JP2004189361A - 天井搬送車及びそのシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムにおいて、第1物品載置箇所と第2物品載置箇所の両方の物品載置箇所の間で物品の受け渡しができる天井搬送車を提供することを課題とする。
【解決手段】天井搬送車10に、物品を上下方向に受け渡すホイスト7と、物品を左右方向に搬送する一対のローラコンベア8・8とを搭載する。ホイスト7はローラコンベア8・8の上方に配置され、そして、搬送車10には、ローラコンベア8・8を互いに接近又は離間させる移動機構80・80を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】天井搬送車10に、物品を上下方向に受け渡すホイスト7と、物品を左右方向に搬送する一対のローラコンベア8・8とを搭載する。ホイスト7はローラコンベア8・8の上方に配置され、そして、搬送車10には、ローラコンベア8・8を互いに接近又は離間させる移動機構80・80を設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムに関し、詳しくは、走行路上の天井搬送車が、第1物品載置箇所、又は第2物品載置箇所との間で物品を受け渡す際の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工場等クリーンルーム内には、複数の処理装置と、自動倉庫とを備えたベイが多数設けられて、該ベイ内、及びベイ間に走行路が敷設され、該走行路上に天井搬送車を自動走行させて、物品を搬送する天井搬送車システムが知られている。
【0003】
特開2000−53237号公報に示す従来技術では、天井搬送車は、走行路の上方で物品(半導体ウエハを収納したカセット等)を保持して走行するとともに、該物品を走行路の下方に配置されたステーションに受け渡すように構成されている。搬送車には物品を上下に受け渡すための昇降装置と、該昇降装置を車体進行方向に対して左右方向に水平に移動させるための水平移動機構が搭載されている。搬送車とステーションとの間で物品を移載するには、水平移動機構により昇降装置を、車体進行方向に対して左右方向に水平に大きく移動させて、走行路をかわし、昇降装置による物品の昇降軌跡と走行路の走行軌跡とが十字に交叉しないようにした上で、昇降装置を昇降させて、物品が移載される。
【0004】
この状態では機体のバランスが悪く、水平移動させた昇降装置側へ搬送車が傾いて走行路上から落下しないように、搬送車にはカウンタウェイトが設けられて、該カウンタウェイトを、該昇降装置を水平移動させた方向とは左右反対方向に移動させ、機体のバランスが保たれていた。
以上のような機構は大仕掛けとなるため、本願と同一出願人により、昇降装置を大きく水平移動させることなく、物品を走行経路の下方のステーションへ受け渡すことができる天井搬送車システムが開発されている。
【0005】
以下、この技術について説明すると、走行路上には2種類の天井搬送車を走行させており、1種類は走行路の下方に配置された第1ステーションとの間で物品の受け渡しを行なう第1搬送車で、該第1搬送車にはチャック付きのホイストが搭載されている。もう1種類は走行路の直側方に配置された第2ステーションとの間で物品の受け渡しを行なう第2搬送車で、該第2搬送車には物品を車体の進行方向に対して横方向に搬送する一対のローラコンベアが搭載されている。
【0006】
走行路は、所定間隔を空けて配置される2本のレールで構成され、該2本のレールは、適宜位置で繋ぎ部材を介して連結されている。ただし、この繋ぎ部材は前記第1ステーションの上方位置には配置せず、該第1ステーションの上方の走行路にはレール間に通過口が形成されている。この通過口は、第1搬送車と第1ステーションとの間で物品を受け渡すために、物品が通過可能な大きさに形成されている。
【0007】
そして、第1搬送車と第1ステーションとの間で物品を移載するには、まず、第1搬送車を走行路の第1ステーションの上方位置で停止させる。このとき、第1搬送車の真下には前記通過口が位置し、該通過口からホイストを下降させて、第1搬送車と、第1ステーションとの間で物品を上下に受け渡すように構成されている。
【0008】
この構成では、第1搬送車に水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構を設ける必要がなく、第1搬送車は安定した状態で、その真下の第1ステーションとの間で物品の受け渡しを行なうことができる。
【0009】
また、自動倉庫などには上部と下部にステーションが設けられることもあり、上部のステーション(第2ステーション)は走行路の直側方に配置されて、該第2ステーションには第2搬送車によって物品の受け渡しが行なわれるように構成されている。第2ステーションは走行路の走向方向に対して前後に一対のローラコンベアが配置され、該第2ステーションと第2搬送車との間の物品の移載は、第2搬送車を第2ステーションの前で停止させて、該第2搬送車のローラコンベアと該第2ステーションのローラコンベアとを接近対向させ、第2搬送車、又は第2ステーションの一方のローラコンベアで物品を送り出して、他方のローラコンベアで物品を繰り込むように構成されている。
【0010】
以上のように、2種類の搬送車が設けられる理由は、半導体工場等のクリーンルーム内において、走行路が以下のように構成されるためである。
走行路は大別して、各ベイに敷設される第1閉ループ路と、該第1閉ループ路間を接続する第2閉ループ路とから成り、該第1閉ループ路は各ベイに属する処理装置に沿って敷設される工程内搬送用のループとして、該第2閉ループ路は各ベイ間を連絡する工程間搬送用の長距離ループとして構成され、そして、該第1閉ループ路と該第2閉ループ路とは連結路を介して連結されている。
【0011】
前記発明では、この連結路と、第1閉ループの曲線部と、第2閉ループの直線部とで囲われるスペースに物品を一時保管するための自動倉庫が配置されて、該第1閉ループ路の外側方であり、且つ第2閉ループ路の外側方に配置される、この自動倉庫には、該第1閉ループ路上の搬送車、及び該第2閉ループ路上の搬送車の双方から、物品の移載が可能となっている。
【0012】
処理装置の第1閉ループ路に対向する側面の下部にはそれぞれ入出庫口が設けられ、該入出庫口には物品の載置箇所としての第1ステーションが設けられている。第1ステーションは処理装置から突設されて、第1閉ループ路の下方に配置され、該ステーション上方の第1閉ループ路には、物品が上下に通過可能な通過口が形成されている。
【0013】
自動倉庫には、第1閉ループ路に対向する側面の下部、及び第2閉ループ路に対向する側面の上部と下部に、それぞれ入出庫口が設けられている。自動倉庫下部の2箇所の入出庫口には、それぞれ物品の載置箇所としての第1ステーションが1組ずつ設けられ、該各第1ステーションは自動倉庫5から突設されて、それぞれ第1閉ループ路の下方と、第2閉ループ路の下方とに配置され、この第1ステーション上方の第1閉ループ路、及び第1ステーション上方の第2閉ループ路にも、物品が上下に通過可能な通過口が形成されている。
【0014】
また、自動倉庫上部の入出庫口にはそれぞれ物品の載置箇所としてのステーションが、第2閉ループ路の直側方まで突設されている。ステーションは、入出庫コンベアとして一対のローラコンベアを備え、該一対のローラコンベアは、突設方向に対する左右(搬送車の進行方向に対しては前後)に並設されて、第2閉ループ路上を走行する第2搬送車のローラコンベアと同じ高さに配置されている。
【0015】
以上のように走行路が形成され、各ベイ内の処理装置間の搬送(工程内搬送)は第1搬送車で行い、ベイ間の自動倉庫間の搬送(工程間搬送)は主に第2搬送車で行なうように構成されている。なお、ベイ間の工程間搬送では第1搬送車で行なうことも可能であるが、自動倉庫5のステーションとの間の物品の移載時間は、第1搬送車を介するよりも、第2搬送車を介する方が早い。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−53237号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
その後の研究開発の過程で、同一の搬送車で、走行路の下方のステーションと、走行路の側方のステーションとの間で物品の受け渡しを行うことが検討されている。
そこで、本発明では、水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構などを設けることなく、走行路の下方のステーションとの間で物品の受け渡しができるとともに、走行路の側方のステーションとの間でも物品の受け渡しが可能な天井搬送車を提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段は、以下に示すとおりである。
まず、請求項1に記載のように、物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムにおいて、前記天井搬送車は、前記第1物品載置箇所との間で物品を車体の進行方向に対して横方向に受け渡す横移載手段と、前記第2物品載置箇所との間で物品を上下方向に受け渡す昇降移載手段と、を備えて、該昇降移載手段は該横移載手段の上方に配置され、また、前記搬送車は、前記横移載手段を、第1物品載置箇所との間で物品の受け渡しが可能となる「移載位置」と、昇降移載手段と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しを妨げない「退避位置」との間で移動させる移動手段を備え、さらに、前記搬送車は、前記第1物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、前記横移載手段を移載位置に位置させて、該横移載手段を作動させ、前記第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、前記横移載手段を退避位置に位置させて、前記昇降移載手段を作動させる制御手段を備える。
【0019】
そして、請求項2に記載のように、前記横移載手段は、対向する一対の横搬送手段から成り、該一対の横搬送手段はそれぞれ前記移動手段により互いに接近又は離間するように作動し、該一対の横搬送手段が接近した位置が前記「移載位置」に、離間した位置が前記「退避位置」となり、該一対の横搬送手段が退避位置にあるとき、前記昇降移載手段が該一対の横搬送手段の間を上下に通過可能になる。
【0020】
また、請求項3に記載のように、物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムにおいて、前記請求項1、又は請求項2に記載の天井搬送車を備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は天井搬送車システム1の概略構成を示す平面図、図2は搬送車10の斜視図、図3は走行路2の通過口20上で停止した搬送車10の斜視図、図4は搬送車10と自動倉庫5のステーション51、52又は53との間の物品9の受け渡しを説明する図である。図5は搬送車10の側面図であり、同図(a)は移動機構80・80を移載位置に位置させた状態、同図(b)は移動機構80・80を退避位置に位置させた状態である。図6はローラコンベア8・8上に物品9を載置した状態の搬送車10の側面図、図7は移動機構80の斜視図、図8は同じく平面図、図9は搬送車10の制御構成を示すブロック図である。
なお、以下の説明では、搬送車10については、その進行方向を前方として各構成部材の前後左右位置を説明し、走行路2(21・22・23)については、その走向方向を前方として各構成部材の前後左右位置を説明するものとする。
【0022】
まず、天井搬送車システム1の概略構成から説明する。
図1に示すように、半導体製造工場等のクリーンルーム内には、複数の処理装置4・4・・・と、自動倉庫5とを備えたベイ3が多数設けられ、該ベイ3内、及びベイ3・3・・・間に、天井搬送車10・10・・・の移動経路となる走行路2が敷設されて、天井搬送車システム1が構成されている。
【0023】
走行路2は大別して、各ベイ3・3・・・に敷設される第1閉ループ路21・21・・・と、該第1閉ループ路21・21・・・間を接続する第2閉ループ路22とから成り、該第1閉ループ路21は各ベイ3に属する処理装置4・4・・・に沿って敷設される工程内搬送用のループとして、該第2閉ループ路22は各ベイ3・3・・・間を連絡する工程間搬送用の長距離ループとして構成されている。
【0024】
この第1閉ループ路21と第2閉ループ路22とは連結路23・23を介して連結されており、該連結路23・23と、該第1閉ループ21の曲線部と、該第2閉ループ22の直線部とで囲われるスペースに物品(半導体ウエハを収納したカセット等)9を一時保管するための自動倉庫5が配置されている。詳細は後述するが、この第1閉ループ21路の外側方であり、且つ第2閉ループ22路の外側方に配置される自動倉庫5・5・・・では、該第1閉ループ路21上の搬送車10、及び該第2閉ループ路22上の搬送車10の双方から、物品9の移載が可能である。
【0025】
処理装置4の第1閉ループ路21に対向する側面の下部にはそれぞれ入出庫口が設けられ、該入出庫口には物品9の載置箇所としてのステーション41・41が設けられている。図3に示すように、ステーション41・41は処理装置4から突設されて、第1閉ループ路21の下方に配置され、該ステーション41・41にはローラコンベア等の搬送手段が設けられて、該搬送手段によって物品9が処理装置4に入出庫されるように構成されている。また、ステーション41・41の上方の第1閉ループ路21には、物品9が上下に通過可能な通過口20・20が形成されている。
【0026】
図4に示すように、自動倉庫5には、第1閉ループ路21に対向する側面の下部、及び第2閉ループ22路に対向する側面の上部と下部に、それぞれ入出庫口が設けられている。自動倉庫5下部の2箇所の入出庫口にはそれぞれ物品9の載置箇所としてのステーション51・51と52・52とが1組ずつ設けられ、該ステーション51・51、52・52は自動倉庫5から突設されて、それぞれ第1閉ループ路21の下方と、第2閉ループ路22の下方とに配置されている。これらのステーション51・51、52・52にはローラコンベア等の搬送手段が設けられ、該搬送手段によって物品9が自動倉庫5に入出庫されるように構成されている。
【0027】
このステーション51・51上方の第1閉ループ路21、及びステーション52・52上方の第2閉ループ路22についても、前記処理装置4のステーション41・41上方の第1閉ループ路21と同様に、物品9が上下に通過可能な通過口20・20が形成されている。
【0028】
また、自動倉庫5上部の入出庫口にはそれぞれ物品9の載置箇所としてのステーション53・53が、第2閉ループ路22の直側方まで突設されている。ステーション53は、入出庫コンベアとして一対のローラコンベア54・54を備え、該一対のローラコンベア54・54は、突設方向に対する左右(搬送車10の進行方向に対しては前後)に並設されて、後述する第2閉ループ路22上の搬送車10のローラコンベア8・8と同じ高さに配置されている。この1対のローラコンベア54・54で物品9下面の両端部(搬送車10の進行方向に対しての前端部と後端部)を転支して、搬送車10の進行方向に対して左右方向に横送りするように構成されている。このローラコンベア54・54の外側端部(第2閉ループ路22側端部)には、搬送車10へ物品9を受け渡す時以外に、ローラコンベア54・54の搬送面から上方に突出した状態で物品9を係止し、物品9を受け渡す時に搬送面から下降する上下動自在なストッパ55が設けられて、ローラコンベア54・54上の物品9の落下が防止されている。
【0029】
次に、走行路2(21・22・23)の構成について説明する。
図3に示すように、走行路2は、一対のレール24L・24Rと、該レール24L・24Rの下面間を連結する繋ぎ部材25・25・・・と、該レール24L・24Rの間で走行路2の走向方向に向けて架設される落下防止部材26・26を備え、吊り下げ部材30・30・・・を介してクリーンルーム内の天井付近に吊設されている。
