JPH0525247A - 多官能エポキシ樹脂及びその中間体の製造方法 - Google Patents
多官能エポキシ樹脂及びその中間体の製造方法Info
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- JPH0525247A JPH0525247A JP20405291A JP20405291A JPH0525247A JP H0525247 A JPH0525247 A JP H0525247A JP 20405291 A JP20405291 A JP 20405291A JP 20405291 A JP20405291 A JP 20405291A JP H0525247 A JPH0525247 A JP H0525247A
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Abstract
を与える多官能エポキシ樹脂の製造方法を提供する。 【構成】 ナフタレン又はビフェニルのヒドロキシ化合
物とジビニルベンゼン又はその誘導体とを反応させて、
下記式(1)の多価ヒドロキシ化合物を製造したのち、
エピクロルヒドリンと反応させることにより、下記式
(2)の多官能エポキシ樹脂を製造する。 (但し、Aはナフタレン又はビフェニル骨格を示し、R
は炭素数1〜7までの炭化水素基を示し、nは0〜15
の整数を示し、mは1〜2の整数を示し、Gはグリシジ
ル基を示す)
Description
的強度に優れた硬化物を与える多官能エポキシ樹脂の製
造法に関するものである。
い、より高性能なベースレジンの開発が求められてい
る。例えば、航空宇宙産業に利用される複合材マトリッ
クス樹脂としてのエポキシ樹脂については、よりいっそ
うの高耐熱性、耐湿性が強く要請されている。
キシ樹脂には、これらの要求を満足するものは未だ知ら
れていない。例えば、周知のビスフェノール型エポキシ
樹脂は、常温で液状であり作業性に優れていることや、
硬化剤、添加剤等との混合が容易であることから広く使
用されているが、耐熱性、耐湿性の点で問題がある。
ノールノボラック型エポキシ樹脂が知られているが、耐
湿性や耐衝撃性に問題がある。そこで、耐湿性、耐衝撃
性の向上を目的に、フェノールアラルキル樹脂のエポキ
シ化合物が提案されている(特開昭63−238,12
2号公報)が、このエポキシ化合物も耐熱性の点で十分
でない。
アラルキル樹脂のエポキシ化合物が提案されている(特
開昭64−79,215号)。しかし、このエポキシ化
合物は、耐湿性の点で十分ではない。
は、耐熱性、耐湿性に優れかつ、耐衝撃性等の機械的特
性に優れた性能を有し、積層、成形、注型、接着等の用
途に有用なエポキシ樹脂及びその製造法を提供すること
にある。
フタレン又はビフェニルのヒドロキシ化合物と、ナフタ
レン又はビフェニルのヒドロキシ化合物1モルに対して
0.1〜0.9倍モルのジビニルベンゼン又はその誘導
体とを反応させることを特徴とする多価ヒドロキシ化合
物の製造方法である。
ルのヒドロキシ化合物と、ナフタレン又はビフェニルの
ヒドロキシ化合物1モルに対して0.1〜0.9倍モル
のジビニルベンゼン又はその誘導体とを反応させて、多
価ヒドロキシ化合物を製造したのち、エピクロルヒドリ
ンと反応させることを特徴とする多官能エポキシ樹脂の
製造方法である。
フェニルのヒドロキシ化合物と、ナフタレン又はビフェ
ニルのヒドロキシ化合物1モルに対して0.1〜0.9
倍モルのジビニルベンゼン又はその誘導体とを反応させ
て、下記一般式(1)
クロルヒドリンと反応させることを特徴とする、下記一
般式(2)
シ化合物は、ナフタレン又は、ビフェニルのヒドロキシ
化合物と、ジビニルベンゼン又はその誘導体とを反応さ
せることにより得られる。
化合物としては、例えば、1−ナフトール、2−ナフト
ール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレ
ンジオール、1,6−ナフタレンジオール、1,7−ナ
フタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、2,
7−ナフタレンジオール、さらには、4−ヒドロキシビ
フェニル、2−ヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニ
ル等である。
基の置換位置としては、o−、m−及びp−体のいずれ
でもよく、またこれら異性体の混合物でもよい。また、
誘導体は重合性2重結合を2つ残存させたものであり、
たとえば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチ
ル基及びフェニル基等でベンゼン核又はビニル基の水素
を置換したものが挙げられる。好ましいものとしては、
p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン及びこれ
らの混合物等が挙げられる。
合物とジビニルベンゼン又はその誘導体とを反応させる
場合の両者のモル比は、ナフタレン又はビフェニルのヒ
ドロキシ化合物1モルに対してジビニルベンゼン又はそ
の誘導耐が1モル以下でなければならず、好ましくは、
0.1〜0.9倍モルの範囲である。0.1モルより少
ないと未反応の多環芳香族ジオール量が多くなり、エポ
