JPH05231386A - 羽根回り止めワッシャ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで羽根への振動の伝達を抑制し、送
風機の低騒音化を達成する。 【構成】 モータ４のシャフト５端のＤカット部分６に
対応する形状のシャフト挿通孔７を設けた金属よりなる
ワッシャボス１の外周にリング状にフローティングラバ
ー２を一体成形し、このフローティングラバー２の外周
に羽根８のボス９に形成した多角形の凹部に整合する形
状の金属製のワッシャフレーム３を一体成形する。 【効果】 モータのシャフトからの振動がフローティン
グラバーの介在により羽根側には伝わりにくくなり、簡
単な構成で振動による騒音を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は羽根をモータのシャフ
トに共回りするように固定するために使われる羽根回り
止めワッシャに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】送風機の羽根は相対回転しないようにモ
ータのシャフトに取り付けられており、その取付構造に
は種々あるが、ワッシャを介してナットで羽根を挟み付
けるようにしたものがある。ワッシャは鉄製のものが多
く、モータのシャフト端に形成されたネジ付きのＤカッ
ト部分に挿通させるＤ形のシャフト挿通孔が形成されて
いる。こうした金属製のワッシャを介して羽根のボスを
ナットにより単純に締結しているものの他に、図４に示
すように羽根２０のボス部２１の軸端側中央にシャフト
のＤカツト部分２２に嵌合する孔を持つ金具２３を一体
形成し、この金具２３をＤカット部分２２にねじ込んだ
ナット２４により締め付ける構造のものもある。

【０００３】ワッシャで単純に締め付けるものは、ナッ
トの締め力をワッシャを介して羽根のボスに加え、羽根
のボスをＤカット部分の段部に押さえ付けることにより
相対回転することなく羽根にシャフトの回転力が伝わる
ことになる。また図４に示したものでは、羽根２０のボ
ス２１と一体の金具２３にナット２４の締め力を加え、
金具２３をＤカット部分２２の段部に押さえ付けること
により相対回転することなく羽根２０にシャフトの回転
力が伝わることになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のような羽根の取
付構造においてはモータ側の振動が羽根に直接伝わり、
羽根が振動しながら回転することにより騒音が発生する
といった課題を含んでいる。特に高速回転するブラシレ
スモータによる送風機では羽根に伝わる振動による騒音
は無視できないものとなりうる。

【０００５】この発明はかかる従来の課題を解決するた
めになされたもので、低コストで羽根への振動の伝達を
抑制し、送風機の低騒音化を達成することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る羽根回り
止めワッシャは、シャフト端のＤカット部分に対応する
形状のシャフト挿通孔を設けた金属よりなるワッシャボ
スの外周にリング状にフローティングラバーを一体成形
し、このフローティングラバーの外周に羽根のボスに形
成した多角形の凹部に整合する形状の金属製のワッシャ
フレームを一体成形したものである。

【０００７】

【作用】この発明においては、モータのシャフトからの
回転力はワッシャボスからフローティングラバー、ワッ
シャフレームを経て羽根のボスに相対回転することなく
伝達されることになり、モータ側からの振動はフローテ
ィングラバーの介在により減衰され羽根側には伝わりに
くくなる。

【０００８】

【実施例】図１はこの発明の実施例を示す羽根回り止め
ワッシャの平面図、図２は同じく使用状態で羽根ととも
に示す断面図、図３は同じく羽根のボスとの関係を示す
平面図である。

【０００９】図示の羽根回り止めワッシャは、中央のワ
ッシャボス１の外周にリング状にフローティングラバー
２を一体成形し、フローティングラバー２の外周の最外
部にワッシャフレーム３を一体成形した同心状の三重構
造である。ワッシャボス１は鉄等の金属で形成され、モ
ータ４のシャフト５端に形成されたＤカット部分６に対
応する形状のシャフト挿通孔７が中心に設けられてい
る。フローティングラバー２は振動吸収材のラバーより
なり、ワッシャボス１の外周にリング状に一体成形され
ている。ワッシャフレーム３はワッシャボス１と同様の
鉄等の金属で形成され、羽根８のボス９の軸端側中央に
形成された多角形（図例では６角形）の凹部に整合する
プロフィルに形成されている。なお、シャフト５のＤカ
ット部分６にはネジがきられナット１０がねじ嵌めされ
るが、ワッシャボス１の外径はこのナット１０の外径と
同じか若干大きく設定されている。

【００１０】上記の構成の羽根回り止めワッシャは羽根
８のボス９の凹部に圧入または結合して使われる。即
ち、羽根回り止めワッシャを取り付けた羽根８を図２の
ようにモータ４のシャフト５に羽根回り止めワッシャが
軸端に位置する方向にして装着する。羽根８は、羽根回
り止めワッシャがＤカット部分６の段部に当たる位置で
嵌め込み深さが規定される。この状態でシャフト５のＤ
カット部分６にナット１０をねじ嵌めし、羽根回り止め
ワッシャのワッシャボス１を締め付ける。これにより、
羽根８はシャフト５に相対回転することなく取り付けら
れ、シャフト５と共回りして送風機能を果たす。モータ
４側からシャフト５に伝わる振動は、フローティングラ
バー２の介在により減衰され羽根８側には伝わりにくく
なるので、ブラシレスモータのように高速回転するモー
タ４であっても振動の伝達による羽根８の騒音は低減
し、低騒音の送風機が簡単な構造でコストもかからない
羽根回り止めワッシャで実現する。

【００１１】

【発明の効果】以上実施例による説明からも明らかなよ
うに、この発明によればシャフト側からの振動が羽根に
伝わりにくくなり、羽根の振動による騒音の低減が低コ
ストで実現する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す羽根回り止めワッシャ
の平面図である。

【図２】この発明の実施例を示す羽根取付状態の断面図
である。

【図３】この発明の実施例を示す羽根のボスの平面図で
ある。

【図４】従来の羽根取付構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ワッシャボス ２ フローティングラバー ３ ワッシャフレーム ４ モータ ５ シャフト ６ Ｄカット部分 ７ シャフト挿通孔 ８ 羽根 ９ ボス

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータのシャフト端に形成されたＤカッ
   ト部分に対応する形状のシャフト挿通孔を設けた金属よ
   りなるワッシャボスの外周にリング状にフローティング
   ラバーを一体成形し、このフローティングラバーの外周
   に羽根のボスに形成された多角形の凹部に整合する形状
   の金属製のワッシャフレームを一体成形した構成の羽根
   回り止めワッシャ。