【0030】
図4に示すように、吊り下げ部材30は、一対の吊り下げロッド31・31と、吊り下げフレーム32とを備え、該吊り下げフレーム32は上部フレーム32aと側部ロッド32b・32bとにより「門」字型に構成されている。
吊り下げロッド31・31はクリーンルームの天井、又は床面に立設した「門」字型の支持フレームから垂設されて、該吊り下げロッド31・31の下端部に上部フレーム32aの左右両側部が締結固定され、該上部フレームの左右両端部に側部ロッド32b・32bの上端部が締結固定され、該側部ロッド32b・32bの下端部に繋ぎ部材25の左右両端部が締結固定されている。
【0031】
このように繋ぎ部材25・25・・・は吊り下げ部材30・30・・・によって懸吊されており、該繋ぎ部材25・25・・・の上面の左右両側部にレール24L・24Rの下面が載置固定されている。この繋ぎ部材25・25・・・は走行路2の走行方向に間隔を開けて多数配置され、該繋ぎ部材25・25・・・により、2本のレール24L・24Rの間隔が、一定幅に保たれている。
また、必要に応じ、単にレール24L・24Rをその下面にて連結するのみで吊り下げ部材30・30・・・に懸吊されない繋ぎ部材25・25を適宜設けても良い。
【0032】
但し、前記繋ぎ部材25・25・・・は、処理装置4のステーション41の上方位置、及び自動倉庫5のステーション51・52の上方位置には配置されず、該ステーション41・51・52の上方位置のレール24L・24Rの下面間には、繋ぎ部材29・29が架設されて、該繋ぎ部材29・29と、レール24L・24Rとに包囲されて前記の通過口20が形成されている。
【0033】
前記レール24L(24R)は、適宜長さに形成された、複数のレール体24l・24l・・・(24r・24r・・・)から成り、少なくとも該レール体24l(24r)の長手方向両端部が繋ぎ部材25・25に支持固定されている。このレール体24l・24l・・・(24r・24r・・・)が走行路2の走向方向に継ぎ足されて、レール24L(24R)が連綴されている。
【0034】
レール体24l・24rは、水平な走行部と、その左右外側部に立設されるガイド部とを備え、断面、「L」字型に形成されている。さらに、一方のレール体24lについては、走行部の左右内側部にもガイド部が立設されている。この一方のレール体24lにおける左右両側部のガイド部の上端部には、突出部が互いに向き合うように形成されて、該一方のレール体24lの走行部と、ガイド部と、突出部とで囲われる凹部スペースがガイド溝となり、該ガイド溝に、後述する搬送車10のガイドローラ12・12が緩挿され、該突出部により、該ガイドローラ12・12が該ガイド溝から抜け出さないように構成されている。
【0035】
図3に示すように、前記落下防止部材26は、適宜長さに形成された、複数の落下防止バー26a・26a・・・が長手方向に継ぎ足されて構成されている。繋ぎ部材25(29)の上面には、左右に一定間隔を開けて、ブラケットが2個固設されている。このブラケットは断面「凹」字型の形状で、該ブラケットの凹部に上方から、落下防止バー26aが着脱自在に嵌合されている。
【0036】
このような構成で、落下防止バー26a・26a・・・が繋ぎ部材25・25・・・、29・29・・・間に架設されている。ただし、該落下防止バー26a・26a・・・は、前記通過口20には配置しないものとする。
このように、本実施例では、安全面の観点から、レール24L・24R間に2筋の落下防止部材26・26が架設されて、万一、搬送車10等から物品9がレール24L・24R間に落下したときにも、該落下防止部材26・26に引っ掛かって、床面までは落下しないように構成されている。
なお、落下防止部材26・26の本数や配置の仕方等については特に限定はしないものとする。
【0037】
次に、搬送車10の構成について説明する。
本実施例では、走行路2上に、工程間搬送と工程内搬送の兼用タイプとしての搬送車10を、図1中の矢印の方向の一方向に走行させている。
図2に示すように、搬送車10には、車体本体10aの中央部に物品収納空間10bが設けられており、該物品収納空間10bの下方と左右一側部とは、物品9が通過可能なように外部へ開口されて、該車体本体10aの下側部及び左右一側部が「門」字型に形成されている。
なお、この車体本体10aの一側部の開口部については、第1閉ループ路21及び第2閉ループ路22上で外側、すなわち、処理装置4及び自動倉庫5側に向くように配置される。
【0038】
図5に示すように、車体本体10aの下端部において、左右他側端部(レール24L側端部)には、駆動輪11が車軸を左右水平方向に向けて取り付けられ、該駆動輪11の前方と後方に、ガイドローラ12・12が車軸を鉛直方向に向けて取り付けられている。駆動輪11は車体本体10aの前後中央位置に配置されており、側面視で、ガイドローラ12・12は駆動輪11の車軸に対して前後対称位置に配置されている。
【0039】
駆動輪11の一部分は車体本体10aの下面から下方へ突出しており、前記一方のレール体24lの走行部と当接するように構成されている。そして、ガイドローラ12・12は該一方のレール体24lのガイド溝に緩挿されて案内されるように構成されている。
【0040】
車体本体10aの下端部における左右一側部端(レール24R側端部)には、一対の従動輪14・14が垂設されている。この従動輪14・14は方向転換自在なキャスター輪で構成され、車体本体10a下面における前端部と後端部とに、車軸を水平方向に向けて配置されている。
【0041】
また、図2に示すように、車体本体10aの上面における前部と後部には1対の分岐装置17・17が設けられている。該分岐装置17は車体本体10aの上面の左右方向中央部に配置されるガイドローラ18と、その左右両側方に配置される分岐ローラ19・19とを備え、該ローラ18・19・19は車軸を鉛直方向に向けて配置されて、分岐ローラ19・19については上下動自在に構成されている。
【0042】
さらに、車体本体10a上部の左右両側部には、走行路2の上方に架設された給電線から電力を得るためのピックアップユニット60・60が設けられている。このピックアップユニット60・60は、車体に占める重量比が多いため、車体の左右両側に配置することで、車体全体の重量バランスを保ち、例えば、曲線部をなめらかに走行することを可能にしている。また、走行路2は分岐路を有するため、該走行路2の一側に敷設される給電線は、分岐路等、所により、該走行路2のこれとは反対側に敷設される箇所もあり、該ピックアップユニット60・60を車体本体10aの左右両側部に配置することで、このような分岐路等においても、走行する搬送車10へ、瞬断することなく電力を供給することができる。
【0043】
ピックアップユニット60は、正面断面視、略「E」字型をしたフェライト製のコア61と、ピックアップコイル62とを備え、該コア61の上中下3箇所の突出部は左右外方向へ向けらて配置され、中央の突出部にピックアップコイル62が巻回されている。該コア61は、上下の突出部と、中央の突出部との間に形成された、上下2つの凹部スペース内に、給電線が、それぞれ一本ずつ位置するように配置されている。
【0044】
この給電線に高周波電流を流すことによって発生する磁界を、ピックアップコイル62で受けるようにしている。そして、電磁誘導現象を利用し、ピックアップコイル62に発生する誘導電流から電力を取り出す。このようにして、給電線からピックアップユニット60に非接触で電力が供給され、駆動輪11の駆動モータ15を駆動したり、制御機器に電力を供給したりしている。
【0045】
また、搬送車10は、物品収納空間10b内に、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5下部のステーション51、52との間で物品9を上下方向に受け渡すホイスト7と、自動倉庫5上部のステーション53との間で物品9を車体進行方向に対して左右横方向(直交する方向)に受け渡す一対のローラコンベア8・8とを備えている。
【0046】
図4に示すように、物品収納空間10b上方の天井面にはスライド装置70が垂設されており、該スライド装置70にホイスト7の本体71が取り付けられている。ホイスト本体71には、チャックを備えた昇降部72を昇降させるための昇降手段が設けられており、スライド装置70で、ホイスト本体71を車体進行方向に対して左右横方向に移動させることができるようになっている。このため、ホイスト7の真下から、ステーション41が進行方向に対して直交する方向に据え付け誤差などにより多少ずれていた場合にも、物品9をステーション41の物品載置部の真上となるように、ホイスト本体71を左右横方向へ移動させることで、物品9をステーション41・51・52の載置部へ正確に移載することができる。
【0047】
また、ステーション41(又は51、52)が、平面視で車体本体10aに形成されている側壁開口側にあって、車体進行方向に対して左右横方向(直交する方向)で、レール24Rより側方にずれた位置にあった場合でも、スライド装置70の移動量を増やすことで対応することが可能になる。その際には、移動側のレール24Rに切欠を設ける必要がある。
【0048】
なお、どのステーション41・41・・・、ステーション51・51・・・、ステーション52・52・・・も走行路2上の搬送車10の真下に位置するようにレイアウトして、搬送車10にスライド装置70を搭載しない構成としてもよい。搬送車10の真下にステーション41、51、52が位置する場合というのは、レール24Lとレール24Rとの間隔を、カセット9が通過可能な間隔にして配置し、レール24Lとレール24Rとの間にカセット9の昇降経路を形成する場合のみならず、レール24Rに切欠を設けて、レール24Lとレール24Rの間と、レール24Rに形成された切欠とによりカセット9の昇降経路を形成する場合でもよい。これらの場合は、物品収納空間10b上方の車体本体10a天井面に直接ホイスト本体71が取り付けられる。なお、スライド装置70は、ステーション41、51、52の外側端部の載置部に対しての微調整のために設けてもよい。
【0049】
このホイスト7の本体には4組の巻取ドラムが取り付けられており、該巻取ドラムにはそれぞれベルト73・73・・・が巻回されて、該ベルト73・73・・・を介して昇降部72が昇降自在に吊設されている。このようにして昇降部72が昇降自在に構成されており、該昇降部72の下部に物品9を保持するためのチャックが設けられている。チャックは、物品9の上部に形成されている上部フランジ9aを把持するようになっている。
なお、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5下部のステーション51、52との間で物品9を上下方向に受け渡す昇降移載手段は、前記ホイスト7に限定するものではなく、他の構成の昇降移載手段を適用してもよい。
【0050】
また、図2に示すように、物品収納空間10bの前方と後方の、車体本体10a内側面の下部には、一対のローラコンベア8・8が突設されている。この一対のローラコンベア8・8は物品9を車体進行方向に対して左右横方向へ搬送する搬送手段であり、該ローラコンベア8は長手方向に多数のローラ88・88・・・を備え、該ローラ88・88・・・は、その一部分をローラコンベア8の本体上面より突出させて、物品9の底面の両端部(搬送車10の進行方向に対しては前端部と後端部)を転支して、物品9を左右方向へ横送りするように構成されている。
【0051】
一方のローラコンベア8には駆動モータが取り付けられ、該駆動モータの駆動軸には駆動プーリが取り付けられて、各ローラ88・88・・・の回転軸にはそれぞれ従動プーリが取り付けられ、これらのプーリが1本のベルトで巻回されて、全ローラ88・88・・・が同期して回転するように構成されている。
他方のローラコンベア8には駆動モータは設けられず、各ローラ88・88・・・は回転自在に構成されている。こうして一方のローラコンベア8が駆動コンベアとして、他方のローラコンベア8が従動コンベアとして、横搬送手段が構成されている。
【0052】
この一対のローラコンベア8・8上に物品9の底面の両端部(搬送車10の進行方向に対しては前端部と後端部)が載置され、詳しくは、該物品9の底面の両端部には段差部9c・9c(図5参照)が形成されていて該底面よりも1段落ち込んでおり、該段差部9c・9cが一対のローラコンベア8・8のローラ88・88・・・上に位置し(図6参照)、物品9がその搬送方向に対する左右横方向(搬送車10の進行方向に対しては前後方向)に斜行しないように構成されている。
なお、本実施の形態では、カセット9の底面の両端部に段差部9c・9cが形成されているが、カセット9の底面は平面で、ローラコンベア8・8側にガイドを設けることで、カセット9が斜行するのを防ぐようにしてもよい。
【0053】
こうしてカセット9の底面の一側端部(搬送車10の進行方向に対しては前端部又は後端部)が一方の駆動用ローラコンベア8で繰り送られ、該カセット9の底面の他側端部が載置される、他方の従動用ローラコンベア8が連れ回って、カセット9は一対のローラコンベア8・8上を真直ぐに搬送されるようになっている。
【0054】
なお、前記自動倉庫5上部のステーション53に設けられた一対のローラコンベア54・54も、前記搬送車10の一対のローラコンベア8・8と同様の構成で、一方のローラコンベア54が駆動コンベア、他方のローラコンベア54が従動コンベアとして構成されている。
【0055】
以上のように、本実施の形態では、搬送車10のローラコンベア8・8、及び自動倉庫5上部のステーション53のローラコンベア54・54を、一方のローラコンベア8(54)を駆動コンベア、他方のローラコンベア8(54)を従動コンベアとして構成しているが、該他方のローラコンベア8(54)も駆動コンベアで構成し、すなわち、両方のローラコンベア8・8(54・54)とも駆動コンベアで構成してもよい。この場合は、該両方のローラコンベア8・8(54・54)は同期をとって駆動する構成とすることで、カセット9は該ローラコンベア8・8(54・54)上を真直ぐに搬送される。
【0056】
そうして、搬送車10のローラコンベア8・8の先端(車体本体10aの側壁開口側先端)には、上下動自在なストッパ89・89が設けられ、該ストッパ89は、物品9の搬送中には、ローラコンベア8のローラ88・88・・・の搬送面より上に突出して物品9が落下しないように物品9を係止するようになっている。また、物品9を自動倉庫5のステーション53のローラコンベア54・54との間で受け渡す時には、ローラ88・88・・・の搬送面よりも下方に下降するように構成されている。
【0057】
なお、図4に示すように、本実施例では、搬送車10のローラコンベア8・8の搬送面、及び自動倉庫5上部のステーション53のローラコンベア54・54の搬送面がともに水平になるように配置されているが、対向するローラコンベア8・8、54・54の端部の高さ位置は合わせた上で、該ローラコンベア8・8の搬送面、又はローラコンベア54・54の搬送面の何れか一方、又は両方を上下に傾斜させてもよく、ローラコンベア8・8、54・54の搬送面については特に水平に限定はしない。
【0058】
例えば、搬送車10のローラコンベア8・8を、車体本体10aの側壁開口側へ向けて斜下方へ傾斜させ、自動倉庫5上部のステーション53のローラコンベア54・54を水平に配置してもよい。
ウエハが収納されたカセットなどの物品9はかなり重量があり、一方の駆動用のローラコンベア8の駆動モータには大きな始動トルクが必要となるが、この構成の場合、搬送車10のローラコンベア8・8上に載置された物品9を送り出す際、該ローラコンベア8・8の搬送面を傾斜させていることから、物品9の重量の傾斜方向の成分も作用するため、ローラ88・88・・・の駆動モータの始動トルクを軽減することができる。
【0059】
また、図5に示すように、搬送車10は、一対のローラコンベア8・8を互いに接近又は離間させる移動機構80・80を備えている。この移動機構80・80により、ローラコンベア8・8を接近させた位置を「移載位置」(図5(a))、離間させた位置を「退避位置」(図5(b))としている。
