JPH0215168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、現金自動預金支払機、両替機、各
種自動販売機などにおいて、硬貨のような物品を
下方位置でバケツトに受け取り、このバケツトを
上方位置へ移動させることにより、物品を上方位
置へ運搬するバケツト昇降式物品運搬装置に関す
る。

〈従来の技術〉 物品の一例としての硬貨を下方位置から上方位
置へ運ぶ従来のバケツト昇降式物品運搬装置で
は、バケツトが下方位置と上方位置との間を垂直
方向に上下動し、下方位置において搬送装置によ
り送られてくる硬貨のような物品をバケツトに受
け取つて上方位置へ運ぶようになつている（実公
昭58−6058号）。そしてバケツトが下方位置にあ
るときは、第３図に示すように、搬送ベルト９の
搬送端部の斜め下方にバケツト９１を位置させる
か、或いはシユートを介してその斜め下方位置に
位置させるなどしている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながらこのようなバケツト昇降式物品運
搬装置の場合、例えば第３図の例では、バケツト
９１は単に搬送ベルト９の搬送端部に近接して斜
め下方に配備されているだけであるので、搬送ベ
ルト９から搬出される物品（硬貨）９２は、バケ
ツト９１とベルト９との間の隙間から落下した
り、バケツト９１の縁にとどまつたりして、最初
に予定した個数どおりの物品（硬貨）を上方位置
へ運ぶのにミスが生じる。このことはシユートの
斜め下方にバケツトを位置させる例でも同様であ
る。

ところがこの種の従来技術によれば、バケツト
が搬送装置の搬送端部にぶつからずに搬送装置の
搬送方向に交差して上下動するためには、下方位
置においてバケツトと搬送端部との間に〓間が生
じざるを得ず、この隙間を通つて物品がバケツト
外に落下するのを防止することは困難であつた。

この考案は、上記問題に着目してなされたもの
で、下端位置にてバケツトの開口部を搬送装置の
搬送端部の下方位置へ変位させることにより、バ
ケツトが搬送装置の搬送方向と交差して上下動す
るにもかかわらず、隙間から物品が落下するのを
防止し得る新規なバケツト昇降式物品運搬装置を
提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、この考案では、搬送
装置により搬送される物品をその下方位置でバケ
ツトにて受け取り、このバケツトを上方位置へ移
動させることにより、物品を上方位置へ運搬する
バケツト昇降式物品運搬装置において、前記バケ
ツトは、昇降手段に取り付け、バケツトの側面に
は上下一対のガイド部材を設けて、このガイド部
材を上下方向に設けた昇降ガイドに係合させると
共に、昇降ガイドの下部には、前記ガイド部材の
案内動作によりバケツトを傾動変位させて、バケ
ツトの開口部を搬送装置の搬送端部の下方へ位置
させる傾斜ガイドを形成することにした。

〈作用〉 バケツトが昇降ガイドに沿い下降して、搬送装
置の位置を通過すると、ガイド部材は傾斜ガイド
に沿う案内動作を受けて、バケツトが傾動変位す
る。このためバケツトの開口部は搬送装置の搬送
端部の下に入り込み、搬送装置より搬出される部
品が確実に開口部よりバケツト内部に取り込まれ
る。

〈実施例〉 第１図は硬貨入出金装置の一実施例を示すもの
で、ボツクス１中には入出金口１１に対応して上
開口かつ有底のバケツト２が配備されている。こ
のバケツト２は、入出金硬貨を受け入れて搬送す
るためのもので、第２図に示す如く、傾斜側壁２
１と、略中央部が低く傾斜した底壁２２，２３と
を有する。一方の底壁２３は開閉可能に形成され
ており、これによりバケツト２へ入金された硬貨
を搬入部３へ放出し、さらに搬入ベルト３１を介
して搬送路３２へ搬入するようになしている。

この搬送路３２には検銭部３３が設けられ、そ
の下流には振分フラツパ３４，３５を介して金種
に応じた硬貨通路３６，３７，３８，３９や偽硬
貨通路４０が分岐形成されている。各通路は入金
硬貨ストア部４１，４２，４３，４４に接続され
ており、各ストア部の下方には、それぞれシヤツ
タ機構を介して出金硬貨繰出部４６，４７，４
８，４９が配備されると共に、繰出部の下方に放
出用搬送ベルト５が張設されている。