キシ樹脂としたときの樹脂硬化物の耐熱性を低下させ
る。また、0.9倍モルを越えると樹脂の軟化点が高く
なり、用途によっては樹脂の作業性に支障をきたす。ま
た、一般式(2)において、nは15以下であることが
好ましい。
ビフェニルのヒドロキシ化合物は必要により除去する
が、そのままでも差し支えない。さらにまた、上記反応
の際にジビニルベンゼン又はその誘導体の重合物、ある
いはこの重合物とナフタレン又はビフェニルのヒドロキ
シ化合物との反応生成物が副生する場合があるが、実用
上問題なくそのまま混合物として用いることもできる。
合物とジビニルベンゼン又はその誘導体とを反応させて
多価ヒドロキシ化合物を製造する反応は、酸触媒の存在
下に行う。この酸触媒としては、周知の無機酸、有機酸
より適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸、燐
酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p
−トルエンスルホン酸等の有機酸や、三フッ化ホウ素、
塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄等のルイス酸ある
いは固体酸等が挙げられる。
0時間行われる。また、反応の際に、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコー
ル類や、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン等の芳香族化合物等を溶媒として使用するこ
とができる。
式(1)で表される多価ヒドロキシ化合物をエピクロル
ヒドリンと反応させることにより製造される。この反応
は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
ヒドロキシ化合物を過剰のエピクロルヒドリンに溶解し
た後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属水酸化物の存在下に50〜150℃、好ましくは6
0〜120℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙
げられる。この際のエピクロルヒドリンの使用量は、多
価ヒドロキシ化合物中の水酸基1モルに対して0.8〜
2倍モル、好ましくは0.9〜1.2倍モルの範囲であ
る。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、
残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に
溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤
を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることが
できる。
ナフタレン又はビフェニルのヒドロキシ化合物が残留し
ている多価ヒドロキシ化合物の反応生成物をそのまま用
いてもよいし、必要によりエポキシ化反応終了後ナフタ
レン又はビフェニルのエポキシ化物として除去すること
もできる。
に詳しく説明する。 (多価ヒドロキシ化合物の合成) 実施例1 300mlの4口フラスコに、1,6−ナフタレンジオ
ール160g、55%ジビニルベンゼン96g及び濃硫
酸1.6gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら90℃
で3時間反応させた。その後、炭酸ソーダ水溶液で中和
し、減圧下脱水し多価ヒドロキシ化合物253gを得
た。得られた樹脂のOH当量は133であり、軟化点
は、JIS K 2548に基づいて測定したところ1
02℃であった。得られた樹脂のGPCチャートを図1
に示し、赤外吸収スペクトルを図2に示す。
外は実施例1と同様に反応を行い、褐色状樹脂278g
を得た。得られた樹脂のOH当量は154であり、軟化
点は122℃であった。
0gに溶解し、さらにトリエチルアンモニウムクロライ
ド0.3gを加え、減圧下(約150mmHg)℃にて
48%水酸化ナトリウム水溶液61gを3時間かけて滴
下した。この間、水はエピクロルヒドリンとの共沸によ
り系外に除き、溜出したエピクロルヒドリに戻した。滴
下終了後、さらに30分間反応を継続した。その後、濾
過により生を除き、さらに水洗したのちエピクロルヒド
リンを留去し、エポキシ樹脂129gを得た。エポキシ
当量は188であり、軟化点は79℃であった。得られ
た樹脂のGPCチャートを図3に示し、赤外吸収スペク
トルを図4に示す。
し、硬化試験片を得た。試験片は180℃にて12時間
ポストキュアを行った後、種々の物性試験に供した。結
果を表1に示す。
水溶液53gを用いた以外は、実施例2と同様に反応を
行い、エポキシ樹脂128を得た。エポキシ当量は22
4であり、軟化点は91℃であった。本樹脂を用いて実
施例3と同様に成形を行い、種々の物性試験に供した。
結果を表1に示す。
施例3と同様に種々の物性試験に供した。結果を表1に
示す。
耐熱性、耐湿性、機械的強度に優れた硬化物を与えるこ
とができ、各種用途への展開が期待できる。
る。図2は実施例1で得られた樹脂の赤外吸収スペクト
ルである。図3は実施例3で得られた樹脂のGPCチャ