該移載位置では該一対のローラコンベア8・8の間隔は、前記自動倉庫5上部のステーション53の一対のローラコンベア54・54の間隔と同じ間隔となって、物品9の幅(車体進行方向に対する前後方向の長さ)よりも狭くなり、自動倉庫5上部のステーション53との間で物品9の受け渡しが可能となる。
一方、該退避位置では該一対のローラコンベア8・8の間隔は該物品9の幅よりも広くなり、該ローラコンベア8・8は前記ホイスト7と処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5下部のステーション51、52との間の物品9の受け渡しを妨げない位置に配置されて、ホイスト7の昇降部72が該一対のローラコンベア8・8の間を上下に通過できるようになる。
【0060】
この移動機構80は、ラック・ピニオン機構、リンク機構、その他ローラコンベア8を水平に進退させる機構で構成され、以下に、移動機構80の一例を説明する。
図7及び図8に示すように、物品収納空間10bの前方と後方の、車体本体10a内側面の下部には、移動機構80の取付基部90が形成され、該取付基部90上にブラケット91・91が立設されて、該ブラケット91・91上に、支持プレート92が固設されている。支持プレート92上には、移動機構80の駆動源としてモータ81が設けられるとともに、ブレーキ82が設けられている。
【0061】
モータ81からはモータ軸81aが支持プレート92の下方へ延出され、該モータ軸81aの下端にギア83が固設されている。ギア83の下面には、モータ軸81aに対してギア83の半径方向外側に、回動軸96が設けられている。つまり回動軸96は、モータ81の駆動により、モータ軸81a回りに回転する構成となる。
【0062】
モータ81の側方に設けたブレーキ82からはブレーキ軸82aが上方と下方へ延出されて、該ブレーキ82aの下端にギア84が固設され、該ギア84と前記ギア83とを噛合させている。ブレーキ軸82aは、ギア83・84の噛合を介して、モータ軸81aの回転時には、従動回転する構成である。そして、ブレーキ82は、ブレーキ軸82aを制止することで、移動機構80の駆動を制止可能としている。
【0063】
また、ブレーキ82には、ローラコンベア8の進退位置を検出する位置検出手段が設けられている。ブレーキ軸82aの上端に、ブレーキ軸82aの半径方向へ延出される被検出体98が設けられている。
また、ブレーキ軸82a上端部において、ブレーキ82aの半径方向外側に、位置検出センサ99A・99Bが設けられている。被検出体98および位置検出センサ99A・99Bにより、ローラコンベア8の位置検出手段が構成される。
【0064】
位置検出センサ99A・99Bは、光路が遮断されたのを検出する光センサ、例えば、透過型の光電センサである。位置検出センサ99A・99Bのブレーキ軸82a側先端は凹状に形成されて、ブレーキ軸82aの回転に伴い被検出体98が通過可能としている。被検出体98が、センサ99A・99Bのブレーキ軸82a側先端を通過すると、センサ99A・99B先端の凹状内部に形成される光通路が遮断されて、被検出体98がセンサ99A・99Bにより検出される。位置検出センサ99A・99Bは、ローラコンベア8の退避位置と、移載位置とが検出できるように構成されている。
【0065】
回動軸96の下端は、第1リンク93の一端に、回動自在に設けられている。第1リンク93の他端には、回動軸97が設けられており、回動軸97は、第2リンク94Lの中央部に、回動自在に設けられている。
【0066】
第2リンク94L・94Rは、ローラコンベア8の進退方向に対する左右に設けられており、該第2リンク94L(94R)の一端部(ローラコンベア8側端部)には支点軸100L(100R)が設けられ、他端部には回動軸105L(105R)が設けられている。支点軸100L(100R)は、取付基部90に回動自在に設けられ、回動軸105L・105R間は、連結リンク86により接続されている。連結リンク86の両端部で、回動軸105L・105Rが回動自在に設けられている。
【0067】
以上において、支点軸100L・100Rは、取付基部90に設けられており、(水平面内において)位置変動はない。一方、回動軸96・97・105L・105Rは、モータ軸81aの回転により、水平面内で位置が変動する。
従って、モータ81の駆動により、ギア83の回転や第1リンク93等の移動を介して、第2リンク94Lが支点軸100回りに回転すると、連結リンク86を介して、第2リンク94Rが第2リンク94Lと平行に回転する。
【0068】
支点軸100L・100Rはそれぞれ、第2リンク94L・94Rに固設されている。取付基部90には、支点軸100L・100Rと同時に挿通孔が形成されており、該挿通孔を通じて、支点軸100L・100Rが取付基部90の下方に延出している。また、支点軸100L・100Rの下端には、それぞれ、アーム87L・87Rが、一端で固設されている。
つまり、第2リンク94Lとアーム87Lとは相互に固定されており、支点軸100Lを支点として回転する。第2リンク94Rとアーム87Rも相互に固定されており、支点軸100Rを支点として回転する。
【0069】
アーム87L(87R)は、アーム87L(87R)の反支点軸100L(100R)側の端部で、ローラコンベア8の本体から突出するブラケット101L(101R)に回動自在に取り付けられている。
【0070】
そして、平行リンクである第2リンク94L・29Rが、それぞれ支点軸100L・100R回りに回転すると、第2リンク94L・29Rに固定であるアーム87L・87Rが、それぞれ支点軸100L・100R回りに回転して、ローラコンベア8が物品収納空間10bの内方向へ向けて水平に進退するように構成されている。
【0071】
以上のように、ローラコンベア8・8が構成されている。
なお、自動倉庫5上部のステーション53との間で物品9を搬送車10の進行方向に対して左右横方向に受け渡す横移載手段は、ローラコンベア8・8に限定するものではなく、他の構成の横移載手段を適用してもよい。
【0072】
また、搬送車10には機上コントローラ110が搭載されており、図9に示すように、該機上コントローラ110は制御線を介して、駆動輪11の駆動モータ、ホイスト7及びスライド装置70の駆動部、ローラコンベア8のローラ88・88・・・の駆動モータ、移動機構80・80の駆動部、分岐装置17・17の駆動部、その他搬送車10の各機器と接続されている。
【0073】
搬送車10の走行制御について説明すると、前記走行路2の通過口20・20・・・の手前や、分岐部、合流部の手前など、走行路2上の適宜位置には、位置情報を記録したマーカが貼付されており、搬送車10の下部には読取リーダが取り付けられて、該読取リーダで該マーカを読み取ることにより、搬送車10の走行位置が把握されるようになっている。
【0074】
さらに、前記搬送車10の制御手段である機上コントローラ110には、走行路2に関する地図情報(データ)が記憶されていて、搬送車10は自車自身でも現在の走行位置を時々刻々把握している。搬送車10にはエンコーダが搭載されていて、走行距離が判るようになっており、該機上コントローラ110では該地図情報と該走行距離とから現在位置が認識されている。
【0075】
従って、搬送車10の機上コントローラ110では、走行路2上に貼付されている多数のマーカの位置も把握されており、搬送車10が読取リーダでマーカを検出することで、現在どの位置を走行中なのかをポイントポイントで正確な位置を確認している。
そして、読取リーダでマーカを検出したときに、万一、エンコーダにより認識している搬送車10の現在位置が地図情報上のマーカ位置と一致していなければ、該エンコーダによる現在位置を、該地図情報上のマーカ位置で修正する。
【0076】
このように搬送車10では、機上コントローラ110に記憶された地図情報とエンコーダで検出した走行距離とにより常時現在位置が認識されるとともに、読取リーダでマーカを検出することによりピンポイントで現在位置が認識され、2重のシステムで現在位置が認識されている。
【0077】
以上のようにして搬送車10は走行路2上の走行位置を把握しており、前記地図情報と、マーカに基づいて、走行制御が行なわれる。例えば、走行路2の分岐部手前のマーカを検出すると、分岐装置17・17を作動させ、目的の通過口20手前のマーカを検出すると、該通過口20で停止するように搬送車10を減速させるなどの制御が行なわれる。
【0078】
そして、搬送車10と、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5のステーション51、52又は53との間で物品9の受け渡しが行なわれる場合、搬送車10は機上コントローラ110に記憶している地図情報に基づいて、現在どのステーション41、51、52又は53位置に停止しているかを把握しており、搬送車10の機上コントローラ110では、該ステーション41、51、52又は53との間の物品9の受け渡しに、昇降移載手段たるホイスト7を用いるか、横移載手段たるローラコンベア8を用いるかの選択が行なわれる。
【0079】
具体的には、搬送車10とステーション41、51、52又は53との間で、交信が行なわれ、搬送車10の機上コントローラ110ではステーション41、51、52又は53との交信により得た情報に基づいて、ホイスト7、又はローラコンベア8の移載手段の選択が行なわれる。
搬送車10、及びステーション41、51、52又は53はそれぞれ送信器と受信器を具備しており、走行路2上のステーション41、51、52又は53位置に停止した搬送車10は、該ステーション41、51、52又は53に到着を知らせる情報を乗せた信号を送信し、この信号を受信したステーション41、51、52又は53は搬送車10へホイスト7、又はローラコンベア8による移載の方法を乗せた信号を返信する。そして、返信を受けた搬送車10は、機上コントローラ110で、ホイスト7を用いるか、ローラコンベア8を用いるかを選定する。
【0080】
あるいは、走行路2上を走行する複数の搬送車10・10・・・を統括して制御する上位のコントローラを設けて、ステーション41、51、52又は53位置に停止した搬送車10は、該上位のコントローラからの指令によって、ホイスト7を用いるか、ローラコンベア8を用いるかの選択を行うように構成してもよい。
【0081】
若しくは、前記地図情報に、各ステーション41、51、52又は53の位置情報に加えて、使用する移載装置の種類情報を予め記憶させ、記憶された移載装置の種類情報を基に、機上コントローラ110が使用する移載装置の種類、つまり、ホイスト7を用いるか、ローラコンベア8・8を用いるかを選択するようにしてもよい。
【0082】
次に、搬送車10と、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5の下部のステーション51、又は52との間の物品9の受け渡しについて説明する。
図4に示すように、走行路2上を走行する搬送車10が目的のステーション41、51又は52の上方で停止すると、機上コントローラ110では、該ステーション41、51又は52との交信等によって、今回の移載に使用される移載手段がホイスト7に選定される。
この停止した搬送車10の下方には、前記通過口20が位置しており、ホイスト7を保持するスライド装置70で左右方向の位置の調節を行い、該ホイスト7を該ステーション41、51又は52上の物品9の直上方に位置させる。
【0083】
次に、搬送車10の機上コントローラ110は移動機構80・80を作動させて、ローラコンベア8・8を退避位置に移動させ、ホイスト7の昇降部72を下降させる(図5(a)参照)。このとき昇降部72は、ローラコンベア8・8の間を通過し、さらに通過口20を通過して、ステーション41、51又は52上の物品9に到達する。そして、昇降部72のチャックで物品9を把持し、該昇降部72を上昇させて、再び通過口20を通過させ、ローラコンベア8・8の間を通過させて、物品9を物品収納空間10b内に収納し、ホイスト本体71を支持するスライド装置70を元位置に移動させる。
【0084】
こうして、物品9の収納を完了した後、再び移動機構80・80を作動させて、ローラコンベア8・8を移載位置に移動させる(図5(b)参照)。このとき物品9は物品収納空間10b内で、ホイスト7の昇降部72に把持されて、ローラコンベア8・8の搬送面より上方に位置した状態で、宙吊りになっており、この移載位置にあるローラコンベア8・8は物品9の落下防止としての役割を果たしている。なお、このとき、昇降部72を少し下降させて、物品9をローラコンベア8・8上に載置するようにしてもよい(図6参照)。
【0085】
そして、搬送車10を、搬送先のステーション41、51、52又は53へ向けて走行させる。搬送先のステーションが53である場合は、後述することとして、搬送先のステーションが41、51、又は52である場合は、該ステーション41、51又は52の上方で停止した搬送車10は、機上コントローラ110で、該ステーション41、51又は52との交信等によって、今回の移載に使用される移載手段がホイスト7に選定される。この停止した搬送車10の下方には、通過口20が位置しており、ホイスト7を保持するスライド装置70で左右方向の位置の調節を行い、該ホイスト7を該ステーション41、51又は52上の載置箇所の直上方に位置させる。
【0086】
ここで、搬送車10の機上コントローラ110は移動機構80・80を作動させて、ローラコンベア8・8を退避位置に移動させ、物品9を保持したホイスト7の昇降部72を下降させる。このとき物品9を保持した昇降部72は、ローラコンベア8・8の間を通過し、さらに通過口20を通過して、ステーション41、51又は52上の載置箇所に到達する。そして、昇降部72のチャックを解除して、物品9を該載置箇所上に載置し、該昇降部72を上昇させて、再び通過口20を通過させ、ローラコンベア8・8の間を通過させて、物品収納空間10b内に収め、ホイスト本体71を支持するスライド装置70を元位置に移動させる。
【0087】
こうして、物品9の移載を完了した後、再び移動機構80・80を作動させて、ローラコンベア8・8を移載位置に移動させ、次の目的地へ向けて搬送車10を走行させる。
なお、この物品9が積まれてない状態の搬送車10では、ローラコンベア8・8を退避位置のままで、走行させる構成としてもよい。次の搬送先が、ステーション41、51又は52である場合には、ローラコンベア8・8を退避位置へ移動させる移載工程が省けて移載時間が短縮され、また、次の搬送先が、ステーション53である場合であっても、搬送車10が該ステーション53位置で停止したときに、ローラコンベア8・8を移載位置に移動させればよい。
【0088】
次に、搬送車10と、自動倉庫5の上部のステーション53との間での物品9の受け渡しについて説明する。
図4に示すように、走行路2上を走行する搬送車10が目的のステーション53の直側方で停止すると、機上コントローラ110では、該ステーション53との交信等によって、今回の移載に使用される移載手段がローラコンベア8・8に選定される。
【0089】
この停止した搬送車10のローラコンベア8・8と、自動倉庫5のローラコンベア54・54とはそれぞれ接近対向して、同じ高さで一直線状に並んでおり、搬送車10の機上コントローラ110で、移載手段が選定された後、ローラコンベア8・8のストッパ89・89、及びローラコンベア54・54のストッパ55・55を下降させ、自動倉庫5の駆動用のローラコンベア54と、搬送車10の駆動用のローラコンベア8とをともに駆動させて、物品9が自動倉庫5のローラコンベア54・54から送り出されるとともに、搬送車10のローラコンベア8・8で繰り込まれる。こうして、物品9が自動倉庫5から搬送車10へと移載され、物品9が搬送車10に積み込まれると、ストッパ89・89を上昇させて、物品9の落下を防止する。
【0090】
こうして搬送車10は物品9の収納を完了した後、搬送先のステーション41、51、52又は53へ向けて走行を開始する。