この搬送ベルト５の搬出部と、前記入出金口１
１との間には、この考案の一実施例にかかる物品
運搬装置が設けられている。

図示の物品運搬装置は、正逆回転モータ６１の
駆動プーリ６２と、上下に配備したプーリ６３，
６４，６５間とに無端状の昇降ベルト６を捲回張
設し、この昇降ベルト６上の取付具６６に前記バ
ケツト２を取付け固定したもので、バケツト２は
昇降ベルト６の作動により、入出金口１１と搬送
ベルト５との間を昇降動作する。バケツト２は昇
降ベルト６に対する取付位置をバケツト重心より
低く下げて、昇降ベルト６側へ傾動すべくなすと
共に、側面には上下に対をなすガイドローラ２
４，２５を軸承配備して、各ローラ２４，２５を
昇降ガイド７に係合している。

昇降ガイド７は、前記ローラ２４，２５を摺動
案内するガイド溝にて構成され、この昇降ガイド
７の下部には、搬送コンベア５の位置に対応し
て、溝壁を搬送コンベア５側へ傾斜させて拡大し
た傾斜ガイド７１を形成すると共に、この傾斜ガ
イド７１に対応してバケツト昇降路にバケツト２
の傾斜側壁２１を案内する案内ローラ７２を配備
している。従つてバケツト２は、昇降ガイド７の
下降端に達したとき、案内ローラ７２および傾斜
ガイド７１によつて搬送コンベア５側へ変位して
傾動し、バケツト開口面２６の一部がコンベア５
の下方に位置することになる。

つぎに装置動作を説明すると、バケツト２は常
時は昇降ガイド７の上昇端に定位して硬貨の入出
金に待機している。いま硬貨出金指令があると、
昇降ベルト６が作動して、バケツト２を昇降ガイ
ド７に沿つて下降させる。このときバケツト２の
取付け位置による傾きは、昇降ガイド７に対する
上部ローラ２４によつて阻止され、垂直降下が保
たれている。

そしてバケツト２が昇降ガイド７の下部に下降
すると、バケツト２の傾斜側壁２１が案内ローラ
７２に案内され、これと同時にバケツト２に軸止
した上部のガイドローラ２４がバケツト２の傾き
に応じて傾斜ガイド７１に沿い下降する。かくし
て下降端では、バケツト２は下部のガイドローラ
２５を支点として傾動しかつ全体が搬送ベルト５
側へ変位して、バケツト開口面２６の一部が搬送
ベルト５の下方に位置し、ベルト５から搬出され
る硬貨８を確実に受け入れる。硬貨受入れ後、バ
ケツト２が上昇するとき、バケツト２は、傾斜ガ
イド７１に対する上部ガイドローラ２４の案内に
よつて搬送ベルト５から後退しつつ上昇し、受入
硬貨を入出金口１１まで搬送するのである。

〈考案の効果〉 この考案は上記の如く、バケツトを昇降手段に
取り付け、バケツトの側面には上下一対のガイド
部材を設けて、このガイド部材を上下方向に設け
た昇降ガイドに係合させると共に、昇降ガイドの
下部には、前記ガイド部材の案内動作によりバケ
ツトを傾動変位させて、バケツトの開口部を搬送
装置の搬送端部の下方へ位置させる傾斜ガイドを
形成したから、搬送装置より搬出される物品は確
実に開口部よりバケツト内部に取り込まれて、バ
ケツト外に落下するなどの虞れがなく、予定した
個数どおりの物品を上方位置へ運搬できるなど、
考案目的を達成した顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例にかかる物品運搬
が用いられた硬貨入出金装置の概略構成を示す構
造説明図、第２図は第１図の装置例の要部を拡大
した断面図、第３図は従来例を示す断面図であ
る。 ２……バケツト、５……搬送コンベア、６……
昇降ベルト、７……昇降ガイド、７……傾斜ガイ
ド、７２……案内ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 搬送装置により搬送される物品をその下方位置
   でバケツトにて受け取り、このバケツトを上方位
   置へ移動させることにより、物品を上方位置へ運
   搬するバケツト昇降式物品運搬装置において、 前記バケツトは、昇降手段に取り付け、バケツ
   トの側面には上下一対のガイド部材を設けて、こ
   のガイド部材を上下方向に設けた昇降ガイドに係
   合させており、 前記昇降ガイドの下部には、前記ガイド部材の
   案内動作によりバケツトを傾動変位させて、バケ
   ツトの開口部を搬送装置の搬送端部の下方へ位置
   させる傾斜ガイドを形成して成るバケツト昇降式
   物品運搬装置。