自重により転がり落ちる場合もあるが、釣 銭は軽量であり、また平らな形状のものであるので、釣銭を排出させるためには バスケット１をバスケットガイド溝８の上限に到達させる必要がある。

【００２４】 商品及び釣銭が商品釣銭受１０に排出された後、所定時間が経過するとバスケ ット昇降機構が作動してバスケット１は下降を始める。バスケット１が下降を始 めると、回動底板４は商品釣銭送出口２の縁部に接触することとなり、反時計回 りに回動を開始する。

【００２５】 この位置からバスケット１が更に下降すると、回動底板４は更に反時計方向に 回動し、やがて回動底板４はバスケットガイド板７と両側板５とにより挾持され 、バスケット１は閉鎖された状態となる。そして、バスケット１は回動底板４の ローラ４ａにより、バスケットガイド板７を滑らかに下降する。

【００２６】 やがて、バスケット１がバスケットガイド溝８の下限にまで移動し、これを図 示しないセンサが検知するとバスケット昇降機構は停止し、バスケット１は図１ に示すような待ち受け状態に戻る。

【００２７】 このように、バスケット１を釣銭が飛び出さない深さのＶ字型に形成すること により、商品と釣銭を同時に搬送することができる。また、片開きの構造とする ことにより、バスケット１を強制的に傾けることなく、商品と釣銭を商品釣銭受 １０に排出することができる。

【００２８】 なお、これまでの説明においては、バスケットの待機位置をバスケットガイド 溝の下限とし、この位置で商品及び釣銭が落下するのを待ち受けるものとしたが 、本考案はこれに限らず、商品が販売されると自動販売機内に上下方向に配置さ れている複数の商品収納棚のうちの、販売された商品が収納されている商品収納 棚の商品排出機構の近傍に移動して、商品が落下するのを待ち受けるものとして もよい。

【００２９】 そして、このようにした場合は、釣銭排出機構を商品収納棚の商品排出機構の 上方に設け、商品が落下した後に釣銭を落下させるようすることにより、１つの 搬送機構で商品と釣銭を同時に搬送することができる。

【００３０】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、２枚の底板と２枚の側板とからなり、釣銭が飛 び出さない深さのＶ字型を有する片開きのバスケットを形成できる。また、この バスケットの側板外側に設けられた突起をバスケットガイド板のバスケットガイ ド溝に嵌入することにより、バスケットを上下方向にガイドすることができる。 これにより、１つの搬送機構で商品と釣銭を同時に搬送することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る自動販売機の商品釣銭
搬送機構の断面図。

【図２】開放状態となったバスケットの様子を表わす
図。

【符号の説明】

１ バスケット ２ 商品釣銭送出口 ３，４ 底板 ５ 側板 ５ａ 突起 ６ ヒンジ ７ バスケットガイド板 ８ バスケットガイド溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 販売した商品及び釣銭を自然落下させ、
   この落下した商品及び釣銭を上方に設けられた商品釣銭
   送出口まで搬送する自動販売機の商品釣銭搬送機構おい
   て、ヒンジにより接合され釣銭が飛び出さない深さのＶ
   字型を形成する２枚の底板と、この２枚の底板の一方に
   固着され外側に突起を設けた２枚の側板とからなり、他
   方の底板の上端にはローラを設けた商品釣銭搬送用のバ
   スケットと、前記バスケットが昇降するための通路を形
   成し、この通路の両側面には前記バスケットの側板外側
   に設けられた突起を嵌入するバスケットガイド溝を上下
   方向に設け、前記通路の自動販売機側には前記商品釣銭
   送出口を設けたバスケットガイド板を設けたことを特徴
   とする自動販売機の商品釣銭搬送機構。