なお、このとき、ホイスト7の昇降部72を下降させて、チャックで物品9を保持し、該昇降部72を上昇させて、物品収納空間10b内で物品9を宙吊りにした状態で(図5(a)参照)、搬送車10を走行させてもよい。この場合、カセット9を宙吊りにすることで、ローラコンベア8・8から走行に伴う上下の振動が、カセット9にあまり伝わらなくなる。
【0091】
この走行中の振動がカセット9に伝わるのを抑えるために、例えば、カセット9を宙吊りにして、その上で、物品収納空間10bの前方と後方の、車体本体10a内側面に、進退自在な抑え部材を設け、カセット9の側面(搬送車10の進行方向に対して前側と後側の側面)を走行中に押さえるようにしてもよい。抑え部材の当接部には、カセット9との当接時の衝撃を弱めて、走行中の振動が吸収できるように弾性体が設けられるのが好ましい。また、ローラコンベア8・8の上面に、上下方向又は搬送車10の進行方向に対する前後方向に進退自在な弾性部材を配置して、該弾性部材を介してカセット9をローラコンベア8・8上に載置するようにしてもよい。さらに、次の搬送先が、ステーション41、51又は52である場合、ホイスト7の昇降部72のチャックで物品9を把持する工程が省けて移載時間が短縮される。
【0092】
この物品9が積み込まれた搬送車10の搬送先のステーションが41、51、又は52である場合は、前記したように移載が行なわれ、搬送先のステーションが53である場合は、該ステーション53の直側方で停止した搬送車10は、機上コントローラ110で、該ステーション53との交信等によって、今回の移載に使用される移載手段がローラコンベア8・8に選定される。
【0093】
そして、ローラコンベア8・8のストッパ89・89、及びローラコンベア54・54のストッパ55・55を下降させ、搬送車10の駆動用のローラコンベア8と、自動倉庫5の駆動用のローラコンベア54とをともに駆動させて、物品9が搬送車10のローラコンベア8・8から送り出されるとともに、自動倉庫5のローラコンベア54・54で繰り込まれる。こうして、物品9が搬送車10から自動倉庫5へと移載され、物品9がステーション53上に載置されると、ストッパ54・54を上昇させて、物品9の落下を防止する。
こうして、物品9の移載を完了した後、次の目的地へ向けて搬送車10を走行させる。
【0094】
なお、処理装置4の上方のスペースなどを利用して、走行路2の直側方にバッファが設けられることがあり、該バッファには物品9が仮置きされるようになっている。処理装置4では物品9が一つずつ処理されることから、処理装置4で物品9を処理中に、搬送車10で新たな物品9が該処理装置4まで搬送されてきた際、該新たな物品9を搭載したまま該搬送車10を走行路2上で停止させると他の搬送車10・10・・・の走行の邪魔になる。かといって該新たな物品9を搭載した該搬送車10をそのまま該処理装置4を通過させて走行路2(第1閉ループ路21等)を周回させておくのも無駄である。そこで、処理装置4の上方などにバッファを設けて、該バッファに該新たな物品9を仮置きするようにしている。
【0095】
このバッファにも、前記自動倉庫5上部のステーション53の一対のローラコンベア54・54と同様の構成で、一対のローラコンベアを設けることができる。バッファには、搬送車10の進行方向に対して前後に一対のローラコンベアを配置し、搬送車10とバッファとの間の物品9の移載は、搬送車10をバッファの前で停止させ、該搬送車10のローラコンベア8・8と該バッファのローラコンベアとを接近対向させて、搬送車10、又はバッファの一方のローラコンベアで他方のローラコンベアへ物品9を送り出して、他方のローラコンベアで送り出された物品9を繰り込むように構成される。
【0096】
以上のように、搬送車10は、制御手段たる機上コントローラ110で、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5のステーション51、又は52との間の物品9の受け渡しとの間の物品9の受け渡しでは、ローラコンベア8・8を退避位置に位置させて、ホイスト7を昇降させ、一方、自動倉庫5のステーション53との間の物品9の受け渡しでは、ローラコンベア8・8を移載位置に位置させて、該ローラコンベア8・8を作動させている。
【0097】
このような構成で、搬送車10には、水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構などを設けることなく、走行路2の下方のステーション41、51又は52との間ではホイスト7を介して物品9を移載することができるとともに、走行路2の側方のステーション53との間ではコンベア8・8を介して物品9を移載することができ、汎用性が向上する。
【0098】
また、搬送車10と走行路2の下方のステーション41、51又は52との間の物品9の受け渡しでは、移動機構80・80によりローラコンベア8・8を退避位置に移動させると、ホイスト7を介して昇降する物品9と、ローラコンベア8・8とが干渉しなくなり、コンパクトなレイアウトで搬送車10にホイスト7とローラコンベア8・8とを配置することができて、搬送車10をコンパクトにまとめあげることができる。
さらに、移動機構80・80によりローラコンベア8・8を移載位置に移動させることで、物品収納空間10b内でホイスト7に保持される物品9の落下を防止することもでき、安全性が向上する。
【0099】
前記搬送車10の分岐装置17・17について補足すると、該分岐装置17・17は、走行路2の分岐部、又は合流部の手前で作動して、搬送車10自体で、その進行方向を選択するための装置であり、以下のように構成されている。
【0100】
走行路2の分岐部と、合流部とには、走行路の走向方向に沿って2本のガイドレールが架設されており、この2本のガイドレールの一側部は、分岐前(合流後)の1本の走行経路では平行に配置されるが、他側部は分岐後(合流前)の2本の走行経路に沿って、互いに別れるように配置されている。このガイドレールは前記吊り下げフレーム32を構成する上部フレーム32aの左右中央部から垂設され、走行路2の走行方向に、複数の上部フレーム32a・32a・・・間に渡って架設されている。
【0101】
また、走行路2の分岐部と、合流部とには、レール24L・24R、24L・24Rの替わりに、プレート状の乗り移り部材が敷設されている。すなわち、分岐部(合流部)とでは、分岐前(合流後)の1本の走行経路と、分岐後(合流前)の2本の走行経路との間で、2組のレール24L・24R、24L・24Rが交錯する構成となるため、分岐部(合流部)においては、該2組のレール24L・24R、24L・24Rの配置位置に、搬送車10の走行面となる乗り移り部材が介設されている。この乗り移り部材の上面は水平面に形成されており、前記レール体24lの走行面、及びレール体24rの走行面と同じ高さ位置に配置されている。
【0102】
以上のような構成で、分岐部と、合流部については、搬送車10のガイドローラ12・12が案内される、レール24Lのガイド溝もなくなり、該分岐部と、合流部においては、搬送車10は、該ガイド溝の替わって、その上方に架設されているガイドレールによって案内されるようになっている。
【0103】
搬送車10が分岐部へ向かう場合、搬送車10は分岐部領域の入口部で分岐装置17を作動させて、走行すべき方向に対応する、一方の分岐ローラ19を上昇させる。この一方の分岐ローラ19を上昇させた後、該一方の分岐ローラ19とガイドローラ18との間に、該分岐部領域の入口部の上方で平行に架設されている、2本のガイドレールのうちの一方のガイドレールの端部が入り込む。
【0104】
このようにして、該一方の分岐ローラ19とガイドローラ18とによって該一方のガイドレールが挟まれ、該一方のガイドレールによって、搬送車10が案内され始める。この直後、搬送車10の下方では、前記レール24Lのガイド溝が途絶えて、搬送車10のガイドローラ12・12が案内されなくなる。
こうして、搬送車10は、レール24Lのガイド溝に替わって、上方のガイドレールで案内されながら、前記乗り移り部材の上面を走行し、選択した分岐方向へ向けて進行する。
【0105】
そして、走行路2が分岐した後の分岐部領域の出口部で、途絶えていたレール24Lのガイド溝が再び敷設されて、ここで、搬送車10のガイドローラ12・12が該レール24Lのガイド溝に入り込む。この直後、先ほどまで案内されていたガイドレールが途絶えて、搬送車10の分岐装置17のローラ18・19は案内されなくなる。こうして、搬送車10は、分岐部上方に架設されたガイドレールに替わって、再び、レール24Lのガイド溝によって案内されるようになる。
【0106】
同様に、搬送車10が合流部に差し掛かると、合流部領域の入口部で分岐装置17・17を作動させて、一方の分岐ローラ19を上昇させ、該一方の分岐ローラ19とガイドローラ18とで合流部上方に架設されたガイドレールを挟み込み、搬送車10は該ガイドレールに案内されながら合流部を通過する。
その際の、搬送車10を案内するガイドレールと前記ガイド溝の関係は前述した分岐部の場合と同様で自明であるので省略する。
【0107】
また、処理装置4、又は自動倉庫5から突出可能なステーションの長さは規格で定められていることから、クリーンルーム内における各装置のレイアウトの関係上、ステーション41、51、又は52を、走行路2の真下(一対のレール24L・24Rの幅方向の中央の下)から、レール24L・24Rの幅方向で処理装置4、又は自動倉庫5側に、少しずらして配置しなければならないことがあり、この場合、以下のように天井搬送車システム1を構成する。
【0108】
走行路2から見て、斜め下方にステーション41、51、又は52を配置する場合、走行路2上の搬送車10とステーション41、51、又は52との間で物品9を受け渡す際、上下に昇降する物品9と、装置側の一方のレール24Rとが十字に交叉するレイアウトとなる。そこで、該ステーション41、51、又は52の上方位置で、該一方のレール24Rを切除して、この切欠により形成される該一方のレール24Rの端部と、切欠しなかったもう一方のレール24Lとを補強部材で連結する。
【0109】
そして、この一方のレール24Rの切欠箇所を含む通過口の上方には棒状のガイドレールと、水平な走行面を備えた支持レールとをレール24L・24Rの走向方向に沿って架設し、前記搬送車10の上部の分岐装置17・17を利用して、該分岐装置17のローラ18・19で該ガイドレールを挟み込むように構成する。さらに、搬送車10の上面の前部と後部に、軸心を水平方向に向けた補助車輪を設け、該補助車輪が前記支持レールの走行面を走行するように構成する。
【0110】
以上のような構成で、一方のレール24Rの切欠箇所を含む通過口上で、搬送車10はガイドレールと支持レールとによっても支持され、該通過口上で搬送車10の従動輪14・14が該一方のレール24Rの切欠箇所から下方へ落ち込まずに、該通過口前後でも搬送車10がスムースに走行できるようになっている。
【0111】
以上、本発明の天井搬送車システム1の構成である。
なお、請求項に記載の天井搬送車は、上記の実施例中の、物品9をレール24L・24Rの上方で支持するマウント型の搬送車10に限定することなく、レールの下方で物品を吊り下げて走行する、吊り下げ型の搬送車にも適用することができる。
【0112】
吊り下げ型の天井搬送車では、レール24L・24Rの下方に物品収納空間が形成され、該物品収納空間の下方には、カセット9が上下に通過可能な開口が形成されるとともに、搬送車の進行方向と直交する方向(カセット9を移載する方向)の側面にはカセット9が左右に通過可能な開口が形成され、該物品収納空間の天井には、ホイストが配置されるとともに、該物品収納空間の前方と後方には横移動装置であるローラコンベアが配置されるように構成する。ローラコンベアはホイストによるカセット9の昇降を妨げとならないように、前後に進退するようになっている。
【0113】
【発明の効果】
以上のように構成した本発明では、次のような効果を奏する。
まず、請求項1に記載の発明では、天井搬送車は、水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構などを設けることなく、走行路の側方の第1物品載置箇所との間では横移載手段を介して物品を移載することができるともに、走行路の下方の第2物品載置箇所との間では昇降手段を介して物品を移載することができ、汎用性が向上する。
また、搬送車と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、移動手段により横移載手段を退避位置に移動させると、昇降移載手段を介して昇降する物品と、横移載手段とが干渉しなくなり、コンパクトなレイアウトで横移載手段と昇降移載手段とを配置することができて、天井搬送車をコンパクトにまとめあげることができる。
さらに、移動手段により横移載手段を移載位置に移動させることで、昇降移載手段によって保持される物品の落下を防止することもでき、安全性が向上する。
【0114】
また、請求項2に記載の発明では、搬送車と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、移動手段により一対の横搬送手段を退避位置に移動させると、昇降移載手段を介して昇降する物品と、一対の横搬送手段とが干渉しなくなり、コンパクトなレイアウトで横移載手段と昇降移載手段とを配置することができて、天井搬送車をコンパクトにまとめあげることができる。
また、移動手段により横移載手段を移載位置に移動させることで、昇降移載手段によって保持される物品の落下を防止することもでき、安全性が向上する。
さらに、一対の横搬送手段の一方は固定し、他方だけを移動させて、接近又は離間させる構成に比べ、バランスよく重心の移動ができ、安定性が向上する。
【0115】
また、請求項3に記載の発明では、天井搬送車は、水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構などを設けることなく、走行路の側方の第1物品載置箇所との間では横移載手段を介して物品を移載することができるともに、走行路の下方の第2物品載置箇所との間では昇降手段を介して物品を移載することができ、汎用性が向上する。
また、搬送車と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、移動手段により横移載手段を退避位置に移動させると、昇降移載手段を介して昇降する物品と、横移載手段とが干渉しなくなり、コンパクトなレイアウトで横移載手段と昇降移載手段とを配置することができて、天井搬送車をコンパクトにまとめあげることができる。
さらに、移動手段により横移載手段を移載位置に移動させることで、昇降移載手段によって保持される物品の落下を防止することもでき、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】天井搬送車システム1の概略構成を示す平面図。
【図2】搬送車10の斜視図。
【図3】走行路2の通過口20上で停止した搬送車10の斜視図。
【図4】搬送車10と自動倉庫5のステーション51、52又は53との間の物品9の受け渡しを説明する図。
【図5】搬送車10の側面図。(a)は移動機構80・80を移載位置に位置させた状態。(b)は移動機構80・80を退避位置に位置させた状態。
【図6】ローラコンベア8・8上に物品9を載置した状態の搬送車10の側面図。
【図7】移動機構80の斜視図。
【図8】同じく平面図。
【図9】搬送車10の制御構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 天井搬送車システム
2 走行路
4 処理装置
5 自動倉庫
7 ホイスト
8 ローラコンベア
9 物品
10 搬送車
20 通過口
24L レール
24R レール
71 ホイスト本体
72 昇降部
80 移動機構
110 機上コントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムに関し、詳しくは、走行路上の天井搬送車が、第1物品載置箇所、又は第2物品載置箇所との間で物品を受け渡す際の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工場等クリーンルーム内には、複数の処理装置と、自動倉庫とを備えたベイが多数設けられて、該ベイ内、及びベイ間に走行路が敷設され、該走行路上に天井搬送車を自動走行させて、物品を搬送する天井搬送車システムが知られている。