ートである。図4は実施例3で得られた樹脂の赤外吸収
スペクトルである。
Claims (3)
- 【請求項1】 ナフタレン又はビフェニルのヒドロキシ
化合物と、ナフタレン又はビフェニルのヒドロキシ化合
物1モルに対して0.1〜0.9倍モルのジビニルベン
ゼン又はその誘導体とを反応させて、下記一般式(1) 【化1】 で表される多価ヒドロキシ化合物を製造したのち、エピ
クロルヒドリンと反応させることを特徴とする下記一般
式(2) 【化2】 で表される多官能エポキシ樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 ナフタレン又はビフェニルのヒドロキシ
化合物と、ナフタレン又はビフェニルのヒドロキシ化合
物1モルに対して0.1〜0.9倍モルのジビニルベン
ゼン又はその誘導体とを反応させることを特徴とする多
価ヒドロキシ化合物の製造方法。 - 【請求項3】 ナフタレン又はビフェニルのヒドロキシ
化合物と、ナフタレン又はビフェニルのヒドロキシ化合
物1モルに対して0.1〜0.9倍モルのジビニルベン
ゼン又はその誘導体とを反応させて、多価ヒドロキシ化
合物を製造したのち、エピクロルヒドリンと反応させる
ことを特徴とする多官能エポキシ樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03204052A JP3125056B2 (ja) | 1991-07-18 | 1991-07-18 | 多官能エポキシ樹脂及びその中間体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03204052A JP3125056B2 (ja) | 1991-07-18 | 1991-07-18 | 多官能エポキシ樹脂及びその中間体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0525247A true JPH0525247A (ja) | 1993-02-02 |
JP3125056B2 JP3125056B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=16483954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03204052A Expired - Fee Related JP3125056B2 (ja) | 1991-07-18 | 1991-07-18 | 多官能エポキシ樹脂及びその中間体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3125056B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08259665A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-08 | Dainippon Ink & Chem Inc | エポキシ樹脂硬化剤及びその製造方法 |
JPH11158255A (ja) * | 1997-11-28 | 1999-06-15 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 新規多価ヒドロキシ化合物、新規エポキシ樹脂、それらの製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 |
JP2014515121A (ja) * | 2011-03-30 | 2014-06-26 | エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション | 反射防止コーティング組成物及びそれの方法 |
-
1991
- 1991-07-18 JP JP03204052A patent/JP3125056B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH08259665A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-08 | Dainippon Ink & Chem Inc | エポキシ樹脂硬化剤及びその製造方法 |
JPH11158255A (ja) * | 1997-11-28 | 1999-06-15 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 新規多価ヒドロキシ化合物、新規エポキシ樹脂、それらの製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 |
JP2014515121A (ja) * | 2011-03-30 | 2014-06-26 | エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション | 反射防止コーティング組成物及びそれの方法 |
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---|---|
JP3125056B2 (ja) | 2001-01-15 |
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