【0003】
特開2000−53237号公報に示す従来技術では、天井搬送車は、走行路の上方で物品(半導体ウエハを収納したカセット等)を保持して走行するとともに、該物品を走行路の下方に配置されたステーションに受け渡すように構成されている。搬送車には物品を上下に受け渡すための昇降装置と、該昇降装置を車体進行方向に対して左右方向に水平に移動させるための水平移動機構が搭載されている。搬送車とステーションとの間で物品を移載するには、水平移動機構により昇降装置を、車体進行方向に対して左右方向に水平に大きく移動させて、走行路をかわし、昇降装置による物品の昇降軌跡と走行路の走行軌跡とが十字に交叉しないようにした上で、昇降装置を昇降させて、物品が移載される。
【0004】
この状態では機体のバランスが悪く、水平移動させた昇降装置側へ搬送車が傾いて走行路上から落下しないように、搬送車にはカウンタウェイトが設けられて、該カウンタウェイトを、該昇降装置を水平移動させた方向とは左右反対方向に移動させ、機体のバランスが保たれていた。
以上のような機構は大仕掛けとなるため、本願と同一出願人により、昇降装置を大きく水平移動させることなく、物品を走行経路の下方のステーションへ受け渡すことができる天井搬送車システムが開発されている。
【0005】
以下、この技術について説明すると、走行路上には2種類の天井搬送車を走行させており、1種類は走行路の下方に配置された第1ステーションとの間で物品の受け渡しを行なう第1搬送車で、該第1搬送車にはチャック付きのホイストが搭載されている。もう1種類は走行路の直側方に配置された第2ステーションとの間で物品の受け渡しを行なう第2搬送車で、該第2搬送車には物品を車体の進行方向に対して横方向に搬送する一対のローラコンベアが搭載されている。
【0006】
走行路は、所定間隔を空けて配置される2本のレールで構成され、該2本のレールは、適宜位置で繋ぎ部材を介して連結されている。ただし、この繋ぎ部材は前記第1ステーションの上方位置には配置せず、該第1ステーションの上方の走行路にはレール間に通過口が形成されている。この通過口は、第1搬送車と第1ステーションとの間で物品を受け渡すために、物品が通過可能な大きさに形成されている。
【0007】
そして、第1搬送車と第1ステーションとの間で物品を移載するには、まず、第1搬送車を走行路の第1ステーションの上方位置で停止させる。このとき、第1搬送車の真下には前記通過口が位置し、該通過口からホイストを下降させて、第1搬送車と、第1ステーションとの間で物品を上下に受け渡すように構成されている。
【0008】
この構成では、第1搬送車に水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構を設ける必要がなく、第1搬送車は安定した状態で、その真下の第1ステーションとの間で物品の受け渡しを行なうことができる。
【0009】
また、自動倉庫などには上部と下部にステーションが設けられることもあり、上部のステーション(第2ステーション)は走行路の直側方に配置されて、該第2ステーションには第2搬送車によって物品の受け渡しが行なわれるように構成されている。第2ステーションは走行路の走向方向に対して前後に一対のローラコンベアが配置され、該第2ステーションと第2搬送車との間の物品の移載は、第2搬送車を第2ステーションの前で停止させて、該第2搬送車のローラコンベアと該第2ステーションのローラコンベアとを接近対向させ、第2搬送車、又は第2ステーションの一方のローラコンベアで物品を送り出して、他方のローラコンベアで物品を繰り込むように構成されている。
【0010】
以上のように、2種類の搬送車が設けられる理由は、半導体工場等のクリーンルーム内において、走行路が以下のように構成されるためである。
走行路は大別して、各ベイに敷設される第1閉ループ路と、該第1閉ループ路間を接続する第2閉ループ路とから成り、該第1閉ループ路は各ベイに属する処理装置に沿って敷設される工程内搬送用のループとして、該第2閉ループ路は各ベイ間を連絡する工程間搬送用の長距離ループとして構成され、そして、該第1閉ループ路と該第2閉ループ路とは連結路を介して連結されている。
【0011】
前記発明では、この連結路と、第1閉ループの曲線部と、第2閉ループの直線部とで囲われるスペースに物品を一時保管するための自動倉庫が配置されて、該第1閉ループ路の外側方であり、且つ第2閉ループ路の外側方に配置される、この自動倉庫には、該第1閉ループ路上の搬送車、及び該第2閉ループ路上の搬送車の双方から、物品の移載が可能となっている。
【0012】
処理装置の第1閉ループ路に対向する側面の下部にはそれぞれ入出庫口が設けられ、該入出庫口には物品の載置箇所としての第1ステーションが設けられている。第1ステーションは処理装置から突設されて、第1閉ループ路の下方に配置され、該ステーション上方の第1閉ループ路には、物品が上下に通過可能な通過口が形成されている。
【0013】
自動倉庫には、第1閉ループ路に対向する側面の下部、及び第2閉ループ路に対向する側面の上部と下部に、それぞれ入出庫口が設けられている。自動倉庫下部の2箇所の入出庫口には、それぞれ物品の載置箇所としての第1ステーションが1組ずつ設けられ、該各第1ステーションは自動倉庫5から突設されて、それぞれ第1閉ループ路の下方と、第2閉ループ路の下方とに配置され、この第1ステーション上方の第1閉ループ路、及び第1ステーション上方の第2閉ループ路にも、物品が上下に通過可能な通過口が形成されている。
【0014】
また、自動倉庫上部の入出庫口にはそれぞれ物品の載置箇所としてのステーションが、第2閉ループ路の直側方まで突設されている。ステーションは、入出庫コンベアとして一対のローラコンベアを備え、該一対のローラコンベアは、突設方向に対する左右(搬送車の進行方向に対しては前後)に並設されて、第2閉ループ路上を走行する第2搬送車のローラコンベアと同じ高さに配置されている。
【0015】
以上のように走行路が形成され、各ベイ内の処理装置間の搬送(工程内搬送)は第1搬送車で行い、ベイ間の自動倉庫間の搬送(工程間搬送)は主に第2搬送車で行なうように構成されている。なお、ベイ間の工程間搬送では第1搬送車で行なうことも可能であるが、自動倉庫5のステーションとの間の物品の移載時間は、第1搬送車を介するよりも、第2搬送車を介する方が早い。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−53237号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
その後の研究開発の過程で、同一の搬送車で、走行路の下方のステーションと、走行路の側方のステーションとの間で物品の受け渡しを行うことが検討されている。
そこで、本発明では、水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構などを設けることなく、走行路の下方のステーションとの間で物品の受け渡しができるとともに、走行路の側方のステーションとの間でも物品の受け渡しが可能な天井搬送車を提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段は、以下に示すとおりである。
まず、請求項1に記載のように、物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムにおいて、前記天井搬送車は、前記第1物品載置箇所との間で物品を車体の進行方向に対して横方向に受け渡す横移載手段と、前記第2物品載置箇所との間で物品を上下方向に受け渡す昇降移載手段と、を備えて、該昇降移載手段は該横移載手段の上方に配置され、また、前記搬送車は、前記横移載手段を、第1物品載置箇所との間で物品の受け渡しが可能となる「移載位置」と、昇降移載手段と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しを妨げない「退避位置」との間で移動させる移動手段を備え、さらに、前記搬送車は、前記第1物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、前記横移載手段を移載位置に位置させて、該横移載手段を作動させ、前記第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、前記横移載手段を退避位置に位置させて、前記昇降移載手段を作動させる制御手段を備える。
【0019】
そして、請求項2に記載のように、前記横移載手段は、対向する一対の横搬送手段から成り、該一対の横搬送手段はそれぞれ前記移動手段により互いに接近又は離間するように作動し、該一対の横搬送手段が接近した位置が前記「移載位置」に、離間した位置が前記「退避位置」となり、該一対の横搬送手段が退避位置にあるとき、前記昇降移載手段が該一対の横搬送手段の間を上下に通過可能になる。
【0020】
また、請求項3に記載のように、物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムにおいて、前記請求項1、又は請求項2に記載の天井搬送車を備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は天井搬送車システム1の概略構成を示す平面図、図2は搬送車10の斜視図、図3は走行路2の通過口20上で停止した搬送車10の斜視図、図4は搬送車10と自動倉庫5のステーション51、52又は53との間の物品9の受け渡しを説明する図である。図5は搬送車10の側面図であり、同図(a)は移動機構80・80を移載位置に位置させた状態、同図(b)は移動機構80・80を退避位置に位置させた状態である。図6はローラコンベア8・8上に物品9を載置した状態の搬送車10の側面図、図7は移動機構80の斜視図、図8は同じく平面図、図9は搬送車10の制御構成を示すブロック図である。
なお、以下の説明では、搬送車10については、その進行方向を前方として各構成部材の前後左右位置を説明し、走行路2(21・22・23)については、その走向方向を前方として各構成部材の前後左右位置を説明するものとする。
【0022】
まず、天井搬送車システム1の概略構成から説明する。
図1に示すように、半導体製造工場等のクリーンルーム内には、複数の処理装置4・4・・・と、自動倉庫5とを備えたベイ3が多数設けられ、該ベイ3内、及びベイ3・3・・・間に、天井搬送車10・10・・・の移動経路となる走行路2が敷設されて、天井搬送車システム1が構成されている。
【0023】
走行路2は大別して、各ベイ3・3・・・に敷設される第1閉ループ路21・21・・・と、該第1閉ループ路21・21・・・間を接続する第2閉ループ路22とから成り、該第1閉ループ路21は各ベイ3に属する処理装置4・4・・・に沿って敷設される工程内搬送用のループとして、該第2閉ループ路22は各ベイ3・3・・・間を連絡する工程間搬送用の長距離ループとして構成されている。
【0024】
この第1閉ループ路21と第2閉ループ路22とは連結路23・23を介して連結されており、該連結路23・23と、該第1閉ループ21の曲線部と、該第2閉ループ22の直線部とで囲われるスペースに物品(半導体ウエハを収納したカセット等)9を一時保管するための自動倉庫5が配置されている。詳細は後述するが、この第1閉ループ21路の外側方であり、且つ第2閉ループ22路の外側方に配置される自動倉庫5・5・・・では、該第1閉ループ路21上の搬送車10、及び該第2閉ループ路22上の搬送車10の双方から、物品9の移載が可能である。
【0025】
処理装置4の第1閉ループ路21に対向する側面の下部にはそれぞれ入出庫口が設けられ、該入出庫口には物品9の載置箇所としてのステーション41・41が設けられている。図3に示すように、ステーション41・41は処理装置4から突設されて、第1閉ループ路21の下方に配置され、該ステーション41・41にはローラコンベア等の搬送手段が設けられて、該搬送手段によって物品9が処理装置4に入出庫されるように構成されている。また、ステーション41・41の上方の第1閉ループ路21には、物品9が上下に通過可能な通過口20・20が形成されている。
【0026】
図4に示すように、自動倉庫5には、第1閉ループ路21に対向する側面の下部、及び第2閉ループ22路に対向する側面の上部と下部に、それぞれ入出庫口が設けられている。自動倉庫5下部の2箇所の入出庫口にはそれぞれ物品9の載置箇所としてのステーション51・51と52・52とが1組ずつ設けられ、該ステーション51・51、52・52は自動倉庫5から突設されて、それぞれ第1閉ループ路21の下方と、第2閉ループ路22の下方とに配置されている。これらのステーション51・51、52・52にはローラコンベア等の搬送手段が設けられ、該搬送手段によって物品9が自動倉庫5に入出庫されるように構成されている。
【0027】
このステーション51・51上方の第1閉ループ路21、及びステーション52・52上方の第2閉ループ路22についても、前記処理装置4のステーション41・41上方の第1閉ループ路21と同様に、物品9が上下に通過可能な通過口20・20が形成されている。
【0028】
また、自動倉庫5上部の入出庫口にはそれぞれ物品9の載置箇所としてのステーション53・53が、第2閉ループ路22の直側方まで突設されている。ステーション53は、入出庫コンベアとして一対のローラコンベア54・54を備え、該一対のローラコンベア54・54は、突設方向に対する左右(搬送車10の進行方向に対しては前後)に並設されて、後述する第2閉ループ路22上の搬送車10のローラコンベア8・8と同じ高さに配置されている。この1対のローラコンベア54・54で物品9下面の両端部(搬送車10の進行方向に対しての前端部と後端部)を転支して、搬送車10の進行方向に対して左右方向に横送りするように構成されている。このローラコンベア54・54の外側端部(第2閉ループ路22側端部)には、搬送車10へ物品9を受け渡す時以外に、ローラコンベア54・54の搬送面から上方に突出した状態で物品9を係止し、物品9を受け渡す時に搬送面から下降する上下動自在なストッパ55が設けられて、ローラコンベア54・54上の物品9の落下が防止されている。
【0029】
次に、走行路2(21・22・23)の構成について説明する。
図3に示すように、走行路2は、一対のレール24L・24Rと、該レール24L・24Rの下面間を連結する繋ぎ部材25・25・・・と、該レール24L・24Rの間で走行路2の走向方向に向けて架設される落下防止部材26・26を備え、吊り下げ部材30・30・・・を介してクリーンルーム内の天井付近に吊設されている。
【0030】
図4に示すように、吊り下げ部材30は、一対の吊り下げロッド31・31と、吊り下げフレーム32とを備え、該吊り下げフレーム32は上部フレーム32aと側部ロッド32b・32bとにより「門」字型に構成されている。
吊り下げロッド31・31はクリーンルームの天井、又は床面に立設した「門」字型の支持フレームから垂設されて、該吊り下げロッド31・31の下端部に上部フレーム32aの左右両側部が締結固定され、該上部フレームの左右両端部に側部ロッド32b・32bの上端部が締結固定され、該側部ロッド32b・32bの下端部に繋ぎ部材25の左右両端部が締結固定されている。
【0031】
このように繋ぎ部材25・25・・・は吊り下げ部材30・30・・・によって懸吊されており、該繋ぎ部材25・25・・・の上面の左右両側部にレール24L・24Rの下面が載置固定されている。この繋ぎ部材25・25・・・は走行路2の走行方向に間隔を開けて多数配置され、該繋ぎ部材25・25・・・により、2本のレール24L・24Rの間隔が、一定幅に保たれている。
また、必要に応じ、単にレール24L・24Rをその下面にて連結するのみで吊り下げ部材30・30・・・に懸吊されない繋ぎ部材25・25を適宜設けても良い。
【0032】
但し、前記繋ぎ部材25・25・・・は、処理装置4のステーション41の上方位置、及び自動倉庫5のステーション51・52の上方位置には配置されず、該ステーション41・51・52の上方位置のレール24L・24Rの下面間には、繋ぎ部材29・29が架設されて、該繋ぎ部材29・29と、レール24L・24Rとに包囲されて前記の通過口20が形成されている。
【0033】
前記レール24L(24R)は、適宜長さに形成された、複数のレール体24l・24l・・・(24r・24r・・・)から成り、少なくとも該レール体24l(24r)の長手方向両端部が繋ぎ部材25・25に支持固定されている。このレール体24l・24l・・・(24r・24r・・・)が走行路2の走向方向に継ぎ足されて、レール24L(24R)が連綴されている。
【0034】
レール体24l・24rは、水平な走行部と、その左右外側部に立設されるガイド部とを備え、断面、「L」字型に形成されている。さらに、一方のレール体24lについては、走行部の左右内側部にもガイド部が立設されている。この一方のレール体24lにおける左右両側部のガイド部の上端部には、突出部が互いに向き合うように形成されて、該一方のレール体24lの走行部と、ガイド部と、突出部とで囲われる凹部スペースがガイド溝となり、該ガイド溝に、後述する搬送車10のガイドローラ12・12が緩挿され、該突出部により、該ガイドローラ12・12が該ガイド溝から抜け出さないように構成されている。
【0035】
図3に示すように、前記落下防止部材26は、適宜長さに形成された、複数の落下防止バー26a・26a・・・が長手方向に継ぎ足されて構成されている。繋ぎ部材25(29)の上面には、左右に一定間隔を開けて、ブラケットが2個固設されている。このブラケットは断面「凹」字型の形状で、該ブラケットの凹部に上方から、落下防止バー26aが着脱自在に嵌合されている。
【0036】
このような構成で、落下防止バー26a・26a・・・が繋ぎ部材25・25・・・、29・29・・・間に架設されている。ただし、該落下防止バー26a・26a・・・は、前記通過口20には配置しないものとする。
このように、本実施例では、安全面の観点から、レール24L・24R間に2筋の落下防止部材26・26が架設されて、万一、搬送車10等から物品9がレール24L・24R間に落下したときにも、該落下防止部材26・26に引っ掛かって、床面までは落下しないように構成されている。
なお、落下防止部材26・26の本数や配置の仕方等については特に限定はしないものとする。
【0037】
次に、搬送車10の構成について説明する。
本実施例では、走行路2上に、工程間搬送と工程内搬送の兼用タイプとしての搬送車10を、図1中の矢印の方向の一方向に走行させている。
図2に示すように、搬送車10には、車体本体10aの中央部に物品収納空間10bが設けられており、該物品収納空間10bの下方と左右一側部とは、物品9が通過可能なように外部へ開口されて、該車体本体10aの下側部及び左右一側部が「門」字型に形成されている。
なお、この車体本体10aの一側部の開口部については、第1閉ループ路21及び第2閉ループ路22上で外側、すなわち、処理装置4及び自動倉庫5側に向くように配置される。
【0038】
図5に示すように、車体本体10aの下端部において、左右他側端部(レール24L側端部)には、駆動輪11が車軸を左右水平方向に向けて取り付けられ、該駆動輪11の前方と後方に、ガイドローラ12・12が車軸を鉛直方向に向けて取り付けられている。駆動輪11は車体本体10aの前後中央位置に配置されており、側面視で、ガイドローラ12・12は駆動輪11の車軸に対して前後対称位置に配置されている。
【0039】
駆動輪11の一部分は車体本体10aの下面から下方へ突出しており、前記一方のレール体24lの走行部と当接するように構成されている。そして、ガイドローラ12・12は該一方のレール体24lのガイド溝に緩挿されて案内されるように構成されている。
【0040】
車体本体10aの下端部における左右一側部端(レール24R側端部)には、一対の従動輪14・14が垂設されている。この従動輪14・14は方向転換自在なキャスター輪で構成され、車体本体10a下面における前端部と後端部とに、車軸を水平方向に向けて配置されている。
【0041】
また、図2に示すように、車体本体10aの上面における前部と後部には1対の分岐装置17・17が設けられている。該分岐装置17は車体本体10aの上面の左右方向中央部に配置されるガイドローラ18と、その左右両側方に配置される分岐ローラ19・19とを備え、該ローラ18・19・19は車軸を鉛直方向に向けて配置されて、分岐ローラ19・19については上下動自在に構成されている。
【0042】
さらに、車体本体10a上部の左右両側部には、走行路2の上方に架設された給電線から電力を得るためのピックアップユニット60・60が設けられている。このピックアップユニット60・60は、車体に占める重量比が多いため、車体の左右両側に配置することで、車体全体の重量バランスを保ち、例えば、曲線部をなめらかに走行することを可能にしている。また、走行路2は分岐路を有するため、該走行路2の一側に敷設される給電線は、分岐路等、所により、該走行路2のこれとは反対側に敷設される箇所もあり、該ピックアップユニット60・60を車体本体10aの左右両側部に配置することで、このような分岐路等においても、走行する搬送車10へ、瞬断することなく電力を供給することができる。
【0043】
ピックアップユニット60は、正面断面視、略「E」字型をしたフェライト製のコア61と、ピックアップコイル62とを備え、該コア61の上中下3箇所の突出部は左右外方向へ向けらて配置され、中央の突出部にピックアップコイル62が巻回されている。該コア61は、上下の突出部と、中央の突出部との間に形成された、上下2つの凹部スペース内に、給電線が、それぞれ一本ずつ位置するように配置されている。
【0044】
この給電線に高周波電流を流すことによって発生する磁界を、ピックアップコイル62で受けるようにしている。そして、電磁誘導現象を利用し、ピックアップコイル62に発生する誘導電流から電力を取り出す。このようにして、給電線からピックアップユニット60に非接触で電力が供給され、駆動輪11の駆動モータ15を駆動したり、制御機器に電力を供給したりしている。
【0045】
また、搬送車10は、物品収納空間10b内に、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5下部のステーション51、52との間で物品9を上下方向に受け渡すホイスト7と、自動倉庫5上部のステーション53との間で物品9を車体進行方向に対して左右横方向(直交する方向)に受け渡す一対のローラコンベア8・8とを備えている。
【0046】
図4に示すように、物品収納空間10b上方の天井面にはスライド装置70が垂設されており、該スライド装置70にホイスト7の本体71が取り付けられている。ホイスト本体71には、チャックを備えた昇降部72を昇降させるための昇降手段が設けられており、スライド装置70で、ホイスト本体71を車体進行方向に対して左右横方向に移動させることができるようになっている。このため、ホイスト7の真下から、ステーション41が進行方向に対して直交する方向に据え付け誤差などにより多少ずれていた場合にも、物品9をステーション41の物品載置部の真上となるように、ホイスト本体71を左右横方向へ移動させることで、物品9をステーション41・51・52の載置部へ正確に移載することができる。
【0047】
また、ステーション41(又は51、52)が、平面視で車体本体10aに形成されている側壁開口側にあって、車体進行方向に対して左右横方向(直交する方向)で、レール24Rより側方にずれた位置にあった場合でも、スライド装置70の移動量を増やすことで対応することが可能になる。その際には、移動側のレール24Rに切欠を設ける必要がある。
【0048】
なお、どのステーション41・41・・・、ステーション51・51・・・、ステーション52・52・・・も走行路2上の搬送車10の真下に位置するようにレイアウトして、搬送車10にスライド装置70を搭載しない構成としてもよい。搬送車10の真下にステーション41、51、52が位置する場合というのは、レール24Lとレール24Rとの間隔を、カセット9が通過可能な間隔にして配置し、レール24Lとレール24Rとの間にカセット9の昇降経路を形成する場合のみならず、レール24Rに切欠を設けて、レール24Lとレール24Rの間と、レール24Rに形成された切欠とによりカセット9の昇降経路を形成する場合でもよい。これらの場合は、物品収納空間10b上方の車体本体10a天井面に直接ホイスト本体71が取り付けられる。なお、スライド装置70は、ステーション41、51、52の外側端部の載置部に対しての微調整のために設けてもよい。
【0049】
このホイスト7の本体には4組の巻取ドラムが取り付けられており、該巻取ドラムにはそれぞれベルト73・73・・・が巻回されて、該ベルト73・73・・・を介して昇降部72が昇降自在に吊設されている。このようにして昇降部72が昇降自在に構成されており、該昇降部72の下部に物品9を保持するためのチャックが設けられている。チャックは、物品9の上部に形成されている上部フランジ9aを把持するようになっている。
なお、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5下部のステーション51、52との間で物品9を上下方向に受け渡す昇降移載手段は、前記ホイスト7に限定するものではなく、他の構成の昇降移載手段を適用してもよい。
【0050】
また、図2に示すように、物品収納空間10bの前方と後方の、車体本体10a内側面の下部には、一対のローラコンベア8・8が突設されている。この一対のローラコンベア8・8は物品9を車体進行方向に対して左右横方向へ搬送する搬送手段であり、該ローラコンベア8は長手方向に多数のローラ88・88・・・を備え、該ローラ88・88・・・は、その一部分をローラコンベア8の本体上面より突出させて、物品9の底面の両端部(搬送車10の進行方向に対しては前端部と後端部)を転支して、物品9を左右方向へ横送りするように構成されている。
【0051】
一方のローラコンベア8には駆動モータが取り付けられ、該駆動モータの駆動軸には駆動プーリが取り付けられて、各ローラ88・88・・・の回転軸にはそれぞれ従動プーリが取り付けられ、これらのプーリが1本のベルトで巻回されて、全ローラ88・88・・・が同期して回転するように構成されている。
他方のローラコンベア8には駆動モータは設けられず、各ローラ88・88・・・は回転自在に構成されている。こうして一方のローラコンベア8が駆動コンベアとして、他方のローラコンベア8が従動コンベアとして、横搬送手段が構成されている。
【0052】
この一対のローラコンベア8・8上に物品9の底面の両端部(搬送車10の進行方向に対しては前端部と後端部)が載置され、詳しくは、該物品9の底面の両端部には段差部9c・9c(図5参照)が形成されていて該底面よりも1段落ち込んでおり、該段差部9c・9cが一対のローラコンベア8・8のローラ88・88・・・上に位置し(図6参照)、物品9がその搬送方向に対する左右横方向(搬送車10の進行方向に対しては前後方向)に斜行しないように構成されている。
なお、本実施の形態では、カセット9の底面の両端部に段差部9c・9cが形成されているが、カセット9の底面は平面で、ローラコンベア8・8側にガイドを設けることで、カセット9が斜行するのを防ぐようにしてもよい。
【0053】
こうしてカセット9の底面の一側端部(搬送車10の進行方向に対しては前端部又は後端部)が一方の駆動用ローラコンベア8で繰り送られ、該カセット9の底面の他側端部が載置される、他方の従動用ローラコンベア8が連れ回って、カセット9は一対のローラコンベア8・8上を真直ぐに搬送されるようになっている。
【0054】
なお、前記自動倉庫5上部のステーション53に設けられた一対のローラコンベア54・54も、前記搬送車10の一対のローラコンベア8・8と同様の構成で、一方のローラコンベア54が駆動コンベア、他方のローラコンベア54が従動コンベアとして構成されている。
【0055】
以上のように、本実施の形態では、搬送車10のローラコンベア8・8、及び自動倉庫5上部のステーション53のローラコンベア54・54を、一方のローラコンベア8(54)を駆動コンベア、他方のローラコンベア8(54)を従動コンベアとして構成しているが、該他方のローラコンベア8(54)も駆動コンベアで構成し、すなわち、両方のローラコンベア8・8(54・54)とも駆動コンベアで構成してもよい。この場合は、該両方のローラコンベア8・8(54・54)は同期をとって駆動する構成とすることで、カセット9は該ローラコンベア8・8(54・54)上を真直ぐに搬送される。
【0056】
そうして、搬送車10のローラコンベア8・8の先端(車体本体10aの側壁開口側先端)には、上下動自在なストッパ89・89が設けられ、該ストッパ89は、物品9の搬送中には、ローラコンベア8のローラ88・88・・・の搬送面より上に突出して物品9が落下しないように物品9を係止するようになっている。また、物品9を自動倉庫5のステーション53のローラコンベア54・54との間で受け渡す時には、ローラ88・88・・・の搬送面よりも下方に下降するように構成されている。
【0057】
なお、図4に示すように、本実施例では、搬送車10のローラコンベア8・8の搬送面、及び自動倉庫5上部のステーション53のローラコンベア54・54の搬送面がともに水平になるように配置されているが、対向するローラコンベア8・8、54・54の端部の高さ位置は合わせた上で、該ローラコンベア8・8の搬送面、又はローラコンベア54・54の搬送面の何れか一方、又は両方を上下に傾斜させてもよく、ローラコンベア8・8、54・54の搬送面については特に水平に限定はしない。
【0058】
例えば、搬送車10のローラコンベア8・8を、車体本体10aの側壁開口側へ向けて斜下方へ傾斜させ、自動倉庫5上部のステーション53のローラコンベア54・54を水平に配置してもよい。
ウエハが収納されたカセットなどの物品9はかなり重量があり、一方の駆動用のローラコンベア8の駆動モータには大きな始動トルクが必要となるが、この構成の場合、搬送車10のローラコンベア8・8上に載置された物品9を送り出す際、該ローラコンベア8・8の搬送面を傾斜させていることから、物品9の重量の傾斜方向の成分も作用するため、ローラ88・88・・・の駆動モータの始動トルクを軽減することができる。
【0059】
また、図5に示すように、搬送車10は、一対のローラコンベア8・8を互いに接近又は離間させる移動機構80・80を備えている。この移動機構80・80により、ローラコンベア8・8を接近させた位置を「移載位置」(図5(a))、離間させた位置を「退避位置」(図5(b))としている。
該移載位置では該一対のローラコンベア8・8の間隔は、前記自動倉庫5上部のステーション53の一対のローラコンベア54・54の間隔と同じ間隔となって、物品9の幅(車体進行方向に対する前後方向の長さ)よりも狭くなり、自動倉庫5上部のステーション53との間で物品9の受け渡しが可能となる。
一方、該退避位置では該一対のローラコンベア8・8の間隔は該物品9の幅よりも広くなり、該ローラコンベア8・8は前記ホイスト7と処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5下部のステーション51、52との間の物品9の受け渡しを妨げない位置に配置されて、ホイスト7の昇降部72が該一対のローラコンベア8・8の間を上下に通過できるようになる。
【0060】
この移動機構80は、ラック・ピニオン機構、リンク機構、その他ローラコンベア8を水平に進退させる機構で構成され、以下に、移動機構80の一例を説明する。
図7及び図8に示すように、物品収納空間10bの前方と後方の、車体本体10a内側面の下部には、移動機構80の取付基部90が形成され、該取付基部90上にブラケット91・91が立設されて、該ブラケット91・91上に、支持プレート92が固設されている。支持プレート92上には、移動機構80の駆動源としてモータ81が設けられるとともに、ブレーキ82が設けられている。
【0061】
モータ81からはモータ軸81aが支持プレート92の下方へ延出され、該モータ軸81aの下端にギア83が固設されている。ギア83の下面には、モータ軸81aに対してギア83の半径方向外側に、回動軸96が設けられている。つまり回動軸96は、モータ81の駆動により、モータ軸81a回りに回転する構成となる。
【0062】
モータ81の側方に設けたブレーキ82からはブレーキ軸82aが上方と下方へ延出されて、該ブレーキ82aの下端にギア84が固設され、該ギア84と前記ギア83とを噛合させている。ブレーキ軸82aは、ギア83・84の噛合を介して、モータ軸81aの回転時には、従動回転する構成である。そして、ブレーキ82は、ブレーキ軸82aを制止することで、移動機構80の駆動を制止可能としている。
【0063】
また、ブレーキ82には、ローラコンベア8の進退位置を検出する位置検出手段が設けられている。ブレーキ軸82aの上端に、ブレーキ軸82aの半径方向へ延出される被検出体98が設けられている。
また、ブレーキ軸82a上端部において、ブレーキ82aの半径方向外側に、位置検出センサ99A・99Bが設けられている。被検出体98および位置検出センサ99A・99Bにより、ローラコンベア8の位置検出手段が構成される。
【0064】
位置検出センサ99A・99Bは、光路が遮断されたのを検出する光センサ、例えば、透過型の光電センサである。位置検出センサ99A・99Bのブレーキ軸82a側先端は凹状に形成されて、ブレーキ軸82aの回転に伴い被検出体98が通過可能としている。被検出体98が、センサ99A・99Bのブレーキ軸82a側先端を通過すると、センサ99A・99B先端の凹状内部に形成される光通路が遮断されて、被検出体98がセンサ99A・99Bにより検出される。位置検出センサ99A・99Bは、ローラコンベア8の退避位置と、移載位置とが検出できるように構成されている。
【0065】
回動軸96の下端は、第1リンク93の一端に、回動自在に設けられている。第1リンク93の他端には、回動軸97が設けられており、回動軸97は、第2リンク94Lの中央部に、回動自在に設けられている。
【0066】
第2リンク94L・94Rは、ローラコンベア8の進退方向に対する左右に設けられており、該第2リンク94L(94R)の一端部(ローラコンベア8側端部)には支点軸100L(100R)が設けられ、他端部には回動軸105L(105R)が設けられている。支点軸100L(100R)は、取付基部90に回動自在に設けられ、回動軸105L・105R間は、連結リンク86により接続されている。連結リンク86の両端部で、回動軸105L・105Rが回動自在に設けられている。
【0067】
以上において、支点軸100L・100Rは、取付基部90に設けられており、(水平面内において)位置変動はない。一方、回動軸96・97・105L・105Rは、モータ軸81aの回転により、水平面内で位置が変動する。
従って、モータ81の駆動により、ギア83の回転や第1リンク93等の移動を介して、第2リンク94Lが支点軸100回りに回転すると、連結リンク86を介して、第2リンク94Rが第2リンク94Lと平行に回転する。
【0068】
支点軸100L・100Rはそれぞれ、第2リンク94L・94Rに固設されている。取付基部90には、支点軸100L・100Rと同時に挿通孔が形成されており、該挿通孔を通じて、支点軸100L・100Rが取付基部90の下方に延出している。また、支点軸100L・100Rの下端には、それぞれ、アーム87L・87Rが、一端で固設されている。
つまり、第2リンク94Lとアーム87Lとは相互に固定されており、支点軸100Lを支点として回転する。第2リンク94Rとアーム87Rも相互に固定されており、支点軸100Rを支点として回転する。
【0069】
アーム87L(87R)は、アーム87L(87R)の反支点軸100L(100R)側の端部で、ローラコンベア8の本体から突出するブラケット101L(101R)に回動自在に取り付けられている。
【0070】
そして、平行リンクである第2リンク94L・29Rが、それぞれ支点軸100L・100R回りに回転すると、第2リンク94L・29Rに固定であるアーム87L・87Rが、それぞれ支点軸100L・100R回りに回転して、ローラコンベア8が物品収納空間10bの内方向へ向けて水平に進退するように構成されている。
【0071】
以上のように、ローラコンベア8・8が構成されている。
なお、自動倉庫5上部のステーション53との間で物品9を搬送車10の進行方向に対して左右横方向に受け渡す横移載手段は、ローラコンベア8・8に限定するものではなく、他の構成の横移載手段を適用してもよい。
【0072】
また、搬送車10には機上コントローラ110が搭載されており、図9に示すように、該機上コントローラ110は制御線を介して、駆動輪11の駆動モータ、ホイスト7及びスライド装置70の駆動部、ローラコンベア8のローラ88・88・・・の駆動モータ、移動機構80・80の駆動部、分岐装置17・17の駆動部、その他搬送車10の各機器と接続されている。
【0073】
搬送車10の走行制御について説明すると、前記走行路2の通過口20・20・・・の手前や、分岐部、合流部の手前など、走行路2上の適宜位置には、位置情報を記録したマーカが貼付されており、搬送車10の下部には読取リーダが取り付けられて、該読取リーダで該マーカを読み取ることにより、搬送車10の走行位置が把握されるようになっている。
【0074】
さらに、前記搬送車10の制御手段である機上コントローラ110には、走行路2に関する地図情報(データ)が記憶されていて、搬送車10は自車自身でも現在の走行位置を時々刻々把握している。搬送車10にはエンコーダが搭載されていて、走行距離が判るようになっており、該機上コントローラ110では該地図情報と該走行距離とから現在位置が認識されている。
【0075】
従って、搬送車10の機上コントローラ110では、走行路2上に貼付されている多数のマーカの位置も把握されており、搬送車10が読取リーダでマーカを検出することで、現在どの位置を走行中なのかをポイントポイントで正確な位置を確認している。
そして、読取リーダでマーカを検出したときに、万一、エンコーダにより認識している搬送車10の現在位置が地図情報上のマーカ位置と一致していなければ、該エンコーダによる現在位置を、該地図情報上のマーカ位置で修正する。
【0076】
このように搬送車10では、機上コントローラ110に記憶された地図情報とエンコーダで検出した走行距離とにより常時現在位置が認識されるとともに、読取リーダでマーカを検出することによりピンポイントで現在位置が認識され、2重のシステムで現在位置が認識されている。
【0077】
以上のようにして搬送車10は走行路2上の走行位置を把握しており、前記地図情報と、マーカに基づいて、走行制御が行なわれる。例えば、走行路2の分岐部手前のマーカを検出すると、分岐装置17・17を作動させ、目的の通過口20手前のマーカを検出すると、該通過口20で停止するように搬送車10を減速させるなどの制御が行なわれる。
【0078】
そして、搬送車10と、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5のステーション51、52又は53との間で物品9の受け渡しが行なわれる場合、搬送車10は機上コントローラ110に記憶している地図情報に基づいて、現在どのステーション41、51、52又は53位置に停止しているかを把握しており、搬送車10の機上コントローラ110では、該ステーション41、51、52又は53との間の物品9の受け渡しに、昇降移載手段たるホイスト7を用いるか、横移載手段たるローラコンベア8を用いるかの選択が行なわれる。
【0079】
具体的には、搬送車10とステーション41、51、52又は53との間で、交信が行なわれ、搬送車10の機上コントローラ110ではステーション41、51、52又は53との交信により得た情報に基づいて、ホイスト7、又はローラコンベア8の移載手段の選択が行なわれる。
搬送車10、及びステーション41、51、52又は53はそれぞれ送信器と受信器を具備しており、走行路2上のステーション41、51、52又は53位置に停止した搬送車10は、該ステーション41、51、52又は53に到着を知らせる情報を乗せた信号を送信し、この信号を受信したステーション41、51、52又は53は搬送車10へホイスト7、又はローラコンベア8による移載の方法を乗せた信号を返信する。そして、返信を受けた搬送車10は、機上コントローラ110で、ホイスト7を用いるか、ローラコンベア8を用いるかを選定する。
【0080】
あるいは、走行路2上を走行する複数の搬送車10・10・・・を統括して制御する上位のコントローラを設けて、ステーション41、51、52又は53位置に停止した搬送車10は、該上位のコントローラからの指令によって、ホイスト7を用いるか、ローラコンベア8を用いるかの選択を行うように構成してもよい。
【0081】
若しくは、前記地図情報に、各ステーション41、51、52又は53の位置情報に加えて、使用する移載装置の種類情報を予め記憶させ、記憶された移載装置の種類情報を基に、機上コントローラ110が使用する移載装置の種類、つまり、ホイスト7を用いるか、ローラコンベア8・8を用いるかを選択するようにしてもよい。
【0082】
次に、搬送車10と、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5の下部のステーション51、又は52との間の物品9の受け渡しについて説明する。
図4に示すように、走行路2上を走行する搬送車10が目的のステーション41、51又は52の上方で停止すると、機上コントローラ110では、該ステーション41、51又は52との交信等によって、今回の移載に使用される移載手段がホイスト7に選定される。
この停止した搬送車10の下方には、前記通過口20が位置しており、ホイスト7を保持するスライド装置70で左右方向の位置の調節を行い、該ホイスト7を該ステーション41、51又は52上の物品9の直上方に位置させる。
【0083】
次に、搬送車10の機上コントローラ110は移動機構80・80を作動させて、ローラコンベア8・8を退避位置に移動させ、ホイスト7の昇降部72を下降させる(図5(a)参照)。このとき昇降部72は、ローラコンベア8・8の間を通過し、さらに通過口20を通過して、ステーション41、51又は52上の物品9に到達する。そして、昇降部72のチャックで物品9を把持し、該昇降部72を上昇させて、再び通過口20を通過させ、ローラコンベア8・8の間を通過させて、物品9を物品収納空間10b内に収納し、ホイスト本体71を支持するスライド装置70を元位置に移動させる。
【0084】
こうして、物品9の収納を完了した後、再び移動機構80・80を作動させて、ローラコンベア8・8を移載位置に移動させる(図5(b)参照)。このとき物品9は物品収納空間10b内で、ホイスト7の昇降部72に把持されて、ローラコンベア8・8の搬送面より上方に位置した状態で、宙吊りになっており、この移載位置にあるローラコンベア8・8は物品9の落下防止としての役割を果たしている。なお、このとき、昇降部72を少し下降させて、物品9をローラコンベア8・8上に載置するようにしてもよい(図6参照)。
【0085】
そして、搬送車10を、搬送先のステーション41、51、52又は53へ向けて走行させる。搬送先のステーションが53である場合は、後述することとして、搬送先のステーションが41、51、又は52である場合は、該ステーション41、51又は52の上方で停止した搬送車10は、機上コントローラ110で、該ステーション41、51又は52との交信等によって、今回の移載に使用される移載手段がホイスト7に選定される。この停止した搬送車10の下方には、通過口20が位置しており、ホイスト7を保持するスライド装置70で左右方向の位置の調節を行い、該ホイスト7を該ステーション41、51又は52上の載置箇所の直上方に位置させる。
【0086】
ここで、搬送車10の機上コントローラ110は移動機構80・80を作動させて、ローラコンベア8・8を退避位置に移動させ、物品9を保持したホイスト7の昇降部72を下降させる。このとき物品9を保持した昇降部72は、ローラコンベア8・8の間を通過し、さらに通過口20を通過して、ステーション41、51又は52上の載置箇所に到達する。そして、昇降部72のチャックを解除して、物品9を該載置箇所上に載置し、該昇降部72を上昇させて、再び通過口20を通過させ、ローラコンベア8・8の間を通過させて、物品収納空間10b内に収め、ホイスト本体71を支持するスライド装置70を元位置に移動させる。
【0087】
こうして、物品9の移載を完了した後、再び移動機構80・80を作動させて、ローラコンベア8・8を移載位置に移動させ、次の目的地へ向けて搬送車10を走行させる。
なお、この物品9が積まれてない状態の搬送車10では、ローラコンベア8・8を退避位置のままで、走行させる構成としてもよい。次の搬送先が、ステーション41、51又は52である場合には、ローラコンベア8・8を退避位置へ移動させる移載工程が省けて移載時間が短縮され、また、次の搬送先が、ステーション53である場合であっても、搬送車10が該ステーション53位置で停止したときに、ローラコンベア8・8を移載位置に移動させればよい。
【0088】
次に、搬送車10と、自動倉庫5の上部のステーション53との間での物品9の受け渡しについて説明する。
図4に示すように、走行路2上を走行する搬送車10が目的のステーション53の直側方で停止すると、機上コントローラ110では、該ステーション53との交信等によって、今回の移載に使用される移載手段がローラコンベア8・8に選定される。
【0089】
この停止した搬送車10のローラコンベア8・8と、自動倉庫5のローラコンベア54・54とはそれぞれ接近対向して、同じ高さで一直線状に並んでおり、搬送車10の機上コントローラ110で、移載手段が選定された後、ローラコンベア8・8のストッパ89・89、及びローラコンベア54・54のストッパ55・55を下降させ、自動倉庫5の駆動用のローラコンベア54と、搬送車10の駆動用のローラコンベア8とをともに駆動させて、物品9が自動倉庫5のローラコンベア54・54から送り出されるとともに、搬送車10のローラコンベア8・8で繰り込まれる。こうして、物品9が自動倉庫5から搬送車10へと移載され、物品9が搬送車10に積み込まれると、ストッパ89・89を上昇させて、物品9の落下を防止する。
【0090】
こうして搬送車10は物品9の収納を完了した後、搬送先のステーション41、51、52又は53へ向けて走行を開始する。
なお、このとき、ホイスト7の昇降部72を下降させて、チャックで物品9を保持し、該昇降部72を上昇させて、物品収納空間10b内で物品9を宙吊りにした状態で(図5(a)参照)、搬送車10を走行させてもよい。この場合、カセット9を宙吊りにすることで、ローラコンベア8・8から走行に伴う上下の振動が、カセット9にあまり伝わらなくなる。
【0091】
この走行中の振動がカセット9に伝わるのを抑えるために、例えば、カセット9を宙吊りにして、その上で、物品収納空間10bの前方と後方の、車体本体10a内側面に、進退自在な抑え部材を設け、カセット9の側面(搬送車10の進行方向に対して前側と後側の側面)を走行中に押さえるようにしてもよい。抑え部材の当接部には、カセット9との当接時の衝撃を弱めて、走行中の振動が吸収できるように弾性体が設けられるのが好ましい。また、ローラコンベア8・8の上面に、上下方向又は搬送車10の進行方向に対する前後方向に進退自在な弾性部材を配置して、該弾性部材を介してカセット9をローラコンベア8・8上に載置するようにしてもよい。さらに、次の搬送先が、ステーション41、51又は52である場合、ホイスト7の昇降部72のチャックで物品9を把持する工程が省けて移載時間が短縮される。
【0092】
この物品9が積み込まれた搬送車10の搬送先のステーションが41、51、又は52である場合は、前記したように移載が行なわれ、搬送先のステーションが53である場合は、該ステーション53の直側方で停止した搬送車10は、機上コントローラ110で、該ステーション53との交信等によって、今回の移載に使用される移載手段がローラコンベア8・8に選定される。
【0093】
そして、ローラコンベア8・8のストッパ89・89、及びローラコンベア54・54のストッパ55・55を下降させ、搬送車10の駆動用のローラコンベア8と、自動倉庫5の駆動用のローラコンベア54とをともに駆動させて、物品9が搬送車10のローラコンベア8・8から送り出されるとともに、自動倉庫5のローラコンベア54・54で繰り込まれる。こうして、物品9が搬送車10から自動倉庫5へと移載され、物品9がステーション53上に載置されると、ストッパ54・54を上昇させて、物品9の落下を防止する。
こうして、物品9の移載を完了した後、次の目的地へ向けて搬送車10を走行させる。
【0094】
なお、処理装置4の上方のスペースなどを利用して、走行路2の直側方にバッファが設けられることがあり、該バッファには物品9が仮置きされるようになっている。処理装置4では物品9が一つずつ処理されることから、処理装置4で物品9を処理中に、搬送車10で新たな物品9が該処理装置4まで搬送されてきた際、該新たな物品9を搭載したまま該搬送車10を走行路2上で停止させると他の搬送車10・10・・・の走行の邪魔になる。かといって該新たな物品9を搭載した該搬送車10をそのまま該処理装置4を通過させて走行路2(第1閉ループ路21等)を周回させておくのも無駄である。そこで、処理装置4の上方などにバッファを設けて、該バッファに該新たな物品9を仮置きするようにしている。
【0095】
このバッファにも、前記自動倉庫5上部のステーション53の一対のローラコンベア54・54と同様の構成で、一対のローラコンベアを設けることができる。バッファには、搬送車10の進行方向に対して前後に一対のローラコンベアを配置し、搬送車10とバッファとの間の物品9の移載は、搬送車10をバッファの前で停止させ、該搬送車10のローラコンベア8・8と該バッファのローラコンベアとを接近対向させて、搬送車10、又はバッファの一方のローラコンベアで他方のローラコンベアへ物品9を送り出して、他方のローラコンベアで送り出された物品9を繰り込むように構成される。
【0096】
以上のように、搬送車10は、制御手段たる機上コントローラ110で、処理装置4のステーション41、又は自動倉庫5のステーション51、又は52との間の物品9の受け渡しとの間の物品9の受け渡しでは、ローラコンベア8・8を退避位置に位置させて、ホイスト7を昇降させ、一方、自動倉庫5のステーション53との間の物品9の受け渡しでは、ローラコンベア8・8を移載位置に位置させて、該ローラコンベア8・8を作動させている。
【0097】
このような構成で、搬送車10には、水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構などを設けることなく、走行路2の下方のステーション41、51又は52との間ではホイスト7を介して物品9を移載することができるとともに、走行路2の側方のステーション53との間ではコンベア8・8を介して物品9を移載することができ、汎用性が向上する。
【0098】
また、搬送車10と走行路2の下方のステーション41、51又は52との間の物品9の受け渡しでは、移動機構80・80によりローラコンベア8・8を退避位置に移動させると、ホイスト7を介して昇降する物品9と、ローラコンベア8・8とが干渉しなくなり、コンパクトなレイアウトで搬送車10にホイスト7とローラコンベア8・8とを配置することができて、搬送車10をコンパクトにまとめあげることができる。
さらに、移動機構80・80によりローラコンベア8・8を移載位置に移動させることで、物品収納空間10b内でホイスト7に保持される物品9の落下を防止することもでき、安全性が向上する。
【0099】
前記搬送車10の分岐装置17・17について補足すると、該分岐装置17・17は、走行路2の分岐部、又は合流部の手前で作動して、搬送車10自体で、その進行方向を選択するための装置であり、以下のように構成されている。
【0100】
走行路2の分岐部と、合流部とには、走行路の走向方向に沿って2本のガイドレールが架設されており、この2本のガイドレールの一側部は、分岐前(合流後)の1本の走行経路では平行に配置されるが、他側部は分岐後(合流前)の2本の走行経路に沿って、互いに別れるように配置されている。このガイドレールは前記吊り下げフレーム32を構成する上部フレーム32aの左右中央部から垂設され、走行路2の走行方向に、複数の上部フレーム32a・32a・・・間に渡って架設されている。
【0101】
また、走行路2の分岐部と、合流部とには、レール24L・24R、24L・24Rの替わりに、プレート状の乗り移り部材が敷設されている。すなわち、分岐部(合流部)とでは、分岐前(合流後)の1本の走行経路と、分岐後(合流前)の2本の走行経路との間で、2組のレール24L・24R、24L・24Rが交錯する構成となるため、分岐部(合流部)においては、該2組のレール24L・24R、24L・24Rの配置位置に、搬送車10の走行面となる乗り移り部材が介設されている。この乗り移り部材の上面は水平面に形成されており、前記レール体24lの走行面、及びレール体24rの走行面と同じ高さ位置に配置されている。
【0102】
以上のような構成で、分岐部と、合流部については、搬送車10のガイドローラ12・12が案内される、レール24Lのガイド溝もなくなり、該分岐部と、合流部においては、搬送車10は、該ガイド溝の替わって、その上方に架設されているガイドレールによって案内されるようになっている。
【0103】
搬送車10が分岐部へ向かう場合、搬送車10は分岐部領域の入口部で分岐装置17を作動させて、走行すべき方向に対応する、一方の分岐ローラ19を上昇させる。この一方の分岐ローラ19を上昇させた後、該一方の分岐ローラ19とガイドローラ18との間に、該分岐部領域の入口部の上方で平行に架設されている、2本のガイドレールのうちの一方のガイドレールの端部が入り込む。
【0104】
このようにして、該一方の分岐ローラ19とガイドローラ18とによって該一方のガイドレールが挟まれ、該一方のガイドレールによって、搬送車10が案内され始める。この直後、搬送車10の下方では、前記レール24Lのガイド溝が途絶えて、搬送車10のガイドローラ12・12が案内されなくなる。
こうして、搬送車10は、レール24Lのガイド溝に替わって、上方のガイドレールで案内されながら、前記乗り移り部材の上面を走行し、選択した分岐方向へ向けて進行する。
【0105】
そして、走行路2が分岐した後の分岐部領域の出口部で、途絶えていたレール24Lのガイド溝が再び敷設されて、ここで、搬送車10のガイドローラ12・12が該レール24Lのガイド溝に入り込む。この直後、先ほどまで案内されていたガイドレールが途絶えて、搬送車10の分岐装置17のローラ18・19は案内されなくなる。こうして、搬送車10は、分岐部上方に架設されたガイドレールに替わって、再び、レール24Lのガイド溝によって案内されるようになる。
【0106】
同様に、搬送車10が合流部に差し掛かると、合流部領域の入口部で分岐装置17・17を作動させて、一方の分岐ローラ19を上昇させ、該一方の分岐ローラ19とガイドローラ18とで合流部上方に架設されたガイドレールを挟み込み、搬送車10は該ガイドレールに案内されながら合流部を通過する。
その際の、搬送車10を案内するガイドレールと前記ガイド溝の関係は前述した分岐部の場合と同様で自明であるので省略する。
【0107】
また、処理装置4、又は自動倉庫5から突出可能なステーションの長さは規格で定められていることから、クリーンルーム内における各装置のレイアウトの関係上、ステーション41、51、又は52を、走行路2の真下(一対のレール24L・24Rの幅方向の中央の下)から、レール24L・24Rの幅方向で処理装置4、又は自動倉庫5側に、少しずらして配置しなければならないことがあり、この場合、以下のように天井搬送車システム1を構成する。
【0108】
走行路2から見て、斜め下方にステーション41、51、又は52を配置する場合、走行路2上の搬送車10とステーション41、51、又は52との間で物品9を受け渡す際、上下に昇降する物品9と、装置側の一方のレール24Rとが十字に交叉するレイアウトとなる。そこで、該ステーション41、51、又は52の上方位置で、該一方のレール24Rを切除して、この切欠により形成される該一方のレール24Rの端部と、切欠しなかったもう一方のレール24Lとを補強部材で連結する。
【0109】
そして、この一方のレール24Rの切欠箇所を含む通過口の上方には棒状のガイドレールと、水平な走行面を備えた支持レールとをレール24L・24Rの走向方向に沿って架設し、前記搬送車10の上部の分岐装置17・17を利用して、該分岐装置17のローラ18・19で該ガイドレールを挟み込むように構成する。さらに、搬送車10の上面の前部と後部に、軸心を水平方向に向けた補助車輪を設け、該補助車輪が前記支持レールの走行面を走行するように構成する。
【0110】
以上のような構成で、一方のレール24Rの切欠箇所を含む通過口上で、搬送車10はガイドレールと支持レールとによっても支持され、該通過口上で搬送車10の従動輪14・14が該一方のレール24Rの切欠箇所から下方へ落ち込まずに、該通過口前後でも搬送車10がスムースに走行できるようになっている。
【0111】
以上、本発明の天井搬送車システム1の構成である。
なお、請求項に記載の天井搬送車は、上記の実施例中の、物品9をレール24L・24Rの上方で支持するマウント型の搬送車10に限定することなく、レールの下方で物品を吊り下げて走行する、吊り下げ型の搬送車にも適用することができる。
【0112】
吊り下げ型の天井搬送車では、レール24L・24Rの下方に物品収納空間が形成され、該物品収納空間の下方には、カセット9が上下に通過可能な開口が形成されるとともに、搬送車の進行方向と直交する方向(カセット9を移載する方向)の側面にはカセット9が左右に通過可能な開口が形成され、該物品収納空間の天井には、ホイストが配置されるとともに、該物品収納空間の前方と後方には横移動装置であるローラコンベアが配置されるように構成する。ローラコンベアはホイストによるカセット9の昇降を妨げとならないように、前後に進退するようになっている。
【0113】
【発明の効果】
以上のように構成した本発明では、次のような効果を奏する。
まず、請求項1に記載の発明では、天井搬送車は、水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構などを設けることなく、走行路の側方の第1物品載置箇所との間では横移載手段を介して物品を移載することができるともに、走行路の下方の第2物品載置箇所との間では昇降手段を介して物品を移載することができ、汎用性が向上する。
また、搬送車と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、移動手段により横移載手段を退避位置に移動させると、昇降移載手段を介して昇降する物品と、横移載手段とが干渉しなくなり、コンパクトなレイアウトで横移載手段と昇降移載手段とを配置することができて、天井搬送車をコンパクトにまとめあげることができる。
さらに、移動手段により横移載手段を移載位置に移動させることで、昇降移載手段によって保持される物品の落下を防止することもでき、安全性が向上する。
【0114】
また、請求項2に記載の発明では、搬送車と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、移動手段により一対の横搬送手段を退避位置に移動させると、昇降移載手段を介して昇降する物品と、一対の横搬送手段とが干渉しなくなり、コンパクトなレイアウトで横移載手段と昇降移載手段とを配置することができて、天井搬送車をコンパクトにまとめあげることができる。
また、移動手段により横移載手段を移載位置に移動させることで、昇降移載手段によって保持される物品の落下を防止することもでき、安全性が向上する。
さらに、一対の横搬送手段の一方は固定し、他方だけを移動させて、接近又は離間させる構成に比べ、バランスよく重心の移動ができ、安定性が向上する。
【0115】
また、請求項3に記載の発明では、天井搬送車は、水平移動機構とカウンタウェイトとから成る大掛かりな機構などを設けることなく、走行路の側方の第1物品載置箇所との間では横移載手段を介して物品を移載することができるともに、走行路の下方の第2物品載置箇所との間では昇降手段を介して物品を移載することができ、汎用性が向上する。
また、搬送車と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、移動手段により横移載手段を退避位置に移動させると、昇降移載手段を介して昇降する物品と、横移載手段とが干渉しなくなり、コンパクトなレイアウトで横移載手段と昇降移載手段とを配置することができて、天井搬送車をコンパクトにまとめあげることができる。
さらに、移動手段により横移載手段を移載位置に移動させることで、昇降移載手段によって保持される物品の落下を防止することもでき、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】天井搬送車システム1の概略構成を示す平面図。
【図2】搬送車10の斜視図。
【図3】走行路2の通過口20上で停止した搬送車10の斜視図。
【図4】搬送車10と自動倉庫5のステーション51、52又は53との間の物品9の受け渡しを説明する図。
【図5】搬送車10の側面図。(a)は移動機構80・80を移載位置に位置させた状態。(b)は移動機構80・80を退避位置に位置させた状態。
【図6】ローラコンベア8・8上に物品9を載置した状態の搬送車10の側面図。
【図7】移動機構80の斜視図。
【図8】同じく平面図。
【図9】搬送車10の制御構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 天井搬送車システム
2 走行路
4 処理装置
5 自動倉庫
7 ホイスト
8 ローラコンベア
9 物品
10 搬送車
20 通過口
24L レール
24R レール
71 ホイスト本体
72 昇降部
80 移動機構
110 機上コントローラ
Claims (3)
- 物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムにおいて、
前記天井搬送車は、前記第1物品載置箇所との間で物品を車体の進行方向に対して横方向に受け渡す横移載手段と、前記第2物品載置箇所との間で物品を上下方向に受け渡す昇降移載手段とを備えて、該昇降移載手段は該横移載手段の上方に配置され、
また、前記搬送車は、前記横移載手段を、第1物品載置箇所との間で物品の受け渡しが可能となる「移載位置」と、昇降移載手段と第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しを妨げない「退避位置」との間で移動させる移動手段を備え、
さらに、前記搬送車は、前記第1物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、前記横移載手段を移載位置に位置させて、該横移載手段を作動させ、前記第2物品載置箇所との間の物品の受け渡しでは、前記横移載手段を退避位置に位置させて、前記昇降移載手段を作動させる制御手段を備えたことを特徴とする天井搬送車。 - 前記横移載手段は、対向する一対の横搬送手段から成り、該一対の横搬送手段はそれぞれ前記移動手段により互いに接近又は離間するように作動し、該一対の横搬送手段が接近した位置が前記「移載位置」に、離間した位置が前記「退避位置」となり、該一対の横搬送手段が退避位置にあるとき、前記昇降移載手段が該一対の横搬送手段の間を上下に通過可能になることを特徴とする請求項1に記載の天井搬送車。
- 物品を搬送する天井搬送車と、該搬送車が走行する走行路と、該走行路の側方に配置される第1物品載置箇所と、該走行路の下方に配置される第2物品載置箇所とを備えた天井搬送車システムにおいて、
前記請求項1、又は請求項2に記載の天井搬送車を備えたことを特徴とする天井搬送車システム。
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